JP3764166B2 - 二次代謝産物を産生するための方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、改変微生物を用いることにより高い収率で二次代謝産物を産生するための方法に関する。本発明は、このような方法に用いるための改変微生物、DNA構成物及びベクターを生産するための方法並びに改変微生物に更に関する。最後に、本発明は最初に言及された方法により産生される二次代謝産物に関する。
発明の背景
微生物の生化学的経路は、一次又は二次代謝産物のいずれかの部分として分類され得る。一次代謝物の経路は、エネルギー生産のための分子の異化又は細胞の構築ブロックの合成に関連する。これらの過程のほとんどは全ての微生物で共通している。二次代謝産物は通常、同化であり、細胞のための機能が明らかでない化合物を導く。
二次代謝産物の中で、β−ラクタム系抗生物質は微生物により天然に産生される大きなファミリーである。臨床的及び経済的の両方でβ−ラクタム系抗生物質の最も重要なクラスはペニシリン及びセファロスポリンである。それらの生合成は、酵素ステップの複合体経路によりおこる。
この経路の解明はここ数十年間、多くの研究の目的であった。β−ラクタム系抗生物質のペニシリン及びセファロスポリンの生合成経路における最初の2つのステップは同一である。その後ペニシリン及びセファロスポリンへの生合成経路は分かれる。
β−ラクタム生合成経路
重要なペニシリン種のペニシリンVへの経路を以下に示す。
アミノアジピン酸+システイン+バリン→ACV−トリペプチド→イソペニシリンN→ペニシリンV
最初のステップは、L−α−アミノアジビン酸(真菌中のシリン生合成経路における中間体又はバクテリア中のリシンのデグラデーション産物)、L−システイン及びL−バリンの縮合である。セファマイシン産生性放射菌類において、リシン(いわゆるアスパラギン酸ファミリーに属するアミノ酸)は、中間体としてα−アミノアジビン酸を含まないジヒドロジピコリン酸経路により合成される。これらの生物において、その前駆体は、リシン−6−アミノトランスフェラーゼの作用によりリシンの異化により形成される。
第2のステップにおいて、ACVは4つの水素原子の除去により酸化的に環化され、全てのペニシリン中に存在するイソペニシリンNの二環式ペネム(penam)核(チアゾリジン環に融合されたβ−ラクタム)を形成する。ここから、その経路はペニシリウム・キリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)及びアスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)においてペニシリンに、種々の糸状菌及び放射菌においてセファロスポリン及びセファマイシンに分かれる。セファロスポリン及びセファマイシン(7−α−メトキシ−セファロスポリン)はセフェム二環系(ジヒドロチアジン環に融合されたβ−ラクタム)を含む。
β−ラクタム経路を触媒する酵素
ACV−トリペプチドの形成は、酵素δ−(L−α−アミノアジビル)−L−システイニル−D−バリンシンセターゼ(ACVS)により行われる。
ペニシリン、セファロスポリン及びセファマイシン生合成において第2のステップを触媒する酵素はイソペニシリンNシンターゼ(IPNS又はシクラーゼ)である。IPNSは、鉄(II)イオン及びアスコルビン酸塩により刺激され、還元環境を要求する。β−ラクタム環は環化の間に形成されるので、イソペニシリンN(IPN)が抗生物質活性を有するその経路で産生される最初の化合物である。
IPNSは、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)、ストレプトマイセス・ラクタムジュランス(Streptomyces lactamdurans)、ペニシリウム・キリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)及びセファロスポリウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremonium)を含む広く種々のβ−ラクタム産生性生物から精製されている。
ペニシリン生合成における最後のステップは、例えばペニシリウム・キリソゲヌム及びアスペルギルス・ニジュランスのような生物から精製されているアシル−CoA:6−アミノペニシラニック酸トランスフェラーゼ(AT)により触媒される。
β−ラクタムの生合成に関連する酵素のほとんどがキャラクタライズされている。ACVS,IPNS(シクラーゼ)及びATをコードする遺伝子はクローンされており、発現を増加させるための異なる方法で改良されている(Martin,J.F,J.Indust.Microorg.,9,p.73〜90,1992)。
ペニシリン生合成をコードする遺伝子
P.キリソゲヌム及びA.ニジュランス中のペニシリン生合成の遺伝子は各々pcbAB,pcbC及びpenDEと命名され、隙間なく密集している。
P.キリソゲヌム中のACVシンセターゼ(ACVS)をコードするpcbAB遺伝子は、通常いずれのイントロンもない約12kbの大きな遺伝子である(Smith et al.,EMBO J.,9,p.2743〜2750,1990,Diez et al.,J.Biol.Chem.265,p.16358〜16365,1990)。転写マッピングは、pcbAB遺伝子内で内部でいくつかのプローブとハイブリダイズする約11.5kbの長い転写産物の存在を示した。更に、pcbC又はpenDE遺伝子とハイブリダイズする1.15kbの2つの小さな転写産物を示した(Martin,J.F.,J.Indu.Micr.,9,p.73〜90,1992)。
pcbAB遺伝子の転写開始及び終了領域は完全に配列決定されている。pcbAB遺伝子はpcbC及びpenDE遺伝子に結合し、それらの反対方向に転写される。
更に、P.キリソゲヌムのイソペニシリンNシンターゼ又はシクラーゼをコードするpcbC遺伝子も配列決定されている。その配列はいずれのイントロンも含まず、P.キリソゲヌムの遺伝子(Barredo et al.,Mol.Gen.Genet,216,p.91〜98,1989)は、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、N.ラクタムジュランス(N.lactamdurans)、及び他の放射菌及び繊維状真菌に極めて類似している。
penDE遺伝子は、ペニシリン生合成の最後のステップであるATをコードする(Barredo et al.,Gene,83,p.291〜300,1989)。A.ニジュランスのpenDE遺伝子は、P.キリソゲヌムのpenDE遺伝子と極めて類似しており、同様の位置に3つのイントロンを含む。
ペニシリン生合成の遺伝子の転写
pcbC及びpcbAB遺伝子の上流領域の転写分析においていくつかの群が報告されている。真菌において、互いに異なって転写される遺伝子は約1kbだけ分離されている。Smith et al.(Bio/Technology,8,p.237〜240,1990)はS1マッピング及びプライマー伸長法を用いてC.アクレモニウム(C.acremonium)pcbC遺伝子の5’領域における転写開始部位を同定した。mRNA開始部位の主要な及び副次的な対が、位置−64及び−72において、プロモーター領域内のピリミジンリッチなブロックのいずれの側にも発見された。共通TATAボックスが最初の主要転写開始部位の68bp上流で観察された。同様のモチーフが、A.ニジュランスpcbC遺伝子の5’領域内の位置−147において見い出された。
転写開始コドンに隣接する配列は共通の真菌の配列にマッチする。Barredo et al.(Mol.Gen.Genet.,216,p.91〜98,1989)は、プライマー伸長法によりP.クリソゲスムpcbCmRNAの開始部位をマッピングし、位置−11で開始する構造遺伝子近く由来の単一の転写物が作られることを示した。
Kolar et al.によるP.キリソゲヌムのペニシリン産生株での同様の研究(J.Biotechnol.,17,p.67〜80,1991)は、−131及び−132並びに−397における2つの主要な転写開始部位を示した。
A.ニジュランスpcbAB遺伝子のプライマー伸長法研究は、−230bpにおける主要なmRNA開始点を証明した。真菌の遺伝子内で頻繁に出くわす位置に認識できないコアプロモーター配列が見い出された。pcbC及びpcbAB遺伝子は同調的様式で調節され得るので、pcbABとpcbC遺伝子を分離する遺伝子間領域内において、トランス作用性蛋白質のためのレセプター部位のような潜在的な調節因子について研究が行われた。二回対称の53bp領域はその2つの遺伝子から等距離に位置するが、他の更なる配列の同一性は検出されなかった(McCabe et al.,J.Biol.Chem.,266,p.12646〜54,1991)。
C.アクレモニウムの7日間発酵の間のpcbCmRNAの分析は、2日目と4日目との間に1.5kb転写物の大きな蓄積物を示した。これは、イソペニシリンNの後の経路の産物の出現と相関関係がある(Smith et al.,Bio/Technology,8,p.237〜40,1990)。抗生物質がピークとなる5日目後にmRNAレベルが低下したという事実は、IPNS酵素の安定性のためであるとされた。
ペニシリン生合成経路の遺伝子の調節
多くの研究が生合成経路が多数の代謝制御の支配下にあるという事実にかかわらず、ペニシリン生合成を制御する遺伝子の発現を変化させる分子メカニズムについてはほとんど知られていない。
この方向における現在の努力は、抗生物質形成に影響を与える重大な細胞増殖パラメーターに関して、DNA領域調節遺伝子発現をキャラクタライズし、転写を分析することに焦点があたっている。
ACV合成は、ペニシリン及びセファロスポリンの生合成における律速ステップであり得、ペニシリウム・キリソゲヌム及びノカルジア・ラクタムジュランスにおけるグルコースにより、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)におけるホスフェートにより、並びにストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)及びセファロスポリウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremonium)におけるアンモニアにより制御されることが知られている。それは、培養の酸素転移比率によっても強く影響を受ける。
C.アクレモニウム中のpcbC発現の制御は、最初に転写レベルでおこる。S.クラブリゲルスpcbC遺伝子の同様の研究は、転写制御下で行われるべきその発現を示す。S.クラブリゲルス(S.clavuligerus)の培養物を豊かな又は規定された培地内で増殖させる場合、pcbCmRNAの量はIPNS酵素活性及び抗生物質産生と十分密接に関連し;規定培地において、両方のピーク値は豊富な培地よりかなり早期であった(Y.Aharonowitz et al.,Annu.Rev.Microbiol.,46,p.461〜95,1992)。
ペニシリン合成が抑制された条件下におけるA.ニジュランス内のペニシリン生合成遺伝子のmRNAレベルの分析は、転写物を示さず、これは転写レベルにおけるこれらの遺伝子の共通の制御を示唆する(McCabe et al.,EMBO J.,9,p.279〜87,1990)。
Penalva et al.(Genetics and Molecular Biology of industrial Microorganisms,Washington,DC,Am,Soc.Microbiol.,p.256〜61,1989;Gene,89,p.109〜15,1990)は、A.ニジュランスにおいてpcbC遺伝子が、細胞増殖の停止状態後にのみ転写され、その後にのみペニシリンが発酵ブイヨン内で検出された。
更に異なる光景がP.キリソゲヌムにおいて見い出された。pcbCmRNA及びIPNSのレベルは野生型株と高度に変異された過剰産生体株との両方で発酵全体を通してほぼ同じままであった(Kuck et al.Appl.Microbiol.Biotechnol.,31,p.358〜65,1989)。後者は野生型株より32〜64倍多いmRNAを示した。
Figure 0003764166
は、A.ニジュランスのIPNSプロモーターが高基質活性に作用する上流の負の制御因子によりほとんど調整される。3つの負のシス作用因子の配列欠失分析は、野生株より40倍(スクロースブイヨン)又は12倍(ラクトースブイヨン)活性である変異プロモーターを生ずる。これらのシス作用因子の1つはスクロース抑制に関連する。顕著には、それは非転写525bp遺伝子間領域の外側に位置し、分かれて転写されたpcbAB遺伝子のコーディング領域に位置決めされる。(主要転写開始点(tsp)に関して)−56までの5’欠失は、この領域が最大プロモーター活性のほぼ半分を供するための情報を含み、正確な部位における転写の開始を許容することを示した。ペニシリン産生性条件下で増殖した菌糸体からの全蛋白質抽出液を用いることにより、(IPNS tspに関して)−654と−455との間に位置したプロモーターフラグメントに特異的に結合するDNA結合活性を検出した。この領域をカバーする欠失はIPNSプロモーター活性を部分的にすてる。
変異された高β−ラクタム産生性株における制御メカニズムの解釈は、生合成遺伝子のクラスター内の可能な染色体異常型により複雑である。例えば、1のP.キリソゲヌム過剰産生体株はpcbC遺伝子の8〜10の複製を有し(Smith et al.,Mol.Gen.Genet.,216,p.492〜97,1989)、他は、14倍増幅された少くとも35kbのDNAセグメント内にpcbC及びpenDE遺伝子を含んでいた(Barredo et al.,Curr.Genet.,16,p.453〜59,1989)。このような発見の重要性は、経路ブロックに打ち勝つためにβ−ラクタム生合成遺伝子の更なる複製を導入すること、又は制御因子を変えることのいずれによる高産生体株を遺伝的に取り扱うための試みにも関連する。
P.キリソゲヌムWis 54−1255のpcbC−penDE遺伝子クラスターの増幅は、産生収率において40%程度の改良を導いた(Veenstra et al.J.Biotechnol.,17,p.81〜90,1991)。抗生物質収率の増加はpcbAB及びpcbC遺伝子の多重複製を含むA.ニジュランス形質転換体においても報告された(McCabe et al.,J.Biotechnol.,17,p.91〜97,1991)。
pcbC遺伝子の多重複製を挿入することによりC.アクレモニウムにおけるセファロスポリンCの収率及びP.キリソゲヌムにおけるペニシリンの収率を増加させる試みは成功していない(Skatrud et al.Bio/Technology,7,p.477〜86,1989)。
A.ニジュランスの野生型株におけるペニシリン産生に関して同様の結果が得られた(Penalva et al.,Genetics and Molecular Biology of indwtrial Microorganisms,Washington,DC.Am.Soc.Microbiol.p.256〜61,1989)。
関連特許文献
米国特許第4,885,251号(Eli Lilly)は、イソペニシリンNシンサーゼ(IPNS)をコードするC.アクレモニウムからのDNA配列を記載する。IPNSコーディング遺伝子配列から単離された。完全なIPNS遺伝子(pcbC)及び関連するプロモーターは、C.アクレモニウム内でのIPNSの発現を促すベクターを作製するのに用いられている。更に、IPNSプロモーターは、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼをコードするDNA配列に融合されてC.アクレモニウム発現ベクター上におかれる。
米国特許第4,892,819(Eli Lilly)は、IPNSをコードする遺伝子(pcbC)及びペニシリウム・キリソゲヌムからのそのプロモーターを含むイソペニシリンNシンターゼ(IPNS)をコードするDNA配列を記載する。そのDNA配列は、P.キリソゲヌム及びC.アクレモニウム中で機能する発現ベクター内におかれ得る。これは、組換えDNAベクター上にコードされる産物の最終的な発現を増加するのに用いられ得る。
EP 200,425(Eli Lilly)は、イソペニシリンNシンターゼ(IPNS)をコードするベクターを開示する。そのベクターは、C.アクレモニウム及び大腸菌においてIPNSの高レベルの発現を許容する。セファロスポリウムベクターは、ペニシリン及びセファロスポリン抗生物質の産生のための発酵において効果及び収率を増加させるための株の改変のために役立つ。そのベクターは、発酵においてP.キリソゲヌム、ストレプトマイセス・クラブリゲルス等の産生収率及び効果を増加させるためのベクターを与えるようにも改良され得る。
EP 260,762(Gist−Brocades)は、ペニシリウムの形質転換体を調製するための形質転換法を提供する。そのDNAは、好ましくは、導入される構造遺伝子の安定な発現を有する宿主内に一体化される。特に、栄養素要求性の相補性が選択のために用いられる。
EP 354,624(Gist Brocades)は、微生物において二次代謝生成物の産生に関連して遺伝子を同定するための差し引き単離法を記載する。この方法はP.キリソゲヌムにおけるペニシリンの産生に例示される。
EP 357,119(Gist Brocades)は、IPNS,AT及びACVSをコードする密集した抗生物質生合成遺伝子を開示し、微生物における抗生物質の産生の改良のため、及び抗生物質の生合成に関連した他の遺伝子の単離のために有利に用いられる。本発明は、P.キリソゲヌムにおけるペニシリンの改良された産生、他の密集した生合成遺伝子の単離並びにアクレモニウム・キリソゲヌムにおける密集したペニシリン生合成遺伝子の発現で例示される。
EP 448,180(Gist Brocades)は、宿主細胞中のオルガネラ、好ましくはミクロボディーの数及び/又は大きさを変調することを含む二次代謝生成物の産生を変調するための方法を記載する。これは、前記オルガネラ中に存在する蛋白質の発現を変えること;及び/又は前記オルガネラの成熟化もしくは分裂のための細胞の制御メカニズムを妨害すること;及び/又はオルガネラの数及び/又は大きさを制御することができる試薬に微生物を接触させること;又は1以上の前記蛋白質の遺伝子における1以上の標的シグナルをコードする1以上のDNA配列を加える、欠失させる又は変えることにより前記二次代謝生成物の産生に直接又は間接的に関連する任意に他の微生物から得られる少くとも1の蛋白質の細胞の局在化を変調することにより行われる。
先行技術の議論
先行技術は、発酵微生物中に存在する構造遺伝子の複製の数を増加させること、及び/又はこれらの遺伝子を改良することにより二次代謝産物の高く蓄積された収率をいかにして得るかを記載する。
しかしながら、発酵微生物中に存在する構造遺伝子の複製の数を増加させることは、二次代謝産物の収率を必要に増加させない。微生物の染色体DNAの本質的部分内への染色体外DNAの組込みを別にして、これは、その経路の全ての酵素が発現されるわけではなく、又はその経路のための前駆体が利用できない増殖期における発現も誘導し得る。更に、生合成経路における関与物、例えば前駆体と中間体との間の相互作用の複合セットのため収率の増加が欠如し得る。これは、例えばその経路中の酵素のいくつかがその経路からの中間体又は産物により阻害される場合であり得る。他の例は、代わりにその回収に反対の影響を与え得る限定された酵素レベル又は阻害された活性のため妨げがおきる場合、又はいくつかの経路が同じ中間体のために競合する場合の(不安定な)中間体の蓄積である。
更に、その方法の装置がより効果的に用いられるような連続的発酵方法により発酵可能産物を産生することがしばしば要求される。しかしながら、これは、代謝産物の生合成に関連する遺伝子が増殖中の細胞により全て発現されなければならないことを要求する。
二次代謝産物が固定された細胞を用いて産生される場合、その細胞は通常、増殖しない。これにより、代謝産物の生合成に関連する遺伝子が非増殖条件下で発現されることが必要とされる。
更に詳しくは、例えばペニシリンVの発酵において、その側鎖前駆体が産生の間の連続的に発酵に加えられるなら、ペニシリンVは遅滞期の後にブイヨン内にゆっくり蓄積し始める。容量生産性は、培養が数時間経過するまで適当なレベルに達しない。側鎖前駆体が発酵に加えられないなら、イソペニシリンN,6−アミノペニシラニック酸及び種々の“天然の”疎水性ペニシリンの混合物が蓄積するだろう。これらのβ−ラクタムの存在は基質の消費を孔、要求されるペニシリンの後の回収を妨害し得る。
発明の概要
本発明の目的は、二次代謝産物の産生のための改良された方法であって、i)前記二次代謝物を産生することができる微生物の発酵と、ii)実質的に純粋な形態において前記代謝物を回収するステップと、を含むことを特徴とする方法を提供することにより先に言及される問題のいくつかを克服することである。
前記微生物は、それにより前記二次代謝産物の生合成経路に含まれる又はそれを妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードするDNA配列の1又はいくつかの発現がもとの微生物における前記DNA配列の制御から異なって制御される様式に改変されている。
前記発現は、もとの微生物と比較してより早い又はより遅い発酵段階のどちらでも開始され得る。
前記ペプチド、蛋白質又は酵素の発現レベルは、もとの微生物の発酵と比較してより早い又はより遅い発酵段階において増加され得る。
好ましい実施形態によれば、微生物の改変は、前記DNA配列の発現を制御するプロモーター領域の置換により達成される。
本発明の他の目的は、原型の(original)微生物の制御から異なる制御を誘導するだろう調節因子/プロモーターに制御様式に連結されている関心のペプチド、蛋白質、又は酵素をコードする遺伝子を含むDNA構成物を提供することである。
本発明のこの態様の特定の実施形態は、penDE遺伝子プロモーター(ATp)の制御下で発現されるIPN構造遺伝子(pcbC)及びターミネーターを含むDNA構成物に関する。
本発明の更に他の目的は、このようなDNA構成物を含むベクター又は形質転換ビヒクルを提供することである。
更に本発明は、二次代謝産物を産生することができる微生物の産生のための方法であって、該微生物が、それにより前記二次代謝産物の生合成経路に含まれる又はそれを妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードするDNA配列の1又はいくつかの発現が原型の微生物における前記DNA配列の制御から異なって制御される様式で改変されていることを特徴とする方法に関する。
特定の実施形態において、本発明は、クラブラン酸、インドールジヒドロジオール及び抗生物質、特にペニシリンを産生することができるこのような微生物に関する。
最後に、本発明は、本発明の最初の態様に従う方法により産生される二次代謝物、特に抗生物質、クラブラン酸又はインドールジヒドロジオールに関する。
好ましい抗生物質は、ペニシリンG及びペニシリンVのようなペニシリンである。
図面の簡単な記載
本発明は、実施例及び図面を引用する明細書の以下の部分に更に詳細に記載されるだろう。
図1は、(★)が3つのフラグメントの連結部位であるpME1301の構造を示す。
図2は、pcbAB,pcbC及びpenDE遺伝子を含むP.キリソゲヌムDNA領域の制限マップを示す。
図3は、振とうフラスコ内の発酵の間の2つのペニシリン生合成酵素、シクラーゼ及びアシルトランスフェラーゼのペニシリンV収率及び活性レベルを示す。活性は、発酵の間に見られた最大活性に関する。
図4は、B10及び2つのATp TPNS形質転換体(130及び137)の発酵の3日及び5日後の振とうフラスコ内のペニシリン収率を示す。
図5は、B10並びに形質転換体130及び137の1リッターバッチ発酵における相対的ペニシリン収率を示す。B10についての曲線は5の発酵の平均であり、他方2つの形質転換体についての曲線各々は2の発酵の平均収率を表す。
発明の詳細な記載
本発明は、二次代謝産物の産生のための改良された方法であって、i)前記二次代謝産物を産生することができる微生物を発酵するステップと、ii)実質的に純粋な形態において前記代謝産物を回収するステップと、を含むことを特徴とする方法に関する。
前記微生物は、それにより前記二次代謝産物の生合成経路に含まれ、又はそれを妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードする1以上のDNA配列の発現がもとの微生物における前記DNA配列の制御から異なって制御される様式で改変されている。
本発明に従う方法の実施形態において、前記発現は、もとの微生物と比較して異なる発酵段階において開始される。その発現が同時に開始されるなら、その発現は発酵の間、維持される。
その発酵段階は、例えば遅滞、増殖及び定常期を含む。
前記二次代謝産物の生合成経路を妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードするDNA配列は、例えば拮抗経路に含まれる拮抗するペプチド、蛋白質又は酵素であり得る。
他の実施形態において、前記ペプチド、蛋白質又は酵素の発現レベルはもとの微生物の発酵と比較してより早い又はより遅い発酵段階において増加される。その発現は、発酵全体をとおして維持され得る。
問題のペプチド、蛋白質又は酵素の増加されたレベルは、増加された活性レベルとして定義される。
ペプチド、蛋白質又は酵素の発現の制御の交替は、前記微生物の1以上のDNA配列の遺伝的改変により得られうる。適切な改変は、例えば、プロモーターの置換、並びに前記遺伝子の開始及び発現を制御する原因であるDNA配列の特定の部位における変異である。可能な変異の例は、例えば放射又は化学的処理による部位特異的又はランダム変異誘発のための公知の手順を用いる1以上の塩基の欠失及び付加である。
前記遺伝子の開始及び発現を制御するDNA配列又はDNA配列内の少くとも1の領域の置換による改変は本発明に従って更に考慮される。
本発明の好ましい実施形態において、前記改変は、前記DNA配列の発現を制御するプロモーター領域の置換により達成される。
そのプロモーターは、もとの微生物内のプロモーターから異なる前記DNA配列の発現を制御するいずれかのDNA配列であり得る。
本発明の方法の先に言及される原理は、1以上のペプチド、蛋白質又は酵素の同調的発現が有利であるいずれかの工業的に重要な二次代謝物の産生のために用いられ得る。
このような関連する二次代謝産物の例は、ペニシリン、セファロスポリン、セファマイシン、モノ−バクタム、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、ストレプトマイシン、クラブラン酸、ノカルジシン、及びインドールジヒドロジオールを含む。
例えば、いくつかのペプチド、蛋白質又は酵素の同調的発現は、(インジゴ染料のための)インドールジヒドロジオールの産生に有利である。インドールジヒドロジオールは、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)ナフタレンジオキシゲナーゼの導入後に大腸菌内で産生され得る(Murduoch et al.,(1993),Bio/Technology.11,381を参照のこと)。
インジゴ合成におけるジオキシゲナーゼのための前駆体は、トリプトファンの生合成における中間体であるインドールである。インドールは、通常、低濃度で細胞内に存在するのみであるが、それを産生する酵素(即ちトリプトファンシンセターゼ)の遺伝子工学によりより高いインドールレベルが得られうる。
ナフタレンジオキシゲナーゼを安定化するために、ペプチド、フェレドキシンの同時発現が必要である。ナフタレンジオキシゲナーゼ及びフェレドキシンのための同じプロモーターを用いることにより、安定化が得られうる。
更に、改変されたトリプトファンシンセターゼのための同じプロモーターの使用は、基質、インドールの同時産生を導くだろう。
酵素の発現期を産生期に限定することにより、細胞の代謝は、例えば活性な細胞量の蓄積が最も重要である増殖期におけるこれらのペプチド、蛋白質又は酵素の産生のために要求される余分の負荷がかけられないだろう。遺伝子が発現される時間を限定することによる他の利点は、遺伝子が逆戻りする見込みが限定されることである。
先のことは、生合成に関連する全ての遺伝子が同調的に発現されることが重要である代謝的に処理されたアミノ酸過剰生産性細胞への本発明の原理の一般的適用を指す。
他の例は、フェニルアラニン(Ikeda,M.and Katsumata,R.(1992)Appl.Envir,Bicrobiol.58,781)又はアスパラギン酸ファミリーのアミノ酸(Jetten,M.S.M.,and Sinskey,A.J.(1995)Crit.Rev.Biotech.15,73)の産生である。
以下において、抗生物質ペニシリンの産生は他の特定の実施例として用いられるだろう。ペニシリン産生が本発明の一般的原理を示すための例としてのみ考慮されることが強調されるべきである。
産生されるべきペニシリンは、例えばペニシリンG又はペニシリンVであり得る。
生合成経路における酵素の発現を制御することにより、ペニシリン産生のより早い開始が得られうる。
本発明に従って異なって制御されるべきペニシリンをコードするDNA配列の部分は、イソペニシリンNシンターゼ(シクラーゼ(cyclase)又はIPNS)酵素をコードする領域であり得る。
更に詳しくは、前記DNA配列は、IPNSプロモーターがP.キリソゲヌムからのアシル−CoA:6−アミノペニシルラニック酸トランスフェラーゼ酵素(AT)の発現を制御するプロモーターにより置換されるように改変され得る。
ATはペニシリンの発酵において早期に主に産生されるが、シクラーゼは増殖が減少する時にピークになる。これにより、シクラーゼ遺伝子とのAT−プロモーターの組合せは、酵素のより早い発現及びより早いペニシリン産生を与えるだろう。
特定の実施例において、もとの微生物はペニシリンを産生するために用いられるペニシリウム・キリソゲヌムである。ATは、発酵の早期の段階において高レベルで発現される。発酵のかなりの期間の後にIPNS活性は増加する。この遅滞期を削減するため、及び発酵においてより早期のペニシリン生合成を誘導するために、その発酵株は、ATプロモーター(ATp IPNS遺伝子)と共にIPNS遺伝子を含むプラスミドで形質転換された。
プロモーターの交換は、与えられる代謝産物のための全ての生合成酵素の同調した発現を生じ得る。これは、毒性の効果又はデグラデーションの危険を有する発酵の特定の期における中間体の蓄積なしの産生を導く。
生合成酵素の発現の同調性は、精製の問題又は生合成の阻害を与え得る中間体の蓄積を削減しないで又はそれを削減してより速い産生を導き得る。それは、既に存在するβ−ラクタムのデグラデーションも削減する。
固定化された細胞と組み合わせて本発明の概念を用いることが有利である。固定化された細胞は、通常、増殖せず、これにより非増殖条件下で生合成遺伝子の発現を有することが必要である。いくつかの生合成酵素は、増殖中の細胞により最初に産生され、それにより定常増殖期において増加されたレベルの生合成酵素を与えるプロモーターを導入することが有利である。
本発明に従って、産生の必要性により適している産生期を選択することが可能である。産生の間の二次代謝産物の生合成のより早い開始は、装置のより優れた利用を導き、いくつかの場合にはより高く蓄積された収量を導くだろう。あるいは、遅れた産生期は、例えば細胞が要求される代謝産物の生合成を開始する前に特定の生物量を確立するために要求され得る。これは、代謝産物が細胞増殖期の間に用いられる条件において不安定である場合又は代謝産物それ自体もしくはその前駆体の1つが細胞増殖を阻害し得る場合に特に有利であり得る。遅れた産生期は、次に、より集中した産生期、不安定な産物の損失の削減を引きおこし、かわりに代謝産物の回収のために非常に重要であり得る副産物のより少い形成を導く。
集中した産生期についての期間の他の議論は、不安定な前駆体又は産物である。これは、化学的不安定性のため、又は他の代謝目的のための利用性のためのいずれでもあり得る。
かわりのものは、代謝産物の構成的産生、即ち全ての増殖期における産生である。連続的発酵において、全ての酵素が少くともいくらかの増殖がおこる条件下で発現されることが必要である。それゆえ、全ての生合成酵素の発現を許容する制御因子は通常、これらの環境下で有利である。
あるいは、全ての酵素が増殖がおこる条件下で発現されることが必要であるので増殖の間の発現の持続が、連続発酵過程において必要である。
生合成酵素のより早い又はより遅い発現のいずれが好ましいかは、特定の場合に極めて依存する。その選択に影響を与え得る因子は、毒性効果、前駆体の安定性、中間体又は産物、産生のモード(例えば固定化細胞)、回収の容易さ、及び経済性である。
本原理の他の適用は、拮抗的代謝経路の制御のためである。いくつかの環境において、代謝産物の産生期の間のこの拮抗を妨げる又は最小化することが有利であろう。
これは、拮抗経路が要求される産物の生合成のために用いられる最初の代謝産物を排出している又は産物それ自体が代謝され得る場合である。更に、最初の経路が要求される産物の生合成の周知のレプレッサーを産生する場合である。
本発明の他の目的は、二次代謝産物を産生することができる微生物の産生のための方法を提供することである。もとの微生物は、それにより前駆体二次代謝産物の生合成経路に含まれる又はそれを妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードする1以上のDNA配列の発現がもとの微生物において前記DNA配列の制御から異なって制御される様式で改変される。
本発明の実施形態において、前記もとの微生物は、それにより前記発現がもとの微生物と比較して異なる発酵段階において開始される様式で改変される。発現が同時に開始されるなら、その発現は発酵全体の間、維持される。
もとの微生物の発酵と比較してより早い又はより遅い発酵段階において前記ペプチド、蛋白質、又は酵素の発現レベルを増加させることも考慮される。その発現は、発酵全体を通して維持され得る。
本発明の好ましい実施形態において、前記もとの微生物は、前記DNA配列の発現を制御するプロモーター領域の置換により改変される。
本発明に従って、例えばプロモーター又は構造遺伝子を含む前記DNA配列は、公知の方法により単離され得る。これにより、DNA配列は、例えば、その配列を有すると予想される生物、例えば以下に記載されるような細胞からcDNA又はゲノムライブラリーを確立し、慣用的手順により陽性クローンについてスクリーニングすることにより単離され得る。このような手順の例は、標準的技術(例えばSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory manual,2nd.Ed.Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989)に従うオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションである。
cDNA又はゲノムライブラリーからDNA配列を単離する好ましい方法は、問題のDNA配列に基づいて調製された縮重したオリゴヌクレオチドプローブを用いるポリメラーゼ鎖反応(PCR)の使用による。例えば、PCRは、米国特許第4,683,202に記載される技術を用いて、又はR.K.Saiki et al.,Science 239,p.487〜491,1988により行われ得る。
あるいは、そのDNA配列は、確立された標準的技術、例えばBeaucage and Caruthers,1981により記載されるホスホアミジト法、又はMatthes et al.,1984により記載される方法により合成的に調製され得る。ホスホアミジト法に従って、オリゴヌクレオチドは例えば自動DNA合成機において合成され、精製され、アニーリングされ、連結反応させ、そして適切なベクター内にクローニングされる。
最後に、そのDNA配列は、ゲノム源と合成源との混合、合成源とcDNA源との混合又はゲノム源とcDNA源との混合であり得る。それらは、標準的技術に従って(適切な)合成、ゲノム又はcDNA源のフラグメントを連結することにより調製され、ここでそのフラグメントは全体のDNA分子の種々の部分に相当する。
好ましくは、前記もとの微生物は、ペニシリン、セファロスポリン、セファマイシン、モノ−バクタム、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、ストレプトマイシン、クラブラン酸、ノカルジシン及びインドールジヒドロジオールからなる群から選択される工業的に重要な二次代謝産物を産生することができるペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ノカルジア(Nocardia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、セルコスポーラ(Cercospora)、ミクロモノスポーラ(Micromonospora)、他の真正細菌、他の放線菌類又は糸状菌類を含む群からの属に属する。
好ましい実施形態において、前記もとの微生物は、ペニシリウム・キリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、アクレモニウム・キリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、ノカルジア・ラクタムジュランス(Nocardia lactamdurans)、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)、及びシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)を含む群からの種に属する。
他の好ましい実施形態において、前記もとの微生物は、ペニシリン、特にペニシリンG又はペニシリンVを産生することができる微生物である。
更に、本発明の実施形態において、前記DNA配列は、イソペニシリンNシンターゼ(シクラーゼ又はIPNS)酵素をコードするDNA配列を含む。
特定の実施形態において、IPNSプロモーターは、アシル−CoA:6−アミノペニシルラニック酸トランスフェラーゼ酵素(AT)の発現を制御するプロモーター(ATp)により置換される。
本発明の更なる目的は、原型(original)のプロモーターから異なるプロモーターの制御下で発現される遺伝子を含むDNA構成物を提供することである。
そのDNA構成物において、その遺伝子に対応するDNA配列は、適切なプロモーター配列又は他の発現制御因子に作用的に結合されるべきである。プロモーターは、もとの微生物のそれから異なる増殖段階においてペプチド、蛋白質又は酵素の発現を開始するいずれかのDNA配列であり得、宿主細胞に対して同種又は異種のいずれの蛋白質をコードする遺伝子からも得られうる。
DNA構成物は、そのDNA配列に作用的に結合された適切なターミネーターも含み得る。
本発明の実施形態において、前記DNA構成物は、二次代謝産物に含まれる酵素をコードする遺伝子、好ましくは、ペニシリン生合成のための酵素をコードする構造遺伝子のようなβ−ラクタム系抗生物質のための蛋白質をコードする構造遺伝子のいくつかを含む。
好ましい実施形態において、前記DNA構成物は、イソペニシリンNシンターゼ(シクラーゼ又はIPNS)をコードする構造遺伝子と、β−ラクタム抗生物質生合成に含まれる遺伝子のプロモーターと、を含む。
更に他の好ましい実施形態において、プロモーターは、アシル−CoA:6−アミノペニシルラニック酸トランスフェラーゼ(AT)遺伝子(penDE)のプロモーターのようなペニシリン生合成に含まれる遺伝子のプロモーターである。
本発明の特定の実施形態において、前記DNA配列は、IPNS構造遺伝子(pcbC)と、AT遺伝子(penDE)プロモーター(ATp)の制御下で発現されるターミネーターと、を含む。
あるいは、DNA配列は、例えば一次代謝におけるいずれかの遺伝子のプロモーターを含む。
本発明の更なる目的は、DNA構成物を含むベクター又は形質転換ビヒクルを提供することである。前記DNA構成物は、好ましくは、先に言及されるDNA構成物の1つである。
DNA構成物は、問題の宿主細胞内でベクターが複製することを可能にするDNA配列を更に含み得る。このような配列の例は、プラスミドpBR322,pUC19,pACYC177,pUB110,pE194,pAMB2,pJC720及びpIJ702の複製の源である。
DNA構成物及び/又はベクターは、選択マーカー、例えば、B.サブチルスもしくはB.リケニホルミスからのdal遺伝子のようなその産物が宿主細胞における欠損を補足する遺伝子、又はプレオマイシン、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性のよな抗生物質耐性を与えるもの、又はヒグロマイシンB,AndS,sC,PyrG,ArgB,TrpCもしくはNiaDのような陽性選択マーカーも含み得る。
宿主細胞内の要求される位置に、又は発酵培地内に発酵を送るために、(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られる)標的シグナル又は分泌シグナル配列は、各々組換えベクター内に供され得る。標的シグナル又は分泌シグナル配列は正確な読み枠内の酵素をコードするDNA配列に連結される。分泌配列は、酵素をコードするDNA配列に対して5’に一般に位置し、他方標的シグナル配列はDNA配列に対して3’に一般に位置する。標的シグナル又は分泌シグナル配列は、前記酵素に通常関連し得、又は要求されるシグナル配列を有する他の蛋白質をコードする遺伝子からのものであり得る。
細胞内発現は、本発明に従う利点である。
問題の構造遺伝子、プロモーター、ターミネーター及び他の因子を各々コードするDNA配列を連結することを含む本発明のDNA構成物を作製するために、並びに複製のために必要な情報を含む適切なベクター内にそれらを挿入するために用いられる手順は当業者に公知である(例えばSambrook et al.,前掲、1989)。
特定の実施形態において、ベクター又は形質転換ビヒクルは作用的に結合されたフレオマイシン(phleomycin)耐性発現ユニットを含むpUC19である。
更に本発明の目的は、二次代謝産物を産生することができる微生物を提供することである。微生物は、それにより前記二次代謝産物の生合成経路に関連する又はそれを妨害するペプチド、蛋白質又は酵素をコードする1以上のDNA配列の発現がもとの微生物におけるDNA配列の制御から異なって制御される様式で改変される。
好ましくは、微生物は、先に記載の方法により産生され、先に記載のタイプのベクター又はDNA構成物の形質転換により改変される。
微生物は、DNA構成物は染色体外存在物としても存在し得るが、便利には宿主染色体内にDNA構成物を一体化することにより、本発明のDNA構成物で形質転換され得る。しかしながら、DNA配列は微生物内で安定して維持されることがより好ましいので、その一体化が有利であると一般に考えられる。DNA構成物の宿主染色体内への一体化は、慣用的方法に従って、例えば同種組換えにより行われ得る。あるいは、微生物は、異なるタイプの宿主細胞と合わせて以下に記載の発現ベクターで形質転換され得る。
本発明の微生物は、哺乳動物又は昆虫のようなより高等な生物の細胞であり得るが、好ましくは、微生物の細胞、例えばバクテリア又は(イーストを含む)真菌の細胞である。
好ましくは、微生物は、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ノカルジニア(Nocardia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、エスケリチア(Escherichia)、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、セルコスポーラ(Cercospora)、ミクロモノスポーラ(Micromonospora)、他のユーバクテリア、他の放線菌又は糸状菌を含む群に属し、更に工業的に重要な二次代謝産物を産生することができる、これらは、好ましくは、ペニシリン、セファロスポリン、セファマイシン、モノバクタム、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、ストレプトマイシン、クラブラン酸、ノカルジシン及びインドールジヒドロジオールの群からのものである。
大腸菌のようなバクテリアの形質転換は、例えば、プロトプラスト形質転換により、又はそれ自体周知である様式でコンピテント細胞を用いることにより行われ得る。
糸状菌は、アスペルギルス、例えばアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)又はアスペルギルス・ニゲル(Aspergilus niger)の種に属し得る。真菌細胞はプロトプラスト形成及びそれ自体周知の様式での細胞壁の再生の後のプロトプラストの形質転換を含む方法により形質転換され得る。
好ましい実施形態において、微生物は、ペニシリウム・キリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、アクレモニウム・キリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、ノカルジア・ラクタムジュランス(Nocardia lactamdurans)、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)又は大腸菌を含む群からの種に属する。
微生物を培養するのに用いられる培地は、問題の宿主細胞を増殖させるのに適したいずれかの慣用の培地であり得る。適切な培地は、商業的供給元から利用でき、又は出版される方法(例えばAmerican Type Culture Collectionのカタログにおけるもの)に従って調製され得る。
本発明の最後の目的は、先に記載の方法により産生される二次代謝産物を提供することである。
好ましくは、二次代謝産物は、ペニシリン、セファロスポリン、セファマイシン、モノ−バクタム、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、ストレプトマイシン、クラブラン酸及びノカルジシン、特にペニシリンGもしくはペニシリンVのようなペニシリン、並びに色素、特にインジゴ染料の群から選択される工業的に重要な二次代謝産物である。
材料及び方法
株:
B10:(Panlabs,11804 North Creek Parkway South,Bothell WA 98011〜8805,USAから利用できる)P.クリソゲヌム株
株130:ATp IPNS遺伝子を含むpME1301で形質転換されたB10
株137:ATp IPNS遺伝子を含むpME1301で形質転換されたB10
クローン:
ラムダKNK31クローン:ペニシリン遺伝子クラスター、各々pcbAB,pcbC及びpenDE遺伝子を含むクローン。
ベクター:
pUC19:2.6kb Asp719−SalIフラグメント
pBR322:3.9kb NheI−SalIフラグメント
形質転換選択マーカー:
アスペルギルス・オリザエTPI(トリホスホスフェートイソメラーゼ)プロモーター及びアスペルギルス・ニゲルAMG(アミログルコシダーゼ)ターミネーターにより発現される大腸菌Tn5フレオマイシン耐性遺伝子
プラスミド:
pME1243:pUC19中の2.3kb EcoRI−SalIフラグメントpenDEプロモーターpcbC遺伝子−pcbCターミネーター
pME1205:pBR322中のラムダKNK31からのpcbC及びpenDE遺伝子のサブクローン
pME1301:penDEプロモーター−pcbC遺伝子−pcbCターミネーター(2.3kb)、TPIプロモーター(0.9kb)、Tn5フレオマイシン耐性遺伝子(1.1kb)、AMGターミネーター(0.7kb)及びpUC19(2.6kb)を含む7.6kbプラスミド
材料:
Figure 0003764166
P−1種培地:(J.Lein,1986)
P−2発酵培地:(J.Lein,1986、オリーブ油により置換されたラード油)
Tween−80▲R▼:(Merck Art.822187)
LCS培地:ラクトース−水和物1.5%、コーンスターチ液0.5%ペプトン0.5%,NaCl 0.4%,MgSO4・7H2O 0.05%,KH2PO4 0.06%,FeCl3・6H2O 0.0005%,CuSO4・5H2O 0.002%,pH 4.8
LCS寒天:LCS培地、2%寒天。
Myraクロス(Calbiochem)
プロトプラスト形成のための溶液
BSA:ウシ血清アルブミン(Sigma A7638)
溶液A:5mlが1.2M MgSO4,10mM NaH2PO4,pH 5.8,150mg Novozym234(batch #1199),100μlキチナーゼ(Sigma,4U/ml)。
溶液B:0.6Mソルビトール,100mM Tris−HCl,pH 7.0
溶液C:1.2Mソルビトール,10mM Tris−HCl,pH 7.5,10mM CaCl2
溶液D:60% PEG4000(BDH#29576),10mM Tris−HCl,pH 7.5,10mM CaCl2
方法:
CsCl濃度勾配(Maniatis et al.,1982,Molecular cloning,Alaboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)によりDNAを調製した。
P.キリソゲヌムからのペニシリン遺伝子クラスターのクローニング
P.キリソゲヌムからのゲノムDNAをSchwarz−Sommer et al.,EMBO J.,3,p.1021〜1028,1984の手順に従って単離し、Sau3Aで部分的に消化した。15〜23kbのサイズのフラグメントを単離してラムダEMBL3 BamHIアーム(Promega)に連結した。
プラークハイブリダイゼーション法(Maniatis et al.,1982、前掲)でのゲノムライブラリーラムダEMBL3のスクリーニングにより、pcbAB,pcbC及びpenDEに特異的なプローブ、即ち:
(1)pcbABターミネーターを含む約400bp PstI/BamHIフラグメント、
(2)pcbCをコードする領域を含む約1kb NcoIフラグメント、及び
(3)penDEターミネーターを含む約400bp Bsu36I/SalIフラグメント
とハイブリダイズするクローンを見い出した。
ラムダKNK31 DNAは全ての先に記載のプローブとハイブリダイズした(図2を参照のこと)。
ラムダKNK31 DNAにおける制限酵素部位:
SalIでのラムダKNK31の制限は、挿入断片から2つのラムダKNK31アーム(各々9及び20kb)を切り離し、挿入断片の大きさの測定を可能にする。ラムダアーム内にはEcoRI部位は存在せず、クローニングのために用いられるBamHI部位はSau3A部位に連結した場合の25%、統計的に維持されるだろう。ラムダKNK31は18.6kb挿入断片を有し、6 SalIフラグメント、4EcoRIフラグメント及び3BamHIフラグメントを生じる。
形質転換
ペニシリウム・キリソゲヌム産生株B10を36時間、26℃で100ml LCS培地の2つのフラスコ内で培養した。菌糸体をMyra cloth内に収集し、500mlの0.6M MgSO4で全体にわたって洗浄し、次に菌糸体をプラスチックフラスコ内に移し、5mlの溶液A内に懸濁して5分間、氷上に置いた。750μlのBSA(12mg/ml)を菌糸体懸濁液に加え、静かに振とうしながら1〜2時間、30℃で更にインキュベートした。プロトプラスト形成を光学顕微鏡で監視した。
プロトプラストをMyra−クロス上に収集し、溶液B5ml上に注意深く積層した。ゆっくりと2000rpmまで上げて15分間、遠心した後、溶液Bと溶液Aとの間の中間相にあるプロトプラストをピペットで取り、溶液Cの2容量を加えることにより希釈して、5分間、2500rpmで再び遠心した。プロトプラストペレットを溶液Cで2回洗浄し、単離されたプロトプラストを溶液Cを加えることにより希釈して1〜2×107細胞/mlを得た。プロトプラスト100μlを形質転換のために用いた。
CsCl濃度勾配により調製された10μg DNAをプロトプラストに加え、20分間、室温に置いた。次に溶液D 200μlを加え、その混合物を20分間、室温に置いた。次に1.2Mソルビトールの3容量を加え、プロトプラスト−DNA凝集物を10分間、2500rpmで遠心した。次にそのペレットを、300μlの1.2Mソルビトールを加えることにより再懸濁し、LCS寒天中に50μg/mlフレオマイシン及び1.2Mソルビトールを含む(各々100μl)3つの選択プレート上にプレートした。プレートを、形質転換体が現れるまで26℃でインキュベートした。
P.キリソゲヌムの発酵:
P.キリソゲヌム(Panlabs B10株)の凍結乾燥された胞子を、0.1%(v/v)Tween−80▼R▲を含む蒸留水中に懸濁した後に10ml LCS斜面寒天上に接種した。10日間、25℃でインキュベートした後、斜面表面からの胞子を0.1% Tween−80▼R▲ 10ml中に懸濁してその5mlを300mlのエーレンマイヤーフラスコ内の50ml P−1種培地に接種するのに用いた。その種培養を、290rpmでのロータリーシェイカー上で25℃でインキュベートした。48時間後の、種培養の2mlアリコートを、P−2発酵培地、300mlエーレンマイヤーフラスコ内に35mlの接種のために用いた。その培養物を収集するまで290rpmで25℃でインキュベートした。
発酵ブイヨンからの上清中のペニシリンVの測定
最初に、1mlの氷冷エタノールを1mlの上清に加え、混合した後、氷浴上で蛋白質を5分間、沈殿させた。
次に、そのサンプルを4℃で3000rpm(1550g)で5分間、遠心した。その上清を50mM Tris/HCl,pH7.2で希釈した。
B10を分析する時に、1〜2日目からのサンプルを普通に200倍に希釈し、3〜7日目からのサンプルを(エタノールでの1倍希釈を含む)2000倍に希釈した。
そのサンプルを以下の条件下でHPLCにより分析した。
溶離液:100ml 25mM Na−リン酸緩衝液、pH7.0
180ml アセトリトリル
720ml Milli−Q水
を混合してHeで脱気したもの
流速:1.5ml/min
検出:UV 210nm
カラム温度:35℃
カラム:SupelguardカラムでのSupelcosil LC−18−DB(25×4.6mm)
稼動時間:12分
保持時間(ペニシリンV):約8.3分
対象標準:50μM ペニシリンV(カリウム塩)
音波処理によるP.キリソゲヌムからの細胞抽出液の調製
振とうフラスコを収集するまで氷浴上に置いた。1つの層の(Calbiochemからの)Myraクロスで被覆されたブフナー漏斗上でのろ過により出来る限り迅速に細胞を収集した。次に、その細胞を漏斗上で少くとも2容量の氷冷0.9%(w/v)NaClで洗浄した。その細胞2gを氷冷ガラス遠心チューブ内に計りとり、次に4mlの50mM Tris/HCl,pH7.2,5mMのジチオトレイトール、1mMのEDTA及び0.5mMのフェニルメチルスホニルフルオリド(PMSF)を加えた。
2分間、氷浴上で音波処理を行い(50%稼動率サイクル)、次に10,000gで20分間、遠心した。その上清を、細胞の再懸濁に用いるのと同じであるがPMSF成分が50μg/lに削減された。緩衝液で平衡化されたPD10カラム(G25)上で脱塩した。脱塩するために、2mlのサンプルをカラム上に適用し、次に0.5mlの緩衝液を適用し、他の2.5mlの緩衝液で溶出した。抽出液を含む溶出液を、50mM Tris/HCl,pH7.2,5mMジチオトレイトール、1mM EDTA,PMSFなしで10倍に希釈した。アッセイはF−9200088(Novo Nordisk A/Sからの許可により利用できる)に記載される。
実施例
実施例1
ACVシンセターゼ遺伝子(pcbAB)を含む全体のペニシリン生合成遺伝子クラスターをラムダEMBL3内でP.キリソゲヌム B10からクローンした。
ファージ(ラムダKNK31)が全体の遺伝子クラスターを含むことを見い出した。
DNAをラムダKNK31クローンから単離し(Maniatis et al.,前掲、1982)、その挿入断片を制限酵素SalI,EcoRI、及びBamHIによりマッピングした。その制限酵素マップを図2及び以下の表1に示す。
Figure 0003764166
実施例2
DNA構成物
クローンラムダKNK31をXbaI及びBglIIで消化して、pcbC遺伝子及びpenDEターミネーターを含む1427bpフラグメントを単離した(図2参照)。
penDEプロモーターを含む874bpフラグメントを、テンプレートとしてラムダKNK31、及び以下のプライマーを用いて、PCR(PCRプロトコル:A Guide to Methods and Applications,Ed.M.A.Innis,D.H.et al.Academic Press,Inc,1990)により作製した。そのプライマー尾部#1069Mは、もとのATプロモーターにおけるXmnI部位のかわりにXbaIを含む。
Figure 0003764166
PCRフラグメントをSacI及びXbaI制限酵素で消化し、874bpフラグメントを0.7%アガロースゲル電気泳動により単離した。これを、pcbC構造遺伝子及びターミネーター並びにSacI及びBamHI酵素で切断された2.6kb pUC19ベクターを含む1427bpの先に記載のXbaI−BalIIフラグメントに連結した(pME1243)。先のフラグメントをpME1205(ラムダクローン、KNK31からのpcbC及びpenDE遺伝子のサブクローン)から単離した。pME1243から、2.3kb EcoRI−SalIフラグメント(penDEプロモーター、pcbC構造遺伝子及びpcbCターミネーター)(ATp IPNS)を取り出し、大腸菌Tn5フレオマイシン耐性遺伝子発現単位の2.7kb Asp718−EcoRIフラグメント(アスペルギルス・オリザエ・TPIプロモーター及びアスペルギルス・ニゲルAMGターミネーター)に、そしてpUC19ベクター(2.6 Asp718−SalIフラグメント)に連結した。これによりpME1301プラスミドを生ずる(図1参照)。
B10をATp IPNS遺伝子を含むpME1301で形質転換した。これは、B10形質転換体株130及び137を導く。
実施例3
発酵の間の生合成酵素
ペニシリウム・キリソゲヌムの振とうフラスコ発酵の間のシクラーゼ及びアシルトランスフェラーゼの出現が図3に示される。0時間における活性は産生培地に移す直前のプレ培養における活性である。図3から、アシルトランスフェラーゼは発酵初期に主に発現されるが、シクラーゼの活性は発酵の後期に最大に達することが明らかである。これにより、2つの生合成酵素の活性は同調的でない。ペニシリンの産生がシクラーゼ活性についての曲線に密接に従ってていることが図から明らかである。
実施例4
ATp IPNS形質転換体(130及び137)のテスト
実施例2に従って作製された2つの形質転換体(130及び137)におけるペニシリン産生及びシクラーゼ活性を振とうフラスコ内でテストし、宿主株B10と比較した。その結果を表2、表3及び図4に示す。
ペニシリン産生はB10と比較して2つの形質転換体においてより早く開始し、更にその5回を経た培養物中の蓄積されたペニシリンV産生が増加したことが明らかである。これは発酵の早い及び遅い段階の両方でシクラーゼ活性が増加したことによく対応する。
表2に、ATp IPNS形質転換体(130及び137)の5日の振とうフラスコ培養における相対的なシクラーゼ活性及びペニシリンV収率を示す。収率はB10に対する。
Figure 0003764166
アシルトランスフェラーゼからのプロモーターでシクラーゼのプロモーターを置換することにより、発酵の早い部分において、シクラーゼの増加された活性が得られた。更に、シクラーゼ活性の上昇されたレベルは表3から明らかなように発酵全体を通して維持された。
表3に、B10及び2つのATp IPNS形質転換体の2及び5日を経た振とうフラスコ培養における相対的シクラーゼ活性を示す。
Figure 0003764166
2つのATp IPNS形質転換体(130及び137)を振とうフラスコに用いたのと同じ培地を用いて1リッター発酵槽内でテストした。相対的な蓄積されたペニシリンV収率を図5に示す。この図から、シクラーゼのためのプロモーターをアシルトランスフェラーゼのためのプロモーターに置換することにより、ペニシリン遅滞期が削減され、ペニシリンのより高い全体の収率が得られたことが明らかである。
これにより、ペニシリンVの発酵において早期のシクラーゼの発現を増加させ、その活性の上昇したレベルを維持することにより、ペニシリンの産生がより早く開始し、蓄積された収率が増加されることが明らかである。
先の開示の範囲内で当業者に明らかであろうように、本発明の要旨及び範囲から離れることなく本発明の実施において多くの置換及び改良が可能である。従って、本発明の範囲は以下の請求の範囲により規定されるものに従って解釈されるべきである。

Claims (12)

  1. ペニシリンの製造方法において、
    (a)アシルCoA:6-アミノペニシルラニック酸トランスフェラーゼ酵素(AT)遺伝子のプロモーター(ATp)に作用可能に連結されたイソペニシリンNシンターゼ(IPNS)遺伝子を含んで成るDNA構成物を作製し;
    (b)前記DNA構成物により、ペニシリンを生産することが出来る微生物を形質転換し;
    (c)前記形質転換された微生物を発酵させ;そして
    (d)ペニシリンを回収する;
    ことを含んで成る方法。
  2. 前記発酵のために用いられる微生物が固定化されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発酵が連続的である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ペニシリンがペニシリンG又はペニシリンVである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ペニシリンを生産することが出来る微生物の製造方法において、アシルCoA:6-アミノペニシルラニック酸トランスフェラーゼ酵素(AT)遺伝子のプロモーター(ATp)に作用可能に連結されたイソペニシリンNシンターゼ(IPNS)遺伝子を含んで成るDNA構成物により、ペニシリンを生産することが出来る微生物を形質転換することを含んで成る方法。
  6. 前記発酵のために用いられる微生物が固定化される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記発酵が連続的である、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 記微生物が、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ノカルジア(Nocardia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、エスケリチア(Escherichia)、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、セルコスポーラ(Cercospora)、クロモノスポーラ(Micromonospora)、他のユーバクテリア(Eubacteria)、他の放線菌又は糸状菌を含む群からの属に属する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 記微生物が、ペニシリウム・キリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、アクレモニウム・キリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)、アスペルギルス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、ノカルジア・ラクタムジュランス(Nocardia lactamdurans)、ストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)及びシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)を含む群からの種に属する、請求項8に記載の方法。
  10. 記微生物がペニシリンG又はペニシリンVを産生することができる微生物である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法により製造される、ペニシリンを産生することができる微生物。
  12. 前記微生物が、ペニシリウム(Penicillium)、セファロスポリウム(Cephalosporium)、アスペルギルス(Aspergillus)、ノカルジア(Nocardia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、エスケリチア(Escherichia)、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、セルコスポーラ(Cercospora)、ミクロモノスポーラ(Micromonospora)、他のユーバクテリア(Eubacteria)、他の放線菌又は糸状菌を含む群からの属に属する、請求項11に記載の微生物。
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