JP3763431B2 - グラビア印刷機の版胴搬送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷機に関し、更に詳しくは、印刷品目切換時等において、版胴やインキングパーツの交換を敏速に行うために用いるグラビア印刷機の版胴搬送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、グラビア印刷機の印刷ユニットにおいて、品目切換時には、オペレータが印刷ユニット内でインキで汚れている版胴を洗浄し、版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等のパーツを取り外し、新たな版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等を取り付けるという作業を行っている。また、取り外したパーツはそれぞれ台車に乗せ、その台車を人手で動かして、それぞれの保管場所或いは洗浄場所に運搬していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる作業は、人手作業が多いため、オペレータに過大な作業負担を与えるのみならず、作業に時間がかかり、印刷機の停止時間が長くなるという問題があった。また、これらの作業は、重いパーツを取り扱うため重労働であり、且つ溶剤等を使用した悪い作業環境での汚い作業であるという問題もあった。
【0004】
そこで、これらの問題点を解決するため、本出願人は先に、版胴と、インキパン、インキタンク、インキポンプ等のインキングパーツをカセット台車に搭載しておくと共にそのカセット台車を印刷ユニットの下部領域に対して出し入れ可能とし、品目切換時には、印刷ユニット内に置かれていた使用済の版胴、インキングパーツを搭載したカセット台車と、新たな版胴、インキングパーツを搭載したカセット台車とを入れ替えることにより、きわめて短時間に版胴、インキングパーツを交換し、印刷ユニットから排出したカセット台車は、印刷機の運転中に、グラビア印刷機から離れた位置にある準備室に送って、そのカセット台車に搭載した各部品の交換、洗浄等の作業を行うように構成した外段取りシステムを開発し、特許出願した〔特願平8−173016号(特開平10−755)〕。
【0005】
ところで、この外段取りシステムを使用する際、準備室に戻したカセット台車からの使用済の版胴の取り出し作業、新たな版胴のカセット台車への搭載作業を自動化することが望ましい。
【0006】
本発明はかかる要望に基づいてなされたもので、版胴及びインキングパーツを搭載し、グラビア印刷機の印刷ユニットの下部領域に対して搬入、排出可能なカセット台車を準備室に搬送した後、その準備室において、該カセット台車から使用済の版胴を取り出し、また、カセット台車に対して新たな版胴を所定の位相に位置決めして搭載するという動作を自動的に行うことを可能とした版胴搬送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、準備室内に、カセット台車搬送装置によるカセット台車搬送経路に位置するように、版胴の初期位相決めを行ってカセット台車に供給する版胴位相決め装置を設け、更に、前記準備室内の、好ましくは版胴位相決め装置の近傍に、版胴パレットを乗せて自動走行する自動搬送車と連動動作にて、該自動搬送車から版胴パレットを受入れ、ストックし、また自動搬送車と連動動作にて、版胴パレットを自動搬送車に排出する版胴パレットステーションを設けると共に、該版胴パレットステーションから前記版胴位相決め装置へ版胴を移載し、且つ前記版胴位相決め装置若しくはカセット台車から前記版胴パレットステーションへ版胴を移載する版胴自動交換クレーンを設けるという構成とし、更に、前記版胴位相決め装置を、前記カセット台車走行経路をはさんで両側に、カセット台車の通り抜けを可能とするよう間隔をあけて配置された一対のフレームと、該一対のフレームに対して昇降するように設けられ、上端に版胴の軸を乗せて回転させることの可能な版胴支持部材と、該版胴支持部材が版胴を保持して回転させた時、その版胴の位相を検出する位相検出手段と、該位相検出手段からの信号により前記版胴支持部材上で回転している版胴を所定の位相位置に停止させる制御手段とを備え、前記版胴支持部材が上昇位置にある状態で、前記版胴自動交換クレーンによって送られてくる版胴を受け取り、位相決めを行い、その後、前記版胴支持部材が降下することで、版胴を下方に待機しているカセット台車に乗せるように構成したものである。
【0008】
この構成により、印刷機で使用済の版胴を乗せたカセット台車が準備室に搬送されてきて版胴位相決め装置内に停止すると、版胴自動交換クレーンがそのカセット台車から直接或いは版胴位相決め装置を介して版胴を取り出し、版胴パレットステーションの版胴パレット上に乗せ、版胴パレットステーションが版胴を乗せた版胴パレットを自動搬送車に送り出し、自動搬送車は版胴を乗せた版胴パレットを版胴倉庫等に自動搬送することができ、また、逆に、自動搬送車が版胴倉庫等から新たな版胴を乗せた版胴パレットを搬送してきて版胴パレットステーションに供給し、そこに一時的にストックしておき、空のカセット台車が版胴位相決め装置内に搬送されてきて停止すると、版胴自動交換クレーンが版胴パレットステーション上の版胴パレット上の版胴を取り出して版胴位相決め装置に供給し、版胴位相決め装置が版胴の初期位相決めを行ってカセット台車に乗せるという動作を行うことができ、これにより、カセット台車からの版胴の排出及び所定位置への運搬、及び新たな版胴の位相決め及びカセット台車への供給を自動的に実施できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例による版胴搬送システムを用いた外段取りシステムを配置した印刷機室及び準備室を示す概略斜視図、図2はその概略平面図であり、1は印刷機室、2は準備室、3は印刷機室1内に設置されているグラビア印刷機、3aはそのグラビア印刷機3の印刷ユニットである。この印刷機室1及び準備室2内に配置された版胴搬送システムは、版胴及びインキパン、インキタンク、インキポンプ等のインキングパーツを搭載し、グラビア印刷機の印刷ユニット3aの下部領域に対して搬入、排出可能なカセット台車4と、そのカセット台車4を、グラビア印刷機3を配置した印刷機室1と、カセット台車に対する版胴及びインキングパーツの交換、組み付けを行う準備室2との間で搬送するカセット台車搬送装置5と、準備室2内で且つカセット台車搬送装置5によるカセット台車搬送経路に設けられ、版胴の初期位相決めを行ってカセット台車4に供給する版胴位相決め装置6と、準備室2内に設けられ、版胴パレットを乗せて自動走行する自動搬送車(以下AGVという)7と連動動作にて、該AGV7から版胴パレットを受入れ、ストックし、またAGV7と連動動作にて、版胴パレットをAGV7に排出する版胴パレットステーション8と、該版胴パレットステーション8から版胴位相決め装置6へ版胴を移載し、且つ版胴位相決め装置6若しくはカセット台車4から版胴パレットステーション8へ版胴を移載する版胴自動交換クレーン9等を備えている。以下、各部分を詳細に説明する。
【0010】
まず、カセット台車4を説明する。図3はカセット台車4の概略正面図、図4はそのカセット台車4の概略側面図であり、カセット台車4をカセット台車搬送装置5の搬送レール10の上に乗せた状態で示している。カセット台車4は台車本体11を備えており、その台車本体11には自在に旋回するキャスター12とレール用車輪13とが取り付けられている。このキャスター12は、その最下端がレール用車輪13の最下端よりも少し低い位置となるように配置されており、カセット台車4を平坦な床面上に置いた時にはキャスター12が床面に接触して荷重を支え、レール用車輪13は床面から少し浮き上がった位置に保たれる。この構成により、平坦な床面上ではカセット台車4をキャスター12を利用して自由に移動させることが可能となる。
【0011】
レール用車輪13は、カセット台車4をカセット台車搬送装置5(図2参照)の搬送レール10によって走行させる際に使用するものであり、その中心軸線がカセット台車4の軸線方向に平行になるように取り付けられている。ここで、カセット台車4の軸線方向とは、このカセット台車に保持させた版胴15の軸線に平行な方向を意味するものである。従って、カセット台車4は搬送レール10上を、保持した版胴15の軸線に直角方向に走行する。なお、搬送レール10はその上面が周囲の床面にほぼ等しい高さになるように配置されており、その搬送レール10の外側近傍の床面は、カセット台車4のキャスター12がぶつからないように切り欠いている。搬送レール10上に乗せたカセット台車4の走行は、カセット台車4を後述する連結治具36A、36Bによって搬送チェーン35A、35B等に連結し、その搬送チェーン35A、35B等で牽引することで行う構成となっており、従って、カセット台車4には自走用のモータは搭載していない。このため、構造が簡単となり、軽量となると共に、動力配線等の必要がない等の利点が得られる。
【0012】
カセット台車4の両側の側面(軸線方向の両端)には、版胴15の両端の軸15aを支持する版胴受け17が設けられている。この版胴受け17は、版胴15を印刷動作のために回転可能に保持するものではなく、単に版胴15を運搬の際に支持するものであり、このため、簡単な形状のものでよい。本実施例では、版胴受け17の上面に略V字状の溝17aを形成し、その溝17aで版胴15の軸15aを支持すると共に上方に出し入れ可能としている。版胴受け17に保持された版胴15の直ぐ下方には、版胴15を収容するようにインキパン18が取り付けられている。このインキパン18は版胴15を版胴受け17から少し持ち上げた状態で、印刷を行うことができるように配置されている。更に、インキパン18の両端面には、上方から版胴15の軸15aを挿入することができるよう、切欠19が形成されており、且つその切欠19にはインキはねを防止するためのカバー20が着脱可能に取り付けられている。なお、インキパン18には、その内面全体を覆うようにプラスチックフイルムからなるカバーが取り付けられており、このカバーを取り替えることによりインキパン内面の洗浄を不要としている。
【0013】
台車本体11の両側の側面には、水平に且つ下向きに被支持レール22が取り付けられている。この被支持レール22は、カセット台車4を後述するカセット交換台車で保持したり、印刷ユニット2に設けているカセット台車出入装置で保持したりする際に用いるものである。また、その被支持レール22の上方には手押し用のハンドル23も取り付けられている。更に、台車本体11は、インキタンク24やインキポンプ25を載置するための支持面26や、ファニッシャーロール27を乗せるための支持棒28A、アプリケータ29を乗せるための支持棒28B、ドクターホルダー30を乗せるための支持棒28C等も備えている。また、台車本体11の両側面には、上下方向に延びる位置決め長穴32が設けられ、印刷ユニットやカセット交換台車に設けている位置決めピンを挿入可能としている。
【0014】
台車本体11の下面には、更に、カセット台車搬送装置5の搬送チェーン35A又は35C(図2参照)に断続可能に連結するための連結治具36Aと、搬送チェーン35Bに断続可能に連結するための連結治具36Bが取り付けられている。これらの連結治具36A、36Bは同じ構造のものであるので、一方の連結治具36Aを例に取って説明する。
【0015】
図5、図6に示すように、連結治具36Aは、一対の係合爪37と、その係合爪37をピン38を介して揺動可能に保持した支持部材39と、係合爪37の後端に取り付けられた足踏みペダル40を備えている。一対の係合爪37は、搬送チェーン35Aの長手方向に、互いに間隔をあけて且つ互いに向かい合って配置されている。この一対の係合爪37の間隔は、両者の間に搬送チェーン35Aに設けているチェーンフック42を挿入させることができるように定められている。更に、その一対の係合爪37は、先端に幅の広い係合部37aを有しており、且つ、通常は自重により図5に実線で示す作動位置、即ち、搬送チェーン35Aがカセット台車4に対して図5で左右のいずれの方向に走行しても、チェーンフック42が先端の係合部37aに当接して搬送力を伝達しうる位置(なお、この時、係合爪37はチェーンフック42で押されても下方に回動しないように適当なストッパで位置を規制されている)を占めているが、足踏みペダル40を二点鎖線で示す位置に押し下げると、先端が上昇してチェーンフック42から外れる構成となっている。また、その一対の係合爪37は、図5に実線で示す作動位置を占めている時、その下側が一対の係合爪の中心に向かって傾斜した形状となっており、このため、チェーンフック42が一対の係合爪37の外側から接近してくると、一方を係合爪37を押し上げてその下を通過し、通過後はその係合爪37が自重で元の作動位置に戻ることにより、一対の係合爪37の間に入ることができる。
【0016】
かくして、図7(a)に示すように、一対の係合爪37の間にチェーンフック42を位置させた状態では、搬送チェーン35Aのいずれの方向への移動も係合爪37を介してカセット台車4に伝達することができ、従って、カセット台車4を搬送チェーン35Aと一緒に移動させることができる。また、図7(b)に示すように、搬送チェーン35Aを停止させた状態で、一方の足踏みペダル40を踏んで係合爪37の先端を上昇させ、その状態でカセット台車4を矢印方向に手で押すことにより、図8(a)に示すように、カセット台車4をチェーンフック42から外すことができる。そして、更にカセット台車4を押して行くと、図8(b)に示すように、進行方向の前側の係合爪37がチェーンフック42で押し上げられ、チェーンフック42を乗り越えた後、自重で元の作動位置に戻り、これにより、カセット台車4を搬送チェーン35Aに連結することができる。また、カセット台車4を押す代わりに、搬送チェーン35Aを走行させることによっても同様にチェーンフック42を一対の係合爪37の間に自動的に挿入することができ、搬送チェーン35Aをカセット台車4に連結できる。なお、この例では、一対の係合爪37が自重で図5に実線で示す作動位置を占める構成としているが、自重の代わりに或いは自重に加えてばね力を利用するようにしてもよい。
【0017】
図2において、カセット台車搬送装置5は、準備室2から印刷機室1内のグラビア印刷機3の横に延びるように配置され、カセット台車4のレール用車輪13(図3参照)を支持する搬送レール10と、その搬送レール10に平行に且つ垂直面内で循環するように設けられた第一、第二及び第三の搬送チェーン35A、35B、35Cと、各搬送チェーン35A、35B、35Cをそれぞれ正逆方向に回転駆動するチェーン搬送モータ(図示せず)等を備えている。搬送チェーン35A、35B、35Cはいずれもカセット台車4を牽引することができるようチェーンフック42(図5、図6参照)を備えており、図9に示す位置関係で配置されている。
【0018】
図2及び図9において、第一の搬送チェーン35Aは、準備室2内で台車を保管する保管領域から第一の乗り移り部Aまで延びるように配置されるものであり、以下準備室チェーンという。この準備室チェーン35Aは、複数のカセット台車4を狭い間隔p1 で保管領域に運び込み、そのまま保管することができるように設けたものであり、複数のカセット台車4を小さいピッチp1 で牽引することができるよう、チェーンフック42をピッチp1 で取り付けている。第三の搬送チェーン35Cは、準備室2の入口部分の第二の乗り移り部Bから印刷機室1の印刷機3の横まで延びるように配置されたものであり、以下印刷機室チェーンという。この印刷機室チェーン35Cは、複数のカセット台車4を印刷ユニット3aのピッチp2 に等しいピッチで印刷機3の横に搬送し、複数のカセット台車4を同時に、各印刷ユニット3aに対応して設けているカセット交換台車104内に位置させることができるように設けたものであり、チェーンフック42をピッチp2 で取り付けている。準備室チェーン35A及び印刷機室チェーン35Cは一直線上に配置されている。
【0019】
第二の搬送チェーン35Bは、第一の乗り移り部Aと第二の乗り移り部Bとの間に延びるように、且つ準備室チェーン35A及び印刷機室チェーン35Cから横にずれた位置に配置されている。乗り移り部A、Bは、搬送チェーン35A、35B間及び35B、35C間でカセット台車4の受渡しを行う位置であると共に、その位置に停止しているカセット台車4に対して、版胴やパーツの取り付けや取り出し等の作業を行うための作業領域でもあり、乗り移り部A、Bの間隔はカセット台車4に対して作業者が必要な作業を行うことができる間隔に設定されている。以下、この作業領域に配置された搬送チェーン35Bを作業領域チェーンという。
【0020】
準備室チェーン35Aと作業領域チェーン35Bとは、それぞれのチェーンフック42を、乗り移り部Aに位置するカセット台車4の連結治具36A、36Bに同時に連結することができるように配置されており、また、作業領域チェーン35Bと印刷機室チェーン35Cとは、それぞれのチェーンフック42を、乗り移り部Bに位置するカセット台車4の連結治具36A、36Bに同時に連結することができるように配置されている。本実施例では、カセット台車4の連結治具36A、36Bがカセット台車4の走行方向には同一位置に設けられており、作業領域チェーン35Bは、準備室チェーン35A及び印刷機室チェーン35Cの横に一部がオーバーラップする関係で配置され、そのオーバーラップした位置に乗り移り部A、Bを形成している。更に具体的には、準備室チェーン35A、作業領域チェーン35Bをそれぞれ掛けたチェーンホィール44、45が同一直径で且つ同一軸線上に配置されており、その軸線の真上に位置するチェーンフック42が乗り移り部Aに停止したカセット台車4に同時に連結可能であり、また、作業領域チェーン35B、印刷機室チェーン35Cをそれぞれ掛けたチェーンホィール46、47が同一直径で且つ同一軸線上に配置されており、その軸線の真上に位置するチェーンフック42が乗り移り部Bに停止したカセット台車4に同時に連結可能となっている。作業領域チェーン35Bに取り付けているチェーンフック42のピッチは、乗り移り部A、Bの間隔p3 に等しく設定されている。
【0021】
次に、上記構成の搬送チェーン35A、35B、35Cによるカセット台車4の搬送動作を図10、図11を参照して説明する。いま、図10(a)に示すように、準備室チェーン35Aに3台のカセット台車4が連結されているものとする。他の搬送チェーン35B、35Cは、それぞれのチェーンフック42を乗り移り部A、Bに位置させた状態で停止している。
【0022】
この状態で、準備室チェーン35Aが1ピッチp1 分移動し、図10(b)に示すように、先頭のカセット台車4が乗り移り部Aに到達して停止する。この時、乗り移り部Aに到達したカセット台車4は自動的に作業領域チェーン35Bのチェーンフック42に連結される。次に、図10(c)に示すように、準備室チェーン35Aと作業領域チェーン35Bが同時に同一速度で走行し、図10(d)に示すように、先頭のカセット台車4を乗り移り部Aから送り出す。準備室チェーン35Aは1ピッチ分だけ移動して停止し、これによって次のカセット台車4が乗り移り部Aに到達して停止する。一方、作業領域チェーン35Bは走行を続け、1ピッチp3 分だけ移動して停止する。これにより、図10(e)に示すように、先頭のカセット台車4が乗り移り部Bに到達して停止し、その位置に停止している印刷機室チェーン35Cのチェーンフック42に連結され、また、作業領域チェーン35Bの後続のチェーンフック42が乗り移り部Aに到達してその位置に停止していたカセット台車4に連結される。
【0023】
乗り移り部Bには後述するように、版胴位相決め装置6が設けられ、カセット台車に対して版胴の出し入れを行うようになっており、従って、この位置に停止しているカセット台車4に版胴15が搭載される。次に、図11(a)に示すように、3個の搬送チェーン35A、35B、35Cが同時に同一速度で走行し、それぞれ1ピッチ分だけ移動して停止する。すなわち、図11(b)に示すように、まず、ピッチの最も小さい準備室チェーン35Aが最初に停止し、最後尾のカセット台車4を乗り移り部Aで停止させ、次に、図11(c)に示すように、印刷機室チェーン35Cが停止して先頭のカセット台車4を乗り移り部Bから1ピッチp2 だけ移動した位置に停止させ且つ乗り移り部Bに次のチェーンフック42を位置させ、最後に、図11(d)に示すように、作業領域チェーン35Bが1ピッチp3 分だけ移動した位置で停止する。これにより、二番目のカセット台車4が乗り移り部Bに到達して印刷機室チェーン35Cのチェーンフック42に連結され、従って、2台のカセット台車4が印刷機室チェーン35Cに所定のピッチp2 で乗り移ることとなる。
【0024】
以下、同様の動作を繰り返すことにより、準備室チェーン35Aでピッチp1 で搬送されてきたカセット台車4が、図11(e)に示すように、印刷機室チェーン35Cにピッチp2 で連結され、その後は、印刷機室チェーン35Cによってピッチp2 を保って所望の位置(印刷機3の横の所定位置)に搬送される。また、以上とは逆の動作を行うことにより、印刷機室チェーン35Cによってピッチp2 で搬送されてきたカセット台車4が作業領域チェーン35Bを経て準備室チェーン35Aにピッチp1 で連結され、その後は、準備室チェーン35Aによってピッチp1 で搬送される。
【0025】
図2において、準備室チェーン35Aの両側には、リフター装置50が設けられている。このリフター装置50は、図2のC−C矢視断面を示す図12に示すように、搬送レール10に支持されているカセット台車4のキャスター12の下方に配置されたリフター板51とそれを昇降させるシリンダ機構52を備えている。リフター板51は通常は、図12に示すように、搬送レール10に支持されているカセット台車4のキャスター12に接触しない位置に退避しているが、これをシリンダ機構52が床面54と同じ高さまで持ち上げると、キャスター12を介してカセット台車4を持ち上げることができ、これによってカセット台車4は搬送レール10から上方に離れ、キャスター12によって床面上を自由に移動しうる状態となる。従って、図2において、搬送レール10上に並んでいるカセット台車4をその列から外し、任意の位置に手で押して移動させることができる。また、搬送レール10から外れた位置にあるカセット台車4を搬送レール10上の所定位置に整列させる作業を容易とするため、一方のリフター板51に沿って、カセット台車4を準備室チェーン35Aに着脱させる際の位置決め用ストッパ55が設けられている。
【0026】
乗り移り部Bは、カセット台車4に対して版胴の出し入れを行う位置となっており、この位置に版胴位相決め装置6が設けられている。版胴位相決め装置6は、図13(a)、(b)に示すように、搬送レール10によって定まるカセット台車走行経路をはさんで両側に、カセット台車4の通り抜けを可能とするように間隔をあけて配置された一対のフレーム61と、その一対のフレーム61に昇降可能に設けられた版胴支持部材62と、その版胴支持部材62を昇降させる昇降機構(図示せず)等を備えている。この版胴支持部材62はその上端に版胴15の軸15aを乗せて回転させることができるようコロ63と、そのコロ63の少なくとも一つを回転させるモータ(図示せず)を備えている。この版胴支持部材62は、下降位置とした時には、その上をカセット台車4に乗せた版胴15の軸15aが支障なく通過可能であるが、上昇位置とした時には、版胴15の軸15aを、カセット台車4の版胴受け17から持ち上げることができるように、昇降範囲が定められている。
【0027】
一対のフレーム61の外側には更に、一対の補助フレーム64が設けられ、それぞれの上端部分に位置決め用のブッシャ65が設けられている。この位置決め用のプッシャ65は上昇位置にある版胴支持部材62に保持された版胴15の軸15aの端部を押して軸線方向の位置決めを行うものである。
【0028】
更に、一対の補助フレーム64の一方(図面では左側)には、位相検出手段の検出部66が設けられている。この位相検出手段は、版胴支持部材62に保持している版胴15を回転させた時、その版胴15が所定の位相(回転角度位置)になったことを検出するためのもので、その検出部66は図14に示すように、軸15aの一部をはさむ関係に配置された投光部66aと受光部66bから構成されており、受光部66bの出力信号は角度検出回路(図示せず)に入力されている。一方、版胴15の軸15aには、位相検出手段66で監視される部分に平面部15bが形成されている。図14において、矢印は光線を表しており、複数の矢印が平行していることは、レーザ光線等によって得られる平行する光線であることを示している。この位相検出手段による位相検出は次のように行われる。すなわち、図14(b)に示すように、軸15aの平面部15bが投光部66aから受光部66bへの光線に対して傾斜している時には、その光線が軸15aによって遮られる量が大きいが、図14(a)に示すように、平面部15bが下向きで光線にほぼ平行となると、軸15aが光線を遮る量が小さくなる。かくして、版胴15の軸15aを回転させながら受光部66bによる受光量を角度検出回路が監視し、その受光量が最大になる時点を検出することで、版胴15が所定の基準位相(平面部15bが真下を向いた位置)となったことを検出でき、その基準位相を基準として、回転中の版胴15の位相を検出できる。この信号は、コロ63を介して版胴15を回転させているモータを制御する制御回路に出力されており、制御回路は位相検出手段から信号によって、版胴15が所望の位相位置に停止するようにモータを停止させることができる。
【0029】
図13において、70は、版胴パレットステーション8(図2参照)から版胴位相決め装置6へ版胴を移載する版胴自動交換クレーン9のクレーンフックである。このクレーンフック70は版胴15の軸15aを、版胴支持部材62により支持位置よりも外側で保持可能な構造を有しており、且つ図示しない保持機構(この構造については後述する)によって、搬送レール10に平行な方向(X−X方向)、搬送レール10に直角で且つ水平方向(Y−Y方向)及び上下方向(Z−Z方向)に移動可能である。このため、クレーンフック70で版胴を保持してきて、版胴支持部材62の真上から下降して、版胴の軸15aを版胴支持部材62のコロ63の上に乗せ、その後、X−X方向に退避して上昇するという動作によって版胴15を版胴支持部材62に供給でき、また、その逆の動作で版胴支持部材62から版胴を受け取って持ち上げることができる。
【0030】
次に、版胴位相決め装置6による版胴位置決め及びカセット台車への供給動作を説明する。版胴支持部材62が上昇位置にある状態で、クレーンフック70が版胴15を運んできて、版胴支持部材62のコロ63上に乗せる。次いで、位置決め用のブッシャ65が作動して、コロ63上に保持されている版胴15の軸15aの端部を押して軸線方向に位置決めする。次いで、コロ63に連結しているモータが作動してコロ63を回転させて版胴15を回転させ、位相検出手段が、回転中の版胴の位相を検出し、制御回路がその検出信号に基づいて、コロ63を駆動しているモータを停止させる。これにより、コロ63で保持された版胴15が所定の位相に位置決めされて停止する。一方、この動作の前後若しくは並行して空のカセット台車4が版胴位相決め装置6内に送り込まれて停止する。そして、その後、版胴支持部材62が下降し、保持していた版胴15の軸15aをカセット台車4の版胴受け17に乗せる。以上により、版胴を軸方向及び位相方向に位置決めを行った状態で、カセット台車4に供給し、乗せることができる。
【0031】
次に、カセット台車4から版胴15を取り出す動作を説明する。版胴支持部材62を下降位置とした状態の時に、版胴15を乗せたカセット台車4が搬送されて来て、版胴位相決め装置6内の所定位置に停止する。次いで、版胴支持部材62が上昇して、カセット台車4に乗せていた版胴15の軸15aを持ち上げる。その後、その版胴支持部材62に乗せていた版胴15をクレーンフック70が保持して持ち上げ、所定位置に搬送する。以上のようにして、カセット台車4からの版胴排出が行われる。なお、版胴支持部材62でカセット台車4上の版胴15を持ち上げる代わりに、クレーンフック70をカセット台車4に保持された版胴15の軸15aを支持しうる位置まで下降させ、カセット台車4から直線版胴15を受け取って持ち上げるようにしてもよい。
【0032】
次に、図1、図2に示す準備室2内に設けられている他の装置について説明する。版胴パレットステーション8は、版胴位相決め装置6の側方近傍に配置されている。この版胴パレットステーション8は、図15、図16に示すように、2列の平行に配置されたコンベア73A、73Bを有している。このコンベア73A、73Bはそれぞれ、版胴パレット75を乗せて水平に且つ矢印X−X方向(図2に示す搬送レール10に平行な方向)に搬送可能なものであり、本実施例では、コロコンベア76A、76Bと、そのコロコンベア76A、76Bをそれぞれ回転駆動するギヤードモータ77A、77Bを備えている。また、各列のコンベア73A、73Bはそれぞれ、3個ずつの版胴パレット75を乗せてストックすることができる大きさであると共に、版胴パレット75の側面を案内するサイドガイド78と、それぞれの版胴パレット75を所定位置に位置決めして停止させるストッパ79、80等を備えている。なお、ストッパ80は版胴パレット75の位置決めを行うための作動位置と、版胴パレット75の移動に干渉しない退避位置とに昇降する構成となっている。
【0033】
AGV7は、上面に版胴パレット75を乗せて保持すると共に搬入、排出を行うためのコンベア82(例えば、コロコンベア)を備えており、自動走行によって、版胴パレットステーション8の各列のコンベア73A、73Bの一端に停止可能である。そして、AGV7がコンベア73A又は73Bの一端に停止した状態では、そのAGV7のコンベア82が、版胴パレットステーション8のコンベア73A、73Bと同じ高さで且つ同方向に版胴パレット75を搬送するように構成されている。これらのAGV7のコンベア82と版胴パレットステーション8のコンベア73A、73Bとは、版胴パレット75をAGV7から版胴パレットステーション8に移載し、また、逆に版胴パレットステーション8からAGV7に移載することができるよう、図示しない制御装置によって連動動作するように構成されている。
【0034】
版胴パレット75は、版胴15を乗せて保持するためのものであり、図17に示すように、フレーム部84と、その両端上面に設けられた支持部材85と、軸端規制ガイド86を備えている。支持部材85は、版胴15の軸15aを支持するための浅い略V字状の溝85aを備えており、その溝85aで版胴15を支持するとともに、上方に出し入れ可能である。軸端規制ガイド86は、版胴15を版胴パレット75に乗せる時に軸15aの端部を中央方向に案内するように設けられており、これによって版胴パレット75に乗せた版胴の軸線方向の位置決めを行うことができる。なお、本実施例では、版胴パレット75は3個の版胴15を保持するものとして示しているが、必要に応じ、版胴の保持本数は適宜増減可能である。
【0035】
図1において、版胴自動交換クレーン9は、版胴パレットステーション8から版胴位相決め装置6へ版胴を移載し、且つ版胴位相決め装置6若しくはその位置にあるカセット台車4から版胴パレットステーション8へ版胴を移載するためのものであり、その詳細を図18、図19を参照して説明する。版胴自動交換クレーン9は、版胴15の軸15aを保持するためのクレーンフック70と、それを保持した保持機構90を有している。この保持機構90は、版胴位相決め装置6と版胴パレットステーション8の上方にY−Y方向に掛け渡されているレール92上を走行する第一移動台車93と、その第一移動台車93にX−X方向に形成されているレール95上を走行する第二移動台車96と、その第二移動台車96に搭載され、クレーンフック70を昇降させる昇降機構98等を備えている。かくして、第一移動台車93を版胴パレットステーション8上に移動させ、第二移動台車96を、図19に示すようにクレーンフック70が取り出すべき版胴15の軸15aの少し横に外れた位置となるようにし、その状態で昇降機構98でクレーンフック70を下降させ、次いで、第二移動台車96を水平に移動させてクレーンフック70の下端の軸支持部分を版胴15の軸15aの下に通し、その後、昇降機構98でクレーンフック70を上昇させることで、版胴パレットステーション8上の版胴パレット75から版胴15を取り出すことができ、また、その逆の動作で版胴パレット75上に版胴15を乗せることができる。また、第一移動台車93を版胴位相決め装置6の上方に移動させ、前記した動作を行うことにより、版胴15を版胴位相決め装置6に対して供給、排出することができる。
【0036】
図1、図2において、準備室2には、インキタンクを一時的に保管するインキタンク置台100も設けられており、無人搬送車でインキタンクを運搬するようになっている。更に、この準備室2には、インキパンのカバーを作成するパンカバー作成装置、ドクターの洗浄、組立を行う領域、インキポンプ、ファニッシャーロール、アプリケータ等の洗浄を行う領域等(いずれも図示せず)も設けられている。
【0037】
図1、図2において、カセット台車搬送装置5は、印刷機室1内の印刷機3の横にまで延びている。そして、その印刷機3のところには、図20に示すように、各印刷ユニット3a前後に位置するように、交換台車搬送レール102がカセット台車搬送装置5の搬送レール10に直交するように設けられ、その交換台車搬送レール102にはカセット交換台車104が保持されている。このカセット交換台車104は、カセット台車搬送装置5と印刷ユニット3aの間でカセット台車4を移載するために使用するものであり、その構成は特願平8−173016号に詳細に説明されている。カセット交換台車104は本発明には直接関係がないので、ここでは簡単に説明する。カセット交換台車104は、図示した位置すなわち搬送レール10を跨がる位置に停止している時、カセット台車4の通り抜けを許容するとともに、そのカセット交換台車内に停止した所定のカセット台車4を持ち上げて保持することができ、しかも、そのカセット台車4を保持して印刷ユニット3aの前に移動し、印刷ユニット3aに設けられているカセット移載装置と共同してカセット台車4を印刷ユニット3a内に送り込むことができるものである。また、カセット交換台車104は、カセット台車4を搭載しない状態で印刷ユニット3aの後ろに移動し、印刷ユニット3aから使用済のカセット台車4を受け取り、次いで搬送レール10を跨がる位置に移動し、そのカセット台車4を搬送レール10上に降ろすことができる。
【0038】
次に、上記構成の版胴交換システムを備えた印刷機の外段取りシステム全体についての動作を説明する。なお、以下の動作説明において、手動で行う旨の記載の無い場合には、図示しないシーケンス制御装置によって自動で行われるものである。通常の印刷動作時には、図20に示すように各印刷ユニット3a内にカセット台車4がセットされている。
【0039】
印刷動作中、準備室2内でカセット台車交換の準備が行われる。すなわち、準備室2内において、交換用の所定個数のカセット台車4が準備室チェーン35A上に所定のピッチp1 で整列され、準備室チェーン35Aに連結される。なお、この整列作業は手動で行われる。次に、準備室チェーン35Aが走行して、複数のカセット台車4を搬送し、先頭のカセット台車4が乗り移り部Aに停止させる。そして、乗り移り部Aに位置する先頭のカセット台車4に対して、インキタンク24、インキポンプ25(図3参照)等のインキングパーツが手動若しくはオートクレーン等によって搭載される。
【0040】
次いで、カセット台車搬送装置5が再び作動し、図10で説明した手順によって先頭のカセット台車4を乗り移り部Bに移動させ、且つ2番目のカセット台車4を乗り移り部Aに移動させ、その位置に停止させる。この動作の前に、版胴パレットステーション8には、新たな版胴15を乗せた版胴パレット75がAGV7によって供給され、ストックされている。そして、カセット台車4の乗り移り部B(版胴位相決め装置6内)への移動動作の前後に若しくは並行して、版胴自動交換クレーン9が版胴パレット75上から新たな版胴15を取り出し、版胴位相決め装置6の版胴支持部材62のコロ63上(図13参照)に供給する。この時、版胴支持部材62は上昇位置で待機している。版胴位相決め装置6は、版胴15が供給されると、その版胴15の軸線方向の位置決めを行い、次いで版胴15を回転させ、位相検出手段によって位相を検出し、所定の位相位置に位置決めして停止させる。この時までには、カセット台車4が版胴位相決め装置6内に移動してきて停止しているので、位相決め後、版胴支持部材62が下降して、版胴15を、その下のカセット台車4に乗せる。
【0041】
一方、版胴位相決め装置6による位相決め及びカセット台車への版胴供給動作と並行して、乗り移り部Aに位置しているカセット台車4に対して、インキングパーツが手動若しくはオートクレーン等によって搭載される。なお、インキングパーツの搭載動作は、乗り移り部Bに停止しているカセット台車4に対して行ってもよい。
【0042】
次に、再びカセット台車搬送装置5が作動を開始し、図11で説明した手順によって先頭のカセット台車4を印刷機室チェーン35Cに連結して送り出すと共に、2番目のカセット台車4を乗り移り部Bに、3番目のカセット台車4を乗り移り部Aに停止させる〔図11(d)参照〕。版胴位相決め装置6では、カセット台車4が送り出された後、版胴支持部材62が上昇し、次の動作に備える。そして、前記したのと同様にして、版胴パレットステーション8から新たな版胴15が版胴位相決め装置6に供給され、版胴位相決め装置6は版胴の軸線方向の位置決め及び位相決めを行った後、その版胴をカセット台車4に供給する。また、それに並行して、乗り移り部Aにあるカセット台車4へのインキングパーツの搭載も行われる。
【0043】
以下同様な動作を繰り返すことにより、次々と乗り移り部Bに送られてくるカセット台車4に対して、新たな版胴15が所定の位相で自動的に搭載され、また、必要なインキングパーツも搭載され、その後、カセット台車4は印刷機室チェーン35Cによって一定のピッチp2 を保持した状態で印刷機3の横に搬送される。その後、所定個数のカセット台車4は、図20において、カセット台車搬送装置5を跨がる位置で待機しているカセット交換台車104内に送り込まれ、印刷ユニット3aに対するカセット台車交換のために待機する。
【0044】
印刷機3において、所定の印刷動作が終了すると、各印刷ユニット3a内のカセット台車4を排出するための準備作業が手動によって行われる。準備作業終了後、カセット交換台車104が送り込まれたカセット台車4を持ち上げて保持し、次いで、対応する印刷ユニット3aの前に移動する。次いで、印刷ユニット3a内の使用済のカセット台車が印刷ユニット3aの後ろ側に排出されてその位置に待機しているカセット交換台車104に送り込まれると共に、前から新たなカセット台車がカセット交換台車104から送り込まれ、カセット交換が行われる。その後、使用済のカセット台車4を保持したカセット交換台車104は再び、カセット台車搬送装置5の上に移動し、カセット台車4を搬送レール10上に降ろす。
【0045】
一方、各印刷ユニットでは送り込まれた新たなカセット台車4が所定位置にセットされ、版胴15が印刷ユニット側の軸受に支持されると共に駆動機構に連結され、その他の必要な印刷準備作業が手動及び自動によって行われる。そして、印刷機の運転が再開される。
【0046】
カセット台車搬送装置5上に送り出されたカセット台車4は、その後、カセット台車搬送装置5によって準備室2に搬送される。そして、先頭のカセット台車が乗り移り部Bに到達して停止すると、版胴位相決め装置6の版胴支持部材62は上昇して版胴15を持ち上げ、次いで、版胴自動交換クレーン9がその版胴15を持ち上げ、版胴パレットステーション8上の空の版胴パレット75上に移載する。次いで、カセット台車搬送装置5が再び作動して、先頭のカセット台車4を乗り移り部Aに移動させ、2番目のカセット台車を乗り移り部Bに停止させる。そして、乗り移り部Aに停止しているカセット台車からインキポンプ、インキタンク等のインキングパーツを取り外し、また、乗り移り部Bに停止しているカセット台車から版胴を取り外して、版胴パレットステーション8に移載する。以下同様の動作を繰り返すことで、使用済のカセット台車4が次々と準備室2に戻され、版胴等の各パーツを取り外した後、準備室チェーン35Aに連結され、小ピッチで搬送され、所定位置に集積、保管される。一方、版胴パレットステーション8上に移載された使用済の版胴は、その後、版胴パレット75に乗せた状態でAGV7に移載され、AGV7によって所定の保管場所に搬送される。
【0047】
以上のように、この実施例では、カセット台車4からの版胴の取り出し、及びカセット台車に対して版胴を位相決めして乗せる作業を自動化することができ、印刷ユニットに対して出し入れ可能なカセット台車を用いた外段取りシステムをきわめて有効に使用できる。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の版胴搬送システムによれば、印刷機で使用済の版胴を乗せて準備室に搬送されてきたカセット台車から直接或いは版胴位相決め装置を介して、使用済の版胴を版胴自動交換クレーンで取り出し、版胴パレットステーションの版胴パレット上に乗せ、次いで、その版胴パレットステーションから版胴を乗せたパレットを自動搬送車に送り出し、自動搬送車で版胴倉庫等の所定の場所に自動搬送することができ、また、逆に、自動搬送車で版胴倉庫等から新たな版胴を乗せた版胴パレットを版胴パレットステーションに供給し、そこに一時的にストックしておき、次いで、版胴自動交換クレーンで版胴パレットステーション上のパレット上の版胴を取り出して版胴位相決め装置に供給し、版胴位相決め装置で版胴の初期位相決めを行った後、空のパレット台車に搭載することができ、カセット台車に対する版胴のハンドリングを自動化することができる。
【0049】
このため、版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等を乗せたカセット台車を、印刷ユニットに対して出し入れ可能とし、グラビア印刷機の品目切換時には、印刷ユニット内に位置している版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等を乗せたカセット台車を印刷ユニットから排出し、新たな版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等を乗せたカセット台車を印刷ユニットに送り込むことにより、きわめて短時間で版胴、インキパン、インキタンク、インキポンプ等の交換を行うという外段取りシステムを実施する際に、作業者の作業負担を大幅に削減でき、外段取りシステム実施にきわめて有効であるという効果を有している。
【0050】
更に、本発明は、版胴位相決め装置が、カセット台車走行経路をはさんで両側に、カセット台車の通り抜けを可能とするよう間隔をあけて配置された一対のフレームと、該一対のフレームに対して昇降するように設けられ、上端に版胴の軸を乗せて回転させることの可能な版胴支持部材と、該版胴支持部材が版胴を保持して回転させた時、その版胴の位相を検出する位相検出手段と、該位相検出手段からの信号により前記版胴支持部材上で回転している版胴を所定の位相位置に停止させる制御手段とを有し、前記版胴支持部材が上昇位置にある状態で、前記版胴自動交換クレーンによって送られてくる版胴を受け取り、位相決めを行い、その後、前記版胴支持部材が降下することで、版胴を下方に待機しているカセット台車に乗せるように構成しているので、版胴を乗せるべきカセット台車を、一対のフレームの間に片側から搬入し、版胴を乗せた後、反対側に送り出すというカセット台車の走行経路を採用することができ、このためカセット台車走行経路を簡略化することができると共に、カセット台車に対する版胴の着脱は、単に版胴支持部材の昇降で実施できるので、装置構造を簡略化できる等の効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による版胴搬送システムを用いた印刷機の外段取りシステムを配置した印刷機室及び準備室を示す概略斜視図
【図2】図1に示す部分の概略平面図
【図3】カセット台車の概略正面図
【図4】図3に示すカセット台車の概略側面図
【図5】図3に示すカセット台車に取り付けている連結治具及び搬送チェーンの一部を示す概略側面図
【図6】図5のD−D矢視概略断面図
【図7】(a)、(b)はカセット台車の搬送チェーンに対する着脱動作を説明する概略側面図
【図8】(a)、(b)はカセット台車の搬送チェーンに対する着脱動作を説明する概略側面図
【図9】カセット台車搬送装置の搬送チェーンの構成を説明する概略斜視図
【図10】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、複数の搬送チェーンによるカセット台車移載及び搬送動作を説明する概略側面図
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、複数の搬送チェーンによるカセット台車移載及び搬送動作を説明する概略側面図
【図12】図2のC−C矢視概略断面図
【図13】(a)は版胴位相決め装置の概略正面図
(b)はその概略側面図
【図14】(a)、(b)は位相検出手段の検出部の動作原理を説明する図
【図15】版胴パレットステーションの概略平面図
【図16】図15に示す版胴パレットステーションの概略側面図
【図17】(a)は版胴パレットの概略平面図
(b)はその概略側面図
(c)はその概略端面図
(d)はその版胴パレットの端部の拡大側面図
【図18】図2のE−E矢視概略断面図
【図19】図18のF−F矢視概略断面図
【図20】グラビア印刷機及びその近傍を示す概略平面図
【符号の説明】
1 印刷機室
2 準備室
3 グラビア印刷機
3a 印刷ユニット
4 カセット台車
5 カセット台車搬送装置
6 版胴位相決め装置
7 自動搬送車(AGV)
8 版胴パレットステーション
9 版胴自動交換クレーン
10 搬送レール
15 版胴
15a 軸
17 版胴受け
35A、35B、35C 搬送チェーン
36A、36B 連結部材
42 チェーンフック
62 版胴支持部材
63 コロ
66 検出部
70 クレーンフック
75 版胴パレット
Claims (1)
- 版胴及びインキングパーツを搭載し、グラビア印刷機の印刷ユニットの下部領域に対して搬入、排出可能なカセット台車と、前記カセット台車を、グラビア印刷機を配置した印刷機室と、前記カセット台車に対する版胴及びインキングパーツの交換、組み付けを行う準備室との間で搬送するカセット台車搬送装置と、前記準備室内で且つ前記カセット台車搬送装置によるカセット台車搬送経路に設けられ、版胴の初期位相決めを行ってカセット台車に供給する版胴位相決め装置と、前記準備室内に設けられた版胴パレットステーションであって、版胴パレットを乗せて自動走行する自動搬送車と連動動作にて、該自動搬送車から版胴パレットを受入れ、ストックし、また自動搬送車と連動動作にて、版胴パレットを自動搬送車に排出する版胴パレットステーションと、該版胴パレットステーションから前記版胴位相決め装置へ版胴を移載し、且つ前記版胴位相決め装置若しくはカセット台車から前記版胴パレットステーションへ版胴を移載する版胴自動交換クレーンとを有し、前記版胴位相決め装置が、前記カセット台車走行経路をはさんで両側に、カセット台車の通り抜けを可能とするよう間隔をあけて配置された一対のフレームと、該一対のフレームに対して昇降するように設けられ、上端に版胴の軸を乗せて回転させることの可能な版胴支持部材と、該版胴支持部材が版胴を保持して回転させた時、その版胴の位相を検出する位相検出手段と、該位相検出手段からの信号により前記版胴支持部材上で回転している版胴を所定の位相位置に停止させる制御手段とを有し、前記版胴支持部材が上昇位置にある状態で、前記版胴自動交換クレーンによって送られてくる版胴を受け取り、位相決めを行い、その後、前記版胴支持部材が降下することで、版胴を下方に待機しているカセット台車に乗せるように構成していることを特徴とするグラビア印刷機の版胴搬送システム。
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