JP3762639B2 - 光学ヘッド装置の組立方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジングにアクチュエータを設置する構成の光学ヘッド装置の組立方法に関し、特に、アクチュエータの可動部のスキュー調整を不要可能にした光学ヘッド装置の組立方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ディスク等の信号記録媒体に対して光学的に信号の読み取り、あるいは書き込みを行う光学ヘッド装置は、通常、発光素子である半導体レーザー及び受光素子である光検出器が組み込まれるハウジングに、対物レンズを駆動させるアクチュエータを設置して構成される。前記ハウジングは、半導体レーザーから出射されるレーザービームを対物レンズに導く光学系及び信号記録媒体により反射されて対物レンズに戻されるレーザービームを光検出器に導く光学系が形成されている。
【０００３】
アクチュエータをハウジングに設置して構成される光学ヘッド装置においては、対象とする信号記録媒体がディスクの場合、ディスク上の光スポットのコマ収差の発生が抑制されるようにアクチュエータをディスクのタンジェンシャル方向及びラジアル方向にスキュー調整していた。
【０００４】
このような光学ヘッド装置においては、例えば、特開２０００−４８３７４号公報に示される如く、ハウジングに対してアクチュエータがディスクのタンジェンシャル方向及びラジアル方向にスキュー調整可能に取り付けられるようにし、前記スキュー調整が行えるようになっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述するスキュー調整は、専用の組立治具を用いた製造工程や煩雑な検査工程を必要とし、光学ヘッド装置の組立作業の効率及びコスト削減の障害となっている。
【０００６】
また、スキュー調整可能な光学ヘッド装置は、その構成上、部品点数削減の障害となると共に、温度や湿度等の環境変化でスキュー調整がズレ易いという問題があった。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法は、対物レンズが装着されると共に、駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体的に形成し、該レンズホルダーからアクチュエータの可動部を組み立てそのアクチュエータの可動部が弾性支持部材を介して前記ハウジングに支持された状態で前記レンズホルダーをハウジングから切り離して前記アクチュエータの可動部を前記ハウジングに弾性的に支持させる。レンズホルダーをハウジングに一体成形することによる寸法精度の向上によりレンズホルダーをハウジングに対してスキュー調整を必要としない正しい位置に配置しておき、このレンズホルダーの位置が変位されない状態でアクチュエータの可動部を組み立て、その後、レンズホルダーをハウジングから切り離すことによりアクチュエータの可動部がハウジングに対して正しい位置に設置されるようにしている。また、レンズホルダーに巻回部を設けて直接レンズホルダーに駆動コイルを巻回するようにしている。
【０００８】
【実施例】
図１は本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法により組み立てられる光学ヘッド装置の展開状態を示す展開斜視図であり、図２は図１の光学ヘッド装置におけるアクチュエータの可動部の組立完了状態を示す斜視図である。
【０００９】
１は合成樹脂製のハウジング、２は対物レンズ３が装着されるレンズホルダーであり、該レンズホルダー２はレーザービームの光路となるハウジング１の開口４上に複数の連結部５を介してハウジング１に一体的に形成されている。
【００１０】
また、レンズホルダー２にはフォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルがそれぞれ巻回される巻回部２ａ，２ｂが設けられている。
【００１１】
９はレンズホルダー２を弾性的に支持する４本の支持ワイヤー、１０は４本の支持ワイヤー９の各一方の端部がハンダ付けされるランドを有するプリント配線基板から成る取付板、１１はハウジング１に一体的に形成され、取付板１０が固定されると共に、各支持ワイヤー９を制振させるダンプ剤が充填される空間部１２が形成されている制振補助部材である。
【００１２】
１３は発光素子となる半導体レーザー１４及び受光素子となる光検出器１５が同一パッケージ内に収納されると共に、そのパッケージに光路分離を行うホログラム素子１６が設置された光学ユニットである。この光学ユニット１３はハウジング１に接着固定される設置板１７の取付孔１７ａに取り付けられてハウジング１に設置される。
【００１３】
次に、このような構成部品により成る光学ヘッド装置の組立方法を説明する。
【００１４】
まず、レンズホルダー２にフォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルを自動機を用いて順次巻回してその各駆動コイルをレンズホルダー２に装着する。
【００１５】
ここで、ハウジング１の側壁のレンズホルダー２に相対する位置には、切り欠き１ａ，１ｂ，１ｃが設けられており、各駆動コイルが巻回し易くなっている。
【００１６】
一方、ハウジング１には設置板１７が接着固定され、光学ユニット１３は設置板１７の取付孔１７ａに挿入されてハウジング１のレンズホルダー２が形成される反対側の面に対物レンズ３の光軸と同軸上に設置される。
【００１７】
また、取付板１０は制振補助部材１１にネジ１８を用いて固定される。この場合、制振補助部材１１に設けられた位置決め突起１１ａを取付板１０に設けられた位置決め孔１０ａに挿入することにより取付板１０の位置決めが行われる。
【００１８】
取付板１０が制振補助部材１１に固定された状態で、各支持ワイヤー９の両方の各端部は取付板１０に形成された各挿通孔１０ｂと、レンズホルダー２に形成された各孔とにそれぞれ挿入され、各支持ワイヤー９のそれぞれの両端がそれぞれレンズホルダー２の各駆動コイルの端末が処理される部分（図示せず）、及び取付板１０の所定のランドにハンダ付けされて接続固定される。
【００１９】
この場合、取付板１０の各挿通孔１０ｂは各支持ワイヤー９の径に対して余裕を持たせて形成されており、挿入し易さに貢献すると共に、各支持ワイヤー９に撓みによる応力を生じさせないようになっている。その為、各支持ワイヤー９に生じる応力がほぼ解放された状態で、各支持ワイヤー９の各一方の端部が取付板１０にハンダ付け固定されることになる。
【００２０】
また、各支持ワイヤー９は制振補助部材１１の各空間部１２に配置されるので、後に各空間部１２に充填されるダンプ剤により制振される。
【００２１】
その後、レンズホルダー２に対物レンズ３を接着により固定する。この場合、対物レンズ３はレンズホルダー２に形成される凹部により位置決めされて傾かずに正確な姿勢でレンズホルダー２に設置される。
【００２２】
このようにしてアクチュエータの可動部の組み立てが完了された後、各連結部５を切断してレンズホルダー２をハウジング１から切り離す。これによりアクチュエータの可動部をハウジング１に弾性的に支持される状態とし、アクチュエータの可動部はディスクの信号面に光ビームを合焦させるフォーカス制御及びディスクの信号トラックに光ビームを追従させるトラッキング制御が行えるように変位可能に支持される状態となる。
【００２３】
ところで、レンズホルダー２をハウジング１から切り離す状態において、各支持ワイヤー９の径に対して取付板１０の各挿通孔１０ｂに持たせた余裕により、各支持ワイヤー９に生じる応力はほぼ解放された状態で取付板１０にハンダ付けされることになるので、レンズホルダー２をハウジング１から切り離した際に、アクチュエータの可動部は自重により少許垂れ下がるが、その際に対物レンズ２の光軸がタンジェンシャル方向及びラジアル方向のスキュー調整を必要とするような変位が発生しない。そして、レンズホルダー２はハウジング１に一体成形することによる寸法精度により切り離す前にハウジング１に対してタンジェンシャル方向及びラジアル方向のスキュー調整を必要としない正しい位置に配置されている。
【００２４】
したがって、レンズホルダー２を切り離した後のアクチュエータの可動部の組立完了状態において、アクチュエータの可動部はスキュー調整を必要としない精度でハウジング１に対して正しい位置に設置されることになる。
【００２５】
ところで、実施例にようにレンズホルダー２に各駆動コイルを巻回する巻回部２ａ，２ｂを設けると、レンズホルダー２の形状が大となることに起因してハウジング１のレンズホルダー２が形成される面側に光学素子を組み込むのに十分な開口を設けることが困難となるが、前述の実施例においては、光学ユニット１３を使用し、この光学ユニット１３をハウジング１のレンズホルダー２が形成される反対側の面に対物レンズ３の光軸と同軸上に配置するようにしているので、光軸曲げ用立上げミラーや光路分離用ビームスプリッターを使用しなくても良く、各駆動コイルを巻回する巻回部２ａ，２ｂを設けたレンズホルダー２をハウジング１に一体的に形成する構成を採用するのに好適である。
【００２６】
尚、アクチュエータの磁気回路に関しては、要旨と直接関係しないので、その説明を省略しているが、前記磁気回路は支持ワイヤー９の軸方向で互いに同極性を対向させた一対の永久磁石をレンズホルダー２を挟むようにそれぞれヨークと共にハウジング１の上面に設置されて構成される。これにより前記磁気回路で形成される磁界が、フォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルに供給される駆動電流に有効に作用するようになっている。
【００２７】
また、前述の実施例においては、取付板１０を制振補助部材１１に固定するのにネジ１８を使用したが、ネジを使用せず接着剤により取付板１０を制振補助部材１１に固定しても良い。
【００２８】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明に依れば、駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体成形することによる寸法精度の向上によりレンズホルダーをハウジングに対してスキュー調整を必要としない正しい位置に配置しておき、アクチュエータの可動部の組み立てが完了された後にレンズホルダーをハウジングから切り離すようにしているので、アクチュエータの可動部をスキュー調整を必要としない精度でハウジングに対して正しい位置に設置することが可能な光学ヘッド装置の組立方法が提供できる。
【００２９】
この場合、レンズホルダーに駆動コイルを巻回する巻回部を設けて直接レンズホルダーに駆動コイルを巻回するようにしているので、構成部品の削減が図れ、組立工数及びコスト低減が図れる。そして、ハウジングのレンズホルダーが形成される面の側壁に切り欠きを設けており、レンズホルダーをハウジングに一体的に形成する構成としながら、レンズホルダーに駆動コイルを装着するのに自動機を用いて駆動コイルを巻回する自動巻きを採用し易くすることが出来る。
【００３０】
また、光学ユニットをハウジングのレンズホルダーが形成される反対側の面に配置するようにしているので、各駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体的に形成する構成を採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法により組み立てられる光学ヘッド装置の展開状態を示す展開斜視図である。
【図２】 図１の光学ヘッド装置におけるアクチュエータの可動部の組立完了状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ ハウジング
１ａ，１ｂ，１ｃ 切り欠き
２ レンズホルダー
２ａ，２ｂ 巻回部
３ 対物レンズ
５ 結合部
７ フォーカシングコイル
８ トラッキングコイル
９ 支持ワイヤー（弾性支持部材）
１０ 取付板
１１ 制振補助部材
１３ 光学ユニット
１７ 設置板
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジングにアクチュエータを設置する構成の光学ヘッド装置の組立方法に関し、特に、アクチュエータの可動部のスキュー調整を不要可能にした光学ヘッド装置の組立方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ディスク等の信号記録媒体に対して光学的に信号の読み取り、あるいは書き込みを行う光学ヘッド装置は、通常、発光素子である半導体レーザー及び受光素子である光検出器が組み込まれるハウジングに、対物レンズを駆動させるアクチュエータを設置して構成される。前記ハウジングは、半導体レーザーから出射されるレーザービームを対物レンズに導く光学系及び信号記録媒体により反射されて対物レンズに戻されるレーザービームを光検出器に導く光学系が形成されている。
【０００３】
アクチュエータをハウジングに設置して構成される光学ヘッド装置においては、対象とする信号記録媒体がディスクの場合、ディスク上の光スポットのコマ収差の発生が抑制されるようにアクチュエータをディスクのタンジェンシャル方向及びラジアル方向にスキュー調整していた。
【０００４】
このような光学ヘッド装置においては、例えば、特開２０００−４８３７４号公報に示される如く、ハウジングに対してアクチュエータがディスクのタンジェンシャル方向及びラジアル方向にスキュー調整可能に取り付けられるようにし、前記スキュー調整が行えるようになっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述するスキュー調整は、専用の組立治具を用いた製造工程や煩雑な検査工程を必要とし、光学ヘッド装置の組立作業の効率及びコスト削減の障害となっている。
【０００６】
また、スキュー調整可能な光学ヘッド装置は、その構成上、部品点数削減の障害となると共に、温度や湿度等の環境変化でスキュー調整がズレ易いという問題があった。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法は、対物レンズが装着されると共に、駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体的に形成し、該レンズホルダーからアクチュエータの可動部を組み立てそのアクチュエータの可動部が弾性支持部材を介して前記ハウジングに支持された状態で前記レンズホルダーをハウジングから切り離して前記アクチュエータの可動部を前記ハウジングに弾性的に支持させる。レンズホルダーをハウジングに一体成形することによる寸法精度の向上によりレンズホルダーをハウジングに対してスキュー調整を必要としない正しい位置に配置しておき、このレンズホルダーの位置が変位されない状態でアクチュエータの可動部を組み立て、その後、レンズホルダーをハウジングから切り離すことによりアクチュエータの可動部がハウジングに対して正しい位置に設置されるようにしている。また、レンズホルダーに巻回部を設けて直接レンズホルダーに駆動コイルを巻回するようにしている。
【０００８】
【実施例】
図１は本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法により組み立てられる光学ヘッド装置の展開状態を示す展開斜視図であり、図２は図１の光学ヘッド装置におけるアクチュエータの可動部の組立完了状態を示す斜視図である。
【０００９】
１は合成樹脂製のハウジング、２は対物レンズ３が装着されるレンズホルダーであり、該レンズホルダー２はレーザービームの光路となるハウジング１の開口４上に複数の連結部５を介してハウジング１に一体的に形成されている。
【００１０】
また、レンズホルダー２にはフォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルがそれぞれ巻回される巻回部２ａ，２ｂが設けられている。
【００１１】
９はレンズホルダー２を弾性的に支持する４本の支持ワイヤー、１０は４本の支持ワイヤー９の各一方の端部がハンダ付けされるランドを有するプリント配線基板から成る取付板、１１はハウジング１に一体的に形成され、取付板１０が固定されると共に、各支持ワイヤー９を制振させるダンプ剤が充填される空間部１２が形成されている制振補助部材である。
【００１２】
１３は発光素子となる半導体レーザー１４及び受光素子となる光検出器１５が同一パッケージ内に収納されると共に、そのパッケージに光路分離を行うホログラム素子１６が設置された光学ユニットである。この光学ユニット１３はハウジング１に接着固定される設置板１７の取付孔１７ａに取り付けられてハウジング１に設置される。
【００１３】
次に、このような構成部品により成る光学ヘッド装置の組立方法を説明する。
【００１４】
まず、レンズホルダー２にフォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルを自動機を用いて順次巻回してその各駆動コイルをレンズホルダー２に装着する。
【００１５】
ここで、ハウジング１の側壁のレンズホルダー２に相対する位置には、切り欠き１ａ，１ｂ，１ｃが設けられており、各駆動コイルが巻回し易くなっている。
【００１６】
一方、ハウジング１には設置板１７が接着固定され、光学ユニット１３は設置板１７の取付孔１７ａに挿入されてハウジング１のレンズホルダー２が形成される反対側の面に対物レンズ３の光軸と同軸上に設置される。
【００１７】
また、取付板１０は制振補助部材１１にネジ１８を用いて固定される。この場合、制振補助部材１１に設けられた位置決め突起１１ａを取付板１０に設けられた位置決め孔１０ａに挿入することにより取付板１０の位置決めが行われる。
【００１８】
取付板１０が制振補助部材１１に固定された状態で、各支持ワイヤー９の両方の各端部は取付板１０に形成された各挿通孔１０ｂと、レンズホルダー２に形成された各孔とにそれぞれ挿入され、各支持ワイヤー９のそれぞれの両端がそれぞれレンズホルダー２の各駆動コイルの端末が処理される部分（図示せず）、及び取付板１０の所定のランドにハンダ付けされて接続固定される。
【００１９】
この場合、取付板１０の各挿通孔１０ｂは各支持ワイヤー９の径に対して余裕を持たせて形成されており、挿入し易さに貢献すると共に、各支持ワイヤー９に撓みによる応力を生じさせないようになっている。その為、各支持ワイヤー９に生じる応力がほぼ解放された状態で、各支持ワイヤー９の各一方の端部が取付板１０にハンダ付け固定されることになる。
【００２０】
また、各支持ワイヤー９は制振補助部材１１の各空間部１２に配置されるので、後に各空間部１２に充填されるダンプ剤により制振される。
【００２１】
その後、レンズホルダー２に対物レンズ３を接着により固定する。この場合、対物レンズ３はレンズホルダー２に形成される凹部により位置決めされて傾かずに正確な姿勢でレンズホルダー２に設置される。
【００２２】
このようにしてアクチュエータの可動部の組み立てが完了された後、各連結部５を切断してレンズホルダー２をハウジング１から切り離す。これによりアクチュエータの可動部をハウジング１に弾性的に支持される状態とし、アクチュエータの可動部はディスクの信号面に光ビームを合焦させるフォーカス制御及びディスクの信号トラックに光ビームを追従させるトラッキング制御が行えるように変位可能に支持される状態となる。
【００２３】
ところで、レンズホルダー２をハウジング１から切り離す状態において、各支持ワイヤー９の径に対して取付板１０の各挿通孔１０ｂに持たせた余裕により、各支持ワイヤー９に生じる応力はほぼ解放された状態で取付板１０にハンダ付けされることになるので、レンズホルダー２をハウジング１から切り離した際に、アクチュエータの可動部は自重により少許垂れ下がるが、その際に対物レンズ２の光軸がタンジェンシャル方向及びラジアル方向のスキュー調整を必要とするような変位が発生しない。そして、レンズホルダー２はハウジング１に一体成形することによる寸法精度により切り離す前にハウジング１に対してタンジェンシャル方向及びラジアル方向のスキュー調整を必要としない正しい位置に配置されている。
【００２４】
したがって、レンズホルダー２を切り離した後のアクチュエータの可動部の組立完了状態において、アクチュエータの可動部はスキュー調整を必要としない精度でハウジング１に対して正しい位置に設置されることになる。
【００２５】
ところで、実施例にようにレンズホルダー２に各駆動コイルを巻回する巻回部２ａ，２ｂを設けると、レンズホルダー２の形状が大となることに起因してハウジング１のレンズホルダー２が形成される面側に光学素子を組み込むのに十分な開口を設けることが困難となるが、前述の実施例においては、光学ユニット１３を使用し、この光学ユニット１３をハウジング１のレンズホルダー２が形成される反対側の面に対物レンズ３の光軸と同軸上に配置するようにしているので、光軸曲げ用立上げミラーや光路分離用ビームスプリッターを使用しなくても良く、各駆動コイルを巻回する巻回部２ａ，２ｂを設けたレンズホルダー２をハウジング１に一体的に形成する構成を採用するのに好適である。
【００２６】
尚、アクチュエータの磁気回路に関しては、要旨と直接関係しないので、その説明を省略しているが、前記磁気回路は支持ワイヤー９の軸方向で互いに同極性を対向させた一対の永久磁石をレンズホルダー２を挟むようにそれぞれヨークと共にハウジング１の上面に設置されて構成される。これにより前記磁気回路で形成される磁界が、フォーカシングコイル７及びトラッキングコイル８の各駆動コイルに供給される駆動電流に有効に作用するようになっている。
【００２７】
また、前述の実施例においては、取付板１０を制振補助部材１１に固定するのにネジ１８を使用したが、ネジを使用せず接着剤により取付板１０を制振補助部材１１に固定しても良い。
【００２８】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明に依れば、駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体成形することによる寸法精度の向上によりレンズホルダーをハウジングに対してスキュー調整を必要としない正しい位置に配置しておき、アクチュエータの可動部の組み立てが完了された後にレンズホルダーをハウジングから切り離すようにしているので、アクチュエータの可動部をスキュー調整を必要としない精度でハウジングに対して正しい位置に設置することが可能な光学ヘッド装置の組立方法が提供できる。
【００２９】
この場合、レンズホルダーに駆動コイルを巻回する巻回部を設けて直接レンズホルダーに駆動コイルを巻回するようにしているので、構成部品の削減が図れ、組立工数及びコスト低減が図れる。そして、ハウジングのレンズホルダーが形成される面の側壁に切り欠きを設けており、レンズホルダーをハウジングに一体的に形成する構成としながら、レンズホルダーに駆動コイルを装着するのに自動機を用いて駆動コイルを巻回する自動巻きを採用し易くすることが出来る。
【００３０】
また、光学ユニットをハウジングのレンズホルダーが形成される反対側の面に配置するようにしているので、各駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーをハウジングに一体的に形成する構成を採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る光学ヘッド装置の組立方法により組み立てられる光学ヘッド装置の展開状態を示す展開斜視図である。
【図２】 図１の光学ヘッド装置におけるアクチュエータの可動部の組立完了状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
１ ハウジング
１ａ，１ｂ，１ｃ 切り欠き
２ レンズホルダー
２ａ，２ｂ 巻回部
３ 対物レンズ
５ 結合部
７ フォーカシングコイル
８ トラッキングコイル
９ 支持ワイヤー（弾性支持部材）
１０ 取付板
１１ 制振補助部材
１３ 光学ユニット
１７ 設置板
Claims (3)
- 対物レンズを駆動するアクチュエータが発光素子及び受光素子が組み込まれるハウジングに設置される構成の光学ヘッド装置において、対物レンズが装着されると共に、駆動コイルを巻回する巻回部を設けたレンズホルダーを前記ハウジングに一体的に形成し、該レンズホルダーからアクチュエータの可動部を組立そのアクチュエータの可動部が弾性支持部材を介して前記ハウジングに支持された状態で前記レンズホルダーをハウジングから切り離して前記アクチュエータの可動部を前記ハウジングに弾性的に支持させることを特徴とする光学ヘッド装置の組立方法。
- 前記ハウジングの側壁の前記レンズホルダーに相対する位置に駆動コイルを巻回し易くするべく切り欠きを設けたことを特徴とする請求項１記載の光学ヘッド装置の組立方法。
- 前記ハウジングには、発光素子となる半導体レーザー及び受光素子となる光検出器が同一パッケージ内に収納されると共に、そのパッケージに光路分離を行うホログラム素子が設置されて構成される光学ユニットが、前記レンズホルダーを形成する反対側の面に設置されることを特徴とする請求項１記載の光学ヘッド装置の組立方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| KR1020010083753A KR100765688B1 (ko) | 2000-12-25 | 2001-12-24 | 광학 헤드 장치의 조립 방법 |
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