JP3762565B2 - 車両用主電動機の継手型駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両に適する車両用主電動機の継手型駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄道車両の駆動装置の概要は、両サイドに車輪が設けられた車軸に大歯車を固着し、その大歯車と噛み合う小歯車の歯車軸に、台車に支持された主電動機の回転軸を継手装置を介して接続し、主電動機の回転動力を、前記各歯車、継手装置を介して前記車軸に伝達する構造となっている。
【0003】
しかしながら近年は、各歯車をなくして、主電動機の回転動力を、継手装置を介して直接車軸に伝達することで、各歯車の潤滑剤の保守・点検を不用とし、かつ、歯車の噛み合い音をなくした低騒音車が提案されている。
【0004】
図20は低騒音車の駆動装置の一部分の一例を示したものである。
【0005】
即ち、主電動機101は回転子103と固定子105とから構成され、回転子103は中空のシャフト107に、固定子105は主電動ケース109にそれぞれ固定支持され、固定子105に電流が流れることで、回転子103を介して前記シャフト107に回転動力が与えられるようになっている。
【0006】
中空のシャフト107内には車軸111が貫通し、その車軸111の両サイド(片側は図示していない)には、レール上を走行する車輪113が設けられている。
【0007】
車軸111は、継手装置115を介して前記中空のシャフト107からの回転動力が伝達されるようになっている。継手装置115は、シャフト107側に設けられた駆動接手117と車軸111側に設けられた従動接手119と、前記駆動接手117と従動接手119とを一体に結合する防振ゴム121とから成っている。
【0008】
接手装置115の防振ゴム121は、起動やブレーキ時の衝撃力や車両走行中のレール継目等の段差通過時に、過大振動から主電動機101を守る役目と、レール継目の段差部に車輪が落下する時、レールへの衝撃を緩和する等の重要な役目をはたしている。
【0009】
このために、防振ゴム121は、外側リング123と内側リング125との間に圧縮され予圧を与えられた状態で組付けられることで、寿命の延長化と性能の安定化が図られた構造となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
継手装置115の防振ゴム121は、前記した如く、外側リング123と内側リング125との間に、予圧が与えられた状態で組付けられるもので、図21に示す如く、外側リング123を治具127によりφDからφdまで絞り加工することで形成される。
【0011】
このために、一個あたりの防振ゴム121の単価がアップし、経年劣化や破損時の部品交換において、コストが高くなる等、コスト性の面において望ましくないこと。
【0012】
また、防振ゴム121の交換時に、図22に示す如く、取付けボルト129を取外すことで、従動接手119側の支持ピン131から取付金具133と一緒に防振ゴム121の取外しが可能となる。この時、もともと防振ゴム121の弾性変形によって、シャフト107と車軸111とに若干の位置ずれが起きている条件に加えて、シャフト107側は、一部領域の支え力がなくなるため、一時的に車軸111の軸心との位置ずれが大きく拡大し、防振ゴム121の再度の取付けが面倒となる等、部品交換時の組付け性の面で問題があった。
【0013】
そこで、この発明は、前記問題の解消を図った車両用主電動機の継手型駆動装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明の請求項1によれば、主電動機の中空のシャフト内に、車軸を配設し、その車軸の両端部に車輪を装着する一方、前記中空のシャフトの両端部に駆動接手を設け、その駆動接手と対向し合う従動接手を前記車軸に設け、弾性体を介して前記駆動接手側から従動接手側へ動力を伝達する車両用主電動機の継手型駆動装置であって、
前記駆動接手に駆動取付部を、従動接手に従動取付部をそれぞれ円周線上に沿って交互に配置されるよう設け、前記駆動取付部と従動取付部とに、前記弾性体の前後の平行な受け面を挟みつけるようにして弾性体保持部材を取付けると共に、弾性体保持部材の取付け完了時に、前記弾性体の前後の平行な受け面を押圧し予圧を与えるテーパー状の押圧保持面を前記弾性体保持部材に設ける。
【0015】
これにより、駆動取付部と従動取付部への弾性体保持部材の取付け完了時に、弾性体保持部材によって挟みつけられた弾性体は、押圧保持面によって前後の受け面が押圧され予圧が与えられた状態で取付けられる。
【0016】
したがって、従来の如く、予圧を与える絞り加工が不用となるため、弾性体のコストアップを招くことはない。
【0017】
一方、破損等により一部分の弾性体を交換する場合には、交換する箇所の弾性体保持部材を取外すことで、弾性体の一方を挟持する受け面の支持が解除されるため、新しい弾性体との交換が容易に行なえる。新しいものと交換後、取外した弾性体保持部材を取付ける。
【0018】
この時、シャフトと車軸とに位置ずれがあっても、テーパー状の押圧保持面がスライドしながら弾性体の受け面と正しく接触し合うことで位置ずれが修正され、取付けが完了する。この取付け完了と同時に弾性体は押圧保持面によって押圧され予圧が与えられる。
【0019】
また、弾性体の前後の受け面が、平行になることで、弾性体の加工が容易となるメリットが得られる。
【0020】
また、この発明の請求項2によれば、弾性体の前後の受け面と弾性体保持部材の押圧保持面のいずれか一方に、上下方向に長い凸条と、他方に前記凸条とスライド自在に係合し合う凹溝を設ける。
【0021】
これにより、凸条と凹溝の係合により、主電動機の軸方向の荷重を受け止めることができる。また、弾性体保持部材の取付け時の誘導ガイドとして機能し、取付性が向上すると共に、受け面と押圧保持面とが正しく接触し合う正確な取付け状態が得られる。
【0022】
また、この発明の請求項3によれば、弾性体の前後の受け面と弾性体保持部材の押圧保持面のいずれか一方に、突起体を、他方に、前記突起体と係合し合う係合孔を設ける。
【0023】
これにより、突起体と係合孔の係合により、主電動機の軸方向の荷重を受け止めることができる。
【0024】
また、この発明の請求項4によれば、係合孔を、少なくとも上下方向の長円の形状とする。
【0025】
これにより、弾性体保持部材の取付け時の誘導ガイドとして機能し、取付性が向上する。
【0026】
また、この発明の請求項5によれば、弾性体の前後の受け面を、中心軸線がずれた段差をもたせた形状とする。
【0027】
これにより、例えば、一方の受け面を駆動取付部に取付ける弾性体保持部材の押圧保持面に接触させると共に、他方の受け面を従動取付部に取付ける弾性体保持部の押圧保持面に接触させて、弾性体保持部材を取付けることで、押圧保持面と受け面との摩擦に抗してスライドするスライド抵抗がなくなるため、取付け作業が円滑に行なえる。
【0028】
また、この発明の請求項6によれば、弾性体の前後の受け面のいずれか一方に、前記弾性体を支持するV字状の支持面を設け、他方に、前記V字状の支持面と対向し合う山形状の支持面を設ける。
【0029】
これにより、弾性体は、弾性体保持部材の取付け完了時に回転方向の予圧が与えられる。と同時に、V字状の支持面と山形状の支持面とが接近し合うことで、斜面に沿った力が働き、軸心線に沿う左右方向の予圧が与えられる。この結果、回転方向及び左右方向の予圧が与えられた弾性体が得られるようになる。
【0030】
また、この発明の請求項7によれば、弾性体の前後の平行な受け面のいずれか一方に、傾斜した支持面を設け、他方に、前記傾斜した支持面と対向し合う傾斜した支持面を設ける。
【0031】
これにより、弾性体は、回転方向の予圧が与えられると同時に対向し合う傾斜した支持面とが接近し合うことで、斜面に沿った力が働き、軸心線に沿う左右方向の予圧が与えられる。この結果、回転方向及び左右方向の予圧が与えられた弾性体が得られる。
【0032】
また、この発明の請求項10によれば、弾性体保持部材を、調節手段により駆動取付部及び従動取付部に対して車軸の軸方向に沿って移動可能とする。
【0033】
これにより、弾性体保持部材を車軸の軸方向に沿って移動させることで、弾性体に、移動量に対応した予圧を軸心線に沿う左右方向にも与えることができる。これにより、回転方向の予圧と左右方向の予圧が与えられた弾性体が得られる。
【0034】
また、この発明の請求項9によれば、弾性体、弾性体保持部材又は駆動接手及び従動接手の少なくともいずれかに放熱フィンを設ける。
【0035】
これにより、弾性体は、放熱フィンにより温度上昇が抑制されるため、熱による劣化が回避され、長期間に亘り安定した性能維持が確保される。
【0036】
また、この発明の請求項10によれば、駆動取付部及び従動取付部に対する弾性体保持部材の接触取付面を、下方が開放された凹溝状の天井側に形成されると共に、前記弾性体保持部材の重心位置近傍、又は、回転中心から遠くなる外側に設ける。
【0037】
これにより、駆動取付部及び従動取付部が弾性体保持部材の内部に入り込んだ剛性の高い取付け状が得られると共に、締付け時の弾性体保持部材に発生する応力の低減が図れ、安定した動力伝達が可能となる。
【0038】
また、この発明の請求項11によれば、弾性体保持部材を、アルミ製とする。
【0039】
これにより、弾性体保持部材の軽量化が可能となるため取付け、取外し時において軽くて済むため、作業が容易となる。
【0040】
また、この発明の請求項12によれば、主電動機の中空のシャフト内に、車軸を配設し、その車軸の両端部に車輪を装着する一方、前記中空のシャフトの両端部に駆動接手を設け、その駆動接手と対向し合う従動接手を前記車軸に設け、弾性体を介して前記駆動接手側から従動接手側へ動力を伝達する車両用主電動機の継手型駆動装置であって、
前記駆動接手に設けられた駆動取付部と、従動接手に設けられ、前記駆動取付部と軸心線上に沿って対向し合う従動取付部とに、軸心線上に沿って配置した前記弾性体の左右の平行な受け面を挟みつけるようにして、弾性体保持部材を取付けると共に、弾性体保持部材の取付け完了時に、前記弾性体の左右の平行な受け面を押圧し回転方向及び左右方向に予圧を与えるテーパー状の押圧保持面を前記弾性体保持部材に設ける。
【0041】
これにより、弾性体保持部材及び弾性体は、車軸の軸心線上に沿って配置することができると共に、弾性体保持部材の取付け完了時に弾性体は、回転方向及び左右方向の予圧が与えられた状態で取付けられる。
【0042】
したがって、従来の如く、予圧を与える絞り加工が不用となるため、弾性体のコストアップを招くことはない。
【0043】
一方、破損等により一部分の弾性体を交換する場合には、交換する箇所の弾性体保持部材を取外すことで、弾性体の一方を挟持する受け面の支持が解除されるため、新しい弾性体との交換が容易に行なえる。新しいものと交換後、取外した弾性体保持部材を取付ける。
【0044】
この時、シャフトと車軸とに位置ずれがあっても、テーパー状の押圧保持面がスライドしながら弾性体の受け面と正しく接触し合うことで、位置ずれが修正され、取付けが完了する。この取付け完了と同時に弾性体は押圧保持面によって押圧され回転方向及び左右方向の予圧が与えられる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6の図面を参照しながらこの発明の第1の実施形態について具体的に説明する
図6において、符号1は鉄道車両の台車、3は主電動機をそれぞれを示しており、主電動機3は支持装置(図示していない)によって前記台車1に固定支持されている。
【0046】
主電動機3は、固定子5と回転子7とを有し、固定子5は前記主電動機3の主電動ケース9内に固定されている。回転子6は中空のシャフト11に装着され、前記固定子5に電流が流れることで、回転子6を介して前記シャフト11に回転動力が与えられるようになっている。
【0047】
中空のシャフト11は、前記主電動ケース7にベアリング等の軸受部13により回転自在に両端支持され、内部には車軸15が貫通している。
【0048】
車軸15の両端には、レール17に沿って走行する車輪19が固定され、その車輪19の車軸は、軸受ケース21により回転自在に支持されている。なお、軸受ケース21はサスペンション23を介して前記台車1に支持されている。
【0049】
一方、シャフト11と車軸15とは継手装置25を介して動力伝達されるようになっている。
【0050】
継手装置25は、図2に示す如く、シャフト11の左右に設けられた駆動接手27と、その駆動接手27と対向し、前記車軸15に設けられた従動接手29と、駆動接手27と従動接手29とを結合させる弾性体31と、その弾性体31を固定支持する弾性体保持部材33とから成っている。
【0051】
駆動接手27には、所定の間隔で配置された駆動取付部35が、従動接手29には、所定の間隔で配置された従動取付部37がそれぞれ設けられている。駆動取付部35と従動取付部37は、円周線上に沿って従動取付部37、駆動取付部35、従動取付部37というように交互に配置された構造となっている。
【0052】
弾性体31は、弾性変形可能なゴムの材質で作られていて、前後の受け面39aは金属製の受け金39となっている。弾性体31の前後の受け面39aを形成する受け金39は、平行に配置された形状となっており、加工が容易となっている。なお、受け面39は硬質の合成樹脂材で形成してもよい。
【0053】
弾性体31は、前記駆動取付部35と従動取付部37の間で、回転方向(図1イ)の向きに配置され、前記弾性体保持部材33によって固定支持されている。
【0054】
弾性体保持部材33は、内部の接触取付面41と、遠心力によって弾性体31が振り出されるのを阻止する前後のストッパー部43と、弾性体31の前後の受け面39aを保持する前後のテーパー状の押圧保持面45とを有し、前後のテーパー状の押圧保持面45によって断面楔状の形状となっている。また、材質はアルミ製で軽量化が図られている。
【0055】
テーパー状の前後の押圧保持面45は、図1に示す如く、駆動取付部35と従動取付部37への取付け完了時に、対向し合う平行状態が確保されると共に、図3,図4に示す如く弾性体31の受け面39aを、通常時のEの状態からeの状態まで押圧Fして、弾性体31に回転方向の予圧を与える傾斜角度θに設定されている。
【0056】
弾性体保持部材33の接触取付面41は、下方が開放された凹溝状の天井側に形成され、接触取付面41へ抜ける貫通した取付孔47を有している。これにより、ねじ孔49が設けられた駆動取付部35と従動取付部37の頭部は、弾性体保持部材33の内部に入り込むと共に、取付孔47を貫通し、ねじ孔49と螺合し合う取付けボルト51により接触取付面41と接触し合う状態で固着されるようになる。したがって、鋳鉄製に比べて強度で劣るアルミ製であっても強固な取付け常態が確保されるようになっている。
【0057】
接触取付面41は、取付けボルト51の締付け時の弾性体保持部材33に発生する応力の低減が図れるよう図1に示す如く、回転中心Oから遠くなる外側O1に設定されているが、弾性体保持部材33の重心位置近傍であってもよい。
【0058】
このように構成された車両用主電動機の継手型駆動装置によれば、継手装置25の一部の弾性体31に損傷等が発生した時には、取付けボルト51を弛めて、弾性体保持部材33を、例えば、駆動取付部35から取外す。この時、弾性体保持部材33は軽くて済むため取外しが容易になると共に、弾性体保持部材33によって支持されていた弾性体31の一方の受け面39aは、押圧が解除されるため、新しい弾性体との交換が容易に行なえる。交換した後、図5に示す如く、押圧保持面45を受け面39aに接触させた状態で、取付けボルト51を螺合し、締付けることで取付けが完了する。
【0059】
取付け完了時において、テーパー状の押圧保持面45によって弾性体31の受け面39aは押圧され予圧が与えられる。このため、絞り加工が不用となり、コストアップを招くことはない。また、シャフト11と車軸15の軸心とに位置ずれがあっても、弾性体保持部材33の押圧保持面45がスライドしながら弾性体31の受け面39aと正しく接触し合うことで位置ずれが修正され、組付けられる。このため、弾性体31の交換作業が容易となる。
【0060】
図7は、継手装置25に使用される弾性体31の第2の実施形態を示したものである。
【0061】
即ち、弾性体31の前後の受け面39aを、中心軸線がずれた段差Hをもたせた形状とするものである。
【0062】
なお、他の構成要素は、第1の実施形態と同一のため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
したがって、この第2の実施形態によれば、弾性体31の一方の受け面39aを、駆動取付部35側に取付ける弾性体保持部材33の押圧保持面45に、他方の受け面39aを、従動取付部37側に取付ける弾性体保持部材33の押圧保持面45にそれぞれ接触させた状態として、弾性体保持部材33を取付けボルト51によって、弾性体31を弾性変形させながら駆動取付部35に取付ける。取付け完了時、弾性体31の前後の受け面39aの中心軸線は同一軸心線上に揃った状態で予圧が与えられる。
【0064】
この取付け作業時において、弾性体保持部材33は、その押圧保持面45と弾性体31の受け面39aとの間の強い摩擦抵抗が回避され円滑な組付けが可能となる。
【0065】
図8は継手装置25に使用される弾性体31の第3の実施形態を示したものである。
【0066】
即ち、弾性体31の前後の受け面39aに、上下に長い凸条55を、弾性体保持部材33の押圧保持面45及びストッパー部43にわたって前記凸条55とスライド自在に係合し合う凹溝57を設けるものである。
【0067】
この場合、凸条55と凹溝57の関係は、凹溝57を弾性体31側に、凸条55を弾性体保持部材33側にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0068】
なお、他の構成要素は、第1の実施形態と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0069】
したがって、この第3の実施形態によれば、凸条55と凹溝57の係合により、主電動機3の軸心線上に沿う左右方向(矢印ロ)の荷重を受け止めることができる。また、弾性体保持部材33を取付ける時の誘導ガイドとして機能し、取付性が向上すると共に、受け面39aと押圧保持面45が正しく接触し合う正確な取付け状態が得られる。
【0070】
なお、第3の実施形態の凸条55と凹溝57との関係は、図9及び図10に示す如くピン状の突起体59とその突起体59と係合し合う係合孔61との関係であっても同様の効果が期待できる。この時の係合孔61は、長孔形状であることが望ましい。
【0071】
図11,図12は、継手装置25に使用される弾性体31の第4の実施形態を示したものである。
【0072】
即ち、弾性体31の前後の受け面39aを金属製の受け金39で形成し、弾性体31を支持する前後の受け金39のいずれか一方に、V字状の支持面63を、他方に、前記V字状の支持面63と対向し合う山形状の支持面65を設けた構成とするものである。
【0073】
なお、他の継手装置25の構成要素は第1の実施形態と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0074】
したがって、この第4の実施形態によれば、弾性体保持部材33の取付け完了時に、回転方向(矢印イ)の予圧が与えられると、同時にV字状の支持面63と山形状の支持面65とが接近し合うことで、傾斜面に沿う力が働き、軸心線上に沿った左右方向(矢印ロ)の予圧が与えられる。この結果、回転方向イ及び左右方向ロの予圧が与えられた弾性体31が得られる。
【0075】
この場合、図13及び図14に示す如く、弾性体31を支持する前後の受け金39の支持面67,67を、対向し合う傾斜面とする一方、図8の第3の実施形態で示したように、弾性体保持部材33の凹溝57と係合し合う凸条55を受け面39a側に設けるようにしてもよい。
【0076】
これにより、回転方向イの予圧に加え、左右方向ロの内、一方向の予圧が与えられた弾性体31が得られるようになる。
【0077】
また、図15から図17に示す如く、弾性体保持部材33の取付け完了後に、調節手段69を用いて回転方向イの外に、左右方向ロの予圧が与えられるようにしてもよい。
【0078】
具体的には、凸条55と凹溝57が係合し合う図8の第3の実施形態の弾性体保持部材33を利用するもので、図16に示す如くねじ孔71を有するブリッジ73を弾性体保持部材33に設け、前記ねじ孔71に調節用のボルト75を螺合し、先端が駆動取付部35及び従動取付部(図示していない)の側面に当接し合う調節手段69を設ける構成とするものである。
【0079】
これにより、弾性体保持部材33の取付孔47を長孔として、調節用のボルト75を前進させることで、弾性体保持部材33は、前記取付孔47の長孔の範囲内において、例えば、駆動取付部35に対して左右方向(矢印ロ)に相対移動し、弾性体31に左右方向ロの予圧を与えることが可能となる。
【0080】
図18は、継手装置25に使用される弾性体31の第5の実施形態を示したものである。
【0081】
即ち、弾性体31の前後の受け面39a側に、放熱フィン77を設ける構造とするものである。
【0082】
なお、他の構成要素は第1の実施形態と同一のため、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
したがって、この第5の実施形態によれば、弾性体31は主電動機3の運転中による熱の影響を受けるようになるが、放熱フィン77によって冷却されるため温度上昇が抑えられる。この結果、熱によるゴムの劣化が回避され、長期間に亘り安定した性能維持が得られるようになる。
【0084】
なお、放熱フィン77は、弾性体31に特定されず、弾性体保持部材33又は駆動取付部35及び従動取付部37側に冷却フィン77を設け、その冷却フィン77によって弾性体31に冷却風があたり冷却される構成としてもよい。
【0085】
図19は継手装置25に使用される弾性体31の配置位置の向きを変更した第6の実施形態を示したものである。
【0086】
即ち、駆動接手27の駆動取付部35と従動接手29の従動取付部37と、駆動取付部35及び従動取付部37の間に配置された弾性体31と、弾性体31の左右の受け面39aを押圧し、駆動取付部35及び従動取付部37への取付け完了時にテーパー状の押圧保持面45によって前記弾性体31に予圧を与える弾性体保持部材33とを車軸15の軸心線X上に沿って配置する。一方、前記弾性体31は、回転方向イ及び左右方向ロに予圧が与えられる図11及び図13の実施形態の弾性体31を用いる構造とするものである。
【0087】
この第6の実施形態によれば、配置位置の向きが異なるだけで、第1の実施形態と同様の作用、効果が期待できる。
【0088】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明の車両用主電動機の継手型駆動装置によれば、絞り加工せずに継手装置の弾性体に回転方向及び左右方向の予圧を与える継手装置の弾性体を得ることができる。しかもコストアップを招くことはなく、コスト性の面で大変好ましいものとなる。
【0089】
また、弾性体保持部材を取外すことで、弾性体の交換作業が容易に行なえると共に、弾性体保持部材を取付けることで、その取付け完了時にテーパー状の押圧保持面によって位置ずれを修正しながら確実に弾性体に予圧を与えることができるようになり、作業性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる継手装置の一部分を示した説明図。
【図2】継手装置の一部分を示した分解斜視図。
【図3】弾性体の説明図。
【図4】弾性体保持部材の断面図。
【図5】弾性体保持部材の取付状態を示した動作図。
【図6】車両用主電動機の継手型駆動装置全体の説明図。
【図7】弾性体の第2の実施形態を示した説明図。
【図8】弾性体の第3の実施形態を示した図2と同様の分解斜視図。
【図9】弾性体の第3の実施形態の変形例を示した図8と同様の分解斜視図。
【図10】図9の弾性体保持部材の係合孔を長孔とした説明図。
【図11】弾性体の第4の実施形態を示した説明図。
【図12】図11の弾性体を平面からみた説明図。
【図13】弾性体の第4の実施形態の変形例を示した説明図。
【図14】図13の弾性体を平面からみた説明図。
【図15】弾性体の第4の実施形態の変形例を示した説明図。
【図16】図15のA−A線断面図。
【図17】図15の弾性体保持部材の平面図。
【図18】弾性体の第5の実施形態を示した説明図。
【図19】継手装置の継手方向の向きを車軸の軸心線上に沿って配置した第6の実施形態を示した説明図。
【図20】従来例の継手装置を示した一部分の説明図。
【図21】弾性体を絞り加工によって予圧を与える動作説明図。
【図22】弾性体を取外した従来例の動作図。
【符号の説明】
3 主電動機
11 中空のシャフト
15 車軸
19 車輪
27 駆動接手
29 従動接手
31 弾性体
33 弾性体保持部材
35 駆動取付部
37 従動取付部
39a 受け面
45 押圧保持面
Claims (12)
- 主電動機の中空のシャフト内に、車軸を配設し、その車軸の両端部に車輪を装着する一方、前記中空のシャフトの両端部に駆動接手を設け、その駆動接手と対向し合う従動接手を前記車軸に設け、弾性体を介して前記駆動接手側から従動接手側へ動力を伝達する車両用主電動機の継手型駆動装置であって、
前記駆動接手に駆動取付部を、従動接手に従動取付部をそれぞれ円周線上に沿って交互に配置されるよう設け、前記駆動取付部と従動取付部とに、前記弾性体の前後の平行な受け面を挟みつけるようにして弾性体保持部材を取付けると共に、弾性体保持部材の取付け完了時に、前記弾性体の前後の平行な受け面を押圧し予圧を与えるテーパー状の押圧保持面を前記弾性体保持部材に設けたことを特徴とする車両用主電動機の継手型駆動装置。 - 弾性体の前後の受け面と弾性体保持部材の押圧保持面のいずれか一方に、上下方向に長い凸条と、他方に前記凸条とスライド自在に係合し合う凹溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体の前後の受け面と弾性体保持部材の押圧保持面のいずれか一方に、突起体を、他方に、前記突起体と係合し合う係合孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 係合孔は、少なくとも上下方向の長円の形状であることを特徴とする請求項3記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体の前後の受け面を、中心軸線がずれた段差をもたせた形状とすることを特徴とする請求項1記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体の前後の受け面のいずれか一方に、前記弾性体を支持するV字状の支持面を設け、他方に、前記V字状の支持面と対向し合う山形状の支持面を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体の前後の平行な受け面のいずれか一方に、前記弾性体を支持する傾斜した支持面を設け、他方に、前記傾斜した支持面と対向し合う傾斜した支持面を設けたことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体保持部材は、調節手段により駆動取付部及び従動取付部に対して車軸の軸方向に沿って移動可能であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体、弾性体保持部材又は駆動接手及び従動接手の少なくともいずれかに放熱フィンを設けることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 駆動取付部及び従動取付部に対する弾性体保持部材の接触取付面は、下方が開放された凹溝状の天井側に形成されると共に、前記弾性体保持部材の重心位置近傍、又は、回転中心から遠くなる外側に設けられることを特徴とする請求項1記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 弾性体保持部材を、アルミ製としたことを特徴とする請求項10記載の車両用主電動機の継手型駆動装置。
- 主電動機の中空のシャフト内に、車軸を配設し、その車軸の両端部に車輪を装着する一方、前記中空のシャフトの両端部に駆動接手を設け、その駆動接手と対向し合う従動接手を前記車軸に設け、弾性体を介して前記駆動接手側から従動接手側へ動力を伝達する車両用主電動機の継手型駆動装置であって、
前記駆動接手に設けられた駆動取付部と、従動接手に設けられ、前記駆動取付部と軸心線上に沿って対向し合う従動取付部とに、軸心線上に沿って配置した前記弾性体の左右の平行な受け面を挟みつけるようにして、弾性体保持部材を取付けると共に、弾性体保持部材の取付け完了時に、前記弾性体の左右の平行な受け面を押圧し回転方向及び左右方向に予圧を与えるテーパー状の押圧保持面を前記弾性体保持部材に設けたことを特徴とする車両用主電動機の継手型駆動装置。
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