JP3762554B2 - エレクトロフュージョン継手 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、プラスチック管における配管設備において、プラスチック管を接続するのに用いられ、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手に関する。
【0002】
【従来技術】
エレクトロフュージョン継手には、管同士を連結するのに用いるソケット継手、エルボ継手、チーズ継手、レジューサ継手、枝管を接続するのに用いるサドル継手、サービスチー継手、管端部に取着されるキャップ継手など様々なタイプのものがあり、いづれも管との接合面には電熱線が一般的にはコイル状又は渦巻状に埋設され、管との接続は、通電により電熱線を発熱させて融着界面の樹脂を溶融させることにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エレクトロフュージョン継手は、融着時に樹脂部分が熱収縮するのに対し、電熱線は熱膨張しようとするため、電熱線が座屈して折れ曲がり、隣の電熱線と接触して短絡することがある。短絡を防ぐには電熱線の線径を太くして剛性を高めるとよいが、線径を太くすると、抵抗が低くなり、抵抗が低くなると、Q=0.24V2 /Rで表されるジュール熱Qが大となって接合面のエネルギー密度が過大となる。その結果、溶融樹脂が流動化し易くなって電熱線同士が接触して短絡が生じたり、継手から溶融樹脂がはみ出たりし易くなる。
【0004】
本発明は、上記の問題を解消することができるエレクトロフュージョン継手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題の解決手段】
請求項1記載の発明は、プラスチック管を接続するのに用いられ、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手において、電熱線の線径を太くして剛性を高めると共に、上記接合面のエネルギー密度を下げるため接合面以外の箇所に上記電熱線に接続、好ましくは直列に接続される抵抗を設けたことを特徴とする。
【0006】
本発明によると、抵抗を電熱線に接続することにより、接合面でのジュール熱が低下し、プラスチック管との接合面に埋設される電熱線によるエネルギー密度が低くなる。その結果、溶融樹脂の流動を適正に抑えることができ、電熱線同士の短絡を防ぐことができる。
本発明における抵抗は、継手内部に埋設してもよいが、抵抗による発熱の影響を避けるため好ましくは継手外部に、例えば継手の端子、融着機のコネクターなどに設けられか、或いは継手の端子と該端子に接続される融着機のコネクターとの間に介在して両者に取外し可能に取着される。
【0007】
抵抗を継手内部に設けるよりも外部に設ける方が継手の成形が容易となり、また融着時に抵抗によって継手を不必要に加熱する必要がない。とくに抵抗を融着機のコネクターに設けたり、継手の端子に取外し可能に接続すれば、継手の構造が従前と同様で複雑とならず、成形も従前と同様にして行われるうえ、抵抗を各継手に共通使用できるようになる。更にまた抵抗を継手の端子とコネクターとの間に介在して設けるようにすれば、コネクターの構造が複雑とならず、コネクターを不必要に加熱することもない。
【0008】
したがって請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、抵抗を継手外部に設けることを特徴とし、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、抵抗を電熱線端子に設けることを特徴とする。更に請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、抵抗を融着機のコネクターに設けることを特徴とする。また請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、抵抗器を継手の端子と該端子に接続される融着機のコネクターにそれぞれ着脱可能に取付けて継手の端子と上記コネクターとの間に介在させることを特徴とする。
更に請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかの請求項に記載の発明において、抵抗を複数個設けることを特徴とする。
【0009】
なお上記各発明は、管同士を連結するのに用いるソケット継手、エルボ継手、チーズ継手、レジューサ継手、枝管を接続するのに用いるサドル継手、サービスチー継手、管端部に取着されるキャップ継手など電気融着が行われる全ての継手に適用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に示すエレクトロフュージョン継手1は、接合面にコイル状に埋設される電熱線2の線径を太くして剛性を高めたソケット継手を示すもので、端子3に取外し可能に差込まれ、電熱線2と直列に接続される抵抗4には図示省略した融着機のコネクターに差込まれる端子5が突設されている。
【0011】
本継手を用いてプラスチック管と電気融着する際には、継手1の一方または両方の端子3に抵抗4を差込んで取付けたのち(図には一方の端子のみに差込まれる抵抗4を示している)、融着機のコネクターを抵抗4の端子5に差込み(抵抗4が取付けられない端子に対しては融着機のコネクターの一方を継手1の端子3に差込む)通電する。
【0012】
因みに本実施形態において、融着時に発生するジュール熱Qは、電圧をV、電熱線2の抵抗値をR、抵抗4の抵抗値をrとすると、Q=0.24V2 /(R+r)となり、抵抗4を用いない場合に比べジュール熱は小さくなる。
図2に示すエレクトロフュージョン継手11は、電熱線12の一端を継手より突出して延長させ、延長部分にコイル状に巻いて形成してなる抵抗13を設けてなるものである。
【0013】
図3に示すエレクトロフュージョン継手21は、電熱線22に直列に接続される抵抗23を継手内部に埋設した例を示すものであり、図4は同様に抵抗23を継手外部に直列に設けた例を示すものである。る。
図5に示すエレクトロフュージョン継手31は、抵抗となる電熱線32を接合面に埋設される電熱線33と直列に接続し、コイル状に巻いた電熱線より構成したものである。
図5に示す電熱線(抵抗)32によれば、図3に示す抵抗に比べ継手の局部加熱が妨げられ、継手外層部の加熱が均一化するが、図3に示す抵抗においても、抵抗を耐熱性のある容器に入れて成形すれば、こうした問題は生じないし、継手の不必要な加熱を生じない。
【0014】
上記各実施形態は、ソケット継手を例示したが、他のタイプのエレクトロフュージョン継手、例えばエルボ継手、チーズ継手、レジューサ継手、サドル継手、サービスチー継手、キャップ継手なども同様に構成することができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、融着時の電熱線の折れ曲がりによる短絡を防ぐため、プラスチック管との接合面に埋設される電熱線の線径を太くし剛性を高めてもエネルギー密度の増大を防いで適正値にすることができ、エネルギー密度過大による電熱線の短絡や継手からの溶融樹脂のはみ出しを防ぐことができる。
【0016】
請求項2及び3記載の発明によると、継手の成形が容易となり、抵抗によって継手が加熱されるのを防ぐことができる。
請求項4記載の発明によると、継手の構造や成形が従前と同様となり、抵抗によって継手が加熱されるのを防ぐことができるうえ、抵抗を個々の継手に設ける必要もない。
【0017】
請求項5記載の発明においては、請求項4記載の発明と同様の効果を奏するほか、更に融着機のコネクターの構造も複雑とならず、コネクターを不必要に加熱することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレクトロフュージョン継手の断面図。
【図2】本発明に係るエレクトロフュージョン継手の別の態様の断面図。
【図3】本発明に係るエレクトロフュージョン継手の更に別の態様の断面図。
【図4】本発明に係るエレクトロフュージョン継手の更に別の態様の断面図。
【図5】本発明に係るエレクトロフュージョン継手の他の態様の断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31・・エレクトロフュージョン継手
2、12、22、33・・電熱線
3、5・・端子
4、13、23、32・・抵抗
Claims (6)
- プラスチック管を接続するのに用いられ、プラスチック管との接合面に電熱線を埋設したエレクトロフュージョン継手において、電熱線の線径を太くして剛性を高めると共に、上記接合面のエネルギー密度を下げるため接合面以外の箇所に上記電熱線に接続される抵抗を設けたことを特徴とするエレクトロフュージョン継手。
- 抵抗を継手外部に設けることを特徴とする請求項1記載のエレクトロフュージョン継手。
- 抵抗を電熱線端子に設けることを特徴とする請求項2記載のエレクトロフュージョン継手。
- 抵抗を融着機のコネクターに設けることを特徴とする請求項2記載のエレクトロフュージョン継手。
- 抵抗を継手の端子と該端子に接続される融着機のコネクターにそれぞれ着脱可能に取付けて継手の端子と上記コネクターとの間に介在させることを特徴とする請求項2記載のエレクトロフュージョン継手。
- 抵抗を複数個設けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの請求項に記載のエレクトロフュージョン継手。
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