JP3761934B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粉状化粧料を収容する化粧用コンパクト容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の化粧用コンパクト容器には、容器本体に固定した中皿に粉状化粧料が収容され、この中皿の上部開口が網体で塞がれていて、使用に際し網体の上をパフで押さえることにより粉状化粧料を網体を通してパフに付着させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような化粧用コンパクト容器では、容器本体に蓋をして携帯している時に粉状化粧料が網体を通過してしまい、蓋を開いた時にその粉状化粧料が外にこぼれて周囲を汚す問題があった。
【0004】
又、閉蓋時に粉状化粧料が網体を通らないようにするために、網体の上にパフを載置して網体の目を塞ぎ、蓋を閉めることができるようにした構造のものもある。しかしながら、このような構造にすると、コンパクト容器の高さが高くなり、嵩ばって扱いにくいという問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、粉状化粧料の漏出を防止できる、薄型の化粧料コンパクト容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、容器本体と、この容器本体を閉塞する蓋体とを備え、容器本体には粉状化粧料を収容する収容凹部が設けられ、この収容凹部の上部開口が網体によって覆われている化粧用コンパクト容器において、前記蓋体の内面であって閉蓋時に前記網体に重ね合わされる部位には、閉蓋時に網体の目に差し込まれて目を閉ぐ起毛が取り付けられていることを特徴とする化粧用コンパクト容器である(請求項1に対応)。
【0007】
この化粧用コンパクト容器によれば、蓋をすると網体の目が起毛によって閉ざされるので、閉蓋中は粉状化粧料が網体を通過することがない。網体と蓋体との間には起毛が存在するだけであるので、化粧用コンパクト容器を薄くできる。
【0008】
又、本発明の化粧用コンパクト容器は、前記構成を備えたことを前提として、以下のように構成することも可能である。
即ち、前記容器本体は内部が前記収容凹部になっている中皿を備え、中皿は前記網体の外周縁を包囲する鍔部を有し、前記起毛は閉蓋時に網体及び鍔部に重ね合わされる範囲に取り付けられており、閉蓋時に鍔部に重ねられた起毛が該鍔部を圧接する(請求項2に対応)。
【0009】
このようにすると、閉蓋時には網体の目が起毛によって閉ざされるだけでなく、網体の周囲の鍔部にも起毛が圧接するので、粉状化粧料の漏出通路を完全に遮断することができる。
【0010】
あるいは、前記容器本体は内部が前記収容凹部になっている中皿を備え、中皿はその開口側外周縁に前記網体を包囲する鍔部を有し、前記起毛は閉蓋時に網体に重ね合わされる範囲に取り付けられており、前記蓋体には閉蓋時に鍔部に圧接する環状パッキンを取り付ける(請求項3に対応)。
【0011】
このようにすると、閉蓋時には網体の目が起毛によって閉ざされるだけでなく、網体の周囲の鍔部に環状パッキンが圧接してシールするので、粉状化粧料の漏出通路を完全に遮断することができる。
【0012】
更に、前記蓋体の一端部と前記容器本体の一端部を回動可能に連結し、この連結部を回転中心にして蓋体を容器本体に対して接近離反する方向に回動可能にしてもよい(請求項4に対応)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化粧用コンパクト容器(以下、コンパクト容器と略称する)の実施の形態を図1から図10の図面に基いて説明する。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態のコンパクト容器を図1から図6の図面に基づいて説明する。コンパクト容器は容器本体10と蓋体30とを備えている。
【0015】
図1はコンパクト容器の要部の縦断面図であり、図2は容器本体10の平面図であり、図3は蓋体30の平面図である。又、図4から図6は閉蓋時における容器本体と蓋体の縦断面図であり、図4は図2のA−Aに対応する断面図、図5は図2のB−Bに対応する断面図、図6は図2のC−Cに対応する断面図である。
【0016】
容器本体10及び蓋体30は上から見ると細長い円形をなしている。容器本体10は、外枠11と中枠12と中皿20とを備え、外枠11の上縁に固定された中枠12には、円形の中皿収容部13とパフ収容部14が設けられている。
【0017】
外枠11の後端中央と蓋体30の後端中央は支軸50によって連結されており、この支軸50を中心にして蓋体30が容器本体10に対して接近離反する方向に回動可能にされている。
【0018】
外枠11の前端中央には開放操作片15が取り付けられており、蓋体30を閉じると、この開放操作片15に設けられた係止部16と蓋体30の前端中央に設けられた係止部31とが係合して蓋体30を閉状態に保持するようになっている。そして、開放操作片15を板ばね17の弾性に抗して押し込むと、前記係止部16,31の係合が解除され蓋体30を開けることができるようになっている。
【0019】
中枠12の中皿収容部13の内部には中皿20が配されている。中皿20は、上部を開口させて内部が粉状化粧料を収容するための収容凹部21になっている皿部22と、皿部22の上部外縁に固定されたリング23と、リング23に固定された環状の鍔部24とを備えており、鍔部24の上面は平坦面にされていて、鍔部24には皿部22の上部開口を塞ぐ網体25が取り付けられている。
【0020】
網体25は収容凹部21に収容された粉状化粧料を僅かに通過させるだけの大きさの目を備えており、網体25の上にパフ100をこすり付けると、パフ100に粉状化粧料を付着せしめることができるようになっている。
【0021】
中皿20は皿部22の底面を外枠11の内底面に接合して外枠11に固定されている。中枠12のパフ収容部14の内側にはパフ100が収納可能になっている。
【0022】
一方、蓋体30の内面には、閉蓋時に中皿収容部13に重なり合う部位に起毛32が起立して接合されており、閉蓋時にパフ収容部14に重なり合う部位に鏡33が固定されている。
【0023】
起毛32は、鍔部24と網体25とを覆う範囲に設けられており、その全範囲において起毛32の長さが同寸法になっていて、全ての起毛32の先端がほぼ面一に位置している。
【0024】
この蓋体30を閉じると、網体25に対応する部位に設けられた起毛32はその先端を網体25の目に差し込んで網体25の目を閉ざす。一方、鍔部24に対応する部位に設けられた起毛32は、先端を若干曲げるようにして鍔部24に圧接する。その結果、蓋体30の閉蓋時には、粉状化粧料の漏出通路が完全に遮断される。
【0025】
したがって、閉蓋して携帯した時にも、粉状化粧料が網体25を通過することがなく、鍔部24の外にこぼれることもない。そして、この後で蓋体30を開けた時にも粉状化粧料がこぼれることがなく、周囲を粉状化粧料で汚すこともない。
【0026】
又、網体25と蓋体30との間には起毛32が存在するだけであるので、コンパクト容器を薄型にすることができる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
図7及び図8は本発明のコンパクト容器の第2の実施の形態を示す図であり、図7は第1の実施の形態における図4に相当する断面図、図8は第1の実施の形態における図1に相当する要部拡大断面図である。
【0028】
第2の実施の形態が第1の実施の形態と相違する点について以下に説明する。第2の実施の形態では、蓋体30の内面において鍔部24に対応する部分に環状の凹部34が形成されている。そして、網体25に対応する部位に設けられた起毛32aと凹部34に設けられた起毛32bは同じ長さを有しており、したがって、起毛32aの先端と起毛32bの先端では段差が生じている。
【0029】
その他の構成については第1の実施の形態と同様であるので、図中の同一態様部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0030】
この第2の実施の形態においては、蓋体30を閉じると、起毛32aはその先端を網体25の目に差し込んで目を閉ざし、起毛32bはその先端を鍔部24に圧接する。その結果、蓋体30の閉蓋時には、粉状化粧料の漏出通路が完全に遮断される。
【0031】
第2の実施の形態の場合にも、閉蓋して携帯した時に、粉状化粧料が網体25を通過することがなく、鍔部24の外にこぼれることもなく、又、コンパクト容器を薄型にすることができる。
【0032】
〔第3の実施の形態〕
図9及び図10は本発明のコンパクト容器の第3の実施の形態を示す図であり、図9は第1の実施の形態における図4に相当する断面図、図10は第1の実施の形態における図1に相当する要部拡大断面図である。
【0033】
第3の実施の形態が第1の実施の形態と相違する点について以下に説明する。第3の実施の形態では、蓋体30の内面において鍔部24に対応する部分に環状の凹部35が形成されている。そして、この凹部35にはエラストマー等の弾性材からなる環状のパッキン36が取り付けられている。又、第3の実施の形態では、起毛32が網体25に対応する部位にのみ設けられている。
【0034】
その他の構成については第1の実施の形態と同様であるので、図中の同一態様部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0035】
この第3の実施の形態においては、蓋体30を閉じると、起毛32がその先端を網体25の目に差し込んで目を閉ざし、パッキン35が鍔部24に圧接してシールする。その結果、蓋体30の閉蓋時には、粉状化粧料の漏出通路が完全に遮断される。
【0036】
第3の実施の形態の場合にも、閉蓋して携帯した時に、粉状化粧料が網体25を通過することがなく、鍔部24の外にこぼれることもなく、又、コンパクト容器を薄型にすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓋体を閉じると、蓋体に設けた起毛が容器本体の収容凹部を覆う網体の目に差し込まれて網体を閉塞するので、粉状化粧料が網体を通過することがなく、蓋体を開けた時に周りを粉状化粧料で汚すことがないという優れた効果が奏される。
【0038】
又、化粧用コンパクト容器を薄型にできるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧用コンパクト容器の第1の実施の形態における要部拡大断面図である。
【図2】 本発明の化粧用コンパクト容器の第1の実施の形態における容器本体の平面図である。
【図3】 本発明の化粧用コンパクト容器の第1の実施の形態における蓋体の平面図である。
【図4】 閉蓋時における容器本体と蓋体の縦断面図であり、図2のA−Aに対応する断面図である。
【図5】 閉蓋時における容器本体と蓋体の縦断面図であり、図2のB−Bに対応する断面図である。
【図6】 閉蓋時における容器本体と蓋体の縦断面図であり、図2のC−Cに対応する断面図である。
【図7】 本発明の化粧用コンパクト容器の第2の実施の形態における縦断面図であり、第1の実施の形態の図4に対応する断面図である。
【図8】 本発明の化粧用コンパクト容器の第2の実施の形態における要部拡大断面図である。
【図9】 本発明の化粧用コンパクト容器の第3の実施の形態における縦断面図であり、第1の実施の形態の図4に対応する断面図である。
【図10】 本発明の化粧用コンパクト容器の第3の実施の形態における要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 容器本体
20 中皿
21 収容凹部
24 鍔部
25 網体
30 蓋体
32 起毛
32a,b 起毛
36 環状パッキン
Claims (4)
- 容器本体と、この容器本体を閉塞する蓋体とを備え、容器本体には粉状化粧料を収容する収容凹部が設けられ、この収容凹部の上部開口が網体によって覆われている化粧用コンパクト容器において、
前記蓋体の内面であって閉蓋時に前記網体に重ね合わされる部位には、閉蓋時に網体の目に差し込まれて目を閉ぐ起毛が取り付けられていることを特徴とする化粧用コンパクト容器。 - 前記容器本体は内部が前記収容凹部になっている中皿を備え、中皿は前記網体の外周縁を包囲する鍔部を有し、前記起毛は閉蓋時に網体及び鍔部に重ね合わされる範囲に取り付けられており、閉蓋時に鍔部に重ねられた起毛が該鍔部を圧接することを特徴とする請求項1に記載の化粧用コンパクト容器。
- 前記容器本体は内部が前記収容凹部になっている中皿を備え、中皿はその開口側外周縁に前記網体を包囲する鍔部を有し、前記起毛は閉蓋時に網体に重ね合わされる範囲に取り付けられており、前記蓋体には閉蓋時に鍔部に圧接する環状パッキンが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の化粧用コンパクト容器。
- 前記蓋体の一端部と前記容器本体の一端部が回動可能に連結されていて、この連結部を回転中心にして蓋体が容器本体に対して接近離反する方向に回動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化粧用コンパクト容器。
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JP21222995A JP3761934B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化粧用コンパクト容器 |
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JP21222995A JP3761934B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化粧用コンパクト容器 |
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JP21222995A Expired - Lifetime JP3761934B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 化粧用コンパクト容器 |
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- 1995-08-21 JP JP21222995A patent/JP3761934B2/ja not_active Expired - Lifetime
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