JP3761506B2 - 薄膜パターン形成方法及びマスター情報担体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜パターン形成方法及びマスター情報担体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜パターン形成方法には、フォトリソグラフィでパターン化されたレジストをマスクとして使用してエッチングする方法、電極層上にレジストパターンを形成しレジストの開口部に薄膜を形成するメッキ法、あるいは、基体表面にレジストパターンを形成し、基体及びレジストパターンの表面に薄膜を堆積した後、レジストパターン表面に堆積した薄膜をレジストともに除去するリフトオフ法などがある。
【0003】
本発明は、リフトオフ法に関するものであり、図5を参照して、従来のリフトオフ法による薄膜形成方法について説明する。
【0004】
まず、基体1上にレジストパターン2をフォトリソグラフィで形成する(図5(A))。次に金属あるいは絶縁材料よりなる薄膜3をスパッタ法などで成膜する(図5(B))。次いで図5(C)に示すように超音波洗浄や高圧ノズルによる薬液噴霧でレジストパターン2及びレジストパターン2上の不要な薄膜3を除去し、薄膜パターン8を得る。
【0005】
また、従来のリフトオフ法の他の一例を図6を用いて説明する。
【0006】
まず、基体1上にレジストパターン32をフォトリソグラフィで形成する(図6(A))。この際、断面形状において、図6(A)に示すように、側壁が逆テーパー形状となるようレジストパターンを形成する。次に、逆テーパー形状のレジストパターン32及び基体1上に薄膜3を成膜し(図6(B))、超音波洗浄や高圧ノズルによる薬液噴霧でレジストパターン32上の薄膜を除去し、薄膜パターン8を得る(図6(C))。このような逆テーパー形状のレジストパターン32はその側壁22に薄膜3の回り込みが少ないため、リフトオフが容易にできるという特徴がある。
【0007】
従来のリフトオフ技術においては、高圧ノズルによる薬液噴霧を基軸として別の手段を付加的に導入することにより、リフトオフ工程の信頼性を向上せしめる様々な手法が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平03−274722号公報
特許文献1には、基板を回転させながらノズルから薬液噴霧を行うとともにブラシで洗浄することを特徴とするリフトオフ技術が記載されている。
【0009】
【特許文献2】
特開平01−041217号公報
特許文献2には、基板を低速回転させながら低圧力でレジスト剥離液を塗布した後、基板を高速回転させながら高圧力でノズルからレジスト剥離液を噴霧することを特徴とするリフトオフ技術が記載されている。
【0010】
【特許文献3】
特開2000−102770号公報
特許文献3には、ノズル圧を1MPa〜15MPaとして薬液噴霧を行うことを特徴とするリフトオフ技術が記載されている。
【0011】
【特許文献4】
特開2000−263000号公報
特許文献4には、高圧ノズルの角度を基板表面に対して20度〜45度として薬液噴霧を行うことを特徴とするリフトオフ技術が記載されている。
【0012】
また上記のような、従来のリフトオフ技術を用いて製造することのできる薄膜付き部品デバイスの一例として、磁気転写用マスター情報担体がある。
【0013】
【特許文献5】
特開平10−040554号公報
特許文献5には、転写すべきデジタル情報信号に対応する強磁性薄膜パターンが形成されたマスター情報担体の転写面と、磁気記録媒体の被転写面とを密着させ、マスター情報担体の強磁性薄膜パターンを磁化させることにより、磁気記録媒体に強磁性薄膜パターンに対応する磁化パターンを転写記録する方法が記載されている。
【0014】
上記のようなマスター情報担体を用いて良好に磁気転写記録を行うためには、マスター情報担体の前記強磁性薄膜のパターンが精度よく形成されることが必要である。
【0015】
図7を参照して、従来のマスター情報担体の製造方法を説明する。
【0016】
まず、基体1上にフォトリソグラフィでレジストパターン2を形成する(図7(A))。このとき、レジストの開口部11のパターンは、デジタル情報信号に対応している。次いで、エッチングにより基体1表面に凹部12を形成する(図7(B))。次に図7(C)に示すように、レジストパターン2及び基体1の凹部12の表面に強磁性薄膜13を成膜した後、高圧ノズル6を用いてレジスト剥離液を噴霧し、レジストパターン2とレジストパターン2上の強磁性薄膜13とを除去する。次いで、図7(D)に示すように、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を吐出しながら、ブラシ7を回転させながら基体1及び強磁性薄膜13上を基体中心部から外周部に向けて移動させ、基体1上を洗浄する。以上により、図7(E)に示すようにマスター情報担体の強磁性薄膜パターン23を得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図5に例示した従来のリフトオフ法では、図5(C)に示すように、薄膜パターン8の側壁にバリ4が残りやすいという課題があった。
【0018】
これに対して、図6に例示した別のリフトオフ法では、側壁22への薄膜3の回り込みが少ないため、図5の構成に比べてバリは生じ難い。しかしながらパターンの細線化に伴い、逆テーパ形状のレジストパターン32が倒れやすくなり、微細パターンの形成が困難であるという課題があった。また、リフトオフ後の薄膜パターン8の断面形状は図6(C)に示すように台形状となるため、寸法精度が安定しないという課題も有していた。
【0019】
さらに、図7に例示した従来のリフトオフ技術を用いたマスター情報担体の製造方法では、高圧ノズル6で噴霧したレジスト剥離液や、ブラシ7の先端が薄膜パターン23の側壁にムラ無くあたらないと、バリ4が残るという課題があった。
【0020】
このようなバリ4が残ったパターン形状を有するマスター情報担体は、磁気記録媒体の被転写面を傷つけ易く、また、磁気転写する際に磁気記録媒体の被転写面との間に局所的なスペーシングを生じるため、転写信号品質にバラツキを生じる。
【0021】
本発明は、上記の各問題を解決し、薄膜パターンの端部にバリが残らず、良好な形状の薄膜パターンを形成することができる薄膜パターン形成方法を提供することを目的とする。また、本発明は、強磁性薄膜パターンの端部にバリが残らず、その結果、被転写面が傷付けられることがなく、安定かつ正確に磁気転写可能なマスター情報担体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために以下の構成とする。
【0023】
本発明の薄膜パターン形成方法は、基体上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成する工程と、前記基体及び前記レジストパターン上に薄膜を形成する工程と、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に形成した前記薄膜を除去する工程とを有し、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に形成した前記薄膜を除去する工程は、前記基体を回転させる工程と、複数の高圧ノズルを用いた薬液噴霧工程と、ブラシによる洗浄工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
かかる方法によれば、高圧ノズルを用いてレジストパターン及びレジストパターン上の薄膜の大部分を除去したのち、除去しきれなかった薄膜、特にレジストパターンの側壁近傍に付着した薄膜を、次のブラシ洗浄工程で除去することによって、良好な形状の薄膜パターンを得ることが出来る。
【0025】
また、複数の高圧ノズルを用いて各々のノズルから基板表面に噴霧される薬液の角度を適切に制御することにより、薬液がレジストパターンの側壁部分を含めてムラ無く噴霧される。このような構成により、レジストパターン及びレジストパターン上の薄膜の除去能力が飛躍的に向上し、短時間で効率よくバリの無い所望の形状の薄膜パターンを得ることができる。
【0026】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法は、非磁性の基体表面にディジタル信号に対応する形状パターンに強磁性薄膜パターンが設けられたマスター情報担体の製造方法であって、前記基体上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成する工程と、エッチングにより前記基体表面に強磁性薄膜埋設用穴を形成する工程と、前記強磁性薄膜埋設用穴および前記レジストパターン上に強磁性薄膜を堆積する工程と、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に堆積した前記強磁性薄膜を除去する工程とを有し、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に堆積した前記強磁性薄膜を除去する工程は、前記基体を回転させる工程と、複数の高圧ノズルを用いた薬液噴霧工程と、ブラシによる洗浄工程とを含むことを特徴とする。
【0027】
かかる製造方法によれば、高圧ノズルを用いてレジストパターン及びレジストパターン上の強磁性薄膜の大部分を除去したのち、除去しきれなかった強磁性薄膜、特にレジストパターンの側壁近傍に付着した強磁性薄膜を、次のブラシ洗浄工程で除去することによって、良好な形状の強磁性薄膜パターンを得ることが出来る。
【0028】
また、複数の高圧ノズルを用いて各々のノズルから基板表面に噴霧される薬液の角度を適切に制御することにより、薬液がレジストパターンの側壁部分を含めてムラ無く噴霧される。このような構成により、レジストパターン及びレジストパターン上の強磁性薄膜の除去能力が飛躍的に向上し、短時間で効率よくバリの無い所望の形状の強磁性薄膜パターンを得ることができる。
【0029】
その結果、磁気記録媒体の被転写面が傷付けられることがなく、安定かつ正確に磁気転写可能なマスター情報担体を製造することができる。
【0030】
上記の薄膜パターン形成方法及びマスター情報担体の製造方法においては、前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面に対して垂直方向に配置されており、別の少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面に対する傾斜角度が70度以上かつ90度未満となるように傾斜して配置されることが好ましい。これにより、薬液がレジストパターンの側壁部分を含めてムラ無く噴霧されるとともに、レジストパターンと薄膜(又は強磁性薄膜)の除去能力がより向上し、バリの少ない薄膜パターンを得ることができる。
【0031】
また、前記複数の高圧ノズルを前記基体の中心部から外周部に向けて移動させながら薬液を噴霧することが好ましい。これにより、基体の全面にわたり、所望する形状の薄膜パターンを得ることができる。
【0032】
また、前記ブラシによる洗浄工程において、前記ブラシを自転させながら前記基体の中心部から外周部に向けて移動させるとともに、前記ブラシの前記基体表面への押し当て量を0μmより大きく、かつ400μm以下とすることが好ましい。これにより、基体の全面にわたり、バリのない良好な形状の薄膜パターンを安定して得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図面を用いて詳細に説明する。以下に示す実施の形態では、リフトオフ法による薄膜パターン形成方法及びリフトオフ法により薄膜形成するマスター情報担体の製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく他の薄膜付き部品にも適用することが出来る。
【0034】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1の薄膜パターン形成方法を示す。
【0035】
まず、シリコンウエハなどからなる基体1上にフォトリソグラフィでレジストパターン2を形成し(図1(A))、これらの表面上に金属あるいは絶縁材料などの薄膜3を成膜する(図1(B))。
【0036】
次に、図1(C)に示すように、複数本の高圧ノズル6を用いてレジストの剥離液(薬液)を噴霧して、レジストパターン2及びこの上に成膜された薄膜3を除去する。
【0037】
図1(C)における複数本の高圧ノズル6の配置例を、図2により詳細に示す。図2に示すように、好ましくは、複数本の高圧ノズルのうちの少なくとも1本の高圧ノズル(第1高圧ノズル)61は、その中心軸(薬液の吐出方向)が基体1の表面に対してなす角度θ1が90度となるように配置され、別の少なくとも1本の高圧ノズル(第2高圧ノズル)62は、その中心軸(薬液の吐出方向)が基体1の表面に対してなす角度θ2が90度未満となるように傾斜して配置される。この際、第2高圧ノズル62の前記傾斜角度θ2は70度以上、かつ90度未満であることがより好ましい。
【0038】
このような構成により、複数本の高圧ノズルのうちの少なくとも1本の第1高圧ノズル61からは基体1の表面に対して垂直に薬液が入射し、リフトオフされる薄膜3が成膜されたレジストパターン2の主として表面部分に向けて薬液が吐出される。一方、別の少なくとも1本の第2高圧ノズル62からは基体1の表面に対して入射角70度以上90度未満の角度で斜めに薬液が入射し、リフトオフされる薄膜3が成膜されたレジストパターン2の主として側壁22近傍に向けて薬液が吐出される。この結果、薬液がレジストパターン2の表面部分と側壁部分とにムラ無く噴霧される。
【0039】
さらに、基板1に対して垂直に配置された第1高圧ノズル61と基板1に対して傾斜して配置された第2高圧ノズル62とは、両方の高圧ノズル61、62からそれぞれ吐出された薬液が基体1の表面上で相互に干渉し合い攪拌されるように、基体1上のほぼ同一の部分に向けて同時に薬液を吐出するように設置されていることが好ましい。リフトオフの際には、上記のように設置された一対の高圧ノズル61、62を、基体1を回転させながら基体1の中心部から外周部に向けて移動させ、薬液を噴霧する。
【0040】
ここで用いられる高圧ノズルの数は2本に限られるものではなく、基体1の表面に対して垂直に配置された第1高圧ノズル61が少なくとも1本設けられ、且つ、基体1の表面に対して傾斜して配置された第2高圧ノズル62が少なくとも1本設けられている限り、さらに別の1本もしくは複数のノズルからも同一の部分に向けて同時に薬液を吐出するよう構成しても良い。このように、複数の高圧ノズル6を用いて薬液を噴霧することにより、薄膜3が異なる方向から噴霧された薬液に同時にさらされる結果、1本のみの高圧ノズルを用いていた従来の方法に比べて、バリの除去能力が格段に向上する。
【0041】
高圧ノズル6は、従来から使用されている公知のものを使用することができる。また、高圧ノズル6からの薬液の噴霧条件は、例えば、高圧ノズル6に供給される薬液の圧力を5〜10MPa、高圧ノズル6先端の薬液が吐出されるノズル径を0.1〜0.5mmとすることが好ましい。
【0042】
また、高圧ノズル6から噴霧される薬液も、従来から使用されている公知のものを使用することができる。例えば、N−メチル−2−ピロリドンを主成分とする市販のレジスト剥離液を用いることができる。一実施例においては、シプレイ社製のマイクロポジットリムーバー1165を用いて本発明の効果を充分に得ることが出来た。
【0043】
次に、基体1を回転させ、かつイソプロピルアルコールなどの有機溶剤を基体1の表面上に吐出しながら、ブラシ7を回転させながら基体1の中心から外周部に向けて移動させ、基体1及び薄膜パターン3の表面を洗浄する(図1(D))。ブラシ7は、円盤の片面に耐薬品性の高い材質からなる太さ0.3mm程度のブラシ毛が多数植設されて構成される。耐薬品性に優れたブラシ毛の材質としては、例えば、PFA(パーフルオロ・アルコキシ重合高分子化合物)などが適している。このブラシ洗浄工程を行なうことにより、図1(C)の薬液噴霧工程で除去しきれなかった薄膜3の端部のバリ4をほぼ完全に除去する。
【0044】
ここでブラシ7の基体1の表面に対する押し当て量と得られる薄膜パターンの形状(バリの有無の観察結果)について検討した結果を表1に示す。なお、ブラシ7の基体1の表面に対する押し当て量Dは、図4に示すように、基体1の厚さをt、ブラシ7のブラシ毛の先端と基体1が搭載される基体ホルダー10の上面との間の距離をhとしたとき、D=t−hで表わされる。但し、ここで距離hは、基体ホルダー10上に基体1を搭載していない状態でのブラシ毛先端と基体ホルダー10の上面との距離を意味する。
【0045】
【表1】
【0046】
表1より、ブラシ押し当て量が0μmでは僅かにバリが観察された。また、400μmを超えるとブラシの押し当て力が強く、基体1の回転が不安定になった。以上の結果より、ブラシ押し当て量が、好ましくは0μmより大きく、且つ400μm以下、更に好ましくは50〜400μmのときに、端部にバリのない良好な形状の薄膜パターン8が得られることがわかった(図1(E))。
【0047】
(実施の形態2)
図3に本発明の実施の形態2のマスター情報担体の製造方法を示す。
【0048】
シリコンウエハなどからなる非磁性の基体1上にレジストパターン2をフォトリソグラフィで形成する(図3(A))。このとき、レジストの開口部11のパターンは、磁気転写されるディジタル情報信号に対応している。
【0049】
次に、エッチングにより、レジストパターン2が形成されていない部分11に所定の深さの強磁性薄膜埋設用穴14を形成する。
【0050】
次に、レジスト2及び強磁性薄膜埋設用穴14上に強磁性薄膜13を成膜する。そして、図3(C)に示すように、複数本の高圧ノズル6を用いてレジスト剥離液(薬液)を噴霧して、レジストパターン2及びこの上に成膜された強磁性薄膜13を除去する。好ましくは、図2で説明したのと同様に、複数本の高圧ノズル6のうちの少なくとも1本の第1高圧ノズル61は基体1の表面に対して垂直に配置され、別の少なくとも1本の第2高圧ノズル62は基体1の表面に対して傾斜して配置される。
【0051】
基体表面に対して傾斜して配置された第2高圧ノズル62の基体1の表面に対する傾斜角度θ2は、実施の形態1と同様に、70度以上かつ90度未満の範囲とすることが好ましい。
【0052】
基体1の表面に対して垂直に配置された第1高圧ノズル61は、リフトオフされる強磁性薄膜13が成膜されたレジストパターン2の主として表面部分に向けて薬液を吐出する。一方、基体1の表面に対して上記の傾斜角度θ2で配置された第2高圧ノズル62は、リフトオフされる強磁性薄膜13が成膜されたレジストパターン2の主として側壁22近傍に向けて薬液を吐出する。特に、サブμm幅のラインとスペースとの繰り返しパターンで構成されているマスター情報担体のレジストパターン2では、第2高圧ノズル62の傾斜角度θ2が70度未満になると、近接するレジストパターン2によるシャドー効果によって薬液がレジストパターンの側壁近傍24(図2参照)に勢いよく衝突することが出来ず、リフトオフの効率低下やバリ4の取り残しが発生しやすい。
【0053】
さらに、基板1に対して垂直に配置された第1高圧ノズル61と基板1に対して傾斜して配置された第2高圧ノズル62とは、両方の高圧ノズル61、62からそれぞれ吐出された薬液が基体1の表面上で相互に干渉し合い攪拌されるように、基体1上のほぼ同一の部分に向けて同時に薬液を吐出するように設置されていることが好ましい。リフトオフの際には、上記のように設置された一対の高圧ノズル61、62を、基体1を回転させながら基体1の中心部から外周部に向けて移動させ、薬液を噴霧する。
【0054】
ここで用いられる高圧ノズルの数は2本に限られるものではなく、基体1の表面に対して垂直に配置された第1高圧ノズル61が少なくとも1本設けられ、且つ、基体1の表面に対して傾斜して配置された第2高圧ノズル62が少なくとも1本設けられている限り、さらに別の1本もしくは複数のノズルからも同一の部分に向けて同時に薬液を吐出するよう構成しても良い。このように、複数の高圧ノズル6を用いて薬液を噴霧することにより、薄膜3が異なる方向から噴霧された薬液に同時にさらされる結果、1本のみの高圧ノズルを用いていた従来の方法に比べて、バリの除去能力が格段に向上する。
【0055】
高圧ノズル6や噴霧する薬液としては、実施の形態1と同様に、従来から使用されている公知のものを使用することができる。また、高圧ノズル6からの薬液の噴霧条件は、実施の形態1において説明した条件と同様でよい。
【0056】
次に、基体1を回転させ、かつイソプロピルアルコールなどの有機溶剤を基体1の表面上に吐出しながら、ブラシ7を回転させながら基体1の中心から外周部に向けて移動させ、基体1及び強磁性薄膜3の表面を洗浄する(図3(D))。ブラシ7の構成は実施の形態1に説明したのと同様のものを用いることができる。本実施の形態においても、実施の形態1に説明したのと同様に、ブラシ7の基体1の表面に対する押し当て量Dを、好ましくは0μmより大きく、且つ400μm以下、更に好ましくは50〜400μmとして洗浄することによって、強磁性薄膜パターンの端部のバリ4が確実に除去されて、高精度な強磁性薄膜パターン23を有するマスター情報担体を製造することができる(図3(E))。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、高圧ノズルを用いてレジストパターン及びレジストパターン上の薄膜の大部分を除去したのち、除去しきれなかった薄膜、特にレジストパターンの側壁近傍に付着した薄膜を、次のブラシ洗浄工程で除去することによって、良好な形状の薄膜パターンを得ることが出来る。
【0058】
また、薬液を噴霧する高圧ノズルを複数用いることにより、レジストパターン及びレジストパターン上の薄膜の除去能力が飛躍的に向上し、短時間で効率よく所望する形状の薄膜パターンを得ることができる。
【0059】
従って、本発明をマスター情報担体の製造に適用すれば、被転写面が傷付けられることがなく、安定かつ正確に転写可能なマスター情報担体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るリフトオフ法による薄膜パターン形成方法を工程順に示した断面図
【図2】 本発明における高圧ノズルの配置を説明するための説明図
【図3】 本発明の実施の形態2に係るリフトオフ法によるマスター情報担体の製造方法を工程順に示した断面図
【図4】 本発明におけるブラシ押し当て量を説明するための説明図
【図5】 従来のリフトオフ法による薄膜パターン形成方法を工程順に示した断面図
【図6】 従来のリフトオフ法による別の薄膜パターン形成方法を工程順に示した断面図
【図7】 従来のリフトオフ法によるマスター情報担体の製造方法を工程順に示した断面図
【符号の説明】
1・・・・・基体
2・・・・・レジストパターン
3・・・・・薄膜
4・・・・・バリ
6・・・・・高圧ノズル
7・・・・・ブラシ
8・・・・・薄膜パターン
10・・・・・基体ホルダー
11・・・・・レジスト開口部
12・・・・・凹部
13・・・・・強磁性薄膜
14・・・・・強磁性薄膜埋設用穴
22・・・・・レジスト側壁
23・・・・・強磁性薄膜パターン
32・・・・・逆テーパー形状のレジストパターン
Claims (6)
- 基体上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成する工程と、前記基体及び前記レジストパターン上に薄膜を形成する工程と、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に形成した前記薄膜を除去する工程とを有し、
前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に形成した前記薄膜を除去する工程は、前記基体を回転させる工程と、複数の高圧ノズルを用いた薬液噴霧工程と、ブラシによる洗浄工程とを含み、
前記薬液噴霧工程において、前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面に対して垂直方向に配置されており、別の少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面の面内方向に対する傾斜角度が70度以上かつ90度未満であり、且つ、垂直方向に配置された前記高圧ノズルの薬液吐出方向と薬液吐出方向とが実質的に前記基板上で交差するように傾斜して配置されていることを特徴とする薄膜パターン形成方法。 - 前記複数の高圧ノズルを前記基体の中心部から外周部に向けて移動させながら薬液を噴霧することを特徴とする請求項1記載の薄膜パターン形成方法。
- 前記ブラシによる洗浄工程において、前記ブラシを自転させながら前記基体の中心部から外周部に向けて移動させるとともに、前記ブラシの前記基体表面への押し当て量を0μmより大きく、かつ400μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン形成方法。
- 非磁性の基体表面にディジタル信号に対応する形状パターンに強磁性薄膜パターンが設けられたマスター情報担体の製造方法であって、
前記基体上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成する工程と、エッチングにより前記基体表面に強磁性薄膜埋設用穴を形成する工程と、前記強磁性薄膜埋設用穴および前記レジストパターン上に強磁性薄膜を堆積する工程と、前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に堆積した前記強磁性薄膜を除去する工程とを有し、
前記レジストパターン及び前記レジストパターン上に堆積した前記強磁性薄膜を除去する工程は、前記基体を回転させる工程と、複数の高圧ノズルを用いた薬液噴霧工程と、ブラシによる洗浄工程とを含み、
前記薬液噴霧工程において、前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面に対して垂直方向に配置されており、別の少なくとも1つの高圧ノズルは、前記基体表面の面内方向に対する傾斜角度が70度以上かつ90度未満であり、且つ、垂直方向に配置された前記高圧ノズルの薬液吐出方向と薬液吐出方向とが実質的に前記基板上で交差するように傾斜して配置されていることを特徴とするマスター情報担体の製造方法。 - 前記複数の高圧ノズルを前記基体の中心部から外周部に向けて移動させながら薬液を噴霧することを特徴とする請求項4に記載のマスター情報担体の製造方法。
- 前記ブラシによる洗浄工程において、前記ブラシを自転させながら前記基体の中心部から外周部に向けて移動させるとともに、前記ブラシの前記基体表面への押し当て量を0μmより大きく、かつ400μm以下とすることを特徴とする請求項4に記載のマスター情報担体の製造方法。
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---|---|---|---|---|
CN102148130B (zh) * | 2010-02-09 | 2012-11-07 | 上海华虹Nec电子有限公司 | 改善对外部环境敏感的表面光刻工艺控制能力的方法 |
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2002
- 2002-11-13 JP JP2002329970A patent/JP3761506B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102148130B (zh) * | 2010-02-09 | 2012-11-07 | 上海华虹Nec电子有限公司 | 改善对外部环境敏感的表面光刻工艺控制能力的方法 |
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