JP3333756B2 - マスター情報担体およびその製造方法 - Google Patents

マスター情報担体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル情報信
号を磁気記録媒体に記録するために用いられるマスター
情報担体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向に
ある。代表的な磁気記録再生装置であるハードディスク
ドライブの分野においては、すでに面記録密度が3Gb
it/in2(4.65Mbit/mm2)を超える装置
が商品化されており、数年後には、面記録密度が10G
bit/in2(15.5Mbit/mm2)の装置の実
用化が予測されるほどの急峻な技術の進歩が認められ
る。
【0003】このような高記録密度化には、記録再生ヘ
ッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たして
いる。現在の磁気記録媒体のトラッキングサーボ技術で
は、磁気記録媒体に一定の角度間隔でトラッキング用サ
ーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等が記
録された領域を設け(以下、プリフォーマット記録とい
う)、磁気ヘッドが、一定間隔でこれらの信号を再生す
ることによって、磁気ヘッドの位置を確認、修正しなが
ら正確にトラック上を走査している(例えば、山口:磁
気ディスク装置の高精度サーボ技術、日本応用磁気学会
誌、Vol.20,No.3,pp771,199
6)。
【0004】トラッキング用サーボ信号やアドレス情報
信号、再生クロック信号等は、磁気ヘッドが正確にトラ
ック上を走査するための基準信号となるものであるの
で、その記録時には、正確な位置決め精度が要求され
る。このため、従来は、磁気記録媒体を専用のサーボ記
録装置にセットし、厳密に位置制御された磁気ヘッドに
よりプリフォーマット記録を行っていた(例えば、植
松、他:メカ・サーボ、HDI技術の現状と展望、日本
応用磁気学会第93回研究会資料、93−5,pp.3
5,1996)。
【0005】しかしながら、専用のサーボ記録装置を用
いてプリフォーマット記録を行う従来の方法において
は、以下のような課題があった。
【0006】まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基
本的に磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対移動に基づく
線記録であるため、上記従来の方法では、プリフォーマ
ット記録に多くの時間を要するとともに、高価な専用の
サーボ記録装置が必要であり、プリフォーマット記録が
高コストとなっていた。
【0007】また、第2に、ヘッド・媒体間スペーシン
グや記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりの
ため、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化
遷移が急峻性にかけるという問題があった。磁化遷移が
急峻性に欠ける場合には、正確なトラッキングサーボ技
術の実現が困難になる。
【0008】そこで、磁気ヘッドを用いた上記従来のプ
リフォーマット記録の課題を解決する手段として、基体
の表面にプリフォーマット記録の情報信号に対応する強
磁性薄膜パターンが形成されているマスター情報担体を
用いた方法が提案されている(特開平10−40544
号公報)。この方法では、マスター情報担体の表面を磁
気記録媒体の表面に接触させた状態で、マスター情報担
体に形成された強磁性薄膜を磁化することによって、磁
気記録媒体にプリフォーマット記録を行う。この方法に
よれば、記録媒体のS/N比、インターフェース性能等
の他の重要性能を犠牲にすることなく、良好なプリフォ
ーマット記録を効率的に行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】マスター情報担体を用
いた上記方法では、1枚のマスター情報担体を用いて複
数の磁気記録媒体にプリフォーマット記録を行う。従っ
て、マスター情報担体は、磁気記録媒体に繰り返し密着
させても強磁性薄膜が剥離等しないように形成すること
が好ましい。
【0010】そこで、本発明は、プリフォーマット記録
などのディジタル情報信号を多数の磁気記録媒体に記録
することができるマスター情報担体およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のマスター情報担体は、磁気記録媒体に接触
させることによって前記磁気記録媒体にディジタル情報
信号を記録するためのマスター情報担体であって、非磁
性材料からなり一主面に複数の凹部を備える基体と、前
記凹部に形成された強磁性薄膜とを備え、前記強磁性薄
膜は、前記磁気記録媒体に記録される前記ディジタル情
報信号に対応する位置に形成され、前記凹部の側面と前
記強磁性薄膜の側面とが分離していることを特徴とす
る。上記本発明のマスター情報担体では、磁気記録媒体
に接触させたときに、強磁性薄膜の側面と基体凹部の側
面との間に応力が加わらないため、強磁性薄膜が脱離し
にくい。したがって、本発明のマスター情報担体によれ
ば、多数の磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録す
ることができるマスター情報担体が得られる。
【0012】上記本発明のマスター情報担体では、前記
凹部の側面と前記強磁性薄膜の側面との間が、潤滑剤に
よって充填されていることが好ましい。これによって、
磁気記録媒体とマスター情報担体を接触させたときに、
磁気記録媒体に傷が発生することを防止できる。
【0013】また、本発明の第1のマスター情報担体の
製造方法は、非磁性材料からなり一主面に複数の凹部を
備える基体と、前記凹部に形成された強磁性薄膜とを備
えるマスター情報担体の製造方法であって、前記基体の
前記凹部に前記強磁性薄膜を形成する第1の工程と、前
記強磁性薄膜のうち前記凹部の側面に接触する部分を除
去することによって、前記凹部の側面と前記強磁性薄膜
の側面とを分離させる第2の工程とを含むことを特徴と
する。上記第1の製造方法によれば、本発明のマスター
情報担体を容易に製造できる。
【0014】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
において前記強磁性薄膜のうち前記凹部の側面に接触す
る部分を除去する工程が、前記強磁性薄膜を溶解させる
溶液を用いて前記第1の工程を経た前記基体を処理する
ことによって行われることが好ましい。これによって、
本発明のマスター情報担体を特に容易に製造できる。こ
の場合、前記強磁性薄膜がCoを含み、前記溶液が弱酸
性溶液またはN−メチル−2−ピロリドンであることが
好ましい。
【0015】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
において前記強磁性薄膜のうち前記凹部の側面に接触す
る部分を除去する工程が、前記第1の工程を経た前記基
体に超音波をあてることによって行われることが好まし
い。これによって、本発明のマスター情報担体を特に容
易に製造できる。この場合、前記超音波の周波数が1M
Hz以上であることが好ましい。
【0016】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
において前記強磁性薄膜のうち前記凹部の側面に接触す
る部分を除去する工程が、前記第1の工程を経た前記基
体に固体粒子を衝突させることによって行われることが
好ましい。これによって、本発明のマスター情報担体を
特に容易に製造できる。
【0017】本発明の第2のマスター情報担体の製造方
法は、非磁性材料からなり一主面に複数の凹部を備える
基体と、前記凹部に形成された強磁性薄膜とを備えるマ
スター情報担体の製造方法であって、前記基体の前記凹
部に対応する部分に開口部を有するレジスト膜であって
前記開口部の幅が表面側に向かって狭くなるレジスト膜
を、非磁性材料からなる基板上に形成する第1の工程
と、前記基板をエッチングすることによって、一主面に
前記複数の凹部を備える前記基体を形成する第2の工程
と、前記基体上に強磁性薄膜を形成したのち前記レジス
ト膜を除去することによって、前記凹部内に、側面が前
記凹部の側面と分離している強磁性薄膜を形成する第3
の工程とを含むことを特徴とする。これによって、本発
明のマスター情報担体を容易に製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
マスター情報担体の一例について説明する。
【0020】実施形態1のマスター情報担体10は、非
磁性材料からなり一主面に複数の凹部を備える基体と、
基体の凹部に形成された強磁性薄膜とを備える。
【0021】マスター情報担体10の平面図を、図1に
模式的に示す。図1を参照して、マスター情報担体10
の一主面には、信号領域10aが形成されている。信号
領域10aは、略放射状に形成されている。
【0022】図1の点線で囲んだ部分Aの拡大図を、図
2に模式的に示す。図2に示すように、信号領域10a
には、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報信号
(たとえば、プリフォーマット記録)に対応する位置
に、強磁性薄膜によって形成されたマスター情報パター
ンが形成されている。図2において、ハッチングを施し
た部分が強磁性薄膜によって構成された部分である。
【0023】図2には、マスター情報担体10の径方向
(すなわちトラック幅方向)に10トラック分のマスタ
ー情報パターンを示している。なお、参考のため、マス
ター情報パターンが磁気記録媒体に転写記録された後、
磁気記録媒体上でデータ領域となるトラック部分を破線
によって示している。
【0024】マスター情報担体10の一主面には、磁気
記録媒体に記録されるディジタル情報信号に対応して、
マスター情報担体10の周方向において一定角度毎に、
かつ径方向には全記録トラック分、図2のようなマスタ
ー情報パターンが形成されている。
【0025】マスター情報パターンは、例えば図2に示
されるように、クロック信号、トラッキング用サーボ信
号、アドレス情報信号等の各々の領域をトラック長さ方
向に順次配列したものである。なお、図1および図2は
一例であり、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報
信号に応じてマスター情報パターンの構成や配置等は変
化する。
【0026】マスター情報担体10について、ビット長
さ方向(トラック長さ方向)の一部断面図の一例を図3
に示す。
【0027】図3を参照して、マスター情報担体10
は、非磁性材料からなり一主面に複数の凹部11を備え
る基体10bと、基体10bの凹部11に形成された強
磁性薄膜10cとを備える。
【0028】基体10bには、たとえば、ガラス基板、
プラスチック基板、Si基板などを用いることができ
る。
【0029】強磁性薄膜10cは、強磁性材料からな
り、磁気記録媒体に信号を転写記録できるものであれば
よい。強磁性薄膜10cには、たとえば、Fe、Co、
Fe−Co合金などを用いることができる。上述したよ
うに、強磁性薄膜10cは、磁気記録媒体に記録される
ディジタル情報信号(たとえば、プリフォーマット記
録)に対応する位置に形成されている。
【0030】凹部11部分の拡大図を図4に示す。図4
を参照して、凹部11の側面12と、強磁性薄膜10c
の側面13とは分離しており、側面12と側面13との
間には空隙が存在する。基体10bの表面における側面
12と側面13との間隔L1は、凹部11の開口部表面
の幅L2の5%以上20%以下であることが好ましい。
間隔L1を幅L2の5%以上とすることによって、磁気
記録媒体に密着させてディジタル情報信号の転写記録を
行う際に、マスター情報担体10に発生する応力を十分
に緩和することができるため、耐久性が特に高く、多数
の磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録することが
できるマスター情報担体が得られる。また、間隔L1を
広くした場合には、凹部11間の距離を短くする必要が
あるが、間隔L1を幅L2の20%以下とすることによ
って、製造が容易なマスター情報担体が得られる。
【0031】また、上記マスター情報担体10では、凹
部11の側面12と強磁性薄膜10cの側面13との間
の空隙を潤滑剤で充填してもよい。潤滑剤としては、た
とえば、メディア用に用いられる潤滑剤を用いることが
できる。具体的には、商品名FOMBLIN、Zdol
(p−フルオロポリエーテル)などを用いることができ
る。凹部11の側面12と強磁性薄膜10cの側面13
との間の空隙を潤滑剤で充填することによって、マスタ
ー情報担体10を磁気記録媒体に密着させたときに、磁
気記録媒体に傷がつくことを防止できる。
【0032】次に、マスター情報担体10の使用方法の
一例について、図5を参照しながら説明する。
【0033】図5(a)に示すように、マスター情報担
体10を磁気記録媒体51に密着させた状態で、マスタ
ー情報担体10の強磁性薄膜10cを磁化させることに
よって、磁気記録媒体51にディジタル情報信号(たと
えば、プリフォーマット記録)を記録することができ
る。また、強磁性薄膜10cをあらかじめ磁化させてお
いた後、マスター情報担体10を磁気記録媒体51に密
着させることによっても磁気記録媒体51にディジタル
情報信号を記録することができる。
【0034】磁気記録媒体51は、たとえば、ハードデ
ィスク等に用いられる磁気ディスクなどである。
【0035】磁気記録層51aを有する磁気ディスクに
プリフォーマット記録を行ったときの状態を、図5
(b)に模式的に示す。図5(b)に示すように、強磁
性薄膜10cに対応するように、磁気信号が磁気ディス
クの磁気記録層51aに記録される。
【0036】このように、本発明のマスター情報担体1
0を用いて磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録す
る場合には、マスター情報担体10を磁気記録媒体に密
着させる必要があり、この際に、マスター情報担体10
に局所的な応力が加わることになる。しかし、本発明の
マスター情報担体10では、凹部11の側面12と強磁
性薄膜10cの側面13とが分離しているため、凹部1
1の側面12と強磁性薄膜10cの側面13との間に応
力が加わることがない。したがって、1枚のマスター情
報担体10を用いて繰り返し多数の磁気記録媒体にディ
ジタル情報信号の記録を行っても、強磁性薄膜10cが
脱落しにくく、信頼性よく多数の磁気記録媒体にディジ
タル情報信号を記録することができる。
【0037】実施形態1のマスター情報担体10を用い
て磁気記録媒体にプリフォーマット記録を行ったとこ
ろ、10万ショット以上の記録回数を経過してもプリフ
ォーマット記録の信号の欠落は認められなかった。すな
わち、マスター情報担体10を用いることによって、信
頼性よく多数の磁気記録媒体にプリフォーマット記録を
行うことができることが確認された。
【0038】以上説明したように、実施形態1のマスタ
ー情報担体によれば、多数の磁気記録媒体にディジタル
情報信号を転写記録することができる。
【0039】(実施形態2)実施形態2では、実施形態
1で説明したマスター情報担体10を製造する方法の一
例について説明する。なお、実施形態1で説明した部分
については、重複する説明を省略する。
【0040】図6を参照して、実施形態2の製造方法で
は、まず、図6(a)に示すように、非磁性材料からな
る基板60上に、レジスト膜61を形成する。レジスト
膜61には、たとえばフォトレジストを用いることがで
きる。レジスト膜61は、図2に示した基体10bの凹
部11に対応する位置に開口部を有するように形成され
る。
【0041】その後、図6(b)に示すように、レジス
ト膜61が形成されていない部分(開口部)の基板60
をエッチングすることによって、凹部11を有する基体
10bを形成する。エッチングには、イオンエッチング
等のドライエッチングやウエットエッチングを用いるこ
とができる。特に、反応性イオンエッチングを用いた場
合には、エッチングの異方性制御が容易でエッチング速
度が速いため、高速で精度が高いエッチングを行うこと
ができる。たとえば、基体10bにSi(シリコン)基
板を用いる場合には、反応性ガスとしてCF4などを用
いてエッチングを行うことができる。
【0042】その後、図6(c)に示すように、レジス
ト膜61を形成した基体10b上に強磁性材料からなる
強磁性薄膜10cを形成する。強磁性薄膜10cは、蒸
着法、スパッタリング法またはメッキ法などによって形
成できる。
【0043】その後、図6(d)に示すように、レジス
ト膜61をリムーバ等の薬液を用いて除去することによ
って、不要な強磁性薄膜10cを除去する。なお、薬液
処理に際して、物理的な研磨処理を併用してもよい。
【0044】その後、図6(e)に示すように、強磁性
薄膜10cのうち、凹部11の側面に接触している部分
を除去することによって、マスター情報担体10が製造
される。
【0045】図6(e)の工程において、強磁性薄膜1
0cのうち、凹部11の側面に接触している部分を除去
する方法には、以下に述べるような様々な方法を用いる
ことができる。
【0046】たとえば、第1の方法として、図6(d)
の工程を経た基体10bを、強磁性薄膜10cを溶解さ
せるような溶液で処理してもよい。処理に用いる溶液
は、強磁性薄膜10cの材料に応じて選べぶことができ
る。たとえば、強磁性薄膜10cにCoを含む強磁性材
料を用いる場合には、たとえば希硝酸のような弱酸性溶
液に浸漬したり、N−メチル−2−ピロリドン中で煮沸
すればよい。弱酸性溶液としては、希硝酸の他に、たと
えば、フッ酸と硝酸の混合液、乳酸と塩酸と硝酸の混合
液、または塩酸などを用いることができる。上記処理に
よって、マスター情報担体10を容易に製造できる。
【0047】また、第2の方法として、図6(d)の工
程を経た基体10bを超音波で処理してもよい。たとえ
ば、本多電子株式会社製のW357Pシリーズあるいは
W357LSシリーズ(日本特許2521730号)を
用いて基体10bに流水式高周波超音波をあてることに
より、凹部11の側面に接触している強磁性薄膜10c
を除去することができる。このとき使用する周波数は、
1MHz以上であることが好ましい。周波数が1MHz
以上の超音波を用いることによって、凹部11の側面に
接触している強磁性薄膜10cを容易に除去することが
できる。上記超音波処理によって、マスター情報担体1
0を容易に製造できる。
【0048】また、第3の方法として、図6(d)の工
程を経た基体10bに固体粒子を衝突させてもよい。固
体粒子には様々なものを用いることができる。なお、常
温で気化する固体粒子を用いた場合には、衝突させた固
体粒子を除去、洗浄等する工程が不要であるため、製造
が容易になる。具体的には、たとえば、図6(d)の工
程を経た基体10bにドライアイス粒子を衝突させれば
よい。ドライアイス粒子は、たとえば、Eco−Sno
w(ATS Eco−Snow Systems社製、
USP5806544)を用いて基体10bに衝突させ
ることができる。この場合、等間隔に開けられた噴射口
から噴射された炭酸ガスが、断熱膨張によって冷却さ
れ、固体粒子(ドライアイス)となって高速で基体10
bおよび強磁性薄膜10cの表面に衝突する。このとき
の動力学作用によって、凹部11の側面12に接触して
いる強磁性薄膜10cを除去することができる。上記処
理によって、マスター情報担体10を容易に製造でき
る。
【0049】あるいは、図6(d)の工程を経た基体1
0bに向けて、たとえば、ARIES(FSI社製)を
用いて、等間隔に開けられた噴射口よりアルゴン/窒素
の混合ガスを噴射してもよい。この際、断熱膨張により
アルゴン/窒素の混合ガスは冷却されて固体粒子とな
り、高速で基体10bおよび強磁性薄膜10cの表面に
衝突する。このときの動力学作用によって、凹部11の
側面12に接触している強磁性薄膜10cを除去するこ
とができる。上記処理によって、マスター情報担体10
を容易に製造できる。
【0050】以上説明したように、実施形態2で説明し
たマスター情報担体の製造方法によれば、実施形態1で
説明したマスター情報担体10を容易に製造できる。
【0051】なお、凹部11の側面12と強磁性薄膜1
0cの側面13との間の空隙を潤滑剤で充填する場合に
は、たとえば、スピンコート法を用いることができる
(実施形態3において同様である)。
【0052】また、上記実施形態では、凹部11に強磁
性薄膜10cが形成された基体10b(図6(d)の状
態)を製造する方法として、リフトオフを用いる場合を
示したが、他の方法を用いてもよい。たとえば、凹部1
1を形成した基体10b上に強磁性材料からなる薄膜を
形成した後、凹部11上に位置する強磁性薄膜上にレジ
スト膜を形成し、凹部11上を除く部分の強磁性薄膜を
エッチングしてもよい。
【0053】(実施形態3)実施形態3では、実施形態
1で説明したマスター情報担体10を製造する他の一例
について説明する。なお、実施形態1で説明した部分に
ついては、重複する説明を省略する。
【0054】図7を参照して、実施形態3の製造方法で
は、まず、図7(a)に示すように、非磁性材料からな
る基板70上に、レジスト膜71を形成する。レジスト
膜71には、たとえばフォトレジストを用いることがで
きる。レジスト膜71は、図2に示した基体10bの凹
部11に対応する位置に開口部72を有するように形成
される。なお、このとき、形成されるレジスト膜71
は、その開口部72の幅が表面側に向かって狭くなるよ
うに形成される。すなわち、レジスト膜71の開口部7
2は、その垂直断面が、底面が広い台形状になるように
形成される。このようなレジスト膜71は、以下のよう
に形成できる。まず、基板70上にレジスト膜を全面に
塗布し、プリベークを行った後、フォトマスクを用いて
露光機でパターン露光を行う。次に、ベーキングを行
い、露光機を用いて全面露光を行う。次に、レジスト膜
を現像することによって、レジスト膜71を形成でき
る。レジスト膜71には、たとえば、AZ5214E
(SHIPLAY社製)を用いることができる。
【0055】その後、図7(b)に示すように、レジス
ト膜71が形成されていない部分の基板70をエッチン
グすることによって、凹部11を備える基体10bを形
成する。このとき、レジスト膜71が形成されていない
部分の基板70をエッチングすることによって、開口部
表面の幅L2がレジスト膜71の開口部72表面の幅L
3よりも狭い凹部11を形成できる。ここで、エッチン
グには、イオンエッチング等のドライエッチングやウエ
ットエッチングを用いることができる。特に、反応性イ
オンエッチングを用いた場合には、エッチングの異方性
制御が容易でエッチング速度が速いため、高速で精度が
高いエッチングを行うことができる。たとえば、基体1
0bにSi(シリコン)基板を用いる場合には、反応性
ガスとしてCF4などを用いてエッチングを行うことが
できる。
【0056】その後、図7(c)に示すように、レジス
ト膜71を形成した基体10b上に強磁性材料からなる
強磁性薄膜10cを形成する。強磁性薄膜10cは、蒸
着法またはスパッタリング法などの気相堆積法によって
形成できる。このとき、レジスト膜71は、その開口部
表面の幅L3が凹部11の開口部表面の幅L2よりも狭
くなるように形成されているため、強磁性薄膜10c
は、凹部11の全体に形成されず、強磁性薄膜10cの
側面は、凹部11の側面から分離することになる。すな
わち、強磁性薄膜10cの側面と凹部11の側面との間
には空隙が形成される。
【0057】その後、図6(d)に示すように、レジス
ト膜71をリムーバ等の薬液を用いて除去することによ
って、マスター情報担体10を製造できる。なお、薬液
処理に際して、物理的な研磨処理を併用してもよい。
【0058】以上説明したように、実施形態3で説明し
たマスター情報担体の製造方法によれば、実施形態1で
説明したマスター情報担体10を容易に製造できる。
【0059】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、
本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用する
ことができる。
【0060】例えば、上記実施形態では、主にハードデ
ィスクドライブ等に搭載される磁気記録媒体にディジタ
ル情報信号を転写記録するためのマスター情報担体につ
いて説明したが、本発明のマスター情報担体は、フレキ
シブル磁気ディスク、磁気カードおよび磁気テープ等の
磁気記録媒体に対して応用することもできる。
【0061】また、上記実施形態では、磁気記録媒体に
記録される情報信号が、トラッキング用サーボ信号やア
ドレス情報信号、再生クロック信号等からなるプリフォ
ーマット信号である場合を中心に説明したが、他の情報
信号の記録にも本発明のマスター情報担体を用いること
ができる。例えば、本発明のマスター情報担体を用いて
様々なデータ信号やオーディオ、ビデオ信号の記録を行
うことも原理的に可能である。この場合には、本発明の
マスター情報担体とこれを用いた磁気記録媒体への記録
技術によって、ソフトディスク媒体の大量複写生産を行
うことができ、ソフトディスク媒体を安価に提供するこ
とが可能である
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマスター
情報担体によれば、耐久性が高く、多数の磁気記録媒体
にディジタル情報信号を記録することができるマスター
情報担体が得られる。
【0063】また、本発明のマスター情報担体の製造方
法によれば、本発明のマスター情報担体を容易に製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマスター情報担体について、一例を
示す模式図である。
【図2】 本発明のマスター情報担体について、マスタ
ー情報パターンの一例を示す模式図である。
【図3】 本発明のマスター情報担体について、一例を
示す断面図である。
【図4】 図3の一部拡大図である。
【図5】 本発明のマスター情報担体について、使用の
一例を示す工程図である。
【図6】 本発明のマスター情報担体の製造方法につい
て、一例を示す工程図ある。
【図7】 本発明のマスター情報担体の製造方法につい
て、他の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
10 マスター情報担体 10a 信号領域 10b 基体 10c 強磁性薄膜 11 凹部 12 凹部の側面 13 強磁性薄膜の側面 60、70 基板 61、71 レジスト膜 72 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−40544(JP,A) 特開 平11−273070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/86

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に接触させることによって
    前記磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録するため
    のマスター情報担体であって、 非磁性材料からなり一主面に複数の凹部を備える基体
    と、前記凹部に形成された強磁性薄膜とを備え、 前記強磁性薄膜は、前記磁気記録媒体に記録される前記
    ディジタル情報信号に対応する位置に形成され、 前記凹部の側面と前記強磁性薄膜の側面との間に空隙が
    存在することを特徴とするマスター情報担体。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体に接触させることによって
    前記磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録するため
    のマスター情報担体であって、 非磁性材料からなり一主面に複数の凹部を備える基体
    と、前記凹部に形成された強磁性薄膜とを備え、 前記強磁性薄膜は、前記磁気記録媒体に記録される前記
    ディジタル情報信号に対応する位置に形成され、 前記基体表面における前記凹部の側面と前記強磁性薄膜
    の側面との距離が、前記凹部の開口部幅の5%以上20
    %以下であることを特徴とするマスター情報担体。
  3. 【請求項3】 前記凹部の側面と前記強磁性薄膜の側面
    との間が、潤滑剤によって充填されている請求項1また
    は2に記載のマスター情報担体。
  4. 【請求項4】 非磁性材料からなり一主面に複数の凹部
    を備える基体と、前記凹部に形成された強磁性薄膜とを
    備えるマスター情報担体の製造方法であって、 前記基体の前記凹部に前記強磁性薄膜を形成する第1の
    工程と、 前記強磁性薄膜のうち前記凹部の側面に接触する部分を
    除去することによって、前記凹部の側面と前記強磁性薄
    膜の側面とを分離させる第2の工程とを含むことを特徴
    とするマスター情報担体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の工程において前記強磁性薄膜
    のうち前記凹部の側面に接触する部分を除去する工程
    が、前記強磁性薄膜を溶解させる溶液を用いて前記第1
    の工程を経た前記基体を処理することによって行われる
    請求項4に記載の マスター情報担体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記強磁性薄膜がCoを含み、前記溶液
    が弱酸性溶液またはN−メチル−2−ピロリドンである
    請求項5に記載のマスター情報担体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の工程において前記強磁性薄膜
    のうち前記凹部の側面に接触する部分を除去する工程
    が、前記第1の工程を経た前記基体に超音波をあてるこ
    とによって行われる請求項4に記載のマスター情報担体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記超音波の周波数が1MHz以上であ
    る請求項7に記載のマスター情報担体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程において前記強磁性薄膜
    のうち前記凹部の側面に接触する部分を除去する工程
    が、前記第1の工程を経た前記基体に固体粒子を衝突さ
    せることによって行われる請求項4に記載のマスター情
    報担体の製造方法。
  10. 【請求項10】 非磁性材料からなり一主面に複数の凹
    部を備える基体と、前記凹部に形成された強磁性薄膜と
    を備えるマスター情報担体の製造方法であって、 前記基体の前記凹部に対応する部分に開口部を有するレ
    ジスト膜であって前記開口部の幅が表面側に向かって狭
    くなるレジスト膜を、非磁性材料からなる基板上に形成
    する第1の工程と、 前記基板をエッチングすることによって、一主面に前記
    複数の凹部を備える前記基体を形成する第2の工程と、 前記基体上に強磁性薄膜を形成したのち前記レジスト膜
    を除去することによって、前記凹部内に、側面が前記凹
    部の側面と分離している強磁性薄膜を形成する第3の工
    程とを含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方
    法。
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