JP2005108353A - マスター情報担体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 確実に磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録することができるマスター情報担体を提供する。
【解決手段】 磁気記録媒体に接触することによって磁気記録媒体にディジタル信号を記録させるマスター情報担体10は、非磁性材料によって構成された非磁性基体11と、ディジタル信号に対応するように非磁性基体11の主面に配置された強磁性領域12とを具備しており、強磁性領域12は、非磁性基体11を構成する非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ディジタル情報信号を磁気記録媒体に記録するために用いられるマスター情報担体およびその製造方法に関する。
現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向にある。代表的な磁気記録再生装置であるハードディスクドライブの分野においては、すでに面記録密度が30Gbit/in2(46.5Mbit/mm2)を超える装置が商品化されており、数年後には、面記録密度が100Gbit/in2(155Mbit/mm2)の装置の実用化が予測されるほどの急峻な技術の進歩が認められる。
このような高記録密度化には、記録再生ヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たしている。現在の磁気記録媒体のトラッキングサーボ技術では、磁気記録媒体に一定の角度間隔でトラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等が記録された領域を設け(以下、プリフォーマット記録という)、磁気ヘッドが一定間隔でこれらの信号を再生することによって、磁気ヘッドの位置を確認、修正しながら正確にトラック上を走査している(例えば、非特許文献1参照)。
トラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等は、磁気ヘッドが正確にトラック上を走査するための基準信号となるものであるので、その記録時には、正確な位置決め精度が要求される。このため、従来は磁気記録媒体を専用のサーボ記録装置にセットし、厳密に位置制御された磁気ヘッドによりプリフォーマット記録を行っていた(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、専用のサーボ記録装置を用いてプリフォーマット記録を行う従来の方法においては、以下のような課題があった。
まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基本的に磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対移動に基づく線記録であるため、上記従来の方法では、プリフォーマット記録に多くの時間を要するとともに、高価な専用のサーボ記録装置が必要であり、プリフォーマット記録が高コストとなっていた。
また第2に、ヘッド・媒体間スペーシングや記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりのため、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷移が急峻性にかけるという問題があった。磁化遷移が急峻性に欠ける場合には、正確なトラッキングサーボ技術の実現が困難になる。
磁気ヘッドを用いた上記従来のプリフォーマット記録の課題を解決する手段として、基体の表面にプリフォーマット記録の情報信号に対応する強磁性薄膜パターンが形成されているマスター情報担体を用いた方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、マスター情報担体の表面を磁気記録媒体の表面に接触させた状態で、マスター情報担体に形成された強磁性薄膜を磁化することによって、磁気記録媒体にプリフォーマット記録を行う。この方法によれば、記録媒体のS/N比、インターフェース性能等の他の重要性能を犠牲にすることなく、良好なプリフォーマット記録が効率的に行われる。
特開平10−40544号公報 山口、"磁気ディスク装置の高精度サーボ技術"、日本応用磁気学会誌、Vol.20,No.3,pp771,1996 植松他、"メカ・サーボ、HDI技術の現状と展望"、日本応用磁気学会第93回研究会資料、93−5,pp.35,1996
上述したように、マスター情報担体を用いて磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録する場合には、マスター情報担体を磁気記録媒体に密着させる必要がある。この際、マスター情報担体と磁気記録媒体との間にある程度以上の空隙ができた場合、マスター情報担体からの記録能力が低下し、磁気記録媒体に十分な信号を書き込めなくなってしまう。そのため、マスター情報担体の磁気記録媒体への接触面は凹凸が無いことが望ましい。
強磁性薄膜パターンを形成する方法の1つとして、基板をエッチングして凹部を形成し、その凹部に強磁性薄膜を成膜により埋め込む方法の場合、凹部の深さと凹部に埋め込まれた強磁性薄膜の膜厚とを等しくする必要がある。しかし、製造上不可避なエッチング速度および成膜速度のばらつきにより、凹部の深さおよび強磁性薄膜の膜厚に差が生じ、最悪の場合では、強磁性薄膜表面がマスター情報担体表面よりも下がってしまう。このため、磁気記録媒体と強磁性薄膜との間に空隙ができてしまう。また、高記録密度化に伴い、マスター情報担体上の強磁性薄膜パターンのサイズを微細化する必要があるが、凹部幅が凹部深さ(強磁性薄膜の膜厚)と同程度になってくると、成膜膜厚(平坦面での膜厚)と凹部内の埋め込み膜厚が異なってくるため、更に表面凹凸の制御が困難となる。
そこで本発明は、表面凹凸が無く、確実にプリフォーマット記録などのディジタル情報信号を磁気記録媒体に記録することができるマスター情報担体およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマスター情報担体は、磁気記録媒体に接触することによって前記磁気記録媒体にディジタル信号を記録させるマスター情報担体であって、非磁性材料によって構成された非磁性基体と、前記ディジタル信号に対応するように前記非磁性基体の主面に配置された強磁性領域とを具備しており、前記強磁性領域は、前記非磁性基体を構成する前記非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されたことを特徴とする。
本発明に係るマスター情報担体の製造方法は、磁気記録媒体に接触することによって前記磁気記録媒体にディジタル信号を記録させるマスター情報担体の製造方法であって、非磁性材料によって構成された非磁性基体を形成する工程と、前記ディジタル信号に対応するように前記非磁性基体上の主面に配置された強磁性領域を形成する工程とを包含しており、前記強磁性領域は、前記非磁性基体を構成する前記非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されたことを特徴とする。
本発明のマスター情報担体によれば、確実に磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録することができるマスター情報担体が得られる。
また、本発明のマスター情報担体の製造方法によれば、本発明のマスター情報担体を容易に製造できる。
本発明に係るマスター情報担体においては、ディジタル信号に対応するように非磁性基体の主面に配置された強磁性領域は、非磁性基体を構成する非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されている。このため、実質的に表面の凹凸が無くなるように非磁性基体の主面を形成することができる。従って、マスター情報担体を磁気記録媒体とを密着させた場合、強磁性領域と磁気記録媒体の磁気記録層との間に空隙ができず、良好な密着状態を形成することが可能となる。その結果、高品質な信号を確実に磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録することができる。
本発明に係るマスター情報担体の製造方法においては、ディジタル信号に対応するように非磁性基体の主面に配置された強磁性領域は、非磁性基体を構成する非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により形成される。このため、実質的に表面の凹凸が無くなるように非磁性基体の主面を形成することができる。従って、マスター情報担体を磁気記録媒体とを密着させた場合、強磁性領域と磁気記録媒体の磁気記録層との間に空隙ができず、良好な密着状態を形成することが可能となる。その結果、高品質な信号を確実に磁気記録媒体にディジタル情報信号を記録することができる。
この実施の形態では、前記強磁性領域を形成する工程は、前記非磁性材料によって構成された前記非磁性基体上の前記主面において前記強磁性領域を形成すべき領域に開口部を有するレジスト膜を形成する第1の工程と、前記レジスト膜の全面、および前記レジスト膜の前記開口部を介して露出した前記非磁性基体上の前記主面にイオン注入を行う第2の工程と、前記レジスト膜を前記非磁性基体の上から除去する第3の工程とを含んでいることが好ましい。
前記強磁性領域を形成する工程は、前記非磁性材料によって構成された前記非磁性基体上の前記主面において前記強磁性領域を形成すべき領域に開口部を有するマスクを介して、前記非磁性基体の前記主面にイオン注入を行う工程を含んでいることが好ましい。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明に係るマスター情報担体の一例について説明する。
マスター情報担体10の平面図を図1に模式的に示す。これは、ハードディスクに信号を記録するマスター情報担体の一例である。マスター情報担体10の一主面には、複数の信号領域10aが形成されている。複数の信号領域10aは、例えば図2に示すように、略放射状に形成されている。
図1の点線で囲んだ部分Aの拡大図を、図2に模式的に示す。これは、サーボ信号を記録する場合の一例である。図2に示すように、信号領域10aには、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報信号に対応する位置に、マスター情報パターンとして薄膜の強磁性領域が形成されている。図2において、ハッチングを施した部分が薄膜の強磁性領域によって構成された部分である。
図2には、マスター情報担体10の径方向(すなわち、トラック幅方向)に沿った10トラック分のマスター情報パターンを示している。なお、参考のため、マスター情報パターンが磁気記録媒体に転写記録された後、磁気記録媒体上でデータ領域となるトラック部分24を破線によって示している。
マスター情報担体10の一主面には、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報信号に対応して、マスター情報担体10の周方向(矢印Aに示す方向)に沿って一定角度毎に、かつ径方向には全記録トラック(10トラック分)が図2のようなマスター情報パターンで形成されている。
マスター情報パターンがサーボパターンである場合には、例えば図2に示されるように、クロック信号23、トラッキング用サーボ信号21、アドレス情報信号22等が記録される各々の領域をトラック長さ方向に沿って順次配列したものである。なお、図1および図2は一例であり、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報信号に応じてマスター情報パターンの構成や配置等は変化する。
マスター情報担体10について、ビット長さ方向(トラック長さ方向)に沿った一部断面図の一例を図3に示す。
図3において、マスター情報担体10は、非磁性材料を含んでいる非磁性基体11と、非磁性基体11の一主面に磁性元素をイオン注入することにより磁性を付与した複数の強磁性領域12とを備える。
非磁性基体11には、例えばガラス基板、プラスチック基板およびSi基板などを用いることができる。
強磁性領域12を構成する材料は、強磁性材料を含んでおり、磁気記録媒体に信号を転写記録できる材料であればよい。例えば、Fe、Co、Fe−Co合金およびFe−Ni合金から選ばれる少なくとも1つを用いることができる。上述したように、強磁性領域12は、磁気記録媒体に記録されるディジタル情報信号(例えば、プリフォーマット記録)に対応する位置に形成されている。
次に、マスター情報担体10の使用方法の一例について、図4(a)および図4(b)を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、マスター情報担体10を磁気記録媒体20に密着させた状態で、マスター情報担体10の強磁性領域12を磁化させることによって、磁気記録媒体20にディジタル情報信号(例えば、プリフォーマット記録)を記録させることができる。また、強磁性領域12をあらかじめ磁化させておいた後、マスター情報担体10を磁気記録媒体20に密着させることによっても磁気記録媒体20にディジタル情報信号を記録させることができる。
なお、磁気記録媒体20は、例えばハードディスク等に用いられる磁気ディスクなどである。
磁気記録層20aを有する磁気記録媒体20にプリフォーマット記録を行ったときの状態を、図4(b)に模式的に示す。図4(b)に示すように、強磁性領域12に対応するように、磁気信号が磁気記録媒体20の磁気記録層20aに記録される。
このように、実施の形態1に係るマスター情報担体10を用いて磁気記録媒体20にディジタル情報信号を記録する場合には、マスター情報担体10を磁気記録媒体20に密着させる必要がある。実施の形態1に係るマスター情報担体10では、実質的に表面の凹凸が無いため、マスター情報担体10と磁気記録媒体20とを密着させた場合、強磁性領域12と磁気記録層20aとの間に空隙ができず、良好な密着状態を形成することが可能となる。したがって、高品質なディジタル情報信号を確実に磁気記録媒体20に記録することができる。
実施の形態1のマスター情報担体10を用いて磁気記録媒体20にプリフォーマット記録を行ったところ、信号の欠落は認められなかった。すなわち、実施の形態1のマスター情報担体10を用いることにより、確実にディジタル信号を磁気記録媒体20にプリフォーマット記録することが可能であることを確認した。
このように、実施の形態1のマスター情報担体によれば、信頼性よく磁気記録媒体にディジタル情報信号を転写記録することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明したマスター情報担体10を製造する一例について、図5(a)〜図5(e)を参照して説明する。
まず、図5(a)および図5(b)に示すように、第一の工程として、100mm径のシリコン(Si)を含む非磁性基体11上にレジスト膜13を用いてディジタル信号に対応するパターンを形成する。例えば、レジスト膜13にはフォトレジストを用いることができる。レジスト膜13は図2に示したディジタル信号パターンに対応する位置に開口部13aを有するように形成される。
次に、図5(c)に示すように、レジスト膜13、および開口部13aにより露出した非磁性基体11の表面にイオンビーム14を照射することにより、鉄(Fe)イオンの注入を行った(図5(d))。この時、非磁性基体11の厚さ方向に沿って均一にFeイオンを分布させるために、2段階にわけてイオン注入を行った。それぞれのイオン注入条件を(表1)に示す。
Figure 2005108353
(表1)に示すように、1回目のイオン注入では、イオン種はFe+であり、加速エネルギーは70keVであり、注入量は1.0×1018(ions/cm2)である。そして2回目のイオン注入では、イオン種はFe+であり、加速エネルギーは10keVであり、注入量は1.5×1017(ions/cm2)である。
なお、(表1)に示した条件は、注入深さ100nmまでにイオンを均一に注入するための条件であり、さらに深くまで注入する場合は、注入エネルギーを大きくした条件を付け加えていけばよい。
その後、図5(e)に示すように、レジスト膜13をリムーバ等の薬液を用いて除去することによって、非磁性基体11表面に強磁性領域12を付与したマスター情報担体10が製造できる。
非磁性基体11のFeイオンを注入した一主面の表面形状をAFM(原子間力顕微鏡)により観察したところ、イオン注入を行った領域は、イオン注入を行わない領域と比較して1nmほど凹形状となっていた。これはイオン注入を行った際、非磁性基体11がイオンビーム照射時にスパッタリングされたためであるが、この程度の表面凹凸は磁気記録媒体への転写記録に影響しない。
次に、非磁性基体11に対して平行に磁界の印加、除去を行った後、非磁性基体11の表面の磁化状態をMFM(磁気力顕微鏡)により観察したところ、イオン注入を行った領域に応じた非磁性領域12と磁性領域のパターンが観察された。また、イオン注入を行った領域をVSMにより磁化測定したところ、強磁性となっていた。
また、イオン注入を行った領域の膜厚方向に沿ったFe組成分布を分析したところ、深さ方向に沿ってほぼ均一となっていた。
以上、図3に示すような非磁性基体11の表面に磁性元素イオン注入により磁性が付与された強磁性領域12が存在するマスター情報担体10が得られたことを確認した。
このように、実施の形態2で説明したマスター情報担体の製造方法によれば、実施の形態1で説明したマスター情報担体10を容易に製造できる。
なお、本実施の形態2では、非磁性基体11にSiを、注入イオン磁性元素としてFeイオンを注入する場合について記述したが、本発明はこれに限定されない。また、強磁性領域12を合金とするためには、例えば、鉄・ニッケル(Fe−Ni)合金の場合、Feイオンを注入した後にNiイオンを注入すればよい。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、実施の形態1で説明したマスター情報担体10を製造する他の一例について、図6(a)〜図6(c)を参照にして説明する。
まず、図6(a)および図6(b)に示すように、0.5mm厚のシリコン基板を加工して作製したマスク15を介して、非磁性基体11にイオンビーム14を照射した。マスク15は非磁性基体11にイオン注入を行う領域に対応する箇所に開口部15aを有している。イオン注入の条件は、実施の形態2と同様である。
非磁性基体11のFeイオンを注入した一主面の表面形状をAFM(原子間力顕微鏡)により観察したところ、イオン注入を行った領域は、イオン注入を行わない領域と比較して1nmほど凹形状となっていた。これはイオン注入を行った際、非磁性基体11がイオンビーム照射時にスパッタリングされたためであるが、この程度の表面凹凸は磁気記録媒体への転写記録に影響しない。
次に、非磁性基体11に対して平行に磁界の印加、除去を行った後、非磁性基体11の表面の磁化状態をMFM(磁気力顕微鏡)により観察したところ、イオン注入を行った領域に応じた非磁性領域12と磁性領域のパターンが観察された。また、イオン注入を行った領域をVSMにより磁化測定したところ、強磁性となっていた。
また、イオン注入を行った領域の膜厚方向に沿ったFe組成分布を分析したところ、深さ方向に沿ってほぼ均一となっていた。
以上、図3に示すような非磁性基体11の表面に磁性元素イオン注入により磁性が付与された強磁性領域12が存在するマスター情報担体10が得られたことを確認した。
このように、実施の形態3で説明したマスター情報担体の製造方法によれば、実施の形態1で説明したマスター情報担体10を容易に製造できる。
なお、実施の形態3では、非磁性基体11にSiを、注入イオン磁性元素としてFeイオンを注入する場合について記述したが、本発明はこれに限定されない。また、強磁性領域12を合金とするためには、例えば、鉄・ニッケル(Fe−Ni)合金の場合、Feイオンを注入した後にNiイオンを注入すればよい。
以上の実施形態1〜3により、本発明の効果が確認できた。
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用することができる。
例えば、上記実施形態では、主にハードディスクドライブ等に搭載される磁気記録媒体にディジタル情報信号を転写記録するためのマスター情報担体について説明したが、本発明のマスター情報担体は、フレキシブル磁気ディスク、磁気カードおよび磁気テープ等の磁気記録媒体に対して応用することもできる。
また、上記実施形態では、磁気記録媒体に記録される情報信号が、トラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等からなるプリフォーマット記録である場合を中心に説明したが、他の情報信号の記録にも本発明のマスター情報担体を用いることができる。例えば、本発明のマスター情報担体を用いて様々なデータ信号やオーディオ、ビデオ信号の記録を行うことも原理的に可能である。この場合には、本実施の形態に係るマスター情報担体とこれを用いた磁気記録媒体への記録技術によって、ソフトディスク媒体の大量複写生産を行うことができ、ソフトディスク媒体を安価に提供することが可能である。
本発明は、ディジタル情報信号を磁気記録媒体に記録するために用いられるマスター情報担体およびその製造方法に適用することができる。
本発明の実施形態1におけるマスター情報担体の一例を示す模式図 本発明の実施形態1におけるマスター情報担体でのマスター情報パターンの一例を示す模式図 本発明の実施形態1におけるマスター情報担体の一例を示す断面図 (a)および(b)は、本発明の実施形態1におけるマスター情報担体の使用の一例を示す工程図 (a)および(e)は、本発明の実施形態2におけるマスター情報担体の製造方法の一例を示す工程図 (a)および(c)は、本発明の実施形態3におけるマスター情報担体の製造方法の他の一例を示す工程図
符号の説明
10 マスター情報担体
10a 信号領域
11 非磁性基体
12 強磁性領域
13 レジスト膜
13a 開口部
14 イオンビーム
15 マスク
15a 開口部
20 磁気記録媒体
20a 磁気記録層

Claims (4)

  1. 磁気記録媒体に接触することによって前記磁気記録媒体にディジタル信号を記録させるマスター情報担体であって、
    非磁性材料によって構成された非磁性基体と、
    前記ディジタル信号に対応するように前記非磁性基体の主面に配置された強磁性領域とを具備しており、
    前記強磁性領域は、前記非磁性基体を構成する前記非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されたことを特徴とするマスター情報担体。
  2. 磁気記録媒体に接触することによって前記磁気記録媒体にディジタル信号を記録させるマスター情報担体の製造方法であって、
    非磁性材料によって構成された非磁性基体を形成する工程と、
    前記ディジタル信号に対応するように前記非磁性基体上の主面に配置された強磁性領域を形成する工程とを包含しており、
    前記強磁性領域は、前記非磁性基体を構成する前記非磁性材料に対してFe、Co、Niより選ばれる少なくとも一つの元素を加えた組成により構成されたことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  3. 前記強磁性領域を形成する工程は、前記非磁性材料によって構成された前記非磁性基体上の前記主面において前記強磁性領域を形成すべき領域に開口部を有するレジスト膜を形成する第1の工程と、
    前記レジスト膜の全面、および前記レジスト膜の前記開口部を介して露出した前記非磁性基体上の前記主面にイオン注入を行う第2の工程と、
    前記レジスト膜を前記非磁性基体の上から除去する第3の工程とを含んでいる、請求項2記載のマスター情報担体の製造方法。
  4. 前記強磁性領域を形成する工程は、前記非磁性材料によって構成された前記非磁性基体上の前記主面において前記強磁性領域を形成すべき領域に開口部を有するマスクを介して、前記非磁性基体の前記主面にイオン注入を行う工程を含んでいる、請求項2記載のマスター情報担体の製造方法。
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