JP2004318994A - マスター情報担体およびその製造方法 - Google Patents

マスター情報担体およびその製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Iwano
康弘 岩野
Masaya Sakaguchi
昌也 坂口
Tatsuro Ishida
達朗 石田
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Abstract

【課題】磁気記録媒体に情報信号を記録するためのマスター情報担体を用いたプリフォーマット記録において、マスター情報担体の耐久性を向上して長寿命化を図ることが必要である。
【解決手段】マスター情報担体の表面に情報信号に対応する凹凸形状が形成され、前記凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成され、前記強磁性薄膜の表面に硬質保護膜が形成され、前記強磁性薄膜の側壁が露出している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大容量、高記録密度の磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体に記録される情報信号を備えたマスター情報担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ大容量を実現するために、高記録密度化の傾向にある。代表的な磁気記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)では、ディスクをドライブに組み込んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて厳密に位置制御された磁気ヘッドによりプリフォーマット記録が行われているが、従来の磁気ヘッドを用いたプリフォーマット記録においては、記録に多くの時間を要する、専用のサーボ記録装置が高価である、記録されたトラック端部の磁化遷移が急峻性にかけるという問題点があった。
【0003】
そこで、上記のような磁気ヘッドによるプリフォーマット記録の課題を解決する手段として、基体の表面にプリフォーマット情報信号に対応する強磁性薄膜パターンが形成されているマスター情報担体の表面を、磁気記録媒体の表面に接触させた後に、マスター情報担体に形成された強磁性薄膜パターンを磁化させることにより、強磁性薄膜パターンに対応する情報信号を磁気記録媒体に記録する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。このプリフォーマット記録技術によれば、記録媒体のS/N比、インターフェース性能等の他の重要性能を犠牲にすることなく、良好なプリフォーマット記録を効率的に行うことができる。
【0004】
ところで、前記特許文献1に開示されたマスター情報担体表面には、フォトリソグラフィ技術等を用いて基体の表面に情報信号に対応する凹凸形状が精度良く加工、形成され、この凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成されている。
【0005】
一方、記録過程において、マスター情報担体と磁気ディスクとの間の空気を吸引するとともに周辺の大気圧による押圧を利用して良好な密着性を実現することを繰り返し行うと、マスター情報担体各部には、局所的な応力の印加と緩和が繰り返されることになる(例えば特許文献2参照)。とりわけ、上記の凸部強磁性薄膜は、磁気ディスクと直接、密着接触を繰り返す個所であるため、信号記録の回数とともに強磁性薄膜の一部が徐々に欠落していき、凹凸形状精度を損なってしまう。強磁性薄膜の欠落が進行すると、最終的には、記録信号の欠落を生じることになる。上記の課題を鑑み、前記特許文献1に開示されたマスター情報担体よりも耐久性に優れ、長寿命なマスター情報担体が他の文献に開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0006】
前記特許文献3に開示された構成においては、非磁性基体の表面に情報信号配列に対応する形状パターンが、基体表面に堆積された強磁性薄膜の配列により設けられたマスター情報担体であって、前記強磁性薄膜の配列において隣接する強磁性薄膜間に、非磁性の固体が充填されている。
【0007】
あるいは、非磁性基体の表面に情報信号配列に対応する形状パターンが、基体表面に形成された凹部の配列により設けられたマスター情報担体であって、前記基体表面に形成された凹部に、強磁性薄膜が充填されている。さらには、前記マスター情報担体表面に硬質保護膜を形成することにより、耐久性をさらに向上させることができる。
【0008】
前記特許文献3に開示されたマスター情報担体の一構成例を図4に示す。図4に示す従来構成を有するマスター情報担体は、例えば以下のようなプロセスによって製造される。まず、平面状の非磁性基体3表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンエッチング等のドライエッチング技術によって非磁性基体3に微細な凹凸形状パターンを形成する。次に、残留するレジスト膜を取り除く前に強磁性薄膜1をスパッタリングや蒸着などの気相堆積法、めっき法によって堆積せしめ、この後に残留レジスト膜とその上に堆積した不要な強磁性薄膜1を、リムーバ等の薬液処理によって除去する。その後、強磁性薄膜1と非磁性基体3の表面に、硬質保護膜2をスパッタリングや蒸着などの気相堆積法を用いて形成する。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−40544号公報
【特許文献2】
特開平10−269566号公報
【特許文献3】
特開平11−273070号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
磁気記録再生装置の大容量、高密度化にともない、マスター情報のビットサイズを微細化する必要がある。本発明者らの検討では、強磁性薄膜の膜厚が300nmの時、マスター情報のビットサイズが300nm以下になると、特開平11−273070号に開示されたマスター情報担体の構成を実現する非磁性基体凹部への強磁性薄膜の充填あるいは強磁性薄膜間への非磁性個体の充填が困難となる。その代わりに、非磁性基体表面に強磁性薄膜を堆積し、その表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜に微細な凹凸形状パターンを形成するプロセスを用いることになり、作製できるマスター情報担体情報担体の構成としては、図5に示すような、非磁性基体3の表面上に凸形状の強磁性薄膜1が形成された状態となる。このような構成では、信号記録時に強磁性薄膜が磁気ディスクと直接、密着接触を繰り返すため、信号記録の回数とともに強磁性薄膜の一部が徐々に欠落していき、凹凸形状精度を損なってしまう。強磁性薄膜の欠落が進行すると、最終的には、記録信号の欠落を生じることになる。また、上記直接接触を防ぐため、図6に示すように凸形状のマスター情報担体表面に硬質保護膜2を形成すると、側壁部の保護膜の膜質が粗悪で付着力も弱いため、信号記録を繰り返すうち、強磁性薄膜側壁に形成された前記保護膜が剥離することが確認されており、マスター情報担体と磁気ディスクとの均一かつ良好な密着性が確保できなくなる、記録信号の欠落を生じる、磁気ディスク上の残留物となる、磁気ディスクやマスター情報担体に欠陥を与える等の問題が発生する。また、前記剥離を防ぐため硬質保護膜の膜厚を大きくすると、信号記録時のマスター情報担体と磁気ディスクとの間のスペーシングを増加して、記録時のスペーシング損失を増加させることになるので、硬質保護膜の膜厚をあまり大きくすることはできない。
【0011】
上記の理由から、マスター情報のビットサイズの微細化により特開平11−273070号に開示されたマスター情報担体の構成が実現できず、非磁性基体表面上に凸形状の強磁性薄膜が形成された状態となる場合は、マスター情報担体の製造コストや製造タクトを考慮すると、少なくとも10万ショットは必要と考えられる記録回数が実現できない。上記凸形状の場合でも記録信号の欠落を生じない長寿命のマスター情報担体を実現することが望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題に鑑み、上記凸形状の場合でも耐久性に優れ、長寿命のマスター情報担体を実現する手段を提供するものである。
【0013】
以上の手段を実現するために本発明は、磁気記録媒体に情報信号を記録するためのマスター情報担体であって、前記マスター情報担体の表面に前記情報信号に対応する凹凸形状が形成され、前記凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成され、凸部の強磁性薄膜の表面に硬質保護膜が形成され、前記強磁性薄膜の側壁は露出していることを特徴とする。
【0014】
本発明のマスター情報担体の製造方法として、平面状の非磁性基体表面に強磁性薄膜を堆積し、その上に硬質保護膜を連続して堆積し、その表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜および硬質保護膜に微細な凹凸形状パターンを形成することが好ましい。
【0015】
また、本発明のマスター情報担体の製造方法として、平面状の非磁性基体表面に強磁性薄膜を堆積し、その上に硬質保護膜を連続して堆積し、その表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドライエッチング技術によって硬質保護膜に微細な形状加工を施し、この硬質保護膜をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜に微細な凹凸形状パターンを形成することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態例について詳細に説明する。
【0017】
まず、本発明のマスター情報担体の断面の一構成例を図1に示す。本発明のマスター情報担体は、図1に示すように非磁性基体3の表層部に強磁性薄膜1よりなるパターン形状が凸形状に配列され、強磁性薄膜1の表面に硬質保護膜2が形成され、前記強磁性薄膜の側壁は露出している構成となっているため、強磁性薄膜の欠落、硬質保護膜の剥離を同時に防止でき、凸形状の強磁性薄膜が形成された状態でも、記録信号の欠落を生じない長寿命のマスター情報担体を実現できる。
【0018】
以下に、本発明の構成を有するマスター情報担体の製造プロセスの例を図2(a)〜(d)を用いて説明する。
【0019】
まず、図2(a)に示すように、平面状の非磁性基体3表面に強磁性薄膜1を堆積し、その上に硬質保護膜2を連続して堆積する。
【0020】
次に、図2(b)に示すように、硬質保護膜2の表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングする。
【0021】
次に、図2(c)に示すように、イオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜1および硬質保護膜2に微細な凹凸形状パターンを形成する。凹凸形状形成に際しては、凹部の底を非磁性基体1表面あるいは内部にまで至らしめ、凸部にのみ強磁性薄膜1が存在している構成が好ましい。
【0022】
最後に、図2(d)に示すように、リムーバと呼ばれる特定の溶液によって残存するレジスト膜4を取り除くことによって、前記凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成され、凸部の強磁性薄膜の表面に硬質保護膜が形成され、前記強磁性薄膜の側壁は露出しているマスター情報担体が完成する。
【0023】
図1の構成例における凸部高さはマスター情報が記録される磁気記録媒体の飽和磁化や磁性層の膜厚、マスター情報のビットサイズにもよるが、一般的には50nm以上、好ましくは100nm以上とする。また、上記凸部高さにほぼ等しい強磁性薄膜の膜厚は、磁気ディスク媒体への記録能力に影響を及ぼす。磁気記録媒体の種類によらず十分な記録磁界を発生するためには、強磁性薄膜には一定以上の膜厚が必要であるが、一方でマスター情報のビット形状との兼ね合いから反磁界の影響も考慮しなければならない。すなわち本発明の構成では、磁気記録媒体が垂直磁気記録媒体であるような特殊な場合を除いて、一般的にマスター情報担体凸部の強磁性薄膜を膜面内においてトラック方向に磁化し、記録磁界を発生させる。しかし、膜厚が厚すぎる場合には反磁界の影響によって漏れ磁束が減少し、かえって記録磁界に欠ける結果となる。従って強磁性薄膜の膜厚に関しては、マスター情報のビット長に応じて適切な値を設定する必要がある。
【0024】
強磁性薄膜材料には、硬質磁性材料、半硬質磁性材料、軟質磁性材料を問わず、多くの種類の材料を用いることができ、磁気記録媒体にディジタル情報信号を転写記録できるものであればよい。例えば、Fe、Co、Fe−Co合金などを用いることができる。なお、マスター情報が記録される磁気記録媒体の種類によらずに十分な記録磁界を発生するためには、その飽和磁束密度が大きいほどよい。特に0.2Tを超える高保磁力媒体や、磁性層厚の大きいフレキシブルディスク媒体に対しては、飽和磁束密度が0.8T以下となると十分な記録が行われない場合があるので、一般的には0.8T以上、好ましくは1.0T以上の飽和磁束密度を有する材料を用いる。
【0025】
強磁性薄膜1の形成は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等、従来から一般的な薄膜形成方法を用いて行うことができる。
【0026】
図1の構成例における硬質保護膜2の形成により、マスター情報担体の長寿命化が可能となるが、一方、この硬質保護膜2の形成により、信号記録時のマスター情報担体と磁気記録媒体との間のスペーシングを増加して記録時のスペーシング損失を増加させることになるので、硬質保護膜の膜厚をあまり大きくすることはできない。本発明が主として関わる磁気ディスクへのプリフォーマット記録では、多くの場合、信号の記録波長は0.1μm程度以上となる。本発明者らの検討によれば、この記録波長に対して記録スペーシング損失の観点から許容できる硬質保護膜厚は、20nm程度以下であり、この範囲においてマスター情報担体の長寿命化を促進する効果が十分に得られている。
【0027】
硬質保護膜2に適した薄膜材料としては、C膜、B膜、SiO膜などが硬度の面から適している。これらの薄膜は、スパッタリング法、真空蒸着法など、通常の気相堆積法を用いて形成可能である。
【0028】
一方、硬質保護膜2の特性として、ある程度の導電性を有することにより、さらに記録時の信頼性を向上する効果を得ることができる。マスター情報担体表面が絶縁性の材料で覆われている場合には、表面に静電気による塵埃付着を生じ易い場合がある。このような塵埃は、保護膜厚と同様に記録時におけるマスター情報担体と磁気記録媒体との間のスペーシングを増加して記録特性を劣化するため、マスター情報担体と磁気記録媒体の表面を密着するに先だって、適切に除去することが必要である。
【0029】
一方、硬質保護膜2が導電性を有する場合には、静電気による塵埃付着を生じにくいため、塵埃の除去作業が簡素化される上、信頼性の高い記録が実現され易い。このような観点から、保護膜としての硬度と、塵埃付着を抑制できる程度の導電性を併せもつ硬質保護膜2として、スパッタリング法により作製されるC膜が最も適している。B膜やSiO膜は、硬度的には十分であるが、絶縁性が高いために塵埃付着を防止する効果までは得られにくい。また、同じCを主成分とする膜であっても、例えばプラズマCVD法を用いて作製されるC膜は、一部ダイヤモンド構造を有することによって、スパッタカーボン膜よりもさらに硬度的に優れるものの、絶縁性が高くなって塵埃付着を防止する効果を得ることはできない。
【0030】
上述のようにレジスト膜を用いてドライエッチングする場合、有機物からなるレジスト膜は無機物からなる強磁性薄膜よりもエッチング速度が速いため、イオンミリング法ではエッチング量の3倍程度のレジスト膜厚が必要となり、ビットサイズが小さいときには、縦長にパターニングされたレジスト膜が倒れ、良好なパターニングができない場合がある。
【0031】
上記の場合には、図1に示す本発明の構成を有するマスター情報担体は、例えば、図3(a)〜(e)に示すようなプロセスによって作製される。
【0032】
まず、図3(a)に示すように、平面状の非磁性基体3表面に強磁性薄膜1を堆積し、その上に硬質保護膜2を連続して堆積する。
【0033】
次に、図3(b)に示すように、硬質保護膜2の表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングする。
【0034】
次に、図3(c)に示すように、イオンミリング等のドライエッチング技術によって硬質保護膜2に微細な形状加工を施す。
【0035】
次に、図3(d)に示すように、リムーバと呼ばれる特定の溶液によって残存するレジスト膜4を取り除く。
【0036】
最後に、図3(e)に示すように、前記硬質保護膜2をマスクとして、イオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜1に微細な凹凸形状パターンを形成する。前記硬質保護膜2は無機物であり、強磁性薄膜1との選択比を考慮した材料、エッチングガスを用いることにより、マスクとしての役割を担うために必要な膜厚をレジスト膜厚に比べて小さくすることができ、これによって、より高密度、高精度の形状加工が可能となる。また、上記ドライエッチング後の残存マスクをそのまま保護膜として用いることができる。以上の結果、前記凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成され、凸部の強磁性薄膜の表面に硬質保護膜が形成され、前記強磁性薄膜の側壁は露出しているマスター情報担体が完成する。
【0037】
記録スペーシング損失の観点から、硬質保護膜の膜厚は20nm以下が好ましい。強磁性薄膜のエッチング量と選択比により硬質保護膜のエッチング量を考慮して堆積膜厚を決定する必要がある。
【0038】
以上に例示した構成例を有するマスター情報担体に対して、特開平10−269566号に開示された記録装置を用いて信号の記録回数に関わる耐久性の評価を行ったところ、図5、図6に示した従来構成を有するマスター情報担体では5万ショット程度以下の記録回数において信号の欠落が認められたが、図1に示す本発明のマスター情報担体では100万ショット以上の記録回数を経過しても、信号の欠落は認められなかった。すなわち、本発明の構成を実現することにより、マスター情報担体の記録回数に関わる耐久性を向上して長寿命化を図ることが可能となることが実験的に確認された。
【0039】
以上、本発明の実施の形態例について記述したが、本発明の構成は、様々な実施形態への応用が可能である。例えば本明細書では、主にハードディスクドライブ等に搭載される磁気ディスク媒体に応用することに主眼をおいて記述を行ったが、本発明はこれに限られるものではなく、フレキシブル磁気ディスク、磁気カードおよび磁気テープ等の磁気記録媒体においても応用可能であり、上記と同様に発明の効果を得ることができる。
【0040】
また、磁気記録媒体に記録される情報信号に関しては、トラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等のプリフォーマット信号に主眼をおいて記述を行ったが、本発明の構成が応用可能な情報信号も、上記に限られたものではない。例えば、本発明の構成を用いて様々なデータ信号やディジタル化されたオーディオ、ビデオ信号の記録を行うことも原理的に可能である。この場合には、本発明のマスター情報担体とこれを用いた磁気記録媒体への記録技術によって、ソフトディスク媒体の大量複写生産を行うことができ、安価に提供することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気記録媒体に情報信号を記録するためのマスター情報担体において、マスター情報のビットサイズの微細化により凸形状の強磁性薄膜が形成された場合でも、記録信号の欠落を生じない長寿命のマスター情報担体を実現することができる。これにより、特開平10−40544号および特開平10−269566号に開示された静的一括面記録技術の低コスト化および高生産性を一層促進することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスター情報担体のビット長さ方向断面の構成例を示す図
【図2】本発明のマスター情報担体の製造プロセスの一例を示す断面図
【図3】本発明のマスター情報担体の製造プロセスの一例を示す断面図
【図4】従来のマスター情報担体のビット長さ方向断面の構成例を示す図
【図5】従来のマスター情報担体のビット長さ方向断面の構成例を示す図
【図6】従来のマスター情報担体のビット長さ方向断面の構成例を示す図
【符号の説明】
1 強磁性薄膜
2 硬質保護膜
3 非磁性基体
4 レジスト膜

Claims (4)

  1. 磁気記録媒体に情報信号を記録するためのマスター情報担体であって、前記マスター情報担体の表面に前記情報信号に対応する凹凸形状が形成され、前記凹凸形状の少なくとも凸部が強磁性薄膜により構成され、凸部の強磁性薄膜の表面に硬質保護膜が形成され、前記強磁性薄膜の側壁は露出していることを特徴とするマスター情報担体。
  2. 前記硬質保護膜の膜厚が20nm以下であることを特徴とする請求項1記載のマスター情報担体。
  3. 平面状の非磁性基体表面に強磁性薄膜を堆積し、その上に硬質保護膜を連続して堆積し、その表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜および硬質保護膜に微細な凹凸形状パターンを形成することを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  4. 平面状の非磁性基体表面に強磁性薄膜を堆積し、その上に硬質保護膜を連続して堆積し、その表面に塗布したレジスト膜を露光、現像してディジタル情報信号に対応する凹凸形状をパターニングした後、イオンミリング等のドライエッチング技術によって硬質保護膜に微細な形状加工を施し、この硬質保護膜をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチング技術によって強磁性薄膜に微細な凹凸形状パターンを形成することを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
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