JP3760832B2 - ボイラー用電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents

ボイラー用電縫鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラー用電縫鋼管およびその製造方法に係り、特に清浄性に優れるボイラー用電縫鋼管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラー用電縫鋼管には、高温下での操業中の安全性の観点から、高い清浄性が要求されており、この要求に応えるべく、種々の技術が開示されている。
【0003】
特開平9-157789号公報には、化学成分を規定したボイラー用電縫鋼管および鋼中の溶解酸素濃度が30ppm以下まで低減した後にTiを添加するボイラー用電縫鋼管の製造方法が開示されている。また、特開平8-73996号公報には、化学成分と酸化物の大きさおよび個数を規定したボイラー用電縫鋼管および鋼中の溶解酸素濃度が100ppm以下まで低減した後にTiを添加するボイラー用電縫鋼管の製造方法が開示されている。しかし、これらの発明はいずれも、製鋼段階において粗大な酸化物が生成するのを防止して、母材の清浄性を向上させることを目的としてなされたものであり、電縫溶接部における清浄性の向上を考慮したものではない。従って、鋼中に含まれる化学成分や製造条件によっては、電縫溶接部にペネトレータが生成したり、溶接時の加熱、アプセットにより、母材中のCaO-AlO系介在物が板状に変形して、電縫溶接部の清浄性が悪化する。
【0004】
特開平5-263192号公報および特開平6-287678号公報には、Caを0.001〜0.004質量%含む化学組成を有し、造管後焼準により電縫溶接部と母材が均一組織になっていることを特徴とするボイラー用電縫鋼管が開示されている。しかし、これらの発明のように、Caを積極的に添加し、その含有量を0.001質量%以上とした鋼板から、電縫溶接によってボイラー用鋼管を得る場合には、母材に含まれるCaO-AlO系介在物が溶接時の加熱、アプセットにより変形され、板状介在物となるため、清浄性が悪化する。
【0005】
特開平9-31595号公報には、耐水素誘起割れ性の観点からCa処理を前提として、化学組成および[Ca]/[O]を1.5〜2.0の範囲とすることを特徴とする耐食性電縫鋼管用鋼およびその製造方法が開示されている。しかし、介在物は偏在するので、Caを添加すると、[Ca]/[O]の値は、同一ヒート内でも位置によってバラツキが発生する。これは、[Ca]がCaO、CaS等の介在物濃度から算出される値であり、[O]がAlO、CaO等の介在物濃度から算出される値であることによるものである。従って、同一ヒート内であっても、その全体の[Ca]/[O]を1.5〜2.0の範囲内に制御することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおり、母材中の介在物の大きさやその個数を規定しても、鋼中に含まれる化学成分や製造条件によっては、溶接時の加熱やアプセットにより、電縫溶接部およびその近傍にペネトレータが生成する。このペネトレータは、主として、母材中に存在するMnおよびSiが溶接時に酸化されてできるMnO系およびSiO系の介在物であり、これらのMnO系およびSiO系の介在物を主体とするペネトレータを低減しなければ、電縫溶接部に優れた清浄性を持たせることができない。
【0007】
一般に、AlO系介在物を減少させて鋼材の清浄性を向上させることなどを目的として、製鋼段階においてCa処理が施されるが、このようなCa処理が施されると、鋼材中に低融点組成のCaO-AlO系介在物が残存する。これは、Ca処理を施さなくても、例えば、Caを含むスクラップ等を溶製して鋼板を得る際にも発生する現象である。
【0008】
図1は、鋼板中に残存した低融点組成のCaO-AlO系介在物の変形の過程を示す模式図である。(a)は、一般的な電縫鋼管製造装置の概略図、(b)は、電縫鋼管の溶接点付近の拡大図、(c)は、未溶接部、微小アプセット部および溶接完了部における低融点組成のCaO-AlO系介在物の形態を模式的に表した図である。
【0009】
図1(c)に示すように、母材中の低融点組成のCaO-AlO系介在物は、溶接時の加熱やアプセットにより、板状に変形するので、電縫溶接部の靱性が劣化するなど、健全性(安全性)を劣化させる。このような現象は、CaO-AlO系介在物の中でも、低融点組成のものでのみ発生する。従って、仮に、低融点組成以外の介在物が溶接部に存在しても、この介在物は、溶接時にも球状のままで残存し、板状に変形することはないので、電縫溶接部の健全性を劣化させることはない。
【0010】
本発明は、(1)母材に由来する介在物、(2)電縫溶接時に生成するペネトレータおよび(3)母材中の低融点組成のCaO-AlO系介在物から溶接時の加熱、アプセットにより変形し、電縫溶接部およびその近傍に残存する板状介在物の全てを低減させることによって、清浄性に優れたボイラー用電縫鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、下記の(a) (c)に示すボイラー用電縫鋼管および下記の(d)に示すボイラー用電縫鋼管の製造方法を要旨とする。
【0012】
(a)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、Mn/Siが3〜15の範囲内にあり、且つ、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量が平均で30質量%以下であることを特徴とするボイラー用電縫鋼管。
【0013】
(b)更に、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含むことを特徴とする上記の(a)に記載のボイラー用電縫鋼管。
【0014】
(c)更に、Nb:0.10%以下、Ti:0.030%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下およびV:0.10%以下から選択される一種以上を含むことを特徴とする上記の(a) または (b)に記載のボイラー用電縫鋼管。
【0015】
(d)上記の(a) (c)のいずれかに記載の化学組成を有する鋼を製造するにあたり、メニスカス以下の垂直部の長さが2m以上であるスラブ連鋳機を使用し、その鋳造速度を0.6〜1.5m/分、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とし、さらに、モールドパウダー中に含まれるS含有量を1.0質量%以下として連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することを特徴とする上記の(a) (c)のいずれかに記載のボイラー用電縫鋼管の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のボイラー用電縫鋼管の化学組成および介在物組成の限定理由について述べる。なお、以下の説明において、各成分の%は、質量%を意味する。
【0017】
C:0.05〜0.25%
Cは、鋼管の強度を向上させるのに有効であり、特に、クリープ強度を向上させるのに有効な元素である。この性能を確保するためには、その含有量を0.05%以上とする必要がある。しかし、その含有量が0.25%を超えると、溶接性が劣化しやすくなる。従って、Cの含有量を0.05〜0.25%とした。
【0018】
Si:0.05〜0.40%
Siは、後述のAlと同様に、脱酸剤として有効且つ重要な元素であり、且つ、強度を向上させるのに有効な元素でもある。本発明においては、Alの含有量を低減する必要があり、Alによる脱酸効果を大きく期待できないため、Siを0.05%以上含有させる必要がある。しかし、その含有量が0.40%を超える場合には、溶接性の劣化や溶接欠陥であるSiO系ペネトレータが発生しやすくなる。従って、Siの含有量を0.05〜0.40%とした。
【0019】
Mn:0.30〜1.40%
Mnは、鋼管の強度を向上させるのに有効な元素である。この効果を得るためには、その含有量を0.30%以上とする必要がある。しかし、その含有量が1.40%を超える場合には、溶接性の劣化や溶接欠陥であるMnO系ペネトレータが発生しやすくなる。従って、Mnの含有量を0.30〜1.40%とした。
【0020】
Al:0.003〜0.015%
Alは、その含有量が0.003未満の場合には、鋼中のAlO生成量が少なすぎるため、後述するCaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量を平均で30質量%以下とすることができず、電縫溶接部の清浄性を劣化させる。一方、その含有量が0.015%を超える場合には、AlNの生成が過多となり、Nを固溶状態に維持することができず、ボイラー用鋼管として十分なクリープ強度を確保することができない。従って、Alの含有量を0.003〜0.015%とした。
【0021】
N:0.0020〜0.0150%
Nは、鋼管のクリープ強度を確保するために有効な元素である。この効果を得るためには、その含有量を0.0020%以上とする必要がある。しかし、その含有量が0.0150%を超えると、母材の靱性が劣化する。従って、Nの含有量を0.0020〜0.0150%とした。
【0022】
Mn/Si:3〜15
溶接時に発生するペネトレータの主たるものは、母材中に存在するMnおよびSiが溶接時に酸化されてできるMnO系およびSiO系の介在物である。これらの介在物は、通常、電縫溶接時のアプセットによりビード屑として排出されるため無害である。しかし、これらの介在物のうち融点が高いものは排出されにくく、電縫溶接部に残存すると欠陥となり、清浄性を劣化させる。
【0023】
図2は、MnO-SiO系の擬二元系状態図を示す。同図に示すとおり、共晶反応により、SiOの含有比率が26%未満の範囲においては、その比率が低くなるにしたがい融点が高くなり、また、43%を超える範囲においては、その比率が高くなるにしたがい融点は高くなる。よって、共晶組成近傍、即ち、SiOの含有比率が26〜43%の範囲内であれば、酸化物の融点を1,350℃以下の低融点に維持することができ、電縫溶接時に発生するペネトレータを低減することができる。そこで、MnO系およびSiO系の酸化物の低融点化を図るべく研究を重ねた結果、Mn/Siの値を3〜15とすれば、上記の酸化物中のSiOの含有比率を26〜43%の範囲内に保持できることを発見した。
【0024】
本発明のボイラー用電縫鋼管は、上記の化学組成を有し、残部は、Feおよび不純物からなるが、不純物として鋼中に存在するPは0.015%以下、Sは0.003%以下、Ca 0.0005 %未満にそれぞれ制限しなければならない。
【0025】
P:0.015%以下、S:0.003%以下
PおよびSはいずれも、通常、不純物として鋼中に存在するが、その含有量が多いと、母材の靱性が劣化し、パイプ成形時に介在物を起点とした割れが進展しやすくなる。従って、Pの含有量を0.015%以下とした。望ましくは、0.010%以下である。また、Sの含有量を0.003%以下とした。望ましくは、0.002%以下である。
【0026】
Ca:0.0005 %未満
Caは、電縫溶接時におけるCaO-AlO系の板状介在物の生成を防止する観点から、本発明においては添加しない。従って、その含有量は0%であるのが望ましい。しかし、Caは、不純物として鋼中に残存する場合があるので、その含有量の許容上限を0.0005 %未満とした。
【0027】
本発明のボイラー用電縫鋼管は、クリープ強度の向上などを目的として、上記の化学組成の外に、更に、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含有してもよい。
【0028】
Mo:1.50%以下
Moは、鋼管のクリープ強度を向上させるとともに、焼きならし時の強度低下を防ぐ効果を有する元素であるので、本発明の鋼管に含有させるのが望ましい。しかし、その含有量が1.50%を超えると、溶接性を劣化させることがある。従って、Moを含有させる場合の含有量を1.50%以下とした。なお、上記の効果はその含有量が不純物レベルであっても得られるため、下限値を特に定めないが、より大きな効果を期待する場合には、0.05%以上含有させるのが望ましい。
【0029】
Cr:3.00%以下
Crは、耐酸化性および高温耐食性を向上させるとともに、クリープ強度を向上させる効果を有する元素であるので、本発明の鋼管に含有させるのが望ましい。しかし、その含有量を3.00%を超えると、上記の効果は飽和する。従って、Crを含有させる場合の含有量を3.00%以下とした。なお、上記の効果は、その含有量が不純物レベルであっても得られるため、下限値を特に定めないが、より大きな効果を期待する場合には、0.05%以上含有させるのが望ましい。
【0030】
更に、本発明のボイラー用電縫鋼管は、上記の化学組成に加え、強度を向上させる目的で、Nb、Ti、Cu、NiおよびVから選択される一種以上を含有しても良い。しかし、これらの元素を過剰に含有させても、その効果は飽和する。従って、Nbを含有させる場合の含有量を0.10%以下、Tiを含有させる場合の含有量を0.030%以下、Cuを含有させる場合の含有量を0.50%以下、Niを含有させる場合の含有量を0.50%以下、Vを含有させる場合の含有量を0.10%以下とした。なお、これらの効果を顕著に発揮させるためには、Nbは0.005%以上、Tiは0.005%以上、Cuは0.05%以上、Niは0.05%以上、Vは0.01%以上含有させるのが望ましい。
【0031】
CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量:平均で30%以下
図3は、CaO-AlO系の擬二元系状態図を示す図である。同図に示すとおり、CaO-AlO系の介在物は、そのCaO成分の含有量が50%前後で共晶反応により、1,380℃程度の低融点組成となる。このような低融点のCaO-AlO系介在物は、電縫溶接時の加熱、アプセットにより、表面積が大きい板状に変形する。このように板状に変形した介在物のうち加熱により溶融する部分に存在するものは、その後にビード屑として排出するために問題とならない。しかし、溶融しない部分、即ち、熱影響部に存在するものは、ビード屑として排出することができず、残存するため、鋼管の電縫溶接部における靱性を低下させる。従って、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量を50%前後の範囲とならないようにする必要がある。
【0032】
CaO成分の含有量を増加させることで、CaO-AlO系の介在物の融点を高めることができるが、この場合、クラスター状の粗大な介在物の存在比率が増加する。従って、本発明においては、CaO成分の含有量を低減する手段を採用した。
【0033】
ここで、上記の図3に示すとおり、CaO成分の含有量が約40%以下の範囲であれば、CaO-AlO系の介在物を1,500℃を超える高融点組成にすることができる。しかし、40%を超えると急激に融点が低下するので、本発明においては、CaO-AlO系介在物の融点を安定的に高いレベルに維持するために、そのCaO成分の含有量を平均で30%以下に制限することとした。
【0034】
なお、「CaO成分の含有量が平均で30%以下」とは、下記の方法(詳しくは、「日本鉄鋼業における分析技術」〔165頁、日本鉄鋼協会発行(1982)〕または「鉄と鋼vol.82No.12」〔蔵保ほか、日本鉄鋼協会発行(1996)〕を参照)によって求めたCaO成分の含有量の平均値が30%以下であることをいう。
【0035】
即ち、ハロゲンを混合した有機溶媒である臭素メタノールを用いて鋼と反応させ、鋼マトリックスや炭化物、硫化物等を分解し、ハロゲンによりほとんど分解されない酸化物系介在物はそのまま残す(この方法は、一般にハロゲン有機溶媒法と呼ばれる)。このようにして得られたCaO-AlO系介在物を残渣として濾過分離、抽出する。抽出した残渣のCa含有量およびAl含有量を分析し、これをCaO成分およびAlO成分の含有量に換算して、CaO-AlO系介在物中に含まれるCaO成分の含有量を求める。この作業を1試験片につき10個の介在物について繰り返し、それぞれ求められたCaO成分の含有量を平均する。
【0036】
ここで、CaO-AlO系介在物中に含まれるCaO成分の比率が高くなるにつれて、メタノール中や大気中の水分と反応して酸化物が分解する懸念があるため、メタノールには、無水のものを使用し、残渣の濾過、抽出の操作は、大気を遮断したArガス雰囲気のグローブボックス中で行うこととする。
【0037】
次に、本発明のボイラー用電縫鋼管の製造方法の限定理由について述べる。
【0038】
メニスカス以下の垂直部の長さ:2m以上
メニスカス以下の垂直部が十分な長さを有していなければ、鋳型内および鋳型下方における介在物の浮上除去が不十分となるため、このような鋳片から得られる鋼板の清浄性は劣化する。従って、メニスカス以下の垂直部の長さを2m以上とした。なお、メニスカス以下の垂直部長さの上限は、特に定めないが、連続鋳造機の設備設計上許される範囲であればよい。
【0039】
鋳造速度:0.6〜1.5m/分
鋳造速度が0.6m/分未満の場合には、メニスカスにおける溶鋼温度が低下し、メニスカスにおいて等軸晶核が生成し、介在物を伴って鋳片内に沈降する頻度が増加するため、このような鋳片から得られる鋼板の清浄性は劣化する。一方、鋳造速度が1.5m/分を超える場合には、浸漬ノズルからの吐出流によって鋳片深くに持ち込まれて浮上除去されない介在物が増加するため、このような鋳片から得られる鋼板の清浄性は劣化する。従って、鋳造速度を0.6〜1.5m/分とした。
【0040】
タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間:3分以上
タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間が短いと、タンデュッシュ内における介在物の浮上除去が十分に行われないため、このような鋳片から得られる鋼板の清浄性は劣化する。従って、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上とした。なお、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間の上限は、特に定めないが、時間が長くなると溶鋼温度が下がり、鋳造が困難となるので15分程度とするのがよい。
【0041】
浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量:10リットル/分以下
浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量が多いと、鋳片内に多くのAr気泡が流入する。この気泡は、鋳片内を移動した後、凝固シェルに取り込まれてピンホールとなる間に、溶鋼中の介在物を捕捉するため、このような鋳片から得られる鋼板の清浄性は劣化する。従って、吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とした。浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量は、溶鋼の化学組成等の条件によっては、0リットル/分であっても良い場合もあるが、ガス流量が少なすぎると、ノズルに介在物が付着して鋳造が困難となるので、1リットル/分以上とするのが望ましい。
【0042】
なお、本発明において、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量とは、ノズル、ストッパーおよびスライディングゲートを介して吹き込まれるArガス流量の合計量をいうものとする。
【0043】
モールドパウダー中に含まれるS含有量:1.0質量%以下
モールドパウダー中に含まれるS含有量が多いと、鋳型内においてSがパウダー溶解層とメニスカスとの界面に移行し、界面張力を下げるので、パウダーが溶鋼に巻き込みやすくなり、鋼板の清浄性を劣化させる。また、パウダーからSが鋼中に移行すると、鋼中のS含有量が増加して、鋼板の靱性を低下させる。これを防止するためには、精錬段階において、このようなS含有量の増加を見越した脱Sを実施する必要があるため望ましくない。従って、モールドパウダー中に含まれるS含有量は、できるだけ少ない方がよく、その許容上限を1.0質量%とした。
【0044】
本発明のボイラー用電縫鋼管の製造方法においては、上記の条件を満足する条件で連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することで、清浄性に優れるボイラー用電縫鋼管を得ることができる。
【0045】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する溶鋼を表2に示す条件で連続鋳造し、得られた鋳片から通常の条件で熱延コイルを作製し、更に、この熱延コイルを通常の条件で電縫溶接して外径38.1mm、肉厚3.2mm、長さ1000mmの試験用鋼管を作製した。それぞれの試験用鋼管の電縫溶接部を含む部分について、JIS G 0582に記載される方法に従い、探傷感度区分UAで超音波探傷検査を行った。この検査結果と欠陥の起点となった主たる介在物の種類を表2に併記した。
【0046】
ここで、CaO-AlO系介在物中に含まれるCaO成分の含有量の平均値は、前記のハロゲン有機溶媒法を用いて、各試験用鋼管からCaO-AlO系介在物を残渣として、Arガス雰囲気のグローブボックス中で濾過分離、抽出し、残渣のCa含有量およびAl含有量を分析し、これをCaO成分およびAlO成分の含有量に換算して、CaO-AlO系介在物中に含まれるCaO成分の含有量を求め、この作業を1試験用鋼管につき10個の介在物について繰り返し、それぞれ求められたCaO成分の含有量を平均することによって求めた。
【0047】
【表1】
Figure 0003760832
【0048】
【表2】
Figure 0003760832
【0049】
なお、表中の「超音波検査結果」は、各条件毎に1000本以上の試験用鋼管について、超音波深傷検査を行い、JIS G 0582に規定される判定方法によって不合格となった鋼管の本数から不良率を算出し、不良率が0.1%以下であった条件を「◎」、不良率が0.1%を超え0.2%以下であった条件を「○」、不良率が0.2%を超え0.3%以下であった条件を「△」、不良率が0.3%を超えた条件を「×」として評価した。
【0050】
表2に示すとおり、本発明例1 13では、一部に本発明で規定される連続鋳造条件を満たさない例もあるが、いずれも不良率が0.3%以下であり、ボイラー用電縫鋼管として良好な清浄性を有する。ここで、本発明例9 および 10では、連続鋳造条件が本発明で規定される範囲を外れるが、Pが0.010%以下、且つSが0.002%以下であるため、不良率を0.2%以下に低減できた。また、本発明例1 8では、本発明で規定される化学組成の条件、介在物条件および連続鋳造条件の全てを満たしており、不良率が0.2%以下であった。特に、本発明例1では、Pが0.010%以下、且つSが0.002%以下であり、不良率が0.1%以下に低減できた。
【0051】
比較例14は、Pの含有量が本発明で規定される範囲を外れるため、電縫溶接時にAlO系介在物を起点として割れが進展し、不良率が上昇した。比較例15は、Siの含有量が本発明で規定される範囲を外れるため、溶接部のSiO系ペネトレータを主体に清浄性が悪化した。比較例16は、Sの含有量が本発明で規定される範囲を外れるため、電縫溶接時にAlO系介在物を起点として割れが進展し、不良率が上昇した。比較例17 および 22は、Caの含有量が本発明で規定される範囲を外れ、また、CaO- AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量も本発明で規定される範囲を外れるため、CaO- AlO系の介在物を主体に清浄性が悪化した。
【0052】
比較例18は、Mnの含有量が本発明で規定される範囲を上回るため、電縫溶接部のMnO系ペネトレータを主体に清浄性が悪化した。比較例19 および 20は、SiおよびMnのそれぞれの含有量は本発明で規定される範囲内にあるが、比較例19では、Mn/Siの値が本発明で規定される範囲を上回るため、MnO系ペネトレータを主体に清浄性が悪化し、比較例20では、Mn/Siの値が本発明で規定される範囲を下回るため、SiO系ペネトレータを主体に清浄性が悪化した。比較例21は、Caの含有量は本発明で規定される範囲内にあるが、Alの含有量が本発明で規定される範囲を下回り、また、CaO- AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量も本発明で規定される範囲を外れるため、CaO- AlO系の介在物を主体に清浄性が悪化した。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、(1)母材に由来する介在物、(2)電縫溶接時に生成するペネトレータおよび(3)母材中の低融点組成のCaO-AlO系介在物から溶接時の加熱、アプセットにより変形し、電縫溶接部およびその近傍に残存する板状介在物の全てを低減できるので、清浄性に優れたボイラー用電縫鋼管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鋼板中に残存した低融点組成のCaO-AlO系介在物の変形の過程を示す模式図である。(a)は一般的な電縫鋼管製造装置の概略図、(b)は電縫鋼管の溶接点付近の拡大図、(c)は未溶接部、微小アプセット部および溶接完了部における低融点組成のCaO-AlO系介在物の形態を模式的に表した図である。
【図2】 MnO-SiO系の擬二元系状態図である。
【図3】 CaO-AlO系の擬二元系状態図である。
【符号の説明】
1.成形された鋼帯、2.溶接点、3.ワークロール、4.スクイズロール

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、Mn/Siが3〜15の範囲内にあり、且つ、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量が平均で30質量%以下であることを特徴とするボイラー用電縫鋼管。
  2. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、更に、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、Mn/Siが3〜15の範囲内にあり、且つ、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量が平均で30質量%以下であることを特徴とするボイラー用電縫鋼管。
  3. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、更に、Nb:0.10%以下、Ti:0.030%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下およびV:0.10%以下から選択される一種以上を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、Mn/Siが3〜15の範囲内にあり、且つ、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量が平均で30質量%以下であることを特徴とするボイラー用電縫鋼管。
  4. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含み、更に、Nb:0.10%以下、Ti:0.030%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下およびV:0.10%以下から選択される一種以上を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、Mn/Siが3〜15の範囲内にあり、且つ、CaO-AlO系の介在物に含まれるCaO成分の含有量が平均で30質量%以下であることを特徴とするボイラー用電縫鋼管。
  5. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、且つ、Mn/Siが3〜15の範囲内にある鋼を製造するにあたり、メニスカス以下の垂直部の長さが2m以上であるスラブ連鋳機を使用し、その鋳造速度を0.6〜1.5m/分、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とし、さらに、モールドパウダー中に含まれるS含有量を1.0質量%以下として連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することを特徴とする請求項1に記載のボイラー用電縫鋼管の製造方法。
  6. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、更に、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、且つ、Mn/Siが3〜15の範囲内にある鋼を製造するにあたり、メニスカス以下の垂直部の長さが2m以上であるスラブ連鋳機を使用し、その鋳造速度を0.6〜1.5m/分、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とし、さらに、モールドパウダー中に含まれるS含有量を1.0質量%以下として連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することを特徴とする請求項2に記載のボイラー用電縫鋼管の製造方法。
  7. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、更に、Nb:0.10%以下、Ti:0.030%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下およびV:0.10%以下から選択される一種以上を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、且つ、Mn/Siが3〜15の範囲内にある鋼を製造するにあたり、メニスカス以下の垂直部の長さが2m以上であるスラブ連鋳機を使用し、その鋳造速度を0.6〜1.5m/分、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とし、さらに、モールドパウダー中に含まれるS含有量を1.0質量%以下として連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することを特徴とする請求項3に記載のボイラー用電縫鋼管の製造方法。
  8. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.05〜0.40%、Mn:0.30〜1.40%、Al:0.003〜0.015%およびN:0.0020〜0.0150%を含有し、Mo:1.50%以下および/またはCr:3.00%以下を含み、更に、Nb:0.10%以下、Ti:0.030%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下およびV:0.10%以下から選択される一種以上を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物として鋼中に存在するPが0.015%以下、Sが:0.003%以下およびCa 0.0005 %未満であり、且つ、Mn/Siが3〜15の範囲内にある鋼を製造するにあたり、メニスカス以下の垂直部の長さが2m以上であるスラブ連鋳機を使用し、その鋳造速度を0.6〜1.5m/分、タンディッシュ内における平均溶鋼滞留時間を3分以上、浸漬ノズル内に吹き込むArガス流量を10リットル/分以下とし、さらに、モールドパウダー中に含まれるS含有量を1.0質量%以下として連続鋳造した鋳片を熱間圧延し、得られた鋼板を電縫溶接することを特徴とする請求項4に記載のボイラー用電縫鋼管の製造方法。
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