JP3760802B2 - コアヤーン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア繊維として弾性糸、即ちスパンデックスを用い、該弾性糸の周囲に、綿を原料とする繊維束を構成するファイバを、旋回気流により空気式紡績を施し巻き付かせて、該ファイバにより弾性糸へのカバー性を向上させた状態のカバーリング・スパンデックス・コアヤーン(以後はコアヤーンと称する)と、その製造方法に関する。
特に、コア繊維である弾性糸を、通常よりも更にハイストレッチ状態にして紡出することにより、単糸としてのコアヤーンの糸強力を大にすると共に、紡績糸製造コストを低減するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、空気式紡績装置に改良を加えて、弾性糸をコア繊維として、カバーリング繊維を繊維束とするコアヤーン製造装置について、特許第2734805号公報の如き技術を、既に出願している。
このような、従来のコアヤーン製造装置では、ステープルファイバや、ステープルファイバと綿との混紡スライバをカバーリング繊維としていた。あるいは、肌触りを向上させるべく、綿100%の短繊維をカバーリング繊維とする場合もあった。
また、従来からあるリング精紡機等を用いてコアヤーンを生成した場合には、上記したコアヤーンは、毎分約20メートル程度の紡績速度で製造される。
【0003】
更に、上記したリング精紡機を用いて、コア繊維を弾性糸、カバーリング繊維を(例えば綿100%の)短繊維とした場合には、図6に示すような、弾性糸11にまで撚りが付与されたコアヤーンが生成されるのである。
図6に示すようなコアヤーンの場合、コア繊維である弾性糸11とカバーリングする繊維束5とが密着した状態を構成しておらず、両者が絡み合っていない状態で、しかも、弾性糸11の一部がカバーリング繊維5の間から出てしまっている。従って、弾性糸11の周囲に巻き付くべき繊維束5によるカバー性に問題があった。
【0004】
故に、弾性糸と繊維束が分離し易い状態で一本のコアヤーンができ上がっているので、この単糸をコアヤーンの長手方向に強く引っ張った場合に、弾性糸上を、周囲の繊維束が滑って繊維束を破断し、スルスルと移動して弾性糸がむき出しになるという事態が生じる。即ち、コアヤーンを長手方向に引っ張ったとき、弾性糸上を繊維束が滑ってしまうので、繊維束が破断するのに要する力が小さい(しごきに対する耐久性が弱い)ものとなる。更に、弾性糸上を繊維束が滑らずにコアヤーン全体を破断するのに要する力(単糸強力、即ち引っ張り破断強力)は、外側の繊維束の強力のみに左右されることとなり、コア繊維としての弾性糸の強力は、全体の強さに影響しないという結果となるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、該従来のコアヤーンが、繊維束と弾性糸とに分離して、容易に滑るという点を改善し、撚りの付与されていない状態で、弾性糸を中心に寄せ、その周囲に綿の短繊維が巻き付いてカバーリングされた構成とし、単糸強力が高く、しごきに対する耐久性に強く、弾性糸と繊維束の結束性が強く、かつ肌触りの良いコアヤーンを得ることも目的とするものである。
また、このような糸強力の高いコアヤーンを製造する方法として、旋回気流を発生させるノズルと中空ガイド軸体とを備え、前記旋回気流により空気紡績を施すコアヤーン製造方法とすることにより、コアヤーンを高速に製造可能とするものである。
また、更にコアヤーンにおいて、カバーリングした綿の繊維束と、コア繊維である弾性糸とがより密着するように、繊維束の一部が繊維の途中部分で、外周に絡み付いて、密着して巻き付いた状態としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、コア繊維として弾性糸を用い、その周囲に短繊維を原料とする繊維束をカバーリングするコアヤーンであって、コア繊維として用いる弾性糸を、弾性糸供給装置の回転ローラと紡績装置の下流側に配置された糸送り装置の糸送りローラとの間で、該糸送りローラの回転数を回転ローラの回転数よりも大きくして4倍以上の延伸比で延伸し、弾性糸が延伸した状態で、紡績装置にて繊維束を周囲にカバーリングすることで、前記弾性糸は中心部に、かつ、長手方向に平行に配置され、カバーリングの前記繊維束を構成する各繊維は、その一端が長手方向に略平行に向けられながらコアヤーン中心部に位置し、他端側は螺旋状とされながらコアヤーン外面に露出されている構成とし、更に、カバーリングの前記繊維束の構造が、前記各繊維の前記他端側が後続の他の繊維に巻き付き、該他の繊維の前記他端側が後続のさらに他の繊維に巻き付く連続的な構造としてあるものである。
【0008】
請求項2においては、前記弾性糸を中心に寄せてコア繊維とし、その周囲に繊維束をカバーリングするものとし、弾性糸の周囲への繊維束のカバーリングは、繊維束の一部を弾性糸の周囲に巻き付けた結束部を設けたものである。
【0009】
請求項3においては、コア繊維として用いる弾性糸を、弾性糸供給装置の回転ローラと、旋回気流を発生する空気紡績ノズルと、弾性糸が構成するコア繊維の周囲に繊維束が巻き付けられながら糸通路に案内される中空ガイド軸体と、該中空ガイド軸の糸通路と同軸上に配置されたニードルとを備え前記旋回気流により空気紡績を施す紡績装置の下流側に配置された糸送り装置の糸送りローラとの間で、該糸送りローラの回転数を回転ローラの回転数よりも大きくして4倍以上の延伸比で延伸し、延伸と同時に、紡績装置により繊維束と弾性糸を空気紡績ノズルの旋回気流に押されて前記ニードルに巻き掛かりつつ中空ガイド軸体に供給して、該弾性糸の周囲に、繊維束を構成する短繊維を原料としたファイバをカバーリングさせるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。まず、図1〜図4において、本発明のコアヤーン製造装置の全体構成について説明する。
図1は本発明のコアヤーンの紡績装置及び糸継台車を示す正面図、図2は図1の紡績装置及び糸継台車部分の拡大側面断面図、図3は紡績部とサクションノズルと糸継台車の部分の拡大側面図、図4は紡績部とサクションノズルと本発明の要部を示す俯瞰図である。
図5は本発明のコアヤーンの拡大図、図6は従来のコアヤーンの拡大図である。
図7は本発明のコアヤーンにおいて、カバーリング繊維の巻付きの様子を示す斜視図である。
図8は本発明のコアヤーン紡績装置の制御ブロック線図である。図9は本発明のコアヤーン紡績装置のタイミングチャート図である。
図10はリング精紡機により生成されたコアヤーンと、カバーリング繊維をステープルファイバとして、従来の紡績方法または装置により製造されたコアヤーンと、カバーリング繊維を綿100%として、本発明の製造方法により製造されたコアヤーンとにおける、コア繊維である弾性糸11の延伸倍率−糸強力特性を示す図である。
図11はコア繊維の供給部をモータ駆動とした実施例の本発明の要部を示す俯瞰図である。
【0012】
ユニット錘1は、紡績装置において機台長手方向に多数並設されており、各ユニット錘1の上部にはドラフト装置6が設けられている。該ドラフト装置6は図2に示すように、後部のケンス2からガイド3を介して供給され、カバーリングとなるスライバ4を、所定の繊維束5に引き揃える作用をする。尚、該繊維束5の原料としては、本実施例では綿100%の短繊維で構成されるファイバが用いられているが、これに限るものでもない。
前記ドラフト装置6は図3に示すように、バックローラ7、エプロンに巻き掛けされたミドルローラ8及びフロントローラ9から主に構成されている。このドラフト装置6の下流には、空気紡績部13が配置されている。
空気紡績部13は、弾性糸供給装置10から供給される弾性糸11を、ドラフト装置6によりドラフトされた繊維束と共に、加撚用の空気紡績ノズル86からの圧縮空気の旋回気流の作用で加撚して、弾性糸11をコア繊維として、その外側を繊維束5の繊維でカバーリングしたコアヤーン12を製造する。
前記空気紡績部13には、前記空気紡績ノズル86とは別の糸排出用吸引流発生ノズル82が付設されており(後述)、紡績の開始時において、紡績された繊維束5が自動的に空気紡績部13に吸引流を発生させて、下流に排出を開始すべく構成されている。
【0013】
前記した繊維束5のカバーリングに際して、本発明のコアヤーン12は、図5(a)に示す如く、弾性糸11の周囲に螺旋状に巻き付いたものに構成したり、図5(b)に示す如く、更に単糸の外周に一定の間隔をおいて結束部Kを構成し、繊維束5と弾性糸11とを巻き付け、構成するものである。
空気紡績部13の下流には、製造されたコアヤーン12を搬送する糸送りローラ14が設けられている。図2〜図4に示すように、該糸送りローラ14は、下側のデリベリーローラと上側のニップローラの一対のローラにより構成されている。
ユニット錘1の前面下部には、糸送りローラ14から給送されるコアヤーン12を、パッケージ15に巻き取る巻取部16が設けられている。
【0014】
また図4に示すように、糸送りローラ14と巻取部16との間には、給送されるコアヤーン12の糸むら等の糸欠点を検出するスラブキャッチャ17が設けられ、このスラブキャッチャ17からの信号により、糸送りローラ14の下流に設けられたカッター63(図4)が作動して、コアヤーン12が切断されるように構成されている。
本発明においては、カッター63による糸の切断と同時に、ドラフト装置6を構成するバックローラ7の駆動が停止され、空気紡績部13が作動を停止し、コアヤーンの紡出が停止し、弾性糸パッケージ20の駆動も停止される。
また、弾性糸供給装置10を構成するクランプカッター装置33(図4)は、弾性糸11の端部を把持して、該糸11をその先端を切断した状態で停止させる。
クランプカッター装置33を操作するのがアクチュエータ54であり、該アクチュエータ54へ供給する高圧エアを制御する電磁制御弁56が設けられている。電磁制御弁56も制御装置51からの信号により開閉されるものである。尚、制御装置51を含む本発明の紡績装置の制御系統は図8に示すようになっている。
【0015】
一方、ドラフト装置6の上方には、弾性糸11の供給装置10が設けられ、該弾性糸供給装置10から供給される弾性糸11は、フロントローラ9とミドルローラ8の間から繊維束5との通路に合流して、該繊維束5とともに空気紡績部13に導入されるように構成されている。
この弾性糸供給装置10には図1に示すように、並設されたユニット錘1に沿って掛け渡され、一つのモータ18によって回転駆動される共通の駆動軸19が具備され、この駆動軸19には弾性糸11のパッケージ20を駆動する回転ローラ21が各錘毎に取り付けられている。
弾性糸11のパッケージ20は、水平の軸22に俯仰自在に取付られたクレードルアーム23に回転自在に支持されている。該弾性糸パッケージ20は回転ローラ21の上に接触して、その回転を受けるように構成されている。そして図4に示すように、回転ローラ21と弾性糸パッケージ20との間には、コアヤーン12の糸切れ時にパッケージ20の回転を停止するストッパ24が挿抜自在に設けられている。
【0016】
具体的には図4に示すように、上記ストッパ24は支軸に回転自在に軸支され、ストッパ24はその回動により先端部が回転ローラ21と弾性糸パッケージ20との間に挿抜されるように構成されている。ストッパ24は回転ローラ21とは非接触で、回転ローラ21とパッケージ20との間に挿入される。
ストッパ24にはアクチュエータ29が連結され、該アクチュエータ29は、通常時にはストッパ24を回転ローラ21とパッケージ20との間から抜き取った状態に保持する一方、スラブキャッチャ17からの信号に基づき、ストッパ24を回転ローラ21とパッケージ20の間に挿入し、弾性糸パッケージ20の回転を停止するようにしている。
【0017】
まず、紡績開始時において、回転ローラ21から下方に供給された弾性糸11は、弾性糸供給装置10を構成する漏斗部60に、オペレータの手動操作により吸い込まれ、エアスレッティング用エアサッカー装置58と弾性糸検出センサ32とクランプカッター装置33を通過して、弾性糸供給ガイド筒59から、フロントローラ9の前の位置へ供給される。
前記漏斗部60とエアスレッティング用エアサッカー装置58とクランプカッター装置33と、弾性糸供給ガイド筒59の部分は、全体として回動ボックス52に一体的に収納されている。これは、紡績の最初の段階で点検修理しスライバ4をドラフト装置6に噛ませるために、前記したドラフト装置6の上部の半分を持上げハンドル53を操作して持ち上げた場合において、弾性糸供給ガイド筒59が持上げの邪魔とならないよう、左右に回動して退避できるようにするためである。
【0018】
紡績装置の錘1の枠体1aは図2に示すように、前面が開放された断面C形状に形成され、長手方向に連続した内部空間にレール37・38が敷設されており、該レール37・38に沿って、糸継台車39が走行自在に配置されている。
この糸継台車39には、サクションノズル41とサクションマウス42が設けられている。該サクションノズル41は、図2に示す待機位置Aから、図2に一点鎖線で示す空気紡績部13の出口位置まで上下方向に回動して、空気紡績部13の紡出側の糸端を吸引し、待機位置Aに復帰する。
また、下方の巻取装置16に保持された巻取パッケージ15を逆転させることにより送り出された糸端を、糸継部40の部分の待機位置B(図2)まで引き上げるサクションマウス42が、糸継台車39に旋回自在に設けられている。
【0019】
また、糸継台車39には、上記サクションノズル41とサクションマウス42を駆動するカム43と、このカム43を駆動するカムモータM、サクションを発生するブロワ等が設けられている。
糸継台車39には、サクションノズル41が待機位置Aから、空気紡績部13の出口位置に移動したときに、これを検出する為のノズル検出センサ44が設けられると共に、カム43が一回転したことを検知するための1サイクル終了検知センサ45が設けられている。
なお、カム43が一回転する間に、まずサクションマウス42の、巻取装置16側の糸端を引き上げる動作が完了し、次いで、空気紡績部13側の糸端を引き下げるサクションノズル41の動作が完了するように構成している。
【0020】
前記サクションノズル41は、上下方向・旋回自在等は限定しないが、移動自在に構成された吸引管であって、図4に示すサクションノズル内センサ66は、該サクションノズル41が構成される吸引管の吸引経路内で、糸の有無を検出する構成としている。
前記吸引管であるサクションノズル41が下方に旋回した状態で、該サクションノズル内センサ66が糸の存在を検出すると、繊維束5のみにより紡績された(不完全な)糸が、後述する糸排出用吸引流発生ノズル82のエア噴射により、空気紡績部13から順調に排出されていると判断するのである。
そして、次に、弾性糸供給装置10から弾性糸11の供給を開始し、ただちに弾性糸11が繊維束5に内包された、完全なコアヤーンの供給が開始されるのである。
【0021】
次に図12〜図14において、空気紡績部13と糸排出用吸引流発生ノズル82の構成を説明する。
図12は中空ガイド軸体80を付設した空気紡績部13の断面図である。図13は空気紡績部13での紡績時における繊維束5の挙動を示した断面図である。
図14は中空ガイド軸体80の詳細を示す拡大断面図である。
【0022】
図12に示す如く、空気紡績部13はノズルブロック(部材)Bと中空ガイド軸体80により構成されている。空気紡績部13を構成するノズルブロックBには、旋回ノズルである空気紡績ノズル86を穿設しており、また、繊維束5が導入される繊維導入部材84の繊維導入孔83が設けられている。更にはノズルブロックBにはニードル85が設けられている。このニードル85は中空ガイド軸体80の糸通路81と同軸上に配置されており、繊維導入孔83から中空ガイド軸体80の糸通路81に繊維を案内する機能と、バルーンを阻止することによりフロントローラ9に向かう仮撚りの伝播を阻止し、中空ガイド軸体80の先端で繊維が反転し易くする機能を果たす。
前記中空ガイド軸体80においては図14に示すように、糸排出用吸引流発生ノズル82が穿設されるとともに、糸通路81を設けた構成としている。
繊維束5は中空ガイド軸体80の先端部において、空気紡績ノズル86の生成する旋回気流を受け、弾性糸11が構成するコア繊維の周囲に巻き付けられながら、中空ガイド軸体80の糸通路81に案内される。これにより紡績がなされ、コアヤーン12が構成される。
【0023】
具体的には、繊維導入孔83を経て排出された繊維束5及び弾性糸11は、上記旋回気流に押されてニードル85に当たり、図13に示す如く、ニードル85の周面に巻き掛かりつつ中空ガイド軸体80内に導入される。
前記繊維導入孔83から排出される繊維束5を構成する各繊維の先端側は、中空ガイド軸体80の先端近傍で形成されつつある紡績糸の各繊維によってその周囲を巻き付けられた状態で、中空ガイド軸体80内に導入される。一方、繊維の後端側は、紡績室(ノズルブロックBと中空ガイド軸体80との間に形成された空間をいう。)内の旋回気流の作用により、図13に示す如くいったんほぐれて反転し、中空ガイド軸体80の外周面に螺旋状に巻き掛かる。しかしその直後、該繊維の後端側は、中空ガイド軸体80内に向かう繊維束5の周囲を前記旋回気流によって振り回されながら、前記中空ガイド軸体80の内部に引き込まれていく。
【0024】
このように、繊維の後端側は、中空ガイド軸体80内に向かう繊維束5の外周を周回しながら巻き付き、紡績糸を形成していく。このとき、該繊維の後端側が巻き付く繊維束には前記繊維導入孔83から新たに排出された繊維の先端側も含まれており、この他の繊維の後端側も中空ガイド軸体80に近づくと、上述と同様に繊維束5の周囲を振り回されて繊維束5の外周に巻き付く。
【0025】
このように、紡績室内では繊維が旋回気流によって振り回されて撚られるが、繊維束5はニードル85に一端巻き掛かってから送られるから、繊維束5の撚りがニードル85の上流側に伝播することがなく、良好に紡績することができる。
【0026】
図14に示す糸排出用吸引流発生ノズル82は、該ノズル82からの圧縮空気の噴射により、糸導入側に吸引流を発生させる作用を営む。
この吸引流により、弾性糸11や繊維束5の先端を吸引して自動的に排出し、紡績再開時の自動糸排出を可能としているのである。
糸排出用吸引流発生ノズル82は通常の実撚り紡績中には噴射を行わず、糸が切れて紡出側の糸と、巻取り側の糸とを糸継ぎする際において、ドラフト装置6及び空気紡績部13の駆動を再開する際に、所定時間のみ作動して糸出し紡績を行うのである。
本発明においては、空気紡績部13の部分に中空ガイド軸体80により構成した糸排出用吸引流発生ノズル82を設けているので、再開時の自動制御が可能となっているのである。
【0027】
また、本発明のような空気紡績部13により紡績装置を構成することにより、繊維長の長い繊維が長手方向の全長にわたって中心に寄り、繊維長の短い繊維が外側に巻き付くという紡績原理が発生するのである。本実施例では短繊維をカバーリングの繊維束5として用いることで、図5に示すような、弾性糸11に撚りが付与されていない良好なカバーリング性が得られる。
【0028】
繊維束5を構成するカバーリング繊維一本一本についての巻き付き形状に着目すると、図7(A)に示すように、繊維の先端側の一部の領域5xはコアヤーン12の長手方向と略平行な方向におかれて、芯繊維である弾性糸11に巻き付く一方、残りの後端側の領域5yは前記弾性糸11から遠ざかりながら螺旋状に巻き付くような形状(円錐体に螺旋状に巻き付かせたような形状)となっている。この繊維の一本一本が図7(B)に示すように弾性糸11の周囲に次々と巻き付いて、コアヤーン12を生成するのである。
詳しくは、前記繊維5aの先端側がコアヤーン12の長手方向と略平行な状態とされ、その周囲に別の繊維5bの後端側が螺旋状に巻き付けられる。そしてその別の繊維5bの先端側もコアヤーン12の長手方向と略平行な状態とされ、その周囲に更に別の繊維5cの後端側が螺旋状に巻き付けられる。このように、各繊維5・5・・・の先端側の周囲が他の繊維の後端側によって巻き付けられるのである。そして、巻き付く側の繊維5の部分は前述のとおり前記螺旋状部分5yであるから、このように繊維5・5・・・が巻き付いた本発明のコアヤーン12は、その繊維構造に着目すると、図7(A)(B)に示すように、芯糸である弾性糸11が該コアヤーンの中心に配置され、また、該コアヤーンの長手方向に平行とされている。一方、カバーリング繊維5の先端側はコアヤーン長手方向(弾性糸11の長手方向)に平行に向けられながら該コアヤーン中心部に集められ、後端側は螺旋状の状態で巻き付くとともにコアヤーンの外面に露出している。そして、一の繊維の後端は後続する他の繊維に巻き付き、該他の繊維の後端は後続する更に他の繊維に巻き付き、…というように、先行側の繊維の後端がすぐ後続側にある繊維に巻き付くという連続的な構造をなしているため、コアヤーン長手方向に沿った方向でのしごきに対して大きな耐久性を発揮するのである。
【0029】
一方、リング精紡機により製造されるコアヤーンの場合、カバーリング繊維のみならず芯繊維(弾性糸)にまで撚りが入っており、カバーリング繊維がその先端側後端側を問わず全体的に螺旋状に撚られ、それぞれのカバーリング繊維が他の繊維に平行に(他の繊維に沿って)並んでいる構造をなしている。また、芯糸である弾性糸もカバーリング繊維に対して略平行に撚られている構造となっている。
このような構造により、コアヤーン長手方向のしごきに対して弱い糸になってしまうのである。
【0030】
前記紡績により得られた本発明のコアヤーン12は、コア繊維(弾性糸11)とカバーリング繊維(繊維束5)との結束が強いものとなり、コアヤーン12(弾性糸11)の長手方向にコアヤーン12を引っ張ったときの、しごきに対する耐久力(性)は、弾性糸11への繊維束5の結束の強化に基づいて、コアヤーン12の単糸強力(引っ張り破断強力)よりも大きいものとなる。
従って、しごきに対する耐久性は、コアヤーン12を該コアヤーン12の長手方向に強く引っ張ると、弾性糸11から、繊維束5(カバーリング繊維)がスルスルと移動して、弾性糸11がむき出しになるという事態が生じる前に切断される程度にまで向上し、これにより弾性糸11の強力がコアヤーンとしての単糸強力に関与することとなる。
そして、前記紡績により、しごきに対する耐久性に優れた、カバーリング繊維である繊維束5を短繊維としたコアヤーン12の生成が高速に行なえるのである。
【0031】
次に、本発明の要部である弾性糸供給装置10の部分の構成について説明する。
図4に示すように、漏斗部60が、手動操作の際において、弾性糸11の端部を吸い込みさせやすいように配置されている。該漏斗部60の下方にエアスレッティング用エアサッカー装置58が固定されている。
エアスレッティング用エアサッカー装置58とクランプカッター装置33との間には、弾性糸検出センサ32が配置されている。該弾性糸検出センサ32は、最初の糸セットの際において、エアスレッティング用エアサッカー装置58とクランプカッター装置33の間に弾性糸11が把持されているかどうかを、弾性糸11の有無により検出するものである。
前記弾性糸検出センサ32は非接触式のセンサにより構成されており、弾性糸11の付着を防止する役目をしている。
また、糸停止状態でも、弾性糸検出センサ32が存在する為に、糸の有無を検出することが可能である。尚、弾性糸検出センサ32は、図4において、エアスレッティング用エアサッカー装置58とクランプカッター装置33の間に配置されているが、回転ローラ21とクランプカッター装置33との間であればどこに配置してもかまわない。
【0032】
エアスレッティング用エアサッカー装置58は、例えば、大きさ(径)の異なる糸通し孔を備えた複数の糸通し部材を備え、該複数の糸通し部材は、同軸上にある糸通しの孔の大きさが下流側、即ち、後述する弾性糸供給ガイド筒59側に向かって小さくなるように配置された構成とすることができる。これにより、前記糸通し部材の間隔からエアを効果的に逃しつつ、糸通し孔の中心軸上を流れるエアにより弾性糸11の糸通しが行われるため、高圧のエアを噴射して高い送り力を得ることができ、弾性糸11を緩ませることなく、確実にドラフト装置6に供給することが可能になる。
【0033】
クランプカッター装置33の下方で、ドラフト装置6の、ミドルローラ8とフロントローラ9の間に、弾性糸供給ガイド筒59が細長い筒として突出されている。該弾性糸供給ガイド筒59は、糸の品質を考えると、弾性糸11に屈曲が発生しないように、また延伸比が安定するように、真っ直ぐに下方へ延びているのが良い。
エアスレッティング用エアサッカー装置58とクランプカッター装置33と弾性糸供給ガイド筒59の部分は、一体的に回動可能とすべく、回動ボックス52内に収納されている。該回動ボックス52の部分は、ドラフト装置6を構成するバックローラ7・7とミドルローラ8とフロントローラ9の弾性糸供給装置10の点検補修の為に、ドラフト装置6のクレードルの部分の半分を持上げハンドル53の操作により持上げ可能としたこととの関係上、該ドラフト装置6の持上げの際に弾性糸供給ガイド筒59の部分が邪魔とならないよう、左右に回動又は移動して、回避できるようにしている。
【0034】
本発明の要部である、弾性糸11の延伸比は、回転ローラ21と糸送りローラ14との間の、周速比の相違により与えることができる。
即ち、糸送りローラ14の回転数を、回転ローラ21の回転数よりも大きく構成することにより、回転ローラ21と糸送りローラ14の間に挟まれた弾性糸11を、例えば約4倍以上に延伸する延伸力を付与することができるのである。
そして、この弾性糸11の延伸が行われる状態で同時に、空気紡績部13の空気紡績ノズル86において、弾性糸11の外周に繊維束5が巻き付けられるのである。
【0035】
また、弾性糸11の周囲への繊維束5の巻き付けと同時に、繊維束5の一部のファイバーが周囲に巻き付いて、図5(a)に示す如く、弾性糸11の周囲に螺旋状に巻き付いたものに構成したり、図5(b)に示す如く、巻き付いている結束部Kの部分を構成して、弾性糸11と繊維束5との間を密着させて、一体化させるのである。これらの構成の違いは、例えば、図12に示す、フロントローラ9と、中空ガイド軸体80先端との距離の違いによって現れるものである。
弾性糸11を給送する弾性糸パッケージ20は回転ローラ21の上方に軸受支持されており、回転ローラ21により、弾性糸11を繰り出す方向に回転駆動される。繰り出された弾性糸11は、回転ローラ21と糸送りローラ14との間に付与された速度差により、所定の延伸比が与えられて張力が付与され、この状態でスライバ4をドラフトした後の繊維束5が、フロントローラ9から空気紡績部13に導入されて加撚される。
【0036】
コアヤーン製造装置の運転状態で、糸に欠点が発生すると、スラブキャッチャ17(図4)がこれを検出して、自動的に信号を発信する。該信号によりカッター63が作動して、糸を切断し、またドラフト装置6のバックローラ7が停止されると共に、弾性糸供給装置10のストッパ24がアクチュエータ29の動作により回転ローラ21とパッケージ20との間に挿入されて、弾性糸パッケージ20の回転が停止する。また、ストッパ24の作動と連動して、クランプカッター装置33が閉じて、弾性糸11を把持する。
【0037】
一方、バックローラ7の停止により、これより下流の繊維束5はバックローラ7から引き千切られ、共に吸引口26から吸引排除される。
このように、スラブキャッチャ17により糸欠点が検知されると、カッター63が作動してコアヤーン12を切断し、該切断された紡績糸の巻取装置16側の端部は、巻取パッケージ15に一旦巻き取られるのである。
こうして、各錘1は糸継ぎの必要なユニット錘1の状態となり、この錘1から発せられる糸継ぎ要求信号により、糸継台車39はこの糸継の必要なユニット錘1まで移動して停止する。
【0038】
図4において、71はスラックチューブであり、糸継ぎの際において、紡出側からのスライバの供給が再開された時に、紡出側のコアヤーン12を吸引して、糸継ぎの際の緩みを吸引し、糸の張力を確保する為に配置されている。
17はスラブキャッチャであり、コアヤーン12の太さと糸ムラを検出し、細糸部や太糸部を検出した場合に糸を切断するためのものである。
また図4において、糸継不能表示板62は、糸継台車39を停止させる為の標識であり、該糸継不能表示板62を操作するソレノイド65と連結リンク68により、制御装置51を介して操作される。そして、弾性糸パッケージ20に弾性糸11が無くなったとき、又は、クランプカッター装置33が弾性糸11をクランプできなかったときであって、弾性糸検出センサ32が弾性糸11を検出しない場合には、図示の如く突出動作して、糸継台車39を通過させオペレータに異常を報知する。
カッター63も、制御装置51を介してソレノイド65と連結リンク67により操作される。
【0039】
次に、本発明の紡績装置の操作の手順を説明する。
一旦停止していた紡績装置の運転を再開する際のスタート準備においては、オペレータによる手動作業で、エアスレッティング用エアサッカー装置58の漏斗部60に、弾性糸パッケージ20から解除されて、回転ローラ21により下方へ垂下される弾性糸11の糸端を入れる。
そして、回動ボックス52の通路側に、特別に設けられているマニュアルスイッチ55(図2・図3)をON操作する。
該マニュアルスイッチ55から手動開始信号が制御装置51に送信され、該制御装置51からの操作信号で、エアスレッティング用エアサッカー装置58(図4)を制御する制御電磁弁57を開放し、高圧エアを供給して、弾性糸11の端部をエアスレッティング用エアサッカー装置58内に通す、糸通し作業が行われる。
エアスレッティング用エアサッカー装置58内に吸引されて糸通しをされた弾性糸11は、同時にその先端部分が弾性糸検出センサ32とクランプカッター装置33を通過する。弾性糸11の端部はカッターにより切断され、クランプ装置により把持された状態となる。こうして弾性糸供給装置10の準備を完了する。即ち、マニュアルスイッチ55をONすると、弾性糸11の端部がエアスレッティング用エアサッカー装置58と弾性糸検出センサ32を通過して、クランプカッター装置33にその先端が把持されるとともに不要である弾性糸11の先端部分が切断された状態が完了する。
【0040】
次に、糸継台車39が到着し、該糸継台車39からのサクションノズル41が空気紡績部13の下方まで来ると、空気紡績部13の前記糸排出用吸引流発生ノズル82の噴射エアにより、紡績された糸(繊維束5のみにより構成された紡績糸)の排出が開始される。
次に、前記サクションノズル41が該紡績糸の糸端を吸い込みながら下方へ回動する。サクションノズル41の下降後においても、繊維束5のみにより構成された紡績糸の繰出しが正常になされていることを確認すると、図2に示した、糸継台車39に付設された糸継部40により、糸継ぎ作業を開始する。
【0041】
該確認が制御装置51でなされると、制御装置51からの信号で、エアスレッティング用エアサッカー装置58を作動させる。そして、エアスレッティング用エアサッカー装置58の吸引開始後の所定時間経過後に、クランプカッター装置33を開放させる。
クランプカッター装置33の開放と略同時に、クレードル電磁制御弁50にも信号を送信して、アクチュエータ29に高圧エアを供給して、ストッパ24を回動させて、回転ローラ21により弾性糸パッケージ20を回転させて、ミドルローラ8とフロントローラ9との間から弾性糸11の供給を開始する。
この一連の運転開始時の操作により、弾性糸パッケージ20の弾性糸11は、弾性糸供給ガイド筒59からフロントローラ9に供給され、空気紡績部13において、結束部Kつきのコアヤーン12(図5(b))に紡績され、前記した糸継台車39による糸継ぎ作業を行い、巻取装置16による巻取り作業を開始する。
【0042】
次に、スラブが発生して、糸を切断した後の糸継ぎの自動化の機構について説明する。
即ち、従来のコアヤーン製造装置においては、常時、監視者が付いて、スラブに基づく糸切れ等の点検と、糸継ぎ等の修復をする必要があったのである。一方、図4に示す如く構成される本実施例においては、図8に示す制御ブロック線図や図9に示すような糸継ぎ再始動のタイミングチャートによって、次の紡績が自動的に開始されるのである。
【0043】
即ち、スラブキャッチャ17によりスラブを検出した場合は、カッター63によりコアヤーンを切断し、前述の如く空気紡績部13を停止し、バックローラ7と糸送りローラ14を停止し、クランプカッター装置33により、弾性糸11をその端部を切断して把持した状態で停止させている。
【0044】
スラブキャッチャ17からの信号で、停止した状態の空気紡績部13まで糸継台車39が移動し、空気紡績部13の位置にサクションノズル41が合致する位置で、糸継台車39は停止する。
この糸継ぎ開始の状態から、図9に示す如く先ず空気紡績部13が作動を開始し、同時に、空気紡績部13に付設されて通常の紡績作業の時には停止している糸排出用吸引流発生ノズル82から、噴射エアを供給する。該糸排出用吸引流発生ノズル82は、糸継ぎが終了すると作動を停止する。これらの再駆動と同時に、バックローラ7の回転が開始される。
そして、ドラフト装置6のバックローラ7から繊維束5のみがエプロンのミドルローラ8とフロントローラ9を介して、空気紡績部13に供給されて、前記糸排出用吸引流発生ノズル82からの噴射エアにより、弾性糸11の入っていない不完全な糸として、空気紡績部13から排出される。該空気紡績部13から排出される不完全な糸は、上方に回動して来た糸継台車39のサクションノズル41により吸引される。
【0045】
そして、前記サクションノズル41が糸を吸引したことを、図9に示す如く、サクションノズル41内のサクションノズル内センサ66が検出する。
糸の検出信号がサクションノズル内センサ66から制御装置51に送信されると、所定時間後に該制御装置51は、糸送りローラ14がニップローラにより把持した状態で回転を開始するよう指示する。
その後に、更に所定時間経過後に、エアスレッティング用エアサッカー装置58の吸引を開始すべく制御電磁弁57に指示が与えられる。
そして、前記エアスレッティング用エアサッカー装置58により、弾性糸パッケージ20からの弾性糸11の吸引が開始される。
そして、更に所定時間後に、クランプカッター装置33の把持状態が開放されて、略同時に弾性糸パッケージ20の回転駆動が開始される。これにより、繊維束5のみにより紡績されていた糸の内部に、弾性糸11が入ることになる。
【0046】
このとき、前述のサクションノズル41は、弾性糸11の入っていない状態の糸の端部を糸継部40の部分に引き下げている。が、サクションノズル41が紡出される糸を吸引し続けているので、不完全な糸が順調に繰り出されていることをサクションノズル内センサ66が検出した直後に、弾性糸供給装置10より供給される弾性糸11が内部に入った状態の正常なコアヤーンが糸継部40に供給されるのである。従って、サクションノズル41が糸継部40に糸を運んで糸継ぎを行う際には、該糸は既に、弾性糸11の内包された紡績糸となっている。
そして、正常なコアヤーンとなった状態で、糸継部40において、サクションマウス42が吸引した巻取装置16の側の糸端と糸継ぎを行い、自動運転を開始するのである。
尚、上述した弾性糸11の入っていない不完全な糸は、糸継部40の図示しないカッターによって切断され、サクションノズル41によって吸引廃棄される。このように、スラブ発生による糸切断後の糸継ぎと運転再開が、自動的に行われるのである。
【0047】
弾性糸供給装置10の部分において、回転ローラ21とクランプカッター装置33との間の位置に弾性糸11が無い場合には、弾性糸検出センサ32により、弾性糸11の無いことを検出して、弾性糸検出センサ32からの信号を、制御装置51に送信して、制御装置51により紡績作業を停止させる。
更に、この場合には、上述した糸継台車39を通過させて、糸継台車39による糸継ぎをせずに、オペレータに対して、図4に示す糸継不能表示板62の如くの表示操作によって、警告を発生する制御を行う。
【0048】
また、巻取装置16にコアヤーン12が一杯に巻き取られて、玉揚げの際には、図4に示す制御装置51からの信号によりクレードル電磁制御弁50からアクチュエータ29に高圧エアを供給してストッパ24を回動し、弾性糸パッケージ20を浮かせて弾性糸11の供給を停止し、同時に、図4に示す、糸張力検出センサ64の上部に配置したカッター63により、コアヤーン12を切断する。
【0049】
図11においては、図4において、アクチュエータ29によりストッパ24を回動して、弾性糸パッケージ20の回転・非回転を制御する機構としていた部分を、給糸モータMoにより制御した場合の構成を図示している。回転ローラ21の駆動を給糸モータMoにより単錘駆動制御するものであり、弾性糸パッケージ20と回転ローラ21は常時接触状態としていても良いものである。
前記給糸モータMoは、制御装置51を介して制御することが可能であり、各ユニット錘1毎に異なる回転数により弾性糸パッケージ20を回転させることにより弾性糸の延伸率を異ならせることができる。従って、1台の製造装置において、糸品質の互いに異なる複数種類のコアヤーンを製造することも可能である。また、給糸モータMoによる単錘駆動とすることにより、各ユニット錘1ごとに独立して弾性糸パッケージ20の駆動/駆動停止が可能である。従って、例えば、回転ローラ21の部分に弾性糸11が巻きついた場合には、その回転ローラ21のみの回転を止めて修理したり、糸の除去を早急に行うことができるという利点も持っているのである。
【0050】
図10には、リング精紡機により生成されたコアヤーンと、カバーリング繊維をステープルファイバとして、従来の紡績方法または装置により製造されたコアヤーンと、カバーリング繊維を綿100%として、本発明の製造方法により製造されたコアヤーンとにおける、コア繊維である弾性糸11の延伸倍率−糸強力特性が示されている。
この図10によれば、カバーリング繊維を綿100%とした紡績糸においては、延伸倍率が4倍未満の場合、糸強力は他の紡績糸に較べて低い。しかしながら、延伸倍率上昇させるに当たり、延伸倍率を4倍近傍を境界にして、延伸倍率を上昇させることにより、糸強力の上昇傾向が顕著に表れる結果が得られた。
【0051】
これは、単糸強力は、コア繊維の強力と、カバーリング繊維の結束の強さとによって決まるものであり、図10の下部に示すように、延伸倍率が低い場合におけるコアヤーン12の断面は、弾性糸11の引っ張りが十分でないために、弾性糸11の断面積が大きく、その分、周囲のカバーリング繊維(ファイバー)の占める割合が小さいため、弾性糸11に巻き付くカバーリング繊維(綿100%)が少なく、結束が弱いものとなるが、弾性糸11を引っ張った状態で紡績すると、弾性糸11の断面積が小さくなり、その分、巻き付くカバーリング繊維の割合が多くなるため、強い結束が得られ、強力が増大するためと考えられる。
【0052】
また、本発明のコアヤーン12の糸強力は、延伸倍率5倍程度になると横ばい傾向で推移している。これは、図10下部で示すように、延伸倍率が増大しても、倍率が大きくなるに従って弾性糸11の断面積(径)の変化が小さくなり、巻き付く繊維の量の変化も小さくなるためと考えられる。そこで、前記結果と、弾性糸11自身の引っ張り破断強力の限界を考慮して、弾性糸11の延伸倍率は、例えば、40デニール(糸の太さを表す単位)で4倍〜6倍、105デニールで4.5倍〜7倍、140デニールで5倍〜8倍とするのが好ましい。
【0053】
従って、本発明の製造方法により、弾性糸11への繊維束5のカバー性を向上させるのみならず、綿100%をカバーリング繊維とした紡績糸強力を、他の紡績糸の糸強力に近づけることができる。
更に、弾性糸11を上記の如く延伸させて、紡績することにより、十分な伸縮性を得ることができ、かつ、通常の弾性糸の長さよりも長いコアヤーンを得ることができる。即ち、弾性糸11の単位重量当たりに生成されるコアヤーンの長さを長くすることができる。また、リング精紡機に比べて、特許第2703189号公報に示すように、10倍以上の高速紡績が可能となる。
【0054】
また、コアヤーンを織機、縫製等に用いる場合、リング精紡機にて、複数倍の延伸倍率で弾性糸11を伸ばして生成されたコアヤーンは、糸端を切断すると、周囲のカバーリング繊維との結束が弱いので、弾性糸11が収縮しようとし、コアヤーン長手方向に縮んで、その縮みの分だけコア繊維即ち弾性糸11の入っていない部分が生じてしまう。従って、その弾性糸11の縮みの分を考慮して、実際に製織、縫製で必要なコアヤーンの長さよりも長いコアヤーンを用意し、それに伴って、特に縫製の場合、その長さの分だけ余分な縫い代が必要であった。
しかしながら、本発明のコアヤーンを用いる場合、複数倍の延伸倍率で弾性糸11を伸ばして生成されたコアヤーンであって、糸端を切断した場合であっても、周囲のカバーリング繊維との結束が強いので、弾性糸11の収縮をカバーリング繊維が抑制するため、コアヤーン長手方向に縮む度合いを小さくすることができる。従って、前記リング精紡機により生成されたコアヤーンと異なり、余分なコアヤーンを減らし、縫製の場合における縫い代を余分に用意する必要がなくなるため、弾性糸11の原料のコストダウンを図ることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1の如く構成したので、従来のリング精紡機により生成されるコアヤーンが、綿による形成された繊維束と弾性糸とに分離して滑るという点を改善でき、即ち、コア繊維に撚りが入らず、コア繊維が中心で安定し、外周に巻き付くカバーリング繊維束(綿)のカバー性が向上した、糸強力の強いコアヤーンを得ることが可能となったものである。
更に、コア繊維である弾性糸11を伸長させた状態で紡績されるものであることから、生成されたコアヤーンは、十分な伸縮性を得たものとなる。
更に、カバーリング繊維が他のカバーリング繊維に巻き付く構造となっているから、長手方向に沿った方向でのしごきに対して大きな耐久性を発揮するコアヤーンが得られる。
【0057】
請求項2の如く、更にコアヤーンの単糸としての、繊維束とコア繊維である弾性糸とがより密着するように、繊維束が繊維の途中部分で、外周に絡み付いて、密着して巻き付いた状態として構成したので、カバー性に優れたものとなると共に、しごきに対する耐久性に優れ、かつコアヤーンが単糸強力として、更に強力にすることができたものである。
【0058】
請求項3の如き製造方法により、糸強力の高い、しかも、カバー性、しごきに対する耐久性に優れたコアヤーンを高速に製造することが容易となる。更に、通常の弾性糸の長さよりも、長いコアヤーンを得ることができる。即ち、弾性糸の単位重量当たりに生成されるコアヤーンの長さを長くすることができる。従って、弾性糸原料のコストダウンを図ることができる。
また、紡績室内では、繊維が旋回気流によって振り回されて撚られるが、繊維束はニードルに一旦巻き掛かって送られるため、バルーンを防止することにより繊維束の撚りがニードルの上流側に伝播することなく、良好に紡績することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコアヤーンの紡績装置及び糸継台車を示す正面図。
【図2】図1の紡績装置及び糸継台車部分の拡大側面断面図。
【図3】紡績部とサクションノズルと糸継台車の部分の拡大側面図。
【図4】紡績部とサクションノズルと本発明の要部を示す俯瞰図。
【図5】本発明のコアヤーンの拡大図。
【図6】従来のコアヤーンの拡大図。
【図7】カバーリング繊維の巻付きの様子を示す斜視図。
【図8】本発明のコアヤーン紡績装置の制御ブロック線図。
【図9】本発明のコアヤーン紡績装置のタイミングチャート図。
【図10】リング精紡機により生成されたコアヤーンと、カバーリング繊維をステープルファイバとして、従来の紡績方法または装置により製造されたコアヤーンと、カバーリング繊維を綿100%として、本発明の製造方法により製造されたコアヤーンとにおける、コア繊維である弾性糸11の延伸倍率−糸強力特性を示す図。
【図11】コア繊維の供給部をモータ駆動とした実施例の本発明の要部を示す俯瞰図。
【図12】中空ガイド軸体80を付設した空気紡績部13の断面図。
【図13】空気紡績部13での紡績時における繊維束5の挙動を示した断面図。
【図14】中空ガイド軸体80の詳細を示す拡大断面図。
【符号の説明】
B ノズルブロック
1 ユニット錘
5 繊維束
6 ドラフト装置
7 バックローラ
8 ミドルローラ
9 フロントローラ
10 弾性糸供給装置
11 弾性糸
12 コアヤーン
13 空気紡績部
14 糸送りローラ(糸送り装置)
15 パッケージ
17 スラブキャッチャ
20 弾性糸パッケージ
21 回転ローラ
33 クランプカッター装置
39 糸継台車
40 糸継部
41 サクションノズル(引出し装置)
42 サクションマウス
51 制御装置
52 回動ボックス
58 エアスレッティング用エアサッカー装置
60 漏斗部
63 カッター
64 糸張力検出センサ
66 サクションノズル内センサ(検出器)
80 中空ガイド軸体
82 糸排出用吸引流発生ノズル
83 繊維導入孔
85 ニードル
86 空気紡績ノズル

Claims (3)

  1. コア繊維として弾性糸を用い、その周囲に短繊維を原料とする繊維束をカバーリングするコアヤーンであって、
    コア繊維として用いる弾性糸を、弾性糸供給装置の回転ローラと紡績装置の下流側に配置された糸送り装置の糸送りローラとの間で、該糸送りローラの回転数を回転ローラの回転数よりも大きくして4倍以上の延伸比で延伸し、
    弾性糸が延伸した状態で、紡績装置にて繊維束を周囲にカバーリングすることで、
    前記弾性糸は中心部に、かつ、長手方向に平行に配置され、カバーリングの前記繊維束を構成する各繊維は、その一端が長手方向に略平行に向けられながらコアヤーン中心部に位置し、他端側は螺旋状とされながらコアヤーン外面に露出されている構成とし、更に、カバーリングの前記繊維束の構造が、前記各繊維の前記他端側が後続の他の繊維に巻き付き、該他の繊維の前記他端側が後続のさらに他の繊維に巻き付く連続的な構造としてあることを特徴とするコアヤーン。
  2. 前記弾性糸を中心に寄せてコア繊維とし、その周囲に繊維束をカバーリングするものとし、弾性糸の周囲への繊維束のカバーリングは、繊維束の一部を弾性糸の周囲に巻き付けた結束部を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載のコアヤーン。
  3. コア繊維として用いる弾性糸を、
    弾性糸供給装置の回転ローラと、
    旋回気流を発生する空気紡績ノズルと、弾性糸が構成するコア繊維の周囲に繊維束が巻き付けられながら糸通路に案内される中空ガイド軸体と、該中空ガイド軸の糸通路と同軸上に配置されたニードルとを備え前記旋回気流により空気紡績を施す紡績装置の下流側に配置された糸送り装置の糸送りローラとの間で、
    該糸送りローラの回転数を回転ローラの回転数よりも大きくして4倍以上の延伸比で延伸し、延伸と同時に、紡績装置により繊維束と弾性糸を空気紡績ノズルの旋回気流に押されて前記ニードルに巻き掛かりつつ中空ガイド軸体に供給して、該弾性糸の周囲に、繊維束を構成する短繊維を原料としたファイバをカバーリングさせることを特徴とするコアヤーンの製造方法。
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