JP3760309B2 - 建築用開閉装置における開閉機構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルや工場棟の建築物の開口部を開閉するための建築用開閉装置における開閉機構造の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種開閉機のなかには、開閉機の駆動に伴い巻取り軸を回転させることにより、開閉戸が開口部を開閉するようにしたものが知られており、この場合に、開閉機に制動装置を設け、開閉機の正逆駆動時には制動装置を解除状態とする一方、開閉機の停止状態では制動装置を制動状態にして、開閉戸の停止時において自重に基づく巻取り軸の回転(開閉戸の自重降下)を規制するようにしたものがある。このようなものにおいて、例えば戸体がシャッターカーテンである場合に、シャッター装置を煙感知器に連動させた所謂防火シャッターに構成することがあり、このものでは、火災等の非常時に煙感知器からの検知信号に基づいて、また、周囲の人が緊急と判断してレバー等の操作をすることに基づいて制動装置を解除状態とし、これによって、シャッターカーテンを自重閉鎖させるように構成されている。そして、この場合に、制動装置に、解除状態の制動装置を強制的に制動状態に復帰するための制動復帰装置を設けて、シャッターカーテンが全閉状態となったとき自動停止をするようにして、シャッターカーテンの巻出しすぎや、巻取り軸の逆巻を防止している。
このような制動復帰装置としては、例えば特開平10−30388号公報のように、開閉機のケーシング内の出力軸と制動装置とのあいだの動力伝動経路中に設けたものや、特開平11−311075号公報のように、開閉機とは所定間隔を存した別部位に設けられたもの等、種々のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前者の制動復帰装置は、出力軸と同軸方向を向いて開閉機ケーシング内に配された螺軸と、該螺軸に螺合して螺軸の回転に伴いスライド移動する下限位置調整体(駒体)と、下限位置調整体に連動し制動装置を制動状態に復帰する復帰手段とを備えており、出力軸の回転に伴い螺軸が回転し、下限位置調整体が所定の相対移動をする、即ち、出力軸が所定の回転数に達することに連動して復帰手段が制動装置を復帰するように構成されている。一方、後者の制動復帰装置は、シャッターケースの左右側板に開閉機とは別個に設けられ、出力軸と同方向を向く螺軸と、該螺軸に螺合して螺軸の回転に伴いスライド移動するスライドブロック(駒体)と、該スライドブロックに連動し制動装置を制動状態に復帰する復帰手段とを備えており、出力軸の回転に伴い螺軸が回転し、スライドブロックが所定の相対移動をして移動規制を受ける、即ち、出力軸が所定の回転数に達することに連動して復帰手段が制動装置を復帰するように構成されている。このように、これらのものは何れのものも螺軸に対して駒体が相対移動をする構成となっており、このため、シャッターカーテンを開閉するための出力軸の有効回転数を大きくしようとする場合では、螺軸の長さを長くしなければならず、前者のようにケーシング内に螺軸を収納するようなものでは、開閉機全体が大型化してしまうとい問題がある。これに対し、螺軸の螺子ピッチを小さくすることで有効回転数を大きくしても螺軸の長さを短く抑えることができるが、螺子ピッチを小さくした場合では、出力軸が所定の回転数に達することで駒体が移動規制される後者のもののようなものにおいては、螺軸を逆回転させて駒体を移動規制状態から解除して逆方向に移動させる場合に大きな力が必要になってしまうという別な問題が生じ、これらに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、基端側に制動装置を備えた開閉機の先端側から突出する出力軸を巻取り軸に連動連結し、制動装置を解除状態として開閉機を閉駆動することに伴い、巻取り軸が回転して開閉戸による開口部の閉鎖がなされる構成とした開閉装置において、前記開閉機に、前記出力軸に対し直交状に連動連結する作動軸を備え、開閉戸の開閉状態を検知するカウンタ式リミットスイッチ装置と、開閉戸の全閉に伴い制動装置を制動状態に自動復帰するための制動復帰装置とを設けるにあたり、前記制動復帰装置には、該制動復帰装置を開閉機の先端側上部に配した状態で前記出力軸に対し直交状に連動連結する入力軸が設けられ、該入力軸は、制動復帰装置上にカウンタ式リミットスイッチを積み重ねたとき、カウンタ式リミットスイッチ装置の作動軸に対し同軸状に連動連結される構成にすると共に、制動復帰装置を、軸芯が前記入力軸の軸芯と同方向を向き、入力軸の回転に伴い回転する複数の計数輪と、最終計数輪外周に設けたカム面と、軸芯が前記入力軸と同方向を向き、前記カム面との当接で回転する回転体と、該回転体に設けた突片の回転に基づいて基端側に押しやられて作動位置に強制変位される作動ロッドとを備えて構成し、該作動位置に変位した作動ロッドによって制動装置を制動状態に復帰するように構成したことを特徴とする建築用開閉装置における開閉機構造である。
このようにすることによって、シャッターカーテンを開閉作動するための出力軸の回転数を大きくしたとしても、開閉機のコンパクト化を損なわないように構成できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図6の図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物の開口部を開閉する自重閉鎖式シャッター装置のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、手動式の開閉機2に連動連結された巻取りドラム(巻取り軸)3に巻装されており、開閉機2を後述する手動操作により正逆駆動することに伴い巻取りドラム3が回転して、シャッターカーテン1を巻取り、巻出しするように構成され、これによって、シャッターカーテン1は開口部を開放する開放姿勢と、開口部を閉鎖する閉鎖姿勢とに姿勢変姿するが、これらの基本構成は何れも従来通りの構成となっている。
尚、4は開口部左右両側部に立設され、シャッターカーテン1の両側縁部を移動案内するためのガイドレール、5は開閉機2および巻取りドラム3を収納するべく、開口部上方の躯体に取付けられるシャッターケースである。
【0006】
前記開閉機2は、角筒状のケーシング6に収納されており、ケーシング6の筒軸方向が左右方向を向いて巻取りドラム3に並列する状態で躯体に取付けられている。そして、ケーシング6の一方の筒端からは左右方向を向く出力軸7が回動自在な状態で突出しており、該出力軸7の突出先端部に形成された出力軸スプロケット7aと、巻取りドラム3の一方の筒端部から突出するドラム側スプロケット3aとがチェーンを8を介して連動連結され、これによって、開閉機出力軸7と巻取りドラム3との連結がなされている。
【0007】
前記ケーシング6の一方の端部は、第一、第二軸受部6a、6bが一体形成された出力軸収納部Gに形成されており、これら第一、第二軸受部6a、6bに軸受7b、7cを介して出力軸7が軸承されるが、該出力軸7はケーシング6の軸芯とは上方に偏芯する状態で配設されている。前記出力軸収納部Gの他方側である基端側には、ケーシング6の下方に位置して第三、第四軸受部6c、6dが形成された第一減速軸収納部D1が形成されており、これら第三、第四軸受部6c、6dに第一減速軸9が軸受9b、9cを介して軸承されているが、この第一減速軸9は、先端側軸部外周面に出力軸7の基端部に一体的に形成された連結ギア部7dに噛合する小径ギア部9aが刻設される一方、基端側に大径の大径ギア9dが形成されている。さらに、第一減速軸収納部D1の基端側には、第五、第六軸受部6e、6fが形成された第二減速軸収納部D2が形成されており、これら第五、第六軸受部6e、6fに第二減速軸10が軸受10b、10cを介して軸承されているが、この第二減速軸10の先端に形成される小径ギア部10aが第一減速軸9の大径ギア部9dに噛合しており、これによって、出力軸7の回転力は、第一減速軸9を介して第二減速軸10に増速された状態で動力伝動されるように設定されている。
【0008】
前記第二減速軸収納部D2の他端側、即ち、ケーシング6の基端側部は、やや大径となった筒状空間となった制動装置(ブレーキ装置)収納部Bに形成されている。そして、この制動装置収納部Bには、第二減速軸10の基端部が突出しており、該突出する基端部に、制動装置を構成する円板状の第一ブレーキ板12が一体的に取付けられている。該第一ブレーキ板12は、先端側面にガバナ(調速機)12aが取付けられており、シャッターカーテン1の負荷が巻取りドラム3を介して伝動される出力軸7の回転速度を調整するように設定されており、また、第一ブレーキ板12の基端側の外径側面部には摩擦部12bが一体的に設けられている。
【0009】
一方、13は第一ブレーキ板摩擦部12bに離接自在に当接する制動面部13aを備えた第二ブレーキ板であって、該第二ブレーキ板13は、先端側が開口する有底筒状に形成され、底面部が前記制動面部13aに構成されるが、該制動面部13aには、第一ブレーキ板12に固定された第二減速軸10と同芯状で、かつ、ケーシング6(制動装置収納部B)から基端側に突出する状態で伸長するブレーキ軸14の先端部が一体的に止着されている。さらに、第二ブレーキ板13には、軸方向先端側に延出する周面部13bが第一ブレーキ板12を遊嵌状に外嵌するように形成され、この第二ブレーキ板周面部13bの開口端部に、径方向に突出するラチェット歯13cが周回り方向並列状に形成されており、該ラチェット歯13cがケーシング6に組込まれたラチェット15に係合するように構成されている。
そして、ラチェット15は、第二ブレーキ板13がシャッターカーテン1を開放する方向に回動することは許容するが、閉鎖する方向への回動は規制するように設定されており、これによって、第二ブレーキ板13が第一ブレーキ板12に弾圧状に当接する状態では制動装置は制動状態となって、第二ブレーキ板13と第一ブレーキ板12とは、シャッターカーテン1の開放方向へは一体回動して出力軸7の開放作動を許容するが、閉鎖方向への回動は規制されて出力軸7の回動規制をするように設定されている。
これに対し、第二ブレーキ板13が第一ブレーキ板12と離れている状態(制動装置の解除状態)では、第二ブレーキ板12(出力軸7側)は、シャッターカーテン1を開閉する何れの方向へも回動できるように設定されている。
【0010】
さて、ケーシング6の基端側には、制動装置収納部Bから突出するブレーキ軸14を外嵌するように制動制御装置Rが配されるが、該制動制御装置Rを構成するハウジング16はケーシング6の基端側部に一体的に固定されている。前記ハウジング16には内筒部16aが形成されており、該内筒部16aにブレーキ軸14が挿通され、回動自在かつ、軸方向移動自在に支持されている。さらに、内筒部16a先端部とブレーキ軸14基端部とのあいだには第一弾機14aが弾装されており、ブレーキ軸14を先端側、つまり第二ブレーキ板13が第一ブレーキ板12に当接する方向、つまり制動装置を制動状態とする方向に向けて付勢している。
【0011】
そして、内筒部16aの基端側外周には、第一、第二リング体17、18が軸方向に離接自在に隣接して外嵌されているが、第一リング体17は先端側に位置し、内筒部16aに軸方向の位置規制がなされ、かつ、回動自在な状態で配されている。一方、第二リング体18はブレーキ軸14の基端側部に位置し、ブレーキ軸14外周に設けられている。これら第一、第二リング体17、18とは、互いに対向(隣接)するリング面17a、18aに、それぞれ互いに係脱する凹凸部(菊座状部)が周回り方向に複数形成され、これらのあいだに複数のコロ19が介装されている。そして、これら第一、第二リング体17、18は、リング面17a、18aの凹凸部が互いに係合して軸方向の対向間距離がゼロ(0)になっている係合姿勢では、第二リング体18の先端部に取付けられた第二ブレーキ板13が第一ブレーキ板12に当接して制動装置を制動状態とするように設定されている。これに対し、後述するように第一リング体17が第二リング体18に対しコロ19を介して回転(図5(A)において矢印X方向に回転)して、第二リング体18が基端側に変位してリング面17a、18の凹凸部先端同志が当接することで、第一、第二リング体17、18同志の軸方向の対向間に所定間隔が存する離間姿勢となり、第二リング体18に連結の第二ブレーキ板13が第一ブレーキ板12から離間して制動装置を解除状態とするように設定されている。
【0012】
さらに、前記第一リング体17は、外周部には外径側に突出する周回り方向に長く形成された取付け突部17bと、外径方向に突出する第一突部17dと、第二リング体18外周部に向けて(軸方向に向けて)突出する第二突部17eとが一体形成されている。
また、第二リング体18は、外周部に第一リング体17外周部に向けて突出し、その突出端部が上方に向くよう折曲された係合突部18bと、前記第一リング体第二突部17eに矢印X方向から対向するストッパ突部18cとが一体形成されている。さらに第一、第二リング体17、18とのあいだには、第二リング体18を第一リング体17に対して矢印X方向に向けて付勢する弾機(図示せず)が介装されている。
【0013】
そして、これら第一、第二リング体17、18は、第二リング体係合突部18bをハウジング16の上面に設けられた係合レバー18dに係合することで、矢印X方向への回転を規制される状態で第一リング体17と係合する係合姿勢となってブレーキ軸14基端部にセット(セット状態であって、図5(A)に示す状態)されており、この状態で、制動装置は制動状態となっている。因みに、前記係合レバー18dは、ハウジング16に対して軸方向移動自在、かつ、上方揺動自在に配されており、該係合レバー18dによる第二リング体18の回転規制を解除することで、制動装置を解除状態から制動状態に変えるように第一、第二リング体17、18が作動するように設定されている。そして、この係合レバー18dに後述する制動復帰装置22の作動ロッド23が連結されるが、これについての詳細な説明は後述する。
【0014】
さらに、第一リング体17は、第一リング体取付け突部17bとハウジング16とのあいだに第二弾機17cが設けられるとともに、下方に垂下する第一操作紐17fが連結されており、前記セット状態において、第一操作紐17fを第二弾機17cに抗して引き操作することで第一リング体17は矢印X方向に強制回転し、これによって、第一、第二リング体17、18が離間姿勢となって制動装置を解除状態にするように設定されている。
尚、取付け突部17bには図示しない連結手段を介して第二操作紐17gがハウジング16の上方に延出される状態で連結されている。この第二操作紐17gは、開口部に配された操作レバー19に緊張状態で連動連結されており、緊急時にシャッター装置1の周囲にいる人が前記緊張状態を解放するべく操作することで、第一リング体17を矢印X方向に強制回転せしめて、第一、第二リング体17、18を離間姿勢にするように設定されている。さらに、ハウジング16の下方には連動制御盤20に接続され、火災検知等に伴い励磁されるマグネットスイッチ21が配されており、該マグネットスイッチ21が励磁したときでは、図示しないプランジャ21aに連結される作動リンクが第一、第二リング体17、18を離間姿勢に変姿させるように設定されており、このように、第一リング体17を第二リング体18に対して強制回転させることによって制動装置が解除状態となり、この状態となると、出力軸7の回転規制がなくなって巻取りドラム3に巻装されているシャッターカーテン1が自重閉鎖するように設定されている。
【0015】
さらに、前記ハウジング16の基端側面からは、ブレーキ軸14の基端部14bが外部に突出しており、該基端部14bには手動開放操作具24を構成するプーリ24aが回り止め状に固着されており、前記制動装置を制動状態とし、プーリ24aに懸回された操作具24bを操作して、シャッターカーテン1を開放する方向に回転せしめることで、閉鎖されたシャッターカーテン1を開放できるように構成されている。
【0016】
さて、前記自動復帰装置22は、シャッターカーテン1が自重閉鎖して全閉状態となることに伴い、シャッターカーテン1の自動停止をするものであるが、該自動復帰装置22は開閉機2の先端側上部に配されており、自動復帰装置22から基端側に向けて延出された作動ロッド23の延出先端部に前記係合レバー18dが連動連結されている。
つまり、制動復帰装置22を構成する平面視略五角形状のケース体25は上下方向深さの浅い矩形状に形成されており、左右側面部に一体的に設けられた取付け部25aを介して開閉機ケーシング6の先端側上面部に載置状に固定されている。そして、ケース体25の上下面には上下方向(出力軸7とは直交する方向)を向く入力軸26が回動自在に支持されており、該入力軸26の下端部には第一べベルギア26aが回り止め状に連動連結されている。前記第一べベルギア26aは、出力軸7の中間軸部に形成されたギア体7eに噛合する第二べベルギア7fと噛合しており、これによって、入力軸26と開閉機出力軸7とが連動連結されている。
ここで、前記入力軸26の上端部には、後述するようにカウンタ式リミットスイッチ装置Lを積層状に連結するための連結凹溝26cが形成されている。
【0017】
前記ケース体25には、入力軸26と同方向を向く開、閉用支軸27、28が固定状に支持され、これら開、閉用支軸27、28には、入力軸26に一体形成された駆動ギア26bにそれぞれ噛合する第一、第二従動ギア27a、28a、そして、第一計数輪29、30、第二計数輪29a、30aとが下方から上方に並列してそれぞれ回動自在に軸支されている。さらに、ケース体25には、開、閉用リセットレバー31、32が変位自在に設けられるが、これら各リセットレバー31、32には、それぞれ、上下方向を向く二本の支軸31a、31b、32a、32bが配され、一方の支軸31a、32aには、それぞれ第一または第二従動ギア27a、28aと第一計数輪29、30とのあいだに噛合(連動連結)する第一連結ギア31c、32cと、第一計数輪29、30と第二計数輪29a、30aとを係脱自在に噛合(連動連結)する第二連結ギア31d、32dとが上下方向に並列して軸承されている。また、他方の支軸31b、32bにはダミーローラ31e、32eがそれぞれ連結されている。そして、各リセットレバー31、32を適宜セット位置にセットすることで開閉機出力軸7の回転数をカウントする、またはカウントしない状態にセットでき、本実施の形態では、図3において上側のリセットレバー(閉用リセットレバー)32を破線で示す位置にセットすることで、シャッターカーテンの閉鎖作動における開閉機出力軸7の回転数をカウントするように設定されている。
【0018】
さらに、前記閉用の第二計数輪30aには、カム面30bが形成されたカム体30cが一体的に取付けられている。因みに、開用の第二計数輪29aにカム体を設けることもでき、後述するカウンタ式リミットスイッチ装置Lにおいては開、閉用両者に設けられている。この場合、第一、第二リセットレバー31、32をセット状態として開閉機出力軸7から回転力が入力されることに伴い、第一、第二ベベルギア26a、7f、駆動ギア26bそして第一、第二従動ギア27a、28a、第一計数輪29、30が回転し、該第一計数輪29、30が所定の回転を行い、これに基づいて第二計数輪29a、30aが間欠的な回転を行うようになっている。そして、本実施の形態では、開閉機出力軸7が所定の回転数に達したことに伴い、第二計数輪30aに配されたカム面30bが回転変位をし、これによって、作動ロッド23の変位がなされる所謂カウンタ式の回転検出装置となっている。
【0019】
また、前記ケース体25には、入力軸26の基端側(左側)に位置して回転体33が回転自在に軸承されているが、該回転体33は外径側に突出する突片33aが周回り方向に複数形成されており、これら突片33aのうち、一つの突片33aが前記閉側のカム面30bに対向しており、該カム面30bの前記所定位置への回転変位を受けて回転体33を回転せしめるように設定されている。一方、34は回転体の一対の突片33aのあいだに挟持状に支持されるように設けられた移動体であって、該移動体34は円柱状の上下端面に、側面視コ字形状に形成された連結部材35の上下片35aが一体的に連結されている。前記連結部材35の左側片35b部位は、ケース体25の左側片部に形成された支持片部25bに開閉機出力軸7方向に移動自在な状態で支持されており、該左側片35bには、ケース体25を貫通する状態で開閉機出力軸7方向に長く延出される前記作動ロッド23の先端部23aが一体的に連結されている。さらに、ケース体25と連結部材34とのあいだには復帰弾機23bが設けられ、作動ロッド23(連結部材35)を図4に示す非作動位置に保持するように付勢されている。
【0020】
そして、前述したように、第一、第二リング体17、18(制動制御装置R)を離間姿勢にするための何らかの操作(第一、第二操作紐17f、17gの操作、マグネットスイッチ21の操作)があって、シャッターカーテン1が自重閉鎖を開始することにより、制動復帰装置22の第一、第二計数輪30、30aが回転してカウントを開始し、シャッターカーテン1が全閉となることに伴いカム体カム面30bが所定の回転変位をし、これによって、回転体突片33aが回転して移動体34を強制的に基端側に押しやり、連結部材35とともに作動ロッド23を前記非作動位置から基端側に強制変位した作動位置に変位させるように設定されている。
【0021】
つまり、前記作動ロッド基端部23cには作動体18eが連結され、該作動体18eが係合レバー18dに連結され、作動ロッド23が作動位置に変位することに伴い、作動体18eが係合レバー18dを基端側に押しやるように設定されている。これによって、第二リング体18は、係合突部18bによる回転規制が失われて、図示しない弾機の矢印X方向への付勢力を受けて回転し、ストッパ突部18cが、既に矢印X方向に強制回転された状態となっている第一リング体17の第二突部17eに係合するまで回転することで(図5(B)の仮想先で示される状態)第一、第二リング体17、18が係合姿勢となり、制動装置を制動状態に復帰させるように設定されている。
因みに、前記作動体18eは、作動ロッド基端部23cに一体的に設けられるものであり、係合レバー18dと連結されたプレート18f、該プレート18fを先端側に向けて付勢する弾機18g、前記プレート18fの移動案内をするホルダ18h等の部材で構成され、作動ロッド23の変位に伴い、弾機18gに抗してプレート18fを係合レバー18dとともに基端側に押しやるように構成されている。このように、制動復帰装置22は、回転体33、移動体34、連結部材35、作動ロッド23、作動体18eそして係合レバー18dを介して制動制御装置Rの制御をするように設定されており、これらカム面30bにより変位を受ける各部材が本発明の作動手段に相当している。
尚、6gはケーシング6の上面に形成され、作動ロッド23のスライド移動を移動案内するためのガイド体である。
【0022】
このように、シャッターカーテン1が全閉になることに伴い、制動装置は制動状態に自動的に復帰して、シャッターカーテン1の自重降下を停止する。この状態において、第一、第二操作紐17f、17g等の操作がなくなると、第一リング体17と第二リング体18とは、第二弾機17cの付勢力を受けて係合姿勢となったままの状態で矢印反X方向に回転して前記セット位置に戻ろうとするが、このとき、作動ロッド23が既に非作動位置に変位しているような場合では、第二リング体係合突部18bは係合レバー18dを上側に押しやりながら元位置に戻り、係合突部18bと係合レバー18dとが係合するセット状態に復帰できるように構成されている。
【0023】
そしてこのものに、シャッターカーテン1の開閉状態を検知するカウンタ式リミットスイッチ装置Lを設ける場合に、該カウンタ式リミットスイッチ装置Lは、矩形状のケース体36に、開閉機出力軸7に対して直行する状態で配される作動軸(入力軸)37の他、前記制動復帰装置22を構成する第一、第二計数輪、開、閉用リセットレバー等同様の部材装置が用いられ、第二計数輪に設けたカムのカム面によりマイクロスイッチの切換えをするように設定されている。さらに、作動軸37には、下端部がケース体36から突出する方向に付勢された状態で出没する連結軸部37aが設けられている。そして、作動軸連結軸部37aを、作動軸37の本体に没入させる状態でカウンタ式リミットスイッチ装置Lを制動復帰装置22上にセットし、作動軸連結軸部37cを下方に向けて突出させることで、制動復帰装置22の出力軸26の上端部に形成の凹溝部26cに嵌合係止できるようになっており、このようにして、制動復帰装置22の入力軸26とカウンタ式リミットスイッチ装置Lの作動軸37とが上下方向に連動連結されるように設定されている。尚、このカウンタ式リミットスイッチ装置Lの基本構成については、特開平11−36761に記載されているのでここでの詳細な説明は省略する。そして、この場合に、カウンタ式リミットスイッチ装置Lは、作動軸37を連結することで、図6に示すように上下方向に複数重ねて設けることができるようになっている。このように、本実施の形態の制動復帰装置22は、カウンタ式リミットスイッチ装置Lに対し、上下方向、つまり開閉機出力軸7に直行する方向に連動連結される構成となっていて、開閉機2の上方に纏めて配置できるように構成されている。
【0024】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、何らかの操作、つまり、操作レバー19のレバー操作、開口部側方に垂下する第一操作紐17fの引き操作、または、煙感知器20の検知操作等によりシャッターカーテン1が閉鎖作動した場合、開閉機2の制動装置は強制的に解除状態となってシャッターカーテン1を自重閉鎖(降下)する。そしてこの場合に、開閉機ケーシング6の上方には制動復帰装置22が設けられており、シャッターカーテン1が全閉状態となる、つまり、開閉機出力軸7の回転数が予め設定される回転数に達することに伴い、前述したように、制動復帰装置22の作動ロッド23が基端側に変位し、解除姿勢となっている制動制御装置Rの第二リング体18の回転規制を解除して、第一、第二リング体17、18を係合姿勢に強制復帰して制動装置を制動状態とし、シャッターカーテン1の閉鎖作動を自動的に停止させることになる。この結果、全閉したシャッターカーテン1に弛みやたるみが生じることがないうえ、巻取りドラム3が逆巻になってしまうような不具合も回避できる。
このように、制動復帰装置22を設けることにより、自重閉鎖するシャッターカーテン1を全閉状態となることで自動的に停止させることができるが、この場合に、制動復帰装置22は、入力軸26が開閉機出力軸7と直交状に配されており、該入力軸26と同方向に配される第一、第二支軸27、28に軸承された第一、第二計数輪29、29a、30、30aが所定の回転数をカウントすることに伴い、最終計数輪となる第二計数輪のカム面30bが、回転体33、移動体34、連結部材35、作動ロッド23等の作動手段を介して制動装置を制動状態に強制復帰する構成となっている。この結果、シャッターカーテンを開閉するための開閉機出力軸7の有効回転数を大きくしたとしても、計数輪29、29a、30、30aの調整を行うことで対応でき、螺軸に駒体を螺合させる従来のもののように、螺軸の軸長を長くしたり、螺軸の螺子ピッチを小さくしたりする必要がなく、開閉機2が大型化したり、円滑な作動が損なわれるような不具合を回避できる。
【0025】
さらにこのものでは、制動復帰装置22は開閉機ケーシング6の上面に載置状に配される構成であり、開閉機2の周りの構成が簡略化されるばかりでなく、シャッターケース5内にコンパクトに収納できる。しかも、開閉機2にカウンタ式リミットスイッチ装置Lを設ける場合に、前記制動復帰装置22を構成する入力軸26は、カウンタ式リミットスイッチ装置Lの作動軸37と同軸方向に連結すればよいことになって、制動復帰装置22の上側にカウンタ式リミットスイッチ装置Lを積層状に纏めて配設することができる。これによって、制動復帰装置22とカウンタ式リミットスイッチ装置Lとを、シャッターケース5内にコンパクトに、かつ、すっきりと収納できるという利点もある。
【0026】
そのうえ、制動復帰装置22はカウンタ式リミットスイッチ装置Lの基本構成と略同様の構成となっており、このものを一箇所に集約して積層状に配設されているため、シャッター装置を建築物開口部に取付けて、シャッターカーテン1の開閉状態を調整しながらこれら各装置22、Lを初期設定するような場合に、これらを纏めて一箇所においてセットできて、作業性の向上を計ることができる。さらには、メンテナンス時においても同様の効果を期待できる。
【0027】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、開閉機としては電動モータを備えた電動式の開閉機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャッター装置の概略正面図である。
【図2】開閉機の正面断面図である。
【図3】制動復帰装置の平面図である。
【図4】制動復帰装置の一部断面正面図である。
【図5】図5(A)、(B)はそれぞれ制動制御装置の作動状態を説明する図2におけるX−X矢視図である。
【図6】開閉機に制動復帰装置およびカウンタ式リミットスイッチ装置を組込んだ状態を示す要部の一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 シャッターカーテン
2 開閉機
6 ケーシング
7 出力軸
11 第二減速軸
12 第一ブレーキ板
13 第二ブレーキ板
14 ブレーキ軸
17 第一リング体
17f 第一操作紐
18 第二リング体
18e 作動体
22 制動復帰装置
23 作動ロッド
26 入力軸
29 第一計数輪
33 回転体
34 移動体
35 連結部材
37 作動軸
R 制動制御装置
L カウンタ式リミットスイッチ装置
Claims (1)
- 基端側に制動装置を備えた開閉機の先端側から突出する出力軸を巻取り軸に連動連結し、制動装置を解除状態として開閉機を閉駆動することに伴い、巻取り軸が回転して開閉戸による開口部の閉鎖がなされる構成とした開閉装置において、前記開閉機に、前記出力軸に対し直交状に連動連結する作動軸を備え、開閉戸の開閉状態を検知するカウンタ式リミットスイッチ装置と、開閉戸の全閉に伴い制動装置を制動状態に自動復帰するための制動復帰装置とを設けるにあたり、前記制動復帰装置には、該制動復帰装置を開閉機の先端側上部に配した状態で前記出力軸に対し直交状に連動連結する入力軸が設けられ、該入力軸は、制動復帰装置上にカウンタ式リミットスイッチを積み重ねたとき、カウンタ式リミットスイッチ装置の作動軸に対し同軸状に連動連結される構成にすると共に、制動復帰装置を、軸芯が前記入力軸の軸芯と同方向を向き、入力軸の回転に伴い回転する複数の計数輪と、最終計数輪外周に設けたカム面と、軸芯が前記入力軸と同方向を向き、前記カム面との当接で回転する回転体と、該回転体に設けた突片の回転に基づいて基端側に押しやられて作動位置に強制変位される作動ロッドとを備えて構成し、該作動位置に変位した作動ロッドによって制動装置を制動状態に復帰するように構成したことを特徴とする建築用開閉装置における開閉機構造。
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