JP3760217B2 - Crtコンバージェンス測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーCRTを用いたテレビ及びディスプレイモニタの生産工程において、カラーCRTコンバージェンス調整時に、高精度且つ安定してRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定し、調整するCRTコンバージェンス測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来のカラーCRTコンバージェンス測定方法を説明する図である。この測定方法の装置の構成は、図2(a)に示すようにカラーCRT1から発射されたRGB調整前の電子ビームの結像位置61をスタティックコンバージェンス用クローズアップカメラ(CCDカメラ)2と2台のダイナミックコンバージェンス用カメラ3にてセンシングするようになっている。
【0003】
次に図2(a)に示す装置の測定動作を説明すると、図2(b)に示すようにカラーCRT1の画面8に映し出された、コンバージェンス測定上の中央テストパターン4をスタティックコンバージェンス用クローズアップカメラ(CCDカメラ)2にてセンシングし、測定用マスク5のエリアのRGBテストパターンの輝度重心をRとBの重心のGの重心に対する相対位置を図示せざる画像処理コンピュータで画像処理により計算し、スタティックコンバージェンスを測定する。
【0004】
そして、図2(c)のように、RGB調整前の電子ビームの結像位置61について、RGBをそれぞれ測定した後、RGB調整後の電子ビームの結像位置(コンバージェンス後)62のようにRGBを集中するように調整する。
【0005】
次にカラーCRT1の画面8の周辺テストパターンを2台のダイナミックコンバージェンス用カメラ3でセンシングし、ダイナミックコンバージェンスをスタティック同様に画像処理コンピュータで測定調整する。このときのRGBのシャドウマスク7に対するRGB調整後の電子ビームの結像位置(コンバージェンス後)62との位置関係は、図2(d)の左側に示すようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のカラーCRTコンバージェンス測定方法においては、カラーCRT画面上のテストパターン1点をスタティックコンバージェンス用クローズアップカメラ(CCDカメラ)2にてセンシングするため、スタティックコンバージェンスの所定の精度を確保するにはズームカメラが必要となり、1台のカラーCRT1にスタティックコンバージェンス、ダイナミックコンバージェンスを測定するのに3台のカメラ(カメラ2と2台のカメラ3)が必要となる。
【0007】
また、測定条件において、中央テストパターン4が測定マスク5上にない場合、測定エラーとなり、生産現場での位置決めや、カラーCRT1の少しの画像ひずみでも影響を受けやすく、不安定要素をもっている。
【0008】
また、図2(d)左側図示の例ではRGBの電子ビームの結像位置62は合っているにもかかわらず、図2(d)右側図示のようにRGBのシャドウマスク7の位置が異なるため正確な輝度重心位置が求められないという問題を有していた。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決し、カラーCRTコンバージェンス調整を、1台のカメラで高精度にRGBの電子ビーム位置を測定し調整し得るとともに、画像処理によりRGBのシャドウマスクに係る電子ビームの位置ずれを補正できるようにしたことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決し目的を達成するため、カラーCRTに所定のピッチを持った図形を映し出し、この所定のピッチを持った図形と、それをセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理でRGBそれぞれの位相を検出し、同一周期に合わせることにより、高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を調整するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、カラーCRTに所定のピッチを持った図形を映し出し、所定のピッチを持った図形と、それをセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を調整しようとしたものであり、所定のピッチを持った図形とCCD画素ピッチとの干渉波形の1周期の長さは、カラーCRTに映し出したライン1ピッチ分に相当する。つまり、RGB図形の1ラインを光学的干渉により拡大した情報をセンシングすることにより、直接ラインのずれを高輝度にセンシングできるという作用を有する。
【0012】
また、本発明の請求項2記載の発明は、カラーCRTに所定のピッチを持った図形を画面全面に映し出し、画面全面に映し出された所定のピッチを持った図形と、それをセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、カラーCRT画面の任意の場所で安定的に、且つ高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を調整しようとしたものであり、カラーCRT画面の周辺などの任意の場所で、センシングパターンの位置などの影響を全く受けることなく、安定して且つ高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を調整することができるという作用を有する。
【0013】
また、本発明の請求項3記載の発明は、カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を映し出し、上記所定のピッチを持った図形と、上記図形をセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理により、RGBのシャドウマスクに係る電子ビームの位置ずれを補正することができ、高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定し調整することができるという作用を有する。
【0014】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるカラーCRTコンバージェンス測定方法を説明する図である。この測定方法の装置の構成は、図1(a)に示すように図示せざるカラーCRTに映し出された所定のピッチを持ったテストラインパターン11を1台のスタティック&ダイナミックコンバージェンス測定兼用カメラ12(以下、単にカメラという)でセンシングし、画像処理コンピュータ13で測定処理するようになっている。
【0015】
次にカラーCRTコンバージェンス測定方法について、図1を用いてその動作を説明する。まず、図1(a)において、カラーCRT全面に映し出された所定のピッチを持ったテストラインパターン11をカメラ12でセンシングし、テストラインパターン11とカメラ12のCCD画素14間にて発生する光学干渉正弦波形15を測定する。このときの光学干渉正弦波形15は、図1(b)に示すように、テストラインパターン11とカメラ12のCCD画素14間にて発生する。テストラインパターン11のピッチLは、カメラ12のCCD画素14のピッチCとΔだけずれた関係とする(Δはズレ量)。
【0016】
【数1】
L=C±Δ
また、テストラインパターン11のピッチLは、光学干渉正弦波形15の1周期L’と等価であり、且つ、また光学干渉正弦波形15の1周期L’は、テストラインパターン11のピッチLとCCD画素 14 のピッチCとの光学干渉に相当するため、ズームカメラを用いなくても、光学的にテストラインパターン11を拡大したことになる。
【0017】
ここで、図1(c)は、R光学干渉正弦波形19とG光学干渉正弦波形20とB光学干渉正弦波形21に係るRGBの電子ビーム調整前の状態を示し、図1(d)はR光学干渉正弦波形19とG光学干渉正弦波形20とB光学干渉正弦波形21に係るRGBの電子ビーム調整後の状態を示している。このRGB光学干渉正弦波形19,20,21をカメラ12で取り込み、画像処理コンピュータ13の画像処理でRGBそれぞれの位相を検出し、同一周期に合わせることにより、カラーCRTコンバージェンス調整において、高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定し調整することができる。
【0018】
次にRGBのシャドウマスクに係る電子ビームの位置ずれを補正することについて説明すると、コンバージェンスの目的は、RGBシャドウマスク7のRGBそれぞれの位置に、Rテストラインパターン16、Gテストラインパターン17、Bテストラインパターン18を調整することであるから、RGBシャドウマスク7のRGB間の寸法を既知として、RGB間の寸法に相当するRGB光学干渉正弦波形19,20,21の位相をずらして調整することが可能となり、高精度にスタティックコンバージェンスを調整することができる。
【0019】
なお、図1(e)は、Rテストラインパターン16、Gテストラインパターン17、Bテストラインパターン18のシャドウマスクで見たRGB電子ビーム調整前の状態である。
【0020】
図1(f)は、Rテストラインパターン16、Gテストラインパターン17、Bテストラインパターン18のシャドウマスクで見たRGB電子ビーム調整後の状態である。
【0021】
以上のように本実施の形態によれば、カラーCRTに映し出された所定のピッチを持ったテストラインパターン11をスタティック&ダイナミックコンバージェンス測定兼用カラーカメラ12でセンシングし、テストラインパターン11とカメラ12のCCD画素14間にて発生する光学干渉正弦波形15を用いることにより、光学的にテストラインパターン11を拡大したことになるRGB光学干渉正弦波形19,20,21をズームカメラを用いることなく高精度にスタティックコンバージェンスを測定することができる。
【0022】
また、カラーCRT全面に映し出された所定のピッチを持ったテストラインパターン11を用いることにより、CRT画面の周辺などの任意の場所で、従来のような測定用マスク5の位置などの影響を全く受けることなく、安定して且つ高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定することができ、且つ1台のカメラで且つ固定焦点でスタティックコンバージェンス、ダイナミックコンバージェンスを安定して且つ高精度に測定できる。
【0023】
また、カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を映し出し、上記所定のピッチを持った図形と、上記図形をセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理により、RGBのシャドウマスクに係る電子ビームの位置ずれを補正することができ、高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定し調整することができる。
【0024】
なお、以上の説明では、カラーCRTコンバージェンス測定方法を水平方向で構成した例で説明したが、その他垂直方向についても同様に実施可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明は、カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を映し出し、上記所定のピッチを持った図形と、それをセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、センシングすることにより、カラーCRTコンバージェンス調整において高精度にRGB(赤,緑,青)の電子ビーム位置を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるカラーCRTコンバージェンス測定方法を説明する図である。
【図2】従来のカラーCRTコンバージェンス測定方法を説明する図である。
【符号の説明】
1,8…CRT、 2…スタティックコンバージェンス用カメラ、 3…ダイナミックコンバージェンス用カメラ、 4…コンバージェンス測定上の中央テストパターン、 5…測定マスク、 7…RGBシャドウマスク、 11…CRTに映し出された所定のピッチを持ったテストラインパターン、 12…スタティック&ダイナミックコンバージェンス測定兼用カメラ、 13…画像処理コンピュータ、 14…カメラ12のCCD画素、 15…光学干渉正弦波形、 16…Rテストラインパターン、 17…Gテストラインパターン、 18…Bテストラインパターン、 19…R光学干渉正弦波形、 20…G光学干渉正弦波形、 21…B光学干渉正弦波形、 61…RGB調整前の電子ビームの結像位置、 62…RGB調整後の電子ビームの結像位置(コンバージェンス後)。

Claims (3)

  1. カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を映し出し、上記所定のピッチを持った図形と、上記図形をセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理でRGBそれぞれの位相を検出し、同一周期に合わせることにより、RGBの電子ビーム位置を調整することを特徴とするCRTコンバージェンス測定方法。
  2. カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を画面全面に映し出し、画面全面に映し出された上記所定のピッチを持った図形と、上記図形をセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理でRGBそれぞれの位相を検出し、同一周期に合わせることにより、CRT画面の任意の場所でRGBの電子ビーム位置を調整することを特徴とする請求項1記載のCRTコンバージェンス測定方法。
  3. カラーCRTにRGBそれぞれ所定のピッチを持った図形を映し出し、上記所定のピッチを持った図形と、上記図形をセンシングするCCD撮像素子のCCD画素ピッチとの干渉を用いて、画像処理でRGBそれぞれの位相を検出し、同一周期に合わせることにより、RGBのシャドウマスクに係る電子ビームの位置ずれを補正して、RGBの電子ビーム位置を調整することを特徴とするCRTコンバージェンス測定方法。
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