JP3759954B2 - 触媒組成物 - Google Patents
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Description
エチレンとアルファオレフィンとを共重合するための触媒の重要点である3つの性質は。
(1)その触媒で製造された樹脂の分子量分布
(2)樹脂の分子量の水素に対する応答
(3)エチレンとアルファオレフィンとを効率的に共重合する触媒の能力
である。
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂の分子量分布の尺度の一つはメルトフロー比(MFR)であり、これは与えられた樹脂についての高荷重メルトインデックス(I21)のメルトインデックス(I2)に対する比
MFR=I21/I2
である。
MFR値はポリマーの分子量分布の指標であると考えられ、MFR値が高いほど分子量分布が広い。
エチレンコポリマーの分子量は既知の方法、例えば水素を使用して制御できる。本発明に従って製造された触媒組成物によって、重合が約30〜約105℃で実施されるとき分子量は水素によって適切に制御できる。この制御は製造されたポリマーの(I2及びI21値)の測定できる正の変化によって証明される。重合工程中に存在する水素の量に対する樹脂分子量の比較的高い感受性は本発明の触媒組成物の重要な特徴である。
エチレン/アルファ−オレフィン共重合のための触媒組成物の他の重要な性質は、エチレンとそれより高級のアルファ−オレフィン、例えばC3〜C10アルファ−オレフィンとを効率的に共重合して低い密度を有する樹脂を生成する能力である。触媒組成物のこの性質は「より高級なアルファ−オレフィンの組み込み特性」と呼ばれ、エチレンとそれより高級なアルファ−オレフィンとの、一定のコポリマー組成及び一定の密度を有するコポリマーを製造するための重合法において要求されるより高級なアルファオレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテン)の量を決定することによって通常測定される。一定密度の樹脂を製造するために必要なより高級のアルファ−オレフィンの量が少ないほど、生成速度は速く、したがってそのようなコポリマーの製造コストは低い。より高い有効なアルファ−オレフィン組み込みは気相流動床法において特に重要である。これは流動床反応器内の高級アルファ−オレフィンの比較的高い濃度が不十分な粒子の流動を引き起こし得るからである。
助触媒成分としてのDMACの有利な効果が試験された。共重合反応において、DMACを含む触媒組成物は、良好なアルファ−オレフィン組み込み特性を示し、さらに重要なことには広いかまたは2モード(bimodal)の分子量分布の樹脂を製造する。図に示すように、DMACで助触媒作用されたエチレン共重合の生成物は高分子量の成分を含み、この高分子量の成分は、トリアルキルアルミニウム助触媒で製造された生成物と比較してこの生成物に起因する増加したMFR値の原因となる。DMACで助触媒作用されたエチレン共重合の生成物は、トリエチルアルミニウム(TEAL)またはトリメチルアルミニウム(TMA)によって助触媒作用された樹脂と比較して、加工性の利点及び優秀な機械的性質を示す。特に、DMACで助触媒作用された生成物は、優秀な光沢及び低い曇り特性並びに優秀な落槍衝撃抵抗を示す。
しかし、助触媒成分としてのDMACはトリアルキルアルミニウム化合物よりも低い活性を示す。さらに、助触媒としてDMACを単独で含むこの助触媒組成物は減少した水素応答を示す。さらに、ある重合条件下でのDMAC助触媒はアルファ−オレフィンオリゴマーを生成する有意の傾向を示す。このオリゴマーは気相流動床重合反応器を汚染し、そして反応器の運転停止の原因となる。
本発明は、アルファ−オレフィンオリゴマーを実質的に含有せず、かつ2モードの分子量分布を特徴とするエチレンのコポリマーを製造するために選択的である触媒組成物に関する。
本発明の一つの面に従い、
(a)担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る触媒前駆体、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;並びに
(b)ジメチルアルミニウムクロライド(DMAC)とトリアルキルアルミニウム(TMA)化合物の混合物を含んで成る2成分助触媒混合物、ここでDMACのTMAに対するモル比は30:1〜300:1であり、助触媒混合物は触媒前駆体を活性化するのに十分な量で与えられる
を含んで成る触媒組成物が提供される。
好ましくは、マグネシウム成分は式RmMgR'n(式中、R及びR’は同じかまたは異なるC4〜C12のアルキル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する有機マグネシウム化合物によって与えられる。R及びR’がC4〜C10のアルキル基であることがさらに好ましく、そしてR及びR’がC4〜C8のアルキル基であることがさらに好ましい。最も好ましくは、R及びR’はそれぞれブチル基である。
遷移金属成分がチタンであることが好ましく、さらに好ましくは遷移金属成分はチタンのハロゲン化物、最も好ましくは4塩化チタンまたは3塩化チタンの形態で与えられる。
TMA化合物は望ましくはトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムである。
本発明の他の面に従い、
(a)担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る触媒前駆体を製造すること、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;並びに
(b)前記触媒前駆体に、ジメチルアルミニウムクロライド(DMAC)とトリアルキルアルミニウム(TMA)化合物の混合物を含んで成る2成分助触媒混合物を加えること、ここで助触媒混合物中のDMACのTMAに対するモル比は30:1〜300:1であり、助触媒混合物は触媒前駆体を活性化するのに十分な量で与えられる
を含んで成る、触媒組成物の製造方法が提供される。
一態様において、前駆体は次の工程:
マグネシウム化合物及び遷移金属化合物を極性溶媒中に、好ましくはチタンのマグネシウムに対する0.2対0.5のモル比で溶解すること
該溶液を固体の不活性多孔質担体と接触させ、そして乾燥によって溶媒を除去して触媒前駆体を形成すること
を含んで成る方法によって製造される。
特に好ましい態様において、触媒前駆体は次の工程:
(i)固体の多孔質担体のスラリーを、非極性溶媒中で式RmMgR'n(式中、R及びR’は同じかまたは異なるC4〜C12のアルキル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する少なくとも1種の有機マグネシウム化合物と接触させること
(ii)工程(i)の前記中間体を(a)SiCl4及び(b)式(R1O)xSiR2 4-x(式中xは1、2、3または4;R1は1〜10炭素原子のヒドロカルビル基:そしてR2はハロゲン原子または1〜10炭素原子のヒドロカルビル基または水素原子である)のシラン化合物より成る群から選択される少なくとも1種の化合物と接触させること、並びに
(iii)工程(ii)の前記中間体を少なくとも1種の遷移金属化合物と非極性液体媒質中で、前記遷移金属化合物の工程(i)の前記有機マグネシウム化合物に対する0.5〜1.5のモル比で接触させること
によって製造される。
この態様において、次の工程:
(iv)工程(iii)の前記遷移金属含有中間体を追加量の有機マグネシウム化合物RmMgR'n(式中、R及びR’は同じかまたは異なるC4〜C12のアルキル基であり、そしてm+n=2である)を接触させること、続いてスラリーを乾燥することによって担持された触媒前駆体を製造すること
が工程(iii)の後に実施されることが好ましい。
本発明の他の面に従い、エチレンを3〜10炭素原子のアルファ−オレフィンと共重合して、2モードの分子量分布を有し、35〜60のMFR(I21/I2)値を特徴とし、かつアルファ−オレフィンオリゴマーを含有しないエチレンコポリマー生成物を形成する方法であって、
流動床気相反応器内にエチレン重合条件下でアルファ−オレフィンと混合したエチレンを含んで成る供給原料を導入し、そして該供給原料を担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る固体触媒前駆体と接触させること、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;そして
DMACとTMA化合物との混合物を含んで成る2成分助触媒混合物の混合物を反応器内に供給すること、ここでDMACのTMAに対するモル比は30:1〜300:1である
を含んで成る前記の方法が提供される。
本発明に従う触媒組成物は改善された活性及び水素応答を示し、そしてアルファ−オレフィンオリゴマーの形成を排除することを助ける。従って、本発明の触媒組成物は油であるアルファ−オレフィンオリゴマーによって起こされる反応器汚染を改善するかまたは排除できる。
ここで添付図面を参照する。この図面は気相反応器中で実施例Aの触媒前駆体とDMAC:TMA混合物とを300:1のモル比で含む触媒系を使用して製造したエチレン−ヘキセンコポリマーのゲル透過クロマトグラムである。
助触媒混合物がさらに記述される。本発明の触媒組成物は、触媒前駆体と、助触媒としてのDMAC−トリアルキルアルミニウム化合物混合物の活性化量を含んで成る。トリアルキルアルミニウム化合物は1〜6個の炭素原子を含むことができる。好ましくはそれはTEAL及びTMAより成る群から選択される。この2成分混合物のDMACのトリアルキルアルミニウムに対するモル比は30:1〜300:1の範囲である。DMACとトリアルキルアルミニウム化合物との混合物は助触媒と呼ばれる。
助触媒の量は通常、触媒前駆体中のチタンのグラム原子あたりの混合物中のDMACのモル数によって示され、約5〜約500、好ましくは約50〜約300モルのDMAC/チタングラム原子で変化する。DMAC含有2成分助触媒は、前駆体の固体成分の重合活性を促進するのに少なくとも有効である量で使用される。触媒組成物は重合反応器内で助触媒混合物及び触媒前駆体を別々に重合媒質に加えることによって活性化できる。触媒前駆体と助触媒混合物とを重合媒質内への導入前、例えば重合媒質内への導入前の約2時間までに、約−40〜約100℃の温度で結合することも可能である。
気相でアルファ−オレフィンオリゴマーを排除するためのDMAC:トリアルキルアルミニウムのモル比は40:1〜400:1の範囲であることができる。この範囲の高い方の端におけるモル比が生成物の分子量分布の見地から好ましい。従って、このモル比は好ましくは100:1〜300:1の範囲である。
触媒前駆体の合成が記述される。本発明において使用される触媒前駆体が、それらが製造される様式によって以下に記述される。
触媒前駆体中の金属は好ましくは担体上のマグネシウムまたはチタンを含む。マグネシウム及びチタン源は種々の異なった方法によって担体へ適用される。1つの方法において、触媒前駆体は
(A)非極性溶媒中でシリカ担体のスラリーを与えること;
(B)工程(A)のスラリーに有機マグネシウム化合物を加えること;
(C)工程(B)のスラリーに1種または数種の有機ケイ素化合物を加えること;
(D)工程(C)のスラリーに非極性炭化水素に可溶性の遷移金属化合物を加えること;
(E)工程(D)のスラリーに追加量の有機マグネシウム化合物を加えること;
(F)触媒前駆体を乾燥すること
によって形成される。
他の態様において、触媒前駆体の形成は
(A)マグネシウム化合物及びチタン化合物を極性溶媒中に溶解すること;並びに
(B)工程(A)の溶液を、固体の不活性多孔質担体と接触させ、そして溶媒を乾燥によって除去すること
を含んで成る。
本発明の特定の態様が記述される。本発明の不均質触媒前駆体は担体上に担持される。担体物質は固体、粒状で多孔質の、好ましくは無機物質である。これらの担体物質はケイ素及び/またはアルミニウムの酸化物のような無機物質を含む。この担体物質は平均粒子サイズ約1ミクロン〜約250ミクロン、好ましくは約10ミクロン〜約150ミクロンを有する乾燥粉末の形態で使用される。担体物質は多孔質で少なくとも約3m2/g、好ましくは少なくとも約50m2/gの表面積を有する。担体物質は吸収水がない状態であるべきである。担体物質の乾燥は約100℃〜約1000℃、好ましくは約600℃で加熱することによって実行できる。担体がシリカであるときは、それは少なくとも200℃、好ましくは約200℃〜850℃、最も好ましくは約600℃で加熱される。
最も好ましい態様において、担体はシリカであり、これは最初の触媒合成工程におけるその使用の前に窒素または空気と共に流動化し、約600℃において約16時間加熱することによって脱水され、0.7ミリモル/gの表面ヒドロキシル基濃度を達成する。最も好ましい態様のシリカは高表面積の、非晶質シリカ(表面積=300m2/g;孔体積1.65cm3/g)である。
シリカは、例えばスプレードライ法によって得られるような球形粒子の形態である。
非極性溶媒中の担体物質のスラリーは担体を溶媒内に、好ましくは攪拌しながら導入し、そしてこの混合物を約25〜約100℃、好ましくは約40〜約65℃へ加熱することによって製造される。このスラリーを次に有機マグネシウム化合物と、前述の温度における加熱を続けながら接触させる。
有機マグネシウム化合物は実験式RmMgR'n(式中、R及びR’は同じかまたは異なるC2〜C12のアルキル基、好ましくはC4〜C10のアルキル基、さらに好ましくはC4〜C8のアルキル基、そして最も好ましくはR及びR’の両方がブチル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する。
適切な非極性溶媒は、反応温度において液体であり、かつその中でここで使用する全ての反応体、例えば有機マグネシウム化合物、遷移金属化合物及びケイ素化合物が少なくとも部分的に可溶性である物質である。好ましい非極性溶媒は、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン及びデカンのようなアルカンであるが、シクロヘキサンのようなシクロアルカン、トルエン及びエチルベンゼンのような芳香族炭化水素を含む種々の他の物質も使用し得る。最も好ましい非極性溶媒はイソペンタン、ヘキサン及びヘプタンである。使用の前に、非極性溶媒を精製して、痕跡量の水、酸素、極性化合物、及び触媒活性に悪影響し得る他の物質を除去すべきである。
本触媒の合成の最も好ましい態様において、物理的及び化学的に完全に担体上に付着するだけの量の有機マグネシウム化合物を加えることが重要である。なぜなら溶液中の過剰の有機マグネシウム化合物は他の合成用化学物質と反応して担体の外側に沈澱し得るからである。有機マグネシウム化合物の担体中のヒドロキシル基に対する正確なモル比は変化し、そして溶液中に過剰の有機マグネシウム化合物を残さずに担体上に付着するだけの量の有機マグネシウム化合物が溶液に添加されることを確実にするためにケースバイケースの基準で決定すべきである。
例えば、約600℃で加熱されたシリカについて、スラリーに添加される有機マグネシウム化合物の量は、担体中のMg対ヒドロキシル基のモル比が約1:1〜約4:1、好ましくは約1.1:1〜約2.8:1、さらに好ましくは約1.2:1〜約1.8:1、最も好ましくは約1.4:1であるようなものである。
担体上に含浸されるマグネシウム化合物の量は、続いて添加されるシラン化合物の全てと反応し、ついで、本明細書の以降に説明する方法で担体上に遷移金属の触媒的有効量を組み込むために、遷移金属化合物と反応するのに十分であるべきである。
触媒前駆体製造の第2工程は、実験式(R1O)xSiR2 4-x(式中R1は1〜10炭素原子のヒドロカルビル基:R2はハロゲン原子、好ましくは塩素原子、水素原子または1〜10炭素原子のヒドロカルビル基;そしてxは1、2、3または4である)を有するシラン化合物を含む。好ましい種はSi(OR)4(式中RはC1〜C10ヒドロカルビル基である)として定義されるものである。ヒドロカルビル基は1〜10個の炭素原子を含むアルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル及びアリールアルケニル基を含む。本発明に従って使用できる特定のシラン化合物は、テトラメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、フェノキシトリメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、クロロトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エトキシトリエチルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジイソプロポキシジイソプロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)シラン、及びテトラアリルオキシシランを含む。
シラン化合物の導入のために、有機マグネシウム種を含む担体のスラリーを約40〜約65℃の温度に維持する。スラリーに添加するシラン化合物の量はシラン化合物の固体担体上に固定されたマグネシウムに対するモル比が約0.30〜約1.40であるようなものである。一態様において、前述のシラン化合物の有機マグネシウム含有中間体への組み込みの前に、中間体はSiCl4で予備的に処理される。SiCl4の固体担体上に固定されたマグネシウムに対するモル比は0.30〜1.40であり得る。
次の工程において、スラリーを非極性溶媒に可溶性の少なくとも1種の遷移金属化合物と接触させる。この合成工程は約25〜約75℃、好ましくは約30〜約70℃、そして最も好ましくは約45〜約65℃において実施する。好ましい態様において、添加する遷移金属化合物の量は担体上に付着できる量より多くない。従ってMg対遷移金属の正確なモル比は変化し、ケースバイケースの基準で決定されなければならない。例えば、約200〜約850℃で加熱されたシリカ担体について、遷移金属化合物の量は、固定Mg対遷移金属のモル比が0.5〜3、好ましくは約1〜2に等しいようなものである。
ここで使用される適切な遷移金属化合物は、元素周期表の第4及び5族(新しいIUPAC表記法)の化合物であるが、これらの化合物が非極性溶媒に可溶性であることを条件とする。そのような化合物の限定されない例は、チタンハロゲン化物(例えば4塩化チタン)、チタニウムアルコキシド(アルコキシド部分が約1〜約6炭素原子のアルキル基または組合せから成るもの)、並びにバナジウムハロゲン化物(4塩化バナジウム、バナジウムオキシトリクロライド)及びバナジウムアルコキシドである。好ましい遷移金属化合物はチタン化合物、好ましくは4価チタン化合物である。最も好ましいチタン化合物は4塩化チタンである。これらの遷移金属化合物の混合物も使用でき、そして一般に、含めることができる遷移金属化合物に何らの限定も課されない。単独で使用し得る全ての遷移金属化合物は他の遷移金属化合物と組み合わせても使用し得る。
4価のチタン化合物の有機マグネシウム化合物に対するモル比は0.3〜2、さらに詳細には0.5〜1.0であり得る。未反応のチタン化合物はデカンテーション、濾過及び洗浄等の適切な分離技術によって除去され得る。
遷移金属(例えばチタン)組み込みの後、触媒前駆体合成における本質的な最終工程は、有機マグネシウム化合物のチタン含有中間体への2回目の添加から成る。有機マグネシウム化合物でのこの追加の処理は、優秀な触媒組成物を製造する。
触媒前駆体製造の最終工程において使用する有機マグネシウム化合物は、実験式RmMgR'n(式中、R及びR’は同じかまたは異なるC2〜C12のアルキル基、好ましくはC4〜C10のアルキル基、さらに好ましくはC4〜C8のアルキル基、そして最も好ましくはR及びR’の両方がブチル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する。最終工程において使用する有機マグネシウム化合物の最初の工程で使用した有機マグネシウム化合物に対するモル比は0.2〜1.5の範囲である。
有機マグネシウム化合物でのこの2回目の処理は、単一の有機マグネシウム組み込み工程で形成された触媒組成物の活性と比較して生じた触媒組成物の触媒活性を増し、そして単一の有機マグネシウム組み込み工程で形成された触媒組成物のメルトフローインデックスに対する応答と比較して水素に対するメルトフローインデックス応答を増す。
適切な遷移金属化合物は、元素周期表の第4及び5族(新しいIUPAC表記法)の金属の化合物、例えばチタン及びバナジウムの化合物である。これらの化合物のうち、チタンの化合物が最も好ましい。
本前駆体を製造する際に使用するチタン化合物は式Ti(OR)aXb[式中、Rは1〜14個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族炭化水素基、またはCOR’(R’は1〜14個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族炭化水素基)であり、
Xは0、1または2であり、bは1〜4(1及び4を含む)であり、そしてa+b=3または4である]
を有することができる。
適切なチタン化合物はTiCl3、TiCl4、Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC6H5)Cl3、Ti(OCOCH3)Cl3、及びTi(OCOC6H5)Cl3を含む。
前駆体製造に使用されるマグネシウム化合物の式はMgX2(式中、XはCl、Br、I及びこれらの組合せより成る群から選択される)である。適切なマグネシウム化合物はMgCl2、MgBr2及びMgI2を含む。無水のMgCl2が特に好ましい。
前駆体を製造する際に使用される極性溶媒は25℃において液体でその中でチタン及びマグネシウム化合物が可溶性のものである。適切な極性溶媒は脂肪族及び芳香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、環式エーテル及び脂肪族ケトンを含む。好ましい溶媒は、1〜4個の炭素原子を含む飽和脂肪族カルボン酸のアルキルエステル、7〜8個の炭素原子を含む芳香族カルボン酸のアルキルエステル、2〜8(好ましくは4〜5)個の炭素原子を含む脂肪族エーテル、4〜5個の炭素原子を含む環式エーテル、好ましくは4個の炭素原子を含むモノ−またはジエーテル、及び3〜6(好ましくは3〜4)個の炭素原子を含む脂肪族ケトンである。これらの溶媒の最も好ましいものはギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン及びメチルエチルケトンを含む。
前駆体組成物はチタン化合物のような少なくとも1種の遷移金属化合物及び少なくとも1種のマグネシウム化合物を溶媒中で約20℃〜溶媒の沸点の温度で溶解することによって形成し得る。チタン化合物はマグネシウム化合物の添加の前または後、あるいはそれらと同時に極性溶媒に加えることができる。チタン化合物及びマグネシウム化合物の溶解は攪拌によって容易化でき、そして場合によってはこれらの2つの化合物のスラリーを溶媒中で還流することによって容易化できる。
前駆体の製造において、チタン化合物1モルあたり好ましくは約0.5モル〜約56モル、さらに好ましくは約1モル〜約10モルのマグネシウム化合物が使用される。
不活性担体物質の前駆体組成物による含浸は、担体を溶解された前駆体組成物と共に混合することによって達成し得る。溶媒は次に約85℃までの温度で乾燥することによって除去される。
適切には、含浸された担体物質は約3重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の触媒前駆体組成物を含む。
本発明のポリマー生成物が記述される。本発明の触媒組成物の存在下で製造されたポリマーは、エチレンとそれより高級なアルファ−オレフィンとの線状コポリマーである。このポリマーは従来既知の触媒組成物の存在下に製造された同様のポリマーと比較して比較的広い分子量分布を有する。このコポリマーはアルファ−オレフィンオリゴマーを含まず、そして図に示すように2モードの分子量分布を特徴とする。
本発明に従って製造されたエチレンコポリマーはエチレンと1種以上のC3〜C10アルファ−オレフィンとのコポリマーであり得る。従って、2種のモノマー単位を有するコポリマー並びに3種のモノマー単位を有するターポリマーも可能である。そのようなポリマーの特定の例はエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/1−ブテンコポリマー、エチレン/1−ヘキセンコポリマー、エチレン/4−メチル−1−ペンテンコポリマー、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセンターポリマー、エチレン/プロピレン/1−ヘキセンターポリマー及びエチレン/プロピレン/1−ブテンターポリマーを含む。最も好ましいポリマーはエチレンと、1−ヘキセン、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンとのコポリマーである。
本発明にしたがって製造されたエチレンコポリマーは少なくとも約80重量%のエチレン単位を含み、そして最も好ましくは、90重量%のエチレン単位を含む。
本発明の触媒の存在下で製造したポリマーの、MFR値として示される分子量分布は約35〜約60で変化する。本技術の当業者に既知のように、このようなMFR値は、比較的広い分子量分布を示す。
本発明の触媒で重合した樹脂から製造されたフィルムの物理的機械的性質は、同じ触媒前駆体を活性化するための従来既知の助触媒を使用して重合された樹脂のものよりも良好である。これらの触媒で製造されたフィルムは優秀な光学的特性(低い曇り及び高い光沢)及び衝撃抵抗(高い落槍衝撃抵抗)を示す。
重合方法の条件が記述される。エチレンとアルファ−オレフィンとの混合物は本発明に従って製造された触媒組成物を用いていかなる方法によっても重合される。そのような方法はサスペンション中、溶液中または気相中において実施される重合を含む。攪拌床反応器及び特に流動床反応器中で起こるもののような気相重合が好ましい。本発明に従う線状低密度エチレンコポリマーを製造するための特に望ましい方法は、流動床反応器内におけるものである。同方法を操作するための反応器及び手段は反応器及び手段はUS−A−4011382、US−A−4302566及びUS−A−4481301に記述されている。
本発明の方法におけるエチレンコポリマーの製造のために、約30°〜115℃の操作温度が好ましく、約75°〜95℃の温度が最も好ましい。約75°〜90℃の温度が約0.91〜0.92の密度を有する生成物を製造するのに使用され、約80°〜100℃の温度が約0.92〜0.94の密度を有する生成物を製造するのに使用され、そして約90°〜115℃の温度が約0.94〜0.96の密度を有する生成物を製造するのに使用される。流動床反応器は約1000psi(6.9MPa)以下の圧力で操作され、そして好ましくは約150〜350psi(1.0〜2.4MPa)の圧力で操作される。ポリマーの分子量は既知の方法、例えば重合が約70〜約105℃で実施されるときは水素を使用して制御できる。
本発明の触媒組成物は約0.01”〜約0.07”(0.25〜1.8mm)及び好ましくは約0.02”〜約0.04”(0.51〜1.0mm)の平均粒子サイズを有する粒状樹脂を得る。
特に望ましい性質を有するフィルムが本発明の触媒で製造された上述のエチレン/アルファ−オレフィンコポリマーで、種々の技術によって形成され得る。例えば、望ましい吹き込み(blown)フィルム及びスロットキャストフィルムが形成し得る。また、本発明の樹脂は高スターク(high−stalk)押し出しの役に立つ。
0.916〜0.935g/cm3の密度を有するエチレン/アルファ−オレフィンコポリマーから形成された吹き込みフィルムは、プラスチックバッグ製造用に特に望ましい性質を有し得る。気相、流動床反応器内で本発明に従う触媒で形成された0.927g/cm3の密度を有するエチレン/アルファ−オレフィンコポリマーから形成された吹き込みフィルムの特別の例は、改善された落槍衝撃強度、及びフィルムの縦方向における高められたエルメンドルフ引裂強度を有する吹き込みフィルムである。
以下の実施例は本発明の本質的な特徴をさらに例示する。しかし、実施例において使用される特定の反応対及び反応条件は本発明の範囲を限定しないことは本技術における当業者にとって明らかであろう。
実施例において製造されたポリマーの性質は次の試験方法によって決定された。
密度 ASTM−D−1505 プラックを作り、そして1時間100℃で状態調節して平衡結晶℃に近づけた。次に密度勾配カラム中で密度の測定を行った(g/cm3で報告)。
メルトインデックスI2 ASTM D−1238 条件E 190℃で測定した(10分あたりのグラム数で報告)。
高負荷メルトインデックスI21 ASTM D−1238 条件F 上記メルトインデックス試験において使用した重量の10.5倍で測定した。
メルトフロー比(MFR) I21/I2
ヘキセン含量 エチレン/1−ヘキセンコポリマーを、T.E.Nowlin、Y.V.Kissin及びK.P.Wagnerの論文、エチレンコポリマーのための高活性ティーグラーナッタ触媒、ジャーナルオブポリマーサイエンス:パートA:ポリマーケミストリー第26巻、755〜764頁(1988)に記述される赤外スペクトル法によって測定した。
落槍衝撃 ASTM D1709 自由落下ダート法(F50)
触媒前駆体の製造
実施例A
シュレンクフラスコに、600℃で前以てか焼したDavisonグレード955シリカ(7.0g)、及びヘプタン(90mL)を入れた。フラスコを約55℃の油浴内に入れ、そしてジブチルマグネシウム(DBM;7.00ミルモル)をこのシリカスラリーに加えた。混合物をこの温度で1時間攪拌した後、SiCl4(4.6ミリモル)を添加し、そして混合物を約55℃でさらに1時間攪拌した。次にテトラブトキシシラン(4.6ミリモル)を混合物に加え、そしてスラリーを約55〜60℃でさらに1.5時間攪拌した。次にTiCl4(7.0ミリモル)を反応媒質に加え、そして混合物を1時間攪拌した。最後にDBM(7.0ミリモル)を55〜60℃でスラリーに加えた。最終混合物を約1時間攪拌し、そして次にヘプタンを強い窒素流下に蒸発によって除去し、淡褐色の粉末10.2gを得た。Tiの重量%は2.91であった。
実施例B
触媒前駆体をUS−A−3989881及び欧州特許出願84103441.6に従って合成した。機械攪拌機を備えた12リットルのフラスコ内に41.8g(0.439モル)の無水MgCl2及び2.5リットルのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。この混合物に29.0g(0.146モル)のTiCl30.33AlCl3粉末を30分間にわたって加えた。この混合物を、全ての物質を完全に溶解するために次に60℃でさらに30分間加熱した。
シリカ(500g)を600℃で脱水し、そして3リットルのイソペンタン中でスラリーにした。スラリーをヘキサン中のTEAL(20重量%溶液186cm3)で予備処理し、これを攪拌したシリカスラリーに15分間にわたって加えた。スラリーを次に60℃での窒素パージ下で約4時間乾燥し、5.5重量%のアルミニウムアルキルを含む乾燥した自由流動性の粉末を得た。
予備処理されたシリカを上述の触媒前駆体の溶液に加えた。スラリーを15分間攪拌し、そして次に溶媒を60℃での窒素パージ下で約4時間にわたって乾燥した。
エチレン/アルファ−オレフィン共重合反応
実施例1〜14:スラリー重合反応
エチレン/1−ヘキセンコポリマーを実施例A及びBからの触媒前駆体で製造した。実施例Aに記述した触媒前駆体を使用した典型的な実験が次に示される。
磁気攪拌機を備えた1.6リットルのステンレス鋼オートクレーブを遅い窒素パージ下で50℃においてヘプタン(750mL)及び1−ヘキセン(120mL)で満たし、そして次に3.0ミリモルのDMAC及び適切な量のTEALまたはTMAを加えた。反応器温度を93℃に上げ、そして内部圧力を水素で76psi(524KPa)上げ、そして次にエチレンを導入して全圧を184psig(1.37MPa)に維持した。反応器温度を80℃に下げた後、触媒前駆体をエチレン過剰圧力で反応器内へ導入し、そして温度を上げて93℃に保持した。重合を60分間実施し、次にエチレン供給を停止した。反応器を室温まで放冷し、ポリエチレンを集めて空気中で一晩乾燥した。
スラリーエチレン−1−ヘキセン共重合反応において、助触媒として一連のDMAC−TEAL混合物を実施例Aの触媒前駆体と共に93℃及びエチレン圧力100psiで使用した。結果を表1に示す。
DMAC:TEAL混合物の使用は、1:35のように低いTEAL:DMAC比においてさえ、高い生産性を生じた。この効果はより低いDMAC:TEAL比においてさらに著しい。重要なことに、DMAC及びTEALの混合物によって活性化された触媒前駆体がDMACまたはTEALのいずれかによって活性化された同じ前駆体よりも活性であり得る。
スラリーエチレン−1−ヘキセン共重合反応において、助触媒として一連のDMAC−TMA混合物を実施例Aの触媒前駆体と共に93℃及びエチレン圧力100psiで使用した。結果を表2に示す。
TMAのDMACへの添加は2つの有利な効果:より高い生産性及びより高いフローインデックス応答を有する。DMAC及びTMAの混合物によって活性化された触媒前駆体はDMACまたはTMAのいずれかによって活性化された同様の触媒よりも活性であり得る。
実施例15〜19:気相重合
気相流動床重合反応器内で一連のエチレン−ヘキセン共重合試験を行った。DMACのみが助触媒として使用され、そして上述の(実施例A及びB)両方の触媒前駆体が使用されたとき、反応器は数回運転停止し、そして調査によって油性のヘキセンオリゴマーの形成が明らかになった。しかし、DMAC−TMA混合物が実施例Aの触媒前駆体と共に使用されたとき、油形成を示すものはなかった。気相反応器内でのDMAC−TMA混合物を使用した試験の結果を表3に示す。
表1及び2におけるデータと同様に、TMAのDMACへの添加は触媒の増加された生産性を生じた。しかし、これらの樹脂の好ましい広い分子量分布(35〜60のMFR値に相当)は、TMA濃度が100:1より大きいDMAC:TMAモル比を維持するために調節されるまで気相反応器内で観察されなかった。TMAが助触媒として単独で使用されたとき、樹脂のMFR値は25〜30の範囲に過ぎなかった。
アルファ−オレフィンオリゴマー形成の抑制に加えて、助触媒としてのDMAC−TMA混合物の使用は他の予期されないそして新規な利点んを有する。触媒活性及び水素応答が、樹脂のMFR値または沈降嵩密度を犠牲にすることなく改善された[表3の全ての試験における約30ポンド/フィート3(481kg/m3)に対して、TMAで助触媒された樹脂についての約25ポンド/フィート3(400kg/m3)]。例えば、表3のデータは300:1のDMAC:TMA混合物がDMAC単独を上回って活性を100%改善したことを示す。また、この混合物の使用は反応器内で要求される水素圧力を30%減じる。本触媒組成物で製造された樹脂は2モードの分子量分布(図を参照)を有する。
Claims (15)
- (a)担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る触媒前駆体、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;並びに
(b)ジメチルアルミニウムクロライド(DMAC)とトリアルキルアルミニウム(TMA)化合物の混合物を含んで成る2成分助触媒混合物、ここでDMACのTMAに対するモル比は100:1より大きく300:1以下であり、助触媒混合物は触媒前駆体を活性化するのに十分な量で与えられる
を含んで成る、エチレン気相重合用触媒組成物。 - 担体がシリカである、請求項1に記載の触媒組成物。
- マグネシウム成分が式RmMgR'n(式中、R及びR'は同じかまたは異なるC4〜C12のアルキル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する有機マグネシウム化合物によって与えられる、請求項1または2に記載の触媒組成物。
- R及びR'がC4〜C10のアルキル基である、請求項3に記載の触媒組成物。
- R及びR'がC4〜C8のアルキル基である、請求項3に記載の触媒組成物。
- R及びR'がそれぞれブチル基である請求項3に記載の触媒組成物。
- 遷移金属成分がチタンである、請求項1〜6のいずれかに記載の触媒組成物。
- 遷移金属成分がチタンのハロゲン化物の形態で与えられる、請求項7に記載の触媒組成物。
- 遷移金属成分が4塩化チタンまたは3塩化チタンの形態で与えられる、請求項8に記載の触媒組成物。
- TMA化合物がトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムである、請求項1〜9のいずれかに記載の触媒組成物。
- (a)担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る触媒前駆体を製造すること、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;並びに
(b)前記触媒前駆体に、ジメチルアルミニウムクロライド(DMAC)とトリアルキルアルミニウム(TMA)化合物の混合物を含んで成る2成分助触媒混合物を加えること、ここでDMACのTMAに対するモル比は100:1より大きく300:1以下であり、助触媒混合物は触媒前駆体を活性化するのに十分な量で与えられる
を含んで成る、エチレン気相重合用触媒組成物の製造方法。 - 前駆体が次の工程:
マグネシウム化合物及び遷移金属化合物を極性溶媒中に、チタンのマグネシウムに対する0.2対0.5のモル比で溶解すること
該溶液を固体の不活性多孔質担体と接触させ、そして乾燥によって溶媒を除去して触媒前駆体を形成すること
を含んで成る方法によって製造される、請求項11に記載の方法。 - 触媒前駆体が次の工程:
(i)固体の多孔質担体のスラリーを、非極性溶媒中で式RmMgR'n(式中、R及びR'は同じかまたは異なるC4〜C12のアルキル基であり、そしてm及びnはm+n=2であることを条件としてそれぞれ0、1または2である)を有する少なくとも1種の有機マグネシウム化合物と接触させること
(ii)工程(i)の前記中間体を(a)SiCl4及び(b)式(R1O)xSiR2 4-x(式中xは1、2、3または4;R1は1〜10炭素原子のヒドロカルビル基:そしてR2はハロゲン原子または1〜10炭素原子のヒドロカルビル基または水素原子である)のシラン化合物より成る群から選択される少なくとも1種の化合物と接触させること、並びに
(iii)工程(ii)の前記中間体を少なくとも1種の遷移金属化合物と非極性液体媒質中で、前記遷移金属化合物の工程(i)の前記有機マグネシウム化合物に対する0.5〜1.5のモル比で接触させること
によって製造される、請求項11に記載の方法。 - 次の工程:
(iv)工程(iii)の前記遷移金属含有中間体を追加量の有機マグネシウム化合物RmMgR'n(式中、R及びR'は同じかまたは異なるC1〜C12のアルキル基であり、そしてm+n=2である)を接触させること、続いてスラリーを乾燥することによって担持された触媒前駆体を製造すること
が工程(iii)の後に実施される、請求項13に記載の方法。 - エチレンを3〜10炭素原子のアルファ−オレフィンと気相共重合して、2モードの分子量分布を有し、35〜60のMFR(I21/I2)値を特徴とし、かつアルファ−オレフインオリゴマーを含有しないエチレンコポリマー生成物を形成する方法であって、
流動床気相反応器内にエチレン重合条件下でアルファ−オレフィンと混合したエチレンを含んで成る供給原料を導入し、そして該供給原料を担体並びにマグネシウム及び遷移金属成分を含んで成る固体触媒前駆体と接触させること、ここで遷移金属成分は触媒前駆体の0.5〜5重量%を構成し、そして遷移金属のマグネシウムに対するモル比が0.2:1.0〜1.0:1.0である;そして
DMACとTMA化合物との混合物を含んで成る2成分助触媒混合物の混合物を反応器内に供給すること、ここでDMACのTMAに対するモル比は100:1より大きく300:1以下である
を含んで成る前記の方法。
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