JP3759914B2 - フォトマスク及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置の製造に用いられる微細パターン形成用のフォトマスク及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体を用いて実現する大規模集積回路装置(以下、LSIと称する)の高集積化のために回路パターンの微細化がますます必要となってきている。その結果、回路を構成する配線パターンの細線化、又は絶縁層を介して多層化された配線同士をつなぐコンタクトホールパターン(以下、コンタクトパターンと称する)の微細化が非常に重要となってきた。
【0003】
以下、近年の光露光システムによる配線パターンの細線化について、ポジ型レジストプロセスを用いて行なう場合を想定して説明する。ポジ型レジストプロセスにおいて、ラインパターンとは、フォトマスクを用いた露光及びその後の現像によって、露光光の遮光領域と対応して残存するライン状のレジスト膜(レジストパターン)である。また、スペースパターンとは、露光光の照射領域と対応するレジスト除去部(レジスト除去パターン)である。また、コンタクトパターンとは、ホール状のレジスト除去部であり、スペースパターンのうち特に微小なものと考えればよい。尚、ポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いる場合、前述のラインパターン及びスペースパターンのそれぞれの定義を入れ替えればよい。
【0004】
一般に、配線パターンの微細化には、超解像露光と呼ばれる斜入射露光を用いた細線パターン形成方法が導入されてきた。この方法は、露光光の遮光領域と対応するレジストパターンの微細化方法として優れていると共に、周期的に配置された密パターンの焦点深度を向上させる効果も有している。但し、この斜入射露光方法は、孤立したレジスト除去部を微細化する方法としてはほとんど効果がなく、逆に、像(光学像)のコントラストや焦点深度を劣化させるものである。このため、斜入射露光方法は、レジスト除去部の寸法がレジストパターンの寸法よりも大きいという特徴を有するパターン形成、例えばゲートパターン形成等に積極的に用いられてきている。
【0005】
一方、微小コンタクトパターンのような孤立した微細なレジスト除去部を形成するためには、斜入射部分を含まない低干渉度の小さな光源を用いることが効果的であることがわかっている。このとき、ハーフトーン位相シフトマスクを用いると、より効果的である。ハーフトーン位相シフトマスクにおいては、コンタクトパターンと対応する透光部(開口部)を囲むマスクパターンとして、完全遮光部に代えて、露光光に対して3〜6%程度の非常に低い透過率を有し且つ開口部を透過する光に対して180度の位相反転を生じる位相シフターが設けられている。
【0006】
尚、本明細書において、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。また、完全遮光膜(完全遮光部)とは、実効透過率が1%よりも小さい遮光膜(遮光部)を意味するものとする。
【0007】
以下、ハーフトーン位相シフトマスクによるパターン形成方法の原理について、図13(a)及び(b)を参照しながら説明する。
【0008】
図13(a)は、ハーフトーン位相シフトマスクに対して露光を行なっている様子を示しており、図13(b)は、図13(a)に示すハーフトーン位相シフトマスクに対して露光を行なったときに被露光ウェハ上に形成される光強度分布を示している。図13(a)に示すように、ハーフトーン位相シフトマスクにおいては、透過性基板70における透光部形成領域(開口部形成領域)以外の他の領域の上に位相シフター71が形成されている。位相シフター71は、低い透過率で光を透過させるだけではなく、位相シフター71を透過する光に、透過性基板70(正確には位相シフター71のない基板部分(透光部))を透過する光に対して180度の光路差(位相差)を与えるように形成されている。このハーフトーン位相シフトマスクに対して露光光72を照射すると、透光部(開口部)を透過する透過光73は露光光72と同位相になる一方、位相シフター71を透過する透過光73は露光光72と反対位相になる。すなわち、開口部を透過する透過光73と位相シフター71を透過する透過光73との境界において180度の位相変化が発生する。このため、位相変化の境界となる開口部の輪郭周辺では、位相空間上での光の振幅が0となる領域が発生するので、図13(b)に示すように、該領域は光強度分布における強い暗部となる。従って、ハーフトーン位相シフトマスクを透過した光の像においては、開口部周辺で非常に強いコントラストが実現される。尚、図13(a)において、露光光72と同位相の透過光73は露光光72と同じ向きの矢印で示しており、露光光72と反対位相の透過光73は露光光72と反対向きの矢印で示している。
【0009】
尚、ハーフトーン位相シフトマスクによるコントラストの向上は、マスクに対して垂直に入射する光、具体的には低干渉度の小さな光源領域からマスクに入射する光に対して生じる一方、斜入射露光、例えば垂直入射成分(光源中心からの照明成分)を取り除いた輪帯照明と呼ばれるような露光に対しては、開口部周辺(位相変化が発生する付近)でもコントラストの向上は見られない。さらに、低干渉度の小さな光源により露光を行なう場合と比べて、斜入射露光を行なう場合の方が焦点深度も低くなるという欠点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、コンタクトパターンのような微細なレジスト除去パターンをポジ型レジストプロセスにより形成しようとした場合、垂直入射成分だけの照明となる干渉度0.5程度以下の小さな光源をハーフトーン位相シフトマスクと組み合わせて露光を行なう必要があった。この方法は、微細な孤立配置のコンタクトパターンの形成には非常に効果的であった。
【0011】
ところで、近年の半導体装置の高集積化に伴って、配線パターンのみならずコンタクトパターンにおいても孤立配置されたパターンと共に密に配置されたパターンが必要とされるようになってきている。ここで、密に配置されたコンタクトパターンの形成において高い焦点深度を実現するためには、密に配置された配線パターンと同様に斜入射露光が効果的である。
【0012】
また、近年、配線パターン形成においても、配線パターンとなるラインパターンの微細化に加えて、配線間のスペースパターンの微細化も必要となってきている。ここで、孤立した微小な配線間スペースパターンの形成に、低干渉度の光源をハーフトーン位相シフトマスクと組み合わせて使用することが効果的であることは孤立コンタクトパターンの場合と同様である。
【0013】
すなわち、高密度の配線パターン及び高密度のコンタクトパターンの形成には斜入射露光が必須である一方、斜入射露光を行なうと、孤立のコンタクトパターン及び孤立の配線間スペースパターンのコントラスト及び焦点深度が著しく悪化する。このコントラスト及び焦点深度の悪化は、解像度向上のためにハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合、より一層顕著になる。
【0014】
逆に、孤立した微小コンタクトパターン及び孤立した微小配線間スペースパターンの形成のために、低干渉度の小さな光源を用いると、高密度パターン又は微小ラインパターンの形成が困難になるという問題がある。
【0015】
従って、孤立配置された微小なスペースパターンに対する最適照明条件と、密に配置されたパターン又は微小なラインパターンに対する最適照明条件とは相反関係にある。このため、微小なレジストパターンの形成と微小な孤立レジスト除去パターンの形成とを同時に行なうために、光源からの垂直入射成分及び斜入射成分のそれぞれの効果に対してトレードオフが行なわれ、結果として干渉度が中程度(0.5〜0.6程度)の光源が用いられる。しかし、この場合、垂直入射及び斜入射の両方の効果が相殺されるので、孤立ラインパターン又は密集パターンと孤立スペースパターンとを同時に微細化して半導体装置のさらなる高集積化を実現していくことは困難になる。
【0016】
前記に鑑み、本発明は、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1のフォトマスクは、露光光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に透過性基板との間で前記露光光に対して(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる半遮光膜と、半遮光膜における透光部形成領域の周辺部の上に形成されており、露光光に対して1%よりも小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備えている。
【0018】
第1のフォトマスクによると、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に半遮光膜が形成されていると共に、半遮光膜における透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜が形成されている。このため、透光部(開口部)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、開口部と対応する明部と、半遮光膜における完全遮光膜が形成されていない部分(半遮光膜の単層構造部分)よりなる半遮光部と対応する明部との間に、開口部の周辺部に位置する完全遮光膜よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、開口部が孤立している場合(他の開口部から(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以上離れている場合)にも、開口部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0019】
また、第1のフォトマスクによると、マスク設計段階において、開口部と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0020】
第1のフォトマスクにおいて、所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0021】
このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0022】
第1のフォトマスクにおいて、完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0023】
このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0024】
本発明に係る第2のフォトマスクは、露光光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜と、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上に形成されており、露光光に対して1%よりも小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、透過性基板における透光部形成領域は、透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されている。
【0025】
第2のフォトマスクによると、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜が形成されている。また、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜が形成されていると共に、透過性基板における透光部形成領域が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板の掘り下げ部によって、高透過率位相シフターとなる透光部が形成される。ここで、透光部を透過する光と、位相シフト膜における完全遮光膜が形成されていない部分(位相シフト膜の単層構造)よりなる低透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同位相である。このため、透光部(高透過率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、高透過率位相シフターと対応する明部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間に、高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、高透過率位相シフター(透光部)が孤立している場合(他の透光部から(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以上離れている場合)にも、透光部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。尚、本明細書において、高透過率位相シフターとは、60%以上の透過率を持つ位相シフターを意味するものとする。
【0026】
また、第2のフォトマスクによると、マスク設計段階において、透光部と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0027】
また、第2のフォトマスクによると、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同様のマスクブランク構造(透過性基板と位相シフト膜との積層構造)を有する。このため、透光部が密集している場合((2×λ/NA)×M程度以下の寸法で透光部同士が隣り合う場合)には、透過性基板における密集透光部形成領域を掘り下げずに密集透光部を形成すると共に位相シフト膜における密集透光部形成領域の周辺部の上には完全遮光膜を配置しないことによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造を、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等にできる。
【0028】
第2のフォトマスクにおいて、所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0029】
このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0030】
第2のフォトマスクにおいて、完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0031】
このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0032】
第2のフォトマスクにおいて、位相シフト膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口部を有することが好ましい。
【0033】
このようにすると、透過性基板における複数の他の透光部形成領域(以下、密集透光部形成領域)及びその周辺部を掘り下げずに密集透光部を形成すると共に位相シフト膜における密集透光部形成領域の周辺部の上には完全遮光膜を配置しないことによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。従って、斜入射露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上させることができる。尚、密集透光部とは、(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。
【0034】
本発明に係る第3のフォトマスクは、露光光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、透過性基板よりも露光光に対する透過率が低い半遮光膜と、半遮光膜の上に形成されており、透過性基板及び半遮光膜の積層構造との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜と、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上に形成されており、露光光に対して1%よりも小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、透過性基板における透光部形成領域は、透過性基板及び半遮光膜の積層構造との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されており、半遮光膜及び位相シフト膜の積層構造は、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有する。
【0035】
第3のフォトマスクによると、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる、半遮光膜及び位相シフト膜の積層構造が形成されている。また、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜が形成されていると共に、透過性基板における透光部形成領域が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板の掘り下げ部によって、高透過率位相シフターとなる透光部が形成される。ここで、透光部を透過する光と、半遮光膜及び位相シフト膜の積層構造における完全遮光膜が形成されていない部分よりなる低透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同位相である。このため、透光部(高透過率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、高透過率位相シフターと対応する明部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間に、高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、高透過率位相シフター(透光部)が孤立している場合(他の透光部から(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以上離れている場合)にも、透光部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0036】
また、第3のフォトマスクによると、マスク設計段階において、透光部と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0037】
第3のフォトマスクにおいて、所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0038】
このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0039】
第3のフォトマスクにおいて、完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0040】
このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0041】
第3のフォトマスクにおいて、半遮光膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口部を有し、位相シフト膜は、半遮光膜における複数の開口部の間の部分以外の他の部分の上に形成されており、完全遮光膜は、位相シフト膜における複数の他の透光部形成領域の周辺部の上に形成されていることが好ましい。
【0042】
このようにすると、密集透光部のうち周縁領域に位置する透光部と対応するパターンの形成においては、光強度分布における周期的な変化を利用して前述のフォーカス特性向上効果が得られる。また、密集透光部のうち中心領域に位置する透光部と対応するパターンの形成においては、該中心領域のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になるので、斜入射露光との組み合わせにより、焦点深度及び解像力の向上効果が得られる。尚、密集透光部とは、(2×λ/NA)×M以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。
【0043】
本発明に係るパターン形成方法は、本発明に係る第1〜第3のフォトマスクを用いたパターン形成方法を前提とし、基板上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜にフォトマスクを介して露光光を照射する工程と、露光光を照射されたレジスト膜を現像して、レジスト膜をパターン化する工程とを備えており、露光光を照射する工程においては斜入射照明法を用いることが好ましい。
【0044】
本発明のパターン形成方法によると、透光部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じる本発明の第1〜第3のフォトマスクを用いた露光を行なうため、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0046】
図1(a)は、第1の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示している。
【0047】
ところで、露光機の縮小投影光学系の縮小倍率をMとすると、通常のフォトマスクにおいては、露光光源に対して完全遮光膜となるクロム等の材料を用いて、所望のパターン(一般にはウェハ上での設計値を持つ)のM倍の大きさのパターンが、露光光源に対して高い透過率を有する材料からなる基板(透過性基板)の上に描かれている。しかしながら、本明細書においては、特に断らない限り、簡単のため、フォトマスクについて説明する場合にも、ウェハ上の寸法をM倍したマスク上の寸法は使わずに、ウェハ上の寸法を用いて説明する。また、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜における光が照射された部分が除去されるということを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことになる。また、本実施形態においては、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。
【0048】
図1(b)は、第1の実施形態に係るフォトマスク、具体的には、図1(a)に示す所望のパターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図1(b)に示すように、所望のパターンにおけるレジスト除去部に対応するように開口部(透光部)が設けられている。また、開口部を囲む遮光性のマスクパターンとして、露光光を完全に遮光する完全遮光部と共に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を有し且つ開口部と同位相で光を透過させる半遮光部を用いている。具体的には、開口部の周辺部に完全遮光部が設けられていると共に、該完全遮光部を囲むように半遮光部が設けられている。
【0049】
尚、第1の実施形態においては、完全遮光部は、矩形状の開口部の各辺から所定の寸法(例えばλ/NA(但しλは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数))以下の領域に配置されている。すなわち、マスク設計段階において、開口部と対応する図形を所定の寸法だけ拡大し、該拡大図形から、開口部と対応する図形を引き去ることにより、完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できる。このように作成された本実施形態のフォトマスクにおいては、開口部を通過する光の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。また、図1(b)に示すように、狭い間隔で隣り合う開口部同士の間の領域には完全遮光部のみが存在する一方、広い間隔で隣り合う開口部同士の間の領域には、各開口部の近傍に配置された完全遮光部と、該完全遮光部同士の間に配置された半遮光部とが存在する。従って、本実施形態のフォトマスクにおいて、開口部及び半遮光部を明部と考え、完全遮光部を暗部と考えると、開口部の位置は必ず、明部、暗部、明部、暗部及び明部と交互に並んだ配置における中央の明部と対応する位置になる。このように明部及び暗部が繰り返し配置されており、且つその繰り返し周期(明部(暗部)からその隣の明部(暗部)までの距離)が光学的な干渉効果の影響が無視できない距離、つまり2×λ/NA以下であるパターンは周期パターンとしての光学特性を有する。
【0050】
図1(c)は、図1(b)におけるAA’線の断面図、つまり第1の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図1(c)に示すように、図1(b)に示すフォトマスクは以下のようにして実現されている。すなわち、透過性基板10における透光部形成領域(開口部形成領域)以外の他の領域の上に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を持つ半遮光膜(ハーフトーン膜)11を形成すると共に、ハーフトーン膜11における透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜12を形成する。ここで、ハーフトーン膜11は、単体として、透光部(開口部)と同位相(実際には(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×n)以下(但しnは整数)の位相差)で光を透過するように厚さが調整されている。また、ハーフトーン膜11の材料としては、例えばモリブデンシリコン等を用いることができると共に、完全遮光膜12の材料としては、クロム等を用いることができる。
【0051】
以上により、開口部(明部)と、ハーフトーン膜11の単層構造よりなる半遮光部(明部)との間に、開口部の周辺部に位置する完全遮光膜12よりなる完全遮光部(暗部)が設けられた、図1(b)に示す構造のフォトマスクが実現される。このようなフォトマスクは、例えば、透過性基板上にハーフトーン膜及び完全遮光膜が順次積層されたマスクブランクを用意して、完全遮光膜及びハーフトーン膜に対して順次エッチングを行なうことにより、容易に形成できる。
【0052】
ここで、本実施形態のフォトマスクによるフォーカス特性向上効果について説明する。
【0053】
図2(a)及び(b)は、マスク表面に設けられた完全遮光部に孤立した開口部が設けられてなる通常のフォトマスク(以下、完全遮光マスクと称する)の平面図及び断面図である。図2(b)に示すように、完全遮光マスクは、透過性基板80における開口部形成領域以外の他の領域の上に、完全遮光部となる通常の遮光膜(例えばクロム膜等)81を設けることによって実現されている。また、図2(c)は、図2(a)及び(b)に示す完全遮光マスクを露光した場合における図2(a)の線分AA’と対応する光強度分布を示している。図2(c)に示すように、完全遮光マスクにより形成される光強度分布は、開口部の中心にピークを持つ。通常、このような光強度分布を実現するのに適した露光方法は、光源からの光がマスクに対して垂直に入射する低干渉度の露光方法である。言い換えると、孤立開口部を有する完全遮光マスクを露光する際には、斜入射露光等の高干渉度の露光方法は適さない。すなわち、周期性を有する密集パターンの形成においてフォーカス特性の改善に効果を持ち、超解像技術とも呼ばれている斜入射露光も、孤立開口部を有する完全遮光マスクを用いたパターン形成においては全く効果がない。
【0054】
図3(a)及び(b)は、前述の完全遮光マスクの欠点を克服するために本願発明者が初めに考案したハーフトーンマスク(マスク表面に設けられた半遮光部に孤立した開口部が設けられてなるフォトマスク)の平面図及び断面図である。図3(b)に示すように、ハーフトーンマスクは、透過性基板90における開口部形成領域以外の他の領域の上に、開口部と同位相で露光光を透過させるハーフトーン膜91を半遮光部として設けることによって実現されている。また、図3(c)は、図3(a)及び(b)に示すフォトマスクを露光した場合における図3(a)の線分AA’と対応する光強度分布を示している。図3(c)に示すように、ハーフトーンマスクにより形成される光強度分布は、開口部の中心にピークを持つと共に、開口部の外側にも、レジスト膜を感光させない程度の光強度を有している。
【0055】
図4(a)及び(b)は、前述のハーフトーンマスクに続いて本願発明者が考案した本実施形態のフォトマスク(以下、本発明のマスクと称することもある)、つまり、開口部の近傍に自己整合的に完全遮光部が設けられていると共に完全遮光部を囲むように半遮光部が設けられてなるフォトマスクの平面図及び断面図である。図4(b)に示すように、本発明のマスクは、透過性基板10における開口部形成領域以外の他の領域の上に、開口部と同位相で露光光を透過させるハーフトーン膜11を半遮光部として設けると共にハーフトーン膜11における開口部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜12を完全遮光部として設けることによって実現されている。また、図4(c)は、図4(a)及び(b)に示すフォトマスクを露光した場合における図4(a)の線分AA’と対応する光強度分布を示している。図4(c)に示すように、本発明のマスクにより形成される光強度分布は、開口部の中心にピークを持つと共に、開口部の外側にも、レジスト膜を感光させない程度の光強度を有している。さらに、この光強度分布においては、開口部(明部)と半遮光部(明部)との間に完全遮光部(暗部)が設けられた構造と対応する周期的な変化が実現されている。そして、このような光強度分布における周期的な変化によって、斜入射露光時にフォーカス特性向上効果が得られる。
【0056】
本願発明者は、完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれを用いてパターン形成を行なったときのフォーカス特性を光強度シミュレーションにより計算してみた。図5(a)〜(c)は、シミュレーションに用いた完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれの平面図を示している。ここで、各マスクの寸法は、同じ露光量により幅0.12μmのパターンが形成されるように調整されている。具体的には、図5(a)〜(c)に示すように、完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれに設けられた開口部の幅は0.103μm、0.062μm及び0.092μmである。また、図5(d)は、パターン寸法におけるフォーカス依存性をシミュレーションした結果を示している。図5(d)においては、フォーカス位置=0.0μmのときのパターン寸法と比べて、フォーカス位置が変化したときのパターン寸法が変化しにくいことが優れたフォーカス特性を意味している。尚、シミュレーション条件としては、光源波長λ=193nm(ArF光源)、開口数NA=0.6、2/3輪帯照明を用いている。
【0057】
図5(d)に示すように、完全遮光マスク(例えば通常のクロムマスク)と比べて、本発明のマスクを用いることによってフォーカス特性が改善されている。また、完全遮光マスク(例えば通常のクロムマスク)と比べて、ハーフトーンマスクを用いることによってもフォーカス特性が改善されている。その理由は次の通りである。すなわち、ハーフトーンマスクの半遮光部は露光光に対して透過性を有するため、該半遮光部を透過する0次光、つまり回折しない光の成分が光強度分布形成において寄与する割合が増加すると共に、該回折しない光の成分はデフォーカスによる影響を受けにくい。また、本発明のマスクにおいては、この0次光によるフォーカス特性向上効果が得られると共に、開口部近傍に完全遮光部を設けることによって実現される光強度分布の周期的な変化によるフォーカス特性向上効果が斜入射露光時に得られるので、フォーカス特性がより大きく改善される。すなわち、本発明のマスクは2つのフォーカス特性向上効果を同時に実現できるので、本発明のマスクを用いることによりフォーカス特性の優れたパターン形成を行なうことができる。
【0058】
ここまで本発明のマスクによってフォーカス特性が向上することを説明してきたが、次に、本発明のマスクにおける半遮光部の透過率に対するコントラスト及びDOFの依存性について説明する。ここでは、図6(a)に示す本発明のマスクを用いて、パターン形成における各種マージンをシミュレーションした結果に基づいた説明を行なう。図6(b)は、図6(a)に示す本発明のマスクに対して露光を行なったときに形成される光強度分布を示している。図6(b)においては、図6(a)に示す本発明のマスクを用いて幅100nmのホールパターンを形成しようとした場合に定義される各種のマージンに関する値も図中に示している。具体的には、臨界強度Ithはレジスト膜が感光する光強度であり、この値に対して各種のマージンが定義される。例えばIpを光強度分布のピーク値とすると、Ip/Ithはレジスト膜を感光させる感度に比例する値となり、この値が高いほど好ましい。また、Ibを半遮光部を透過する光のバックグラウンド強度とすると、Ith/Ibが高いほどパターン形成時にレジスト膜の膜減り等が発生しないことを意味し、この値が高いほど好ましい。一般にIth/Ibの値は2以上あることが望まれている。以上のことを踏まえて各マージンについて説明する。
【0059】
図6(c)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するDOFの依存性について計算した結果を示している。ここで、DOFは、パターンの仕上がり寸法の変化が10%以内に収まるフォーカス位置の幅として定義してある。図6(c)に示すように、DOFの向上には半遮光部の透過率は高いほど好ましい。また、図6(d)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するピーク値Ipについて計算した結果を示している。図6(d)に示すように、ピーク値Ip、つまりコントラストの向上にも半遮光部の透過率は高いほど好ましい。以上の結果から、本発明のマスクにおいては、半遮光部の透過率は高いほど好ましく、具体的には、図6(c)及び(d)に示すように、透過率が0%から6%程度まで上がる間に露光マージンの向上率が大きくなっており、透過率が6%以上の半遮光部を用いることが好ましいことが理解できる。
【0060】
図6(e)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するIth/Ibについて計算した結果を示している。図6(e)に示すように、Ith/Ibは半遮光部の透過率が高くなるほど低くなっており、Ith/Ibの向上には半遮光部の透過率が高くなりすぎると好ましくない。具体的には、半遮光部の透過率が15%程度でIth/Ibは2よりも小さくなってしまう。また、図6(f)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するIp/Ithについて計算した結果を示している。図6(f)に示すように、半遮光部の透過率が15%程度のところにIp/Ithはピークを持っている。
【0061】
以上に説明したように、本発明のマスクにおいては、DOF又はコントラストは半遮光部の透過率を高くするほど向上し、その効果は半遮光部の透過率が6%を越えるとより顕著になる。一方、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り防止、又はレジスト感度の最適化等の観点からは、半遮光部の透過率の最大値は15%程度にしておくことが好ましい。従って、本発明のマスクにおける半遮光部の透過率の最適値は6%以上で且つ15%以下であると言える。
【0062】
次に、第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法について説明する。ここで、露光機を用いてマスクパターンの縮小転写を行なうときに、斜入射露光光源を用いてもよい。ここで、斜入射露光光源とは、図7(a)に示すような通常露光光源に対して、フォトマスクにおける光源中心と対応する部分に垂直に入射する光成分が取り除かれた、図7(b)〜(d)に示すような光源のことを意味する。代表的な斜入射露光光源としては、図7(b)に示す輪帯露光光源、及び図7(c)に示す四重極露光光源がある。目的のパターンに若干依存するが、一般に、輪帯露光光源よりも四重極露光光源の方がコントラストの強調又はDOFの拡大において効果的である。しかし、四重極露光においてはパターン形状がマスク形状に対して歪むなどの副作用もあるので、そのような場合には、図7(d)に示す輪帯−四重極混成型露光光源を用いることが望ましい。この輪帯−四重極混成型露光光源の特徴は、光源中心を原点としてXY座標で考えたときに、光源中心と軸上の光源とが取り除かれていることによって四重極の特徴を有すると共に、光源の外形として円形が採用されていることにより輪帯の特徴をも有する点である。
【0063】
図8(a)〜(d)は第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【0064】
まず、図8(a)に示すように、基板100上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜101を形成した後、図8(b)に示すように、被加工膜101の上に、ポジ型のレジスト膜102を形成する。
【0065】
次に、図8(c)に示すように、ハーフトーン膜11における完全遮光膜12が形成されていない部分(ハーフトーン膜11の単層構造)よりなる半遮光部と、ハーフトーン膜11における開口部形成領域の周辺部の上に形成された完全遮光膜12よりなる完全遮光部とが透過性基板10上に設けられた、第1の実施形態に係るフォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて露光光103を照射し、該フォトマスクを透過した透過光104によってレジスト膜102を露光する。このとき、マスクパターンとして、半遮光部を用いているため、レジスト膜102の全体が弱いエネルギーで露光される。しかし、図8(c)に示すように、現像工程でレジスト膜102が溶解するに足りる露光エネルギーが照射されるのは、レジスト膜102におけるフォトマスクの開口部と対応する潜像部分102aのみである。また、明部及び暗部が交互に繰り返された構造を有する本実施形態のフォトマスクに対して斜入射露光を行なうため、レジスト膜102に転写されるマスクパターンの像はフォーカス特性の良い像となる。すなわち、レジスト膜102におけるフォトマスクの開口部と対応する部分を除去するための光学像を、フォーカス特性の良い像として形成できる。
【0066】
次に、レジスト膜102に対して現像を行なって潜像部分102aを除去することにより、図8(d)に示すように、レジストパターン105を形成する。
【0067】
以上に説明したように、第1の実施形態によると、透過性基板10における透光部形成領域(開口部形成領域)以外の他の領域の上にハーフトーン膜11が形成されていると共に、ハーフトーン膜11における開口部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜12が形成されている。このため、透光部(開口部)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、開口部と対応する明部と、ハーフトーン膜11の単層構造部分よりなる半遮光部と対応する明部との間に、開口部の周辺部に位置する完全遮光膜12よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、開口部が孤立している場合(他の開口部から(2×λ/NA)(λは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)以上離れている場合)にも、開口部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0068】
また、第1の実施形態によると、マスク設計段階において、開口部と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0069】
尚、第1の実施形態において、ハーフトーン膜11つまり半遮光部の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0070】
また、第1の実施形態において、完全遮光膜12の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好ましい。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0071】
また、第1の実施形態において、半遮光部(ハーフトーン膜11の単層構造)を透過する光と、開口部を透過する光とが同位相であるとしたが、前述のフォーカス特性向上効果が失われるのは、半遮光部と開口部との間の位相差が90度以上のときであるので、半遮光部と開口部との間に、(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×n)以下(但しnは整数)の位相差が生じることは問題にならない。
【0072】
また、第1の実施形態において、透過性基板10上に、下層となるハーフトーン膜11と、上層となる完全遮光膜12とを形成したが、これに代えて、完全遮光膜12を下層に、ハーフトーン膜11を上層に形成してもよい。
【0073】
また、第1の実施形態において、ポジ型レジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が利用できる。
【0074】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0075】
図9(a)は、第2の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示している。
【0076】
尚、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜における光が照射された部分が除去されるということを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことになる。また、本実施形態においては、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。
【0077】
図9(b)は、第2の実施形態に係るフォトマスク、具体的には、図9(a)に示す所望のパターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図9(b)に示すように、所望のパターンにおける孤立したレジスト除去部に対応するように高透過率位相シフター(孤立透光部)が設けられていると共に、所望のパターンにおける密集したレジスト除去部に対応するように複数の開口部(密集透光部)が設けられている。また、高透過率位相シフターの周辺部には完全遮光部が設けられていると共に、該完全遮光部及び複数の開口部を囲むように低透過率位相シフターが設けられている。低透過率位相シフターは、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を持つ。また、高透過率位相シフター及び低透過率位相シフターは、マスク母体となる透過性基板(つまり密集透光部となる各開口部)と反対位相で光を透過させる。
【0078】
尚、本実施形態において、密集透光部とは、(2×λ/NA)(λは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。逆に、孤立透光部とは、他の透光部から2×λ/NA以上離れている透光部を意味する。
【0079】
また、本実施形態において、完全遮光部は、矩形状の高透過率位相シフターの各辺から所定の寸法(例えばλ/NA)以下の領域に配置されている。すなわち、マスク設計段階において、高透過率位相シフターと対応する図形を所定の寸法だけ拡大し、該拡大図形から、高透過率位相シフターと対応する図形を引き去ることにより、完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できる。このように作成された本実施形態のフォトマスクにおいては、高透過率位相シフターを通過する光の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。従って、本実施形態のフォトマスクにおいて、高透過率位相シフター及び低透過率位相シフターを明部と考え、完全遮光部を暗部と考えると、高透過率位相シフターの位置は必ず、明部、暗部、明部、暗部及び明部と交互に並んだ配置における中央の明部と対応する位置になる。このように明部及び暗部が繰り返し配置されており、且つその繰り返し周期(明部(暗部)からその隣の明部(暗部)までの距離)が光学的な干渉効果の影響が無視できない距離、つまり2×λ/NA以下であるパターンは周期パターンとしての光学特性を有する。
【0080】
図9(c)及び(d)は、図9(b)におけるAA’線及びBB’線のそれぞれの断面図、つまり第2の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図9(c)及び(d)に示すように、図9(b)に示すフォトマスクは以下のようにして実現されている。すなわち、透過性基板20における透光部形成領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領域の上に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を持つと共に透過性基板20と反対位相(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)以下(但しnは整数)の位相差)で光を透過する位相シフト膜21を形成する。また、位相シフト膜21における孤立透光部形成領域(高透過率位相シフター)の周辺部の上に、完全遮光部となる完全遮光膜22を形成する。一方、位相シフト膜21における密集透光部形成領域(複数の開口部)の周辺部の上には完全遮光膜22を配置しない。ここで、位相シフト膜21における完全遮光膜22が形成されていない部分(位相シフト膜21の単層構造部分)は低透過率位相シフターとして機能する。尚、透過性基板20における孤立透光部形成領域は、透過性基板20との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板20の掘り下げ部20aによって、高透過率位相シフターとなる孤立透光部が形成される。但し、この高透過率位相シフターは、透過性基板20とほぼ同等の透過率を有するが、透過性基板20のエッチング面における光散乱の影響等によって透過性基板20よりも若干透過率が低下している。一方、透過性基板20における密集透光部形成領域は掘り下げられずに密集透光部(つまり複数の開口部)が形成されている。
【0081】
以上により、高透過率位相シフターとなる孤立透光部(明部)と、位相シフト膜21の単層構造よりなる低透過率位相シフター(明部)との間に、孤立透光部の周辺部に位置する完全遮光膜22よりなる完全遮光部(暗部)が設けられた、図9(b)に示す構造のフォトマスクが実現される。従って、本実施形態のフォトマスクにおいても、第1の実施形態に係るフォトマスクと同様に、0次光によるフォーカス特性向上効果が得られると共に、孤立透光部(高透過率位相シフター)の周辺部に完全遮光部を設けることによって実現される光強度分布の周期的な変化によるフォーカス特性向上効果が斜入射露光時に得られるので、フォーカス特性がより大きく改善される。すなわち、本実施形態のフォトマスクは2つのフォーカス特性向上効果を同時に実現できるので、本実施形態のフォトマスクを用いることによりフォーカス特性の優れたパターン形成を行なうことができる。
【0082】
次に、第2の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法について説明する。
【0083】
図10(a)〜(d)は第2の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【0084】
まず、図10(a)に示すように、基板200上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜201を形成した後、図10(b)に示すように、被加工膜201の上に、ポジ型のレジスト膜202を形成する。
【0085】
次に、図10(c)に示すように、掘り下げ部20aによって高透過率位相シフターとなった孤立透光部、位相シフト膜21の単層構造よりなる低透過率位相シフター、及び、位相シフト膜21における孤立透光部(掘り下げ部20a)の周辺部の上に形成された完全遮光膜22よりなる完全遮光部が透過性基板20上に設けられた、第2の実施形態に係るフォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて露光光203を照射し、該フォトマスクを透過した透過光204によってレジスト膜202を露光する。このとき、マスクパターンとして、低透過率位相シフターを用いているため、レジスト膜202の全体が弱いエネルギーで露光される。しかし、図10(c)に示すように、現像工程でレジスト膜202が溶解するに足りる露光エネルギーが照射されるのは、レジスト膜202における高透過率位相シフター(掘り下げ部20a)と対応する潜像部分202aのみである。また、明部及び暗部が交互に繰り返された構造を有する本実施形態のフォトマスクに対して斜入射露光を行なうため、レジスト膜202に転写されるマスクパターンの像はフォーカス特性の良い像となる。すなわち、レジスト膜202における高透過率位相シフターと対応する部分を除去するための光学像を、フォーカス特性の良い像として形成できる。
【0086】
次に、レジスト膜202に対して現像を行なって潜像部分202aを除去することにより、図10(d)に示すように、レジストパターン205を形成する。
【0087】
以上に説明したように、第2の実施形態によると、透過性基板20における透光部形成領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜21が形成されている。また、位相シフト膜21における孤立透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜22が形成されていると共に、透過性基板20における孤立透光部形成領域が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板20の掘り下げ部20aによって、高透過率位相シフターとなる孤立透光部が形成される。ここで、孤立透光部を透過する光と、位相シフト膜21の単層構造よりなる低透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同位相である。このため、孤立透光部(高透過率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、高透過率位相シフターと対応する明部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間に、高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜22よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、高透過率位相シフターとなる孤立透光部及びその周辺部を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0088】
また、第2の実施形態によると、マスク設計段階において、孤立透光部(高透過率位相シフター)と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0089】
また、第2の実施形態によると、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同様のマスクブランク構造(透過性基板20と位相シフト膜21との積層構造)を有する。このため、図2(b)及び(d)に示すように、透過性基板20における密集透光部形成領域を掘り下げずに密集透光部を形成すると共に位相シフト膜21における密集透光部形成領域の周辺部のには完全遮光膜22を配置しないことによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。従って、斜入射露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上させることができる。
【0090】
尚、第2の実施形態において、位相シフト膜21つまり低透過率位相シフターの透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0091】
また、第2の実施形態において、完全遮光膜22の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好ましい。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0092】
また、第2の実施形態において、透過性基板20の上に、下層となる位相シフト膜21と、上層となる完全遮光膜22とを形成したが、これに代えて、完全遮光膜22を下層に、位相シフト膜21を上層に形成してもよい。
【0093】
また、第2の実施形態において、ポジ型レジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が利用できる。
【0094】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0095】
図11(a)は、第3の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示している。
【0096】
尚、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜における光が照射された部分が除去されるということを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことになる。また、本実施形態においては、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。
【0097】
図11(b)は、第3の実施形態に係るフォトマスク、具体的には、図11(a)に示す所望のパターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図11(b)に示すように、所望のパターンにおける各レジスト除去部に対応するように高透過率位相シフター(孤立透光部及び密集透光部)が設けられている。また、各高透過率位相シフターを囲む遮光性のマスクパターンとして、露光光を完全に遮光する完全遮光部と共に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を有し且つ高透過率位相シフターと同位相で光を透過させる低透過率位相シフターを用いている。具体的には、各透光部(高透過率位相シフター)の周辺部に完全遮光部が設けられていると共に、該完全遮光部を囲むように低透過率位相シフターが設けられている。但し、密集透光部の各透光部(高透過率位相シフター)同士の間には、完全遮光部に代えて、レジスト膜を感光させない程度の低透過率を持つ半遮光部が設けられている。半遮光部を透過する光と、高透過率位相シフター及び低透過率位相シフターを透過する光とは反対位相の関係にある。また、半遮光部の透過率は低透過率位相シフターよりも若干高い。
【0098】
尚、本実施形態において、密集透光部とは、(2×λ/NA)(λは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。逆に、孤立透光部とは、他の透光部から2×λ/NA以上離れている透光部を意味する。
【0099】
また、本実施形態において、孤立透光部(高透過率位相シフター)の周辺部に設けられる完全遮光部は、矩形状の高透過率位相シフターの各辺から所定の寸法(例えばλ/NA)以下の領域に配置されている。すなわち、マスク設計段階において、高透過率位相シフターとなる孤立透光部と対応する図形を所定の寸法だけ拡大し、該拡大図形から、孤立透光部と対応する図形を引き去ることにより、完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できる。このように作成された本実施形態のフォトマスクにおいては、孤立透光部を通過する光の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。従って、本実施形態のフォトマスクにおいて、高透過率位相シフター及び低透過率位相シフターを明部と考え、完全遮光部を暗部と考えると、高透過率位相シフターとなる孤立透光部の位置は必ず、明部、暗部、明部、暗部及び明部と交互に並んだ配置における中央の明部と対応する位置になる。このように明部及び暗部が繰り返し配置されており、且つその繰り返し周期(明部(暗部)からその隣の明部(暗部)までの距離)が光学的な干渉効果の影響が無視できない距離、つまり2×λ/NA以下であるパターンは周期パターンとしての光学特性を有する。
【0100】
図11(c)及び(d)は、図11(b)におけるAA’線及びBB’線のそれぞれの断面図、つまり第3の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図11(c)及び(d)に示すように、図11(b)に示すフォトマスクは以下のようにして実現されている。すなわち、透過性基板30における透光部形成領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領域の上に、透過性基板30よりも露光光に対する透過率が低い半遮光膜(透過率調整膜)31を形成する。また、透過率調整膜31の上に、透過性基板30及び透過率調整膜31の積層構造との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる位相調整膜32を形成する。さらに、位相調整膜32における各透光部形成領域透光部の周辺部の上に、完全遮光部となる完全遮光膜33を形成する。但し、透過率調整膜31における密集透光部の各透光部(高透過率位相シフター)同士の間の部分の上には、位相調整膜32及び完全遮光膜33は形成されていない。ここで、透過率調整膜31の単層構造(透過率調整膜31における位相調整膜32及び完全遮光膜33が形成されていない部分)は、レジスト膜を感光させない程度の低透過率を持つ半遮光部を構成する。また、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造(透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造における完全遮光膜33が形成されていない部分)は、レジスト膜を感光させない程度の低透過率を持つ低透過率位相シフターを構成する。尚、透過性基板30における透光部形成領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)は、透過性基板30及び透過率調整膜31の積層構造との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板30の掘り下げ部30aによって、それぞれ高透過率位相シフターとなる孤立透光部及び密集透光部が形成される。但し、この高透過率位相シフターは、透過性基板30とほぼ同等の透過率を有するが、透過性基板30のエッチング面における光散乱の影響等によって透過性基板30よりも若干透過率が低下している。
【0101】
以上により、高透過率位相シフターとなる孤立透光部(明部)と、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造よりなる低透過率位相シフター(明部)との間に、孤立透光部の周辺部に位置する完全遮光膜33よりなる完全遮光部(暗部)が設けられた、図11(b)に示す構造のフォトマスクが実現される。従って、本実施形態のフォトマスクにおいても、第1の実施形態に係るフォトマスクと同様に、0次光によるフォーカス特性向上効果が得られると共に、孤立透光部(高透過率位相シフター)の近傍に完全遮光部を設けることによって実現される光強度分布の周期的な変化によるフォーカス特性向上効果が斜入射露光時に得られるので、フォーカス特性がより大きく改善される。すなわち、本実施形態のフォトマスクは2つのフォーカス特性向上効果を同時に実現できるので、本実施形態のフォトマスクを用いることによりフォーカス特性の優れたパターン形成を行なうことができる。
【0102】
次に、第3の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法について説明する。
【0103】
図12(a)〜(d)は第3の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【0104】
まず、図12(a)に示すように、基板300上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜301を形成した後、図12(b)に示すように、被加工膜301の上に、ポジ型のレジスト膜302を形成する。
【0105】
次に、図12(c)に示すように、掘り下げ部30aによって高透過率位相シフターとなった孤立透光部、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造よりなる低透過率位相シフター、及び、位相調整膜32における孤立透光部(掘り下げ部30a)の周辺部の上に形成された完全遮光膜33よりなる完全遮光部が透過性基板30上に設けられた、第3の実施形態に係るフォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて露光光303を照射し、該フォトマスクを透過した透過光304によってレジスト膜302を露光する。このとき、マスクパターンとして、低透過率位相シフターを用いているため、レジスト膜302の全体が弱いエネルギーで露光される。しかし、図12(c)に示すように、現像工程でレジスト膜302が溶解するに足りる露光エネルギーが照射されるのは、レジスト膜302における高透過率位相シフター(掘り下げ部30a)と対応する潜像部分302aのみである。また、明部及び暗部が交互に繰り返された構造を有する本実施形態のフォトマスクに対して斜入射露光を行なうため、レジスト膜302に転写されるマスクパターンの像はフォーカス特性の良い像となる。すなわち、レジスト膜302における高透過率位相シフターと対応する部分を除去するための光学像を、フォーカス特性の良い像として形成できる。
【0106】
次に、レジスト膜302に対して現像を行なって潜像部分302aを除去することにより、図12(d)に示すように、レジストパターン305を形成する。
【0107】
以上に説明したように、第3の実施形態によると、透過性基板30における透光部形成領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造が形成されている。また、位相調整膜32における各透光部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜33が形成されていると共に、透過性基板30における各透光部形成領域が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性基板30の掘り下げ部30aによって、高透過率位相シフターとなる透光部(孤立透光部及び密集透光部)が形成される。ここで、各透光部を透過する光と、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造よりなる低透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同位相である。このため、各透光部(高透過率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布においては、高透過率位相シフターと対応する明部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間に、高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、高透過率位相シフターとなる孤立透光部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0108】
また、第3の実施形態によると、マスク設計段階において、透光部(高透過率位相シフター)と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0109】
また、第3の実施形態によると、透過率調整膜31は、透過性基板30における密集透光部形成領域以外の領域の上に形成されている。言い換えると、図11(d)に示すように、透過率調整膜31は、密集透光部と対応する複数の開口部を有している。また、該開口部同士の間の透過率調整膜31の上には、位相調整膜32及び完全遮光膜33は形成されていない。但し、透過率調整膜31における密集透光部形成領域の周辺部(開口部同士の間の部分は除く)の上には、位相調整膜32及び完全遮光膜33の積層構造が形成されている。このため、密集透光部のうち周縁領域に位置する透光部と対応するパターンの形成においては、光強度分布における周期的な変化を利用して前述のフォーカス特性向上効果が得られる。また、密集透光部のうち中心領域に位置する透光部と対応するパターンの形成においては、該中心領域のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になるので、斜入射露光との組み合わせにより、焦点深度及び解像力の向上効果が得られる。その理由は、密集透光部のうち中心領域に位置する透光部(つまり高透過率位相シフター)が、該透光部と反対位相の光を透過させる透過率調整膜31の単層構造よりなる半遮光部によって囲まれるという、ハーフトーン位相シフトマスクの構造が実現されているからである。すなわち、高透過率位相シフターよりなる透光部を、通常のハーフトーン位相シフトマスクの開口部とみなせば、透過率調整膜31の単層構造よりなる半遮光部は低透過率位相シフターとして作用することになる。このように、所定の寸法以下で透光部が隣り合っている場合、該透光部を囲む遮光部としては、完全遮光部よりも位相シフターの方が好ましい。ここで、所定の寸法とは、位相シフターの透過率に依存して変化するが、6%程度から15%程度までの透過率であるなら、2×λ/NA(λは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)程度の寸法である。
【0110】
尚、第3の実施形態において、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造、つまり低透過率位相シフターの透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0111】
また、第3の実施形態において、完全遮光膜33の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好ましい。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0112】
また、第3の実施形態において、透過率調整膜31により覆われた透過性基板30の上に、下層となる位相調整膜32と、上層となる完全遮光膜33とを形成したが、これに代えて、完全遮光膜33を下層に、位相調整膜32を上層に形成してもよい。
【0113】
また、第3の実施形態において、ポジ型レジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が利用できる。
【0114】
また、第1〜第3の実施形態において、フォトマスクにおける透光部(開口部又は高透過率位相シフター)及びその近傍の微小な完全遮光部以外の部分が全て半遮光部(又は低透過率位相シフター)であることを前提としてきた。しかし、フォトマスクにおける透光部から十分離れた部分、つまり、フォトマスクにおける、透光部から光学的な干渉効果の影響がほとんど無視できる距離(=2×λ/NA(λは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である))以上離れた部分は完全遮光部であってもよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明によると、透光部が孤立している場合にも、透光部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において明部及び暗部の周期的な変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)におけるAA’線の断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、マスク表面に設けられた完全遮光部に孤立した開口部が設けられてなる完全遮光マスクの平面図及び断面図であり、(c)は(a)におけるAA’線と対応する光強度分布を示す図である。
【図3】(a)及び(b)は、マスク表面に設けられた半遮光部に孤立した開口部が設けられてなるハーフトーンマスクの平面図及び断面図であり、(c)は(a)におけるAA’線と対応する光強度分布を示す図である。
【図4】(a)及び(b)は、開口部の近傍に完全遮光部が設けられていると共に完全遮光部を囲むように半遮光部が設けられてなる本発明のマスクの平面図及び断面図であり、(c)は(a)におけるAA’線と対応する光強度分布を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、フォーカス特性のシミュレーションに用いた完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれの平面図であり、(d)は、完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれを用いてパターン形成を行なったときのフォーカス特性を光強度シミュレーションにより計算した結果を示す図である。
【図6】(a)〜(f)は本発明のマスクにおける半遮光部の透過率に対するコントラスト及びDOFの依存性を説明する図である。
【図7】(a)は通常の露光光源の形状を示す図であり、(b)は輪帯露光光源の形状を示す図であり、(c)は四重極露光光源の形状を示す図であり、(d)は輪帯−四重極混成型露光光源の形状を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示す図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)におけるAA’線の断面図であり、(d)は(b)におけるBB’線の断面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示す図であり、(b)は、本発明の第3の実施形態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)におけるAA’線の断面図であり、(d)は(b)におけるBB’線の断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図13】(a)は、ハーフトーン位相シフトマスクに対して露光を行なっている様子を示す図であり、(b)は、ハーフトーン位相シフトマスクに対して露光を行なったときに被露光ウェハ上に形成される光強度分布を示す図である。
【符号の説明】
10 透過性基板
11 ハーフトーン膜
12 完全遮光膜
20 透過性基板
20a 掘り下げ部
21 位相シフト膜
22 完全遮光膜
30 透過性基板
30a 掘り下げ部
31 透過率調整膜
32 位相調整膜
33 完全遮光膜
70 透過性基板
71 位相シフター
72 露光光
73 透過光
80 透過性基板
81 遮光膜
90 透過性基板
91 ハーフトーン膜
100 基板
101 被加工膜
102 レジスト膜
102a 潜像部分
103 露光光
104 透過光
105 レジストパターン
200 基板
201 被加工膜
202 レジスト膜
202a 潜像部分
203 露光光
204 透過光
205 レジストパターン
300 基板
301 被加工膜
302 レジスト膜
302a 潜像部分
303 露光光
304 透過光
305 レジストパターン

Claims (11)

  1. 露光光に対して透光性を有する透過性基板と、
    前記透過性基板における孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、前記露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜と、
    前記位相シフト膜における前記孤立透光部形成領域の周辺部の上に形成されており、前記露光光に対して1%よりも小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、
    前記透過性基板における前記孤立透光部形成領域は、前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって孤立透光部が形成されており、
    前記位相シフト膜における前記密集透光部形成領域の周辺部の上には前記完全遮光膜が形成されておらず、
    前記透過性基板における前記密集透光部形成領域は掘り下げられておらず、前記位相シフト膜に所定の寸法以下で隣り合う複数の開口部が設けられ、それによって密集透光部が形成されていることを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  3. 前記完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスク。
  4. 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×Mであること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  5. 露光光に対して透光性を有する透過性基板と、
    前記透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、前記透過性基板よりも前記露光光に対する透過率が低い半遮光膜と、
    前記半遮光膜の上に形成されており、前記透過性基板及び半遮光膜の積層構造との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜と、
    前記位相シフト膜における前記透光部形成領域の周辺部の上に形成されており、前記露光光に対して1%よりも小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、
    前記透過性基板における前記透光部形成領域は、前記透過性基板及び半遮光膜の積層構造との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されており、
    前記半遮光膜及び位相シフト膜の積層構造は、前記露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有し、
    前記半遮光膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口部を有し、
    前記位相シフト膜は、前記半遮光膜における前記複数の開口部の間の部分以外の他の部分の上に形成されており、
    前記完全遮光膜は、前記位相シフト膜における前記複数の他の透光部形成領域の周辺部の上に形成されていることを特徴とするフォトマスク。
  6. 前記所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることを特徴とする請求項5に記載のフォトマスク。
  7. 前記完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項5又は6に記載のフォトマスク。
  8. 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×Mであること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  9. 前記フォトマスクは、斜入射露光と組み合わせて用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のフォトマスクを用いたパターン形成方法であって、
    基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に前記フォトマスクを介して前記露光光を照射する工程と、
    前記露光光を照射された前記レジスト膜を現像して、前記レジスト膜をパターン化する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  11. 前記露光光を照射する工程において斜入射照明法を用いることを特徴とする請求項10に記載のパターン形成方法。
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