JP2003322949A - フォトマスク及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

フォトマスク及びそれを用いたパターン形成方法

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JP2003322949A
JP2003322949A JP2002128037A JP2002128037A JP2003322949A JP 2003322949 A JP2003322949 A JP 2003322949A JP 2002128037 A JP2002128037 A JP 2002128037A JP 2002128037 A JP2002128037 A JP 2002128037A JP 2003322949 A JP2003322949 A JP 2003322949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 孤立スペースパターンと孤立ラインパターン
又は密集パターンとを同時に微細化できるようにする。 【解決手段】 透過性基板10における透光部形成領域
(開口部形成領域)以外の他の領域の上に、露光光を低
透過率で透過させるハーフトーン膜11が形成されてい
ると共に、ハーフトーン膜11における開口部形成領域
の周辺部の上に完全遮光膜12が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路装
置の製造に用いられる微細パターン形成用のフォトマス
ク及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体を用いて実現する大規模集
積回路装置(以下、LSIと称する)の高集積化のため
に回路パターンの微細化がますます必要となってきてい
る。その結果、回路を構成する配線パターンの細線化、
又は絶縁層を介して多層化された配線同士をつなぐコン
タクトホールパターン(以下、コンタクトパターンと称
する)の微細化が非常に重要となってきた。
【0003】以下、近年の光露光システムによる配線パ
ターンの細線化について、ポジ型レジストプロセスを用
いて行なう場合を想定して説明する。ポジ型レジストプ
ロセスにおいて、ラインパターンとは、フォトマスクを
用いた露光及びその後の現像によって、露光光の遮光領
域と対応して残存するライン状のレジスト膜(レジスト
パターン)である。また、スペースパターンとは、露光
光の照射領域と対応するレジスト除去部(レジスト除去
パターン)である。また、コンタクトパターンとは、ホ
ール状のレジスト除去部であり、スペースパターンのう
ち特に微小なものと考えればよい。尚、ポジ型レジスト
プロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いる場
合、前述のラインパターン及びスペースパターンのそれ
ぞれの定義を入れ替えればよい。
【0004】一般に、配線パターンの微細化には、超解
像露光と呼ばれる斜入射露光を用いた細線パターン形成
方法が導入されてきた。この方法は、露光光の遮光領域
と対応するレジストパターンの微細化方法として優れて
いると共に、周期的に配置された密パターンの焦点深度
を向上させる効果も有している。但し、この斜入射露光
方法は、孤立したレジスト除去部を微細化する方法とし
てはほとんど効果がなく、逆に、像(光学像)のコント
ラストや焦点深度を劣化させるものである。このため、
斜入射露光方法は、レジスト除去部の寸法がレジストパ
ターンの寸法よりも大きいという特徴を有するパターン
形成、例えばゲートパターン形成等に積極的に用いられ
てきている。
【0005】一方、微小コンタクトパターンのような孤
立した微細なレジスト除去部を形成するためには、斜入
射部分を含まない低干渉度の小さな光源を用いることが
効果的であることがわかっている。このとき、ハーフト
ーン位相シフトマスクを用いると、より効果的である。
ハーフトーン位相シフトマスクにおいては、コンタクト
パターンと対応する透光部(開口部)を囲むマスクパタ
ーンとして、完全遮光部に代えて、露光光に対して3〜
6%程度の非常に低い透過率を有し且つ開口部を透過す
る光に対して180度の位相反転を生じる位相シフター
が設けられている。
【0006】尚、本明細書において、特に断らない限
り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたと
きの実効透過率で表す。また、完全遮光膜(完全遮光
部)とは、実効透過率が1%よりも小さい遮光膜(遮光
部)を意味するものとする。
【0007】以下、ハーフトーン位相シフトマスクによ
るパターン形成方法の原理について、図13(a)及び
(b)を参照しながら説明する。
【0008】図13(a)は、ハーフトーン位相シフト
マスクに対して露光を行なっている様子を示しており、
図13(b)は、図13(a)に示すハーフトーン位相
シフトマスクに対して露光を行なったときに被露光ウェ
ハ上に形成される光強度分布を示している。図13
(a)に示すように、ハーフトーン位相シフトマスクに
おいては、透過性基板70における透光部形成領域(開
口部形成領域)以外の他の領域の上に位相シフター71
が形成されている。位相シフター71は、低い透過率で
光を透過させるだけではなく、位相シフター71を透過
する光に、透過性基板70(正確には位相シフター71
のない基板部分(透光部))を透過する光に対して18
0度の光路差(位相差)を与えるように形成されてい
る。このハーフトーン位相シフトマスクに対して露光光
72を照射すると、透光部(開口部)を透過する透過光
73は露光光72と同位相になる一方、位相シフター7
1を透過する透過光73は露光光72と反対位相にな
る。すなわち、開口部を透過する透過光73と位相シフ
ター71を透過する透過光73との境界において180
度の位相変化が発生する。このため、位相変化の境界と
なる開口部の輪郭周辺では、位相空間上での光の振幅が
0となる領域が発生するので、図13(b)に示すよう
に、該領域は光強度分布における強い暗部となる。従っ
て、ハーフトーン位相シフトマスクを透過した光の像に
おいては、開口部周辺で非常に強いコントラストが実現
される。尚、図13(a)において、露光光72と同位
相の透過光73は露光光72と同じ向きの矢印で示して
おり、露光光72と反対位相の透過光73は露光光72
と反対向きの矢印で示している。
【0009】尚、ハーフトーン位相シフトマスクによる
コントラストの向上は、マスクに対して垂直に入射する
光、具体的には低干渉度の小さな光源領域からマスクに
入射する光に対して生じる一方、斜入射露光、例えば垂
直入射成分(光源中心からの照明成分)を取り除いた輪
帯照明と呼ばれるような露光に対しては、開口部周辺
(位相変化が発生する付近)でもコントラストの向上は
見られない。さらに、低干渉度の小さな光源により露光
を行なう場合と比べて、斜入射露光を行なう場合の方が
焦点深度も低くなるという欠点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、コンタ
クトパターンのような微細なレジスト除去パターンをポ
ジ型レジストプロセスにより形成しようとした場合、垂
直入射成分だけの照明となる干渉度0.5程度以下の小
さな光源をハーフトーン位相シフトマスクと組み合わせ
て露光を行なう必要があった。この方法は、微細な孤立
配置のコンタクトパターンの形成には非常に効果的であ
った。
【0011】ところで、近年の半導体装置の高集積化に
伴って、配線パターンのみならずコンタクトパターンに
おいても孤立配置されたパターンと共に密に配置された
パターンが必要とされるようになってきている。ここ
で、密に配置されたコンタクトパターンの形成において
高い焦点深度を実現するためには、密に配置された配線
パターンと同様に斜入射露光が効果的である。
【0012】また、近年、配線パターン形成において
も、配線パターンとなるラインパターンの微細化に加え
て、配線間のスペースパターンの微細化も必要となって
きている。ここで、孤立した微小な配線間スペースパタ
ーンの形成に、低干渉度の光源をハーフトーン位相シフ
トマスクと組み合わせて使用することが効果的であるこ
とは孤立コンタクトパターンの場合と同様である。
【0013】すなわち、高密度の配線パターン及び高密
度のコンタクトパターンの形成には斜入射露光が必須で
ある一方、斜入射露光を行なうと、孤立のコンタクトパ
ターン及び孤立の配線間スペースパターンのコントラス
ト及び焦点深度が著しく悪化する。このコントラスト及
び焦点深度の悪化は、解像度向上のためにハーフトーン
位相シフトマスクを用いた場合、より一層顕著になる。
【0014】逆に、孤立した微小コンタクトパターン及
び孤立した微小配線間スペースパターンの形成のため
に、低干渉度の小さな光源を用いると、高密度パターン
又は微小ラインパターンの形成が困難になるという問題
がある。
【0015】従って、孤立配置された微小なスペースパ
ターンに対する最適照明条件と、密に配置されたパター
ン又は微小なラインパターンに対する最適照明条件とは
相反関係にある。このため、微小なレジストパターンの
形成と微小な孤立レジスト除去パターンの形成とを同時
に行なうために、光源からの垂直入射成分及び斜入射成
分のそれぞれの効果に対してトレードオフが行なわれ、
結果として干渉度が中程度(0.5〜0.6程度)の光
源が用いられる。しかし、この場合、垂直入射及び斜入
射の両方の効果が相殺されるので、孤立ラインパターン
又は密集パターンと孤立スペースパターンとを同時に微
細化して半導体装置のさらなる高集積化を実現していく
ことは困難になる。
【0016】前記に鑑み、本発明は、孤立スペースパタ
ーンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に
微細化できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明に係る第1のフォトマスクは、露光光に対
して透光性を有する透過性基板と、透過性基板における
透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、
露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を
有すると共に透過性基板との間で前記露光光に対して
(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×
n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる半遮光膜
と、半遮光膜における透光部形成領域の周辺部の上に形
成されており、露光光に対して1%よりも小さい透過率
を持つ完全遮光膜とを備えている。
【0018】第1のフォトマスクによると、透過性基板
における透光部形成領域以外の他の領域の上に半遮光膜
が形成されていると共に、半遮光膜における透光部形成
領域の周辺部の上に完全遮光膜が形成されている。この
ため、透光部(開口部)及びその周辺を透過した露光光
の光強度分布においては、開口部と対応する明部と、半
遮光膜における完全遮光膜が形成されていない部分(半
遮光膜の単層構造部分)よりなる半遮光部と対応する明
部との間に、開口部の周辺部に位置する完全遮光膜より
なる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、開
口部が孤立している場合(他の開口部から(2×λ/N
A)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮
小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以上離れている場
合)にも、開口部及びその周辺を透過した露光光の光強
度分布において周期的な変化が生じるので、フォーカス
特性に優れた像を形成できる。また、このフォーカス特
性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて
斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり
微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得ら
れるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン
又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0019】また、第1のフォトマスクによると、マス
ク設計段階において、開口部と対応する図形を、その拡
大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を
自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行な
うことができる。
【0020】第1のフォトマスクにおいて、所定の透過
率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0021】このようにすると、パターン形成時におけ
るレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォー
カス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0022】第1のフォトマスクにおいて、完全遮光膜
の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/N
A)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であ
り、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開
口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0023】このようにすると、前述のフォーカス特性
向上効果を確実に得ることができる。
【0024】本発明に係る第2のフォトマスクは、露光
光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板に
おける透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されて
おり、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮
光性を有すると共に透過性基板との間で露光光に対して
(150+360×n)度以上で且つ(210+360
×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シ
フト膜と、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺
部の上に形成されており、露光光に対して1%よりも小
さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、透過性基板にお
ける透光部形成領域は、透過性基板との間で露光光に対
して(150+360×n)度以上で且つ(210+3
60×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚
さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されて
いる。
【0025】第2のフォトマスクによると、透過性基板
における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光
を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜が
形成されている。また、位相シフト膜における透光部形
成領域の周辺部の上に完全遮光膜が形成されていると共
に、透過性基板における透光部形成領域が、露光光の位
相反転が生じる厚さだけ掘り下げられている。これによ
り、透過性基板の掘り下げ部によって、高透過率位相シ
フターとなる透光部が形成される。ここで、透光部を透
過する光と、位相シフト膜における完全遮光膜が形成さ
れていない部分(位相シフト膜の単層構造)よりなる低
透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同位相で
ある。このため、透光部(高透過率位相シフター)及び
その周辺を透過した露光光の光強度分布においては、高
透過率位相シフターと対応する明部と、低透過率位相シ
フターと対応する明部との間に、高透過率位相シフター
の周辺部に位置する完全遮光膜よりなる完全遮光部と対
応する暗部が生じる。すなわち、高透過率位相シフター
(透光部)が孤立している場合(他の透光部から(2×
λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光
機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以上離れて
いる場合)にも、透光部及びその周辺を透過した露光光
の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フォ
ーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォー
カス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセスに
おいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部
(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合
にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ライン
パターン又は密集パターンとを同時に微細化することが
できる。尚、本明細書において、高透過率位相シフター
とは、60%以上の透過率を持つ位相シフターを意味す
るものとする。
【0026】また、第2のフォトマスクによると、マス
ク設計段階において、透光部と対応する図形を、その拡
大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を
自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行な
うことができる。
【0027】また、第2のフォトマスクによると、通常
のハーフトーン位相シフトマスクと同様のマスクブラン
ク構造(透過性基板と位相シフト膜との積層構造)を有
する。このため、透光部が密集している場合((2×λ
/NA)×M程度以下の寸法で透光部同士が隣り合う場
合)には、透過性基板における密集透光部形成領域を掘
り下げずに密集透光部を形成すると共に位相シフト膜に
おける密集透光部形成領域の周辺部の上には完全遮光膜
を配置しないことによって、密集透光部及びその周辺部
のフォトマスク構造を、通常のハーフトーン位相シフト
マスクと同等にできる。
【0028】第2のフォトマスクにおいて、所定の透過
率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0029】このようにすると、パターン形成時におけ
るレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォー
カス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0030】第2のフォトマスクにおいて、完全遮光膜
の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/N
A)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であ
り、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開
口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0031】このようにすると、前述のフォーカス特性
向上効果を確実に得ることができる。
【0032】第2のフォトマスクにおいて、位相シフト
膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成
領域と対応する複数の開口部を有することが好ましい。
【0033】このようにすると、透過性基板における複
数の他の透光部形成領域(以下、密集透光部形成領域)
及びその周辺部を掘り下げずに密集透光部を形成すると
共に位相シフト膜における密集透光部形成領域の周辺部
の上には完全遮光膜を配置しないことによって、密集透
光部及びその周辺部のフォトマスク構造が通常のハーフ
トーン位相シフトマスクと同等になる。従って、斜入射
露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集
パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上さ
せることができる。尚、密集透光部とは、(2×λ/N
A)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮
小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以下の寸法で互い
に隣り合う透光部を意味する。
【0034】本発明に係る第3のフォトマスクは、露光
光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板に
おける透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されて
おり、透過性基板よりも露光光に対する透過率が低い半
遮光膜と、半遮光膜の上に形成されており、透過性基板
及び半遮光膜の積層構造との間で露光光に対して(15
0+360×n)度以上で且つ(210+360×n)
度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜
と、位相シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上
に形成されており、露光光に対して1%よりも小さい透
過率を持つ完全遮光膜とを備え、透過性基板における透
光部形成領域は、透過性基板及び半遮光膜の積層構造と
の間で露光光に対して(150+360×n)度以上で
且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の
位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透
光部が形成されており、半遮光膜及び位相シフト膜の積
層構造は、露光光に対して所定の透過率を持つことによ
り遮光性を有する。
【0035】第3のフォトマスクによると、透過性基板
における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光
を低透過率で位相反転させて透過させる、半遮光膜及び
位相シフト膜の積層構造が形成されている。また、位相
シフト膜における透光部形成領域の周辺部の上に完全遮
光膜が形成されていると共に、透過性基板における透光
部形成領域が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り
下げられている。これにより、透過性基板の掘り下げ部
によって、高透過率位相シフターとなる透光部が形成さ
れる。ここで、透光部を透過する光と、半遮光膜及び位
相シフト膜の積層構造における完全遮光膜が形成されて
いない部分よりなる低透過率位相シフターを透過する光
とは実質的に同位相である。このため、透光部(高透過
率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光強
度分布においては、高透過率位相シフターと対応する明
部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間に、
高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜よ
りなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、
高透過率位相シフター(透光部)が孤立している場合
(他の透光部から(2×λ/NA)×M(λは露光光の
波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及
び縮小倍率)以上離れている場合)にも、透光部及びそ
の周辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な
変化が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成で
きる。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポ
ジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細
な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパタ
ーン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペース
パターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同
時に微細化することができる。
【0036】また、第3のフォトマスクによると、マス
ク設計段階において、透光部と対応する図形を、その拡
大図形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を
自己整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行な
うことができる。
【0037】第3のフォトマスクにおいて、所定の透過
率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0038】このようにすると、パターン形成時におけ
るレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のフォー
カス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0039】第3のフォトマスクにおいて、完全遮光膜
の幅は、(0.5×λ/NA)×M以上で且つ(λ/N
A)×M以下であること(但し、λは露光光の波長であ
り、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開
口数及び縮小倍率である)ことが好ましい。
【0040】このようにすると、前述のフォーカス特性
向上効果を確実に得ることができる。
【0041】第3のフォトマスクにおいて、半遮光膜
は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領
域と対応する複数の開口部を有し、位相シフト膜は、半
遮光膜における複数の開口部の間の部分以外の他の部分
の上に形成されており、完全遮光膜は、位相シフト膜に
おける複数の他の透光部形成領域の周辺部の上に形成さ
れていることが好ましい。
【0042】このようにすると、密集透光部のうち周縁
領域に位置する透光部と対応するパターンの形成におい
ては、光強度分布における周期的な変化を利用して前述
のフォーカス特性向上効果が得られる。また、密集透光
部のうち中心領域に位置する透光部と対応するパターン
の形成においては、該中心領域のフォトマスク構造が通
常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になるので、
斜入射露光との組み合わせにより、焦点深度及び解像力
の向上効果が得られる。尚、密集透光部とは、(2×λ
/NA)×M以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味
する。
【0043】本発明に係るパターン形成方法は、本発明
に係る第1〜第3のフォトマスクを用いたパターン形成
方法を前提とし、基板上にレジスト膜を形成する工程
と、レジスト膜にフォトマスクを介して露光光を照射す
る工程と、露光光を照射されたレジスト膜を現像して、
レジスト膜をパターン化する工程とを備えており、露光
光を照射する工程においては斜入射照明法を用いること
が好ましい。
【0044】本発明のパターン形成方法によると、透光
部及びその周辺を透過した露光光の光強度分布において
周期的な変化が生じる本発明の第1〜第3のフォトマス
クを用いた露光を行なうため、フォーカス特性に優れた
像を形成できる。また、このフォーカス特性向上効果
は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光
を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立
スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、
孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パ
ターンとを同時に微細化することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォト
マスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照
しながら説明する。
【0046】図1(a)は、第1の実施形態に係るフォ
トマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一
例を示している。
【0047】ところで、露光機の縮小投影光学系の縮小
倍率をMとすると、通常のフォトマスクにおいては、露
光光源に対して完全遮光膜となるクロム等の材料を用い
て、所望のパターン(一般にはウェハ上での設計値を持
つ)のM倍の大きさのパターンが、露光光源に対して高
い透過率を有する材料からなる基板(透過性基板)の上
に描かれている。しかしながら、本明細書においては、
特に断らない限り、簡単のため、フォトマスクについて
説明する場合にも、ウェハ上の寸法をM倍したマスク上
の寸法は使わずに、ウェハ上の寸法を用いて説明する。
また、本実施形態でパターン形成について説明する場
合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用
する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜に
おける光が照射された部分が除去されるということを想
定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用
を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部
分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジ
ストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことにな
る。また、本実施形態においては、特に断らない限り、
透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの
実効透過率で表す。
【0048】図1(b)は、第1の実施形態に係るフォ
トマスク、具体的には、図1(a)に示す所望のパター
ンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図1
(b)に示すように、所望のパターンにおけるレジスト
除去部に対応するように開口部(透光部)が設けられて
いる。また、開口部を囲む遮光性のマスクパターンとし
て、露光光を完全に遮光する完全遮光部と共に、レジス
ト膜を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)
を有し且つ開口部と同位相で光を透過させる半遮光部を
用いている。具体的には、開口部の周辺部に完全遮光部
が設けられていると共に、該完全遮光部を囲むように半
遮光部が設けられている。
【0049】尚、第1の実施形態においては、完全遮光
部は、矩形状の開口部の各辺から所定の寸法(例えばλ
/NA(但しλは露光光の波長、NAは露光機の縮小投
影光学系の開口数))以下の領域に配置されている。す
なわち、マスク設計段階において、開口部と対応する図
形を所定の寸法だけ拡大し、該拡大図形から、開口部と
対応する図形を引き去ることにより、完全遮光部と対応
する図形を自己整合的に生成できる。このように作成さ
れた本実施形態のフォトマスクにおいては、開口部を通
過する光の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。ま
た、図1(b)に示すように、狭い間隔で隣り合う開口
部同士の間の領域には完全遮光部のみが存在する一方、
広い間隔で隣り合う開口部同士の間の領域には、各開口
部の近傍に配置された完全遮光部と、該完全遮光部同士
の間に配置された半遮光部とが存在する。従って、本実
施形態のフォトマスクにおいて、開口部及び半遮光部を
明部と考え、完全遮光部を暗部と考えると、開口部の位
置は必ず、明部、暗部、明部、暗部及び明部と交互に並
んだ配置における中央の明部と対応する位置になる。こ
のように明部及び暗部が繰り返し配置されており、且つ
その繰り返し周期(明部(暗部)からその隣の明部(暗
部)までの距離)が光学的な干渉効果の影響が無視でき
ない距離、つまり2×λ/NA以下であるパターンは周
期パターンとしての光学特性を有する。
【0050】図1(c)は、図1(b)におけるAA’
線の断面図、つまり第1の実施形態に係るフォトマスク
の断面図である。図1(c)に示すように、図1(b)
に示すフォトマスクは以下のようにして実現されてい
る。すなわち、透過性基板10における透光部形成領域
(開口部形成領域)以外の他の領域の上に、レジスト膜
を感光させない程度の低透過率(例えば6%程度)を持
つ半遮光膜(ハーフトーン膜)11を形成すると共に、
ハーフトーン膜11における透光部形成領域の周辺部の
上に完全遮光膜12を形成する。ここで、ハーフトーン
膜11は、単体として、透光部(開口部)と同位相(実
際には(ー30+360×n)度以上で且つ(30+3
60×n)以下(但しnは整数)の位相差)で光を透過
するように厚さが調整されている。また、ハーフトーン
膜11の材料としては、例えばモリブデンシリコン等を
用いることができると共に、完全遮光膜12の材料とし
ては、クロム等を用いることができる。
【0051】以上により、開口部(明部)と、ハーフト
ーン膜11の単層構造よりなる半遮光部(明部)との間
に、開口部の周辺部に位置する完全遮光膜12よりなる
完全遮光部(暗部)が設けられた、図1(b)に示す構
造のフォトマスクが実現される。このようなフォトマス
クは、例えば、透過性基板上にハーフトーン膜及び完全
遮光膜が順次積層されたマスクブランクを用意して、完
全遮光膜及びハーフトーン膜に対して順次エッチングを
行なうことにより、容易に形成できる。
【0052】ここで、本実施形態のフォトマスクによる
フォーカス特性向上効果について説明する。
【0053】図2(a)及び(b)は、マスク表面に設
けられた完全遮光部に孤立した開口部が設けられてなる
通常のフォトマスク(以下、完全遮光マスクと称する)
の平面図及び断面図である。図2(b)に示すように、
完全遮光マスクは、透過性基板80における開口部形成
領域以外の他の領域の上に、完全遮光部となる通常の遮
光膜(例えばクロム膜等)81を設けることによって実
現されている。また、図2(c)は、図2(a)及び
(b)に示す完全遮光マスクを露光した場合における図
2(a)の線分AA’と対応する光強度分布を示してい
る。図2(c)に示すように、完全遮光マスクにより形
成される光強度分布は、開口部の中心にピークを持つ。
通常、このような光強度分布を実現するのに適した露光
方法は、光源からの光がマスクに対して垂直に入射する
低干渉度の露光方法である。言い換えると、孤立開口部
を有する完全遮光マスクを露光する際には、斜入射露光
等の高干渉度の露光方法は適さない。すなわち、周期性
を有する密集パターンの形成においてフォーカス特性の
改善に効果を持ち、超解像技術とも呼ばれている斜入射
露光も、孤立開口部を有する完全遮光マスクを用いたパ
ターン形成においては全く効果がない。
【0054】図3(a)及び(b)は、前述の完全遮光
マスクの欠点を克服するために本願発明者が初めに考案
したハーフトーンマスク(マスク表面に設けられた半遮
光部に孤立した開口部が設けられてなるフォトマスク)
の平面図及び断面図である。図3(b)に示すように、
ハーフトーンマスクは、透過性基板90における開口部
形成領域以外の他の領域の上に、開口部と同位相で露光
光を透過させるハーフトーン膜91を半遮光部として設
けることによって実現されている。また、図3(c)
は、図3(a)及び(b)に示すフォトマスクを露光し
た場合における図3(a)の線分AA’と対応する光強
度分布を示している。図3(c)に示すように、ハーフ
トーンマスクにより形成される光強度分布は、開口部の
中心にピークを持つと共に、開口部の外側にも、レジス
ト膜を感光させない程度の光強度を有している。
【0055】図4(a)及び(b)は、前述のハーフト
ーンマスクに続いて本願発明者が考案した本実施形態の
フォトマスク(以下、本発明のマスクと称することもあ
る)、つまり、開口部の近傍に自己整合的に完全遮光部
が設けられていると共に完全遮光部を囲むように半遮光
部が設けられてなるフォトマスクの平面図及び断面図で
ある。図4(b)に示すように、本発明のマスクは、透
過性基板10における開口部形成領域以外の他の領域の
上に、開口部と同位相で露光光を透過させるハーフトー
ン膜11を半遮光部として設けると共にハーフトーン膜
11における開口部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜
12を完全遮光部として設けることによって実現されて
いる。また、図4(c)は、図4(a)及び(b)に示
すフォトマスクを露光した場合における図4(a)の線
分AA’と対応する光強度分布を示している。図4
(c)に示すように、本発明のマスクにより形成される
光強度分布は、開口部の中心にピークを持つと共に、開
口部の外側にも、レジスト膜を感光させない程度の光強
度を有している。さらに、この光強度分布においては、
開口部(明部)と半遮光部(明部)との間に完全遮光部
(暗部)が設けられた構造と対応する周期的な変化が実
現されている。そして、このような光強度分布における
周期的な変化によって、斜入射露光時にフォーカス特性
向上効果が得られる。
【0056】本願発明者は、完全遮光マスク、ハーフト
ーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれを用いてパタ
ーン形成を行なったときのフォーカス特性を光強度シミ
ュレーションにより計算してみた。図5(a)〜(c)
は、シミュレーションに用いた完全遮光マスク、ハーフ
トーンマスク及び本発明のマスクのそれぞれの平面図を
示している。ここで、各マスクの寸法は、同じ露光量に
より幅0.12μmのパターンが形成されるように調整
されている。具体的には、図5(a)〜(c)に示すよ
うに、完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明
のマスクのそれぞれに設けられた開口部の幅は0.10
3μm、0.062μm及び0.092μmである。ま
た、図5(d)は、パターン寸法におけるフォーカス依
存性をシミュレーションした結果を示している。図5
(d)においては、フォーカス位置=0.0μmのとき
のパターン寸法と比べて、フォーカス位置が変化したと
きのパターン寸法が変化しにくいことが優れたフォーカ
ス特性を意味している。尚、シミュレーション条件とし
ては、光源波長λ=193nm(ArF光源)、開口数
NA=0.6、2/3輪帯照明を用いている。
【0057】図5(d)に示すように、完全遮光マスク
(例えば通常のクロムマスク)と比べて、本発明のマス
クを用いることによってフォーカス特性が改善されてい
る。また、完全遮光マスク(例えば通常のクロムマス
ク)と比べて、ハーフトーンマスクを用いることによっ
てもフォーカス特性が改善されている。その理由は次の
通りである。すなわち、ハーフトーンマスクの半遮光部
は露光光に対して透過性を有するため、該半遮光部を透
過する0次光、つまり回折しない光の成分が光強度分布
形成において寄与する割合が増加すると共に、該回折し
ない光の成分はデフォーカスによる影響を受けにくい。
また、本発明のマスクにおいては、この0次光によるフ
ォーカス特性向上効果が得られると共に、開口部近傍に
完全遮光部を設けることによって実現される光強度分布
の周期的な変化によるフォーカス特性向上効果が斜入射
露光時に得られるので、フォーカス特性がより大きく改
善される。すなわち、本発明のマスクは2つのフォーカ
ス特性向上効果を同時に実現できるので、本発明のマス
クを用いることによりフォーカス特性の優れたパターン
形成を行なうことができる。
【0058】ここまで本発明のマスクによってフォーカ
ス特性が向上することを説明してきたが、次に、本発明
のマスクにおける半遮光部の透過率に対するコントラス
ト及びDOFの依存性について説明する。ここでは、図
6(a)に示す本発明のマスクを用いて、パターン形成
における各種マージンをシミュレーションした結果に基
づいた説明を行なう。図6(b)は、図6(a)に示す
本発明のマスクに対して露光を行なったときに形成され
る光強度分布を示している。図6(b)においては、図
6(a)に示す本発明のマスクを用いて幅100nmの
ホールパターンを形成しようとした場合に定義される各
種のマージンに関する値も図中に示している。具体的に
は、臨界強度Ithはレジスト膜が感光する光強度であ
り、この値に対して各種のマージンが定義される。例え
ばIpを光強度分布のピーク値とすると、Ip/Ith
はレジスト膜を感光させる感度に比例する値となり、こ
の値が高いほど好ましい。また、Ibを半遮光部を透過
する光のバックグラウンド強度とすると、Ith/Ib
が高いほどパターン形成時にレジスト膜の膜減り等が発
生しないことを意味し、この値が高いほど好ましい。一
般にIth/Ibの値は2以上あることが望まれてい
る。以上のことを踏まえて各マージンについて説明す
る。
【0059】図6(c)は、図6(a)に示す本発明の
マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過
率に対するDOFの依存性について計算した結果を示し
ている。ここで、DOFは、パターンの仕上がり寸法の
変化が10%以内に収まるフォーカス位置の幅として定
義してある。図6(c)に示すように、DOFの向上に
は半遮光部の透過率は高いほど好ましい。また、図6
(d)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用いたパ
ターン形成時における半遮光部の透過率に対するピーク
値Ipについて計算した結果を示している。図6(d)
に示すように、ピーク値Ip、つまりコントラストの向
上にも半遮光部の透過率は高いほど好ましい。以上の結
果から、本発明のマスクにおいては、半遮光部の透過率
は高いほど好ましく、具体的には、図6(c)及び
(d)に示すように、透過率が0%から6%程度まで上
がる間に露光マージンの向上率が大きくなっており、透
過率が6%以上の半遮光部を用いることが好ましいこと
が理解できる。
【0060】図6(e)は、図6(a)に示す本発明の
マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過
率に対するIth/Ibについて計算した結果を示して
いる。図6(e)に示すように、Ith/Ibは半遮光
部の透過率が高くなるほど低くなっており、Ith/I
bの向上には半遮光部の透過率が高くなりすぎると好ま
しくない。具体的には、半遮光部の透過率が15%程度
でIth/Ibは2よりも小さくなってしまう。また、
図6(f)は、図6(a)に示す本発明のマスクを用い
たパターン形成時における半遮光部の透過率に対するI
p/Ithについて計算した結果を示している。図6
(f)に示すように、半遮光部の透過率が15%程度の
ところにIp/Ithはピークを持っている。
【0061】以上に説明したように、本発明のマスクに
おいては、DOF又はコントラストは半遮光部の透過率
を高くするほど向上し、その効果は半遮光部の透過率が
6%を越えるとより顕著になる。一方、パターン形成時
におけるレジスト膜の膜減り防止、又はレジスト感度の
最適化等の観点からは、半遮光部の透過率の最大値は1
5%程度にしておくことが好ましい。従って、本発明の
マスクにおける半遮光部の透過率の最適値は6%以上で
且つ15%以下であると言える。
【0062】次に、第1の実施形態に係るフォトマスク
を用いたパターン形成方法について説明する。ここで、
露光機を用いてマスクパターンの縮小転写を行なうとき
に、斜入射露光光源を用いてもよい。ここで、斜入射露
光光源とは、図7(a)に示すような通常露光光源に対
して、フォトマスクにおける光源中心と対応する部分に
垂直に入射する光成分が取り除かれた、図7(b)〜
(d)に示すような光源のことを意味する。代表的な斜
入射露光光源としては、図7(b)に示す輪帯露光光
源、及び図7(c)に示す四重極露光光源がある。目的
のパターンに若干依存するが、一般に、輪帯露光光源よ
りも四重極露光光源の方がコントラストの強調又はDO
Fの拡大において効果的である。しかし、四重極露光に
おいてはパターン形状がマスク形状に対して歪むなどの
副作用もあるので、そのような場合には、図7(d)に
示す輪帯−四重極混成型露光光源を用いることが望まし
い。この輪帯−四重極混成型露光光源の特徴は、光源中
心を原点としてXY座標で考えたときに、光源中心と軸
上の光源とが取り除かれていることによって四重極の特
徴を有すると共に、光源の外形として円形が採用されて
いることにより輪帯の特徴をも有する点である。
【0063】図8(a)〜(d)は第1の実施形態に係
るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示
す断面図である。
【0064】まず、図8(a)に示すように、基板10
0上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜101を形成し
た後、図8(b)に示すように、被加工膜101の上
に、ポジ型のレジスト膜102を形成する。
【0065】次に、図8(c)に示すように、ハーフト
ーン膜11における完全遮光膜12が形成されていない
部分(ハーフトーン膜11の単層構造)よりなる半遮光
部と、ハーフトーン膜11における開口部形成領域の周
辺部の上に形成された完全遮光膜12よりなる完全遮光
部とが透過性基板10上に設けられた、第1の実施形態
に係るフォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて
露光光103を照射し、該フォトマスクを透過した透過
光104によってレジスト膜102を露光する。このと
き、マスクパターンとして、半遮光部を用いているた
め、レジスト膜102の全体が弱いエネルギーで露光さ
れる。しかし、図8(c)に示すように、現像工程でレ
ジスト膜102が溶解するに足りる露光エネルギーが照
射されるのは、レジスト膜102におけるフォトマスク
の開口部と対応する潜像部分102aのみである。ま
た、明部及び暗部が交互に繰り返された構造を有する本
実施形態のフォトマスクに対して斜入射露光を行なうた
め、レジスト膜102に転写されるマスクパターンの像
はフォーカス特性の良い像となる。すなわち、レジスト
膜102におけるフォトマスクの開口部と対応する部分
を除去するための光学像を、フォーカス特性の良い像と
して形成できる。
【0066】次に、レジスト膜102に対して現像を行
なって潜像部分102aを除去することにより、図8
(d)に示すように、レジストパターン105を形成す
る。
【0067】以上に説明したように、第1の実施形態に
よると、透過性基板10における透光部形成領域(開口
部形成領域)以外の他の領域の上にハーフトーン膜11
が形成されていると共に、ハーフトーン膜11における
開口部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜12が形成さ
れている。このため、透光部(開口部)及びその周辺を
透過した露光光の光強度分布においては、開口部と対応
する明部と、ハーフトーン膜11の単層構造部分よりな
る半遮光部と対応する明部との間に、開口部の周辺部に
位置する完全遮光膜12よりなる完全遮光部と対応する
暗部が生じる。すなわち、開口部が孤立している場合
(他の開口部から(2×λ/NA)(λは露光光の波
長、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)以上離れ
ている場合)にも、開口部及びその周辺を透過した露光
光の光強度分布において周期的な変化が生じるので、フ
ォーカス特性に優れた像を形成できる。また、このフォ
ーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプロセス
において斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部
(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合
にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ライン
パターン又は密集パターンとを同時に微細化することが
できる。
【0068】また、第1の実施形態によると、マスク設
計段階において、開口部と対応する図形を、その拡大図
形から引き去るだけで完全遮光部と対応する図形を自己
整合的に生成できるので、マスク設計を簡単に行なうこ
とができる。
【0069】尚、第1の実施形態において、ハーフトー
ン膜11つまり半遮光部の透過率は6%以上で且つ15
%以下であることが好ましい。このようにすると、パタ
ーン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しなが
ら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に得ることが
できる。
【0070】また、第1の実施形態において、完全遮光
膜12の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以
下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露
光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好まし
い。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果
を確実に得ることができる。
【0071】また、第1の実施形態において、半遮光部
(ハーフトーン膜11の単層構造)を透過する光と、開
口部を透過する光とが同位相であるとしたが、前述のフ
ォーカス特性向上効果が失われるのは、半遮光部と開口
部との間の位相差が90度以上のときであるので、半遮
光部と開口部との間に、(ー30+360×n)度以上
で且つ(30+360×n)以下(但しnは整数)の位
相差が生じることは問題にならない。
【0072】また、第1の実施形態において、透過性基
板10上に、下層となるハーフトーン膜11と、上層と
なる完全遮光膜12とを形成したが、これに代えて、完
全遮光膜12を下層に、ハーフトーン膜11を上層に形
成してもよい。
【0073】また、第1の実施形態において、ポジ型レ
ジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、
言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型
レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプ
ロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i
線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長
248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193n
m)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が
利用できる。
【0074】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォトマスクを
用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら
説明する。
【0075】図9(a)は、第2の実施形態に係るフォ
トマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一
例を示している。
【0076】尚、本実施形態でパターン形成について説
明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセ
スを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジ
スト膜における光が照射された部分が除去されるという
ことを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセ
スの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射
された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポ
ジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じ
ことになる。また、本実施形態においては、特に断らな
い限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%とし
たときの実効透過率で表す。
【0077】図9(b)は、第2の実施形態に係るフォ
トマスク、具体的には、図9(a)に示す所望のパター
ンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図9
(b)に示すように、所望のパターンにおける孤立した
レジスト除去部に対応するように高透過率位相シフター
(孤立透光部)が設けられていると共に、所望のパター
ンにおける密集したレジスト除去部に対応するように複
数の開口部(密集透光部)が設けられている。また、高
透過率位相シフターの周辺部には完全遮光部が設けられ
ていると共に、該完全遮光部及び複数の開口部を囲むよ
うに低透過率位相シフターが設けられている。低透過率
位相シフターは、レジスト膜を感光させない程度の低透
過率(例えば6%程度)を持つ。また、高透過率位相シ
フター及び低透過率位相シフターは、マスク母体となる
透過性基板(つまり密集透光部となる各開口部)と反対
位相で光を透過させる。
【0078】尚、本実施形態において、密集透光部と
は、(2×λ/NA)(λは露光光の波長、NAは露光
機の縮小投影光学系の開口数)以下の寸法で互いに隣り
合う透光部を意味する。逆に、孤立透光部とは、他の透
光部から2×λ/NA以上離れている透光部を意味す
る。
【0079】また、本実施形態において、完全遮光部
は、矩形状の高透過率位相シフターの各辺から所定の寸
法(例えばλ/NA)以下の領域に配置されている。す
なわち、マスク設計段階において、高透過率位相シフタ
ーと対応する図形を所定の寸法だけ拡大し、該拡大図形
から、高透過率位相シフターと対応する図形を引き去る
ことにより、完全遮光部と対応する図形を自己整合的に
生成できる。このように作成された本実施形態のフォト
マスクにおいては、高透過率位相シフターを通過する光
の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。従って、本実
施形態のフォトマスクにおいて、高透過率位相シフター
及び低透過率位相シフターを明部と考え、完全遮光部を
暗部と考えると、高透過率位相シフターの位置は必ず、
明部、暗部、明部、暗部及び明部と交互に並んだ配置に
おける中央の明部と対応する位置になる。このように明
部及び暗部が繰り返し配置されており、且つその繰り返
し周期(明部(暗部)からその隣の明部(暗部)までの
距離)が光学的な干渉効果の影響が無視できない距離、
つまり2×λ/NA以下であるパターンは周期パターン
としての光学特性を有する。
【0080】図9(c)及び(d)は、図9(b)にお
けるAA’線及びBB’線のそれぞれの断面図、つまり
第2の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図
9(c)及び(d)に示すように、図9(b)に示すフ
ォトマスクは以下のようにして実現されている。すなわ
ち、透過性基板20における透光部形成領域(孤立透光
部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領域の
上に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例え
ば6%程度)を持つと共に透過性基板20と反対位相
(実際には(150+360×n)度以上で且つ(21
0+360×n)以下(但しnは整数)の位相差)で光
を透過する位相シフト膜21を形成する。また、位相シ
フト膜21における孤立透光部形成領域(高透過率位相
シフター)の周辺部の上に、完全遮光部となる完全遮光
膜22を形成する。一方、位相シフト膜21における密
集透光部形成領域(複数の開口部)の周辺部の上には完
全遮光膜22を配置しない。ここで、位相シフト膜21
における完全遮光膜22が形成されていない部分(位相
シフト膜21の単層構造部分)は低透過率位相シフター
として機能する。尚、透過性基板20における孤立透光
部形成領域は、透過性基板20との間で露光光に対して
180度(実際には(150+360×n)度以上で且
つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の
位相差を生じる厚さだけ掘り下げられている。これによ
り、透過性基板20の掘り下げ部20aによって、高透
過率位相シフターとなる孤立透光部が形成される。但
し、この高透過率位相シフターは、透過性基板20とほ
ぼ同等の透過率を有するが、透過性基板20のエッチン
グ面における光散乱の影響等によって透過性基板20よ
りも若干透過率が低下している。一方、透過性基板20
における密集透光部形成領域は掘り下げられずに密集透
光部(つまり複数の開口部)が形成されている。
【0081】以上により、高透過率位相シフターとなる
孤立透光部(明部)と、位相シフト膜21の単層構造よ
りなる低透過率位相シフター(明部)との間に、孤立透
光部の周辺部に位置する完全遮光膜22よりなる完全遮
光部(暗部)が設けられた、図9(b)に示す構造のフ
ォトマスクが実現される。従って、本実施形態のフォト
マスクにおいても、第1の実施形態に係るフォトマスク
と同様に、0次光によるフォーカス特性向上効果が得ら
れると共に、孤立透光部(高透過率位相シフター)の周
辺部に完全遮光部を設けることによって実現される光強
度分布の周期的な変化によるフォーカス特性向上効果が
斜入射露光時に得られるので、フォーカス特性がより大
きく改善される。すなわち、本実施形態のフォトマスク
は2つのフォーカス特性向上効果を同時に実現できるの
で、本実施形態のフォトマスクを用いることによりフォ
ーカス特性の優れたパターン形成を行なうことができ
る。
【0082】次に、第2の実施形態に係るフォトマスク
を用いたパターン形成方法について説明する。
【0083】図10(a)〜(d)は第2の実施形態に
係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を
示す断面図である。
【0084】まず、図10(a)に示すように、基板2
00上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜201を形成
した後、図10(b)に示すように、被加工膜201の
上に、ポジ型のレジスト膜202を形成する。
【0085】次に、図10(c)に示すように、掘り下
げ部20aによって高透過率位相シフターとなった孤立
透光部、位相シフト膜21の単層構造よりなる低透過率
位相シフター、及び、位相シフト膜21における孤立透
光部(掘り下げ部20a)の周辺部の上に形成された完
全遮光膜22よりなる完全遮光部が透過性基板20上に
設けられた、第2の実施形態に係るフォトマスクに対し
て、斜入射露光光源を用いて露光光203を照射し、該
フォトマスクを透過した透過光204によってレジスト
膜202を露光する。このとき、マスクパターンとし
て、低透過率位相シフターを用いているため、レジスト
膜202の全体が弱いエネルギーで露光される。しか
し、図10(c)に示すように、現像工程でレジスト膜
202が溶解するに足りる露光エネルギーが照射される
のは、レジスト膜202における高透過率位相シフター
(掘り下げ部20a)と対応する潜像部分202aのみ
である。また、明部及び暗部が交互に繰り返された構造
を有する本実施形態のフォトマスクに対して斜入射露光
を行なうため、レジスト膜202に転写されるマスクパ
ターンの像はフォーカス特性の良い像となる。すなわ
ち、レジスト膜202における高透過率位相シフターと
対応する部分を除去するための光学像を、フォーカス特
性の良い像として形成できる。
【0086】次に、レジスト膜202に対して現像を行
なって潜像部分202aを除去することにより、図10
(d)に示すように、レジストパターン205を形成す
る。
【0087】以上に説明したように、第2の実施形態に
よると、透過性基板20における透光部形成領域(孤立
透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領
域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させ
る位相シフト膜21が形成されている。また、位相シフ
ト膜21における孤立透光部形成領域の周辺部の上に完
全遮光膜22が形成されていると共に、透過性基板20
における孤立透光部形成領域が、露光光の位相反転が生
じる厚さだけ掘り下げられている。これにより、透過性
基板20の掘り下げ部20aによって、高透過率位相シ
フターとなる孤立透光部が形成される。ここで、孤立透
光部を透過する光と、位相シフト膜21の単層構造より
なる低透過率位相シフターを透過する光とは実質的に同
位相である。このため、孤立透光部(高透過率位相シフ
ター)及びその周辺を透過した露光光の光強度分布にお
いては、高透過率位相シフターと対応する明部と、低透
過率位相シフターと対応する明部との間に、高透過率位
相シフターの周辺部に位置する完全遮光膜22よりなる
完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわち、高透過
率位相シフターとなる孤立透光部及びその周辺部を透過
した露光光の光強度分布において周期的な変化が生じる
ので、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、
このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジスト
プロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジス
ト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成
する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤
立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化す
ることができる。
【0088】また、第2の実施形態によると、マスク設
計段階において、孤立透光部(高透過率位相シフター)
と対応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完
全遮光部と対応する図形を自己整合的に生成できるの
で、マスク設計を簡単に行なうことができる。
【0089】また、第2の実施形態によると、通常のハ
ーフトーン位相シフトマスクと同様のマスクブランク構
造(透過性基板20と位相シフト膜21との積層構造)
を有する。このため、図2(b)及び(d)に示すよう
に、透過性基板20における密集透光部形成領域を掘り
下げずに密集透光部を形成すると共に位相シフト膜21
における密集透光部形成領域の周辺部のには完全遮光膜
22を配置しないことによって、密集透光部及びその周
辺部のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相シフ
トマスクと同等になる。従って、斜入射露光との組み合
わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成
において、焦点深度及び解像力を向上させることができ
る。
【0090】尚、第2の実施形態において、位相シフト
膜21つまり低透過率位相シフターの透過率は6%以上
で且つ15%以下であることが好ましい。このようにす
ると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を
防止しながら、前述のフォーカス特性向上効果を確実に
得ることができる。
【0091】また、第2の実施形態において、完全遮光
膜22の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以
下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露
光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好まし
い。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果
を確実に得ることができる。
【0092】また、第2の実施形態において、透過性基
板20の上に、下層となる位相シフト膜21と、上層と
なる完全遮光膜22とを形成したが、これに代えて、完
全遮光膜22を下層に、位相シフト膜21を上層に形成
してもよい。
【0093】また、第2の実施形態において、ポジ型レ
ジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、
言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型
レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプ
ロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i
線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長
248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193n
m)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が
利用できる。
【0094】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係るフォトマスク、及びそのフォトマスクを
用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら
説明する。
【0095】図11(a)は、第3の実施形態に係るフ
ォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの
一例を示している。
【0096】尚、本実施形態でパターン形成について説
明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセ
スを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジ
スト膜における光が照射された部分が除去されるという
ことを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセ
スの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射
された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポ
ジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じ
ことになる。また、本実施形態においては、特に断らな
い限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%とし
たときの実効透過率で表す。
【0097】図11(b)は、第3の実施形態に係るフ
ォトマスク、具体的には、図11(a)に示す所望のパ
ターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。
図11(b)に示すように、所望のパターンにおける各
レジスト除去部に対応するように高透過率位相シフター
(孤立透光部及び密集透光部)が設けられている。ま
た、各高透過率位相シフターを囲む遮光性のマスクパタ
ーンとして、露光光を完全に遮光する完全遮光部と共
に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(例えば
6%程度)を有し且つ高透過率位相シフターと同位相で
光を透過させる低透過率位相シフターを用いている。具
体的には、各透光部(高透過率位相シフター)の周辺部
に完全遮光部が設けられていると共に、該完全遮光部を
囲むように低透過率位相シフターが設けられている。但
し、密集透光部の各透光部(高透過率位相シフター)同
士の間には、完全遮光部に代えて、レジスト膜を感光さ
せない程度の低透過率を持つ半遮光部が設けられてい
る。半遮光部を透過する光と、高透過率位相シフター及
び低透過率位相シフターを透過する光とは反対位相の関
係にある。また、半遮光部の透過率は低透過率位相シフ
ターよりも若干高い。
【0098】尚、本実施形態において、密集透光部と
は、(2×λ/NA)(λは露光光の波長、NAは露光
機の縮小投影光学系の開口数)以下の寸法で互いに隣り
合う透光部を意味する。逆に、孤立透光部とは、他の透
光部から2×λ/NA以上離れている透光部を意味す
る。
【0099】また、本実施形態において、孤立透光部
(高透過率位相シフター)の周辺部に設けられる完全遮
光部は、矩形状の高透過率位相シフターの各辺から所定
の寸法(例えばλ/NA)以下の領域に配置されてい
る。すなわち、マスク設計段階において、高透過率位相
シフターとなる孤立透光部と対応する図形を所定の寸法
だけ拡大し、該拡大図形から、孤立透光部と対応する図
形を引き去ることにより、完全遮光部と対応する図形を
自己整合的に生成できる。このように作成された本実施
形態のフォトマスクにおいては、孤立透光部を通過する
光の輪郭に沿って強い遮光領域が存在する。従って、本
実施形態のフォトマスクにおいて、高透過率位相シフタ
ー及び低透過率位相シフターを明部と考え、完全遮光部
を暗部と考えると、高透過率位相シフターとなる孤立透
光部の位置は必ず、明部、暗部、明部、暗部及び明部と
交互に並んだ配置における中央の明部と対応する位置に
なる。このように明部及び暗部が繰り返し配置されてお
り、且つその繰り返し周期(明部(暗部)からその隣の
明部(暗部)までの距離)が光学的な干渉効果の影響が
無視できない距離、つまり2×λ/NA以下であるパタ
ーンは周期パターンとしての光学特性を有する。
【0100】図11(c)及び(d)は、図11(b)
におけるAA’線及びBB’線のそれぞれの断面図、つ
まり第3の実施形態に係るフォトマスクの断面図であ
る。図11(c)及び(d)に示すように、図11
(b)に示すフォトマスクは以下のようにして実現され
ている。すなわち、透過性基板30における透光部形成
領域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以
外の他の領域の上に、透過性基板30よりも露光光に対
する透過率が低い半遮光膜(透過率調整膜)31を形成
する。また、透過率調整膜31の上に、透過性基板30
及び透過率調整膜31の積層構造との間で露光光に対し
て180度(実際には(150+360×n)度以上で
且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))
の位相差を生じる位相調整膜32を形成する。さらに、
位相調整膜32における各透光部形成領域透光部の周辺
部の上に、完全遮光部となる完全遮光膜33を形成す
る。但し、透過率調整膜31における密集透光部の各透
光部(高透過率位相シフター)同士の間の部分の上に
は、位相調整膜32及び完全遮光膜33は形成されてい
ない。ここで、透過率調整膜31の単層構造(透過率調
整膜31における位相調整膜32及び完全遮光膜33が
形成されていない部分)は、レジスト膜を感光させない
程度の低透過率を持つ半遮光部を構成する。また、透過
率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造(透過率調
整膜31及び位相調整膜32の積層構造における完全遮
光膜33が形成されていない部分)は、レジスト膜を感
光させない程度の低透過率を持つ低透過率位相シフター
を構成する。尚、透過性基板30における透光部形成領
域(孤立透光部形成領域及び密集透光部形成領域)は、
透過性基板30及び透過率調整膜31の積層構造との間
で露光光に対して180度(実際には(150+360
×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但
しnは整数))の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ
ている。これにより、透過性基板30の掘り下げ部30
aによって、それぞれ高透過率位相シフターとなる孤立
透光部及び密集透光部が形成される。但し、この高透過
率位相シフターは、透過性基板30とほぼ同等の透過率
を有するが、透過性基板30のエッチング面における光
散乱の影響等によって透過性基板30よりも若干透過率
が低下している。
【0101】以上により、高透過率位相シフターとなる
孤立透光部(明部)と、透過率調整膜31及び位相調整
膜32の積層構造よりなる低透過率位相シフター(明
部)との間に、孤立透光部の周辺部に位置する完全遮光
膜33よりなる完全遮光部(暗部)が設けられた、図1
1(b)に示す構造のフォトマスクが実現される。従っ
て、本実施形態のフォトマスクにおいても、第1の実施
形態に係るフォトマスクと同様に、0次光によるフォー
カス特性向上効果が得られると共に、孤立透光部(高透
過率位相シフター)の近傍に完全遮光部を設けることに
よって実現される光強度分布の周期的な変化によるフォ
ーカス特性向上効果が斜入射露光時に得られるので、フ
ォーカス特性がより大きく改善される。すなわち、本実
施形態のフォトマスクは2つのフォーカス特性向上効果
を同時に実現できるので、本実施形態のフォトマスクを
用いることによりフォーカス特性の優れたパターン形成
を行なうことができる。
【0102】次に、第3の実施形態に係るフォトマスク
を用いたパターン形成方法について説明する。
【0103】図12(a)〜(d)は第3の実施形態に
係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を
示す断面図である。
【0104】まず、図12(a)に示すように、基板3
00上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜301を形成
した後、図12(b)に示すように、被加工膜301の
上に、ポジ型のレジスト膜302を形成する。
【0105】次に、図12(c)に示すように、掘り下
げ部30aによって高透過率位相シフターとなった孤立
透光部、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構
造よりなる低透過率位相シフター、及び、位相調整膜3
2における孤立透光部(掘り下げ部30a)の周辺部の
上に形成された完全遮光膜33よりなる完全遮光部が透
過性基板30上に設けられた、第3の実施形態に係るフ
ォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて露光光3
03を照射し、該フォトマスクを透過した透過光304
によってレジスト膜302を露光する。このとき、マス
クパターンとして、低透過率位相シフターを用いている
ため、レジスト膜302の全体が弱いエネルギーで露光
される。しかし、図12(c)に示すように、現像工程
でレジスト膜302が溶解するに足りる露光エネルギー
が照射されるのは、レジスト膜302における高透過率
位相シフター(掘り下げ部30a)と対応する潜像部分
302aのみである。また、明部及び暗部が交互に繰り
返された構造を有する本実施形態のフォトマスクに対し
て斜入射露光を行なうため、レジスト膜302に転写さ
れるマスクパターンの像はフォーカス特性の良い像とな
る。すなわち、レジスト膜302における高透過率位相
シフターと対応する部分を除去するための光学像を、フ
ォーカス特性の良い像として形成できる。
【0106】次に、レジスト膜302に対して現像を行
なって潜像部分302aを除去することにより、図12
(d)に示すように、レジストパターン305を形成す
る。
【0107】以上に説明したように、第3の実施形態に
よると、透過性基板30における透光部形成領域(孤立
透光部形成領域及び密集透光部形成領域)以外の他の領
域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させ
る、透過率調整膜31及び位相調整膜32の積層構造が
形成されている。また、位相調整膜32における各透光
部形成領域の周辺部の上に完全遮光膜33が形成されて
いると共に、透過性基板30における各透光部形成領域
が、露光光の位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられて
いる。これにより、透過性基板30の掘り下げ部30a
によって、高透過率位相シフターとなる透光部(孤立透
光部及び密集透光部)が形成される。ここで、各透光部
を透過する光と、透過率調整膜31及び位相調整膜32
の積層構造よりなる低透過率位相シフターを透過する光
とは実質的に同位相である。このため、各透光部(高透
過率位相シフター)及びその周辺を透過した露光光の光
強度分布においては、高透過率位相シフターと対応する
明部と、低透過率位相シフターと対応する明部との間
に、高透過率位相シフターの周辺部に位置する完全遮光
膜よりなる完全遮光部と対応する暗部が生じる。すなわ
ち、高透過率位相シフターとなる孤立透光部及びその周
辺を透過した露光光の光強度分布において周期的な変化
が生じるので、フォーカス特性に優れた像を形成でき
る。また、このフォーカス特性向上効果は、例えばポジ
型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な
孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパター
ン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパ
ターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時
に微細化することができる。
【0108】また、第3の実施形態によると、マスク設
計段階において、透光部(高透過率位相シフター)と対
応する図形を、その拡大図形から引き去るだけで完全遮
光部と対応する図形を自己整合的に生成できるので、マ
スク設計を簡単に行なうことができる。
【0109】また、第3の実施形態によると、透過率調
整膜31は、透過性基板30における密集透光部形成領
域以外の領域の上に形成されている。言い換えると、図
11(d)に示すように、透過率調整膜31は、密集透
光部と対応する複数の開口部を有している。また、該開
口部同士の間の透過率調整膜31の上には、位相調整膜
32及び完全遮光膜33は形成されていない。但し、透
過率調整膜31における密集透光部形成領域の周辺部
(開口部同士の間の部分は除く)の上には、位相調整膜
32及び完全遮光膜33の積層構造が形成されている。
このため、密集透光部のうち周縁領域に位置する透光部
と対応するパターンの形成においては、光強度分布にお
ける周期的な変化を利用して前述のフォーカス特性向上
効果が得られる。また、密集透光部のうち中心領域に位
置する透光部と対応するパターンの形成においては、該
中心領域のフォトマスク構造が通常のハーフトーン位相
シフトマスクと同等になるので、斜入射露光との組み合
わせにより、焦点深度及び解像力の向上効果が得られ
る。その理由は、密集透光部のうち中心領域に位置する
透光部(つまり高透過率位相シフター)が、該透光部と
反対位相の光を透過させる透過率調整膜31の単層構造
よりなる半遮光部によって囲まれるという、ハーフトー
ン位相シフトマスクの構造が実現されているからであ
る。すなわち、高透過率位相シフターよりなる透光部
を、通常のハーフトーン位相シフトマスクの開口部とみ
なせば、透過率調整膜31の単層構造よりなる半遮光部
は低透過率位相シフターとして作用することになる。こ
のように、所定の寸法以下で透光部が隣り合っている場
合、該透光部を囲む遮光部としては、完全遮光部よりも
位相シフターの方が好ましい。ここで、所定の寸法と
は、位相シフターの透過率に依存して変化するが、6%
程度から15%程度までの透過率であるなら、2×λ/
NA(λは露光光の波長、NAは露光機の縮小投影光学
系の開口数)程度の寸法である。
【0110】尚、第3の実施形態において、透過率調整
膜31及び位相調整膜32の積層構造、つまり低透過率
位相シフターの透過率は6%以上で且つ15%以下であ
ることが好ましい。このようにすると、パターン形成時
におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述の
フォーカス特性向上効果を確実に得ることができる。
【0111】また、第3の実施形態において、完全遮光
膜33の幅は、0.5×λ/NA以上で且つλ/NA以
下であること(但しλは露光光の波長であり、NAは露
光機の縮小投影光学系の開口数である)ことが好まし
い。このようにすると、前述のフォーカス特性向上効果
を確実に得ることができる。
【0112】また、第3の実施形態において、透過率調
整膜31により覆われた透過性基板30の上に、下層と
なる位相調整膜32と、上層となる完全遮光膜33とを
形成したが、これに代えて、完全遮光膜33を下層に、
位相調整膜32を上層に形成してもよい。
【0113】また、第3の実施形態において、ポジ型レ
ジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、
言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型
レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプ
ロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i
線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長
248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193n
m)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が
利用できる。
【0114】また、第1〜第3の実施形態において、フ
ォトマスクにおける透光部(開口部又は高透過率位相シ
フター)及びその近傍の微小な完全遮光部以外の部分が
全て半遮光部(又は低透過率位相シフター)であること
を前提としてきた。しかし、フォトマスクにおける透光
部から十分離れた部分、つまり、フォトマスクにおけ
る、透光部から光学的な干渉効果の影響がほとんど無視
できる距離(=2×λ/NA(λは露光光の波長であ
り、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である))
以上離れた部分は完全遮光部であってもよい。
【0115】
【発明の効果】本発明によると、透光部が孤立している
場合にも、透光部及びその周辺を透過した露光光の光強
度分布において明部及び暗部の周期的な変化が生じるの
で、フォーカス特性に優れた像を形成できる。また、こ
のフォーカス特性向上効果は、例えばポジ型レジストプ
ロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト
除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成す
る場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立
ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフォ
トマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一
例を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態
に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)に
おけるAA’線の断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、マスク表面に設けられた
完全遮光部に孤立した開口部が設けられてなる完全遮光
マスクの平面図及び断面図であり、(c)は(a)にお
けるAA’線と対応する光強度分布を示す図である。
【図3】(a)及び(b)は、マスク表面に設けられた
半遮光部に孤立した開口部が設けられてなるハーフトー
ンマスクの平面図及び断面図であり、(c)は(a)に
おけるAA’線と対応する光強度分布を示す図である。
【図4】(a)及び(b)は、開口部の近傍に完全遮光
部が設けられていると共に完全遮光部を囲むように半遮
光部が設けられてなる本発明のマスクの平面図及び断面
図であり、(c)は(a)におけるAA’線と対応する
光強度分布を示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、フォーカス特性のシミュレ
ーションに用いた完全遮光マスク、ハーフトーンマスク
及び本発明のマスクのそれぞれの平面図であり、(d)
は、完全遮光マスク、ハーフトーンマスク及び本発明の
マスクのそれぞれを用いてパターン形成を行なったとき
のフォーカス特性を光強度シミュレーションにより計算
した結果を示す図である。
【図6】(a)〜(f)は本発明のマスクにおける半遮
光部の透過率に対するコントラスト及びDOFの依存性
を説明する図である。
【図7】(a)は通常の露光光源の形状を示す図であ
り、(b)は輪帯露光光源の形状を示す図であり、
(c)は四重極露光光源の形状を示す図であり、(d)
は輪帯−四重極混成型露光光源の形状を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示
す断面図である。
【図9】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフォ
トマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一
例を示す図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態
に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)に
おけるAA’線の断面図であり、(d)は(b)におけ
るBB’線の断面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に
係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を
示す断面図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施形態に係るフ
ォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの
一例を示す図であり、(b)は、本発明の第3の実施形
態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)
におけるAA’線の断面図であり、(d)は(b)にお
けるBB’線の断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に
係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を
示す断面図である。
【図13】(a)は、ハーフトーン位相シフトマスクに
対して露光を行なっている様子を示す図であり、(b)
は、ハーフトーン位相シフトマスクに対して露光を行な
ったときに被露光ウェハ上に形成される光強度分布を示
す図である。
【符号の説明】
10 透過性基板 11 ハーフトーン膜 12 完全遮光膜 20 透過性基板 20a 掘り下げ部 21 位相シフト膜 22 完全遮光膜 30 透過性基板 30a 掘り下げ部 31 透過率調整膜 32 位相調整膜 33 完全遮光膜 70 透過性基板 71 位相シフター 72 露光光 73 透過光 80 透過性基板 81 遮光膜 90 透過性基板 91 ハーフトーン膜 100 基板 101 被加工膜 102 レジスト膜 102a 潜像部分 103 露光光 104 透過光 105 レジストパターン 200 基板 201 被加工膜 202 レジスト膜 202a 潜像部分 203 露光光 204 透過光 205 レジストパターン 300 基板 301 被加工膜 302 レジスト膜 302a 潜像部分 303 露光光 304 透過光 305 レジストパターン

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光に対して透光性を有する透過性基
    板と、 前記透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域
    の上に形成されており、前記露光光に対して所定の透過
    率を持つことにより遮光性を有すると共に前記透過性基
    板との間で前記露光光に対して(ー30+360×n)
    度以上で且つ(30+360×n)度以下(但しnは整
    数)の位相差を生じる半遮光膜と、 前記半遮光膜における前記透光部形成領域の周辺部の上
    に形成されており、前記露光光に対して1%よりも小さ
    い透過率を持つ完全遮光膜とを備えていることを特徴と
    するフォトマスク。
  2. 【請求項2】 前記所定の透過率は6%以上で且つ15
    %以下であることを特徴とする請求項1に記載のフォト
    マスク。
  3. 【請求項3】 前記完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/
    NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること
    (但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそ
    れぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率で
    ある)を特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  4. 【請求項4】 露光光に対して透光性を有する透過性基
    板と、 前記透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域
    の上に形成されており、前記露光光に対して所定の透過
    率を持つことにより遮光性を有すると共に前記透過性基
    板との間で前記露光光に対して(150+360×n)
    度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは
    整数)の位相差を生じる位相シフト膜と、 前記位相シフト膜における前記透光部形成領域の周辺部
    の上に形成されており、前記露光光に対して1%よりも
    小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、 前記透過性基板における前記透光部形成領域は、前記透
    過性基板との間で前記露光光に対して(150+360
    ×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但
    しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、
    それによって透光部が形成されていることを特徴とする
    フォトマスク。
  5. 【請求項5】 前記所定の透過率は6%以上で且つ15
    %以下であることを特徴とする請求項4に記載のフォト
    マスク。
  6. 【請求項6】 前記完全遮光膜の幅は、(0.5×λ/
    NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であること
    (但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそ
    れぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率で
    ある)を特徴とする請求項4に記載のフォトマスク。
  7. 【請求項7】 前記位相シフト膜は、所定の寸法以下で
    隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開
    口部を有することを特徴とする請求項4に記載のフォト
    マスク。
  8. 【請求項8】 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×M
    であること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA
    及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び
    縮小倍率である)を特徴とする請求項7に記載のフォト
    マスク。
  9. 【請求項9】 露光光に対して透光性を有する透過性基
    板と、 前記透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域
    の上に形成されており、前記透過性基板よりも前記露光
    光に対する透過率が低い半遮光膜と、 前記半遮光膜の上に形成されており、前記透過性基板及
    び半遮光膜の積層構造との間で前記露光光に対して(1
    50+360×n)度以上で且つ(210+360×
    n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフ
    ト膜と、 前記位相シフト膜における前記透光部形成領域の周辺部
    の上に形成されており、前記露光光に対して1%よりも
    小さい透過率を持つ完全遮光膜とを備え、 前記透過性基板における前記透光部形成領域は、前記透
    過性基板及び半遮光膜の積層構造との間で前記露光光に
    対して(150+360×n)度以上で且つ(210+
    360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる
    厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成され
    ており、 前記半遮光膜及び位相シフト膜の積層構造は、前記露光
    光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有す
    ることを特徴とするフォトマスク。
  10. 【請求項10】 前記所定の透過率は6%以上で且つ1
    5%以下であることを特徴とする請求項9に記載のフォ
    トマスク。
  11. 【請求項11】 前記完全遮光膜の幅は、(0.5×λ
    /NA)×M以上で且つ(λ/NA)×M以下であるこ
    と(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMは
    それぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率
    である)を特徴とする請求項9に記載のフォトマスク。
  12. 【請求項12】 前記半遮光膜は、所定の寸法以下で隣
    り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口
    部を有し、 前記位相シフト膜は、前記半遮光膜における前記複数の
    開口部の間の部分以外の他の部分の上に形成されてお
    り、 前記完全遮光膜は、前記位相シフト膜における前記複数
    の他の透光部形成領域の周辺部の上に形成されているこ
    とを特徴とする請求項9に記載のフォトマスク。
  13. 【請求項13】 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×
    Mであること(但し、λは前記露光光の波長であり、N
    A及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及
    び縮小倍率である)を特徴とする請求項12に記載のフ
    ォトマスク。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    のフォトマスクを用いたパターン形成方法であって、 基板上にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜に前記フォトマスクを介して前記露光光
    を照射する工程と、 前記露光光を照射された前記レジスト膜を現像して、前
    記レジスト膜をパターン化する工程とを備えていること
    を特徴とするパターン形成方法。
  15. 【請求項15】 前記露光光を照射する工程において斜
    入射照明法を用いることを特徴とする請求項14に記載
    のパターン形成方法。
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