JP3738234B2 - フォトマスク、その作成方法、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法 - Google Patents

フォトマスク、その作成方法、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置の製造に用いられる微細パターン形成用のフォトマスク、その作成方法及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体を用いて実現する大規模集積回路装置(以下、LSIと称する)の高集積化のために回路パターンの微細化がますます必要となってきている。その結果、回路を構成する配線パターンの細線化、又は絶縁層を介して多層化された配線同士をつなぐコンタクトホールパターン(以下、コンタクトパターンと称する)の微細化が非常に重要となってきた。
【0003】
以下、近年の光露光システムによる配線パターンの細線化について、ポジ型レジストプロセスを用いて行なう場合を想定して説明する。ポジ型レジストプロセスにおいて、ラインパターンとは、フォトマスクを用いた露光及びその後の現像によって、露光光の遮光領域と対応して残存するライン状のレジスト膜(レジストパターン)である。また、スペースパターンとは、露光光の照射領域と対応するレジスト除去部(レジスト除去パターン)である。また、コンタクトパターンとは、ホール状のレジスト除去部であり、スペースパターンのうち特に微小なものと考えればよい。尚、ポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いる場合、前述のラインパターン及びスペースパターンのそれぞれの定義を入れ替えればよい。
【0004】
一般に、配線パターンの微細化には、超解像露光と呼ばれる斜入射露光を用いた細線パターン形成方法が導入されてきた。この方法は、露光光の遮光領域と対応するレジストパターンの微細化方法として優れていると共に、周期的に配置された密パターンの焦点深度を向上させる効果も有している。但し、この斜入射露光方法は、孤立したレジスト除去部を微細化する方法としてはほとんど効果がなく、逆に、像(光学像)のコントラストや焦点深度を劣化させるものである。このため、斜入射露光方法は、レジスト除去部の寸法がレジストパターンの寸法よりも大きいという特徴を有するパターン形成、例えばゲートパターン形成等に積極的に用いられてきている。
【0005】
一方、微小コンタクトパターンのような孤立した微細なレジスト除去部を形成するためには、斜入射部分を含まない低干渉度の小さな光源を用いることが効果的であることがわかっている。このとき、ハーフトーン位相シフトマスクを用いると、より効果的である。ハーフトーン位相シフトマスクにおいては、コンタクトパターンと対応する透光部(開口部)を囲むマスクパターンとして、完全遮光部に代えて、露光光に対して3〜6%程度の非常に低い透過率を有し且つ開口部を透過する光に対して180度の位相反転を生じる位相シフターが設けられている。
【0006】
尚、本明細書において、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。また、完全遮光膜(完全遮光部)とは、実効透過率が1%よりも小さい遮光膜(遮光部)を意味するものとする。
【0007】
以下、ハーフトーン位相シフトマスクによるパターン形成方法の原理について図14(a)〜(g)を参照しながら説明する。
【0008】
図14(a)は、マスク表面に設けられた完全遮光部となるクロム膜にコンタクトパターンと対応する開口部が設けられてなるフォトマスクの平面図であり、図14(b)は、図14(a)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度を示している。図14(c)は、マスク表面に設けられた位相シフターにコンタクトパターンと対応するクロム膜が完全遮光部として設けられてなるフォトマスクの平面図であり、図14(d)は、図14(c)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度を示している。図14(e)は、マスク表面に設けられた位相シフターにコンタクトパターンと対応する開口部が設けられてなるフォトマスク(つまりハーフトーン位相シフトマスク)の平面図であり、図14(f)及び(g)はそれぞれ、図14(e)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度及び光強度を示している。
【0009】
ここで、図14(b)、(d)、(f)に示すように、図14(e)に示すハーフトーン位相シフトマスクを透過した光の振幅強度は、図14(a)及び(c)のそれぞれに示すフォトマスクを透過した光の振幅強度の和になっている。すなわち、図14(e)に示すハーフトーン位相シフトマスクにおいては、遮光部となる位相シフターは、低い透過率で光を透過させるだけではなく、該位相シフターを透過する光に、開口部を通過する光に対して180度の光路差(位相差)を与えるように形成されている。このため、図14(b)、(d)に示すように、位相シフターを透過する光は、開口部を透過する光に対して反対位相の振幅強度分布を有するので、図14(b)に示す振幅強度分布と図14(d)に示す振幅強度分布とを合成すると、図14(f)に示すように、位相変化により振幅強度が0となる位相境界が発生する。その結果、図14(g)に示すように、位相境界となる開口部の端(以下、位相端と称する)では、振幅強度の2乗で表される光強度も0となって強い暗部が形成される。従って、図14(e)に示すハーフトーン位相シフトマスクを透過した光の像においては、開口部周辺で非常に強いコントラストが実現される。但し、このコントラストの向上は、マスクに対して垂直に入射する光、具体的には低干渉度の小さな光源領域からマスクに入射する光に対して生じる一方、斜入射露光、例えば垂直入射成分(光源中心からの照明成分)を取り除いた輪帯照明と呼ばれるような露光に対しては、開口部周辺(位相変化が発生する位相境界付近)でもコントラストの向上は見られない。さらに、低干渉度の小さな光源により露光を行なう場合と比べて、斜入射露光を行なう場合の方が焦点深度も低くなるという欠点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、コンタクトパターンのような微細なレジスト除去パターンをポジ型レジストプロセスにより形成しようとした場合、垂直入射成分だけの照明となる干渉度0.5程度以下の小さな光源をハーフトーン位相シフトマスクと組み合わせて露光を行なう必要があった。この方法は、微細な孤立配置のコンタクトパターンの形成には非常に効果的であった。
【0011】
ところで、近年の半導体装置の高集積化に伴って、配線パターンのみならずコンタクトパターンにおいても孤立配置されたパターンと共に密に配置されたパターンが必要とされるようになってきている。ここで、密に配置されたコンタクトパターンの形成において高い焦点深度を実現するためには、密に配置された配線パターンと同様に斜入射露光が効果的である。
【0012】
また、近年、配線パターン形成においても、配線パターンとなるラインパターンの微細化に加えて、配線間のスペースパターンの微細化も必要となってきている。ここで、孤立した微小な配線間スペースパターンの形成に、低干渉度の光源をハーフトーン位相シフトマスクと組み合わせて使用することが効果的であることは孤立コンタクトパターンの場合と同様である。
【0013】
すなわち、高密度の配線パターン及び高密度のコンタクトパターンの形成には斜入射露光が必須である一方、斜入射露光を行なうと、孤立のコンタクトパターン及び孤立の配線間スペースパターンのコントラスト及び焦点深度が著しく悪化する。このコントラスト及び焦点深度の悪化は、解像度向上のためにハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合、より一層顕著になる。
【0014】
逆に、孤立した微小コンタクトパターン及び孤立した微小配線間スペースパターンの形成のために、低干渉度の小さな光源を用いると、高密度パターン又は微小ラインパターンの形成が困難になるという問題がある。
【0015】
従って、孤立配置された微小なスペースパターンに対する最適照明条件と、密に配置されたパターン又は微小なラインパターンに対する最適照明条件とは相反関係にある。このため、微小なレジストパターンの形成と微小な孤立レジスト除去パターンの形成とを同時に行なうために、光源からの垂直入射成分及び斜入射成分のそれぞれの効果に対してトレードオフが行なわれ、結果として干渉度が中程度(0.5〜0.6程度)の光源が用いられる。しかし、この場合、垂直入射及び斜入射の両方の効果が相殺されるので、孤立ラインパターン又は密集パターンと孤立スペースパターンとを同時に微細化して半導体装置のさらなる高集積化を実現していくことは困難になる。
【0016】
前記に鑑み、本発明は、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係るフォトマスクは、露光光に対して透光性を有する透過性基板と、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜とを備え、透過性基板における透光部形成領域及びその周辺部が、透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されていると共に位相シフト膜における透光部の周辺部がオーバーハングしている。
【0018】
本発明のフォトマスクによると、透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜が形成されていると共に、透過性基板における透光部形成領域及びその周辺部が、露光光に位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられて透光部が形成されている。このため、透光部と、位相シフト膜における透光部の周辺部以外の他の部分(つまり位相シフト膜の非オーバーハング部:以下、半遮光部と称する)とは、露光光を同位相で透過させる。一方、透光部と、位相シフト膜における透光部の周辺部(つまり位相シフト膜のオーバーハング部:以下、位相シフターと称する)とは、露光光を反対位相で透過させる。すなわち、半遮光部と透光部とによって、透光部の周辺部に位置する位相シフターが挟まれる。その結果、位相シフターを透過する光と透光部を透過する光との相互干渉により、透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0019】
また、本発明のフォトマスクによると、透過性基板上に位相シフト膜が形成された、通常のハーフトーン位相シフトマスク用のマスクブランクを用意して、位相シフト膜及び透過性基板のそれぞれに対してエッチングを行なうだけで、フォトマスク加工を容易に行なえる。
【0020】
本発明のフォトマスクにおいて、位相シフト膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口部を有することが好ましい。
【0021】
このようにすると、透過性基板における複数の他の透光部形成領域(以下、密集透光部形成領域)及びその周辺部を掘り下げずに密集透光部を形成することによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造が、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。このため、斜入射露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上させることができる。尚、密集透光部とは、(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。
【0022】
本発明のフォトマスクにおいて、所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0023】
このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のコントラスト強調効果を確実に得ることができる。
【0024】
本発明に係るパターン形成方法は、本発明のフォトマスクを用いたパターン形成方法を前提とし、基板上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜にフォトマスクを介して露光光を照射する工程と、露光光を照射されたレジスト膜を現像して、レジスト膜をパターン化する工程とを備えており、露光光を照射する工程においては斜入射照明法を用いることが好ましい。
【0025】
本発明のパターン形成方法によると、半遮光部と透光部との間に位相シフターが設けられた本発明のフォトマスク(輪郭強調マスク)を用いた露光を行なうため、透光部を透過する光と位相シフターを透過する光との相互干渉により、透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0026】
本発明に係るフォトマスクの作成方法は、露光光に対して透光性を有する透過性基板の上に、露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜を形成する第1の工程と、位相シフト膜における透光部形成領域を除去して開口部を形成する第2の工程と、開口部が形成された位相シフト膜をマスクとして、透過性基板に対して等方性エッチングを行なうことにより、透過性基板における透光部形成領域及びその周辺部を、透過性基板との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げ、それによって透光部を形成すると共に位相シフト膜における透光部の周辺部をオーバーハングさせる第3の工程とを備えている。
【0027】
本発明のフォトマスクの作成方法によると、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜を形成した後、位相シフト膜における透光部形成領域を除去して開口部を形成し、その後、開口部が形成された位相シフト膜をマスクとして透過性基板に対して等方性エッチングを行なって、透過性基板における透光部形成領域及びその周辺部を、露光光に位相反転が生じる厚さだけ掘り下げて透光部を形成する。このため、透光部と、位相シフト膜における透光部の周辺部以外の他の部分(つまり位相シフト膜の非オーバーハング部:以下、半遮光部と称する)とは、露光光を同位相で透過させる。一方、透光部と、位相シフト膜における透光部の周辺部(つまり位相シフト膜のオーバーハング部:以下、位相シフターと称する)とは、露光光を反対位相で透過させる。すなわち、半遮光部と透光部とによって、透光部の周辺部に位置する位相シフターが挟まれる。その結果、位相シフターを透過する光と透光部を透過する光との相互干渉により、透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0028】
また、本発明のフォトマスクの作成方法によると、透過性基板上に位相シフト膜が形成された、通常のハーフトーン位相シフトマスク用のマスクブランクを用意して、位相シフト膜及び透過性基板のそれぞれに対してエッチングを行なうだけで、フォトマスク加工を容易に行なえる。
【0029】
本発明のフォトマスクの作成方法において、第3の工程よりも後に、位相シフト膜における所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域を除去して複数の開口部を形成する第4の工程を備えていることが好ましい。
【0030】
このようにすると、透過性基板における複数の他の透光部形成領域(以下、密集透光部形成領域)及びその周辺部を掘り下げずに密集透光部を形成することによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造が、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。このため、斜入射露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上させることができる。尚、密集透光部とは、(2×λ/NA)×M(λは露光光の波長、NA及びMは露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率)以下の寸法で互いに隣り合う透光部を意味する。
【0031】
本発明のフォトマスクの作成方法において、所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。
【0032】
このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、本発明のフォトマスクによるコントラスト強調効果を確実に得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を実現する上で本願発明者が考案したフォトマスクによる解像度向上方法、具体的には、孤立スペースパターンの解像度を向上させるための「輪郭強調法」について説明する。
【0034】
(輪郭強調法)
以下、ポジ型レジストプロセスによりコンタクトパターンを形成する場合を例として説明する。尚、「輪郭強調法」は、ポジ型レジストプロセスにおける微小スペースパターンであれば、その形状に関わらず全く同様に成り立つ原理である。また、「輪郭強調法」は、ネガ型レジストプロセスを用いる場合も、ポジ型レジストプロセスにおける微小スペースパターン(レジスト除去パターン)を微小パターン(レジストパターン)と置き換えて考えれば全く同様に適用できる。
【0035】
図1(a)〜(g)は、コンタクトパターンを形成するための露光において光の転写像のコントラストを強調するための原理を説明する図である。
【0036】
図1(a)は、マスク表面を覆い且つ露光光に対して6%以上で且つ15%以下の透過率を持つ半遮光部に、コンタクトパターンと対応する開口部(つまり透光部)が設けられてなるフォトマスクの平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度を示している。
【0037】
図1(c)は、マスク表面を覆う完全遮光部に、図1(a)に示す開口部の周辺領域に位置する位相シフターが設けられてなるフォトマスクの平面図であり、図1(d)は、図1(c)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度を示している。ここで、図1(d)に示す光の振幅強度は、該光が位相シフターを透過したものであるため、図1(b)に示す光の振幅強度に対して反対位相の関係にある。
【0038】
図1(e)は、図1(a)に示すフォトマスクと同様の半遮光部に、コンタクトパターンと対応する開口部と、該開口部の周辺領域に位置する位相シフターとが設けられてなるフォトマスクの平面図であり、図1(f)及び(g)は、図1(e)に示すフォトマスクを透過した光における線分AA’と対応する振幅強度及び光強度(光の振幅強度の2乗)を示している。すなわち、図1(e)に示すフォトマスクは、図1(a)に示すフォトマスクにおける開口部の周辺領域に位相シフターが配置されたフォトマスクである。ここで、図1(e)に示すフォトマスクは、「輪郭強調法」を実現する本発明のフォトマスク(以下、輪郭強調マスクと称する)の一例である。
【0039】
尚、図1(a)又は(e)に示すフォトマスクにおいて、半遮光部を透過する光と、開口部を透過する光とは同位相(具体的には位相差が(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×n)度以下(但しnは整数))である。また、図1(e)に示すフォトマスクにおいて、位相シフターを透過する光と、開口部を透過する光とは反対位相(具体的には位相差が(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))である。
【0040】
図1(e)に示す輪郭強調マスクを透過した光の転写像が強調される原理は次の通りである。すなわち、図1(e)に示すフォトマスクの構造は、図1(a)及び(c)のそれぞれに示すフォトマスクを重ね合わせた構造になっている。従って、図1(b)、(d)、(f)に示すように、図1(e)に示すフォトマスクを透過した光の振幅強度は、図1(a)及び(c)のそれぞれに示すフォトマスクを透過した光の振幅強度を重ね合わせたような分布になっている。ここで、図1(f)から分かるように、図1(e)に示すフォトマスクにおいて、開口部の周辺に配置された位相シフターを透過した光は、開口部及び半遮光部のそれぞれを透過した光の一部を打ち消すことができる。従って、図1(e)に示すフォトマスクにおいて、位相シフターを透過する光の強度を、開口部周辺の光が打ち消されるように調整すれば、図1(g)に示すように、開口部周辺と対応する光強度がほぼ0に近い値まで減少した光強度分布の形成が可能となる。
【0041】
また、図1(e)に示すフォトマスクにおいて、位相シフターを透過する光は、開口部周辺の光を強く打ち消す一方、開口部中央付近の光を弱く打ち消す。その結果、図1(g)に示すように、図1(e)に示すフォトマスクを透過した光における、開口部中央から開口部周辺に向けて変化する光強度分布のプロファイルの傾きが増大するという効果も得られる。従って、図1(e)に示すフォトマスクを透過した光の強度分布はシャープなプロファイルを有するようになるので、コントラストの高い像が形成される。
【0042】
以上が本発明における光学像(光強度の像(イメージ))を強調する原理である。すなわち、低透過率の半遮光部で形成されたマスクにおける開口部の輪郭に沿って位相シフターを配置することにより、図1(a)に示すフォトマスクによって形成される光強度像の中に、開口部の輪郭線と対応する非常に強い暗部を形成することが可能となる。これによって、開口部の光強度と開口部周辺の光強度との間でコントラストが強調された光強度分布を形成できる。本明細書においては、このような原理によってイメージ強調を行なう方法を「輪郭強調法」と称すると共に、この原理を実現するフォトマスクを「輪郭強調マスク」と称する。
【0043】
ここで、本発明の基本原理となる輪郭強調法と、従来のハーフトーン位相シフトマスクによる原理との違いについて説明する。輪郭強調法の原理において最も重要なことは、半遮光部及び開口部のそれぞれを透過する光の一部が位相シフターを透過する光に打ち消され、それによって光強度分布内に暗部を形成している点である。すなわち、位相シフターがあたかも不透明パターンのごとき振る舞いをするという点である。そのため、図1(f)に見られるように、輪郭強調マスクを透過した光の振幅強度において、同じ位相側での強度変化によって暗部が形成されている。後で詳しく説明するが、この状態のときのみ斜入射露光によってコントラストを向上させることが可能になる。
【0044】
一方、コンタクトパターンと対応する開口部を有する従来のハーフトーン位相シフトマスクを露光したときの光強度分布においても、図14(g)に示すように、開口部周辺に強い暗部が形成される。しかし、従来のハーフトーン位相シフトマスクを露光したときの光の振幅強度を表す図14(f)と、輪郭強調マスクを露光したときの光の振幅強度を表す図1(f)とを比べると、次のような違いが明らかに存在する。すなわち、図14(f)に示すように、ハーフトーン位相シフトマスクを露光した場合の振幅強度分布においては、位相反転が生じる位相境界が存在する。また、図14(g)に示すように、この位相境界が、位相端による光強度分布の暗部となってイメージ強調が実現されている。但し、位相端による暗部が形成されてコントラストの強調効果を得るためには、フォトマスクに対して垂直に入射する光の成分が必要となる。逆に、斜入射露光によっては位相境界が発生しても位相端による暗部は形成されず、その結果、コントラスト強調効果は得られない。これが、ハーフトーン位相シフトマスクに対して斜入射露光を行なってもコントラスト強調効果が生じない理由である。言い換えると、ハーフトーン位相シフトマスクによりコントラスト強調効果を得るためには、低干渉度の小さな光源を用いて露光を行なう必要がある。
【0045】
以上のように、コンタクトパターン形成において、ハーフトーン位相シフトマスクと輪郭強調マスクとはよく似た光強度分布を実現する一方、暗部形成原理の違い(輪郭強調マスクを透過した光の振幅強度分布には位相境界が生じない(図1(f)参照))により、輪郭強調法の場合、斜入射露光によっても微小な孤立スペースパターンの形成に必要な光の転写像を高いコントラストで形成できる。
【0046】
図2(a)は、マスク表面を覆う位相シフターに、コンタクトパターンと対応する開口部が設けられてなるハーフトーン位相シフトマスクの平面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すハーフトーン位相シフトマスクに対して干渉度σ=0.4の小さな光源を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示しており、図2(c)は、図2(a)に示すハーフトーン位相シフトマスクに対して斜入射露光の1つである輪帯照明を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示している。ここで、輪帯照明としては、外径σ=0.75、内径σ=0.5の2/3輪帯と呼ばれるものを用いた。また、露光条件としては、光源波長λ=193nm(ArF光源)、開口数NA=0.6を用いた。さらに、コンタクト寸法は180nm四方であり、位相シフターの透過率は6%である。尚、以下の説明においては、特に断らない限り、光強度を露光光の光強度を1としたときの相対光強度で表す。
【0047】
図2(b)及び(c)に示すように、ハーフトーン位相シフトマスクを用いた場合、小さな光源による露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されてコントラストの高い像が形成される一方、斜入射露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されないために非常にコントラストの悪い像が形成される。
【0048】
図2(d)は、マスク表面を覆う完全遮光部となるクロム膜に、コンタクトパターンと対応する開口部と、該開口部を囲む領域に位置する位相シフターとが設けられてなるエッジ強調型位相シフトマスクの平面図であり、図2(e)は、図2(d)に示すエッジ強調型位相シフトマスクに対して干渉度σ=0.4の小さな光源を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示しており、図2(f)は、図2(e)に示すエッジ強調型位相シフトマスクに対して輪帯照明を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示している。ここで、エッジ強調型位相シフトマスクは、ハーフトーン位相シフトマスクと同様に、開口部と位相シフターとの間に位相端による暗部を形成してイメージ強調を実現するものである。また、輪帯照明の種類、露光条件及び位相シフターの透過率は、図2(a)〜(c)に示すハーフトーン位相シフトマスクの場合と同様である。さらに、コンタクト寸法は220nm四方であり、位相シフターの幅は80nmである。
【0049】
図2(e)及び(f)に示すように、エッジ強調型位相シフトマスクを用いた場合、ハーフトーン位相シフトマスクと同様に、小さな光源による露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されてコントラストの高い像が形成される一方、斜入射露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されないために非常にコントラストの悪い像が形成される。
【0050】
次に、輪郭強調法において、斜入射露光成分によって高いコントラストが得られることを詳細に示す前に、図1(e)に示すような輪郭強調マスクの構造であっても、位相シフターの幅が過剰に大きくなると、輪郭強調法の効果が得られなくなることを説明しておく。
【0051】
図3(a)は、マスク表面を覆い且つ露光光に対して6%以上で且つ15%以下の透過率を持つ半遮光部に、コンタクトパターンと対応する開口部と、該開口部を囲む領域に位置する小さい幅の位相シフターとが設けられてなる輪郭強調マスクの平面図である。また、図3(b)は、図3(a)に示す輪郭強調マスクに対して干渉度σ=0.4の小さな光源を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示しており、図3(c)は、図3(a)に示す輪郭強調マスクに対して輪帯照明を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示している。
【0052】
また、図3(d)は、マスク表面を覆い且つ露光光に対して6%以上で且つ15%以下の透過率を持つ半遮光部に、コンタクトパターンと対応する開口部と、該開口部を囲む領域に位置する大きい幅の位相シフターとが設けられてなる輪郭強調マスクの平面図である。また、図3(e)は、図3(d)に示す輪郭強調マスクに対して干渉度σ=0.4の小さな光源を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示しており、図3(f)は、図3(d)に示す輪郭強調マスクに対して輪帯照明を用いて露光を行なった場合における線分AA’と対応する光強度分布の計算結果を示している。
【0053】
ここで、図3(d)に示す輪郭強調マスクにおける位相シフターの幅は輪郭強調法の原理が成り立たないほど過剰に大きく設定されているものとする。具体的には、図3(a)及び図3(d)に示す開口部の寸法は共に220nm四方であり、図3(a)に示す位相シフターの幅は60nmであり、図3(d)に示す位相シフターの幅は150nmである。また、輪帯照明の種類及び露光条件は、図2(a)〜(c)に示すハーフトーン位相シフトマスクの場合と同様である。
【0054】
図3(b)及び(c)に示すように、輪郭強調法の原理が成り立つ図3(a)に示す輪郭強調マスクを用いた場合、位相シフターの不透明化作用による暗部は光源の種類によらず現れていると共に光強度分布におけるコントラストは輪帯照明によってより高い値が得られている。
【0055】
一方、位相シフターが過剰に大きい図3(d)に示す輪郭強調マスクを用いた場合、位相シフターを透過する光が強くなりすぎるため、振幅強度分布において反対位相の強度分布が形成されてしまう。このような状況では、ハーフトーン位相シフトマスク又はエッジ強調型位相シフトマスクと同様の原理が作用するので、図3(e)及び(f)に示すように、小さな光源による露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されてコントラスト強調効果が現れる一方、斜入射露光を行なったときの光強度分布においては位相端による暗部が形成されないために非常にコントラストの悪い像が形成される。
【0056】
すなわち、輪郭強調法を実現するためには、マスク構造において、半遮光部に囲まれた開口部の周辺に位相シフターが配置されているだけではなく、その位相シフター内を透過する光が制限されている必要がある。後者の方は、原理的なメカニズムによれば、位相シフターを透過する光が、半遮光部及び開口部のそれぞれを透過する光を打ち消す以上の強度を有し、且つその振幅強度分布において一定の大きさ以上の反対位相の強度分布が形成されないことを意味する。
【0057】
実際に位相シフターを透過する光を制限するために、位相シフターの透過率に応じてその幅に条件(具体的には上限)を設ける方法を用いることができる。以下、この条件について、位相シフターを透過する光によって位相シフター周辺からの光を打ち消すための条件を考察した結果(図4(a)及び(b)参照)を用いて説明する。
【0058】
図4(a)に示すように、透過性基板上に透過率T、線幅Lの位相シフターが設けられたフォトマスク(位相シフターマスク)を用いた露光において、被露光材料上における位相シフターの中心と対応する位置に生じる光強度をIh(L、T)とする。また、位相シフターマスクの位相シフターに代えて完全遮光部が設けられたフォトマスク(遮光マスク)を用いた露光において、被露光材料上における完全遮光部の中心と対応する位置に生じる光強度をIc(L)とする。また、位相シフターマスクの位相シフターに代えて開口部(透光部)が設けられ、且つ位相シフターマスクの透光部に代えて完全遮光部が設けられたフォトマスク(透過マスク)を用いた露光において、被露光材料上における開口部の中心と対応する位置に生じる光強度をIo(L)とする。
【0059】
図4(b)は、図4(a)に示す位相シフターマスクを用いた露光において位相シフターの透過率T及び線幅Lを色々変化させた場合における光強度Ih(L、T)のシミュレーション結果を、透過率T及び線幅Lをそれぞれ縦軸及び横軸に取って光強度の等高線で表した様子を示している。ここで、T=Ic(L)/Io(L)の関係を表すグラフを重ね書きしている。また、シミュレーション条件は、露光光の波長λ=0.193μm(ArF光源)、露光機の投影光学系の開口数NA=0.6、露光光源の干渉度σ=0.8(通常光源)である。
【0060】
図4(b)に示すように、光強度Ih(L、T)が最小となる条件はT=Ic(L)/Io(L)の関係で表すことができる。これは、物理的には、位相シフター内を透過する光の光強度を表すT×Io(L)と、位相シフター外を透過する光の光強度Ic(L)とが釣り合う関係を表している。従って、位相シフター内を透過する光が過剰となって振幅強度分布において反対位相の振幅強度が現れる位相シフターの幅Lは、T×Io(L)がIc(L)よりも大きくなる幅Lということになる。
【0061】
また、光源種類によって多少の違いはあるが、透過率1の位相シフター内を透過する光が位相シフター外を透過する光と釣り合うときの幅Lは0.3×λ(光源波長)/NA(開口数)程度(図4(b)の場合で100nm程度)であることが、種々のシミュレーション結果から経験的に得られた。さらに、図4(b)から分かるように、6%(0.06)以上の透過率を有する位相シフター内を光が過剰に透過することを防止するためには、透過率100%(1.0)の位相シフターの場合と比べて幅Lを2倍以下にする必要がある。すなわち、6%以上の透過率を有する位相シフター内を光が過剰に透過することを防止するためには、位相シフターの幅Lの上限は0.6×λ/NA以下でなければならない。
【0062】
以上の考察を輪郭強調マスクに当てはめると、輪郭強調マスクにおいては位相シフター外を透過する光としては、実質的に位相シフターの両側ではなく片側のみを考慮すればよいので、輪郭強調マスクにおける位相シフターの幅Lの上限は上記の考察による上限の半分と考えればよい。従って、輪郭強調マスクにおける位相シフターの幅Lの上限は、位相シフターの透過率が6%以上の場合で0.3×λ/NA以下である。但し、これは十分条件ではなく、位相シフターの透過率の高さに応じて、位相シフターの幅Lの上限を0.3×λ/NAよりも小さくする必要がある。
【0063】
尚、本明細書においては、特に断らない限り、位相シフター幅等の種々のマスク寸法を被露光材料上での寸法に換算して表すこととするが、マスク実寸法は換算寸法に露光機の縮小投影光学系の縮小倍率Mを乗ずることにより簡単に求めることができる。
【0064】
次に、輪郭強調法において斜入射露光によってイメージ強調が実現されることを、輪郭強調マスクに対して様々な光源位置から露光を行なった場合における光強度分布のコントラストの変化に基づいて詳細に説明する。
【0065】
図5(a)は輪郭強調マスクの一例の平面図である。ここで、半遮光部の透過率は7.5%であり、位相シフター及び開口部の透過率は100%である。また、開口部の寸法は200nm四方であり、位相シフターの幅は50nmである。
【0066】
図5(c)は、図5(a)に示す輪郭強調マスクに対して、開口数NAで規格化された様々な光源位置の点光源から露光を行なった場合における図5(a)の線分AA’と対応する光強度分布を光学シミュレーションにより計算して、該計算結果(例えば図5(b)に示されるような光強度分布)における開口部中央に相当する位置の光強度Ioを読み取り、該光強度Ioを各光源位置に対してプロットした結果を示している。ここでは、光源波長λが193nm(ArF光源)、開口数NAが0.6として光学計算によるシミュレーションを行なった結果を示している。尚、以下の説明では特に断らない限り、光学シミュレーションにおいて波長λ=193nm(ArF光源)、開口数NA=0.6の条件で計算を行なうものとする。
【0067】
図5(c)に示すように、開口部中央の光強度Ioは外側の光源位置(図5(c)の原点から遠い光源位置)の点光源で露光される程大きくなる。すなわち、斜入射成分の強い光源で露光される程、コントラストが強くなることが分かる。図面を参照しながら具体的に説明する。図5(d)、(e)、(f)は、図5(c)に示す各点光源のサンプル点P1、P2、P3のそれぞれにおける、図5(a)の線分AA’と対応する光強度分布をプロットしたものである。図5(d)、(e)、(f)に示すように、点光源の位置が外側になるに従って、言い換えると、大きい斜入射光源位置になるに従って、高いコントラストの像が形成されている。
【0068】
次に、比較のために、ハーフトーン位相シフトマスクに対して様々な光源位置から露光を行なった場合における光強度分布のコントラストの変化について説明する。図6(a)はハーフトーン位相シフトマスクの一例の平面図である。ここで、位相シフターの透過率は6%であり、開口部の透過率は100%である。また、開口部の寸法(被露光ウェハ上換算)は180nm四方である。
【0069】
図6(c)は、図6(a)に示すハーフトーン位相シフトマスクに対して、開口数NAで規格化された様々な光源位置の点光源から露光を行なった場合における図6(a)の線分AA’と対応する光強度分布を光学シミュレーションにより計算して、該計算結果(例えば図6(b)に示されるような光強度分布)における開口部中央に相当する位置の光強度Ioを読み取り、該光強度Ioを各光源位置に対してプロットした結果を示している。
【0070】
図6(c)に示すように、開口部中央の光強度Ioは内側の光源位置(図6(c)の原点に近い光源位置)の点光源で露光される程大きくなる。すなわち、垂直入射成分の強い光源で露光される程、コントラストが強くなることが分かる。図面を参照しながら具体的に説明する。図6(d)、(e)、(f)は、図6(c)に示す各点光源のサンプル点P1、P2、P3のそれぞれにおける、図6(a)の線分AA’と対応する光強度分布をプロットしたものである。図6(d)、(e)、(f)に示すように、点光源の位置が内側になるに従って、言い換えると、垂直入射光源位置になるに従って、高いコントラストの像が形成されている。
【0071】
以上に説明した、図5(a)〜(f)に示す結果と図6(a)〜(f)に示す結果とを見比べても分かるように、輪郭強調法は、コンタクトパターン等の微小な孤立スペースパターンの形成において、従来方法では実現できなかった、斜入射露光による光強度分布のコントラスト強調を可能とするものである。
【0072】
ここまで輪郭強調マスクによってコントラストが向上することを説明してきたが、次に、輪郭強調マスクにおける半遮光部の透過率に対するコントラスト及びDOFの依存性について説明する。ここでは、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いて、パターン形成における各種マージンをシミュレーションした結果に基づいた説明を行なう。図7(b)は、図7(a)に示す輪郭強調マスクに対して露光を行なったときに形成される光強度分布を示している。図7(b)においては、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いて幅100nmのホールパターンを形成しようとした場合に定義される各種のマージンに関する値も図中に示している。具体的には、臨界強度Ithはレジスト膜が感光する光強度であり、この値に対して各種のマージンが定義される。例えばIpを光強度分布のピーク値とすると、Ip/Ithはレジスト膜を感光させる感度に比例する値となり、この値が高いほど好ましい。また、Ibを半遮光部を透過する光のバックグラウンド強度とすると、Ith/Ibが高いほどパターン形成時にレジスト膜の膜減り等が発生しないことを意味し、この値が高いほど好ましい。一般にIth/Ibの値は2以上あることが望まれている。以上のことを踏まえて各マージンについて説明する。
【0073】
図7(c)は、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するDOFの依存性について計算した結果を示している。ここで、DOFは、パターンの仕上がり寸法の変化が10%以内に収まるフォーカス位置の幅として定義してある。図7(c)に示すように、DOFの向上には半遮光部の透過率は高いほど好ましい。また、図7(d)は、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するピーク値Ipについて計算した結果を示している。図7(d)に示すように、ピーク値Ip、つまりコントラストの向上にも半遮光部の透過率は高いほど好ましい。以上の結果から、輪郭強調マスクにおいては、半遮光部の透過率は高いほど好ましく、具体的には、図7(c)及び(d)に示すように、透過率が0%から6%程度まで上がる間に露光マージンの向上率が大きくなっており、透過率が6%以上の半遮光部を用いることが好ましいことが理解できる。
【0074】
図7(e)は、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するIth/Ibについて計算した結果を示している。図7(e)に示すように、Ith/Ibは半遮光部の透過率が高くなるほど低くなっており、Ith/Ibの向上には半遮光部の透過率が高くなりすぎると好ましくない。具体的には、半遮光部の透過率が15%程度でIth/Ibは2よりも小さくなってしまう。また、図7(f)は、図7(a)に示す輪郭強調マスクを用いたパターン形成時における半遮光部の透過率に対するIp/Ithについて計算した結果を示している。図7(f)に示すように、半遮光部の透過率が15%程度のところにIp/Ithはピークを持っている。
【0075】
以上に説明したように、輪郭強調マスクにおいては、DOF又はコントラストは半遮光部の透過率を高くするほど向上し、その効果は半遮光部の透過率が6%を越えるとより顕著になる。一方、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り防止、又はレジスト感度の最適化等の観点からは、半遮光部の透過率の最大値は15%程度にしておくことが好ましい。従って、輪郭強調マスクにおける半遮光部の透過率の最適値は6%以上で且つ15%以下であると言える。
【0076】
ここで、図8(a)〜(f)に、コンタクトパターンと対応する開口部が設けられた輪郭強調マスクにおける、半遮光部と位相シフターとによって構成される遮光性のマスクパターンのレイアウトのバリエーションを示す。すなわち、輪郭強調マスクのパターンレイアウトは図8(a)に示すタイプに限られれるものではなく、例えば図8(a)〜(f)に示すタイプのいずれを用いてもよい。
【0077】
尚、ここまで、ポジ型レジストプロセスを前提として、輪郭強調マスクにおけるレジスト除去部と対応する部分を開口部と定義して全ての説明を行なってきた。しかし、十分に高い透過率を有する位相シフターを利用できる場合、以上の説明に用いてきた輪郭強調マスクにおいて、開口部と定義してきた部分を透過率の高い位相シフターに置き換え、位相シフターと定義してきた部分を開口部に置き換え、半遮光部と定義してきた部分を透過率の低い位相シフター(例えばハーフトーン位相シフトマスクの位相シフター)に置き換えても、各構成要素間の相対位相差の関係は同じなので、同様の効果を有する輪郭強調マスクを実現できる。
【0078】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスク、その作成方法、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。尚、第1の実施形態に係るフォトマスクは、前述の輪郭強調法を実現するための縮小投影露光システムのフォトマスクである。
【0079】
図9(a)は、第1の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示している。
【0080】
ところで、露光機の縮小投影光学系の縮小倍率をMとすると、通常のフォトマスクにおいては、露光光源に対して完全遮光膜となるクロム等の材料を用いて、所望のパターン(一般にはウェハ上での設計値を持つ)のM倍の大きさのパターンが、露光光源に対して高い透過率を有する材料からなる基板(透過性基板)の上に描かれている。しかしながら、本明細書においては、特に断らない限り、簡単のため、フォトマスクについて説明する場合にも、ウェハ上の寸法をM倍したマスク上の寸法は使わずに、ウェハ上の寸法を用いて説明する。また、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜における光が照射された部分が除去されるということを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことになる。また、本実施形態においては、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。
【0081】
図9(b)は、第1の実施形態に係るフォトマスク、具体的には、図9(a)に示す所望のパターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図9(b)に示すように、所望のパターンにおけるレジスト除去部に対応するように開口部(透光部)が設けられている。また、開口部を囲む遮光性のマスクパターンとして、露光光を完全に遮光する完全遮光部に代えて、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(6〜15%程度)を有し且つ開口部と同位相で光を透過させる半遮光部(低透過率遮光部)を用いている。さらに、開口部の周辺に、開口部と反対位相の光を透過させる微小幅の位相シフターが設けられている。
【0082】
尚、第1の実施形態においては、開口部の配置方法として、例えば図8(b)に示すような、矩形状の開口部の各辺から所定の寸法以下の領域に位相シフターを各辺と接するように配置する形式を採用している。
【0083】
図9(c)は、図9(b)におけるAA’線の断面図、つまり第1の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図9(c)に示すように、図9(b)に示すフォトマスクは以下のようにして実現されている。すなわち、透過性基板10における透光部形成領域(開口部形成領域)以外の他の領域の上に、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(6〜15%程度)を持つと共に透過性基板10との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる位相シフト膜11を形成する。尚、透過性基板10における開口部形成領域及びその周辺部は、透過性基板10との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部(開口部)が形成されている。このとき、透過性基板10の掘り下げ部10aによって、位相シフト膜11における開口部の周辺部がオーバーハングする。このため、開口部と、位相シフト膜11における開口部の周辺部以外の他の部分(つまり位相シフト膜11の非オーバーハング部:以下、半遮光部と称する)とは、露光光を同位相で透過させる。一方、開口部と、位相シフト膜11における開口部の周辺部(つまり位相シフト膜11のオーバーハング部:以下、位相シフターと称する)とは、露光光を反対位相で透過させる。これにより、位相シフターが半遮光部と開口部とによって挟まれる構造となって輪郭強調マスクが実現されている。但し、輪郭強調法によるコントラスト強調を得るためには、位相シフター幅、つまり位相シフト膜11のオーバーハング部の幅を所定の寸法以下に制限する必要がある。
【0084】
ところで、以上の説明においては、位相シフト膜11が単層膜であることを前提としてきた。この場合、位相シフト膜11の光学定数は膜材料によって決まるので、位相シフト膜11の膜厚は位相シフト量によって決まってしまう。一方、透過率は光学定数のみならず膜厚にも依存するので、位相シフト膜11の材料として、適切な光学定数を持つ材料、具体的には、透過性基板10に対して反対位相の光を透過させる膜厚において所定の透過率をちょうど実現できる材料が必ずしも存在するとは限らない。従って、第1の実施形態においては、位相シフト膜11が、低透過率の透過率調整膜と高透過率の位相調整膜とが順次積層された2層構造を有する方が、位相シフト膜11において任意の透過率を実現する上で好ましい。
【0085】
尚、本明細書において、透過率調整膜とは、露光光に対する単位厚さ当たりの透過率が相対的に低く、且つ露光光に対する位相変化に影響を与えることなく厚さの調節により露光光に対する透過率を所望値に設定できる膜を意味する。また、位相調整膜とは、露光光に対する単位厚さ当たりの透過率が相対的に高く、且つ露光光に対する透過率変化に影響を与えることなく厚さの調節により透過性基板との間での露光光に対する位相差を所望値に設定できる膜を意味する。
【0086】
次に、第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法について説明する。ここで、露光機を用いてマスクパターンの縮小転写を行なうときに、輪郭強調法の原理において説明したように、輪郭強調マスクによってコントラストの高い像を形成するために斜入射露光光源を用いるのがよい。ここで、斜入射露光光源とは、図10(a)に示すような通常露光光源に対して、フォトマスクにおける光源中心と対応する部分に垂直に入射する光成分が取り除かれた、図10(b)〜(d)に示すような光源のことを意味する。代表的な斜入射露光光源としては、図10(b)に示す輪帯露光光源、及び図10(c)に示す四重極露光光源がある。目的のパターンに若干依存するが、一般に、輪帯露光光源よりも四重極露光光源の方がコントラストの強調又はDOFの拡大において効果的である。しかし、四重極露光においてはパターン形状がマスク形状に対して歪むなどの副作用もあるので、そのような場合には、図10(d)に示す輪帯−四重極混成型露光光源を用いることが望ましい。この輪帯−四重極混成型露光光源の特徴は、光源中心を原点としてXY座標で考えたときに、光源中心と軸上の光源とが取り除かれていることによって四重極の特徴を有すると共に、光源の外形として円形が採用されていることにより輪帯の特徴をも有する点である。
【0087】
図11(a)〜(d)は第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【0088】
まず、図11(a)に示すように、基板100上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜101を形成した後、図11(b)に示すように、被加工膜101の上に、ポジ型のレジスト膜102を形成する。
【0089】
次に、図11(c)に示すように、位相シフト膜11における掘り下げ部10aのない部分(非オーバーハング部)よりなる半遮光部と、位相シフト膜11における掘り下げ部10aのある部分(オーバーハング部)よりなる位相シフターとが透過性基板10上に設けられた、第1の実施形態に係るフォトマスクに対して、斜入射露光光源を用いて露光光103を照射し、該フォトマスクを透過した透過光104によってレジスト膜102を露光する。このとき、マスクパターンとして、半遮光部を用いているため、レジスト膜102の全体が弱いエネルギーで露光される。しかし、図11(c)に示すように、現像工程でレジスト膜102が溶解するに足りる露光エネルギーが照射されるのは、レジスト膜102におけるフォトマスクの開口部と対応する潜像部分102aのみである。
【0090】
次に、レジスト膜102に対して現像を行なって潜像部分102aを除去することにより、図11(d)に示すように、レジストパターン105を形成する。このとき、図11(c)に示す露光工程において、開口部周辺の光が打ち消される結果、レジスト膜102における開口部周辺と対応する部分にはほとんど露光エネルギーが照射されないので、開口部を透過する光と開口部周辺を透過する光との間の光強度分布のコントラスト、言い換えると、潜像部分102aに照射される光と潜像部分102aの周辺に照射される光との間の光強度分布のコントラストを強調できる。従って、潜像部分102aにおけるエネルギー分布も急激に変化するので、シャープな形状を有するレジストパターン105が形成される。
【0091】
次に、第1の実施形態に係るフォトマスクの作成方法について図面を参照しながら説明する。
【0092】
図12(a)〜(f)は第1の実施形態に係るフォトマスクの作成方法の各工程を示す断面図を示している。
【0093】
まず、図12(a)に示すように、光源に対して透明な材料、例えば石英等よりなる透過性基板10の上に、光源に対して所定の透過率(例えば6〜15%)を持つ位相シフト膜11を形成する。位相シフト膜11は、透過性基板10との間で露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる。ここで、位相シフト膜11が、前述のような、透過率調整膜と位相調整膜との2層構造を有していてもよい。
【0094】
次に、図12(b)に示すように、透過性基板10の上に、孤立透光部形成領域の上に除去部を有する第1のレジストパターン12を形成する。ここで、孤立透光部とは、他の透光部から、両方の透光部と対応して形成されるパターン(ポジ型レジストプロセスではスペースパターン)が周期パターンとしての光学特性を生じなくなる距離である2×λ/NA(λは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数)程度以上離れている透光部を意味する。
【0095】
次に、第1のレジストパターン12をマスクとして、位相シフト膜11に対してエッチングを行なった後、第1のレジストパターン12を除去する。これにより、図12(c)に示すように、位相シフト膜11に、孤立透光部形成領域と対応する開口部11aが形成される。
【0096】
次に、図12(d)に示すように、開口部11aが形成された位相シフト膜11をマスクとして、透過性基板10に対して等方性エッチングを行なう。これにより、透過性基板10における孤立透光部形成領域及びその周辺部が掘り下げられて、180度(具体的には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相反転が生じる掘り下げ部10aが形成される。これにより、孤立透光部が形成されると共に位相シフト膜11における孤立透光部の周辺部(つまり開口部11aの周辺部)がオーバーハングする。従って、孤立透光部(つまり開口部11a)と、位相シフト膜11の非オーバーハング部よりなる半遮光部との間に、位相シフト膜11のオーバーハング部よりなる位相シフターが設けられ、それによって、孤立透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる本発明の輪郭強調マスク構造が完成する。
【0097】
次に、図12(e)に示すように、透過性基板10の上に、密集透光部形成領域の上に除去部を有する第2のレジストパターン13を形成する。ここで、密集透光部とは、対応して形成されるパターン(ポジ型レジストプロセスではスペースパターン)が周期パターンとしての光学特性を生じる距離である2×λ/NA程度以下の寸法で隣り合っている複数の透光部を意味する。
【0098】
次に、第2のレジストパターン13をマスクとして、位相シフト膜11に対してエッチングを行なった後、第2のレジストパターン13を除去する。これにより、図12(f)に示すように、位相シフト膜11に、密集透光部形成領域と対応する複数の開口部11bが形成される。尚、透過性基板10における密集透光部形成領域及びその周辺部に対しては、位相反転を生じさせるための掘り下げは行なわずに密集透光部を形成する。これにより、密集透光部(つまり複数の開口部11b)及び周辺部のフォトマスク構造は、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。
【0099】
以上に説明したように、第1の実施形態によると、透過性基板10における透光部形成領域以外の他の領域の上に、露光光を低透過率で位相反転させて透過させる位相シフト膜11が形成されていると共に、透過性基板10における孤立透光部形成領域及びその周辺部が、露光光に位相反転が生じる厚さだけ掘り下げられて孤立透光部が形成されている。このため、孤立透光部と、位相シフト膜11における孤立透光部の周辺部以外の他の部分(つまり位相シフト膜11の非オーバーハング部:以下、半遮光部と称する)とは、露光光を同位相で透過させる。一方、孤立透光部と、位相シフト膜11における孤立透光部の周辺部(つまり位相シフト膜11のオーバーハング部:以下、位相シフターと称する)とは、露光光を反対位相で透過させる。すなわち、半遮光部と孤立透光部とによって、孤立透光部の周辺部に位置する位相シフターが挟まれる。その結果、位相シフターを透過する光と孤立透光部を透過する光との相互干渉により、孤立透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0100】
また、第1の実施形態によると、透過性基板10上に位相シフト膜11が形成された、通常のハーフトーン位相シフトマスク用のマスクブランクを用意して、位相シフト膜11及び透過性基板10のそれぞれに対してエッチングを行なうだけで、フォトマスク加工を容易に行なえる。
【0101】
また、第1の実施形態によると、透過性基板10上に位相シフト膜11を形成した後、位相シフト膜11及び透過性基板10に対してそれぞれエッチングを行なうことによって、半遮光部と位相シフターとを有する任意形状のマスクパターンの作成を容易に行なえる。
【0102】
また、第1の実施形態によると、位相シフト膜11及び透過性基板10を加工することによって任意の形状の位相シフターを形成できるので、輪郭強調マスクのパターンレイアウトとして、図9(b)及び(c)に示すタイプ、つまり図8(b)に示すタイプに限られず、例えば図8(a)〜(f)に示すタイプのいずれをも実現することが可能である。
【0103】
また、第1の実施形態によると、位相シフト膜11に、密集透光部形成領域と対応する複数の開口部11bが設けられているため、透過性基板における密集透光部形成領域及びその周辺部を掘り下げずに密集透光部を形成することによって、密集透光部及びその周辺部のフォトマスク構造が、通常のハーフトーン位相シフトマスクと同等になる。このため、斜入射露光との組み合わせにより、密集透光部と対応する密集パターンの形成において、焦点深度及び解像力を向上させることができる。
【0104】
尚、第1の実施形態において、位相シフト膜11つまり半遮光部の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のコントラスト強調効果を確実に得ることができる。
【0105】
また、第1の実施形態において、ポジ型レジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が利用できる。
【0106】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスク、その作成方法、及びそのフォトマスクを用いたパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。尚、第2の実施形態に係るフォトマスクは、輪郭強調法を実現するための縮小投影露光システムのフォトマスクである。
【0107】
図13(a)は、第2の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示している。尚、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型レジストプロセスを使用する場合を想定して説明する。すなわち、レジスト膜における光が照射された部分が除去されるということを想定して説明する。一方、ネガ型レジストプロセスの使用を想定する場合、レジスト膜における光が照射された部分がレジストパターンとなることを除いて、ポジ型レジストプロセスの使用を想定した説明と全く同じことになる。また、本実施形態においては、特に断らない限り、透過率を、透過性基板の透過率を100%としたときの実効透過率で表す。
【0108】
図13(b)は、第2の実施形態に係るフォトマスク、具体的には、図13(a)に示す所望のパターンを形成するためのフォトマスクの平面図である。図13(b)に示すように、所望のパターンにおけるレジスト除去部に対応するように開口部(透光部)が設けられている。また、開口部を囲む遮光性のマスクパターンとして、露光光を完全に遮光する完全遮光部に代えて、レジスト膜を感光させない程度の低透過率(6〜15%程度)を有し且つ開口部と同位相で光を透過させる半遮光部(低透過率遮光部)を用いている。第2の実施形態においては、半遮光部の透過率を例えば7.5%に設定する。さらに、開口部の周辺には、開口部と反対位相の光を透過させる位相シフターが設けられている。ここで、輪郭強調法の原理に従って、位相シフターを透過する光が、開口部及び半遮光部をそれぞれ透過する光を効果的に打ち消すことができるように、位相シフターの透過率を半遮光部の透過率よりも高い値、例えば20%に設定する。
【0109】
尚、第2の実施形態においては、位相シフターの配置方法として、例えば図8(b)に示すような、矩形状の開口部の各辺から所定の寸法以下の領域に位相シフターを各辺と接するように配置する形式を採用している。
【0110】
図13(c)は、図13(b)におけるAA’線の断面図、つまり第2の実施形態に係るフォトマスクの断面図である。図13(c)に示すように、図13(b)に示すフォトマスクは、透過性基板20における透光部形成領域(開口部形成領域)以外の他の領域の上に、透過性基板20との間で露光光に対して180度(実際には(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差をそれぞれ生じる下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22を積層することによって実現できる。尚、上層位相シフト膜22は、透過性基板20における開口部形成領域の周辺部の上に、オーバーハングを有している。言い換えると、下層位相シフト膜21は、透過性基板20における開口部形成領域の周辺部の上に、アンダーカット部21aを有している。ここで、上層位相シフト膜22は、単体として20%の透過率を有している。また、下層位相シフト膜21と上層位相シフト膜22とが積層された構造は7.5%の透過率を有していると共に、該積層構造は、開口部との間で露光光に対して360度(実際には(ー30+360×n)度以上で且つ(30+360×n)度以下(但しnは整数))の位相差を生じる半遮光部、つまり位相反転が発生しないハーフトーン膜として機能する。このため、半遮光部と開口部とは、露光光を同位相で透過させる。一方、開口部と、上層位相シフト膜22における開口部の周辺部(つまり上層位相シフト膜22のオーバーハング部:以下、位相シフターと称する)とは、露光光を反対位相で透過させる。これにより、位相シフターが半遮光部と開口部とによって挟まれる構造となって輪郭強調マスクが実現されている。但し、輪郭強調法によるコントラスト強調を得るためには、位相シフター幅、つまり上層位相シフト膜22のオーバーハング部の幅(言い換えるとアンダーカット部21aの幅)を所定の寸法以下に制限する必要がある。
【0111】
ところで、以上の説明においては、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22のそれぞれが単層膜であることを前提としてきた。この場合、各位相シフト膜の光学定数は膜材料によって決まるので、各位相シフト膜の膜厚は位相シフト量によって決まってしまう。一方、透過率は光学定数のみならず膜厚にも依存するので、位相シフト膜の材料として、適切な光学定数を持つ材料、具体的には、開口部に対して反対位相の光を透過させる膜厚において所定の透過率をちょうど実現できる材料が必ずしも存在するとは限らない。従って、第2の実施形態に係るフォトマスクとしては、下層位相シフト膜21が、低透過率の第1の透過率調整膜と高透過率の第1の位相調整膜とが順次積層された2層構造を有すると共に、上層位相シフト膜22が、低透過率の第2の透過率調整膜と高透過率の第2の位相調整膜とが順次積層された2層構造を有する方が、各位相シフト膜において任意の透過率を実現する上では好ましい。或いは、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22のうちの一方が2層構造であり、他方が単層構造であってもよい。
【0112】
第2の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法は、図9(b)及び(c)に示す第1の実施形態に係るフォトマスクに代えて、図13(b)及び(c)に示す第2の実施形態に係るフォトマスクを用いる以外は、図11(a)〜(d)に示す第1の実施形態のパターン形成方法と同様である。
【0113】
また、第2の実施形態に係るフォトマスクの作成方法は次の通りである。すなわち、まず、光源に対して透明な材料、例えば石英等よりなる透過性基板20の上に、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22を順次形成する。次に、透光部形成領域(開口部形成領域)の上に除去部を有するレジストパターンをマスクとして、上層位相シフト膜22に対してエッチングを行なって、上層位相シフト膜22に開口部を形成する。次に、開口部が形成された上層位相シフト膜22をマスクとして、下層位相シフト膜21に対して等方性エッチングを行なう。これにより、下層位相シフト膜21における開口部形成領域及びその周辺部が除去され、それによって透光部(開口部)が形成されると共に、上層位相シフト膜22における開口部の周辺部がオーバーハングする。言い換えると、透過性基板20における開口部形成領域の周辺部の上に、下層位相シフト膜21のアンダーカット部21aが形成される。を有している。従って、開口部と、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22の積層構造よりなる半遮光部との間に、上層位相シフト膜22のオーバーハング部よりなる位相シフターが設けられ、それによって、透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる本発明の輪郭強調マスク構造が完成する。
【0114】
以上に説明したように、第2の実施形態によると、透過性基板20における透光部形成領域以外の他の領域の上に、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22の積層構造よりなる半遮光部が形成されている。また、下層位相シフト膜21における開口部形成領域の周辺部がアンダーカットされ、それによって上層位相シフト膜22における開口部形成領域の周辺部がオーバーハングしている。このため、開口部と半遮光部とによって、開口部の周辺部に位置する上層位相シフト膜22のオーバーハング部、つまり位相シフターが挟まれる。その結果、位相シフターを透過する光と開口部を透過する光との相互干渉により、開口部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立レジスト除去部(つまり微細な孤立スペースパターン)を形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【0115】
また、第2の実施形態によると、透過性基板20上に積層された下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22に対してそれぞれエッチングを行なうことによって、半遮光部と位相シフターとを有する任意形状のマスクパターンの作成を容易に行なえる。
【0116】
また、第2の実施形態によると、半遮光部を構成する、下層位相シフト膜21及び上層位相シフト膜22の積層構造のうちの、下層位相シフト膜21を加工することによって任意の形状の位相シフターを形成できるので、輪郭強調マスクのパターンレイアウトとして、図9(b)及び(c)に示すタイプ、つまり図8(b)に示すタイプに限られず、例えば図8(a)〜(f)に示すタイプのいずれをも実現することが可能である。
【0117】
また、第2の実施形態によると、上層位相シフト膜22の単層構造によって位相シフターの透過率を規定できると共に下層位相シフト膜21と上層位相シフト膜22との積層構造によって半遮光部の透過率を規定できるので、位相シフター及び半遮光部のそれぞれの透過率の組み合わせを任意に設定することができる。
【0118】
尚、第2の実施形態において、フォトマスクの半遮光部(下層位相シフト膜21と上層位相シフト膜22との積層構造)の透過率は6%以上で且つ15%以下であることが好ましい。このようにすると、パターン形成時におけるレジスト膜の膜減り等を防止しながら、前述のコントラスト強調効果を確実に得ることができる。
【0119】
また、第2の実施形態において、ポジ型レジストプロセスの使用を前提として説明を行なったが、言うまでもなくポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いてもよい。ここで、いずれのプロセスを用いる場合にも、露光光源として、例えば、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)又はF2 エキシマレーザ光(波長157nm)等が利用できる。
【0120】
また、第1及び第2の実施形態において、フォトマスクにおける開口部及び位相シフター以外の部分が全て半遮光部であることを前提としてきた。しかし、フォトマスクにおける開口部及び位相シフターのそれぞれから十分離れた部分、つまり、フォトマスクにおける、開口部及び位相シフターのそれぞれから光学的な干渉効果の影響がほとんど無視できる距離(=2×λ/NA(λは露光光の波長であり、NAは露光機の縮小投影光学系の開口数である))以上離れた部分は完全遮光部であってもよい。
【0121】
【発明の効果】
本発明によると、半遮光部と透光部とによって、透光部の周辺部に位置する位相シフターが挟まれるので、該位相シフターを透過する光と透光部を透過する光との相互干渉により、透光部とその周辺との間の光強度分布のコントラストを強調できる。また、このコントラスト強調効果は、例えばポジ型レジストプロセスにおいて斜入射露光を用いて微細な孤立スペースパターンを形成する場合にも得られるので、孤立スペースパターンと孤立ラインパターン又は密集パターンとを同時に微細化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は本発明の輪郭強調法の原理を説明する図である。
【図2】(a)〜(f)は従来の位相端を利用したイメージ強調効果における光源形状に対する依存性を説明する図である。
【図3】(a)〜(f)は本発明の輪郭強調法における位相シフターの寸法限界を説明する図である。
【図4】(a)、(b)は本発明の輪郭強調法における位相シフターの寸法限界を説明する図である。
【図5】(a)〜(f)は本発明の輪郭強調マスクによる孤立パターン形成における様々な光源位置からの露光光入射に対する光強度分布を説明する図である。
【図6】(a)〜(f)は従来のハーフトーン位相シフトマスクによる孤立パターン形成における様々な光源位置からの露光光入射に対する光強度分布を説明する図である。
【図7】(a)〜(f)は本発明の輪郭強調マスクにおける半遮光部の透過率に対するコントラスト及びDOFの依存性を説明する図である。
【図8】(a)〜(f)はコンタクトパターンと対応する開口部が設けられた輪郭強調マスクにおける、半遮光部と位相シフターとによって構成される遮光性のマスクパターンのレイアウトのバリエーションを示す図である。
【図9】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)におけるAA’線の断面図である。
【図10】(a)は通常の露光光源の形状を示す図であり、(b)は輪帯露光光源の形状を示す図であり、(c)は四重極露光光源の形状を示す図であり、(d)は輪帯−四重極混成型露光光源の形状を示す図である。
【図11】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクを用いたパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図12】(a)〜(f)は本発明の第1の実施形態に係るフォトマスクの作成方法の各工程を示す断面図である。
【図13】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成しようとする所望のパターンの一例を示す図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図であり、(c)は(b)におけるAA’線の断面図である。
【図14】(a)〜(g)は従来のハーフトーン位相シフトマスクによるイメージ強調原理を説明する図である。
【符号の説明】
10 透過性基板
10a 掘り下げ部
11 位相シフト膜
11a 開口部
11b 複数の開口部
12 第1のレジストパターン
13 第2のレジストパターン
20 透過性基板
21 下層位相シフト膜
21a アンダーカット部
22 上層位相シフト膜
100 基板
101 被加工膜
102 レジスト膜
102a 潜像部分
103 露光光
104 透過光
105 レジストパターン

Claims (10)

  1. 露光光に対して透光性を有する透過性基板と、
    前記透過性基板における透光部形成領域以外の他の領域の上に形成されており、前記露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜とを備え、
    前記透過性基板における前記透光部形成領域及びその周辺部が、前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられ、それによって透光部が形成されていると共に前記位相シフト膜における前記透光部の周辺部がオーバーハングしていることを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記位相シフト膜は、所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域と対応する複数の開口部を有することを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  3. 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×Mであること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項2に記載のフォトマスク。
  4. 前記所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトマスクを用いたパターン形成方法であって、
    基板上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に前記フォトマスクを介して前記露光光を照射する工程と、
    前記露光光を照射された前記レジスト膜を現像して、前記レジスト膜をパターン化する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  6. 前記露光光を照射する工程において斜入射照明法を用いることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
  7. 露光光に対して透光性を有する透過性基板の上に、前記露光光に対して所定の透過率を持つことにより遮光性を有すると共に前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる位相シフト膜を形成する第1の工程と、
    前記位相シフト膜における透光部形成領域を除去して開口部を形成する第2の工程と、
    前記開口部が形成された前記位相シフト膜をマスクとして、前記透過性基板に対して等方性エッチングを行なうことにより、前記透過性基板における前記透光部形成領域及びその周辺部を、前記透過性基板との間で前記露光光に対して(150+360×n)度以上で且つ(210+360×n)度以下(但しnは整数)の位相差を生じる厚さだけ掘り下げ、それによって透光部を形成すると共に前記位相シフト膜における前記透光部の周辺部をオーバーハングさせる第3の工程とを備えていることを特徴とするフォトマスクの作成方法。
  8. 前記第3の工程よりも後に、前記位相シフト膜における所定の寸法以下で隣り合う複数の他の透光部形成領域を除去して複数の開口部を形成する第4の工程を備えていることを特徴とする請求項7に記載のフォトマスクの作成方法。
  9. 前記所定の寸法は(2×λ/NA)×Mであること(但し、λは前記露光光の波長であり、NA及びMはそれぞれ露光機の縮小投影光学系の開口数及び縮小倍率である)を特徴とする請求項8に記載のフォトマスクの作成方法。
  10. 前記所定の透過率は6%以上で且つ15%以下であることを特徴とする請求項7に記載のフォトマスクの作成方法。
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