JP3759474B2 - 大入熱サブマージアーク溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高張力鋼板の大入熱サブマージアーク溶接により得られる溶接金属に関し、特に、建築、造船、橋梁、海洋構造物などの各種溶接鋼構造物を建造する際の大入熱サブマージアーク溶接において、良好な靭性を有する溶接金属を得る溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築構造物においては地震時の構造物の脆性破壊を防止する観点から、溶接金属の高靭性化の社会的要請は極めて大きい。一方、建築構造物の大型化により、肉厚の厚いボックス柱が製造されているが、大入熱の1パス溶接による施工法が能率面から優位であり、大入熱1パス溶接における溶接金属の高靭性化が求められている。
【0003】
ボックス柱角継手の大入熱サブマージアーク溶接は、板厚50mmを超える1パス溶接の場合、溶接入熱が400kJ/cm以上と大きいため溶接金属の冷却速度が小さく、冷却過程でオーステナイト(γ)粒界から粗大な初析フェライト(α)が生成しやすく、十分な溶接金属の靭性が得られ難い。
【0004】
一般にボックス柱角継手の大入熱サブマージアーク溶接の高靭性化については、溶接材料の成分組成を規定した技術として、例えば、特開平11−170085号公報があるが、溶接金属の組織粒径、粒内組織及び粒界組織を積極的にコントロールするものではなく、これら溶接材料では、十分な溶接金属靭性を得るのは難しい。
【0005】
この他の方法として従来、溶接金属の靭性を向上させるために、溶接金属にTiを添加することによりTi酸化物を生成させ、これを核として微細なアシキュラーフェライトを生成させることで溶接金属を高靭化させる方法が知られている。しかしながら、ボックス柱角継手の大入熱サブマージアーク溶接では、一般のアーク溶接に比べて、溶融プールが長時間維持されるので、溶接金属中にTiを相当量添加しても、Ti酸化物はスラグ浴中に移行して溶融金属と分離してしまう部分が多く、アシキュラーフェライトの有効な核生成サイトとして十分に機能せず、この方法のみでは溶接金属の充分な靭性を確保することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みて、500〜600MPa級の引張強度の鋼を溶接入熱でおおよそ600kJ/cm以下の大入熱サブマージアーク溶接においても0℃におけるシャルピー吸収エネルギーで100J以上の優れた靭性の溶接金属を得る溶接方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下の通りである。
【0008】
(1) 質量%で、
C:0.03〜0.2%、
Si:0.4%以下、
Mn:0.5〜2%
を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなる鋼板を、
SiO2:15〜25%、
MgO:6〜16%、
CaO:5〜13%、
CaF2:1〜6%、
Al2O3:17〜25%、
TiO2:6〜15%、
Fe:11〜23%、
B2O3:0.1〜0.6%
の成分を含有するフラックスと、
C:0.02〜0.34%、
Si:0.02〜1.2%、
Mn:1.16〜2.3%、
Mo:0.1〜3.0%、
Ni:2.0%以下、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下、
O:0.0009〜0.009%
を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなるワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。
【0009】
(2) 質量%で、
C:0.02〜0.15%
を含有する上記(1)記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。
【0010】
(3) 質量%で、
Si:0.1〜1.2%
を含有する上記(1)記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。
【0011】
(4) さらに、質量%で、
Cr:0.02〜1.0%、
Nb:0.02〜0.1%、
V:0.02〜0.85%
の内の1種または2種以上を含有する上記(1)から(3)のいずれかに記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。
【0012】
(5) 上記(1)から(4)のいずれかに記載の大入熱サブマージアーク溶接方法によって生成された溶接金属が、質量%で、
C:0.03〜0.15%、
Si:0.10〜0.7%、
Mn:1.0〜2.0%、
Mo:0.05〜0.65%、
Ti:0.005〜0.1%、
B:0.0005〜0.01%、
N:0.009%以下、
O:0.015〜0.04%、
Ni:0.01〜0.7%
を含有し、
Cr:0.02〜0.1%、
Nb:0.005〜0.017%、
V:0.005〜0.05%
の内の1種または2種以上を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなることを特徴とする、0℃における吸収エネルギー値が100J以上の溶接金属靭性に優れるサブマージアーク溶接金属。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の技術思想について、金属学的効果の点から説明する。
【0014】
図1に従来技術における溶接金属組織(左図)と本発明における溶接金属組織(右図)とを模式的に示す。
【0015】
一般に溶接金属の組織は、溶接、凝固後の冷却過程でδフェライト相からオーステナイト相へ変態し、その後、αフェライト相へ変態することにより最終組織が形成される。従来、約500kJ/cm以上の大入熱サブマージアーク溶接においては、凝固後の高い温度域でδフェライト相からオーステナイト相へ変態するため、図1の左図(a)、(b)に示すようにオーステナイトの成長によりその粒径が粗大化していた。さらにオーステナイト相からαフェライト相への変態過程で、オーステナイト粒界5の周囲に靭性に有害な粗大な初析(粒界)フェライト4の生成や、オーステナイト粒内に靭性に有害な粗大で硬くて脆いセメンタイト(Fe3C)9が生成し、これらにより溶接金属の靭性低下が顕著であった。
【0016】
そこで、本発明者らは、上記の問題を改善するための溶接金属組成について溶接実験等により鋭意検討を行った。
【0017】
その結果、溶接、凝固後のδフェライト相を低温領域まで熱力学的に安定させる元素としてSi、Mo、Cr、Nb及びVが有効であり、これらの元素を溶接金属に多く含有させると同時にオーステナイトを安定化させる元素(C、Mn、Ni)を可能な限り低減させることにより、溶接金属凝固後、比較的低温の領域までδフェライト相を維持し、オーステナイト相への変態を低温領域で行わせることにより、大入熱のサブマージアーク溶接における溶接金属中のオーステナイト粒の粗大化を抑制でき、溶接金属組織を微細化できることを見出した。
【0018】
また、図1の右図(c)、(d)に示すようにオーステナイト相からαフェライト相への変態過程で、オーステナイト粒内に微細なベーナイト11またはアシキュラーフェライト8を生成させ、それらの組織で覆い尽くせば、脆性亀裂の発生起点となるセメンタイトを粒内に細粒なセメンタイト13として微細分散され、上記の結晶粒の微細化による脆性亀裂進展時における破面単位の細分化の効果と併せて、溶接金属の靭性を大幅に向上できることを知見した。発明者らは、実験によりこのようにオーステナイト粒内に細粒なベーナイト11またはアシキュラーフェライト8を生成させるためには、Si、Mo、Cr、Nb及びVの適正量の添加による焼入性向上が有効であることを見出した。
【0019】
また、本発明者らは、上記の結晶粒の微細化及び粒内組織の微細ベーナイトまたはアシキュラーフェライト組織の生成を利用したセメンタイトの微細分散化がもたらす靱性向上効果をより顕著に発現させるために、さらにBのオーステナイト粒界への偏析作用を利用し、オーステナイト粒の微細化に伴って顕著になると思われるオーステナイト粒界での粗大な初析フェライトの生成を抑制する方法が有効であることが判った。
【0020】
さらに、本発明者らは、上記の手段に加えて、溶接金属に添加するCの含有量を抑制したり、セメンタイト(Fe3C)の生成を抑制する作用を有するSiの含有量を適量添加することによりオーステナイト相から各種フェライト相(初析フェライト、ベーナイトあるいはアシキュラーフェライト)への変態過程あるいは変態終了後に、粒内に生成する靭性に有害な粗大で硬くて脆いセメンタイト(Fe3C)の生成を低減し、溶接金属の靭性をより向上させることができることを明らかにした。
【0021】
なお、本発明によれば、図1の右図に示すように、溶接金属中に結晶粒が微細であり、粒内組織が微細ベーナイト11及びアシキュラーフェライト8主体組織でセメンタイト13が微細分散されているとともに、初析(粒界)フェライト7が少ないことを特徴とする靭性に優れた組織が得られる。
【0022】
本発明は、以上の知見から成したものであり、本発明者らは大入熱サブマージアーク溶接金属の靭性向上を目的として、溶接金属のδフェライト相を安定させるとともに焼入性を向上させる元素であるSi、Mo、Cr、Nb及びVを所定量含有し、かつオーステナイト粒界での粗大な初析フェライトの生成を抑制する効果のあるBを所定量含有することを特徴とし、引張強度が500〜600MPa級の高張力鋼を600kJ/cm以下の大入熱サブマージアークサブマージアーク溶接時でも従来に比べて溶接金属の靭性を向上することができる。
【0023】
また、本発明では、さらに、結晶粒内の靭性を害するセメンタイト(Fe3C)の生成を抑制するために、この溶接ワイヤ中に含有するCの含有量を抑制し、Siの含有量を増加させることにより、さらに、大入熱サブマージアークサブマージアーク溶接時の溶接金属の靭性を向上できるものである。
【0024】
以下に本発明の溶接方法における限定理由について説明する。
【0025】
なお、以下の%は、質量%を示し、HAZは溶接熱影響部(Heat Affected Zone)を示す。
【0026】
本発明における鋼板の化学成分の限定理由は以下の通りである。
【0027】
鋼板のC含有量の下限は母材及び溶接部の強度、靭性を確保するための最小量として0.03%と規定した。しかし、Cが多すぎると母材及びHAZの靭性を低下させるとともに溶接性を劣化させるため、その含有量の上限を0.2%とする。
【0028】
鋼板のSiは脱酸のために鋼に含有されるが、Siは鋼の溶接性及びHAZ靭性の向上に寄与するものでないので、その下限は特に限定するものではない。しかしながら、脱酸後に残留するSiを0.01%以上とすることが操業上好ましい。一方、多すぎると溶接性及びHAZの靭性が劣化するため、その含有量の上限を0.4%とする。
【0029】
鋼板のMnは母材及び溶接部の強度、靭性の確保に不可欠であり、これらの効果を得るためにその含有量の下限を0.5%とする。しかし、Mnが多すぎるとHAZの靭性を劣化させ、スラブの中心偏析を助長し、溶接性を劣化させるのでその含有量の上限を2%とする。
【0030】
本発明におけるフラックスの化学成分の限定理由は以下の通りである。
【0031】
フラックスのSiO2は大入熱サブマージアーク溶接において、良好な溶接ビードを形成するために最も重要な成分であるが、過多になると溶接金属の酸素やSiが増加し、靭性が劣化する。すなわち、15%未満ではビード趾端部のなじみが悪く、25%を超えると靭性が劣化するため、その含有量を15〜25%に規定する。
【0032】
フラックスのMgOはスラグの耐火性を向上させる。サブマージアーク溶接のような入熱の大きい溶接はスラグの耐火性を高くする必要があり、6%未満ではビードが不良となる。一方、16%を超えるとビード表面に突起物が発生する。
したがって、MgOの含有量を6〜16%とする。
【0033】
フラックスのCaOはスラグの融点及び流動性を調整するために重要な成分である。その含有量が5%未満ではビード趾端部のなじみが悪く、13%を超えるとスラグ流動性が不良となり、ビード高さが不均一になるため、CaOの含有量を5〜13%とした。
【0034】
フラックスのCaF2は靭性改善に効果があるが、融点が低いため過多になると大入熱サブマージアーク溶接では、ビードの平滑性が損なわれる。その含有量が1%未満では靭性改善の効果がなく、6%を超えるとビードが不良となるため、CaF2の含有量を1〜6%とした。
【0035】
フラックスのAl2O3はスラグ剥離性を良好にする効果がある。その含有量が17%未満では剥離性が劣化し、25%を超えると凸ビードになるため、Al2O3の含有量を17〜25%とした。
【0036】
フラックスのTiO2はビード表面の平滑性を得るのに効果があり、かつ、靭性向上にも有効である。その含有量が6%未満ではビード表面の平滑性及び靭性の向上の効果がなく、15%を超えるとビード趾端部の立ち上がり角度が大きくなるため、TiO2の含有量を6〜15%とした。
【0037】
フラックスのFeは溶着効率の向上及び溶接入熱の低減に効果がある。その含有量が11%未満では溶着効率の向上及び溶接入熱の低減に効果が得られず、23%を超えるとビード表面に突起物が発生するため、Feの含有量を11〜23%とした。
【0038】
フラックスのB2O3は靭性向上に効果がある。その含有量が0.1%未満では靭性向上の効果が得られず、0.6%を超えると溶着金属が硬化し、かえって靭性が劣化するため、B2O3の含有量を0.1〜0.6%とする。
【0039】
本発明における溶接ワイヤの化学成分の限定理由は以下の通りである。
【0040】
溶接ワイヤのCは良好な靭性を得るための重要な成分であり、溶接金属で良好な靭性を得るためにはその含有量を0.02%〜0.34%にする必要がある。その含有量が0.02%未満であると脱酸不足となり、0.34%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって何れの場合にも靭性が劣化する。
【0041】
また、溶接金属にCを過剰に含有するとオーステナイト粒内に靭性に有害な粗大セメンタイト(Fe3C)が多く生成するため、より溶接金属の靭性を向上させるためには、Cの含有量の上限を0.15%とすることが好ましい。
【0042】
溶接ワイヤのSiは脱酸元素であり、溶接金属の酸素を低減する。その含有量が0.02%未満では脱酸効果が得られず、また、1.2%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって何れの場合にも靭性が劣化するため、その含有量を0.02〜1.2%とする。
【0043】
また、Siは、δフェライトの安定化元素としてオーステナイトの粗大化を抑制し、オーステナイト粒径を微細化するために有効な元素としてワイヤ中に含有させているが、このオーステナイト粒径を微細化する効果に加えて、オーステナイト粒内に生成する靭性に有害な粗大セメンタイト(Fe3C)の生成を抑制する効果があり、その効果を得てより靭性を向上させるためには、さらに、Siの含有量の下限を0.1%にすることが好ましい。
【0044】
溶接ワイヤのMnは溶接金属の強度の向上及び脱酸効果元素として重要な成分である。その含有量が1.16%未満では溶接金属の十分な強度が得られず、また、溶接金属の酸素量が高くなり靭性が劣化する。2.3%を超えると溶接金属の硬さが過剰となって靭性が劣化する。したがって、Mnの含有量を1.16〜2.3%にする。
【0045】
溶接ワイヤのMoは溶接金属の焼入れ性増大元素として重要な成分である。その含有量が0.1%未満では溶接金属の靭性向上に効果がなく、3.0%を超えると溶接金属の焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化するため、Moの含有量を0.1〜3.0%とする。
【0046】
溶接ワイヤのNiは溶接金属中のフェライトマトリックスの靭性を向上させるに必要な元素であるが、オーステナイトを安定化する元素であり、2.0%を超えて含有されるとオーステナイト粒径を粗大化させるので好ましくない。本発明ではオーステナイト粒径の微細化のためにNiの含有量の上限を2.0%とした。Niの下限は特に限定するものではないが、特に靭性の向上のためには0.003%以上とすることが好ましい。
【0047】
溶接ワイヤのTiは溶接金属中で微量でもTi酸化物等を生成して、強度及び靭性の向上に有効な微細な結晶粒のアシキュラーフェライトを生成するための核生成サイトとなり、その十分な効果を得るためにワイヤ中の含有量の下限を0.005%とした。しかしながら、0.1%を超えてワイヤ中に含有されると、酸化物あるいは窒化物として固定されなかったTiがフェライトマトリックス中に固溶し、靭性を劣化させるので、その含有量の上限を0.1%とした。
【0048】
溶接ワイヤのNは靭性を劣化させる元素である。そこで、できるだけ低い方が良く0.006%以下とした。
【0049】
溶接ワイヤのOは微小量の添加によりオーステナイト粒内に強度及び靭性の向上に有効なアシキュラーフェライト変態の核生成サイトとしてTi酸化物を形成するため、その含有量の下限を0.0009%とした。しかしながら過剰に含有させると溶接金属の靭性を劣化させるのでその含有量の上限を0.009%とした。
【0050】
溶接ワイヤのCr、Nb及びVは、Moと同様に、何れも溶接金属の焼入れ性増大元素として重要な成分であり、本発明では、より溶接金属の靭性を向上させるために、溶接ワイヤ中にさらにCr、Nb及びVのうちの1種または2種以上を添加する。
【0051】
Cr、Nb及びVのうちの1種または2種以上を添加する場合、それぞれの含有量が0.02%未満では、溶接金属の靭性向上に効果がない。一方、Cr、Nb及びVの含有量が1.0%、0.1%、0.85%をそれぞれ超えると溶接金属の焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化する。
【0052】
したがって、溶接ワイヤ中にさらにCr、Nb及びVのうちの1種または2種以上を添加する場合、それぞれの含有量を0.02〜1.0%、0.02〜0.1%、0.02〜0.85%とする。
【0053】
本発明における溶接金属の化学成分の限定理由は以下の通りである。
【0054】
溶接金属のCは、溶接金属の強度を向上させる成分であり、500〜600MPa以上の溶接金属の引張強度を確保するためには、溶接金属中に0.03%以上含有する必要がある。しかしながら、Cは、オーステナイトの安定化元素であるために溶接金属に過剰に含有するとオーステナイト粒が粗大化し、また、溶接金属の硬さが過剰となって溶接金属の靭性を劣化させるばかりでなく、Cを過剰に含有するとオーステナイト粒内に靭性に有害な粗大なセメンタイト(Fe3C)が多く生成するため、溶接金属の靭性を向上させるためにC含有量の上限を0.15%とした。
【0055】
溶接金属のSiは、脱酸元素として働き、溶接金属の不純物としての酸素量を減少させる成分であるが、本発明では、δフェライトの安定化元素としてオーステナイトの粗大化を抑制し、オーステナイト粒径を微細化するために有効な元素として、また、Siは、オーステナイト粒内に生成する靭性に有害な粗大なセメンタイト(Fe3C)の生成を抑制する効果があり、その効果を得るためにも溶接金属中に0.1%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.7%を超えて溶接金属中に含有すると溶接金属の硬さを過剰に高め、靭性を劣化させるので、その含有量の上限を0.7%とした。
【0056】
溶接金属のMnは、溶接金属の強度の向上及び脱酸作用を有し、その含有量が1.0%を下回ると溶接金属の十分な強度が得られず、また、溶接金属の酸素量が高くなり、溶接金属の靭性を劣化させる。しかしながら、Mnは、オーステナイトの安定化元素であるため、2.0%を超えて含有すると、溶接金属中のオーステナイトの粒が粗大化するのでオーステナイトの粒を微細化するために、その含有量の上限を2.0%とする。
【0057】
溶接金属のMoは、δフェライトの安定化元素としてオーステナイトの粗大化を抑制し、オーステナイト粒径を微細化すると同時に、オーステナイトからαフェライトの変態時には焼入性増大元素として有効に機能し、結晶粒内のベーナイトあるいはアシキュラーフェライトの生成を促進するので、本発明では、溶接金属の靭性向上のために重要な元素である。この効果を得るために、本発明では、溶接金属中に0.05%以上含有される必要がある。しかしながら、過剰に含有されると溶接金属を過剰に硬化させ、溶接金属の靭性を劣化させるので、本発明では、その含有量の上限を0.65%とした。
【0058】
溶接金属のTiは、溶接金属中で微量でもTi酸化物等を形成して、強度、靭性の向上のために有効な微細な結晶粒のアシキュラーフェライトを生成するための核生成サイトとなり、その充分な効果を得るために溶接金属中に0.005%以上含有する必要がある。しかしながら、0.1%を超えて溶接金属中に含有されると、酸化物あるいは窒化物として固定されなかったTiがフェライトマトリックス中に固溶し、靭性を劣化させるので、その含有量の上限を0.1%とした。
【0059】
溶接金属のBは、微量でも溶接金属中のオーステナイト粒界に偏析し、オーステナイト粒界における靭性に有害な初析フェライトの変態を抑止するので、溶接金属中に0.0005%以上含有する必要がある。しかしながら、0.01%を超えてワイヤ中に含有されると、過剰なBがフェライトマトリックス中に固溶し、靭性を劣化させるので、その含有量の上限を0.01%とした。
【0060】
溶接金属のNは、溶接金属において不純物元素であり、溶接金属に固溶したNがフェライトマトリックスの靭性を劣化させ、さらに過剰に溶接金属中に含有されるとBを窒化物として固定してしまい、上記のBのオーステナイト粒界での初析フェライト変態の抑止効果を低下させる。そこで、本発明では、その含有量の上限を0.009%に制限した。
【0061】
溶接金属のOは、微少量の添加によりオーステナイト粒内に強度、靭性の向上に有効なアシキュラーフェライト変態の核生成サイトとしてTi酸化物を形成するため、0.015%以上添加する必要がある。しかしながら過剰に含有させると溶接金属の靭性を劣化させるのでその含有量の上限を0.04%とした。
【0062】
溶接金属のNiは、溶接金属中のフェライトマトリックスの靭性を向上させる元素であるが、オーステナイトの安定化元素である。この効果を得るために、本発明では、溶接金属中に0.01%以上含有される必要がある。しかしながら、過剰に含有されるとオーステナイト粒を粗大化させるため、本発明では、オーステナイト粒の微細化のために、その含有量の上限を0.7%とした。
【0063】
溶接金属のCr、Nb及びVは、Moと同様に、何れもδフェライトの安定化元素としてオーステナイトの粗大化を抑制し、オーステナイト粒径を微細化すると同時に、オーステナイトからαフェライトの変態時には焼入性増大元素として有効に機能し、結晶粒内のベーナイトあるいはアシキュラーフェライトの生成を促進するので、本発明では、溶接金属の靭性向上のためにのぞましい元素である。溶接金属中にさらにCr、Nb及びVのうちの1種または2種以上を添加し、上記の効果を得るためには、Cr、Nb及びVの含有量の下限をそれぞれ0.02%、0.005%、0.005%とする。
【0064】
一方、Cr、Nb及びVはいずれも過剰に含有すると溶接金属を過剰に硬化させ、溶接金属の靭性を劣化させるので、本発明では、Cr、Nb及びVのうちの1種または2種以上を添加する場合、それぞれ含有量の上限を0.1%、0.017%、0.05%とする。
【0065】
【実施例】
以下に本発明の実施例を用いて本発明の効果を説明する。
【0066】
表1に示す化学組成の鋼板を用い、図2に示す開先を有する板厚60mmの角継手を表2に示す溶接ワイヤ、表3に示す焼成型フラックスを用いて表4に示す溶接条件でサブマージ溶接による大入熱角継手溶接を行い、板厚1/2、溶接部中央から引張試験片及びシャルピー衝撃試験片を採取して、それぞれ機械試験を実施した。靭性の評価は0℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数:3本の平均により評価した。なお、表1において、鋼板A〜Cが本発明範囲内の成分を有する鋼板、鋼板D〜Hが本発明範囲から外れる成分を有する鋼板を示す。また、表2において、ワイヤa〜cが本発明範囲内の成分を有するワイヤ、鋼板d〜tが本発明範囲から外れる成分を有するワイヤを示す。また、表2において、フラックス丸付き数字の1〜4が本発明範囲内の成分を有するフラックス、フラックス丸付き数字の5〜20が本発明範囲から外れる成分を有するフラックスを示す。
【0067】
表5、6にこれらの試験結果を示す。これらの結果から明らかなように、本発明の大入熱サブマージアーク溶接方法によって得られた試験記号でW1〜W8の溶接金属は、良好な強度と靭性を有する。
【0068】
これらに対し、比較例である試験記号でW9、26、47の溶着金属は、Cが低いため、十分な強度が得られず、また、脱酸不足となり靭性が劣化している。
【0069】
比較例である試験記号でW10、27の溶接金属は、Cが高いため、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0070】
比較例である試験記号でW11、31の溶接金属は、Siが低いため、十分な強度が得られず、また、脱酸不足となり靭性が劣化している。
【0071】
比較例である試験記号でW12、28、32の溶接金属は、Siが高いため、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0072】
比較例である試験記号でW13、30の溶接金属は、Mnが高いため、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0073】
比較例である試験記号でW14、29の溶接金属は、Mnが低いため、十分な強度が得られず、また、脱酸不足となり靭性が劣化している。
【0074】
比較例である試験記号でW15の溶接金属は、Moが高いため、焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0075】
比較例である試験記号でW16の溶接金属は、Moが低いため、靭性向上に効果がない。
【0076】
比較例である試験記号でW17の溶接金属は、Niが高いため、オーステナイト粒径を粗大化させ、靭性が劣化している。
【0077】
比較例である試験記号でW18の溶接金属は、Tiが低いため、強度及び靭性の向上に効果がない。
【0078】
比較例である試験記号でW19、49の溶接金属は、Tiが高いため、酸化物あるいは窒化物として固定されなかったTiがフェライトマトリックス中に固溶し、靭性を劣化させている。
【0079】
比較例である試験記号でW20の溶接金属は、Nが高いため、靭性が劣化している。
【0080】
比較例である試験記号でW21の溶接金属は、Oが低いため、オーステナイト粒内に強度及び靭性の向上として有効なアシキュラーフェライト変態の核生成サイトが形成できず、靭性が劣化している。
【0081】
比較例である試験記号でW22の溶接金属は、Oが高いため、靭性が劣化している。
【0082】
比較例である試験記号でW23の溶接金属は、Crが高いため、焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0083】
比較例である試験記号でW24の溶接金属は、Nbが高いため、焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0084】
比較例である試験記号でW25の溶接金属は、Vが高いため、焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0085】
比較例である試験記号でW33〜44の溶接金属は、溶接作業性劣化によるビード不良、スラグイン、ブローホールなど、溶接欠陥の発生により健全な溶接金属を得られない。
【0086】
比較例である試験記号でW45の溶接金属は、Bが低いため、靭性向上に効果がない。
【0087】
比較例である試験記号でW46の溶接金属は、Bが高いため、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0088】
比較例である試験記号でW48の溶接金属は、C、Si、Oが高いため、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0089】
比較例である試験記号でW50の溶接金属は、Mn、Vが高いため、焼入れ性が過大となり、硬さが過剰となって靭性が劣化している。
【0090】
したがって、比較例ではいずれも溶接金属において十分な機械的性質が得られず、健全な溶接金属として使用できるものではない。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来、高靭性の溶接金属を得ることが困難であった溶接入熱600kJ/cm以下の大入熱サブマージアーク溶接においても、500MPa以上の引張強度とともに、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーで100J以上の優れた靭性を有する機械的特性の優れた溶接金属を得ることが可能であり、建築構造物の安全性を著しく高めることができると同時に生産効率を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術(左図)及び本発明(右図)における溶接金属の組織学的特徴を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例の説明に用いた溶接開先形状を示す図である。
【符号の説明】
1 フランジ板
2 ウェブ板
3 裏板
4 初析(粒界)フェライト
5 オーステナイト粒界
6 粗大なベイナイト或いはアシキュラーフェライト
7 粗粒なベイナイト
8 アシキュラーフェライト
9 粗粒なセメンタイト
10 細粒なベイナイト或いはアシキュラーフェライト
11 細粒なベイナイト
12 酸化物
13 細粒なセメンタイト
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.03〜0.2%、
Si:0.4%以下、
Mn:0.5〜2%
を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなる鋼板を、
SiO2:15〜25%、
MgO:6〜16%、
CaO:5〜13%、
CaF2:1〜6%、
Al2O3:17〜25%、
TiO2:6〜15%、
Fe:11〜23%、
B2O3:0.1〜0.6%、
の成分を含有するフラックスと、
C:0.02〜0.34%、
Si:0.02〜1.2%、
Mn:1.16〜2.3%、
Mo:0.1〜3.0%、
Ni:2.0%以下、
Ti:0.005〜0.1%、
N:0.006%以下、
O:0.0009〜0.009%、
を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなるワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。 - 質量%で、
C:0.02〜0.15%
を含有する請求項1記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。 - 質量%で、
Si:0.1〜1.2%
を含有する請求項1記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。 - さらに、質量%で、
Cr:0.02〜1.0%、
Nb:0.02〜0.1%、
V:0.02〜0.85%
の内の1種または2種以上を含有する請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤを用いて溶接することを特徴とする溶接金属靭性に優れる大入熱サブマージアーク溶接方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の大入熱サブマージアーク溶接方法によって生成された溶接金属が、質量%で、
C:0.03〜0.15%、
Si:0.1〜0.7%、
Mn:1.0〜2.0%、
Mo:0.05〜0.65%、
Ti:0.005〜0.1%、
B:0.0005〜0.01%、
N:0.009%以下、
O:0.015〜0.04%、
Ni:0.01〜0.7%、
を含有し、
Cr:0.02〜0.1%、
Nb:0.005〜0.017%、
V:0.005〜0.05%
の内の1種または2種以上を含有し、残部が不可避不純物ならびにFeからなることを特徴とする、0℃における吸収エネルギー値が100J以上の溶接金属靭性に優れるサブマージアーク溶接金属。
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