JP3759412B2 - 好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/またはこれらの前駆体細胞、ならびに/またはこれらの表面構造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用 - Google Patents
好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/またはこれらの前駆体細胞、ならびに/またはこれらの表面構造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用 Download PDFInfo
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Description
本発明は、好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞、ならびに/または前記細胞の表面構造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用に関する。
【0002】
本発明は、更に
アレルギーの検討方法、
マスト細胞または好塩基球に分化することができる造血前駆体細胞の提供方法、
好塩基球および/もしくはマスト細胞、および/または好塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞の実質的に純粋な集団、並びに
上記細胞に結合させるための試薬
に関する。
【0003】
好塩基球および/またはマスト細胞をそれらの成熟した状態でそれぞれ個々に検出することができる抗体が知られている。
【0004】
血液形成とも呼ばれる造血において、リンパ様および骨髄様前駆体細胞は骨髄中の多能性幹細胞から生じる。リンパ様前駆体細胞はT−およびB−リンパ球を生じ、他方、骨髄様前駆体細胞は赤血球、巨核球、好塩基球、好酸球、好中球、単球、あるいはマスト細胞の発生源である未知の前駆体細胞を生じる。好塩基球、好酸球および好中球は、総じて顆粒球と呼ばれる。造血の後、好塩基球は血中に存在するが、マスト細胞は組織に存在する。成人では、造血は骨髄で起こる。
【0005】
好塩基球およびマスト細胞は、アレルギー反応および炎症反応に関与する多機能エフェクター細胞である。
【0006】
好塩基球およびマスト細胞は、それらの生化学的特性および機能特性が類似しているが、それらはいずれも、好酸球と同様、CD34陽性前駆体細胞由来の異なるタイプの細胞である。
【0007】
骨髄および血液中で様々な細胞のタイプを区別し、それらを様々な分化の段階に割り当てることは、毎日の臨床作業の本質的部分である。例えば、造血異常を診断するには、それぞれ特定の細胞タイプの細胞数、および可能ならば、それらの分化の各段階を決定する必要がある。
【0008】
更に、血液細胞および骨髄中の血液前駆体細胞の分析は、白血病の診断に重要である。細胞の数、タイプおよび段階を用いて、白血病のタイプを分類または配分し、適当な治療法について決定する。白血病の配分は、一方においてこの疾患の臨床的経過に基づき、他方では病理学的に変化した白血球の成熟度および系統に基づいている。しかしながら、この方法は、患者由来のサンプルに含まれる健康な細胞および変性細胞の細胞タイプおよび状態の決定を必要とする。
【0009】
今日まで、これらの分析は、Pappenheim染色またはMay-Grunwald-Giemsa染色などの通常の染色法で染色した後、細胞の形態に基づいて、顕微鏡下で手動計数により行われている。骨髄生検または血液サンプルの評価のための最新の方法では、ある細胞のタイプおよび段階についてのマーカーとして特異的抗原を認識する抗体が用いられる。
【0010】
次に、抗体および認識された抗原は、それぞれELISA(固相酵素免疫検定法)またはフローサイトメトリー(FACS(登録商標):蛍光活性化セルソーティング)のような標準的方法を用いて自動的に検出することができる。
【0011】
しかしながら、無傷の好塩基球を特異的に認識する抗体は、現在のところはごく僅かしか知られていない。これらの抗体の一つは抗体Bsp-1であり、これは好塩基球とは反応するが、組織マスト細胞とは反応しない(Bodger, M.P. et al., Blood 69 (1987), 1414)。CD117に反応性の抗体YB5B8は、マスト細胞および造血前駆体細胞を認識する(Ashman et al., Blood 78 (1991), 30)。
【0012】
DE19708877C1号明細書には、抗体97A6は巨核球に特異的に結合するが、血小板には結合しないことが記載されている。
【0013】
しかしながら、好塩基球、マスト細胞、並びにそれらの前駆体細胞を同時に認識する抗体は、これまで知られていない。
【0014】
上記に鑑み、本発明の目的は、最初に述べた使用のための抗体を提供することにある。
【0015】
本発明によれば、この目的は、抗体の使用により達成されるものであり、この抗体の使用においては、ブダペスト条約に基づいて、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DMSZ)に1997年2月12日付けで、DSM ACC 2297号として寄託されたハイブリドーマ細胞によって産生され、放出される97A6との名称を付された抗体が結合し得る細胞の表面構造に対して抗体の結合が生ずる。
【0016】
これらのハイブリドーマ細胞の保管期間は、必要に応じて延長されている。
【0017】
また、本発明における意味では、抗体は、抗体フラグメント、例えば、F(ab)、抗体および/または抗体フラグメントとのコンジュゲート、ならびに抗体、抗体フラグメント、および抗体および/または抗体フラグメントとのコンジュゲートを含む総ての組成物であると理解される。
【0018】
抗体が結合する表面構造は、本発明における意味では、個々の分子、例えば膜タンパク質であってよく、または数個のサブユニットを含んでなるイオンチャンネルまたは受容体などの二以上の分子の会合であってもよい。
【0019】
本発明における目的は、この方法で完全に達成される。
【0020】
具体的には、本発明者らは、抗体97A6が結合することができる表面構造は、数種類の巨核球細胞株を除き、好塩基球およびマスト細胞、およびそれらの前駆体細胞、ならびにマスト細胞HMC-1株および好塩基球性白血病細胞KU-812株でのみ発現されることを見出した。DE19708877C1号明細書には、抗体97A6が巨核球に特異的であることが記載されているので、上記の知見は、この明細書に基づいて予想されるものではなかった。しかしながら、発明者による最近の研究の結果では、抗体97A6は若干数の巨核球細胞株を認識するが、本来の巨核球は認識しないことが示唆されている。
【0021】
本発明で使用される抗体は細胞の精製に好適であるので、本発明は、好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞であって、抗体97A6によって認識される上記細胞の表面構造に特異的に結合する試薬を結合させることができる細胞の実質的に純粋な集団にも関する。本発明は、更に、前記細胞に結合させるための、対応する試薬にも関する。
【0022】
抗体97A6を用いれば、抗体が結合する表面構造を単離し、これに対するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を容易に産生させることができる。
【0023】
FACS(登録商標)分析により、表面構造がホスホジエステラーゼ/ヌクレオチドピロホスファターゼ細胞外酵素PDNP3であり、NPP3またはPD-Iβとも表されることをこれまでに示すことができた。配列は、Jin-Hua et al., Genmics 45, 421-415 (1997)に公表された。
【0024】
抗体の本発明による使用の一つの大きな利点は、これまでそのままでは形態学的に同定できなかった未成熟形態で存在する好塩基球の多くを本発明により高い信頼性で認識することができるので、慢性骨髄性白血病(CML)の患者の血液中の好塩基球の数を本発明により確実に観察することができるという点にある。このような患者の好塩基球の正確な数、従ってその疾病の状態を、このようにして確かめることができる。
【0025】
抗体の本発明による使用によれば、更に、培養条件によって、マスト細胞または好塩基球を生産することができる前駆体細胞を単離することもできる。従って、本発明による使用によれば、このような細胞の分化の分析が容易となる。これに関して、これまでに知られている他の抗体と比較して、使用される抗体では、好塩基球は極めて初期の発生段階で検出可能であり、それらが更に発達しても、この抗体で検出することが可能なままであることが特に有利である。
【0026】
日常的診断薬に関して、抗体の本発明による使用の重要な利点は、単一抗体により、例えば様々な組織由来のマスト細胞および血液由来の好塩基球を検出することができることである。この目的では、これまでは種々の抗体および種々の抗体の組合せが必要であり、かなりの余分な費用がかかっている。血液サンプル中の好塩基球は、例えばMay-Grunwald-Giemsaを用いて、組織化学的に染色することもできる。次に、好塩基球を同定して計数するには、熟練者が必要であり、その結果は主観的な変動の可能性を有する。未成熟の好塩基球は、この方法では同定することができない。一方、抗体の本発明による使用によれば、ELISAまたはFACS(登録商標)のような客観的に分析可能な標準的方法であって、余り熟練していない者でも行うことができ、かつ染色の主観的評価よりも遙かに多くのサンプルを処理できる方法を用いて分析することができる。
【0027】
本発明者らは、更に、例えば、アレルギー反応に関連した好塩基球の活性化により、本発明により使用される抗体によって認識される表面構造の提供が増大されることも認識している。従って、好塩基球についてのこの表面構造の検出および/または定量は、好塩基球の活性化の検討に極めて適している。
【0028】
好ましい態様では、使用される抗体はモノクローナル抗体である。
【0029】
モノクローナル抗体の使用は、この抗体が標準化したやり方で再生可能であり、従って無制限の量で産生させることができる可能性を有するという利点を有する。更に、モノクローナル抗体の結合特性は常に一定であるので、モノクローナル抗体のそれぞれの使用を標準化することもできる。
【0030】
更に好ましい態様では、本発明によって使用される抗体はIgEクラスの免疫グロブリンと本質的に相互作用しない。
【0031】
その理由は、好塩基球の活性化に関連した検討において、このような抗体の使用により、細胞に結合したIgE免疫グロブリンを架橋することによって抗体そのものは好塩基球を活性化せず、従って検討結果に影響しないという予想外の利点が提供されるからである。
【0032】
本発明の他の態様では、抗体97A6そのものが検出および/または単離に使用される。
【0033】
この抗体の使用は、この抗体が既に十分に特徴づけられており、多量に入手可能であるという利点を有する。
【0034】
本発明は、更に造血の分析に関連した抗体の本発明による使用にも関する。
【0035】
上述のように、本発明による使用によれば、好塩基球およびマスト細胞の前駆体細胞を単離し、これらの細胞について造血を分析することが可能となる。しかしながら、この分析は、科学的興味のみならず、造血異常の検討における臨床診断に用いることもできる。
【0036】
好ましい態様では、抗体は、本発明により、患者サンプル、特に組織生検、骨髄生検、および/または血液サンプルの分析に関連して使用される。これに関して、本発明による使用により、組織生検の場合にはマスト細胞が検出され、骨髄生検の場合にはマスト細胞および/または好塩基球の前駆体細胞が検出され、血液サンプルの場合には成熟および未成熟の好塩基球が検出される。
【0037】
上述のように、これにより、出発材料によって異なり、かつこれまでは抗体の組合せでのみ行うことができたか、または全く行うことができなかった分析が、単一抗体により可能となる。
【0038】
抗体の本発明による使用は、腫瘍、特に白血病の診断的分類にも関する。
【0039】
白血病の診断および分類は、骨髄生検または血液サンプルに基づいて行われる。例えば、白血病の一発現であるCMLでは、総ての骨髄細胞の状態は骨髄分析に基づいて分析される。本発明による抗体は、これに関して、好塩基球およびマスト細胞についての前駆体細胞の部分に関する情報を供給するという利点を有する。血液分析では、本発明による使用により、上述のように、これまでは認識することができなかった好塩基球、特に未成熟の好塩基球を検出することができる。しかし、好塩基球の数はCMLの進行における決定的パラメーターであるので、本発明による使用により、CMLの段階について以前に可能であったよりも信頼性の高い診断結果を得ることができるという利点が提供される。
【0040】
本発明の更に好ましい態様では、使用される抗体をマーカー、特に蛍光マーカーに結合させる。
【0041】
これに関して、次に抗体を高感度で検出することができるので、ごく少量の抗体しか診断に用いる必要がないことが有利である。この種の抗体を、ELISAまたはフローサイトメトリーを用いるときに使用することもできる。
【0042】
本発明による他の態様では、結合した抗体は、通常の免疫学的検出法、特にELISAまたはFACS(登録商標)分析で検出される。
【0043】
この使用は、患者サンプル中の細胞を、高感度で、速やかに、高度に特異的に測定することができ、且つ自動的に行うことができるという利点を有する。
【0044】
本発明は、更に、活性化した好塩基球を検出しおよび/または定量するための抗体の本発明による使用に関する。
【0045】
この種の使用は、未活性化好塩基球と比較して、活性化した好塩基球は本発明によって使用されるより多数の抗体に結合しているので、好塩基球の活性化の原因を比較的容易に検討することができるという利点を有する。例えば、好塩基球は、活性化する可能性のある薬剤および本発明により用いられる抗体とともにインキュベーションすることができる。次に、活性化した好塩基球を、97A6抗原の発現増加によって未活性化好塩基球から識別することができる。この発現増加は、フローサイトメトリーで定量することができる。
【0046】
抗体の本発明による使用は、更に、好塩基球が活性化される程度の測定にも関する。
【0047】
個々の好塩基球への抗体の結合の程度を測定することによって、抗原の発現、従ってこのような細胞の活性化の程度を測定することもできる。従って、本発明によるこの使用により、好塩基球を活性化する薬剤を、このような細胞の活性化に寄与する程度に関して検討する有利な可能性が提供される。従って、薬剤、例えばアレルゲンは、好塩基球を活性化するそれらの能力に関して分類することができる。これにより、薬剤のアレルギー誘導ポテンシャルを推定することができる。
【0048】
本発明は、更に、アレルギーを調べる方法であって、
血液サンプルを、アレルギー反応を誘導すると思われる薬剤とともにインキュベーションする工程、
この血液サンプルを請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体とともにインキュベーションする工程、
細胞に結合した抗体を定量する工程
を含んでなる方法に関する。
【0049】
本発明によるこの方法により、煩わしく不快な皮膚試験を人に受けさせる必要なしに、アレルギー試験を行うことができる。本発明による方法に必要なことは、試験を受ける人からの血液数mlを用いて様々なアレルゲンでイン・ビトロで試験を行うことだけであり、この試験では、薬剤とインキュベーションし、15分後に、本発明によって使用される抗体とのインキュベーションを行うことができる。好塩基球が結合した抗体を定量することによって、薬剤がアレルギー反応を誘導することができるかどうかについてだけでなく、アレルギー反応の強さについても結論を引き出すことができる。
【0050】
本発明は、更に、マスト細胞または好塩基球に分化することができる造血前駆体細胞を提供する方法であって、
生物から骨髄細胞を単離して与える工程、
前記骨髄細胞を本発明によって使用される抗体とともにインキュベーションする工程、
通常の方法、特にFACS(登録商標)およびMACS(登録商標)(磁気活性化セルソーティング)を用いて抗体と結合した細胞を単離する工程
を含んでなる方法に関する。
【0051】
これらの造血前駆体細胞を提供することによって、マスト細胞および/または好塩基球の発生を調べることができる。これは研究目的で行うことができ、不適当な造血の場合には診断目的で行うこともできる。免疫学的問題を引起すことなく前駆体細胞のドナーに後に導入することができる細胞を、前駆体細胞からイン・ビトロで培養することもできる。これは、例えば造血異常を示す患者で用いることができる。
【0052】
本発明は、更に、好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞の実質的に純粋な集団であって、前記細胞が、抗体97A6が結合する前記細胞の表面構造に特異的に結合する試薬が結合し得るものであることを特徴とする集団に関する。
【0053】
好塩基球またはマスト細胞は、細胞株ではなく、本発明によってのみ同定し、精製することができる初代の細胞を表す。
【0054】
この種の集団の利点は、例えば、細胞の特性の調査を、他の細胞によって結果に影響をおよぼされることなく、極めて特異的になし得るという点にある。これは、例えば、特異的条件下で特異的細胞によってどの物質が産生し、放出されるかを検討しようとするときに重要である。なぜなら、一般に、その物質を分析または同定することができる十分な量の大型の細胞集団によってのみ、このような物質が生産されるからである。集団が異なる細胞タイプを含んでいるときには、特異的物質の検出からどの細胞がその物質を産生しているかについて結論を引き出すことはできないであろう。
【0055】
本発明は、更に、好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞に結合させるための試薬であって、本発明によって使用される抗体、好ましくは抗体97A6を含む試薬に関する。
【0056】
このような試薬の利点は、試薬に結合した細胞を検出し、選択することができるということである。このような試薬の他の利点は、本発明による抗体の他に、結合した抗体を検出し、または抗体に結合した細胞を選択することを可能とする他の成分をも含むことができることである。これらは、例えば、蛍光標識した抗体または磁性ビーズであって本発明による抗体に結合するものにカップリングした抗体であることができる。
【0057】
上記の特徴および下記に説明する特徴は、それぞれ指示した組合せにおいてだけでなく、他の組合せまたは単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく用いることができることが理解される。
【0058】
他の利点は、下記の態様および図面に関する説明から明らかである。
【0059】
例1
正常被験者および白血病患者の抹消血からの好塩基球の単離および検出
CMLの患者の末梢血における好塩基球の数は、慢性相から加速相への遷移と共に上昇することが知られている。
【0060】
好塩基球に対する抗体97A6の特異性を試験するため、単核白血球を、正常被験者または加速相のCMLの患者の抹消血からのBuffy Coatsの他成分から、Ficoll Hypaqueを用いて分離した。次に、相間細胞をビオチン標識抗体97A6と共にインキュベーションし、3回洗浄し、抗IgG MACSbeads (Miltenyi, Bergisch Gladbach, ドイツ)と共にインキュベーションした。次に、97A6陽性細胞をMACS(登録商標)によって単離した後、観察目的の準備のため、フィコエリトリン標識した(PE標識した)ストレプトアビジンおよびPE標識した97A6抗体で標識し、フローサイトメーターで分析した。
【0061】
97A6陽性細胞の純度は99%であった。
【0062】
形態学的分析のため、これらの細胞をMay-Grunwald-Giesmaで染色した。正常被験者の結果は形態学的にも純粋な好塩基球集団であり、一方、加速相のCML患者からの97A6陽性細胞の60〜80%のみが好塩基球として形態学的に同定可能であった。残りの形態学的に同定されない97A6陽性細胞は、好塩基球の未成熟前駆体細胞であることが分かった。
【0063】
これは、これまで使用されてきた染色法によるよりも、抗体97A6を用いた方が一層多量の好塩基球を認識することができることを示している。
【0064】
例2
抗体 97A6 を用いる組織マスト細胞の検出
肺、包皮または子宮組織を細かく切り刻み、200mg/l KCl,50mg/l NaH2PO4×H2O,8g/l NaCl,および1g/lグルコースを含む緩衝液で洗浄した後、2mg/mlコラゲナーゼII型(Sebak, Suben, オーストリア)と共に37℃で90〜180分間インキュベーションした。次に、分散した細胞を遠心分離し、洗浄し、ヒトAB血清と共に30分間インキュベーションした。再度洗浄後、細胞を抗体97A6と共に4℃で30分間インキュベーションし、洗浄した後、蛍光標識したヤギF(ab')2 IgG抗マウス抗体と共に4℃で30分間インキュベーションした。細胞を0.025%グルタルアルデヒド中に1分間固定し、洗浄し、0.0125%トルイジンブルーと共に8〜12分間インキュベーションした。洗浄後、トルイジンブルーで染色したマスト細胞を、蛍光顕微鏡(Olympus, Vienna, オーストリア)を用いて、明視野モードでそれらの形態によって同定した後、蛍光によって検討を行った。
【0065】
総ての組織からのマスト細胞のみが抗体97A6で標識されたが、他の組織細胞は標識されないことが分かった。更に、マスト細胞は、同じ方法で染色した好塩基球より低い蛍光染色を示した。
【0066】
例3
前駆体細胞の単離および培養
骨髄サンプル由来の細胞を、1.077g/cm3の密度を有するFicoll Hypaque上で遠心分離した。相間細胞を単離し、CD34(造血前駆体細胞のマーカー)に陽性の細胞をMACS(登録商標)を用いて単離した。これらの細胞を、CD34に対するFITC標識抗体およびPE標識抗体97A6と共にインキュベーションした。二重陽性細胞をFACS(登録商標)によって選択し、0.9%メチルセルロースおよびIL-3(好塩基球および好酸球の分化因子)(Cellsystems, Remagen, ドイツ)などの増殖因子の混合物を含む半固形の既製培地に播種した。
【0067】
加湿雰囲気(5%CO2)で37℃で16日間インキュベーションした後、生成するコロニーを計数し、パスツールピペットで顕微鏡スライドガラス上に移し、May-Grunwald-Giesmaで染色し、形態学的検討を行った。主要な純粋な好塩基球コロニーの他に、この検討では、好酸球−好塩基球、好塩基球−マクロファージ、および多能性(multipotent)の好塩基球−好酸球−マクロファージおよび/または抗中球コロニー混合物も見られた。
【0068】
これは、97A6陽性前駆体細胞は、二能性(bipotent)または多能性の発生に限定されている、好塩基球などの各種の骨髄細胞の前駆体細胞であることを示している。
【0069】
例4
好塩基球の発生中の 97A6 抗原の発現
IL-3は、好塩基球およびそれらの前駆体細胞の増殖および分化の刺激因子である。前駆体細胞から好塩基球を生成させるため、CD34陽性細胞をMACS(登録商標)によって抹消血から単離して、700μg/mlホロトランスフェリン、40μg/mlヒト低分子量タンパク質および10μg/mlインスリン(Sigma, Munich, ドイツ)を含む無血清IMDM培地で培養し、100ng/ml IL-3(Behring-Werke, Marburg, ドイツ)で0、3、5、7、10および14日間刺激した。次に、97A6抗原の発現を分析するため、細胞を例1に記載した方法で抗体97A6によって標識した。97A6陽性細胞の部分を、フローサイトメトリーによって測定した。
【0070】
97A6陽性細胞の部分では、培養0日目での1±0.5%から、培養の3日目での60%を上回る値への有意な上昇が見られた。次に、この割合はほぼ一定のままであり、14日の培養期間の終了付近でのみ、若干減少した(図1)。
【0071】
May-Grunwald-Giemsa染色後に97A6陽性細胞の形態学的評価を行ったところ、ほとんどが好塩基球であった。97A6陽性細胞の部分の速やかな増加は、97A6抗原が好塩基球発生の初期段階で既に発現されていることを示している。これは、好塩基球の前駆体細胞を97A6抗原を用いて単離する例3に記載の実験によっても証明された。この結果は、97A6陽性細胞を、加速相のCMLの患者の抹消血で未成熟好塩基球前駆体細胞として同定することができることによって、例1においても確かめられた。
【0072】
例5
抗体 97A6 を用いる細胞表面分子の免疫沈降
好塩基球前駆体細胞KU-812株の細胞を125Iで表面標識した後、NP-40で溶解した。予め調製しておいた97A6抗体−複合体で免疫沈降を行った。97A6抗体を、第二の抗体と接合したセファロースビーズに固定した。コントロールとして、97A6抗体なしのビーズで免疫沈降を行った。2−メルカプトエタノールの存在する還元条件下および非還元条件下で、サンプルをSDS中で煮沸した後、見かけの分子量をオートラジオグラフィー後の14C−メチル化マーカータンパク質を用いて5〜15%ポリアクリルアミドゲル(Laemmli, UK, Nature 227 (1970), 680)上でゲル電気泳動による分離によって測定した。
【0073】
この免疫沈降の結果を、図2に示す。見かけの分子量が約270kDおよび約150kDのタンパク質は、還元条件下で抗体97A6で沈降させることができ、約270kDのタンパク質は非還元条件下で沈降させることができる。このタンパク質複合体はこれまで知られていない表面構造であり、好塩基球、マスト細胞およびそれらの前駆体細胞に見られる。
【0074】
検出された抗原KU-812の分子構造を同定するため、溶解生成物を97A6抗体カラム上で精製した。溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分離し、生成するバンドを商業的アミノ酸配列決定に供した。データバンクと比較したところ、最近クローニングされたPDNP3/NPP3ホスホジエステラーゼ/ヌクレオチドピロホスファターゼ細胞外酵素と100%同一であることが判明した。
【0075】
例6
97A6 陽性細胞での CD 抗原の同時発現
骨髄細胞(BM)、抹消血細胞(PB)、CML患者の末梢血由来の細胞(PB CML)、および100ng/ml IL-3で刺激し、3日後および14日後に回収したCD34陽性の末梢血細胞(それぞれd3 PB (+IL-3)およびd14 PB (+IL-3))を、97A6-PE、示した特異性のFITC接合抗体、および抗-CD34-PerCP抗体(HPCA-2-PerCP)(Becton Dickinson, ハイデルベルグ,ドイツ)で染色した。CD10 (W8E7)、CD26 (L272)、CD44 (L178)、CD71 (L01.1)、およびHLA-DR (L243)(Becton Dickinson)、CD13 (SJ1D1)、CD16 (3G8)、CD33 (D3HL60.251)、CD38 (T16)(Immunotech, クレフェルト, ドイツ)、CD117 (9B9)(Holzel Diagnostics,ケルン,ドイツ)、IgE (ポリクローナル)(BioSource, ラッティンゲン,ドイツ)、CD55 (1A10)およびCD59 (P282H19)(PharMingen, ハンブルク,ドイツ)、CD123 (7G3)(PharMingen)、CD164 (103B2/9E10)(Zannettino A.C.B. et al., Blood 92 (1998), 2613)、CD81 (JS-64)(Immunotech)、およびCDw17 (MEM74)(BioSource)に対するFITC接合抗体を、それぞれ細胞、97A6-PE抗体、および抗-CD34-PerCP抗体と氷上で30分間インキュベーションし、2回洗浄し、フローサイトメーターを用いて分析した。結果を、表1に示す。「+/-」は陽性の部分母集団を示し、「n.d.」は相当する抗原が検出されなかったことを意味する。
【0076】
【表1】
【0077】
この研究は、末梢血の成熟好塩基球(CD34陰性)はCD117(マスト細胞に対するマーカー)に対して陰性であり、CD71(増殖細胞に対するマーカー)に対して陰性であるが、CD17およびIL-3受容体α鎖(CD123)(好塩基球、好酸球および単球に対するマーカー)を高密度で発現する。CD34陰性の骨髄細胞は、CD13、CD17、CD71およびHLA-DRを末梢血由来の好塩基球よりも不均質に発現すると思われる。同様な発現は、加速相のCML患者の末梢血由来の好塩基球で見られる。相当する骨髄細胞とは対照的に、末梢血由来の総てのCD34+97A6+好塩基球前駆体はCD13、CD17およびCD26に対して陰性である。これは、末梢血由来の前駆体が幾分未成熟であることを示している。しかしながら、いずれの前駆体もCD117およびCD71に対して陽性であり、これは成熟好塩基球では見られない。末梢血由来成熟好塩基球とは対照的に、IL-3で刺激することによってCD34陽性の末梢血細胞から得た培養97A6+好塩基球はCD38をほとんどまたは全く発現しないが、HLA-DR分子を高密度で発現する。
【0078】
これらのデーターは、97A6抗原が好塩基球成熟の総ての段階で連続的に発現するが、様々な成熟段階および異なる供給源からの好塩基球でのCD抗原の発現は著しく変化することを示している。
【0079】
例7
抗体 97A6 による好塩基球の活性化の検出
図3aおよび3bに示したこの研究では、コナダニ(acarids)にアレルギーを示すドナーから採取した血液サンプル(血液1)およびアレルギーを示さないドナーからの血液サンプル(血液2)を、それぞれヘパリンで処理して凝固を阻害した。次に、それぞれのサンプルからの血液100μlを、それぞれ抗IgE抗体(クローンE124-2-8/Dε2, マウスIgG 1, Immunotech)を用いて図3aに示した最終濃度で、またはコナダニ抗原(Stallergenes, アントニー, フランス)を用いて図3bに示した希釈率で37℃で15分間インキュベーションした。それぞれのサンプルをPBS/20mM EDTAで洗浄し、細胞を遠心分離した後、細胞ペレットを100μl PBS/BSAに再懸濁した。濃度が25μg/mlの抗体97A6-PE20μlをそれぞれのサンプルに加えた。室温暗所で15分間インキュベーションした後、細胞を洗浄し、赤血球をIOTest Lysing Reagent (Immunotech no. 486)を用いて溶解した。再度洗浄し、細胞をPBS/BSAに再懸濁した後、蛍光をフローサイトメーターで測定した。
【0080】
アクチベーター抗-IgEおよびコナダニ抗原の最低濃度での蛍光染色は、このようなアクチベーターなしでの蛍光染色に相当する。
【0081】
図3aに示される結果は、好塩基球について知られている活性化機構(好塩基球の細胞表面に結合しているIgEを抗体によって架橋させる)は、活性化に関して、抗体97A6によって認識される好塩基球上の表面構造を極めて速やかに提示することを示している。
【0082】
図3bに示される結果は、コナダニにアレルギーを示すドナー由来の好塩基球のみが反応して、コナダニ抗原とインキュベーションして、抗体97A6によって認識される表面構造を増加することを示している。他方、非アレルギー性ドナーの血液由来の好塩基球は、コナダニ抗原とインキュベーションした後に表面構造を全く増加しない。
【0083】
基礎となっている機構は、アレルギー性ドナーの好塩基球に結合したIgE免疫グロブリンがコナダニ抗原を認識することができ且つこの抗原とインキュベーションすることによって架橋し、好塩基球の活性化が起こり、次いで好塩基球が抗IgE抗体による活性化の場合と同様に、抗体97A6によって認識される表面構造を増加させることと思われる。非アレルギー性ドナーが好塩基球で反応しないことは、更に抗体97A6自身がIgE結合により好塩基球を活性化しないことを示している。
【0084】
この提示には、細胞を抗原または抗IgE抗体と37℃で15分間インキュベーションするだけでよいことは注目すべきことである。
【0085】
この試験法により、血液サンプル数mlを用いて、多種多様なアレルゲンを迅速に試験して、ドナーの好塩基球を活性化することができるかどうかを決定することができるアレルギー試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 100ng/ml IL-3の存在下にて、イン・ビトロで0、3、5、7、10および14日間培養した末梢血由来の97A6陽性のCD34+細胞の百分率を示す図。
【図2】 107 125Iで表面標識した後に溶解したKU-812細胞の、抗体97A6による免疫沈降(レーン97A6)、および抗体97A6を含まないコントロール沈澱(レーンC)であって、還元性(R)および非還元性(NR)条件下で5〜15%SDSポリアクリルアミドゲル上で電気泳動によって分離し、オートラジオグラフィーによって可視化したものであり、分子量標準は左に示す。
【図3a】 好塩基球に結合したフィコエリトリン標識抗体97A6 (97A6-PE)の、任意蛍光強度単位で表わした平均量(平均97A6-PE)を示す図であって、好塩基球は図に示す抗IgE抗体濃度を用いて予めインキュベーションされており、コナダニにアレルギー性であるドナーの血液(血液1)またはアレルギー性でないドナーの血液(血液2)に由来する。
【図3b】 好塩基球に結合した97A6-PEの、任意蛍光強度単位で表わした平均量(平均97A6-PE)を示す図であって、好塩基球は図に示す濃度のコナダニ抗原を用いて予めインキュベーションされており、コナダニにアレルギー性であるドナーの血液(血液1)またはアレルギー性でないドナーの血液(血液2)に由来する。
Claims (20)
- 好塩基球、マスト細胞、好塩基球の前駆体細胞、マスト細胞の前駆体細胞、および前記細胞の表面構造からなる群より選択される少なくとも一つの、検出、定量または単離のための抗体の使用であって、前記抗体の結合が、ブダペスト条約に基づき、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)に1997年2月12日付けで、DSM ACC 2297号として寄託されたハイブリドーマ細胞によって産生され、放出される、97A6との名称を付された抗体が結合し得る細胞の表面構造に対して生ずることを特徴とする、使用。
- 用いる抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の使用。
- 抗体がIgEクラスの免疫グロブリンと本質的に相互作用しないものである、請求項1または2に記載の使用。
- 抗体97A6そのものを用いて検出および/または単離を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
- 造血の分析に関連する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 患者サンプルの分析に関連する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 前記サンプルが、組織生検、骨髄生検および/または血液サンプルである、請求項6に記載の使用。
- 腫瘍の診断分類に関連する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
- 前記腫瘍が白血病である、請求項8に記載の使用。
- 抗体をマーカーに結合させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
- 前記マーカーが蛍光マーカーである、請求項10に記載の使用。
- 結合した抗体を、免疫学的検出法によって検出する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
- 前記免疫学的検出法が、ELISAまたは蛍光活性化セルソーティング分析法である、請求項12に記載の使用。
- 活性化した好塩基球の検出および/または定量のための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用。
- 好塩基球の活性化の程度を測定するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
- アレルギーを調べる方法であって、
血液サンプルを、アレルギー反応を誘発すると思われる薬剤と共にインキュベーションする工程、
該血液サンプルを、請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体と共にインキュベーションする工程、
細胞に結合した抗体を定量する工程
を含んでなる、方法。 - マスト細胞または好塩基球に分化することができる造血前駆体細胞を提供する方法であって、
生物から骨髄細胞を単離して与える工程、
該骨髄細胞を、請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体と共にインキュベーションする工程、
抗体と結合した細胞を単離する工程
を含んでなる、方法。 - 抗体と結合した細胞が、蛍光活性化セルソーティングまたは磁気活性化セルソーティングを用いて単離される、請求項17に記載の方法。
- 好塩基球、マスト細胞、好塩基球の前駆体細胞、およびマスト細胞の前駆体細胞からなる群より選択される少なくとも一つに結合させるための試薬であって、請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体を含む、試薬。
- 好塩基球、マスト細胞、好塩基球の前駆体細胞、マスト細胞の前駆体細胞、および前記細胞の表面構造からなる群より選択される少なくとも一つの、検出、定量または単離に用いるための抗体であって、
ブダペスト条約に基づき、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)に1997年2月12日付けで、DSM ACC 2297号として寄託されたハイブリドーマ細胞によって産生され、放出される、97A6との名称を付された抗体が結合し得る細胞の表面構造に対して結合することを特徴とする、抗体。
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