JP2003500650A - 好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/またはこれらの前駆体細胞、ならびに/またはこれらの表面構造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用 - Google Patents
好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/またはこれらの前駆体細胞、ならびに/またはこれらの表面構造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用Info
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Abstract
Description
および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞、ならびに/または前記細胞の表面構
造の検出および/または定量および/または単離のための抗体の使用に関する。
、 好塩基球および/もしくはマスト細胞、および/または好塩基球および/もし
くはマスト細胞の前駆体細胞の実質的に純粋な集団、並びに 上記細胞に結合させるための試薬 に関する。
検出することができる抗体が知られている。
中の多能性幹細胞から生じる。リンパ様前駆体細胞はT−およびB−リンパ球を
生じ、他方、骨髄様前駆体細胞は赤血球、巨核球、好塩基球、好酸球、好中球、
単球、あるいはマスト細胞の発生源である未知の前駆体細胞を生じる。好塩基球
、好酸球および好中球は、総じて顆粒球と呼ばれる。造血の後、好塩基球は血中
に存在するが、マスト細胞は組織に存在する。成人では、造血は骨髄で起こる。
能エフェクター細胞である。
ているが、それらはいずれも、好酸球と同様、CD34陽性前駆体細胞由来の異なる
タイプの細胞である。
に割り当てることは、毎日の臨床作業の本質的部分である。例えば、造血異常を
診断するには、それぞれ特定の細胞タイプの細胞数、および可能ならば、それら
の分化の各段階を決定する必要がある。
である。細胞の数、タイプおよび段階を用いて、白血病のタイプを分類または配
分し、適当な治療法について決定する。白血病の配分は、一方においてこの疾患
の臨床的経過に基づき、他方では病理学的に変化した白血球の成熟度および系統
に基づいている。しかしながら、この方法は、患者由来のサンプルに含まれる健
康な細胞および変性細胞の細胞タイプおよび状態の決定を必要とする。
などの通常の染色法で染色した後、細胞の形態に基づいて、顕微鏡下で手動計数
により行われている。骨髄生検または血液サンプルの評価のための最新の方法で
は、ある細胞のタイプおよび段階についてのマーカーとして特異的抗原を認識す
る抗体が用いられる。
法)またはフローサイトメトリー(FACS:蛍光活性化セルソーティング)の
ような標準的方法を用いて自動的に検出することができる。
く僅かしか知られていない。これらの抗体の一つは抗体Bsp-1であり、これは好
塩基球とは反応するが、組織マスト細胞とは反応しない(Bodger, M.P. et al.,
Blood 69 (1987), 1414)。CD117に反応性の抗体YB5B8は、マスト細胞および造血
前駆体細胞を認識する(Ashman et al., Blood 78 (1991), 30)。
るが、血小板には結合しないことが記載されている。
識する抗体は、これまで知られていない。
にある。
抗体の使用においては、ブダペスト条約に基づいて、Deutsche Sammlung von Mi
kroorganismen und Zellkulturen GmbH (DMSZ)に1997年2月12日付けで、
DSM ACC 2297号として寄託されたハイブリドーマ細胞によって産生され、放出さ
れる97A6との名称を付された抗体が結合し得る細胞の表面構造に対して抗体の結
合が生ずる。
、抗体および/または抗体フラグメントとのコンジュゲート、ならびに抗体、抗
体フラグメント、および抗体および/または抗体フラグメントとのコンジュゲー
トを含む総ての組成物であると理解される。
タンパク質であってよく、または数個のサブユニットを含んでなるイオンチャン
ネルまたは受容体などの二以上の分子の会合であってもよい。
種類の巨核球細胞株を除き、好塩基球およびマスト細胞、およびそれらの前駆体
細胞、ならびにマスト細胞HMC-1株および好塩基球性白血病細胞KU-812株でのみ
発現されることを見出した。DE19708877C1号明細書には、抗体97A6
が巨核球に特異的であることが記載されているので、上記の知見は、この明細書
に基づいて予想されるものではなかった。しかしながら、発明者による最近の研
究の結果では、抗体97A6は若干数の巨核球細胞株を認識するが、本来の巨核球は
認識しないことが示唆されている。
および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/もしくはマス
ト細胞の前駆体細胞であって、抗体97A6によって認識される上記細胞の表面構造
に特異的に結合する試薬を結合させることができる細胞の実質的に純粋な集団に
も関する。本発明は、更に、前記細胞に結合させるための、対応する試薬にも関
する。
ローナル抗体およびポリクローナル抗体を容易に産生させることができる。
スファターゼ細胞外酵素PDNP3であり、NPP3またはPD-Iβとも表されることをこ
れまでに示すことができた。配列は、Jin-Hua et al., Genmics 45, 421-415 (1
997)に公表された。
的に同定できなかった未成熟形態で存在する好塩基球の多くを本発明により高い
信頼性で認識することができるので、慢性骨髄性白血病(CML)の患者の血液
中の好塩基球の数を本発明により確実に観察することができるという点にある。
このような患者の好塩基球の正確な数、従ってその疾病の状態を、このようにし
て確かめることができる。
は好塩基球を生産することができる前駆体細胞を単離することもできる。従って
、本発明による使用によれば、このような細胞の分化の分析が容易となる。これ
に関して、これまでに知られている他の抗体と比較して、使用される抗体では、
好塩基球は極めて初期の発生段階で検出可能であり、それらが更に発達しても、
この抗体で検出することが可能なままであることが特に有利である。
より、例えば様々な組織由来のマスト細胞および血液由来の好塩基球を検出する
ことができることである。この目的では、これまでは種々の抗体および種々の抗
体の組合せが必要であり、かなりの余分な費用がかかっている。血液サンプル中
の好塩基球は、例えばMay-Grunwald-Giemsaを用いて、組織化学的に染色するこ
ともできる。次に、好塩基球を同定して計数するには、熟練者が必要であり、そ
の結果は主観的な変動の可能性を有する。未成熟の好塩基球は、この方法では同
定することができない。一方、抗体の本発明による使用によれば、ELISAま
たはFACSのような客観的に分析可能な標準的方法であって、余り熟練してい
ない者でも行うことができ、かつ染色の主観的評価よりも遙かに多くのサンプル
を処理できる方法を用いて分析することができる。
より、本発明により使用される抗体によって認識される表面構造の提供が増大さ
れることも認識している。従って、好塩基球についてのこの表面構造の検出およ
び/または定量は、好塩基球の活性化の検討に極めて適している。
、従って無制限の量で産生させることができる可能性を有するという利点を有す
る。更に、モノクローナル抗体の結合特性は常に一定であるので、モノクローナ
ル抗体のそれぞれの使用を標準化することもできる。
ロブリンと本質的に相互作用しない。
用により、細胞に結合したIgE免疫グロブリンを架橋することによって抗体その
ものは好塩基球を活性化せず、従って検討結果に影響しないという予想外の利点
が提供されるからである。
れる。
能であるという利点を有する。
体細胞を単離し、これらの細胞について造血を分析することが可能となる。しか
しながら、この分析は、科学的興味のみならず、造血異常の検討における臨床診
断に用いることもできる。
髄生検、および/または血液サンプルの分析に関連して使用される。これに関し
て、本発明による使用により、組織生検の場合にはマスト細胞が検出され、骨髄
生検の場合にはマスト細胞および/または好塩基球の前駆体細胞が検出され、血
液サンプルの場合には成熟および未成熟の好塩基球が検出される。
組合せでのみ行うことができたか、または全く行うことができなかった分析が、
単一抗体により可能となる。
。例えば、白血病の一発現であるCMLでは、総ての骨髄細胞の状態は骨髄分析
に基づいて分析される。本発明による抗体は、これに関して、好塩基球およびマ
スト細胞についての前駆体細胞の部分に関する情報を供給するという利点を有す
る。血液分析では、本発明による使用により、上述のように、これまでは認識す
ることができなかった好塩基球、特に未成熟の好塩基球を検出することができる
。しかし、好塩基球の数はCMLの進行における決定的パラメーターであるので
、本発明による使用により、CMLの段階について以前に可能であったよりも信
頼性の高い診断結果を得ることができるという利点が提供される。
ーに結合させる。
体しか診断に用いる必要がないことが有利である。この種の抗体を、ELISA
またはフローサイトメトリーを用いるときに使用することもできる。
LISAまたはFACS分析で検出される。
測定することができ、且つ自動的に行うことができるという利点を有する。
抗体の本発明による使用に関する。
によって使用されるより多数の抗体に結合しているので、好塩基球の活性化の原
因を比較的容易に検討することができるという利点を有する。例えば、好塩基球
は、活性化する可能性のある薬剤および本発明により用いられる抗体とともにイ
ンキュベーションすることができる。次に、活性化した好塩基球を、97A6抗原の
発現増加によって未活性化好塩基球から識別することができる。この発現増加は
、フローサイトメトリーで定量することができる。
する。
従ってこのような細胞の活性化の程度を測定することもできる。従って、本発明
によるこの使用により、好塩基球を活性化する薬剤を、このような細胞の活性化
に寄与する程度に関して検討する有利な可能性が提供される。従って、薬剤、例
えばアレルゲンは、好塩基球を活性化するそれらの能力に関して分類することが
できる。これにより、薬剤のアレルギー誘導ポテンシャルを推定することができ
る。
ベーションする工程、 この血液サンプルを請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体とともにイ
ンキュベーションする工程、 細胞に結合した抗体を定量する工程 を含んでなる方法に関する。
なしに、アレルギー試験を行うことができる。本発明による方法に必要なことは
、試験を受ける人からの血液数mlを用いて様々なアレルゲンでイン・ビトロで試
験を行うことだけであり、この試験では、薬剤とインキュベーションし、15分
後に、本発明によって使用される抗体とのインキュベーションを行うことができ
る。好塩基球が結合した抗体を定量することによって、薬剤がアレルギー反応を
誘導することができるかどうかについてだけでなく、アレルギー反応の強さにつ
いても結論を引き出すことができる。
体細胞を提供する方法であって、 生物から骨髄細胞を単離して与える工程、 前記骨髄細胞を本発明によって使用される抗体とともにインキュベーションす
る工程、 通常の方法、特にFACSおよびMACS(磁気活性化セルソーティング)を
用いて抗体と結合した細胞を単離する工程 を含んでなる方法に関する。
好塩基球の発生を調べることができる。これは研究目的で行うことができ、不適
当な造血の場合には診断目的で行うこともできる。免疫学的問題を引起すことな
く前駆体細胞のドナーに後に導入することができる細胞を、前駆体細胞からイン
・ビトロで培養することもできる。これは、例えば造血異常を示す患者で用いる
ことができる。
塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞の実質的に純粋な集団であって
、前記細胞が、抗体97A6が結合する前記細胞の表面構造に特異的に結合する試薬
が結合し得るものであることを特徴とする集団に関する。
精製することができる初代の細胞を表す。
に影響をおよぼされることなく、極めて特異的になし得るという点にある。これ
は、例えば、特異的条件下で特異的細胞によってどの物質が産生し、放出される
かを検討しようとするときに重要である。なぜなら、一般に、その物質を分析ま
たは同定することができる十分な量の大型の細胞集団によってのみ、このような
物質が生産されるからである。集団が異なる細胞タイプを含んでいるときには、
特異的物質の検出からどの細胞がその物質を産生しているかについて結論を引き
出すことはできないであろう。
塩基球および/もしくはマスト細胞の前駆体細胞に結合させるための試薬であっ
て、本発明によって使用される抗体、好ましくは抗体97A6を含む試薬に関する。
るということである。このような試薬の他の利点は、本発明による抗体の他に、
結合した抗体を検出し、または抗体に結合した細胞を選択することを可能とする
他の成分をも含むことができることである。これらは、例えば、蛍光標識した抗
体または磁性ビーズであって本発明による抗体に結合するものにカップリングし
た抗体であることができる。
けでなく、他の組合せまたは単独でも、本発明の範囲から逸脱することなく用い
ることができることが理解される。
共に上昇することが知られている。
者または加速相のCMLの患者の抹消血からのBuffy Coatsの他成分から、Ficol
l Hypaqueを用いて分離した。次に、相間細胞をビオチン標識抗体97A6と共にイ
ンキュベーションし、3回洗浄し、抗IgG MACSbeads (Miltenyi, Bergisch Glad
bach, ドイツ)と共にインキュベーションした。次に、97A6陽性細胞をMACS
によって単離した後、観察目的の準備のため、フィコエリトリン標識した(PE
標識した)ストレプトアビジンおよびPE標識した97A6抗体で標識し、フローサ
イトメーターで分析した。
被験者の結果は形態学的にも純粋な好塩基球集団であり、一方、加速相のCML
患者からの97A6陽性細胞の60〜80%のみが好塩基球として形態学的に同定可
能であった。残りの形態学的に同定されない97A6陽性細胞は、好塩基球の未成熟
前駆体細胞であることが分かった。
一層多量の好塩基球を認識することができることを示している。
aH2PO4×H2O,8g/l NaCl,および1g/lグルコースを含む緩衝液
で洗浄した後、2mg/mlコラゲナーゼII型(Sebak, Suben, オーストリア)と共に
37℃で90〜180分間インキュベーションした。次に、分散した細胞を遠心
分離し、洗浄し、ヒトAB血清と共に30分間インキュベーションした。再度洗浄
後、細胞を抗体97A6と共に4℃で30分間インキュベーションし、洗浄した後、
蛍光標識したヤギF(ab')2 IgG抗マウス抗体と共に4℃で30分間インキュベー
ションした。細胞を0.025%グルタルアルデヒド中に1分間固定し、洗浄し
、0.0125%トルイジンブルーと共に8〜12分間インキュベーションした
。洗浄後、トルイジンブルーで染色したマスト細胞を、蛍光顕微鏡(Olympus, V
ienna, オーストリア)を用いて、明視野モードでそれらの形態によって同定し
た後、蛍光によって検討を行った。
標識されないことが分かった。更に、マスト細胞は、同じ方法で染色した好塩基
球より低い蛍光染色を示した。
上で遠心分離した。相間細胞を単離し、CD34(造血前駆体細胞のマーカー)に陽
性の細胞をMACSを用いて単離した。これらの細胞を、CD34に対するFITC標識
抗体およびPE標識抗体97A6と共にインキュベーションした。二重陽性細胞をFA
CSによって選択し、0.9%メチルセルロースおよびIL-3(好塩基球および好
酸球の分化因子)(Cellsystems, Remagen, ドイツ)などの増殖因子の混合物を含
む半固形の既製培地に播種した。
成するコロニーを計数し、パスツールピペットで顕微鏡スライドガラス上に移し
、May-Grunwald-Giesmaで染色し、形態学的検討を行った。主要な純粋な好塩基
球コロニーの他に、この検討では、好酸球−好塩基球、好塩基球−マクロファー
ジ、および多能性(multipotent)の好塩基球−好酸球−マクロファージおよび/
または抗中球コロニー混合物も見られた。
されている、好塩基球などの各種の骨髄細胞の前駆体細胞であることを示してい
る。
る。前駆体細胞から好塩基球を生成させるため、CD34陽性細胞をMACSによっ
て抹消血から単離して、700μg/mlホロトランスフェリン、40μg/mlヒト低
分子量タンパク質および10μg/mlインスリン(Sigma, Munich, ドイツ)を含
む無血清IMDM培地で培養し、100ng/ml IL-3(Behring-Werke, Marburg,
ドイツ)で0、3、5、7、10および14日間刺激した。次に、97A6抗原の発
現を分析するため、細胞を例1に記載した方法で抗体97A6によって標識した。97
A6陽性細胞の部分を、フローサイトメトリーによって測定した。
の60%を上回る値への有意な上昇が見られた。次に、この割合はほぼ一定のま
まであり、14日の培養期間の終了付近でのみ、若干減少した(図1)。
ほとんどが好塩基球であった。97A6陽性細胞の部分の速やかな増加は、97A6抗原
が好塩基球発生の初期段階で既に発現されていることを示している。これは、好
塩基球の前駆体細胞を97A6抗原を用いて単離する例3に記載の実験によっても証
明された。この結果は、97A6陽性細胞を、加速相のCMLの患者の抹消血で未成
熟好塩基球前駆体細胞として同定することができることによって、例1において
も確かめられた。
解した。予め調製しておいた97A6抗体−複合体で免疫沈降を行った。97A6抗体を
、第二の抗体と接合したセファロースビーズに固定した。コントロールとして、
97A6抗体なしのビーズで免疫沈降を行った。2−メルカプトエタノールの存在す
る還元条件下および非還元条件下で、サンプルをSDS中で煮沸した後、見かけ
の分子量をオートラジオグラフィー後の14C−メチル化マーカータンパク質を
用いて5〜15%ポリアクリルアミドゲル(Laemmli, UK, Nature 227 (1970), 6
80)上でゲル電気泳動による分離によって測定した。
50kDのタンパク質は、還元条件下で抗体97A6で沈降させることができ、約27
0kDのタンパク質は非還元条件下で沈降させることができる。このタンパク質複
合体はこれまで知られていない表面構造であり、好塩基球、マスト細胞およびそ
れらの前駆体細胞に見られる。
ム上で精製した。溶出したタンパク質をSDS−PAGEによって分離し、生成
するバンドを商業的アミノ酸配列決定に供した。データバンクと比較したところ
、最近クローニングされたPDNP3/NPP3ホスホジエステラーゼ/ヌクレオチドピロ
ホスファターゼ細胞外酵素と100%同一であることが判明した。
よび100ng/ml IL-3で刺激し、3日後および14日後に回収したCD34陽性の末
梢血細胞(それぞれd3 PB (+IL-3)およびd14 PB (+IL-3))を、97A6-PE、示した特
異性のFITC接合抗体、および抗-CD34-PerCP抗体(HPCA-2-PerCP)(Becton Dickins
on, ハイデルベルグ,ドイツ)で染色した。CD10 (W8E7)、CD26 (L272)、CD44 (L1
78)、CD71 (L01.1)、およびHLA-DR (L243)(Becton Dickinson)、CD13 (SJ1D1)、
CD16 (3G8)、CD33 (D3HL60.251)、CD38 (T16)(Immunotech, クレフェルト, ドイ
ツ)、CD117 (9B9)(Holzel Diagnostics,ケルン,ドイツ)、IgE (ポリクローナル
)(BioSource, ラッティンゲン,ドイツ)、CD55 (1A10)およびCD59 (P282H19)(Ph
arMingen, ハンブルク,ドイツ)、CD123 (7G3)(PharMingen)、CD164 (103B2/9E10
)(Zannettino A.C.B. et al., Blood 92 (1998), 2613)、CD81 (JS-64)(Immunot
ech)、およびCDw17 (MEM74)(BioSource)に対するFITC接合抗体を、それぞれ細胞
、97A6-PE抗体、および抗-CD34-PerCP抗体と氷上で30分間インキュベーション
し、2回洗浄し、フローサイトメーターを用いて分析した。結果を、表1に示す
。「+/-」は陽性の部分母集団を示し、「n.d.」は相当する抗原が検出されなか
ったことを意味する。
るマーカー)に対して陰性であり、CD71(増殖細胞に対するマーカー)に対して
陰性であるが、CD17およびIL-3受容体α鎖(CD123)(好塩基球、好酸球および単球
に対するマーカー)を高密度で発現する。CD34陰性の骨髄細胞は、CD13、CD17、C
D71およびHLA-DRを末梢血由来の好塩基球よりも不均質に発現すると思われる。
同様な発現は、加速相のCML患者の末梢血由来の好塩基球で見られる。相当す
る骨髄細胞とは対照的に、末梢血由来の総てのCD34+97A6+好塩基球前駆体はCD13
、CD17およびCD26に対して陰性である。これは、末梢血由来の前駆体が幾分未成
熟であることを示している。しかしながら、いずれの前駆体もCD117およびCD71
に対して陽性であり、これは成熟好塩基球では見られない。末梢血由来成熟好塩
基球とは対照的に、IL-3で刺激することによってCD34陽性の末梢血細胞から得た
培養97A6+好塩基球はCD38をほとんどまたは全く発現しないが、HLA-DR分子を高
密度で発現する。
るが、様々な成熟段階および異なる供給源からの好塩基球でのCD抗原の発現は著
しく変化することを示している。
を示すドナーから採取した血液サンプル(血液1)およびアレルギーを示さない
ドナーからの血液サンプル(血液2)を、それぞれヘパリンで処理して凝固を阻
害した。次に、それぞれのサンプルからの血液100μlを、それぞれ抗IgE抗体
(クローンE124-2-8/Dε2, マウスIgG 1, Immunotech)を用いて図3aに示した
最終濃度で、またはコナダニ抗原(Stallergenes, アントニー, フランス)を用い
て図3bに示した希釈率で37℃で15分間インキュベーションした。それぞれ
のサンプルをPBS/20mM EDTAで洗浄し、細胞を遠心分離した後、細胞ペレットを
100μl PBS/BSAに再懸濁した。濃度が25μg/mlの抗体97A6-PE20μlをそ
れぞれのサンプルに加えた。室温暗所で15分間インキュベーションした後、細
胞を洗浄し、赤血球をIOTest Lysing Reagent (Immunotech no. 486)を用いて溶
解した。再度洗浄し、細胞をPBS/BSAに再懸濁した後、蛍光をフローサイトメー
ターで測定した。
うなアクチベーターなしでの蛍光染色に相当する。
球の細胞表面に結合しているIgEを抗体によって架橋させる)は、活性化に関し
て、抗体97A6によって認識される好塩基球上の表面構造を極めて速やかに提示す
ることを示している。
のみが反応して、コナダニ抗原とインキュベーションして、抗体97A6によって認
識される表面構造を増加することを示している。他方、非アレルギー性ドナーの
血液由来の好塩基球は、コナダニ抗原とインキュベーションした後に表面構造を
全く増加しない。
グロブリンがコナダニ抗原を認識することができ且つこの抗原とインキュベーシ
ョンすることによって架橋し、好塩基球の活性化が起こり、次いで好塩基球が抗
IgE抗体による活性化の場合と同様に、抗体97A6によって認識される表面構造を
増加させることと思われる。非アレルギー性ドナーが好塩基球で反応しないこと
は、更に抗体97A6自身がIgE結合により好塩基球を活性化しないことを示してい
る。
ションするだけでよいことは注目すべきことである。
に試験して、ドナーの好塩基球を活性化することができるかどうかを決定するこ
とができるアレルギー試験を行うことができる。
14日間培養した末梢血由来の97A6陽性のCD34+細胞の百分率を示す図。
沈降(レーン97A6)、および抗体97A6を含まないコントロール沈澱(レーンC)
であって、還元性(R)および非還元性(NR)条件下で5〜15%SDSポリア
クリルアミドゲル上で電気泳動によって分離し、オートラジオグラフィーによっ
て可視化したものであり、分子量標準は左に示す。
度単位で表わした平均量(平均97A6-PE)を示す図であって、好塩基球は図に示
す抗IgE抗体濃度を用いて予めインキュベーションされており、コナダニにアレ
ルギー性であるドナーの血液(血液1)またはアレルギー性でないドナーの血液
(血液2)に由来する。
6-PE)を示す図であって、好塩基球は図に示す濃度のコナダニ抗原を用いて予め
インキュベーションされており、コナダニにアレルギー性であるドナーの血液(
血液1)またはアレルギー性でないドナーの血液(血液2)に由来する。
Claims (15)
- 【請求項1】 好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/も
しくはマスト細胞の前駆体細胞、ならびに/または前記細胞の表面構造の検出お
よび/または定量および/または単離のための抗体の使用であって、ブダペスト
条約に基づき、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen Gmb
H (DSMZ)に1997年2月12日付けで、DSM ACC 2297号として寄託されたハイ
ブリドーマ細胞によって産生され、放出される、97A6との名称を付された抗体が
結合し得る細胞の表面構造に対して抗体の結合が生ずることを特徴とする、使用
。 - 【請求項2】 用いる抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の使用。
- 【請求項3】 抗体がIgEクラスの免疫グロブリンと本質的に相互作用しないものである、請
求項1または2に記載の使用。 - 【請求項4】 抗体97A6そのものを用いて検出および/または単離を行う、請求項1〜3のい
ずれか一項に記載の使用。 - 【請求項5】 造血の分析に関連する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 【請求項6】 患者サンプルの分析、特に、組織生検、骨髄生検および/または血液サンプル
の分析に関連する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。 - 【請求項7】 腫瘍、特に白血病の診断分類に関連する、請求項1〜6のいずれか一項に記載
の使用。 - 【請求項8】 抗体をマーカー、特に蛍光マーカーに結合させる、請求項1〜7のいずれか一
項に記載の使用。 - 【請求項9】 結合した抗体を、通常の免疫学的検出法、特にELISAまたはFACS分析
法によって検出する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。 - 【請求項10】 活性化した好塩基球の検出および/または定量のための、請求項1〜9のいず
れか一項に記載の使用。 - 【請求項11】 好塩基球の活性化の程度を測定するための、請求項1〜10のいずれか一項に
記載の使用。 - 【請求項12】 アレルギーを調べる方法であって、 血液サンプルを、アレルギー反応を誘発すると思われる薬剤と共にインキュベ
ーションする工程、 該血液サンプルを、請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体と共にイン
キュベーションする工程、 細胞に結合した抗体を定量する工程 を含んでなる、方法。 - 【請求項13】 マスト細胞または好塩基球に分化することができる造血前駆体細胞を提供する
方法であって、 生物から骨髄細胞を単離して与える工程、 該骨髄細胞を、請求項1〜4のいずれか一項で使用される抗体と共にインキュ
ベーションする工程、 抗体と結合した細胞を、通常の方法、特にFACSまたはMACSを用いて単
離する工程 を含んでなる、方法。 - 【請求項14】 好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/も
しくはマスト細胞の前駆体細胞の実質的に純粋な集団であって、前記細胞が、抗
体97A6が結合する前記細胞の表面構造に特異的に結合する試薬が結合し得るもの
であることを特徴とする、集団。 - 【請求項15】 好塩基球および/もしくはマスト細胞、ならびに/または好塩基球および/も
しくはマスト細胞の前駆体細胞に結合させるための試薬であって、請求項1〜4
のいずれか一項で使用される抗体を含む、試薬。
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