JP3759191B2 - 薄膜磁気素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、薄膜トランス等の薄膜磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、VTR等の磁気記録再生装置においては、画質等の向上を図るために、記録信号の高記録密度化、高周波数化等が進められており、これに対応して磁気ヘッド材料には高周波特性に優れると共に、高飽和磁束密度を有する磁性材料が要求されるようになってきている。
【0003】
また、各種電子機器の小形化を達成するために、その必須条件となる電源部の小形化を可能にする薄膜インダクタや薄膜トランスに対する期待が高まっており、さらにはこれら薄膜磁気素子を小形化するために高周波数化が進められている。このため、薄膜インダクタや薄膜トランス等に用いられる軟磁性薄膜に対しても高周波特性の向上が求められている。
【0004】
すなわち、軟磁性薄膜を高周波数帯域で励磁する場合、磁化反転に伴うヒステリシス損と渦電流損が問題となるため、これらをできる限り低減して低損失化する必要がある。特に、高周波励磁では渦電流損が顕著になる傾向があるため、軟磁性薄膜自体の高抵抗率化等が求められている。そして、今後磁気素子の動作周波数が 10MHz〜100MHzへと推移していくにつれて、高周波数帯域での低損失化と高飽和磁化の両立がより一層重要な問題になってくると考えられる。
【0005】
ところで、高飽和磁束密度を有する軟磁性薄膜としては、従来、Fe-Al-Si系の結晶質合金薄膜や、Fe-B、 Fe-Si-B、Fe-Co-Si-B等の金属−半金属系のアモルファス合金薄膜、 Co-Zr、Co-Zr-Nb等の金属−金属系のアモルファス合金薄膜等が知られている。しかし、Fe-Al-Si系等の結晶質合金薄膜では、電気比抵抗ρが80μΩ・cm以下程度であり、またFe-B系や Co-Zr系等のアモルファス合金薄膜でも電気比抵抗ρは 150μΩ・cm以下程度であるため、高周波数帯域特に MHz帯域で数μm 以上の厚さの軟磁性薄膜を励磁する場合には、いずれも渦電流損が大きくなってしまうという欠点を有している。
【0006】
また、上述したような従来材料の欠点を克服するために、最近、(Fe,Co)-(B, Si,P)-(Si,Al,Zn,Ti)系や (Fe,Co,Ni)-(B,Si,C)系等において、 2相のアモルファス相からなるヘテロアモルファス軟磁性合金薄膜が提案されている(例えば特開昭63 -119209号公報、特開平3-106003号公報参照)。このようなヘテロアモルファス軟磁性合金薄膜は、膜としての電気比抵抗ρが〜1000μΩ・cmであり、 MHz帯域で使用する場合には渦電流損を抑制できるものの、さらに MHzを超えるような高周波数帯域での使用を考えた場合には、磁性を担うアモルファス相内部での渦電流損が大きくなるため、十分に低損失化できないおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、小形化対応の薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、薄膜トランス等の薄膜磁気素子には、高周波数帯域において良好な軟磁気特性および高飽和磁化を示すと共に、低損失化が可能な高比抵抗を有する軟磁性薄膜が求められている。そして、今後薄膜磁気素子の動作周波数は、 MHz帯域から 10MHz〜100MHzへと推移していくことが必須であると考えられているが、このような動作周波数においては、従来の軟磁性薄膜では十分な低損失化が図れないおそれがある。従って、 MHz帯域以上においても十分に低損失化することが可能な高比抵抗を有すると共に、良好な飽和磁束密度を有する軟磁性薄膜が求められている。
【0008】
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、良好な飽和磁束密度と高比抵抗を両立させた軟磁性薄膜を用いることによって、特にMHz帯域以上で優れた特性が得られる薄膜磁気素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明における第1の薄膜磁気素子は、請求項1に記載したように、軟磁性薄膜を有する薄膜磁気素子において、前記軟磁性薄膜は、
一般式:T100-x-yMx(AOvy …(1)
(式中、TはFeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはZr、Hf、NbおよびYから選ばれる少なくとも1種の元素を、AはSi、Ge、Sn、B、PおよびCから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x、y、vはそれぞれ5≦x≦20at.%、8≦y≦25at.%、0.1≦v≦2である)
で実質的に表される組成を有すると共に、一様なアモルファス相からなり、かつ比抵抗が1000μΩ・cm以上であることを特徴としている。
【0010】
また、第2の薄膜磁気素子は、請求項2に記載したように、軟磁性薄膜を有する薄膜磁気素子において、前記軟磁性薄膜は、
一般式:T100-x-zMx(AOvz …(2)
(式中、TはFeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはZr、Hf、NbおよびYから選ばれる少なくとも1種の元素を、AはSi、Ge、Sn、B、PおよびCから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x、z、vはそれぞれ5≦x≦20at.%、1≦z≦10at.%、0≦v≦2である)
で実質的に表される組成を有すると共に、前記 T 元素を主とする微結晶粒と、前記 T 元素を主とする粒状の第1のアモルファス相と、これら微結晶粒および第1のアモルファス相の周囲に網目状に配置され、前記 M 元素および A 元素を主とする第2のアモルファス相とを備える微構造を有することを特徴としている。
【0013】
まず、本発明の第1の薄膜磁気素子について詳述する。
【0014】
第1の薄膜磁気素子は、上述した (1)式で実質的に表される組成を有し、一様なアモルファス相からなる軟磁性薄膜を有するものである。ここで、上記 (1)式中の T元素は磁性を担う成分であり、FeおよびCoから選ばれる少なくとも 1種の元素である。 T元素としては、Fe単独、Co単独、 Fe-Co系のいずれを用いてもよいが、特に高飽和磁束密度が得られると共に、高いキュリー温度を示すこと等から、 Fe-Co系を使用することが好ましい。
【0015】
また、 M元素は上記 T元素のアモルファス化を促進する成分であり、原子半径が大きいZr、Hf、Nbおよび Yから選ばれる少なくとも 1種の元素を用いる。このような原子半径が大きい M元素を含有させることによって、 T元素を効果的にアモルファス化することが可能となる。上記 M元素の含有量は 5〜 20at.%(原子%)の範囲とする。 M元素の含有量が 5at.%未満であると、軟磁性薄膜のアモルファス化を十分に促進することができず、一方20at.%を超えると磁化の急激な低下やアモルファス相以外の相の析出が起こるようになる。
【0016】
A元素は軟磁性薄膜の一様なアモルファス化を促進すると共に、結晶化温度、保磁力、異方性エネルギー、磁歪等の改善に寄与する成分であり、Si、Ge、Sn、 B、 Pおよび Cから選ばれる少なくとも 1種の半金属元素を用いる。これら半金属元素のうち、特に飽和磁束密度の低下を抑制するという点からはGeやSiを用いることが好ましく、さらに結晶化温度の低下を防止して、アモルファス軟磁性薄膜の安定化を図る上ではSiを用いることが望ましい。その他、保磁力、異方性エネルギー、磁歪等の観点から、目的に応じて A元素を適宜選択して使用することができる。
【0017】
ここで、第1の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜においては、酸素を含有させることが好ましい。この酸素含有量は一様なアモルファス相とする上で、AOvとしてのvの値を0.1以上とする。なお、酸素量が多すぎると酸化物相が析出するため、上記vの値は2以下とする。
【0018】
上述した A元素の含有量は、上記AOv として 8〜25at.%の範囲とする。AOv としての A元素の含有量が 8at.%未満であると、微結晶相とアモルファス相との混相膜となり、1000μΩ・cm以上の比抵抗を実現することができない。一方、AOv としての A元素の含有量が25at.%を超えると、アモルファス相が安定に存在することができなくなる。軟磁性薄膜を一様なアモルファス相とする上で、後述する実施例から明らかなように A元素の含有量は重要であり、第2の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜と比べて比較的多量に A元素を含有させることで一様なアモルファス相からなる軟磁性薄膜を実現することができる。 A元素のより好ましい含有量はAOv として10〜18at.%の範囲である。
【0019】
また、 M元素と A元素の組合せとしては、 (M,A)=(Zr,Si)、 (Zr,Ge)、(Zr,Sn)、 (Hf,Si)等が飽和磁化、磁歪定数、結晶化温度の点から好ましい。
【0020】
そして、上述したような組成範囲において、後に詳述するように膜形成源の種類、成膜時の雰囲気圧、投入パワー等を最適化することによって、一様なアモルファス相からなると共に、比抵抗ρが1000μΩ・cm以上の高抵抗を達成した軟磁性薄膜が得られる。このように、飽和磁束密度の低下を抑制した上で、軟磁性薄膜の比抵抗ρを1000μΩ・cm以上とすることによって、 MHz以上の高周波数帯域で使用した場合においても、渦電流損を十分に抑制することが可能となる。従って、薄膜磁気素子の低損失化を達成することができる。
【0021】
本発明の第1の薄膜磁気素子の具体例としては、磁気コア等として軟磁性薄膜を使用する薄膜磁気ヘッド、磁気シールド層や磁気ヨーク等として軟磁性薄膜を使用する磁気抵抗効果素子、平面型コイルの磁気コアとして軟磁性薄膜を使用する薄膜インダクタや薄膜トランス等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他の薄膜磁気素子に適用することも可能である。
【0022】
上述したような本発明の第1の薄膜磁気素子は、例えば T100-x Mx で実質的に表される第1の膜形成源と、AOw (1≦ w≦2.5)で実質的に表される第2の膜形成源とを、第1の膜形成源の面積S1 に対する第2の膜形成源の面積S2 の比Sc (=S2 /S1 ×100)が28〜 58%の範囲となるように配置し、このような 2種類の膜形成源を用いて、上述した一様なアモルファス相からなる軟磁性薄膜を成膜する工程を経ることによって得られる。また、 2以上のスパッタ源を有するスパッタ法や単一のスパッタ源によるスパッタ法によっても同様である。
【0023】
なお、上記アモルファス軟磁性薄膜の形成工程は、薄膜磁気素子の種類に対応させた形で実施されるものであり、例えば薄膜磁気素子が薄膜磁気ヘッドであれば磁気ギャップを介して形成される上下一対の磁気コアの形成工程として、また薄膜磁気素子が薄膜インダクタや薄膜トランスであれば平面型コイルの少なくとも一方の主面と絶縁層を介して積層される軟磁性薄膜の形成工程として実施されるものである。
【0024】
上記軟磁性薄膜の成膜方法としては、RFスパッタ法、DCスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法等のスパッタ法が適しているが、真空蒸着法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法等の他の物理的気相成長法(PVD法)を適用することも可能である。
【0025】
なお、軟磁性薄膜の形成工程における他の条件は、適用した成膜方法に応じて設定すればよく、例えばスパッタ時におけるスパッタガス圧は 3Pa以下、望ましくは 2Pa以下とすることがよい。
【0026】
次に、本発明の第2の薄膜磁気素子について詳述する。
【0027】
第2の薄膜磁気素子は、前述した (2)式で実質的に表される組成を有し、例えば図1に示すように、微結晶相1と第1のアモルファス相2の周囲に第2のアモルファス相3が配置された微構造の軟磁性薄膜4を有するものである。ここで、上記微結晶相1は、FeおよびCoから選ばれる少なくとも 1種の T元素を主とするものであり、軟磁性薄膜の高飽和磁束密度化等に寄与する。また、第1のアモルファス相2は、上記微結晶相1と同様に T元素を主とするものであり、軟磁性薄膜の軟磁気特性の向上等に寄与する。
【0028】
上述した微結晶相1と第1のアモルファス相2は、その周囲に網目状に配置された M元素および A元素を主とする第2のアモルファス相3により包囲されており、第2のアモルファス相3は高抵抗を示すことから、軟磁性薄膜全体として高比抵抗、例えば1000〜2000μΩ・cmの範囲の比抵抗ρを得ることができる。また、微結晶相1および第1のアモルファス相2の各島状部間は、磁気的に結合されているため、膜全体として良好な高飽和磁束密度および軟磁気特性を確保することができる。軟磁性薄膜の比抵抗ρを1000〜2000μΩ・cmというように高比抵抗化することによって、 MHz以上の高周波数帯域で使用した場合においても、渦電流損を十分に抑制することが可能となるため、薄膜磁気素子の低損失化を達成することができる。
【0029】
上述したような微結晶相1と第1のアモルファス相2の周囲に、第2のアモルファス相3を網目状に配置した微構造は、前述した (2)式の組成範囲において、後に詳述するように膜形成源の種類、成膜時の雰囲気圧、投入パワー等を最適化することによって得ることができる。
【0030】
第2の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜は、前述した (2)式で実質的に表される組成を有するものであり、 (2)式中の T元素および M元素はいずれも前述した第1の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜中の T元素や M元素と同様な機能を有し、またより好ましい元素や含有量等も同様である。
【0031】
また A元素は、軟磁性薄膜の部分的なアモルファス化を促進すると共に、結晶化温度、保磁力、異方性エネルギー、磁歪等の改善に寄与する成分であり、Si、Ge、Sn、 B、 Pおよび Cから選ばれる少なくとも 1種の半金属元素を用いる。これら半金属元素のうち、特に飽和磁束密度の低下を抑制するという点からはGeやSiを用いることが好ましく、さらに結晶化温度の低下を防止して、アモルファス相の安定化を図る上ではSiを用いることが望ましい。その他、保磁力、異方性エネルギー、磁歪等の観点から、目的に応じて A元素を適宜選択して使用することができる。
【0032】
上記第2の薄膜磁気素子に用いられる軟磁性薄膜は、酸素を含有していてもよいが、必ずしも酸素を含有させなければならないものではない。上述したような微構造を得る上においては、酸素含有量は少なくすることが好ましく、AOv としての vの値を 1.5以下とすることが好ましい。なお、酸素量が多すぎると第2の結晶相が析出するため、上記 vの値は多くても 2以下とする。
【0033】
上述した A元素の含有量は、上記AOv として 1〜10at.%の範囲とする。AOv としての A元素の含有量が 1at.%未満であると、第2のアモルファス相を安定に存在させることができず、またAOv としての A元素の含有量が10at.%を超えると、飽和磁化の急激な低下や保磁力の増大を招くことになる。 A元素のより好ましい含有量はAOv として 2〜 9at.%の範囲である。
【0034】
また、 M元素と A元素の好ましい組合せは、前述した第1の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜と同様である。さらに、第2の薄膜磁気素子の具体例等も、前述した第1の薄膜磁気素子と同様である。
【0035】
上述したような本発明の第2の薄膜磁気素子は、例えば T100-x Mx で実質的に表される第1の膜形成源と、AOw (1≦ w≦2.5)で実質的に表される第2の膜形成源とを、第1の膜形成源の面積S1 に対する第2の膜形成源の面積S2 の比Sc (=S2 /S1 ×100)が 3〜 28%の範囲となるように配置し、このような 2種類の膜形成源を用いると共に、 2Pa以上の雰囲気中で、上述した混相状態の微構造を有する軟磁性薄膜を成膜する工程を経ることによって得られる。また、 2以上のスパッタ源を有するスパッタ法や単一のスパッタ源によるスパッタ法によっても同様の結果が得られる。
【0036】
なお、上記混相軟磁性薄膜の形成工程は、前述した第1の薄膜磁気素子と同様に、薄膜磁気素子の種類に対応させた形で実施されるものである。また、軟磁性薄膜の成膜方法や第1の膜形成源と第2の膜形成源の配列方法は、第1の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜の形成と同様でよい。
【0037】
上述した軟磁性薄膜の形成工程においては、第1の膜形成源と第2の膜形成源の面積比Sc に加えて、成膜時の雰囲気圧が重要であり、この雰囲気圧を 2Pa以上とすることによって、微結晶相と第1のアモルファス相の周囲に第2のアモルファス相が配置された微構造を得ることができる。成膜時の雰囲気圧が 2Pa未満であると、微結晶相とその周囲を埋める単一のアモルファス相とからなる微構造しか得られず、軟磁性薄膜の比抵抗の低下を招くことになる。また、上述した面積比Sc が3%未満であると、微結晶相とその周囲を埋める単一のアモルファス相とからなる微構造となり、また面積比Sc が 28%を超えると、新たな微結晶相が析出することになる。面積比Sc のより好ましい範囲は 5〜20% である。
【0038】
なお、軟磁性薄膜の形成工程における他の条件は、適用した成膜方法に応じて設定すればよい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例ついて説明する。
【0040】
まず、本発明の第1の薄膜磁気素子の実施例について述べる。薄膜磁気素子について説明する前に、この第1の実施例の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜の製造例およびその特性を評価した結果について説明する。
【0041】
第1の実施例の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜を以下のようにして作製した。すなわち、Fe0.68Co0.17Zr0.15組成を有する直径 125mm×厚さ 3mmの円板状合金ターゲット上に、10mm×10mm× 2.3mmの SiO2 チップを 0〜36個の範囲でエロージョンパターン上に均等に載置した。このように SiO2 チップを個数を変えて載置した各Fe0.68Co0.17Zr0.15合金ターゲットを、RFマグネトロンスパッタ装置に配置して、熱酸化 SiO2 を有するSi基板(厚さ 0.6mm)上にスパッタ膜を成膜した。投入電力は 3.3W/cm2 、ターゲット−基板間距離は75mmとし、アルゴンガス圧は 1.6Paで一定とした。成膜条件を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003759191
得られた各スパッタ膜(膜厚=0.1μm)は、X線回折(薄膜法、管球Cu(波長= 0.154056nm)、入射角=2°、 2θ:10〜 100°)とTEM観察によって構造を分析した。X線回折パターンの一例( SiO2 チップ面積= 36cm2 )を図2に示す。図2に示すX線回折パターンにおいて、 2θ= 20°,54°,56°近傍のピークはいずれも基板によるものであり、44°付近のブロードなアモルファス状の回折ピークが試料によるものであって、他に結晶ピークは存在していない。
【0043】
また図3に、 SiO2 チップ面積を変えたときのX線回折結果として半値幅およびピーク位置(2θ)を示す。図3から明らかなように、 SiO2 チップ面積が増えるに従って半値幅が小さくなり、20cm2 で極小になった後、再び増加している。また、ピーク位置( 2θ)は、 SiO2 チップ面積が増えるに従って高角度側に移行し、20cm2 で極大になった後、再び低角度側に移行している。
【0044】
さらに、 SiO2 チップ面積を (a)10cm2 (Sc =8.9%)、 (b)20cm2 (Sc = 19.4%)、 (c)36cm2 (Sc =41.5%)とする以外は、それぞれ表1に示す条件でスパッタ成膜した各膜のTEM観察を行ったところ、 (a)による膜は 5nm程度の微結晶粒とその微結晶粒の隙間を埋めるアモルファス相からなり、 (b)による膜は (a)より増大した20nm程度の結晶粒とその結晶粒の隙間を埋めるアモルファス相からなるものであったが、 (c)による膜は一様なアモルファス相からなるものであった。
【0045】
図2、図3および上記TEM観察結果から明らかなように、微結晶相とアモルファス相との混相状態から SiO2 チップ面積が増えるに従って結晶化が進み、20cm2 の SiO2 チップ面積時に結晶化がピークに達し、その後一様なアモルファス状態へと変化していくことが分かる。上記TEM観察結果として示したように、 SiO2 チップ面積を36cm2 (Sc =41.5%)とした (c)の膜は一様なアモルファス相からなり、この膜が第1の薄膜磁気素子に用いるアモルファス軟磁性薄膜に相当するものであって、この第1の実施例による軟磁性薄膜である。
【0046】
また、上記微構造の変化に対応して、比抵抗は図4に示すように、 SiO2 チップ面積の増加に伴って大きくなる傾向を示し、 SiO2 チップ面積を36cm2 とした (c)の膜では2470μΩ・cmを示した。上述した (a)、 (b)、 (c)の各膜はいずれもアモルファス相を有しており、このアモルファス相の比抵抗が支配的であると考えれば、 SiO2 チップ面積が 0〜20cm2 ではそのアモルファス相に応じた比抵抗しか得られておらず、 SiO2 チップ面積が20cm2 を超えて結晶相が消失すると、結晶粒内に集中していたSiが膜全体に均一に分布するようになり、急激にアモルファス相の比抵抗が大きくなると考えられる。
【0047】
表2および図5に、Ar圧を 1.6Paで一定とし、 SiO2 チップ面積を変えたときの組成を示す。ここでは、主成分をFe、Co、Zr、Siとした。表2に示すように、Fe、Co、Zrの組成比はほぼターゲットの仕込み組成と一致していた。図5は、ターゲット鋳込み組成Fe0.68Co0.17Zr0.15に対するSiの比u ((Fe0.68Co0.17Zr0.151-u Siu )と SiO2 チップ面積との関係を示す図であり、 SiO2 チップ面積の増大に比例してSiの組成がほぼ線形に増加していることが分かる。このことから、 SiO2 チップ面積の増大に伴うSi組成の増加が前述した微構造および比抵抗の変化をもたらしていることが分かる。
【0048】
【表2】
Figure 0003759191
また図6に、 SiO2 チップ面積を変えたときの磁化履歴曲線を示す。なお、図6の(c)、(d)において、実線は容易軸方向、破線は困難軸方向の磁化履歴曲線を示している。 SiO2 チップ面積が小さい( 0〜10cm2 )膜は、垂直磁気異方性膜のような振る舞いを示し、等方的である。 SiO2 チップ面積が20cm2 の膜では、垂直磁気異方性膜のような振る舞いを示し、異方的になっている。垂直磁気異方性は、 (100)面が膜面と平行になっている微結晶のために現れていると考えられる。 SiO2 チップ面積が36cm2 の膜では、面内磁気異方性膜のような振る舞いを示している。これは、微結晶が消失するために形状異方性が支配的になるためと考えられる。 SiO2 チップ面積が大きくなったときに異方性を示すのは、試料が一様なアモルファス相であることから、磁歪の逆効果によるものと考えられる。
【0049】
図7に、 SiO2 チップ面積を変えたときの飽和磁化Ms を示す。飽和磁化Ms は SiO2 チップ面積が大きくなるに従って小さくなる傾向を示したが、 SiO2 チップ面積を増大させて1000μΩ・cm以上の比抵抗を得た場合においても、薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜に必要な軟磁気特性は維持されていることが分かる。上述したように、この第1の実施例による軟磁性薄膜(SiO2 チップ面積を36cm2 とした膜)は、1000μΩ・cm以上の高比抵抗が得られていると共に、薄膜磁気素子に必要な軟磁気特性が維持されていることが分かる。
【0050】
図8は、 SiO2 チップ面積36cm2 で成膜した試料に573K× 1時間、 120kA/m直流磁界中熱処理を施したときの磁化履歴曲線の変化を示したものである。図8により、熱処理したものは成膜直後に比べ顕著に異方性が付与されていることが分かる。
【0051】
次に、第1の実施例の薄膜磁気素子について述べる。上述した実施例の軟磁性薄膜と同一条件で、図9に示す薄膜インダクタ11の軟磁性膜12部分を作製した。ここで、図9に示す薄膜インダクタ11は、ダブルスパイラル型の平面型コイル13の両主面に、軟磁性膜12、12を積層形成して構成したものであり、平面型コイル13と軟磁性膜12、12との間はそれぞれ絶縁層14で絶縁されている。この実施例の薄膜インダクタは、10MHz までほぼ平坦なインダクタンスを示し、かつ8MHzで品質係数Qが10以上と良好な特性が得られた。
【0052】
また、上述した実施例の軟磁性薄膜と同一条件で成膜したアモルファス軟磁性薄膜を用いて、薄膜磁気ヘッドを作製した。すなわち、非磁性ガラス基板の片面にガラスを被覆し、他方の面に上記アモルファス軟磁性薄膜と絶縁膜とを交互に所定の厚さまで成膜させて薄膜磁気ヘッドを作製した。この薄膜磁気ヘッドの特性をドラムテスタおよびメタルテープを用いて、5MHzおよび8.5MHzの周波数で評価したところ、最適記録電流を用いたときの出力比(8.5MHz/5MHz)が-4〜-5dBと良好な結果が得られた。
【0053】
次に、本発明の第2の薄膜磁気素子の実施例について述べる。薄膜磁気素子について説明する前に、この第2の実施例の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜の製造例およびその特性を評価した結果について説明する。
【0054】
第2の実施例の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜を以下のようにして作製した。すなわち、Fe0.68Co0.17Zr0.15組成を有する直径 125mm×厚さ 3mmの円板状合金ターゲット上に、10個の10mm×10mm× 2.3mmの SiO2 チップをエロージョンパターン上に均等に載置した。このような10個の SiO2 チップを載置したFe0.68Co0.17Zr0.15合金ターゲットを、RFマグネトロンスパッタ装置に配置して、熱酸化 SiO2 を有するSi基板(厚さ 0.6mm)上にスパッタ膜を成膜した。投入電力は 3.3W/cm2 、ターゲット−基板間距離は75mmとし、またArガス圧は 1.3〜 3.3Paの範囲で変化させた。成膜条件を表3に示す。
【0055】
【表3】
Figure 0003759191
得られた各スパッタ膜は、X線回折(薄膜法、管球Cu(波長=0.154056nm)、入射角 2°、 2θ= 10〜 100°)とTEM観察によって構造を分析した。
【0056】
図10に、Arガス圧を変えたときのX線回折結果として半値幅およびピーク位置(2θ)を示す。図10に示すように、半値幅およびピーク位置(2θ)はArガス圧に対して極端な依存性は示していないものの、Arガス圧を(d)1.6Pa、(e)3.3Paとする以外は、それぞれ表3に示した条件でスパッタ成膜した各膜のTEM観察を行った結果、 (d)による膜は 5nm程度の微結晶粒とその微結晶粒の隙間を埋めるアモルファス相からなるものであったが、 (e)による膜は 5nm程度の微結晶粒とコントラストの異なる 2相のアモルファス相からなり、一方のアモルファス相は微結晶粒と粒状の他方のアモルファス相の周囲を埋めるように配置されていることを確認した。
【0057】
図10および上記TEM観察結果から明らかなように、Arガス圧を増加させることによって、微結晶粒と粒状のアモルファス相の周囲を埋めるように他のアモルファス相が配置された微構造を有する軟磁性薄膜が得られることが分かる。上記TEM観察結果から明らかなように、Arガス圧を 3.3Paとした (e)の膜が第2の薄膜磁気素子に用いる混相軟磁性薄膜に相当し、この第2の実施例による軟磁性薄膜である。
【0058】
また、上記微構造の変化に対応して、比抵抗は図11に示すように、Arガス圧の増加に伴って大きくなる傾向を示し、Arガス圧を 3.3Paとした膜では1440μΩ・cmを示した。
【0059】
表4および図12に、Ar圧を変えたときの組成を示す。ここでは、主成分をFe、Co、Zr、Siとした。表4に示すように、Fe、Co、Zrの組成比はほぼターゲットの仕込み組成と一致していた。図12は、ターゲット鋳込み組成(Fe0.68Co0.17Zr0.15)に対するSiの比u ((Fe0.68Co0.17Zr0.151-u Siu )とArガス圧との関係を示す図であり、Arガス圧に対してSi組成はほとんど変化していないことが分かる。このことから、前述した微構造および比抵抗の変化は組成変化に伴うものではないことが分かる。
【0060】
【表4】
Figure 0003759191
また図13に、Arガス圧を変えたときの飽和磁化Ms と保磁力Hc を示す。飽和磁化Ms はArガス圧が大きくなるに従って小さくなる傾向を示し、また保磁力Hc はArガス圧の増大に伴って一旦減少するものの、 2Pa前後を境に大きくなる傾向を示したが、Arガス圧を増大させて1000μΩ・cm以上の比抵抗を得た場合においても、薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜に必要な軟磁気特性は維持されていることが分かる。
【0061】
上述したように、この実施例による軟磁性薄膜(Arガス圧を 3.3Paとした膜)は、1000μΩ・cm以上の高比抵抗が得られていると共に、薄膜磁気素子に必要な軟磁気特性が維持されていることが分かる。
【0062】
次に、第2の実施例の薄膜磁気素子について述べる。上述した実施例による混相軟磁性薄膜と同一条件で、図9に示した薄膜インダクタ11の軟磁性膜12部分を作製した。この第2の実施例の薄膜インダクタは、8MHzまでほぼ平坦なインダクタンスを示し、かつ5MHzで品質係数Qが 8以上と良好な特性が得られた。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜磁気素子によれば、高電気抵抗と良好な飽和磁束密度を同時に満たす軟磁性薄膜を用いているため、高周波数帯域特に MHz以上の動作周波数においても渦電流損を抑制することが可能となる。従って、本発明の薄膜磁気素子を例えば薄膜磁気ヘッドに適用すれば、再生出力の向上を図ることができ、また薄膜インダクタ等に適用すれば、エネルギー変換効率等の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第2の薄膜磁気素子に用いる軟磁性薄膜の微構造を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施例による軟磁性薄膜のX線回折パターンを示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施例で作製した軟磁性薄膜のX線回折結果としての半値幅およびピーク位置の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施例で作製した軟磁性薄膜の比抵抗の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図5】 本発明の第1の実施例で作製した軟磁性薄膜の膜組成の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図6】 本発明の第1の実施例で作製した軟磁性薄膜の磁化履歴曲線の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図7】 本発明の第1の実施例で作製した軟磁性薄膜の飽和磁化Ms の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図8】 本発明の第1の実施例による軟磁性薄膜に直流磁場中熱処理を施した前後の磁化履歴曲線を示す図である。
【図9】 本発明の実施例で作製した薄膜インダクタの構造を模式的に示す図である。
【図10】 本発明の第2の実施例で作製した軟磁性薄膜のX線回折結果としての半値幅とピーク位置の SiO2 チップ面積に対する依存性を示す図である。
【図11】 本発明の第2の実施例で作製した軟磁性薄膜の比抵抗のArガス圧に対する依存性を示す図である。
【図12】 本発明の第2の実施例で作製した軟磁性薄膜の膜組成のArガス圧に対する依存性を示す図である。
【図13】 本発明の第2の実施例で作製した軟磁性薄膜の飽和磁化Ms および保磁力Hc のArガス圧に対する依存性を示す図である。
【符号の説明】
1……微結晶相
2……第1のアモルファス相
3……第2のアモルファス相
4……軟磁性薄膜
11……薄膜インダクタ
12……平面型コイル
13……軟磁性膜

Claims (2)

  1. 軟磁性薄膜を有する薄膜磁気素子において、
    前記軟磁性薄膜は、
    一般式:T100-x-yMx(AOvy
    (式中、TはFeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはZr、Hf、NbおよびYから選ばれる少なくとも1種の元素を、AはSi、Ge、Sn、B、PおよびCから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x、y、vはそれぞれ5≦x≦20at.%、8≦y≦25at.%、0.1≦v≦2である)
    で実質的に表される組成を有すると共に、一様なアモルファス相からなり、かつ比抵抗が1000μΩ・cm以上であることを特徴とする薄膜磁気素子。
  2. 軟磁性薄膜を有する薄膜磁気素子において、
    前記軟磁性薄膜は、
    一般式:T100-x-zMx(AOvz
    (式中、TはFeおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を、MはZr、Hf、NbおよびYから選ばれる少なくとも1種の元素を、AはSi、Ge、Sn、B、PおよびCから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x、z、vはそれぞれ5≦x≦20at.%、1≦z≦10at.%、0≦v≦2である)
    で実質的に表される組成を有すると共に、前記 T 元素を主とする微結晶粒と、前記 T 元素を主とする粒状の第1のアモルファス相と、これら微結晶粒および第1のアモルファス相の周囲に網目状に配置され、前記 M 元素および A 元素を主とする第2のアモルファス相とを備える微構造を有することを特徴とする薄膜磁気素子。
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