JP3759017B2 - テレビ受信機及び映像信号の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主画像が副画像の背景を透過して見えるようにした上で前記主画像を表示する領域内に前記副画像を表示するOSD装置(例えばテレビ受信機)及びOSDで表示するための映像信号の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からテレビ受信機などでは、図4に表示画面を示すように、主画像(例えば、放送局から受信した映像信号に基づいて再現される画像)101に対して副画像(受信チャネルを示す情報、ユーザが各種の設定を行うための情報などの画像)102をOSDで表示する機能、すなわち、主画像101を表示する領域内に副画像102を表示する機能を備えている。また、特開2000−295633の公報には、図4に示すように、副画像102の背景を透過して主画像101が見えるようにする技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、副画像102の透過度(副画像102の背景を透過して主画像101が見える度合い)が固定であったため、図4に示すように、副画像102のキャラクタの輝度が低い場合には、副画像102を表示する領域における主画像101の輝度が低いほど、副画像102のキャラクタが見え難くなるというように、主画像101の輝度によっては副画像102のキャラクタの視認性が低下するという問題があった。尚、この問題を解決するためには、副画像102の透過度を低くしておけばよいが、このようにすると、副画像102をOSDで表示する場合は、主画像101が定常的に見え難くなるという問題が発生する。
【0004】
そこで、本発明は、主画像に対して副画像をOSDで表示する際に、主画像が定常的に見え難くなるという問題の発生を伴わないようにした上で、主画像の輝度に影響されることなく副画像のキャラクタの視認性を確保することができるようにしたテレビ受信機及び映像信号の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のテレビ受信機では、アンテナで受信された高周波信号の中からユーザによって選択された周波数の信号を中間周波信号に変換する選局手段と、該選局手段で得られた中間周波信号から映像信号を取り出す映像検波手段と、映像検波手段で取り出されたアナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段部で得られたデジタルの映像信号を復号化するデコード手段と、該デコード手段で復号化された映像信号と内部で発生する映像信号とを処理することによって、前記デコードから出力される映像信号に基づいて再現される主画像が表示される領域内に前記内部で発生する映像信号に基づいて再現される副画像が表示されるとともに、該副画像の背景を透過して前記主画像が見えるような映像信号を生成して出力するOSD処理手段と、該OSD処理手段から出力される映像信号を原色信号に変換する原色変換手段と、該原色変換手段で得られた原色信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、該D/A変換手段で得られた原色信号に基づいて画像を再現する表示手段と、ユーザが当テレビ受信機に対して様々な命令を入力するための操作手段と、該操作手段を介してユーザから入力される命令に応じて当テレビ受信機全体の動作を統括的に制御する制御手段と、を備え、前記OSD処理手段は、前記制御手段からの指示によっては、前記主画像に対して前記副画像を非表示にするテレビ受信機において、前記副画像を表示する間は、前記制御手段が、前記副画像が表示される領域における前記主画像の輝度の平均値を算出し、前記副画像の背景を透過して前記主画像が見える度合いである前記副画像の透過度を前記平均値の算出結果に応じた適切な値に設定し、前記透過度の設定値を前記OSD処理手段に通知する動作を所定の周期で繰り返し行うとともに、前記OSD処理手段が、前記副画像の透過度が前記制御手段から通知される設定値に合致したものとなるように動作するようにしている。
【0006】
また、本発明の映像信号の処理方法は、主画像が副画像の背景を透過して見えるようにした上で前記主画像を表示する領域内に前記副画像を表示するための映像信号の処理方法であって、前記副画像を表示する領域における前記主画像の輝度の平均値を算出し、前記副画像の背景を透過して前記主画像が見える度合いである透過度を前記平均値の算出結果に応じた適切な値に設定するようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態であるテレビ受信機100のブロック図である。同図において、1はアンテナ200で受信された高周波信号の中からユーザによって選択された周波数の信号を中間周波信号に変換する選局部である。2は選局部1で得られた中間周波信号から映像信号を取り出す映像検波部である。
【0008】
3は映像検波部2で取り出されたアナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換するA/D変換部である。4は映像信号が送信側でMPEG(Moving Picture Experts Group)などの所定の方式により符号化されているので、これに対する復号化をA/D変換部3で得られたデジタルの映像信号に対して行うデコード部である。
【0009】
5は、デコード部4から入力される映像信号と内部で発生する映像信号とを処理することによって、主画像(デコード部4から入力される映像信号に基づいて再現される画像)が表示される領域内に副画像(内部で発生する映像信号に基づいて再現される画像)が表示されるとともに、副画像の背景を透過して主画像が見えるような映像信号を生成して出力するOSD処理部である。
【0010】
尚、OSD処理部5は、マイクロコンピュータ10からの指示によっては、デコード部4から入力される映像信号のみを処理するように構成されており、これにより、主画像に対して副画像をOSDで表示しないようにすることができる。
【0011】
6はOSD処理部5から出力される映像信号を3原色信号に変換する原色変換部である。7は原色変換部6から出力される原色信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換部である。8はD/A変換部7で得られたアナログの原色信号に基づいて画像を再現する受像管(表示部)である。
【0012】
9はユーザが当テレビ受信機に対して様々な命令を入力するための操作部である。10は操作部9を介してユーザから入力される命令に応じて当テレビ受信機全体の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称する)である。
【0013】
以上の構成において、本実施形態では、マイコン10が、副画像をOSDで表示する間は、図2のフローチャートで示される処理を所定の周期で繰り返し行うようになっている。図2のフローチャートについて説明する。まず、副画像がOSDで表示される領域に該当する区間でデコード部4から出力される映像信号の輝度値を取り込む(S1)。次に、S1で取り込んだ全ての輝度値の平均値を算出する(S2)。次に、S2で算出した平均値に応じて副画像の透過度を適切な値に設定する(S3)。最後に、S3で設定された副画像の透過度の設定値をマイコン10からOSD処理部5に通知する(S4)。そして、OSD処理部5は、OSDで表示される副画像の透過度がマイコン10から通知される設定値に合致したものとなるように動作する。
【0014】
尚、OSD処理部5は、特開2000−295633の公報に開示されているように、副画像の背景部分において主画像の映像信号と副画像の映像信号とを合成することによって副画像の背景部分を透過して主画像が見えるような映像信号を生成するが、このとき、副画像の背景色の濃さを変化させることによって副画像の透過度を変化させることができ、具体的には、副画像の背景色を濃くするほど、副画像の透過度が低くなる。
【0015】
以上より、本実施形態では、主画像の輝度に応じて(本実施形態では、副画像が表示される領域における主画像の輝度の平均値に応じて)、OSDで表示される副画像の透過度を変化させることになる。これにより、例えば、図3に示すように、副画像102のキャラクタの輝度が低い場合には、図3の(a)に示すように、副画像102が表示される領域において主画像101の輝度が高ければ、副画像102の透過度が高くなり、図3の(b)に示すように、副画像102が表示される領域において主画像101の輝度が低ければ、副画像102の透過度が低くなるというように、OSDで表示される副画像102の透過度が主画像101の輝度に対して適切なものとなるように自動的に調整することが可能となり、主画像101に対して副画像102をOSDで表示する際に、主画像101が定常的に見え難くなるという問題の発生を伴わないようにした上で、主画像101の輝度に影響されることなく副画像102のキャラクタの視認性を確保することができるようになる。
【0016】
尚、本発明の実施形態としてテレビ受信機を例に挙げたが、本発明は、テレビ受信機に限定されるものではなく、例えばDVD(Digital Video Disk)、ハードディスク、ビデオテープなどの記録媒体に記録された映像信号を再生するビデオプレーヤなど、映像信号を取り扱うものであればよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、主画像に対して副画像をOSDで表示する際に、主画像が定常的に見え難くなるという問題の発生を伴わないようにした上で、主画像の輝度に影響されることなく副画像のキャラクタの視認性を確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるテレビ受信機のブロック図である。
【図2】 副画像をOSDで表示する際に図1におけるマイコンが所定の周期で繰り返し行う処理を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の一実施形態のテレビ受信機において副画像がOSDで表示された画面の一例を示す図である。
【図4】 従来技術において副画像がOSDで表示された画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 選局部
2 映像検波部
3 A/D変換部
4 デコード部
5 OSD処理部
6 原色変換部
7 D/A変換部
8 受像管(表示部)
9 操作部
10 マイコン
Claims (2)
- アンテナで受信された高周波信号の中からユーザによって選択された周波数の信号を中間周波信号に変換する選局手段と、
該選局手段で得られた中間周波信号から映像信号を取り出す映像検波手段と、
映像検波手段で取り出されたアナログの映像信号をデジタルの映像信号に変換するA/D変換手段と、
該A/D変換手段部で得られたデジタルの映像信号を復号化するデコード手段と、
該デコード手段で復号化された映像信号と内部で発生する映像信号とを処理することによって、前記デコードから出力される映像信号に基づいて再現される主画像が表示される領域内に前記内部で発生する映像信号に基づいて再現される副画像が表示されるとともに、該副画像の背景を透過して前記主画像が見えるような映像信号を生成して出力するOSD処理手段と、
該OSD処理手段から出力される映像信号を原色信号に変換する原色変換手段と、
該原色変換手段で得られた原色信号をアナログ信号に変換するD/A変換手段と、
該D/A変換手段で得られた原色信号に基づいて画像を再現する表示手段と、
ユーザが当テレビ受信機に対して様々な命令を入力するための操作手段と、
該操作手段を介してユーザから入力される命令に応じて当テレビ受信機全体の動作を統括的に制御する制御手段と、
を備え、前記OSD処理手段は、前記制御手段からの指示によっては、前記主画像に対して前記副画像を非表示にするテレビ受信機において、
前記副画像を表示する間は、
前記制御手段が、
前記副画像が表示される領域における前記主画像の輝度の平均値を算出し、
前記副画像の背景を透過して前記主画像が見える度合いである前記副画像の透過度を前記平均値の算出結果に応じた適切な値に設定し、
前記透過度の設定値を前記OSD処理手段に通知する
動作を所定の周期で繰り返し行うとともに、
前記OSD処理手段が、前記副画像の透過度が前記制御手段から通知される設定値に合致したものとなるように動作することを特徴とするテレビ受信機。 - 主画像が副画像の背景を透過して見えるようにした上で前記主画像を表示する領域内に前記副画像を表示するための映像信号の処理方法であって、
前記副画像を表示する領域における前記主画像の輝度の平均値を算出し、
前記副画像の背景を透過して前記主画像が見える度合いである透過度を前記平均値の算出結果に応じた適切な値に設定する
ことを特徴とする映像信号の処理方法。
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