JP3758725B2 - オキシインドール類の製造方法 - Google Patents

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬、医薬品等の合成原料として有用なオキシインドール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェニル核置換インドール誘導体には生化学的な効果を持つものが数多く知られており、農薬、医薬品等に利用されている。その際の合成原料となるオキシインドールやクロロ置換インドールの製造方法として、種々のものが提案されている。
【0003】
例えば、アニリン又はそのクロロ置換体とクロロアセチルクロリドからω−クロロアセトアニリド又はその核クロロ置換体を合成し、これを塩化アルミニウムの存在下、220〜230℃に加熱して閉環させる方法(例えば、アブラモビッチら(R. A. Abramovitch et al.), J. Chem. Soc., 1954, 1697〜1704 または特開平6−184108号公報)、あるいは2−ニトロフェニル酢酸又はそのエステルを接触還元し、還元的に閉環する方法(例えば、ゲオルグ・ハーンら(G. Hahn et al.), Chem. Ber., 74, 500〜519 (1941) 又はラジャンバブら(T. V. RajanBabu et al.), J. Org. Chem., 51, 1704〜1712(1986))等が提案されている。しかし、前者の方法では塩化アルミニウムの存在下に220℃以上の高温で閉環させるため、反応装置に大きな制約を受ける。後者では原料となる2−ニトロフェニル酢酸類が工業的に使用するのに好適とは言い難い。
【0004】
あるいは、2−クロロフェニル酢酸を銅系触媒の存在下、アンモニア水中でアンモノリシスすると同時に閉環させてオキシインドールを製造する方法(アレクサンダー・B・ネイル(Alexander B. Neill), J. Amer. Chem. Soc., 75, 1508, (1953) )が知られているが、この方法は原料となる2−クロロフェニル酢酸の入手が比較的容易で、かつ1工程でオキシインドールの製造が可能であるという長所はあるものの、反応温度が155〜165℃と比較的高温であるため反応装置の材質に制約があること、収率が34〜43%と低いことなどの問題がある。
【0005】
また、上記アンモノリシスによる方法の改良法として、2−ハロゲノフェニル酢酸エステルを出発原料として、銅塩の存在下、アンモニア水中でアミノ化反応と閉環反応を実施する方法が提案されている(特公昭62−28133号公報)。この方法では原料の2−ハロゲノフェニル酢酸エステルは、反応系内において対応する酸アミドを経由してアンモノリシスが進んでいるものと予想される。その実施例によれば、原料の2−クロロフェニル酢酸メチルエステルからオキシインドールが78%の収率で生成しており、アレクサンダー・B・ネイルが実施した前述の方法より収率は向上しているものの、反応温度が190℃と高く、さらに加熱の前にアンモニアガスを10kg/cm2 Gの圧力となるまで封入しているので、反応時の圧力が大幅に上昇するという問題がある。したがって、この方法も、工業的に実施する場合には反応容器の材質や装置の仕様に大きな制約を受ける。さらにまた、エステルを原料とするためコスト的に不利であることや、反応後にアンモニアを回収する際に副生するアルコールとアンモニアとの分離が煩雑となるなどの問題もある。
【0006】
一般に、アンモニア水中でハロゲン化物をアミノ化する際には、反応時に副生するハロゲン化アンモニウムにより反応液のpHが低下する。これを抑制するには反応温度を下げるとよいことが知られている(例えば、P.H.グロギンズ(Groggins)著、有機合成でのユニットプロセス(Unit Processes in Organic Synthesis, International Student Edition, pp. 388-397)、McGraw-Hill 社刊)。このような反応を工業的に実施化する場合、反応容器の材質としてステンレス鋼が一般的に用いられるが、この際に反応温度を下げて実施することはpH低下の抑制による反応容器の腐食防止、並びに反応圧力の低下による装置耐圧仕様の緩和の面で非常に意義がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、比較的入手が容易な原料から、煩雑な工程を経ず反応装置への制約の少ない方法で、オキシインドール類を高純度、高収率で工業的に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明者らは、2−ハロゲノフェニル酢酸又はその塩の2位をアミノ基に置換する際に、反応温度を従来より大幅に低下させて高い選択性のもとでアミノ化反応を行うと、反応生成物中には、通常は対応するオキシインドール類の他に、その前駆体である2−アミノフェニル酢酸又はその塩が多量に混在していることを確認した。この反応生成物から触媒及び過剰のアンモニアを除いた後、酸触媒の存在下に加熱閉環させて残存する2−アミノフェニル酢酸又はその塩をオキシインドール類に変換すると、高純度、高収率でオキシインドール類が得られることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)式(I)
【0009】
【化3】
Figure 0003758725
【0010】
(式中、X1 は塩素原子又は臭素原子を表わし、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わし、Rは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わし、M1は水素原子、アンモニウム基もしくはアルカリ金属を表わす。X1 とZは互いに同一でも異なってもよい。n1 は1〜4の整数を表わす。)で表わされる2−ハロゲノフェニル酢酸又はその塩(以下、発明の一般的説明では単に2−ハロゲノフェニル酢酸という)に銅塩触媒の存在下、アンモニアを70〜140℃で反応させ、生成した2−アミノフェニル酢酸又はその塩と式(II)で表わされるオキシインドール類との混合物を酸触媒の存在下で加熱して、2−アミノフェニル酢酸又はその塩(以下、発明の一般的説明では単に2−アミノフェニル酢酸という)を閉環させることを特徴とする式(II)
【0011】
【化4】
Figure 0003758725
【0012】
(式中、Z、R及びn1 は式(I)と同義である。)
で表わされるオキシインドール類の製造方法、
(2)アンモニア水中で加熱することによりアミノ化を行う(1)項記載のオキシインドール類の製造方法、及び
(3)アミノ化から閉環終了までの一連の操作を空気遮断下又は不活性ガス存在下で行う(1)項又は(2)項記載のオキシインドール類の製造方法
を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においてオキシインドール類の製造方法の出発物質として用いられる2−ハロゲノフェニル酢酸のフェニル基及び/又はメチレン基は、アミノ化反応及びその後の閉環反応を阻害しない、嵩高くない置換基で置換されていてもよい。好ましくは、Zは水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基又はアルコキシ基であり、Rは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基である。この化合物、2−ハロゲノフェニル酢酸は遊離酸、アンモニウム塩、カリウムやナトリウム等のアルカリ金属塩のいずれでもよく、好ましくは遊離酸である。
【0014】
さらに、本発明で用いられる2−ハロゲノフェニル酢酸は、好ましくは下記式(III )で表わされる化合物で、具体的には2−クロロフェニル酢酸、2−ブロモフェニル酢酸、2,3−ジクロロフェニル酢酸、2,4−ジクロロフェニル酢酸、2,5−ジクロロフェニル酢酸、2,6−ジクロロフェニル酢酸、2−クロロ−4−フルオロフェニル酢酸、2−クロロ−5−フルオロフェニル酢酸、2−クロロ−6−フルオロフェニル酢酸、2−クロロ−5−ブロモフェニル酢酸、2,4,5−トリクロロフェニル酢酸が挙げられ、特に好ましくは2−クロロフェニル酢酸、2,4−ジクロロフェニル酢酸、2,5−ジクロロフェニル酢酸、2−クロロ−5−ブロモフェニル酢酸である。この式(III )の化合物から式(IV)で表わされるオキシインドール類が得られる。
式(III )
【0015】
【化5】
Figure 0003758725
【0016】
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わし、Yは水素原子、フッ素原子、塩素原子もしくは臭素原子を表わし、Mは水素原子、アンモニウム基もしくはアルカリ金属を表わす。XとYは互いに同一でも異なってもよい。nは1〜4の整数を表わす。)
式(IV)
【0017】
【化6】
Figure 0003758725
【0018】
(式中、Y及びnは式(III )と同義である。)
好ましくは、本発明におけるアミノ化の反応は、耐圧製の反応容器を用い、反応溶媒も兼ねたアンモニア水中で行う。アンモニア水の濃度は好ましくは10〜50wt%、より好ましくは20〜35wt%である。アンモニアの濃度が低すぎると加水分解生成物である2−ヒドロキシフェニル酢酸類の副生する割合が増えるうえ、反応系内のpHの低下が進んで反応容器の耐食性に悪影響を与える。また、アンモニアの濃度が高すぎる場合には、反応時の圧力が極めて高くなるため反応装置の仕様に制約が生じたり、アンモニア水の回収、再使用に不利になったりすることがある。
アンモニアの使用量は前記式(I)で示される2−ハロゲノフェニル酢酸1モルに対して好ましくは3〜45倍モル、より好ましくは6〜35倍モルである。アンモニアの使用量が少なすぎると攪拌が困難になり、反応装置の腐食が大きくなることがある。また多すぎても反応結果は向上せず、生産効率が低下する。
【0019】
本発明のアミノ化反応の反応温度は70〜140℃、好ましくは90〜120℃、より好ましくは100〜110℃である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなり、高すぎると着色性あるいはタール状の不純物の副生量が増加して収率と品質が低下するうえ、反応装置に耐食性や耐圧性についての制約が生じることがある。
反応圧力はアンモニア水の濃度や反応温度等に依存するが、通常5〜8kg/cm2 Gである。また、反応時間は通常好ましくは1〜30時間、より好ましくは14〜24時間である。
【0020】
本発明のオキシインドール類の製造方法のアミノ化反応の触媒としては銅塩を用いることができ、具体的には塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、酸化第一銅などの1価の銅塩、あるいは塩化第二銅、水酸化第二銅、酸化第二銅、硫酸銅などの2価の銅塩を挙げることができ、反応活性、選択性などから塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、酸化第一銅などの1価の銅塩がより好ましい。
触媒の使用量は、前記式(I)で示される2−ハロゲノフェニル酢酸1モルに対して、1価および2価の銅塩とも銅原子に換算して0.001〜1.0グラム原子、好ましくは0.05〜0.3グラム原子である。触媒量が少なすぎると反応速度が遅くなり、未反応原料が多く残る。また多すぎると後処理での触媒の除去操作が複雑になるため好ましくない。
【0021】
以上のような反応により、出発物質の転化率は93〜100%に到達する。
本発明のアミノ化反応は、2−ハロゲノフェニル酢酸のフェニル基の2位のハロゲン原子がアミノ基に置換する転化反応を十分に行わせる。この転化率が90%以上になった時点で、好ましくは95%以上の時点で第1段の反応を終了させる。この時オキシインドールが生成するが、生成した2−アミノフェニル酢酸を全てオキシインドールにするまで長時間反応させることは2−アミノフェニル酢酸の熱分解や着色性不純物の増加を招くため好ましくない。
【0022】
こうして得られた生成物は、通常、対応するオキシインドール類のほかにその前駆体である2−アミノフェニル酢酸を多量に含んでおり、その組成は通常、生成物中2−アミノフェニル酢酸とオキシインドール類の合計量に対しオキシインドール20〜70モル%、好ましくは30〜60モル%の範囲である。この反応生成物から銅塩触媒及び過剰のアンモニアを除去した後、酸触媒を加えて、この2−アミノフェニル酢酸を加熱閉環させることによりオキシインドール類を速やかに、高収率、高純度で得ることができる。
【0023】
銅塩触媒及び過剰のアンモニアの除去は、適当なキレート化樹脂で処理して銅錯体となった樹脂を分離した後、アンモニアを蒸留するなどの常法により行うことができる。このとき、アミノ化反応で生成したアンモニウム塩を分解して遊離のアンモニアとするため、並びに2−アミノフェニル酢酸の熱分解を抑制するために、水酸化アルカリを添加してアルカリ性、好ましくはpH10以上とする。銅塩触媒及び過剰のアンモニアの除去後、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、あるいはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸を加えて、酸性、好ましくはpH2〜5、より好ましくはpH2〜3に調整し、混在する2−アミノフェニル酢酸を加熱閉環させてオキシインドール類とする。pHが2より低く、1に近くなると、2−アミノフェニル酢酸が分解しやすくなるので好ましくない。
閉環のための加熱温度は30〜100℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。加熱温度が高過ぎる場合も2−アミノフェニル酢酸が分解しやすくなるので好ましくない。加熱時間は数分〜数時間、好ましくは30分〜3時間である。
この反応物を高速液体クロマトグラフィー等で分析することにより、2−アミノフェニル酢酸からオキシインドール類への変換が確認できる。また閉環のための加熱時には、水に対する溶解性の高い無置換のオキシインドールのようにそのまま水溶液の状態で実施できる場合もあるが、溶解性の低いクロロ置換オキシインドール類などでは結晶が析出して水性のスラリー状となることがある。このような場合には閉環反応を速めるために、必要に応じて水を加えたり、メタノール、エタノールのような低級アルコールやアセトニトリルなどの不活性溶媒を添加してもよい。
【0024】
閉環反応後アルカリ水溶液を加えて、オキシインドール類を含む反応物を弱アルカリ性にすると、未反応原料やフェノール性の不純物がアルカリ金属塩に変わり、後の晶析において排除を容易にできることがあるので、必要に応じて実施する。その後、冷却してオキシインドール類の結晶を析出させ、濾過、水洗、乾燥などの操作を加えることにより取り出しが可能である。晶析の前に活性炭処理操作を加えたり、晶析の際にトルエン、キシレンのような適当な溶剤を添加すると、製品の色が改善できることがある。
本発明のオキシインドール類の製造方法は、アミノ化から閉環終了までの一連の操作を空気遮断下又は窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス存在下で行うことが好ましい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的入手が容易な2−ハロゲノフェニル酢酸を出発原料として、オキシインドール類を、煩雑な工程を経ずにワンポットで、高純度、高収率で工業的に製造することができる。
また、本発明のオキシインドール類の製造方法では従来より大幅に低い温度でアミノ化を行うため、反応液のpHの低下を抑制することができ、腐食防止、耐圧性などの反応装置の仕様への制限を緩和することができるという優れた作用効果を奏する。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の融点は、FP−62型自動融点測定装置(メトラー社製)を用いて測定した。
【0027】
実施例1(オキシインドールの合成)
3リットル容のステンレス製オートクレーブに2−クロロフェニル酢酸427g(2.50モル)、25%アンモニア水2040g(30.0モル)及び触媒として塩化第一銅25.0g(0.25モル)を加えて密閉した。窒素で内部の空気をパージした後、110℃で18時間攪拌し反応させた。反応時の内圧は6.8〜5.6kg/cm2 Gであった。
反応後、30℃まで冷却し、窒素シール下でアミノ化反応混合物を取り出した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、2−クロロフェニル酢酸の転化率は95.6%で、オキシインドールが33.4モル%、その前駆体の2−アミノフェニル酢酸が56.7モル%生成しており、オキシインドールと2−アミノフェニル酢酸を合計した収率は90.1%であった。ほかに2−ヒドロキシフェニル酢酸が5.2%副生していた。
【0028】
こうして得られた反応生成物に48%水酸化ナトリウム水溶液416gを加えた。溶解しているアンモニア及び触媒を除去した後、35%塩酸約330gを65〜70℃でpHが2となるまで加え、同温度で1時間攪拌して残存する2−アミノフェニル酢酸を閉環させてオキシインドールとした。
次いで10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8とし、粉末活性炭2.5gを加え90〜95℃で脱色処理、加熱濾過した。トルエン500gを加えて室温まで冷却晶析した。析出した結晶を濾過、水洗、乾燥すると、白色結晶のオキシインドール260g(収率78.1%)を得た。
純度99.0%、m.p.125.5℃
【0029】
実施例2(6−クロロオキシインドールの合成)
3リットルのステンレス製オートクレーブに2,4−ジクロロフェニル酢酸226g(1.10モル)、30%アンモニア水2300g(40.5モル)及び触媒として塩化第一銅21.8g(0.22モル)を加えて密閉した。窒素で内部の空気をパージした後、100℃で22時間攪拌し反応させた。反応時の内圧は8.2〜7.5kg/cm2 Gであった。
反応後、30℃まで冷却し、アミノ化反応混合物を取り出した。これに48%水酸化ナトリウム水溶液184gを添加した。溶解しているアンモニア及び触媒を除去した後、高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、2,4−ジクロロフェニル酢酸の転化率は98.7%で、6−クロロオキシインドールの収率は62.5%、ほかに2−アミノ−4−クロロフェニル酢酸が約20%副生していた。
この反応生成物に水を加えて全量を4000gとした後、85%リン酸約140gを75〜80℃でpHが3となるまで加え、結晶を析出させた。さらに同温度で2時間攪拌して残存する2−アミノ−4−クロロフェニル酢酸を閉環させて6−クロロオキシインドールとした。
【0030】
こうして得たスラリーに10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8とした後、室温まで冷却し、濾過、水洗、乾燥すると淡黄色結晶として6−クロロオキシインドール137g(収率74.3%)が得られた。
m.p.192.4℃
【0031】
このものを10〜15倍量のメタノールに加熱溶解し、活性炭処理後再結晶すると6−クロロオキシインドールが白色結晶として得られた。
m.p.198.6℃
Figure 0003758725
【0032】
実施例3
触媒の塩化第一銅を2倍の50.0g(0.50モル)とした以外は実施例1と同様に、アミノ化反応までの処理を行った。
反応後、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、2−クロロフェニル酢酸の転化率は99.3%で、オキシインドールが37.8%、その前駆体の2−アミノフェニル酢酸が54.0%生成しており、オキシインドールと2−アミノフェニル酢酸を合計した収率は91.8%であった。ほかに2−ヒドロキシフェニル酢酸が7.1%副生していた。
実施例1と同様にして、この反応生成物に48%水酸化ナトリウムを加えた後、溶解しているアンモニア及び触媒を除去した。続いて、閉環処理をせずに混合物を室温まで冷却し、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥すると淡褐色のオキシインドール114g(収率34.2%)が得られた。
純度98.6%、m.p.125.2℃
さらに濾液に50%硫酸約310gを加えてpHを2〜3とし、60℃で1時間加熱攪拌して残存する2−アミノフェニル酢酸を閉環させてオキシインドールとした。次いで10%水酸化ナトリウムを加えてpHを8とし、室温まで冷却晶析した。析出した結晶を濾過、水洗、乾燥すると、淡褐色のオキシインドール153g(収率45.9%)が得られた。
純度98.6%、m.p.125.2℃
オキシインドールの合計の収率は80.1%であった。
【0033】
比較例1
35%塩酸を添加した加熱閉環処理を行わない以外は、実施例1と同様にして処理を行った。オキシインドールの収率は40%であった。
【0034】
比較例2
原料の2−クロロフェニル酢酸427g(2.50モル)を2−クロロフェニル酢酸メチル462g(2.50モル)に換えた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
アミノ化反応後の2−クロロフェニル酢酸メチルの転化率は100%であったが、33モル%の2−クロロフェニルアセトアミドが含まれていた。35%の塩酸を添加して加熱閉環操作を終えた後の反応液に含まれるオキシインドールの収率は46.3%であった。
【0035】
比較例3
触媒の塩化第一銅21.8g(0.22モル)を銅粉末14.0g(0.22グラム原子)に換えた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
アミノ化反応後の原料回収率は99%以上、オキシインドール及び2−アミノフェニル酢酸の収率は合計で1%未満であった。

Claims (3)

  1. 式(I)
    Figure 0003758725
    (式中、X1は塩素原子又は臭素原子を表わし、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わし、Rは水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表わし、M1は水素原子、アンモニウム基もしくはアルカリ金属を表わす。X1とZは互いに同一でも異なってもよい。n1は1〜4の整数を表わす。)で表わされる2−ハロゲノフェニル酢酸又はその塩に銅塩触媒の存在下アンモニアを70〜140℃で反応させ、生成した2−アミノフェニル酢酸又はその塩と式(II)で表わされるオキシインドール類との混合物を酸触媒の存在下で加熱して、2−アミノフェニル酢酸又はその塩を閉環させることを特徴とする式(II)
    Figure 0003758725
    (式中、Z、R及びn1は式(I)と同義である。)で表わされるオキシインドール類の製造方法。
  2. アンモニア水中で加熱することによりアミノ化を行う請求項1記載のオキシインドール類の製造方法。
  3. アミノ化から閉環終了までの一連の操作を空気遮断下又は不活性ガス存在下で行う請求項1又は2記載のオキシインドール類の製造方法。
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