JP3758708B2 - ライトボックス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、屋内外用の看板に使用されるバックライト、インテリアやエクステリア等の環境照明に使用されるバックライト、又は液晶表示装置に使用されるバックライト等に用いられるライトボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開昭63−318003号公報等には中空型ライトボックスが開示されている。このような中空型ライトボックス100は、例えば図13に示すように、発光面101aを有するプリズム板101又は拡散板(不図示)と、反射板102とを、適宜な幅の導光空間103を形成するように対向して平行に配置し、上記発光面101aから外部へ放射される光を導光空間103内へ投光するための少なくとも1個の光源104を配置した構成をなす。この様に構成される中空型ライトボックス100は、透明な樹脂からなる導光板を上記導光空間103に配置した構成をなす中密型ライトボックスに比べて、ライトボックスの軽量化が容易に行えるという利点がある。しかし、中空型ライトボックス100では、発光面101aにおいて、光源104に近い端縁部分101cと光源104から遠い中央部分101dとで明るさ(輝度)にムラが生じ、発光面101aの全体にわたって均一な明るさを得にくい。
そこで、発光面101aの全体にわたって均一な明るさを得るために改良された中空型ライトボックスが種々提案されている。例えば、特開平5−181136号公報には、上記発光面側のプリズムフィルムにおいて鋸歯状の断面にてなるプリズム部を上記導光空間側に向け、上記プリズム部における斜面部分に光学的正反射特性を示す反射膜を被着した構成を有するライトボックスが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ライトボックスの厚さを薄くし、かつ発光面全体における明るさの均一性をより向上させるためには、上述の改良されたライトボックスにあっても、光源から投じられた光を上記発光面に対して拡散させる拡散フィルムの設計や加工に厳しい精度が要求され、又はライトボックス自体の組み立てに厳しい精度が要求される。よって、上記設計、加工若しくは組み立てに要する工程が煩雑になり製造コストの増加を招き、又、ライトボックス全体の軽量化が困難であるという問題点がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、薄型、軽量であり、発光面の明るさの均一性が高く、設計製造も容易なライトボックスを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透光性を有する板材でありその厚さ方向の一面が平坦な発光面であり上記一面に対向する他面には複数のプリズム部が形成された第1プリズム板と、板状体とを略平行に対向させて配置することで上記第1プリズム板と上記板状体との間に導光空間を形成し、上記発光面から放射するための光を上記導光空間へ投光する光源を備えたライトボックスであって、
多孔質体を含み、上記光源からの光を内部で乱反射させ外側に多方向に向けて放出させる光拡散機能を有する光拡散部材を上記導光空間内に備え、上記光拡散部材は、上記導光空間の隙間の1/20以上の厚みを有することを特徴とする。
【0005】
【作用】
光拡散部材は光源から導光空間へ投光された光を拡散する。よって光拡散部材は第1プリズム板における発光面全体にわたって均一な明るさが得られるように作用する。又、光拡散部材は、多孔質体を含むことからライトボックスのサイズが大きくなってもライトボックス全体の重量を増加しないように作用する。さらに、光拡散部材は、多孔質体を含む部材であることから、加工性がよく製造コストを低減するように作用する。さらに、光拡散部材は、単に導光空間に設ければよいことから、従来用いられていた勾配パターンをもつ網点印刷や、拡散板やプリズムフィルムを曲げたり傾斜させたりすることが必要なくなく、製造が簡単となり、製造コストを低減するように作用する。又、光源を導光空間に設けていないことは、ライトボックスを薄型化するように作用する。
【0006】
【実施例】
本発明の一実施例であるライトボックスについて図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。又、「板状体」と同じ機能を果たすものの一例として、本実施例では第2プリズム板及び反射板5が相当する。
図1にはライトボックスの一実施例の構成を示しており、図2には組み立てられた上記ライトボックスの長手方向断面を示す。本実施例のライトボックスの基本的な構成は、従来の中空型ライトボックスとほぼ同様であり、以下にその構成を概説する。
好ましくは長方形状で板状体の第1プリズム板6と第2プリズム板8とを適宜な間隔をあけてほぼ平行に対向して配置する。このようにすることで第1プリズム板6と第2プリズム板8とによって挟まれる空間が導光空間3となる。導光空間3内には、本ライトボックスの特徴部分である光拡散部材4が配置される。第1プリズム板6及び第2プリズム板8のそれぞれの側面6a,8aに沿って棒状の光源1が配置され、光源1の背後には光源1から発せられた光を導光空間3側へ反射させるためのU字形断面の反射板2が光源1に沿って配置される。又、第1プリズム板6及び第2プリズム板8のそれぞれの長手方向の側面6b,8bには、導光空間3へ投光された光を導光空間3内へ反射させる反射板7が上記側面6b,8bに沿って配置される。このように第1プリズム板6、第2プリズム板8、反射板2、及び反射板7にて導光空間3は閉じられた空間を形成する。さらに、第2プリズム板8の裏面8cの全面には第2プリズム板8を透過した光を導光空間3方向へ戻すための反射板5が設けられる。又、第1プリズム板6の裏面の全面には、第1プリズム板6を透過してきた光を拡散させて外部へ放射する拡散板9が設けられる。
【0007】
次に、本ライトボックスの上述した各構成部分について詳述する。
第1プリズム板6は、裏面が平坦面であり表面6dには複数のプリズム部61が形成されている透光性を有する樹脂材からなり、プリズム部61を有する表面6dが導光空間3側となるように配置される。尚、上記裏面が発光面6cとなる。又、プリズム部61は、図3に示すように三角形状の断面をなすものであり、第1プリズム板6においては、光源1から投じられた光の光軸に直交する方向に延在する。プリズム部61をこのように配置することで、後述する第2プリズム板8に形成したプリズム部61と相関して、第1プリズム板6の発光面6cにおける輝度をムラなく均一にすることが容易になる。
【0008】
このような第1プリズム板6は、例えば、3M(ミネソタ マイニング アンドマニュファクチュアリング)社製の商品名「OLF」、「BEF」、「TRAF」等の製品が使用できる。上記「OLF」(3M Optical Lighting Film)では、上記プリズム部61は、上記プリズム部61における頂角θが約90度であり、頂上間の距離Lが約360μmにて構成されている。上記「BEF」(Brightness Enhancement Film)では、上記プリズム部61は、上記頂角θが約90度であり上記頂上間の距離Lが約50μmであるタイプと、上記頂角θが約100度であり上記頂上間の距離Lが約31μmであるタイプとがある。又、上記「TRAF」(Transparent Right Angle Film)では、上記プリズム部61は、上記頂角θが70度であり上記頂上間の距離Lが約280μmである。又、第1プリズム板6は、ポリカーボネート系樹脂の他、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂を用いて、所定の上記頂角θ及び上記距離Lを有するプリズム部61に相当する多数の凹凸を有する金型にて、射出成形により形成することができる。
尚、プリズム部61の形状は、上述した三角形の断面のものに限るものではなく、広く角錐形状のものとすることができる。
【0009】
又、第2プリズム板8についても第1プリズム板6と同様の材料及び形状にて形成することができ、第2プリズム板8は、第1プリズム板6の裏面である発光面6cに対して導光空間3から照射される光量を増加させ発光面6c全体の輝度を向上可能なように、プリズム部61が形状された表面8dが導光空間3側となるように配置される。又、第2プリズム板8においては、第1プリズム板6の発光面6cにおいて光源1から遠い部分にも光を有効に照射することができるように、プリズム部61は、光源1から投じられた光の光軸に平行となる方向に延在する。又、第2プリズム板8の表面8dは光反射性を有するようにしてもよい。又、第1プリズム板6の裏面側のみを発光面とし導光空間3から上記発光面に照射される光量を増加させて上記発光面全体の輝度を向上させるため、第2プリズム板8の裏面8cには、裏面8cの全面を覆う反射板5を備えるのが好ましい。
【0010】
反射板5は、上記裏面8cに対向する表面5aに銀、アルミニウム等の金属薄膜を被着させた樹脂製の板や、表面5aが白色に着色された樹脂板や、アルミニウム等の金属板等から形成される。具体的に反射板としては、鏡面反射性のもの、例えば、3M社製の商品名「SilverluxTM反射フィルム」の製品、または拡散反射性のもの、例えば、3M社製の商品名「ScotchcalTMフィルム 品番:1125−20」の製品が使用できる。
【0011】
光源1は、図示するような棒状のものの他、球状等の光源が使用でき、好ましくは蛍光管である。又、光源1は、発光面6cに対向して導光空間3内に設けることもできるが、光源1からの直接光が発光面に集中しその部分と他の部分との間に輝度の差が生じることを容易に防止できることから、図示するように、導光空間3の少なくとも1つの側面位置に配置されるのが好ましい。光源1が導光空間3の上記側面位置に配置される場合、発光面6cにおける輝度を上昇させ、及びその輝度のムラをなくすことが容易にできることから、上記側面位置に対向する側面に、又は上記側面位置に隣り合う側面位置、即ち第1プリズム板6及び第2プリズム板8の長手方向の側面6b,8b側に、それぞれ1個の光源を設けることが好ましい。特には、3以上の側面位置に光源を設けるのが好ましい。又、光源1から放射された光が有効に導光空間3内方向へ照射されるように、光源1に対して導光空間3が位置する方向とは反対方向に、U字形状断面の反射板2を設ける。
【0012】
次に、本ライトボックスにおける特徴部分である多孔質体を備えた光拡散部材4について説明する。光拡散部材4は次に述べるような多孔質体の性質を利用することにより、多孔質体を備えた当該光拡散部材内に一つの方向から進入してきた光を内部で乱反射させ、光拡散部材4の外側に多方向に向けて放出させて光拡散機能を発揮するものである。図12に示すように、上記多孔質体内の孔41は、多孔質体を形成する材料42(例えば繊維)に囲まれた空間からなり、その孔41を通過してきた光は孔41の表面、即ち上記材料の表面42aにおいて反射及び屈折され、反射光と屈折光とに分かれる。上記孔の表面42aは、光を乱反射させること、及び上記屈折光の進行方向を種々の向きに変えることができる不定形等の形に形成されており、入射方向の等しい光を反射及び屈折した後に、ばらばらの方向に進行する光線群からなる拡散光とすることができる。例えば多孔質体を後述するような繊維材料から形成すれば、孔41の表面42aを容易に不定形とすることができる。上記拡散部材4内に進入してきた光は、多孔質体を形成する材料42の中、又は孔41(即ち上記空間)の中を通過し、その通過光が孔の表面42aにおいて上記のようにして反射及び屈折される。又、多孔質体内ではこのような反射が何回も繰り返されるので、均一な明るさの拡散光を得ることができる。このような拡散部材4は多孔質体を有することから軽量であり、かつ光の散乱を得やすく、ライトボックス用の拡散部材として優れている。
【0013】
上記多孔質体としては、樹脂を含む例えばスポンジのような連続体、又は合成繊維、天然繊維、金属繊維、セラミック繊維等からなる繊維の集合体である。上記樹脂は合成高分子に限らず天然高分子でもよく、上記連続体としてはヘチマ、綿花等の天然素材も使用できる。又、上記樹脂としては、セルロース系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系等が使用できる。上記繊維の集合体としては、綿状に自然に繊維が絡まってできたものや、不織布または織布の用に人工的に形成されたものが使用できる。又、繊維の集合体としては、裁断、打ち抜き等の加工のし易さから不織布または織布が好適である。又、光拡散機能の点からは、孔の体積を比較的容易に大きくすることが可能でそれによって上記多孔質体を通過する光量を多くし、発光面6cにおける輝度を容易に上昇させることが可能であることから、上述した繊維材料からなる多孔質体、即ち、不織布または織布が好ましい。尚、光透過性の高い繊維の場合、よりいっそう発光面6cの輝度を上昇させることができる。
【0014】
好適な不織布として具体的には、3M社製で商品名「ThinsulateTM」の製品が挙げられる。
又、上記多孔質体の体積密度は、その値が小さすぎると光拡散機能が低下するおそれがあり、反対に大きすぎると光拡散機能が過度に大きくなり、発光面6cの輝度の均一性が低下する恐れがあることから、1.0×10-4〜1mg/mm3の範囲であるのが好ましい。
このような多孔質体を備える、又は上記多孔質体からなる光拡散部材4は、例えば図示するような板状の形状であり、導光空間3内において例えば第2プリズム板8の表面8dに、透明性の高い接着剤または両面接着テープを使用して取り付けられる。尚、光拡散部材4は例えば第2プリズム板8の表面8dに取り付けられなくてもよく、第2プリズム板8、第1プリズム板6と接していても、離れていても良い。
又、光拡散部材4が導光空間3内に占める体積割合は、5%以上100%以下の範囲、特に20〜70%の範囲であるのが好ましい。その理由は、上記体積割合が5%未満であると光拡散機能が低下するおそれがあるからである。
【0015】
又、光拡散部材4の平面形状としては、第1、第2プリズム板6,8の平面形状にかかわらず、種々の形状のものを使用でき、例えば矩形、三角、円、楕円等である。図4に示す光拡散部材4は、図1に示すタイプに相当し、第1、第2プリズム板6,8の相似形である場合を示している。図5に示す光拡散部材4は楕円の場合を示し、図6に示す光拡散部材4はひし形であってその対角線4aを例えば第2プリズム板8の側面8aに平行とし対角線4bを例えば第2プリズム板8の側面8bに平行として配置した場合を示している。図7に示す光拡散部材4は第2プリズム板8の中央部に配置した場合を示している。尚、図4ないし図7において矢印150は光源1からの光の進行方向を示す。
【0016】
又、発光面6cにおける輝度の均一性をさらに向上させるため、光拡散部材4は光源から離れるに従い導光空間3内における占有体積が多くなるような形状とするのが好ましい。又、同様の理由により導光空間3の中央部に位置する光拡散部材4の部分は、他の部分に比べて隆起させるのが好ましい。又、同様の理由により、光拡散部材4の体積密度について、縁部4cよりも中央部4dにおける体積密度を大きくする方が好ましい。又、同様の理由により、光拡散部材4は、光を反射しやすい色、例えば白色や金属光沢色等の色を有するのが好ましく、反射光及び屈折光を有効に拡散光として利用するためには無色透明であるのがさらに好ましい。
又、光拡散部材4の厚さは、通常、導光空間3の隙間の1/20以上にする。又、上述した光源1が例えば複数の点光源からなるような場合には、光源1に対向する光拡散部材4の側面には光源の形状に対応して例えば半球形状の凹部を形成するようにしてもよい。
【0017】
さらに、発光する表面における輝度をムラなく均一に大きくするために、第1プリズム板6の発光面6cの全面に拡散板9を設けるのが好ましい。拡散板9は、光透過性樹脂を含む材料にてなり、上記発光面6cに対向する拡散板9の裏面9b又は表面9aの少なくとも一方に細かい凹凸を施したり、発光面6cから放射される光を拡散させる粒子を拡散板9内に混ぜ込んだ材料から成形された板等から形成することができる。尚、このような拡散板9を設けた場合には、拡散板9の表面9aがライトボックスの発光表面となる。
【0018】
又、本ライトボックスにおいて発光する表面の輝度を均一にしたり、表面全体の明るさを増すために、図8に示すように、拡散板9の表面9aの全面を覆うようにして、第3のプリズム板11を設けることもできる。このように第3プリズム板11を設けた場合には、第3プリズム板11の表面11aがライトボックスの発光表面となる。尚、第3プリズム板11は、上述した第1プリズム板6、第2プリズム板8と同じ材料、形状にてなるものである。
【0019】
又、拡散板9を設けない場合における発光面6c、又は拡散板9を設ける場合における発光表面9a、さらに第3プリズム板11を設ける場合における発光表面11aのそれぞれにおける輝度を均一にするため、及び発光面6c、発光表面9a又は発光表面11aの全面の明るさを増すために、図9及び図10に示すように、光源1と導光空間3との間に、光源1に沿って第4のプリズム板10を設けることもできる。第4プリズム板10は、上述した第1プリズム板6、第2プリズム板8と同じ材料、形状にてなるものである。尚、図9及び図10に示すように、第4プリズム板10に形成されるプリズム部61は、光源1の延在方向と同方向に延在しているが、これに限らず、光源1の延在方向に直交する方向に延在するタイプであってもよい。
【0020】
又、導光空間3は、光源1、第1プリズム板6、第2プリズム板8が設けられる部分に開口を有し、光源1から導光空間3内に照射される光を外部に漏らさないような構造であり、例えば、アルミニウム、遮光性塗料が塗られた樹脂等の遮光性材料製の中空ボックスから形成してもよい。
【0021】
次に、本実施例におけるライトボックスの具体的な寸法等を説明する。尚、以下に説明するライトボックスの構成は、基本的に図8に示す構成であるが、光源1が第1プリズム板6及び第2プリズム板8の長手方向の側面6b,8bに沿って延在する点が図8に示す構成とは異なる。
このライトボックスは、横約243mm,縦約210mm、厚さ約12mmの大きさからなるものである。第1プリズム板6、第2プリズム板8、及び第3プリズム板11としては、上述した3M社製の「BEF」の型番90のものを使用し、上述したように、又、図8に示すように、第1プリズム板6及び第2プリズム板8を配置して、厚さ10mmの導光空間3を造る。導光空間3の両端には、線状光源1として、長さ240mm、直径4mmで消費電力1.2Wの蛍光管を配置する。又、第1プリズム板6の裏面6cの全面に横240mm、縦197mmの大きさを有する拡散板9を配置し、さらに拡散板9の表面9aの全面には第3プリズム板11を配置した。尚、図示するように、第1プリズム板6に形成されたプリズム部61は導光空間3側に位置し、第3プリズム板11に形成されたプリズム部61はライトボックスの外部側に位置する。又、第1プリズム板6及び第3プリズム板11のプリズム部61は、ともに光源1の延在方向と同方向に延在する。第2プリズム板8に形成されたプリズム部61は導光空間3側に位置し、光源1の延在方向に直交する方向に延在する。さらに、第2プリズム板8の裏面8cの全面には、横240mm、縦197mmの大きさを有する反射板5を配置した。又、第1プリズム板6及び第2プリズム板8の長手方向の側面6b,8bに沿って、光反射効率のよい白色のフィルムにてなる反射板7を設置する。又、導光空間3内の中央部には、不織布からなる光拡散部材4を設置する。上記不織布としては、上述した、3M社製の「Thinsulate」を加工し、体積密度が0.01mg/mm3としたものを242mm×70mm×10mmの大きさに切り取ったものを用いた。
【0022】
上述した構造にて形成されたライトボックスは、光源1が発光することで光源1から放射された光が導光空間3内に照射され、光拡散部材4によって上記光が拡散されて第1及び第2プリズム板6,8に入射する。第2プリズム板8に入射した光は反射板5にて反射され再度導光空間3方向へ進行し第1プリズム板6に入射する。光源1、第2プリズム板8、光拡散部材4、反射板7等から直接又は間接に第1プリズム板6へ入射した光は、第1プリズム板6を透過し拡散板9に入射して拡散され、第3プリズム板11に入射する。そして第3プリズム板11に入射した光は、第3プリズム板11を透過し第3プリズム板11の表面11aから外部へ放射される。
【0023】
ライトボックスを暗室内で発光させ、図8に示す第3プリズム板11の発光表面11aの鉛直上方方向、即ち発光表面11aを基準として反導光空間3方向において、図11に示すように点線71と点線72との交点に位置する測定点70にてその輝度を測定した。尚、点線71は、図11に示す第3プリズム板11の縦方向に延在する仮想の点線であり、各点線71が延在する位置は、発光表面11aの横方向、即ち光源1の延在方向に図示する寸法にて指定される位置、即ち左部、左中央部、中央部、右中央部、右部に対応する位置である。点線72は、第3プリズム板11において光源1の延在方向に延在する仮想の点線であり、各点線72は発光表面11aの縦方向、即ち光源1の延在方向に直交する方向に図示する寸法にて指定される位置、即ち上部、上中央部、中央部、下中央部、下部に対応する位置である。
各測定点70にて測定された各点の輝度値を表1に示す。尚、表1に示す輝度値を測定するために使用したライトボックスをライトボックス80とする。
【0024】
又、図10に示すように、第1プリズム板6等と同じ材料である、3M社製の上記「BEF」の型番90を242mm×10mmの大きさに切り取った第4プリズム板10を、光源1と導光空間3との間に介在させた構造を有するライトボックスを発光させた場合において、上記測定点70における測定結果を表2に示す。尚、表2に示す輝度値を測定するために使用したライトボックスをライトボックス81とする。
【0025】
又、上記ライトボックス80から、光拡散部材4を除去した構造を有するライトボックス82を使用して測定した輝度値を表3に示す。
又、上記ライトボックス81から、光拡散部材4を除去した構造を有するライトボックス83を使用して測定した輝度値を表4に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
表1と表3、及び表2と表4の比較からも明らかなように、本実施例のライトボックス80,81にて得られる輝度値(明るさ)の標準偏差が従来のタイプに相当するライトボックス82,83にて得られる輝度値の標準偏差に対して約20%小さくなり、肉眼の観察においても明るさの均一性の改善が確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、光源から導光空間へ投光された光を拡散する光拡散部材を備えたことより、第1プリズム板における発光面全体にわたって均一な明るさを得ることができる。ライトボックスのサイズが大きくなりそれに伴い光拡散部材のサイズも大きくなっても、光拡散部材は多孔質体を含むものであるので、ライトボックス全体の重量を増加させることはない。又、光拡散部材は、多孔質体を含む部材であることから、加工性がよく製造コストを低減することができる。さらに、光拡散部材は、単に導光空間内に設ければよいことから、従来用いられていた勾配パターンをもつ網点印刷や、拡散板やプリズムフィルムを曲げたり傾斜させたりすることが必要なくなく、製造が簡単となり、製造コストを低減することができる。又、光源を導光空間内に設けていないことから、ライトボックスを薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるライトボックスの構成の一例を示す組立分解図である。
【図2】 図1に示すライトボックスにおける長手方向に沿って切断したときの断面図である。
【図3】 図1に示されるプリズム板に形成されるプリズム部の形状を示す図である。
【図4】 本実施例のライトボックスに備わる光拡散部材の平面形状を示す図である。
【図5】 本実施例のライトボックスに備わる光拡散部材の他の平面形状を示す図である。
【図6】 本実施例のライトボックスに備わる光拡散部材の他の平面形状を示す図である。
【図7】 本実施例のライトボックスに備わる光拡散部材の他の平面形状を示す図である。
【図8】 本発明の一実施例であるライトボックスの他の構成例を示す組立分解図である。
【図9】 本発明の一実施例であるライトボックスのさらに他の構成例を示す組立分解図である。
【図10】 本発明の一実施例であるライトボックスのさらに他の構成例を示す組立分解図である。
【図11】 ライトボックスの発光面における輝度を測定するための測定点の位置を示す図である。
【図12】 本実施例のライトボックスに備わる光拡散部材を構成する多孔質体を示す図である。
【図13】 従来のライトボックスの断面図である。
【符号の説明】
1…光源、3…導光空間、4…光拡散部材、6…第1プリズム板、
8…第2プリズム板、61…プリズム部。
Claims (9)
- 透光性を有する板材でありその厚さ方向の一面が平坦な発光面であり上記一面に対向する他面には複数のプリズム部が形成された第1プリズム板(6)と、板状体(8,5)とを略平行に対向させて配置することで上記第1プリズム板と上記板状体との間に導光空間(3)を形成し、上記発光面から放射するための光を上記導光空間へ投光する光源(1)を備えたライトボックスであって、
多孔質体を含み、上記光源からの光を内部で乱反射させ外側に多方向に向けて放出させる光拡散機能を有する光拡散部材(4)を上記導光空間内に備え、上記光拡散部材は、上記導光空間の隙間の1/20以上の厚みを有することを特徴とするライトボックス。 - 上記多孔質体の体積密度が、1.0×10−4〜1mg/mm3の範囲である、請求項1記載のライトボックス。
- 上記多孔質体が繊維材料からなる、請求項1又は2記載のライトボックス。
- 上記光拡散部材は、上記導光空間の平面形状に相似する平面形状を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のライトボックス。
- 上記光拡散部材は、上記光源からの距離が大きくなるに従い上記導光空間における占有体積が大きくなる形状である、請求項1ないし3のいずれかに記載のライトボックス。
- 上記光拡散部材は、上記導光空間の中央部近傍に対応する部分が第1プリズム板方向に隆起した形状を有する、請求項1ないし4のいずれかに記載のライトボックス。
- 上記板状体は、上記第1プリズム板と同じ構造を有する第2プリズム板(8)であり、上記第2プリズム板における上記複数のプリズム部が形成された上記他面が、上記導光空間側に向けて配置されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のライトボックス。
- 上記光源は上記導光空間の少なくとも1つの側面位置に配置され、上記第2プリズム板の上記プリズム部は凸状の断面形状であり上記光源から発した光の光軸に対して平行に配置されている、請求項7記載のライトボックス。
- 上記第1プリズム板の上記プリズム部は凸状の断面形状であり上記光源から発した光の光軸に対して直交して配置される、請求項1なしい8のいずれかに記載のライトボックス。
Priority Applications (1)
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