JP3758698B2 - イミノ化合物の製法 - Google Patents

イミノ化合物の製法 Download PDF

Info

Publication number
JP3758698B2
JP3758698B2 JP00196695A JP196695A JP3758698B2 JP 3758698 B2 JP3758698 B2 JP 3758698B2 JP 00196695 A JP00196695 A JP 00196695A JP 196695 A JP196695 A JP 196695A JP 3758698 B2 JP3758698 B2 JP 3758698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
imino
reaction
general formula
urea
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP00196695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08188572A (ja
Inventor
一広 大西
強介 小宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP00196695A priority Critical patent/JP3758698B2/ja
Publication of JPH08188572A publication Critical patent/JPH08188572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3758698B2 publication Critical patent/JP3758698B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、顔料の中間体や感熱発色材料として有用な、イミノ化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下記一般式(1)
【0003】
【化3】
Figure 0003758698
【0004】
(式中、A1 はOまたはNHを表し、Zは>C=NH基と共役系を形成し得る芳香族環基を表す。)で表されるイミノ化合物(以下、化合物1と略す。)を、一般式(2)
【0005】
【化4】
Figure 0003758698
【0006】
(式中、A2 はOまたはNHを表す。Zは一般式(1)と同じ。)
で表される化合物(以下、化合物2と略す。)を原料として製造する方法は古くから知られている。
一般的な方法としては、Angew.Chem./68.Jahrg.1956/Nr.4に、3塩化リンとオキシ塩化リンに塩素を加えて5塩化リンとした後、テトラクロルフタルイミドと反応させて1,3,3,4,5,6,7−ヘプタクロロ−イソインドレニンを得、さらにアンモニアと反応させて1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリンを合成する方法が示されている。この方法は、置換基を有する無水フタル酸を原料としても目的物が得られる反面、5塩化リンのように発煙性のある取り扱いにくい反応剤を必要とすること、反応プロセスが長いこと等の問題点があった。
【0007】
特公昭29−3324号公報では、無水フタル酸と尿素をモリブデン酸アンモニウム等の触媒の存在下で反応させて、1,3−ジイミノイソインドリンを製造する方法などが開示されている。この方法は、無置換の無水フタル酸を原料とする場合には、比較的高収率で目的物を得ることはできるが、副生物が少なくとも5%程度生成する。また、Angew.Chem./68.Jahrg.1956/Nr.4に記載されているように、無水フタル酸が電子吸引基で置換されているような場合には、好ましい方法ではない。このため、化合物1をさらに高収率で合成する方法が求められていた。
【0008】
本発明者らは、置換基に関わらず化合物1を高収率に製造する方法として、ポリ酸原子がモリブデンであるヘテロポリ酸を触媒として用いる方法を先に見いだした。(特願平5−264068号明細書)
ところで、化合物1はいずれも顔料の中間体や感熱発色材料として有用である。特に感熱発色材料として用いる場合には、A1 がOの化合物(以下、A1 Oと略す。)より、A1 がNHの化合物(以下、A1 NHと略す。)が感度の点でより好ましい。反応は、A1 Oを経由してA1 NHが生成する。従来、A1 Oに対するA1 NHの割合を、副生物の生成を増加させることなく効率的に高める方法については全く知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、化合物2を原料として、化合物1を製造するに際し、上記5塩化リンの如き反応剤を用いることなく、高収率で、かつA1 Oに対するA1 NHの割合を高め、効率的に製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた結果、特定の方法を用いて反応させることにより、その目的を達成できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕下記化合物1
【0011】
【化5】
Figure 0003758698
【0012】
(式中、A1 はOまたはNHを表し、Zは>C=NH基と共役系を形成し得る芳香族環基を表す。)で表される 1 がNHであるジイミノ化合物を含むイミノ化合物を製造する方法において、下記一般式(2)
【0013】
【化6】
Figure 0003758698
【0014】
(式中、A2 はOまたはNHを表す。Zは上記一般式(1)と同じ。)で表される化合物と、アンモニアまたは尿素とを触媒の存在下で反応させる際に、上記一般式(1)におけるA1 がOの化合物の析出速度を測定し、析出速度が尿素100gに対して0.41g/hr〜4.5g/hrの範囲で、上記一般式(2)で表される化合物を反応系に分割添加して反応させることを特徴とするイミノ化合物の製法、
〔2〕反応系で生成する沈澱物をスラリー状態で反応系外に抜き出し、該スラリーを固液分離して液体は反応系に再び供給し、固体は洗浄乾燥して上記一般式(1)で表されるイミノ化合物として回収することを特徴とする〔1〕記載の製法を提供するものである。
【0015】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明の化合物1は、その構造中に少なくとも1個以上の>C=NH基を有する。式(1)中のZで表される芳香族環基の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、アントラセン環、インデン環、フルオレン環、フェナントレン環、アセナフテン環等およびそれらの誘導体等が挙げられる。誘導体を形成する置換基の例としては、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、アルキルメルカプト基等が挙げられる。
【0016】
式(1)中のA1 は、OまたはNHを表す。本発明の方法では、まず中間生成物としてA1 Oが得られ、ついで最終生成物であるA1 NHが逐時的に得られる。これらは何れも感熱発色材料として有用な化合物であるが、上述したようにA1 NHは、A1 Oと比べて感度の点でより有用である。
このようなイミノ化合物としては、アゾメチン系顔料、とりわけイソインドリノン系顔料の合成原料、ないしは該顔料構造の部分構造を有する化合物など数多く知られている。例えば、特開昭48−4601号公報、特開昭48−83116号公報、特開昭49−128933号公報、特開昭54−83026号公報、特開昭56−109255号公報等に記載されている。
【0017】
具体例としては、例えばA1 Oの場合、3−イミノイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラブロムイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラフルオロイソインドリン−1−オン、3−イミノ−5,6−ジクロロイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,7−トリクロロ−6−メトキシ−イソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,7−トリクロロ−6−メチルメルカプト−イソインドリン−1−オン、3−イミノ−8−ニトロイソインドリン−1−オン等、またA1 NHの場合には、1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1,3,ジイミノ−6−メトキシイソインドリン、1,3−ジイミノ−6−シアノイソインドリン、7−アミノ−2,3−ジメチル−5−オキソピロロ[3,4b]ピラジン、7−アミノ−2,3−ジフェニル−5−オキソピロロ[3,4b]ピラジン等が挙げられる。
【0018】
化合物1は、条件によって下記式の様な異性体構造を取るといわれている[P.F.Clark et al,J.Chem.Soc.3593(1953)]。
【0019】
【化7】
Figure 0003758698
【0020】
従って、上述した化合物名称は場合により異なった名称で表現される場合もあるが、これらは全て化合物1に包含されるものである。本発明で用いられる化合物2において、芳香族環基であるZは、一般式(1)と全く同じである。A2 はOまたはNHを表す。A2 がNHである化合物は、A2 がOである化合物を原料として本発明を実施した場合の中間生成物である。
【0021】
本発明では、上記の化合物2と、アンモニアまたは尿素とを、触媒の存在下で反応させて化合物1を製造するが、その際、反応系に化合物2を分割添加することが必須である。
本発明において分割添加とは、反応系に化合物2を全て仕込んでから反応させるのではなく、反応の進行と共に分割して供給することを意味する。また、化合物2を連続的に供給しても良く、セミバッチ的に一定時間毎に供給しても構わない。
【0022】
反応の進行と共にA1 Oは固体として析出し始める。化合物2は、A1 Oの析出速度が尿素100gあたり0.001g/hr〜10g/hrの範囲で分割添加することが好ましい。
本発明の方法でA1 Oに対するA1 NHの割合を高めて効率的に製造することができる理由については明らかでないが、おそらく反応系内に化合物2を大量に仕込んだ場合、最終生成物であるA1 NHとなる前に、中間生成物であるA1 Oの状態で固体として析出し、その析出した固体の反応速度が溶解状態に比べて著しく低下するためと考えられる。また、この状態で反応を進めるため、むやみに反応時間を長くすることは副生物の増加を招くので好ましくない。また、析出を防ぐため、分割添加せずに化合物2の仕込量を少なくすると副生物が増加し、かつ、反応器の容積当たりの目的化合物の生成量が少なくなるので効率的ではない。本発明の分割添加によって初めて、高収率で、かつA1 Oに対するA1 NHの割合を高めて効率的に製造するという本発明の目的を達することができるのである。
【0023】
本発明では、化合物2を分割添加し、かつ反応系で生成する沈澱物をスラリー状態で反応系外に抜き出し、該スラリーを固液分離して液体は反応系に再び供給し、固体は洗浄乾燥して化合物1として回収する方法が好ましい。この方法では化合物1を連続的に製造することができる。このことは、工業的に実施する場合には設備を小さくし、ハンドリングを容易にできる点で極めて有利である。またこの方法によれば、反応で生成した化合物2を長期間反応系にとどめることなく系外に排出できるので、副生物の生成を抑制することも可能となる。
【0024】
本発明において、アンモニアまたは尿素は、通常、目的とするイミノ化合物を製造するための化学量論量より過剰量が使用される。通常、化学量論量に対して、1.01〜1000倍の範囲であり、好ましくは1.1〜300倍の範囲である。本発明で用いられるアンモニアとしては、液体アンモニア、アンモニアガス等の何れも使用可能である。また、アンモニアと尿素を併用して反応させても構わない。
【0025】
本発明で用いる触媒には特に制限はないが、通常、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデンなどのモリブデン化合物、塩化チタン、ほう酸、バナジン酸アンモニウム等が用いられる。特に好ましいのは、ポリ酸原子をモリブデンとするヘテロポリ酸である。ヘテロポリ酸とは、2種以上の酸素酸からなる縮合酸である。ヘテロ原子としては、P、AS、Si、Ge、Ti、Ce、Th、Mn、Ni、Te、I、Co、Cr、Fe、Ga等が挙げられる。モリブデン酸のヘテロポリ酸の具体例としては、H3 (PMo1240)、H3 (AsMo1240)、H4 (SiMo1240)、H4 (GeMo1240)、H4 (TiMo1240)、H8 (CeMo1242)、H8 (ThMo1242)、H7 (PMo1139)、H7 (AsMo1139)、H8 (GeMo1139)、H6 (MnMo9 32)、H6 (NiMo9 32)、H6 (TeMo6 24)、H5 (IMo6 24)、H3 (CoMo6 246 )、H3 (CrMo6 246 )、H3 (FeMo6 246 )、H3 (GaMo6 246 )、H4 (NiMo6 246 )、H6 (P2 Mo1862)、H6 (As2 Mo1862)等が挙げられる。
【0026】
さらに、原子を2種以上配位させた混合配位ヘテロポリ酸、例えば、H4 PMoW1140、H4 PReW1140、H4 PVMo1140、H5 PV2 Mo1040、H3 PMo6 6 40等も用いられる。これらのヘテロポリ酸は、水和物であってもかまわない。
これらのヘテロポリ酸は何れも公知のものである。合成の容易さ、または入手の容易さの点から、ヘテロ原子としてPまたはSiを含有するヘテロポリ酸が好ましく、特に、12−モリブドリン酸、12−モリブドケイ酸等が好ましい。
【0027】
これらの触媒は、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
本発明において、反応温度は、100〜200℃の範囲が好ましく、120〜180℃の範囲がさらに好ましい。この温度範囲より高い場合も低い場合も収率は低下する。反応圧力に特に制限はなく、通常常圧下で実施されるが、反応液中のアンモニア濃度を高め、反応速度を速めるために、加圧下に反応を行うことも好ましい方法である。反応時間は、反応温度や触媒量および目的とするイミノ化合物の種類等によっても異なり、特に制限はないが、通常10分〜30時間程度の範囲で選択される。
【0028】
本発明の反応は、無溶媒でも実施できるが、必要に応じて溶媒を使用して実施される。使用される溶媒に特に制限はないが、通常、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、窒素化合物系溶剤等が用いられる。具体例としては、流動パラフィン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、安息香酸エチル、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン等が挙げられる。
【0029】
本発明で反応を実施する際、必要に応じて反応系内に安定剤を存在させることも可能である。安定剤の例としては、硝酸、燐酸、塩酸、メタンスルフォン酸、メチオン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸等の無機酸や有機酸、またはそのアンモニウム塩類等が挙げられる。これらの安定剤は、しばしば目的物の収率を向上させる上で有効である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、反応物の定量分析は、反応物をジメチルアセトアミドに溶解した後、高速液体クロマトグラフを用いて行った。
【0031】
【実施例1】
撹拌器を備え付けた100mlのガラス製四ツ口フラスコに尿素7.5g、モリブデン酸アンモニウム4水和物0.016g(モリブデン0.09mg当量)、ニトロベンゼン20.0g、硝酸アンモニウム1.62gを仕込み、オイルバスにより170℃まで加温した後、無水フタル酸1.48gを3分割して0.49gずつ30分ごとに添加して2時間反応させた。反応開始時から経時的に分析を行い、3−イミノイソインドリン−1−オンの析出速度を測定した。3−イミノイソインドリン−1−オンの析出は、30分後から始まり2時間後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり4.1g/hrであった。
【0032】
その結果、無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノイソインドリン59.6%、3−イミノイソインドリン−1−オン35.1%、合わせて94.7%であった。他に、中間体であるフタルイミド1.2%が生成された。また、1,3−ジイミノイソインドリンと3−イミノイソインドリン−1−オンの比率は63/37であった。
【0033】
【比較例1】
無水フタル酸を分割添加せずに、反応開始時に1.48g全量仕込んだ他は、実施例1と全く同様に反応を行った。この時、3−イミノイソインドリン−1−オンの析出は、5分後から始まり15分後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり54g/hrであった。
【0034】
その結果、無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノイソインドリン50.8%、3−イミノイソインドリン−1−オン42.1%、合わせて92.9%と実施例1よりも低い値であった。他に、中間体であるフタルイミド3.1%が生成された。また、1,3−ジイミノイソインドリンと3−イミノイソインドリン−1−オンの比率も55/45であり、実施例1よりも低い値であった。
【0035】
【実施例2】
撹拌器を備え付けた100mlのガラス製四ツ口フラスコに尿素7.5g、12−モリブドケイ酸30水和物0.018g(モリブデン0.09mg当量)、ニトロベンゼン20.0g、硝酸アンモニウム1.62gを仕込み、オイルバスにより150℃まで加温した後、無水フタル酸1.48gを3分割し0.49gづつ30分毎に添加して2時間反応させた。この時、3−イミノイソインドリン−1−オンの析出は、30分後から始まり2時間後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり4.5g/hrであった。
【0036】
その結果、無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノイソインドリン58.6%、3−イミノイソインドリン−1−オン37.6%、合わせて96.2%であった。他に、中間体であるフタルイミド2.0%が生成された。また、1,3−ジイミノイソインドリンと3−イミノイソインドリン−1−オンの比率は61/39であった。
【0037】
【比較例2】
無水フタル酸を分割添加せずに、反応開始時に1.48g全量仕込んだ他は、実施例2と全く同様に反応を行った。この時、3−イミノイソインドリン−1−オンの析出は、15分後から始まり30分まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり34g/hrであった。
【0038】
その結果、無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノイソインドリン45.9%、3−イミノイソインドリン−1−オン46.7%、合わせて92.6%であり、実施例2よりも低い値であった。他に、中間体であるフタルイミド5.1%が生成された。また、1,3−ジイミノイソインドリンと3−イミノイソインドリン−1−オンの比率も50/50であり、実施例2よりも低い値であった。
【0039】
【実施例3】
撹拌器を備え付けた100mlのガラス製四ツ口フラスコに尿素15.0g、12−モリブドケイ酸0.36g(モリブデン1.81mg当量)、ニトロベンゼン10.0g、硝酸アンモニウム3.24gを仕込み、オイルバスにより140℃まで加温した後、テトラクロル無水フタル酸0.855gを3分割して0.285gづつ1時間毎に添加して3時間反応させた。この時、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの析出は、1時間後から始まり3時間後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり1.7g/hrであった。
【0040】
その結果、テトラクロル無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン56.8%、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オン38.2%、合わせて95.0%であった。他に、中間体であるテトラクロルフタルイミド3.8%が生成された。また、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリンと3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの比率は60/40であった。
【0041】
【比較例3】
テトラクロル無水フタル酸を分割添加せずに、反応開始時に0.855g全量仕込んだ他は、実施例3と全く同様に反応を行った。この時、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの析出は、10分後から始まり20分後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり14g/hrであった。
【0042】
その結果、テトラクロル無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン43.0%、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オン46.1%、合わせて89.1%であり、実施例3よりも低い値であった。他に、中間体であるテトラクロルフタルイミド5.5%が生成された。また、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリンと3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの比率も48/52であり、実施例3よりも低い値であった。
【0043】
【比較例4】
テトラクロル無水フタル酸を分割添加せずに、反応開始時に0.285g全量仕込んだ他は、実施例3と全く同様に反応を行った。この時、固体の析出は無く、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの析出も無かった。
【0044】
その結果、テトラクロル無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン51.0%、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オン34.1%、合わせて85.1%であり、実施例3に比べ副生物が増加した。他に、中間体であるテトラクロルフタルイミド1.2%が生成された。
【0045】
【実施例4】
撹拌器を備え付けた1000mlのジャケット付きガラス製リアクタ−に尿素480g、12−モリブドリン酸30水和物12.0g(モリブデン58.0mg当量)、ニトロベンゼン320g、塩化アンモニウム26.0gを仕込み、加熱オイル循環により130℃まで加温した後、テトラクロル無水フタル酸2.75gを30分毎に添加して16時間の反応を行い、合計で87.8g反応させた。この時、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの析出は、1時間後から始まり16時間後まで確認された。この間の析出速度は、尿素100g当たり0.41g/hrであった。反応2時間後から、反応系で生成する沈澱物をスラリ−状態で反応系外に抜き出し、該スラリ−を固液分離して液体は反応系に再び供給し、固体は洗浄乾燥して回収しながら反応を行った。
【0046】
その結果、テトラクロル無水フタル酸の転化率は100%であった。各反応生成物の収率は、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン53.9%、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オン36.0%、合わせて89.9%であった。他に、中間体であるテトラクロルフタルイミド7.8%が生成された。また、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリンと3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの比率は60/40であった。得られた固体は、76.9gであり、固体中の割合は1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン64.2wt%、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オン30.4wt%、テトラクロルフタルイミド5.2wt%、その他不明成分0.2wt%であった。1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリンと3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン−1−オンの比率は68/32であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、顔料の中間体や感熱発色材料として有用なイミノ化合物を、取り扱いにくい反応剤を用いることなく、シンプルなプロセスで高収率に製造することができる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003758698
    (式中、A1 はOまたはNHを表し、Zは>C=NH基と共役系を形成し得る芳香族環基を表す。)で表されるA1 がNHであるジイミノ化合物を含むイミノ化合物を製造する方法において、下記一般式(2)
    Figure 0003758698
    (式中、A2 はOまたはNHを表す。Zは上記一般式(1)と同じ。)で表される化合物と、アンモニアまたは尿素とを触媒の存在下で反応させる際に、上記一般式(1)におけるA1 がOの化合物の析出速度を測定し、析出速度が尿素100gに対して0.41g/hr〜4.5g/hrの範囲で、上記一般式(2)で表される化合物を反応系に分割添加して反応させることを特徴とするイミノ化合物の製法。
  2. 反応系で生成する沈澱物をスラリー状態で反応系外に抜き出し、該スラリーを固液分離して液体は反応系に再び供給し、固体は洗浄乾燥して上記一般式(1)で表されるイミノ化合物として回収することを特徴とする請求項1記載の製法。
JP00196695A 1995-01-10 1995-01-10 イミノ化合物の製法 Expired - Lifetime JP3758698B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00196695A JP3758698B2 (ja) 1995-01-10 1995-01-10 イミノ化合物の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00196695A JP3758698B2 (ja) 1995-01-10 1995-01-10 イミノ化合物の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08188572A JPH08188572A (ja) 1996-07-23
JP3758698B2 true JP3758698B2 (ja) 2006-03-22

Family

ID=11516332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00196695A Expired - Lifetime JP3758698B2 (ja) 1995-01-10 1995-01-10 イミノ化合物の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3758698B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08188572A (ja) 1996-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108047089B (zh) 一种4-叔丁基邻苯二甲腈的制备方法
JP3778589B2 (ja) イミノ化合物の製造方法
JP3758698B2 (ja) イミノ化合物の製法
JP3778590B2 (ja) イミノ化合物の製造法
US5637733A (en) Syntheses of fluorescein compounds with excess resorcinol as a solvent
JP3368797B2 (ja) 銅フタロシアニンの製造方法
KR100337409B1 (ko) 구리프탈로시아닌의제조방법
JPH03100016A (ja) ポリマレイミド化合物の製造方法
US3300512A (en) Synthesis of metal-containing phthalocyanines
JPH0797366A (ja) イミノ化合物の製造方法
JPH07119369B2 (ja) 金属フタロシアニン及び/又はその誘導体の製造法
US4214100A (en) Process for preventing blackening of phthalic acid
JP2662445B2 (ja) 銅フタロシアニン化合物の製造方法
JPH03236362A (ja) p―アセチルアミノフェノールの製造法
JP3496276B2 (ja) 銅フタロシアニンの製造法
JP4020663B2 (ja) 芳香族化合物の製造法
JPS60193992A (ja) 金属フタロシアニン類の製造方法
JP3865426B2 (ja) 鮮明な銅フタロシアニン顔料の製造方法
JPH07258214A (ja) イミノ化合物の製造法
JPH055866B2 (ja)
JPS61180738A (ja) アルキル(ジヒドロキシフエニル)ケトンの製造法
JPS584022B2 (ja) 7− オキソ −7−h− ジベンゾ − ( de,h ) − キノリン −2− オ−ルノセイゾウホウ
CN113234029A (zh) 一种2-氨基-3,5-二卤代吡嗪的合成方法
JPH0447655B2 (ja)
JPS5850263B2 (ja) ドウフタロシアニンノ セイゾウホウ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050510

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050930

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term