JP3496276B2 - 銅フタロシアニンの製造法 - Google Patents

銅フタロシアニンの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅フタロシアニンの改良
された製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的に広く採用されている銅フ
タロシアニンの製造法は、有機溶媒中で無水フタル酸、
尿素、銅化合物及び触媒を加熱反応させて銅フタロシア
ニンを製造する方法、あるいは有機溶媒中で無水フタル
酸とアンモニアを反応させフタルイミドとし、これに尿
素あるいはその誘導体、銅化合物及び触媒を加えて加熱
反応させる方法が挙げられる。
【0003】このときに使用される溶媒としては、ニト
ロベンゼン、トリクロルベンゼン、トルエン、ナフタリ
ン、アントラセン、ケロセン、安息香酸アルキルエステ
ル、テトラリン、デカリン、アルキルベンゼン、塩素化
アルキルベンゼン、ヘキサクロロブタジエン、灯油、ジ
フェニルメタン、ジフェニルエーテル、スルフォラン又
はその誘導体が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の反応溶媒を用いて銅フタロシアニンを合成するに当た
り、生成する銅フタロシアニンの収率を向上させ、高品
質で与え、更に安価な溶媒を選択することは非常に困難
であった。例えば、特公昭63−42944号公報に記
載の溶媒としてスルフォランを用いる方法は、品質及び
収率に効果を示すものの、スルフォラン自体が高価であ
り、工業的に有利な方法ではなかった。特開昭53−1
40329号公報に記載のアルキルベンゼンと安息香酸
の低級アルキルエステルとの混合溶剤を用いる方法及び
特開昭50−41926号公報に記載の芳香族系高沸点
溶媒とパラフィン系あるいはナフテン系炭化水素溶媒の
混合溶媒を用いる方法では、生成する銅フタロシアニン
の収率における効果がないことなど工業的に与える価値
は小さいものであった。
【0005】従って、銅フタロシアニンを製造するにあ
たって、銅フタロシアニンが高収率で生成し、製造原価
が安価であり、更に高品質の銅フタロシアニンを提供で
きる反応溶媒を選択することは工業的に大きな意義をも
つと言える。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、高品質
で着色強度が高い銅フタロシアニンを高収率でかつ安価
に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな条件満足する溶媒について鋭意検討した結果、パラ
フィン系炭化水素溶媒とナフテン系炭化水素溶媒の混合
物が適していることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(a)無水フタル酸又はその誘導体、(b)尿素又
はその誘導体及び(c)銅又はその化合物を触媒の存在
下に反応させて銅フタロシアニンを製造する方法におい
て、反応溶媒として(d)パラフィン系炭化水素溶媒及
びナフテン系炭化水素溶媒を併用することを特徴とする
銅フタロシアニンの製造法を提供する。
【0009】本発明の銅フタロシアニンの製造法は、無
水フタル酸又はその誘導体、尿素又はその誘導体及び銅
塩を触媒の存在下に有機溶媒中で加熱反応せしめる銅フ
タロシアニンの製造法において、該有機溶媒としてパラ
フィン系炭化水素溶媒とナフテン系炭化水素溶媒との混
合物を反応溶媒として使用し、常圧又は加圧下に反応せ
しめるものであり、溶剤の使用量は従来法と同様で良
い。加圧下の反応において特に効果が得られるが、実用
上10Kg/cm2 以下で実施することが好ましい。加圧の
方法としては、オートクレーブ等の密閉容器中で加圧し
反応せしめ、発生するガス及び蒸気の圧力を利用する。
反応器には調節しうるガス放出口を設け、これより一部
のガス又は蒸気を放出することにより反応器中の圧力を
調節する。
【0010】本発明の製造法において使用するパラフィ
ン系炭化水素溶媒は、常温で液体のものが好ましく、例
えば、炭素原子数5〜15、好ましくは9以上のn−パ
ラフィン、iso−パラフィンが挙げられ、これらのパ
ラフィン系炭化水素溶媒は、複数のものを混合して用い
ることもできる。本発明の製造法において使用するナフ
テン系炭化水素溶媒は、常温で液体のものが好ましく、
例えば、炭素原子数3〜8、好ましくは5〜6のシクロ
アルカンが挙げられ、具体的には、低級アルキル基で置
換されていても良いシクロペンタン、シクロヘキサンが
挙げられる。これらのナフテン系炭化水素溶媒は、複数
のものを混合して用いることもできる。本発明で使用す
るパラフィン系炭化水素溶媒の市販品としては、例え
ば、エッソ社製の「アイソパーM」、「アイソパーL」
等が挙げられる。ナフテン系炭化水素溶媒の市販品とし
ては、例えば、ジャパンエナジー社製の「R−50」等
が挙げられる。パラフィン系炭化水素溶媒とナフテン系
炭化水素溶媒とを含有する混合溶媒の市販品としては、
例えば、日本石油化学(株)製の「AFソルベント4」、
エクソン化学(株)製の「エクソールD40」、「エクソ
ールD60」、「エクソールD80」等が挙げられる。
【0011】また、本発明で使用する無水フタル酸又は
その誘導体は、銅フタロシアニン環を形成し得るもの
で、例えば、フタル酸及びその塩又はそのエステル、無
水フタル酸、フタルイミド、フタルアミド酸及びその塩
又はそのエステル、フタロニトリル等が挙げられる。
【0012】本発明で使用する尿素又はその誘導体とし
ては、例えば、尿素、ビウレット、グアニジン、シアヌ
ル酸等が挙げられ、その使用量は無水フタル酸又はその
誘導体4モル当たり4〜30モルの範囲が好ましい。
【0013】本発明で使用する銅又はその化合物として
は、例えば、金属銅、ハロゲン化第一銅又は第二銅、硫
酸銅、酸化銅、水酸化銅、酢酸銅、炭酸銅、硝酸銅、リ
ン酸銅、シアン化銅、硫化銅等が挙げられる。銅又はそ
の化合物の使用量は、無水フタル酸又はその誘導体4モ
ル当たり0.8〜1.3モルの範囲が好ましい。
【0014】また、本発明に使用する触媒としては、例
えば、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデン、リ
ンモリブデン酸などのモリブデン化合物;四塩化チタ
ン、チタン酸エステル等のチタン化合物;塩化ジルコニ
ウム、炭酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;酸化
アンチモン、酸化ヒ素、ホウ酸等が挙げられる。
【0015】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明
する。以下の実施例及び比較例において、「部」及び
「%」は夫々『重量部』及び『重量%』を表わす。
【0016】(実施例1)無水フタル酸488部、尿素
616部、無水塩化第一銅80部、モリブデン酸アンモ
ニウム1.80部及び「AFソルベント4」(日本石油
(株)製)1400部をオートクレーブに仕込んだ後、2
00℃に加熱して容器内の圧力が3.5Kg/cm3と成る
ようにガス放出バルブを調節して3時間反応させた。
反応終了後、反応生成物から減圧蒸留により溶媒を留
去し、残渣を酸洗、ろ過、熱水洗、ろ過、乾燥させるこ
とにより粗製銅フタロシアニン473.6部を得た。
【0017】上記で得た粗製銅フタロシアニン350
部、食塩2450部及びジエチレングリコール450部
をニーダーに仕込み、70℃〜110℃で4時間磨砕し
た後、0.4%希塩酸水溶液中に取り出し、熱水洗、ろ
過、乾燥させてβ型銅フタロシアニン顔料を得た。
【0018】得られた粗製銅フタロシアニンの純度、対
理論収率及びβ型銅フタロシアニンの着色力を測定し、
その結果を表1に示した。
【0019】なお、純度の測定は、乾燥サンプルを98
%硫酸に溶解後、7%濃度まで希釈し析出してきた顔料
を純粋な銅フタロシアニンとするアシッドペースティン
グ法を用いて行った。
【0020】また、着色力の測定は、銅フタロシアニン
顔料0.1部、酸化チタン2.0部、樹脂型ワニス1.
6部をフーバーマーラーにてインキに調製し、測色する
方法を用いて行った。
【0021】(実施例2)実施例1において、反応溶媒
として「エクソールD80」(エクソン化学(株))を使
用した以外は、実施例1と同様にして粗製銅フタロシア
ニン478.5部及びβ型銅フタロシアニン顔料を得
た。実施例1と同様にして、得られた粗製銅フタロシア
ニンの純度、対理論収率及びβ型銅フタロシアニンの着
色力を測定し、その結果を表1に示した。
【0022】(比較例1)実施例1において、従来から
公知の反応溶媒として「ハイゾールP」(日本石油(株)
製のアルキルベンゼン)を使用し、ニーダー磨砕時間を
6時間とした以外は、実施例1と同様にして粗製銅フタ
ロシアニン463.7部及びβ型銅フタロシアニン顔料
を得た。実施例1と同様にして、得られた粗製銅フタロ
シアニンの純度、対理論収率及びβ型銅フタロシアニン
の着色力を測定し、その結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、銅フタロシア
ニンを極めて高収率で得ることができ、従来より使用さ
れている反応溶媒より極めて安価な反応溶媒を使用する
ことができるので、工業的に安価に銅フタロシアニンを
製造することができる。また、極めて高品質の銅フタロ
シアニンが得られるので、顔料化によって鮮明で着色強
度の高い銅フタロシアニン顔料が得られ、また顔料化時
の磨砕時間を短縮させることができる。更に、本発明の
製造法で使用する溶媒は、熱安定性、化学的安定性が高
く、また溶媒自体の毒性も小さいので、安全衛生面で有
利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 47/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)無水フタル酸又はその誘導体、
    (b)尿素又はその誘導体及び(c)銅又はその化合物
    を触媒の存在下に反応させて銅フタロシアニンを製造す
    る方法において、 反応溶媒として(d)パラフィン系炭化水素溶媒及びナ
    フテン系炭化水素溶媒を併用することを特徴とする銅フ
    タロシアニンの製造法。
  2. 【請求項2】 パラフィン系炭化水素溶媒とナフテン系
    炭化水素溶媒との混合比が重量比で5:95〜95:5
    の範囲にある請求項1記載の銅フタロシアニンの製造
    法。
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