JP3758247B2 - 防汚性基材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に防汚処理を施した防汚性基材に関し、さらに詳しくは、本発明は、基材の表面の汚れを防止してその利用価値を高めた防汚性基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属やガラス、樹脂等の基材は、自動車部品、OA機器、家電製品等として汎用されている。これらの基材表面は、車内、オフィス内、室内等に浮遊するゴミが付着したり、食品、機器用オイル等に混合されている拭き取りが困難な油状物質が付着したり、使用中に人の手により指紋が付着して汚れるため、これらの汚れを付着しにくくし、更には、いったん付着した汚れが容易に除去できるような防汚のための工夫が必要となる。
【0003】
ガラス表面の防汚処理手段としては、特開平1−126244号公報等に、ガラス表面にポリジメチルシロキサン等の高分子物質を直接塗布するか、又は処理剤に浸漬することによって塗膜を形成する技術が開示されている。また、化学吸着法によってフッ素を含む化学吸着単分子膜をガラス表面に形成させる技術も知られている。
【0004】
金属表面の防汚処理手段としては、特公平7−53913号公報に、亜鉛系メッキ被覆の上層にシリカゾルシランカップリング剤を配合したクロメート被覆を形成せしめ、その上層にイソシアネート系塗料組成物を用いて薄膜塗装をした有機複合メッキ鋼板に関する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の処理手段では、油状の汚染物質に対する防汚性が充分ではなかった。また、特に直接手を触れる基材表面では、指紋が付着しやすく、その除去が困難になるという問題点があった。
【0006】
上記現状に鑑み、本発明は、油状の汚染物質に対する防汚性に優れ、特に指紋に対する防汚性に優れた防汚性基材を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の防汚性基材は、基材の表面に、下記一般式(I)で表され、数平均分子量が5×102 〜1×105 であるケイ素含有有機含フッ素ポリマーの層を形成したことを特徴とするものである。
【0008】
【化3】
【0009】
式中、Rf は、パーフルオロアルキル基を表す。Zは、フッ素又はトリフルオロメチル基を表す。a、b、c、d、eは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表し、a+b+c+d+eは、少なくとも1以上であり、a、b、c、d、eでくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されない。Yは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは、水素、臭素又はヨウ素を表す。R1 は、水酸基又は加水分解可能な置換基を表す。R2 は、水素又は1価の炭化水素基を表す。lは、0、1又は2を表す。mは、1、2又は3を表す。nは、1以上の整数を表す。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明の防汚性基材の対象となる基材としては特に限定されず、例えば、ガラス、樹脂、金属、セラミック、木材、陶磁器、石材、皮革等を挙げることができる。
上記ガラス基材としては、各種ガラスで形成されたものであれば特に限定されず、例えば、ショーウィンドウ、鏡、水槽、窓ガラス、食器棚、ガラスケース等の表面に使用されるガラス等を挙げることができる。
【0011】
上記樹脂基材としては特に限定されず、天然樹脂ばかりでなく合成樹脂等を挙げることができる。上記天然樹脂としては、例えば、セルロース、うるし等を挙げることができる。上記合成樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
上記金属基材としては、例えば、鉄、亜鉛、鉛、銅、アルミニウム等を挙げることができる。
【0012】
本発明では、上記基材の表面に、上記一般式(I)で表され、数平均分子量が5×102 〜1×105 であるケイ素含有有機含フッ素ポリマーの層を形成する。
上記一般式(I)で表される式中、Rf としては、通常、有機含フッ素ポリマーを構成するパーフルオロアルキル基であれば特に限定されず、例えば、炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができる。好ましくは、CF3 −、C2 F5 −、C3 F7 −である。
【0013】
上記一般式(I)中のZは、フッ素でもよいしトリフルオロメチル基でもよい。
上記一般式(I)中のa、b、c、d、eは、ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロポリエーテル鎖の繰り返し単位数を表し、0又は1以上の整数でありa+b+c+d+eが1以上であれば特に限定されないが、それぞれ独立して、0〜200が好ましく、後述するケイ素含有有機含フッ素ポリマーの数平均分子量を考慮すれば、より好ましくは、それぞれ独立して、0〜50である。a+b+c+d+eは、好ましくは、1〜100である。
【0014】
また、a、b、c、d、eでくくられた各繰り返し単位の存在順序は、便宜上一般式(I)中においてはこの順に記載したが、通常のパーフルオロポリエーテル鎖の構成に鑑み、これらの各繰り返し単位の結合順序は、この順に限定されるものではない。
【0015】
上記一般式(I)中のYは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。上記炭素数1〜4のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等を挙げることができ、直鎖状であっても分岐状であってもよい。上記一般式(I)のXは、水素、臭素又はヨウ素を表す。Xが臭素又はヨウ素である場合には、本発明のケイ素含有有機含フッ素ポリマーはラジカル反応性が高くなるので、化学結合により他の化合物と結合させるのには好都合である。
【0016】
上記一般式(I)中のlは、パーフルオロポリエーテル鎖の構成する炭素とこれに結合するケイ素との間に存在するアルキレン基の炭素数を表し、0、1又は2であるが、より好ましくは、0である。
【0017】
上記一般式(I)中のmは、ケイ素に結合する置換基R1 の結合数を表し、1、2又は3である。置換基R1 が結合していない部分には、当該ケイ素にはR2 が結合する。
【0018】
上記R1 は、水酸基又は加水分解可能な置換基を表す。上記加水分解可能な置換基としては特に限定されず、好ましいものとしては、例えば、ハロゲン、−OR3 、−OCOR3 、−OC(R3 )=C(R4 )2 、−ON=C(R3 )2 、−ON=CR5 [式中、R3 は、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、R4 は、水素又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R5 は、炭素数3〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表す。]等を挙げることができる。より好ましくは、塩素、−OCH3 、−OC2 H5 である。
【0019】
上記R2 は、水素又は1価の炭化水素基を表す。上記1価の炭化水素基としては特に限定されず、好ましいものとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等を挙げることができ、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記一般式(I)中のnは、1以上の整数を表し、特に上限はないが、本発明の目的を達するためには、1〜10の整数であることが好ましい。
上記nは、一般式(I)中においては整数を表すが、このような整数nを有する一般式(I)で表されるポリマーの混合物として本発明に係るケイ素含有有機含フッ素ポリマーが存在していてもよい。このように混合物としてケイ素含有有機含フッ素ポリマーが存在する場合には、上記nは、当該混合物中において平均値として表すことができ、当該ケイ素含有有機含フッ素ポリマーが混合物として存在する場合には、本発明の目的を考慮すれば、nの平均値は、1.3〜3が好ましく、1.5〜2.5が特に好ましい。
【0020】
上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの数平均分子量は、5×102 〜1×105 である。5×102 未満では、ポリマーとしての性質を有しないので利用価値がなく、1×105 を超えると加工性に乏しくなるので、上記範囲に限定される。好ましくは、1×103 〜1×104 である。
【0021】
上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの好ましいものとして、例えば、下記一般式(II)で表されるもの等を挙げることができる。
【0022】
【化4】
【0023】
[式中、pは、1以上の整数を表す。Y、X、R1 、R2 、l、m、nは、前記と同じ。]
上記一般式(II)中のpは、1以上の整数であれば特に限定されないが、1〜200が好ましく、本発明のケイ素含有有機含フッ素ポリマーの数平均分子量を考慮すれば、より好ましくは、1〜50である。
【0024】
上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーは、通常市販されているパーフルオロポリエーテルを原料として用い、末端に例えば、ヨウ素を導入した後、これに、例えば、下記一般式[式中、Y、R1 、R2 、l、mは、前記と同じ。]で表されるビニルシラン化合物を反応させること等により得ることができる。
【0025】
【化5】
【0026】
上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーを適用するにあたっては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボン、セメント等の微粉末充填剤、チタン、アルミニウム、ケイ素等のアルコキシド、その他の低分子量ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂の微粉末等を、硬度調整剤又は増量剤等として添加することができる。また、通常の架橋剤を更に加えて、硬度調整を行うこともできる。
【0027】
上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの層を形成するためには、ガラス基材又は樹脂基材の表面に、上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーを塗布する方法を採ることができる。上記塗布方法としては、例えば、スプレー塗装、スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装等を挙げることができる。
また、塗布する際には溶剤で希釈する方が塗布し易い。このような溶剤としては特に限定されず、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)等を挙げることができる。
【0028】
本発明の防汚性基材におけるケイ素含有有機含フッ素ポリマー層の厚みは特に限定されるものではないが、0.001〜0.03μmが好ましい。0.001μm未満であると汚染防止効果が乏しくなり、0.03μmを超えると層が厚すぎて使用に障害が生じるので好ましくない。
【0029】
本発明によって構成されたガラス製品、樹脂製品、金属製品、セラミック製品等は、例えば、以下に掲げるもの等の汚染されやすい部分に使用することができる。
扇風機の羽根、電子レンジの扉、冷蔵庫の表面等の家電製品;コピー機のコンタクトガラス、OHP本体のミラー、OHPシート、キーボード、電話機、事務机等の事務関連用品;グラス、食器棚の扉、鏡、窓ガラス、電灯の傘、シャンデリア等の家庭用品;ショーウインド、電話ボックス、水槽のガラス等の建築材料;車両ガラス、車体の塗装面等の車両部品;メガネフレーム、水中メガネのガラス、ゴーグル、ヘルメット、時計の文字盤のカバーガラス等の装身具;パチンコ台のガラス、トランプ、麻雀パイ等の遊具;家具、ピアノ等の塗装面。
【0030】
ネクタイピン、ネックレス、ピアス等の装飾品;水道蛇口、金管楽器、木管楽器、ゴルフクラブ、扉の取っ手、ダンベル、刃物等の金属又はメッキ製品;碍子、タイル、衛生陶器、食器、屋根瓦等のセラミック材料;墓石、碁石、大理石等の石材;壁紙、ふすま紙、書籍、ポスター、写真等の紙製品;財布、靴、鞄、時計バンド、野球用グローブ等の皮革製品。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
合成例1
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた2.0L4つ口フラスコ中に2617g(10.3モル)のヨウ素、213.2g(1.54モル)の炭酸カリウム、及び、9000gのヘキサクロロ−1,3−ブタジエンを仕込み、系の温度を160℃に維持しながら窒素気流下に、化学式F−(CF2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF2 COFで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンアシルフルオライド(平均分子量3900)4000g(1.03モル)を10mL/minの速度で滴下した。
【0033】
滴下終了後、反応温度を185℃に上昇させ、20時間反応させた。
反応終了後、系を冷却したのちカリウム塩を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。これをアセトンを用いて数回洗浄したのち、1Lのパーフルオロヘキサンに溶解し、ガラスフイルターによって微細な不溶物を濾別した。得られた溶液から減圧下揮発分を完全に留去することによって3890g(収率95%)の化学式F−(CF2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF2 Iで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物を得た。
赤外吸収スペクトルより、1890cm-1の−C(=O)Fの吸収が完全に消失し、910cm-1に新たに−CF2 Iの吸収が生じた。
【0034】
合成例2
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例1にて合成した化学式F−(CF2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF2 Iで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物40gをヘキサフルオロテトラクロロブタン〔ダイフロンソルベントS−316(ダイキン工業社製)〕80gに溶解したもの、及び、ジt−ブチルパーオキシド1.5g(1×10-2モル)を仕込み、充分に系内を窒素置換したのち、窒素気流下滴下ロートよりビニルトリクロロシラン16.1g(0.10モル)を滴下した。滴下終了後系内の温度を120℃に昇温させ、4時間反応させた。反応終了後減圧下揮発分を完全に留去することによって末端にヨウ素を有するケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)38.7g(収率90%)を得た。
【0035】
合成例3
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例2にて合成したケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)34.4g(8×10-3モル)をパーフルオロヘキサン50gに溶解したものを仕込み、亜鉛2.1g(3.2×10-2モル)を強攪拌分散させた。氷水浴で系を冷却し、窒素気流下無水メタノール10gを滴下した。
滴下終了後氷水浴を取り除き、加熱還流下2時間反応させた。反応終了後不溶物を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。得られた溶液を無水メタノールを用いて3回洗浄したのち、減圧下揮発分を完全に留去することによって、末端が水素化されたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(B)31.6g(収率92%)を得た。
1H−NMRより、1.2〜3.0ppmに下記の式の各水素原子に由来する幅広い吸収体が現れた。内部標準としてω−フルオロポリパーフルオロオキセタン水素化物5.0モル%を添加し、下記の数式から重合度を計算すると2.0となった。
【0036】
【化6】
【0037】
I/Is =〔0.95(3P+1)〕/0.05
I :1.2〜3.0ppmの積分吸収強度
Is :内部標準物質の積分吸収強度
P :重合度
【0038】
合成例4
ジt−ブチルパーオキシドを0.29g(2×10-3モル)としたこと以外は、合成例2と同様にして合成を行ったところ、得られたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(C)を得た。
【0039】
合成例5
原料としてケイ素含有有機含フッ素ポリマー(C)を用いたこと以外は、合成例3と同様にして合成を行った。得られたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(D)について、合成例3と同様に重合度を計算したところ、1.0であった。
【0040】
実施例1、比較例1
合成例3で得たもの、及び、市販の含フッ素シランカップリング剤KBM7803〔C8 F17CH2 CH2 Si(OCH3 )3 、信越化学社製〕(以下、単に「市販品」という。)を、パーフルオロヘキサンの0.1重量%溶液となした処理液を調製した。基材となるガラス板を、使用前に水洗し、その後にメタノールとアセトンを用いて充分に洗浄した。このようにして準備したガラス板を処理液に10秒間ディッピングし、引き上げた後60分間風乾した。ついで5分間パーフルオロヘキサン中で超音波洗浄を行って過剰の処理剤分子を除去した上で、風乾し、各測定に供した。
【0041】
評価は、以下の基準で行った。
(1)指紋付着性は、試料に指紋を付け、その付き易さを目視で判定した。
○:指紋の付着が少なく、付いた指紋が目立たない
×:未処理のガラス板と同程度に指紋が付着する
△:どちらとも判定しにくい
(2)指紋拭取性は、指紋付着性の評価に用いた試料の表面をキムワイプ(十條キンバリー社製)で一往復拭き取り、指紋の取れ易さを目視判定した。
○:指紋を完全に拭き取ることができる
△:指紋の拭き取り跡が残る
×:指紋の拭き取り跡が広がり、除去することが困難である
(3)対水接触角の測定は接触角計(協和界面科学機械社製CA−DT型)を用いて測定した。
それぞれの評価結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例2、比較例2
合成例3で得たもの、及び、市販品を、パーフルオロヘキサンの0.1重量%溶液となした処理液を調製した。基材となるアルミニウム板〔0.5mmのJIS H 4000(A1050P)に規定されたもの〕を、使用前に水洗し、その後にメタノールとアセトンを用いて充分に洗浄した。このようにして準備したアルミニウム板を処理液に10秒間ディッピングし、引き上げた後60分間風乾した。ついで5分間パーフルオロヘキサン中で超音波洗浄を行って過剰の処理剤分子を除去した上で、風乾し、各測定に供した。
比較例3
別に無処理のアルミニウム板を用意した。
【0044】
評価は、以下の基準で行った。
試料の表面を、キムワイプ(十條キンバリー社製)を手に持って、中位の強さで同じ表面に対して100往復拭き取り操作を繰り返した。拭き取り操作前の対水接触角と拭き取り操作終了後の対水接触角を測定した。対水接触角の測定は接触角計(協和界面科学機械社製CA−DT型)を用いて測定した。
それぞれの評価結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明の防汚性基材は、上述の構成よりなるので、特に指紋等に対する防汚性が極めて良好であり、ガラス、樹脂、金属、セラミック、木材、陶磁器、石材、皮革等の基材に好適に適用することができる。
Claims (3)
- 基材(ただし、透明基材を除く。)の表面に、下記一般式(I)で表され、数平均分子量が5×102〜1×105であるケイ素含有有機含フッ素ポリマーの層を形成したことを特徴とする防汚性基材。
- ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの層は、厚みが0.001〜0.03μmである請求項1又は2記載の防汚性基材。
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