JP3757938B2 - 偏光照明装置および投写型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光方向を揃えた偏光光を用いて矩形の照明領域などを均一に照明する偏光照明装置に関するものである。また、本発明は、この偏光照明装置から出射された偏光光をライトバルブにより変調して映像をスクリーン上に拡大表示する投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ライトバルブ等の矩形の照明領域を均一に照明する光学系としては、従来から、2枚のレンズ板を用いたインテグレータ光学系が知られている。インテグレータ光学系は、例えば、特開平3−111806号公報に開示されており、液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置の照明装置としてすでに実用化されている。
【0003】
偏光光を変調するタイプの液晶ライトバルブを用いた一般的な投写型表示装置では、一種類の偏光光しか利用できないため、明るい投写映像を得るには、光の利用効率を高めることが重要である。この投写型表示装置において、光の利用効率を向上させることを目的として、例えば、特開平6−202094号公報には、インテグレータ照明法に偏光変換法を組み合わせた新規な照明光学系が提案されている。
【0004】
この公報に開示されている照明光学系を図21に示してある。図21(A)に示すように、偏光照明装置100は、光源101と、インテグレータ光学系102と、液晶を用いた偏光分離器103と、偏光変換素子であるλ/2位相差板104を備えている。インテグレータ光学系102は、第1のレンズ板105、および第2のレンズ板106から構成されている。第1のレンズ板105の入射面側、すなわち、その光源101の側には、偏光分離器103が配置されている。第2のレンズ板106の出射面にはλ/2位相差板104が一体形成されており、さらに、この位相差板104の出射面にはフィールドレンズ107が貼り付けられている。
【0005】
図21(B)に示すように、インテグレータ光学系102の第1のレンズ板105は、複数の微小な矩形レンズ108を備えており、第2のレンズ板106も、矩形レンズ108と相似形の微小なレンズを同数備えるものが用いられる。
【0006】
光源101から出射された偏光方向がランダムな偏光光(実際には、P偏光光とS偏光光との混合光と考えられる。)は、液晶材料を主要な構成要素とする偏光分離器103に入射され、この偏光分離器103が有する偏光光毎の出射角度依存特性によって、出射角度がわずかに異なるP偏光光とS偏光光に分離される。図において角度θで方向分離される。偏光分離器103を出た2つの偏光光はインテグレータ光学系102の第1のレンズ板105に入射され、それを構成している各矩形レンズ108の焦点位置付近、即ち、対応する第2のレンズ板106の各矩形レンズの内側に、P偏光光による光源像とS偏光光による光源像とからなる一対の二次光源像を形成する。
【0007】
一対の二次光源像の数は、第1のレンズ板を構成する矩形レンズの数に等しい。ここで、第2のレンズ板106の出射側には二次光源像の各形成位置に合わせてλ/2位相差板104が配置されているので、この位相差板104を一方の偏光光(例えば、P偏光光)が通過することにより、この偏光光は偏光面の回転作用を受け、他方の偏光光(たとえば、S偏光光)と偏光面が揃った状態となる。この後は、出射側のフィールドレンズ107を介して偏光方向が揃った光束が液晶パネル等の照明領域109に集められ、この照明領域109をほぼ均一に照射する。したがって、原理的には、光源101からの光束は、全て照明領域109に入射することなる。
【0008】
図22には、偏光分離器103の構成を示してあり、液晶層111をのこぎり状の溝を有するプリズム基板112とガラス基板113で挟んだ構造となっている。液晶分子はプリズム基板112の溝に平行に配向されるので、基板に垂直に入射する光束は、液晶分子に対する異常光と常光に分かれて、方向的に分離されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成される偏光照明装置では、偏光分離手段として液晶材料を用いている。液晶材料を用いた光学系では、光の利用効率が向上するので、明るい投写映像を得ることができる。しかし、液晶材料は、屈折率の温度依存性が大きいので、著しい温度変化が発生する可能性のある投写型表示装置の照明系に組み込むと、偏光分離角が温度に応じて変動するので不安定になるという問題点がある。
【0010】
本発明の課題は、温度変化に影響されない安定した偏光分離角を備えた偏光分離手段を用いることにより、著しい温度変化に伴う環境下においても優れた性能を安定して発揮することのできる偏光照明装置を実現することにある。
【0011】
また、本発明の課題は、かかる偏光照明装置を用いて、光の利用効率を向上して、明るい投写映像を形成することのできる投写型表示装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明にかかる第1の偏光照明装置は、光源と、複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、備えた偏光照明装置であって、前記偏光分離手段は、平板状の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に斜面部が接合された三角柱プリズムとを有し、前記四角柱プリズムと前記三角柱プリズムとの接合部分には、偏光分離膜が形成され、前記四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる第2の偏光照明装置は、光源と、複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えた偏光照明装置であって、前記偏光分離手段は、平板状の第1の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に側面部が接合された平板状の第2の四角柱プリズムとを有し、前記第1の四角柱プリズムと前記第2の四角柱プリズムの接合部分には、偏光分離膜が形成され、前記第1の四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記第1、第2の偏光照明装置において、三角柱プリズムとしては、その内部に液体を充填したものを使用することができる。
【0015】
また、本発明にかかる第3の偏光照明装置は、光源と、複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えた偏光照明装置であって、前記偏光分離手段は、平板状の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に斜面部が接合された複数の三角柱プリズムとを有し、前記四角柱プリズムと前記三角柱プリズムの接合部分には、偏光分離膜が形成され、前記四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明にかかる第4の偏光照明装置は、光源と、複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えた偏光照明装置であって、前記偏光分離手段は、斜面部に偏光分離膜が形成された第1の三角柱プリズムと、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が斜面部に形成された第2の三角柱プリズムとを有し、該第2の三角柱プリズムと前記第1の三角柱プリズムとは、斜面部の間に液体を充填した状態で一体化されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の偏光照明装置において、前記偏光分離手段は、前記光源と前記第1のレンズ板との間に配置することができる。
【0018】
このとき、前記偏光分離手段と前記インテグレータ光学系との間、または、前記光源と前記偏光分離手段との間に、変角プリズムを配置することができ、この場合には、前記変角プリズム、前記偏光分離手段、前記第1のレンズ板のうち、少なくとも2つを一体化することができる。
【0019】
また、本発明の偏光照明装置において、前記偏光分離手段を、前記光源と前記第1のレンズ板との間に配置する代わりに、前記第1のレンズ板と前記第2のレンズ板との間に配置することもできる。このとき、前記光源と前記第1のレンズ板との間、または、前記第1のレンズ板と前記偏光分離手段との間に、変角プリズムを配置することができる。一方、変角プリズムを使用する代わりに、第1のレンズ板を構成している矩形レンズを偏心系のレンズとしてもよい。さらに、前記変角プリズムまたは前記偏心系のレンズ、前記第1のレンズ板、前記偏光分離手段のうち、少なくとも2つを一体化することができる。
【0020】
ここで、前記偏光分離手段による前記2つの偏光光の分離方向は、被照明領域が長方形等のように一方の側に長い場合には、その長手方向になるようにすることが望ましい。
【0021】
また、インテグレータ光学系を構成している第2のレンズ板においては、これを構成している各微小レンズの形状を、第1のレンズ板における各矩形レンズと相似形にすることができる。
【0022】
この代わりに、第2のレンズ板の各微小レンズの形状および大きさは、前記第1のレンズ板の前記矩形レンズのそれぞれを介して形成される各2次光源像の大きさに応じて決定することが望ましい。このようにすれば、光の利用効率を改善でき、より明るく、しかも明るさにムラの無い均一な照明を行うことが可能になる。
【0023】
一方、本発明は、上記の各構成の偏光照明装置を備えた投写型表示装置に関するものである。すなわち、偏光照明装置と、この偏光照明装置からの光束に含まれる偏光光を変調して画像情報を含ませる液晶ライトバルブを備えた変調手段と、変調光束を投写表示する投写光学系とを有する投写型表示装置において、前記偏光照明装置として、上記の各構成の偏光照明装置を適用した構成を採用している。
【0024】
一般的には、投写型表示装置は、前記偏光照明装置からの光束を少なくとも2つの光束に分離する色光分離手段と、前記変調手段によって変調された後の変調光束を合成する色光合成手段とを有し、当該色光合成手段により得られた合成光束を、前記投写光学系を介してカラー画像を投写表示する構成となっている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
なお、以下の各実施例の説明および添付図面においては、相互に対応する部分には同一の符号を付して、それらの説明の重複を回避している。
【0027】
(実施例1)
図1に示す実施例1に係る偏光照明装置は、偏光分離手段として、偏光分離角の温度依存性に優れたプリズムビームスプリッタを偏光分離手段として用いることにより、著しい温度変化を伴う環境下においてもすぐれた性能を安定して発揮できるようにしている。
【0028】
図1は本例の偏光照明装置を平面的に見た場合の概略構成を示してある。本例の偏光照明装置400は、その直角に折れ曲がるシステム光軸Lに沿って、光源部401、偏光分離部402、およびインテグレータ光学系403を有し、光源部401から放射された光は、偏光分離部402およびインテグレータ光学系403を通って矩形状の照明領域404に至るようになっている。
【0029】
光源部401は、光源ランプ411と、放物面リフレクター412から大略構成されており、光源ランプ401から放射された偏光方向がランダムな偏光光(以下、単に、ランダムな偏光光という。)は、放物面リフレクター412によって一方向に反射され、略平行な光束となって偏光分離部402に入射されるようになっている。ここで、放物面リフレクター412に代えて、楕円面リフレクター、球面リフレクターなどを用いることもできる。
【0030】
偏光分離部402は、一般的なビームスプリッタをベースに改良したものであり、三角柱形状を有する直角プリズム421(三角柱プリズム)と、平板状の四角柱プリズム422から大略構成されている。本例では、偏光分離部402の出射面423には、三角柱形状をもつ変角プリズム424が光学的に接着されている。
【0031】
図2に示すように、直角プリズム421の斜面部425には、偏光分離膜426が形成され、この偏光分離膜426を挟むようにして、直角プリズム421の斜面部425に四角柱プリズム422の第1の側面部427が光学的に接着されている。四角柱プリズム422では、第1の側面部427に対向する第2の側面部428には、反射膜429が形成されている。偏光分離膜426は、偏光分離部402の入射面431に対して角度αをなすように形成され、本例において、角度αは、45度である。反射膜429は、偏光分離膜426に対してΘの角度をなすように形成されている。但し、偏光分離膜426と入射面431とがなす角度αについては、45度に限定されることなく、光源部401からの入射光束の入射角に応じて設定すればよい。
【0032】
本例において、直角プリズム421および四角柱プリズム422は、熱的に安定なガラス材料から構成されている。偏光分離膜426は、無機材料からなる誘電体多層膜で構成されている。反射膜429は、一般的なアルミニウム蒸着膜で構成されている。
【0033】
偏光分離部402および変角プリズム424の後段には、第1のレンズ板441および第2のレンズ板442を備えるインテグレータ光学系403が構成されている。第1のレンズ板441および第2のレンズ板442は、図1を用いて説明したように、いずれも同じ数の微小なレンズ443、444を備える複合レンズ体である。ここで、第1のレンズ板441の微小レンズ443は、照明領域404と相似形の横長の矩形形状を有している。
【0034】
さらに、本例においては、第2のレンズ板442には、微小レンズ444と、出射側の平凸レンズ445との間に、偏光変換素子としてのλ/2位相差板446が形成されている。λ/2位相差板446は、後述する過程を経て第1のレンズ板441が2次光源像を形成する位置にシステム光軸Lに対して垂直な向きに形成されている。また、λ/2位相差板446に形成されている位相差層447は、S偏光光およびP偏光光が形成する二次光源像のうち、P偏光光が二次光源像を形成する位置に対応するように規則的に形成されている。
【0035】
このように構成した偏光照明装置400において、図1に示すように、光源部401からは、ランダムな偏光光が放射され、偏光分離部402に入射される。偏光分離部402に入射されたランダムな偏光光は、P偏光光とS偏光光との混合光として考えることができ、偏光分離部402において、混合光は、偏光分離膜426によってP偏光光とS偏光光の2種類の偏光光に横方向(図1の上下方向)に分離される。すなわち、ランダムな偏光光に含まれるS偏光成分は、偏光分離膜426で反射されてその進行方向を変えるが、P偏光成分は、偏光分離膜426をそのまま透過し、反射膜429で初めて反射される。ここで、反射膜429は、偏光分離膜426に対してΘの角度をなすように形成されているため、2種類の偏光光は、ガラス材料で構成された各プリズム内で2Θの角度差をもって進行方向が横方向(図1の上下方向、すなわち、照明領域404の長手方向に相当する。)にわずかに分離されたことになる。
【0036】
また、わずかに進行方向を分離された2種類の偏光光は、変角プリズム424を出射する際に、横方向において、システム光軸Lを挟んでほぼ対称な入射角をもつように出射角が設定され、この状態でインテグレータ光学系403に入射される。
【0037】
インテグレータ光学系403において、2種類の偏光光は、第1のレンズ板441に入射して、第2のレンズ板442の中に二次光源像をそれぞれ形成する。この二次光源像を形成する位置にλ/2位相差板446が配置されている。
【0038】
ここで、2種類の偏光光は、偏光分離部402で進行方向を横方向にわずかに分離されているため、第1のレンズ板441に対する入射角がわずかに異なる。従って、照明領域404の側から第2のレンズ板442を見た場合に2種類の偏光光が形成する二次光源像は図3に示ようになる。すなわち、2種類の偏光光は、P偏光光が形成する二次光源像C1(円形の像のうち、左上がりの斜線を付した領域)とS偏光光が形成する二次光源像C2(円形の像のうち、右上がりの斜線を付した領域)の2つの二次光源像を横方向に並ぶ状態で形成されることになる。しかも、第1のレンズ板441を構成する各微小レンズ443は、P偏光光による二次光源像C1と、S偏光光による二次光源像C2をそれぞれ形成する。これに対して、λ/2位相差板446では、P偏光光による二次光源像C1の形成位置に対応して位相差層447が選択的に形成されている。従って、P偏光光は、位相差層447を通過する際に偏光面の回転作用を受け、P偏光光は、S偏光光へと変換される。一方、S偏光光は、位相差層447を通過しないので、偏光面の回転作用を受けずにλ/2位相差板446を通過する。従って、インテグレータ光学系403から出射される光束の殆どは、S偏光光に揃えられる。
【0039】
このようにしてS偏光光に揃えられた光束は、平凸レンズ445によって照明領域404に照射される。すなわち、第1のレンズ板441の微小レンズ443で切り出されたイメージ面は、第2のレンズ板442によって一か所に重畳結像され、λ/2位相差板446を通過する際に1種類の偏光光に変換されてほとんど全ての光が照明領域404へと達するので、照明領域404は、ほとんど一種類の偏光光で均一に照明される。
【0040】
以上説明したように、本例の偏光照明装置400によれば、光源部401から放射されたランダムな偏光光を偏光分離部402で2種類の偏光光に方向分離した後、各偏光光をλ/2位相差板446の所定の領域に導いて、P偏光光をS偏光光に転換する。従って、光源部401から放射されたランダムな偏光光をほとんどS偏光光に揃えた状態で照明領域404に照射できる。
【0041】
しかも、2種類の偏光光をそれぞれλ/2位相差板446の所定の領域に導くには、偏光分離部402の偏光分離性能が高いことが必要であるが、本例では、ガラス製のプリズムと、無機材料からなる誘電体多層膜とを利用して偏光分離部402を構成してあるので、偏光分離部402の偏光分離性能は、熱的に安定である。それゆえに、大きな光出力が要求される照明装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮するので、満足の得られる性能を有する偏光照明装置を実現できる。
【0042】
また、変角プリズム424は、偏光分離部402とインテグレータ光学系403との間において偏光分離部402の出射面423に接合され、偏光分離部402と一体化してある。このため、直角プリズム421と変角プリズム424との界面における光反射による光量損失を削減できる。
【0043】
さらに、本例では、偏光分離部402から出射された2種類の偏光光は、横方向に分離されていることから、第2のレンズ板442の微小レンズ444を横長の矩形にしてある。このため、横長の矩形形状を有する照明領域404を形成する場合でも、光量を無駄にすることがない。ここで、横長の矩形形状を有する照明領域404は、たとえば、各種の映像を写し出すのに用いたとき、縦長の映像よりも見やすいとともに、画像に迫力があるという利点がある。
【0044】
なお、第2のレンズ板442の出射側に配置されている平凸レンズ445は、第2のレンズ板442から出射される光束を照明領域404に導くために配置されている。従って、第2のレンズ板442を偏心レンズとすれば、平凸レンズ445を省略することができる。
【0045】
また、本例では、λ/2位相差板446の位相差層447にP偏光光を集光したが、逆に、S偏光光を位相差層447に集光してもよい。この場合には、S偏光光がP偏光に変換するので、P偏光光に揃えた状態で照明領域404に照射できる。また、λ/2位相差板446を配置する位置については、微小レンズ444と平凸レンズ445との間に限らず、二次光源像が形成される位置近傍ならば他の位置でもよく、限定がない。
【0046】
さらに、特性の異なる2種類の位相差層を、P偏光光による集光位置と、S偏光光による集光位置のそれぞれに配置し、ある特定の偏光方向を有する1種類の偏光光に揃えてもよい。
【0047】
なお、本例では、第1のレンズ板441の微小レンズ443を横長の矩形レンズとしたが、第2のレンズ板442の微小レンズ444については、その形状についての限定がない。但し、図3に示すように、P偏光光が形成する二次光源像C1と、S偏光光が形成する二次光源像C2は、横方向に並ぶ状態で形成されるので、かかる像の形成位置に対応させて、第2のレンズ板442の微小レンズ444の形状については、第1のレンズ板441の微小レンズ443と相似形の横長の矩形レンズとしてもよい。
【0048】
ここで、第2のレンズ板442の各微小レンズ444の形状は、第1のレンズ板の微小レンズ443の相似形とする代わりに、次のようにしても良い。一般に、第2のレンズ板442の各微小レンズ444に形成される二次光源像の大きさは、システム光軸Lの近傍において大きく、そこから離れるにつれて小さくなる。そこで、第2のレンズ板442の各微小レンズ444の大きさは、それぞれに形成される二次光源像を包含することのできる形状および大きさとなるように決定する。このように微小レンズ444を決定することにより、光の利用効率を高めることができ、より明るい均一な照明を行うことが可能になる。
【0049】
(実施例2)
実施例1において、変角プリズム424は、2種類の偏光光の出射方向を所定の方向に設定するために配置されているので、その配置位置については、偏光分離部の出射側に限らず、偏光分離部の入射側、すなわち、光源部側やインテグレータ光学系の第1のレンズ板に隣接する位置であってもよい。
【0050】
すなわち、図4に示す実施例2に係る偏光照明装置のように構成してもよい。この偏光照明装置、および、以下に説明する各実施例では、基本的な構成が実施例1に係る偏光照明装置と同じであるため、同じ機能を有する部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
図4に示す偏光照明装置500では、変角プリズム424を、同じく偏光分離部402とインテグレータ光学系403との間に配置してあるが、インテグレータ光学系403の第1のレンズ板441に接合されて、インテグレータ光学系403と一体化してある。このため、変角プリズム424と、第1のレンズ板441との界面における光反射による光量損失を削減できる。
【0052】
(実施例3)
また、図5に示す偏光照明装置600のように、変角プリズム424を偏光分離部402と光源部401との間に配置すると共に、偏光分離部402の入射面431に接合し、偏光分離部402と一体化してもよい。この場合には、変角プリズム424と直角プリズム421との界面における光反射による光量損失を削減できる。また、かかる構造の場合には、偏光分離部402の出射面423に対して、インテグレータ光学系403の第1のレンズ板441を接続して、変角プリズム424、偏光分離部402、およびインテグレータ光学系403を一体化してもよい。この場合には、さらに、界面における光反射による光量損失を削減できる。
【0053】
なお、光源部401の向きを、点線で示すように、システム光軸Lに対してわずかに傾ければ、変角プリズム424を省略することもできる。
【0054】
(実施例4)
なお、図6に示す偏光照明装置700では、偏光分離部402において、入射面431と偏光分離膜426とがなす角度が45度であり、入射面431と反射膜429とがなす角度が45度以下の場合には、偏角プリズム424の向きを図1に示す場合とは逆にすればよい。従って、偏光分離部402の形状が変わっても、インテグレータ光学系403などの構造は、そのままでよく、変更する必要がない。
【0055】
(実施例5)
図7に示す偏光照明装置800では、各光学系の配置は、実施例1と同じであるが、偏光分離部402を構成する直角プリズム421(三角柱プリズム)および四角柱プリズム422のうち、直角プリズム421は、その壁面を構成する6枚の透明板を備えるプリズム構造体421Gと、その内部に充填された液体421Lで構成されている。従って、直角プリズム421の低コスト化を図ることができる。また、直角プリズム421では、液体421Lとして比重の小さな液体をプリズム構造体421Gの内部に充填することによって、その軽量化を図ることができる。
【0056】
同様に、偏光分離膜426と反射膜429との挟まれた部分、すなわち、四角柱プリズム422の内部に透明な液体を充填した場合には、四角柱プリズム422の低コスト化および軽量化を図ることができる。
【0057】
(実施例6)
図8に示す偏光分離装置900の偏光分離部402では、対向する2つの側面部のうちの第1の側面部921に偏光分離膜426が形成され、第2の側面部922に反射膜429が形成された平板状の四角柱プリズム422を用いてある。四角柱プリズム422の第1の側面部921に対しては、偏光分離膜426を挟むようにして複数の小型の直角プリズム91A、91B、91C、91D(三角柱プリズム)の斜面部911A、911B、911C、911Dが接合されている。偏光分離部402の出射面、すなわち、各直角プリズム91A〜91Dの出射面には、小型の変角プリズム90A、90B、90C、90Dが接合されている。ここで、直角プリズム91A〜91D(三角柱プリズム)の数と、第1のレンズ板441において幅方向に整列する微小レンズ443の数とは、一致している必要はない。
【0058】
このように構成すると、直角プリズム91A〜91D、および変角プリズム90A〜90Dとしては、数は多いが、小型のものでよいので、全体としては、軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0059】
(実施例7)
図9に示す偏光照明装置1000の偏光分離部402では、対向する2つの側面部のうちの第1の側面部427に偏光分離膜426が形成され、第2の側面部428に反射膜429が形成された平板状の第1の四角柱プリズム422と、偏光分離膜426を挟むようにして第1の四角柱プリズム422に一体化された平板状の第2の四角柱プリズム422Aとを有している。このように構成した偏光照明装置1000では、薄い第1および第2の四角柱プリズム422、422Aで偏光分離部402を構成できるので、その軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0060】
(実施例8)
図10に示す偏光照明装置1100の偏光分離部402では、斜面部1101に偏光分離膜426が形成された第1の三角柱プリズム1102と、斜面部1103に反射膜429が形成された第2の三角柱プリズム1104とが用いられている。第1の三角柱プリズム1102と、第2の三角柱プリズム1104とは、斜面部1101(偏光分離膜426)と斜面部1103(反射膜429)とが所定の隙間Gを隔てた状態に枠体(図示せず。)などで固定され、一体になっている。ここで、隙間Gの内部には、液体Hが充填されているとともに、液体Hは、シール材1105によって隙間Gの内部に保持されている。
【0061】
このように構成した偏光照明装置1100では、実施例1ないし実施例7のようにプリズムの厚さを利用して偏光分離膜426と反射膜429との間に隙間を確保して所定の角度Θを形成する場合と相違して、隙間Gを任意に狭くできるので、光の損失を低減できるという利点があり、更に、低コスト化を図ることが出来る。
【0062】
(実施例9)
図11、図12は、実施例9に係る偏光照明装置の要部を平面的にみた概略構成図、およびその偏光分離部に用いたプリズムの構成を示す外観図である。
【0063】
図11において、本例の偏光照明装置1200も、実施例1の偏光照明装置と同様に、システム光軸Lに沿って、光源部401、偏光分離部1201、およびインテグレータ光学系403を有し、光源部401から放射された光は、偏光分離部1201およびインテグレータ光学系403を通って矩形状の照明領域404に至るようになっている。但し、光源部401は、矩形状の照明領域401に向いており、システム光軸Lは全体として直線的である。
【0064】
光源部401は、実施例1と同様、光源ランプ411から放射されたランダムな偏光光が放物面リフレクター412によって一方方向に反射され、略平行な光束となって偏光分離部1201に入射されるようになっている。ここで、光源部401は、システム光軸Lに対して所定の角度をなす方向に向いている。
【0065】
偏光分離部1201は、三角柱形状を有する第1および第2の直角プリズム1202、1203(三角柱プリズム)と、平板状の四角柱プリズム1204から構成された四角柱形状のプリズム合成体1205A、1205B、1205C、1205D、1205Eから構成されている。
【0066】
プリズム合成体1205A〜1205Dでは、図12に示すように、まず、四角柱プリズム1204の対向する2つの側面部1211、1212のうち、第1の側面部1211に偏光分離膜426が形成され、第2の側面部1212に反射膜429が形成されている。第1の直角プリズム1202の斜面部1221は、偏光分離膜426を挟むようにして四角柱プリズム1204の第1の側面部1211に接合されている。また、第2の直角プリズム1203の斜面部1231は、反射膜429を挟むようにして四角柱プリズム1204の第2の側面部1212に接合されている。但し、プリズム合成体1205Eについては、光源部401からのランダムな偏光光を反射する機能のみを担っているので、偏光分離膜426が形成されていない。従って、プリズム合成体1205Eに代えて、その他の反射機能を有する光学部品を用いることもできる。
【0067】
このように構成した四角柱状のプリズム合成体1205A〜1205Eは、いずれも同じ向きでシステム光軸Lに対して直角をなす横方向に一列に配列されている。従って、各プリズム合成体1205A〜1205Dの間では、偏光分離膜426同士が平行であり、反射膜429同士も平行である。
【0068】
ここで、偏光分離膜426は、偏光分離部1201の入射面1241に対して角度αをなすように形成され、本例では、角度αは、45度である。反射膜429は、偏光分離膜426に対してΘの角度をなすように形成されている。
【0069】
本例でも、第1および第2の直角プリズム1202、1203、および四角柱プリズム1204は、熱的に安定なガラス材料から構成されている。偏光分離膜426は、誘電体多層膜で構成されている。反射膜429は、一般的なアルミニウム蒸着膜で構成されている。
【0070】
再び、図11において、本例では、光源部401をシステム光軸Lに対して所定の角度をなす方向に向けることにより、偏光分離部1201から出射される偏光光の向きを調整してあるため、変角プリズムを省いてある。
【0071】
本例では、後述のように、光源部401からの光がプリズム合成体1205A〜1205Eの1個分に相当する幅だけ横方向(図11における上方)にシフトしながら偏光分離部1201を通過する。したがって、光源部401をシステム光軸Lに対してプリズム合成体1205A〜1205Eの1個分に相当する幅寸法だけ光のシフト方向とは反対側(図11における下方)にずらしてある。
【0072】
偏光分離部1201の後段には、第1のレンズ板441および第2のレンズ板442からなる2つのレンズ板で構成されたインテグレータ光学系403が構成されている。第1のレンズ板441および第2のレンズ板442は、同じ数の微小なレンズ443、444を備える複合レンズ体である。微小レンズ443は、照明領域404に対応して矩形であり、かつ、照明領域404の相似形になっている。さらに、第2のレンズ板442には、微小レンズ444と、出射側の平凸レンズ451との間にλ/2位相差板446が形成されている。λ/2位相差板446には、第1のレンズ板441が二次光源像を形成する位置に位相差層447が形成され、位相差層447は、S偏光光およびP偏光光が形成する二次光源像のうち、P偏光光が二次光源像を形成する位置に規則的に形成されている。
【0073】
このように構成した偏光照明装置1200において、光源部401からは、ランダムな偏光光が放射され、偏光分離部1201に入射される。偏光分離部1201に入射したランダムな偏光光は、まず、反射膜429で横方向に反射し、隣接するプリズム合成体1205A〜1205Dに入射される。ここで、ランダムな偏光光は、P偏光光とS偏光光との混合光として考えることができるので、混合光は、偏光分離膜426によってP偏光光とS偏光光の2種類の偏光光に横方向に分離される。すなわち、隣接するプリズム合成体1205A〜1205Dにシフトしたランダムな偏光光のうち、S偏光成分は、偏光分離膜426で反射されてその進行方向を変えるが、P偏光成分は、偏光分離膜426をそのまま透過し、反射膜429で初めて反射される。ここで、反射膜429は、偏光分離膜426に対してΘの角度をなすように形成されているため、2種類の偏光光は、ガラス材料で構成された各プリズム内で2Θの角度差をもって進行方向が横方向にわずかに分離されたことになる。
【0074】
そして、進行方向を分離された2種類の偏光光は、インテグレータ光学系403に入射される。インテグレータ光学系403において、偏光分離部1201で進行方向をわずかに分離された2種類の偏光光は、第1のレンズ板441に入射して、第2のレンズ板442の中に二次光源像を形成する。ここで、二次光源像を形成する位置はλ/2位相差板446が形成されている位置である。しかも、λ/2位相差板446では、P偏光光による二次光源像の形成位置に対応して位相差層447が選択的に形成されている。したがってP偏光光は、位相差層447を通過する際に偏光面の回転作用を受け、P偏光光は、S偏光光へと変換される。一方、S偏光光は、位相差層447を通過しないので、偏光面の回転作用を受けずにλ/2位相差板446を通過する。従って、インテグレータ光学系403から出射される光束のほとんどは、S偏光の状態にある。このようにしてS偏光とされた状態の光束は、偏心レンズ1231によって照明領域404に照射される。
【0075】
以上説明したように、本例の偏光照明装置1200によれば、光源部401から放射されたランダムな偏光光を偏光分離部1201で2種類の偏光光に方向分離した後、各偏光光をλ/2位相差板446の所定の領域に導いて、P偏光光をS偏光光に転換する。従って、光源部401から放射されたランダムな偏光光をほとんどS偏光光に揃えた状態で照明領域404に照射できるという効果を奏する。ここで、2種類の偏光光をそれぞれλ/2位相差板446の所定の領域に導くには、偏光分離部1201の偏光分離性能が高いことが必要であるが、本例では、ガラス製のプリズムと、誘電体多層膜とを利用して偏光分離部1201を構成してあるので、偏光分離部1201の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される照明装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮するので、満足の得られる性能を有する偏光照明装置を実現できる。
【0076】
また、本例では、偏光分離部1201から出射された2種類の偏光光は、横方向に分離されていることから、第2のレンズ板442の微小レンズ444を横長の矩形に形成してある。このため、光量を無駄にすることなく、横長の矩形形状を有する照明領域404を形成できる。かかる横長の矩形形状を有する照明領域404は、たとえば、各種の映像を写し出したときに、縦長の投写パターンよりも見やすいとともに、迫力があるという利点がある。
【0077】
(実施例9の変形例)
なお、実施例9では、第1のレンズ板441の微小レンズ443の幅と、四角柱プリズム合成体1205A〜1205Eの1個分に相当する幅とを同じにしてある。すなわち、nを1以上の整数としたときに、プリズム合成体1205A〜1205Eの幅寸法W1を、第1のレンズ板441の矩形レンズ443の幅寸法W2の1/n倍として表せば、nが1である条件に相当する。nを2、3・・・と大きくしていくと、それに伴って、プリズム合成体1205A〜1205Eの1個分に相当する幅が狭くなるので、プリズム合成体1205A〜1205Eの厚さを薄くできる。
【0078】
たとえば、nを2に設定した場合には、図13に示す偏光照明装置1250の偏光分離部1201となる。すなわち、四角柱状のプリズム合成体1205A、1205B、1205C・・・の幅寸法W1は、第1のレンズ板441の矩形レンズ443の幅寸法W2の1/2倍である。この場合には、偏光分離部1201の薄型化を図ることができるとともに、光源部401をシステム光軸Lからずらす距離Xが短くなるため、結果として、より小型の偏光照明装置を実現できる。
【0079】
一方、図11に示す例では、偏光分離部1201を第1のレンズ板441の手前側に配置しているが、この代わりに、第1のレンズ板441と第2のレンズ板442の間に配置することもできる。
【0080】
(実施例10)
図14は、実施例10に係る偏光照明装置の要部を平面的にみた概略構成図である。本例の偏光照明装置1400も、実施例1の偏光照明装置と同様、システム光軸Lに沿って、光源部401、偏光分離部1401、およびインテグレータ光学系403を有し、光源部401から放射された光は、偏光分離部1401およびインテグレータ光学系403を通って矩形状の照明領域404に至るようになっている。但し、光源部401は、矩形状の照明領域404に向いており、システム光軸Lは、全体として直線的である。
【0081】
光源部401は、実施例1と同様、光源ランプ411から放射されたランダムな偏光光が放物面リフレクター412によって一方向に反射され、略平行な光束となって偏光分離部1401に入射されるようになっている。
【0082】
偏光分離部1401は、三角柱形状を有する第1および第2の直角プリズム1402および1403(三角柱プリズム)から構成された四角柱形状のプリズム合成体1404A、1401B、1404C、1404D、1404Eから構成されている。
【0083】
プリズム合成体1404A〜1404Dでは、第1の直角プリズム1402の斜面部1411に偏光分離膜426が形成され、第2の直角プリズム1403の斜面部1412は、偏光分離膜426を挟むようにして第1の直角プリズム1402の斜面部1411に接合されている。なお、プリズム合成体1404Aは、プリズム合成体1404Bで分離されたS偏光光を反射する機能のみを担っている。
【0084】
このように構成したプリズム合成体1404A〜1404Eは、いずれも略同じ向きでシステム光軸Lに対して直角をなす横方向に配列されている。但し、本例では、各プリズム合成体1404A〜1404Eは、いずれも幅は同じ寸法であるが、各プリズム合成体1404A〜1404Eの厚さが異なっている。従って、偏光分離部1401の入射面1421に対して各プリズム合成体1404A〜1404Eの偏光分離膜426がなす角度が少しずつ異なる。
【0085】
本例においては、第1および第2の直角プリズム1402、1403は、熱的に安定なガラス材料から構成されている。また、偏光分離膜426は、誘電体多層膜で構成されている。
【0086】
本例でも、偏角プリズムを用いて偏光分離部1401から出射される偏光光の向きを調整してもよいが、本例では、光源部401をシステム光軸Lに対して所定の角度をなす方向に向けることにより、偏光分離部1401から出射される偏光光の向きを調整してあるため、変角プリズムを省いてある。
【0087】
偏光分離部1401の後段には、第1のレンズ板441および第2のレンズ板442を備えるインテグレータ光学系403が構成されている。また、レンズ板441および第2のレンズ板442は、いずれも同じ数の微小なレンズ443、444を備える複合レンズ体である。ここで、第1のレンズ板441の微小レンズ443は、照明領域404に対応して矩形であり、かつ、照明領域404の相似形になっている。なお、第1のレンズ板441の微小レンズ443のうち、両端に位置する微小レンズ443A(斜線を付した微小レンズ)では、P偏光光またはS偏光光のみが入射されるため、その出射方向を他の部分と変えてある。
【0088】
本例では、第2のレンズ板442は、微小レンズ444と、出射側の平凸レンズ445との間にλ/2位相差板1430が形成されている。λ/2位相差板1430では、S偏光光およびP偏光光が形成する二次光源像のうち、P偏光光が二次光源像を形成する位置に位相差層1431が規則的に形成されている。
【0089】
このように構成した偏光照明装置1400においても、光源部401からのランダムな偏光光が偏光分離部1401に入射され、ランダムな偏光光は、偏光分離膜426によってP偏光光およびS偏光光の2種類の偏光光に横方向に分離される。
【0090】
この原理を、プリズム合成体1404Cに入射したランダムな偏光光を例に説明する。まず、プリズム合成体1404Cに入射したランダムな偏光光に含まれるS偏光成分は、偏光分離膜426で反射されてその進行方向を変えて、隣接するプリズム合成体1404Bに入射される。次に、S偏光成分は、プリズム合成体1404Bにおいて、偏光分離膜426で反射され、偏光分離部1401から出射される。一方、ランダムな偏光光に含まれるP偏光成分は、プリズム合成体1404Cにおいて、偏光分離膜426をそのまま透過する。ここで、各プリズム合成体1404A〜1404Eでは、偏光分離部1401の入射面1421に対して偏光分離膜426がなす角度角度Θ′が僅かな角度ずつずれているので、2種類の偏光光は、ガラス材料で構成された各プリズム内で僅かに角度差をもって進行方向が横方向に分離されたことになる。
【0091】
進行方向を分離された2種類の偏光光は、インテグレータ光学系403に入射される。インテグレータ光学系403において、偏光分離部1401で進行方向をわずかに分離された2種類の偏光光は、第1のレンズ板441に入射して、第2のレンズ板442の中に二次光源像を形成する。この二次光源像を形成する位置は、λ/2位相差板1430が形成されている位置である。しかも、λ/2位相差板1430では、P偏光光による二次光源像の形成位置に対応して位相差層1431が選択的に形成されている。従って、P偏光光は、位相差層1431を通過する際に偏光面の回転作用を受け、P偏光光は、S偏光光へと変換される。一方、S偏光光は、位相差層1431を通過しないので、偏光面の回転作用を受けずにλ/2位相差板1430を通過する。従って、インテグレータ光学系403から出射される光束のほとんどは、S偏光の状態にある。このようにしてS偏光とされた状態の光束は、偏心レンズ1231によって照明領域404に照射される。
【0092】
以上説明したように、本例の偏光照明装置1400によれば、光源部401から放射されたランダムな偏光光を偏光分離部1401で2種類の偏光光に方向分離した後、各偏光光をλ/2位相差板1430の所定の領域に導いて、P偏光光をS偏光光に転換する。従って、光源部401から放射されたランダムな偏光光をほとんどS偏光光に揃えた状態で照明領域404に照射できるという効果を奏する。しかも、ガラス製のプリズムと、誘電体多層膜とを利用して偏光分離部1401を構成してあるので、偏光分離部1401の偏光分離性能は、熱的に安定である。それゆえに、大きな光出力が要求される照明装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮するので、満足の得られる性能を有する偏光照明装置を実現できる。
【0093】
また、本例では、偏光分離部1401から出射された2種類の偏光光は、横方向に分離されていることから、横長の矩形形状を有する照明領域404を形成するのに適している。
【0094】
なお、本例では、偏光分離部1401を第1のレンズ板441の手前側に配置しているが、この代わりに、第1のレンズ板441と第2のレンズ板442の間に配置してもよい。
【0095】
(実施例10の変形例)
図15には上記の実施例10(図14参照)の変形例に係る偏光照明装置1900を示してある。この変形例においては、インテグレータ光学系403を構成している第2のレンズ板1442の構成が異なっている。すなわち、第2のレンズ板1442は、P偏光光およびS偏光光の双方が入射して2つの二次光源像が形成される微小レンズ1442A、1442B、1442Cと、これらの微小レンズよりもシステム光軸Lから離れた周辺に位置している単一の二次光源像のみが形成される微小レンズ1442D、1442Eを備えている。そして、微小レンズ1442Aないし1442Cの形状および寸法は、2つの二次光源像を包含するように設定されている。これに対して、微小レンズ1442D、1442Eは、単一の二次光源像を包含する形状および大きさに設定されている。一般には、システム光軸Lに近い側の微小レンズに形成される二次光源像の方が、遠い側(周辺側)の微小レンズに形成される二次光源像よりも大きくなるので、システム光軸Lに近い所に位置する微小レンズ1442Aないし1442Cの幅(偏光分離方向の寸法)は、微小レンズ1442D、1442Eの幅よりも大きく設定される。特に、本例の場合には、微小レンズ1442Bの幅が最大になるように設定することが望ましい。なお、二次光源像を所定の位置に導くために、第1のレンズ板441の設置角度およびプリズムビームスプリッタの偏光分離膜の設置角度を適切に設定する必要がある。
【0096】
このように、第2のレンズ板1442を構成している微小レンズの大きさおよび形状を設定することにより、限られた面積内において微小レンズを効率良く配列できるとともに、光の利用効率を高め、より明るく、しかも明るさにムラのない照明を実現できる。
【0097】
(実施例11)
図16は、実施例11に係る偏光照明装置の要部を平面的にみた概略構成図である。図において、本例の偏光照明装置1500も、実施例10の偏光照明装置と同様、システム光軸Lに沿って、光源部401、偏光分離部1501、およびインテグレータ光学系403を有し、光源部401から放射された光は、偏光分離部1501およびインテグレータ光学系403を通って矩形状の照明領域404に至るようになっている。光源部401は、矩形状の照明領域404に向いており、システム光軸Lは、全体として直線的である。本例でも、光源部401をシステム光軸Lに対して所定の角度をなす方向に向けることにより、偏光分離部1501から出射される偏光光の向きを調整してあるため、変角プリズムを省いてある。
【0098】
偏光分離部1501は三角柱形状を有する第1および第2の直角プリズム1502、1503(三角柱プリズム)から構成された四角柱形状のプリズム合成体1504A、1504B、1504C、1504D、1504E、1504Fから構成されている。
【0099】
プリズム合成体1504A〜1504Fでは、第1の直角プリズム1502の斜面部1510に偏光分離膜426が形成され、第2の直角プリズム1503の斜面部1511は、偏光分離膜426を挟むようにして第1の直角プリズム1502の斜面部1510に接合されている。
【0100】
このように構成したプリズム合成体1504A〜1504Fは、各偏光分離膜426の向きがシステム光軸Lの両側において略反対である。すなわち、光源部401の側からみると、システム光軸Lに対して右側では、分離膜426が外側を向き、システム光軸Lに対して左側でも、分離膜426が外側を向いている。また、各プリズム合成体1504A〜1504Fは、いずれも幅は同じ寸法であるが、各プリズム合成体1504A〜1504Fの厚さが異なる。従って、偏光分離部1501の入射面1530に対して各プリズム合成体1504A〜1504Fの偏光分離膜426がなす角度が異なる。なお、プリズム合成体1504A、1504Fは、プリズム合成体1504B、1504Eで分離されたS偏光光を反射する機能のみを担っている。
【0101】
本例においても、第1および第2の直角プリズム1502、1503は、熱的に安定なガラス材料から構成されている。また、偏光分離膜426は、誘電体多層膜で構成されている。
【0102】
偏光分離部1501の後段には、第1のレンズ板441および第2のレンズ板442からなる2つのレンズ板を備えるインテグレータ光学系403が構成されている。第1のレンズ板441および第2のレンズ板442は、いずれも同じ数の微小なレンズ443、444を備える複合レンズ体である。第1のレンズ板441の微小レンズ443は、照明領域404に対応して矩形であり、かつ、照明領域404の相似形になっている。なお、第1のレンズ板441の微小レンズ443のうち、斜線を付した微小レンズ443Aでは、S偏光光或いはP偏光光の内のどちらか一方の光束のみが入射されるため、その出射方向を他の部分と変えてある。
【0103】
第2のレンズ板442には、微小レンズ444と、出射側の平凸レンズ445との間にλ/2位相差板1550が形成されている。また、λ/2位相差板1550に形成されている位相差層1551は、S偏光光およびP偏光光が形成する二次光源像のうち、P偏光光が二次光源像を形成する位置に形成されている。
【0104】
このように構成した偏光照明装置1500において、光源部401からのランダムな偏光光は、偏光分離部1501に入射され、P偏光光とS偏光光の2種類の偏光光に横方向に分離される。ここにおいて、各プリズム合成体1504A〜1504Fでは、偏光分離部1501の入射面1530に対して偏光分離膜426がなす角度Θ′が僅かな角度ずつずれているので、2種類の偏光光は、ガラス材料で構成された各プリズム内で僅かに角度差をもって進行方向が横方向に分離されたことになる。そして、進行方向を分離された2種類の偏光光は、インテグレータ光学系403に入射される。インテグレータ光学系403において、偏光分離部1501で進行方向をわずかに分離された2種類の偏光光は、第1のレンズ板441に入射して、第2のレンズ板442の中に二次光源像を形成する。この二次光源像を形成する位置のうち、P偏光光による二次光源像の形成位置には位相差層1551が選択的に形成されている。従って、P偏光光は、位相差層1551を通過する際に偏光面の回転作用を受け、P偏光光は、S偏光光へと変換される。一方、S偏光光は、位相差層1551を通過しないので、偏光面の回転作用を受けずにλ/2位相差板1550を通過する。従って、インテグレータ光学系403から出射される光束のほとんどは、S偏光の状態にある。このようにしてS偏光とされた状態の光束は、平凸レンズ445によって照明領域404に照射される。
【0105】
以上説明したように、本例の偏光照明装置1500でも、光源部401から放射されたランダムな偏光光を偏光分離部1501で2種類の偏光光に方向分離した後、各偏光光をλ/2位相差板1550の所定の領域に導いて、P偏光光をS偏光光に転換する。したがって、光源部401から放射されたランダムな偏光光をほとんどS偏光光に揃えた状態で照明領域404に照射できるという効果を奏する。また、ガラス製のプリズムと、誘電体多層膜とを利用して偏光分離部1501を構成してあるので、偏光分離部1501の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される照明装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮するので、満足の得られる性能を有する偏光照明装置を実現できる。
【0106】
また、本例では、偏光分離部1501から出射された2種類の偏光光は、横方向に分離されていることから、横長の矩形形状を有する照明領域404を形成するのに適している。
【0107】
なお、本例では偏光分離部1501を第1のレンズ板の手前側に配置しているが、この代わりに、第1のレンズ板441と第2のレンズ板442の間に配置してもよい。
【0108】
(実施例11の変形例)
図17には、上記の実施例11(図16参照)の変形例に係る偏光照明装置2000を示してある。異なる点は、インテグレータ光学系403を構成している第2のレンズ板1542の微小レンズの形状および大きさである。すなわち、2つの二次光源像が形成される微小レンズ1542A,1542Bの幅寸法(偏光分離方向の寸法)は、単一の二次光源像が形成される微小レンズ1542C、1542D、1542E、1542Fの幅寸法の2倍に設定されている。
【0109】
このように、形成される二次光源像の大きさに応じて、微小レンズの大きさを設定することにより、限られた面積のなかで効率良く微小レンズを配列することができ、その結果、光の利用効率を改善でき、より明るく、しかも明るさムラのない照明を実現できる。
【0110】
(実施例12)
図18には、本例の別の偏光照明装置を示してある。本例の偏光照明装置1800も、基本的には、光源401と、偏光分離部402と、インテグレータ光学系403を備えている。しかし、上記の各実施例においては、偏光分離部を構成しているプリズムビームスプリッタをインテグレータ光学系の第1のレンズ板よりも光源の側に配置した構成を採用している。しかるに、本例の装置では、偏光分離部を構成するプリズムビームスプリッタを、第1のレンズ板と第2のレンズ板の間に配置した構成を採用し、光学系を一層コンパクトに構成している。
【0111】
図18に示すように、光源401からのランダムな偏光光は、システム光軸Lに沿って出射されて、偏光分離部402の入射側に配置されている変角プリズム1801に入射する。この変角プリズム1801により偏光光の進行方向は僅かに傾けられる。従って、偏光光は、変角プリズム1801の出射側に配置されているインテグレータ光学系403を構成している第1のレンズ板441に対して垂直入射方向に対してθだけ傾斜して入射する。図においては、システム光軸Lに対して右側にθだけ傾斜した方向に沿って入射する。
【0112】
第1のレンズ板441は、プリズムビームスプリッタ1810の構成素子である直角プリズム1811の入射面1812に光学的に貼り合わされている。直角プリズム1811の入射面1812に直交する出射面1813には、偏光変換素子であるλ/2位相差板446が貼り合わされており、このλ/2位相差板446の出射面にはインテグレータ光学系の第2のレンズ板442が貼り合わされている。
【0113】
プリズムビームスリッタ1810は、直角プリズム1811と、この傾斜面1813に貼り合わせた略平板状の四角柱プリズム1820を備えている。そして、前述した例と同様に、直角プリズム1811の傾斜面1814には偏光分離膜426が形成されており、ここに当たった偏光光のうち、たとえば、S偏光のみが全面反射され、P偏光はそのまま通過するように構成されている。また、四角柱プリズム1820の外側傾斜面1821には反射膜429が形成されており、ここに当たったP偏光が全面反射されるようになっている。
【0114】
本例では、偏光分離膜426と反射膜429のなす角度を適切に設定することにより、変角プリズム1801を通って僅かに屈折した状態で入射したランダムな偏光光が、これらの膜426、429で反射されて、システム光軸Lに対して対称な角度で反対側に振り分けられてλ/2位相差板446の側に出射するように構成されている。図においては、システム光軸Lに対して上下に同一の角度だけ振り分けられた状態となる。
【0115】
λ/2位相差板446は、通過する偏光の方向を90度回転させる位相差層(図において斜線で示す部分)447と、偏光をそのまま通過させる層448とを備えている。この構成は前述の各実施例と同様である。偏光分離部402において分離されると共に、システム光軸Lに対して上下に対称な方向に振り分けられたP偏光とS偏光のうち、S偏光は位相差層447の部分に入射する。これに対してP偏光の側は層448の側に入射する。したがって、S偏光は偏光方向が90度回転してP偏光となって出射する。この結果、第2のレンズ板442にはP偏光に揃った光が入射し、ここを介して、照明領域404に向かうことになる。
【0116】
このように構成した本例の偏光照明装置1800を用いても、前記の各実施例と同様な効果を得ることができる。また、本例の構成では、インテグレータ光学系を構成している第1および第2のレンズ板がそれぞれ、プリズムビームスプリッタの入射面および出射面に貼り合わされて一体化されている。したがって、構成をコンパクトにできると共に、光学素子の空気との界面を少なくすることができるので、光の利用効率を高めることができる。
【0117】
ここで、変角プリズム1801を光学経路に配置する理由は、上記のように分離されたP偏光およびS偏光をシステム光軸に対して対称となるように振り分けるためである。したって、変角プリズム1801は、第1のレンズ板の入射側ではなく、その出射側に配置してもよい。例えば、図18(B)に示すように、プリズムビームスプリッタの入射面に変角プリズム1801を貼り合わせ、この変角プリズム1801の入射面に第1のレンズ板を貼り合わせるようにしてもよい。このようにすれば、変角プリズムと第1のレンズ板の間の空気との界面も無くすことができる。
【0118】
さらに、変角プリズムを省略して、第1のレンズ板として、図18(C)に示すように、偏心系のレンズから構成したものを使用してもよい。
【0119】
次に、本例では、第2のレンズ板442を構成する微少レンズ444の数は、第1のレンズ板441を構成する微少レンズ443の数と同数とすることもできる。しかし、その2倍として、例えば、図18(D)に示すように、第2のレンズ板444のぞれぞれを、λ/2位相板446の位相差層447およびそれ以外の層448に対応した一対のレンズ444A、444Bから構成することが望ましい。その理由は、それぞれの偏光光に対応させて設置してレンズの特性を変えることにより、第1のレンズ板と第2のレンズ板との間にできる僅かに異なるP、S偏光光の光路差を吸収し、第2のレンズ板により形成される第1のレンズ板の像の大きさを、照明領域において全て同じにするためである。
【0120】
(実施例9の偏光照明装置を用いた投写型表示装置の例)
上述した実施例1乃至12の偏光照明装置は、液晶ライトバルブを備えた投写型表示装置に用いることができる。
【0121】
図19には、上記の実施例9の装置(図11参照)を投写型表示装置(液晶プロジェクター)に適用した例である。
【0122】
図に示す投写型表示装置1600には、ランダムな偏光光を一方向に出射する光源部401が構成され、この光源部401から放射されたランダムな偏光光は、偏光分離部1201において、2種類の偏光光に分離するとともに、分離された各偏光光のうち、P偏光光については、インテグレータ光学系403のλ/2位相差板446によって、S偏光光に転換するようになっている。
【0123】
かかる偏光照明装置1600から出射された光束は、まず、青色緑色反射ダイクロイックミラー1601において、赤色光が透過して、青色光および緑色光が反射するようになっている。赤色光は、反射ミラー1602で反射され、第1の液晶ライトバルブ1603に達する。一方、青色光および緑色光のうち、緑色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1604によって反射され、第2の液晶ライトバルブ1605に達する。
【0124】
ここで、青色光は、他の2色光に比べて長い光路長(赤色光の光路長と緑色光の光路長は等しい)をもつため、青色光に対しては、入射側レンズ1606、リレーレンズ1608、および出射側レンズ1610からなるリレーレンズ系で構成した導光手段1650を設けてある。すなわち、青色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1604を透過した後、まず、出射側レンズ1606、および反射ミラー1607を経て、リレーレンズ1608に導かれ、このリレーレンズ1608に集束された後、反射ミラー1609によって出射側レンズ1610に導かれ、しかる後に、第3の液晶ライトバルブ1611に達する。ここで、第1および第3の液晶ライトバルブ1603、1605、1611は、それぞれの色光を変調し、各色に対応した映像情報を含ませた後、変調した色光をダイクロイックプリズム1613(色合成手段)に入射する。ダイクロイックプリズム1613は、赤色反射の誘電体多層膜と、青色反射の誘電体多層膜とを十字状に有しており、それぞれの変調光束を合成する。ここで合成された光束は、投写レンズ1614(投写手段)を通過してスクリーン1615上に映像を形成することになる。
【0125】
このように構成した投写型表示装置1600では、1種類の偏光光を変調するタイプの液晶ライトバルブが用いられている。したがって、従来の照明装置を用いてランダムな偏光光を液晶ライトバルブに導くと、ランダムな偏光光のうちの半分は、偏光板で吸収されて熱に変わってしまうため、光の利用効率が低いとともに、偏光板の発熱を抑える大型で騒音が大きな冷却装置が必要であるという問題点があったが、本例の投写型表示装置1600では、かかる問題点が大幅に解消されている。
【0126】
すなわち、本例の投写型表示装置1600では、偏光照明装置1200において、一方の偏光光(たとえば、P偏光光)のみに対して、λ/2位相差板446によって偏光面の回転作用を与え、他方の偏光光(たとえば、S偏光光)と偏光面が揃った状態とする。それゆえ、偏光方向の揃った偏光光が第1ないし第3の液晶ライトバルブ1603、1605、1611に導かれるので、光の利用効率が向上し、明るい投写映像を得ることができる。また、偏光板による光吸収量が低減するので、偏光板での温度上昇が抑制される。それ故、冷却装置の小型化や低騒音化を実現できる。しかも、偏光照明装置1200では、偏光分離膜として熱的に安定な誘電体多層膜を用いているため、偏光分離部1201の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される投写型表示装置1600においても常に安定した偏光分離性能を発揮する。
【0127】
さらに、偏光照明装置1600では、偏光分離部1201から出射された2種類の偏光光は、横方向に分離されていることから、光量を無駄にすることなく、横長の矩形形状を有する照明領域を形成できる。それゆえ、偏光照明装置1200は、見やすくて、かつ、迫力のある映像を投写できる横長の液晶ライトバルブ用に適している。
【0128】
それに加えて、本例では、色合成手段としては、ダイクロイックプリズム1613を用いているため、小型化が可能である。また、本例では、光路長が他の2色光よりも長い青色光に対しては、入射側レンズ1606、リレーレンズ1608、および出射側レンズ1610からなるリレーレンズ系で構成した導光手段1650を設けてあるため、色ムラなどが生じない。
【0129】
(実施例1の偏光照明装置を用いた投写型表示装置の例)
投写型表示装置としては、図20に示すように、ミラー光学系で色合成手段を構成してもよい。図20に示す投写型表示装置1700は、図1に示した偏光照明装置400が用いられており、この偏光照明装置400でも、光源部401から放射されたランダムな偏光光は、偏光分離部402において、2種類の偏光光に分離するとともに、分離された各偏光光のうち、P偏光光については、インテグレータ光学系403のλ/2位相差板446によって、S偏光光に転換するようになっている。
【0130】
かかる偏光照明装置400から出射された光束は、まず、赤色反射ダイクロイックミラー1701において、赤色光が反射し、青色光および緑色光が透過するようになっている。ここで、赤色光は、反射ミラー1705で反射され、第1の液晶ライトバルブ1707に達する。一方、青色光および緑色光のうち、緑色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1702によって反射され、第2の液晶ライトバルブ1708に達する。青色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1702を透過した後、第3の液晶ライトバルブ1709に達する。しかる後、第1および第3の液晶ライトバルブ1707、1708、1709は、それぞれの色光を変調し、各色に対応した映像情報を含ませた後、変調した色光を出射する。ここで、色変調された赤色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1703および青色反射ダイクロイックミラー1704を透過して、投写レンズ1710(投写手段)に達する。色変調された緑色光は、緑色反射ダイクロイックミラー1703で反射した後、青色反射ダイクロイックミラー1704を透過して、投写レンズ1710に達する。色変調された青色光は、青色反射ダイクロイックミラー1704で反射した後、投写レンズ1710に達する。
【0131】
このように、ダイクロイックミラーからなるミラー光学系で色合成手段を構成した投写型表示装置1700においても、1種類の偏光光を変調するタイプの液晶ライトバルブが用いられているため、従来の照明装置を用いてランダムな偏光光を液晶ライトバルブに導くと、ランダムな偏光光のうちの半分は、偏光板で吸収されて熱に変わってしまう。従って、従来の照明装置では光の利用効率が低いとともに、偏光板の発熱を抑える大型で騒音の大きな冷却装置が必要であるという問題点があったが、本例の投写型表示装置1700では、かかる問題点が大幅に解消されている。
【0132】
すなわち、本例の投写型表示装置1700では、偏光照明装置400において、一方の偏光光(例えば、P偏光光)のみに対して、λ/2位相差板446によって偏光面の回転作用を与え、他方の偏光光(たとえば、S偏光光)と偏光面が揃った状態とする。それゆえ、偏光方向の揃った偏光光が第1ないし第3の液晶ライトバルブ1707、1708、1709に導かれるので、光の利用効率が向上し、明るい投写映像を得ることができる。また、偏光板による光吸収量が低減するので、偏光板での温度上昇が抑制される。それゆえ、冷却装置の小型化や低騒音化を実現できる。しかも、偏光照明装置400では、偏光分離膜として熱的に安定な誘電体多層膜を用いているため、偏光分離部403の偏光分離性能は、熱的に安定である。それ故、大きな光出力が要求される投写型表示装置1700においても常に安定した偏光分離性能を発揮する。
【0133】
(その他の実施形態)
なお、上記の各実施例においては、偏光分離手段で、例えばP偏光をS偏光に揃えるようにしているが、勿論、偏光方向はいずれの方向に揃えてもよい。また、P偏光光およびS偏光光の双方に対して、位相差層によって偏光面の回転作用を与えて、偏光面を揃えてもよい。
【0134】
一方、各実施例では、λ/2位相差板として一般的な高分子フィルムからなるものを想定している。しかし、これらの位相差板をツイステッド・ネマチック液晶(TN液晶)を用いて構成してもよい。TN液晶を用いた場合には、位相差板の波長依存性を小さくできるので、一般的な高分子フィルムを用いた場合に比べ、λ/2位相差板の偏光変換性能を向上させることができる。
【0135】
【発明の効果】
本発明の偏光照明装置は、光源と、複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えている。
【0136】
したがって、本発明の偏光照明装置によれば、偏光方向の揃った偏光光を照射領域に照射できる。従って、液晶ライトバルブを用いた投写型表示装置に本発明に係る偏光照明装置を用いた場合には、偏光面が揃った偏光光を液晶ライトバルブに供給できるので、光の利用効率が向上し、投写映像の明るさを向上することができる。また、偏光板による光吸収量が低減するので、偏光板での温度上昇が抑制される。それ故、冷却装置の小型化や低騒音化を実現できる。
【0137】
また、本発明では、インレグレータ光学系の特徴である微小な2次光源像を生成するというプロセスを利用して偏光光の分離により生ずる空間的な広がりを回避している。したがって、偏光変換素子を備えた光学系であるにもかかわらず、装置寸法を、従来の照明装置と同じ程度の寸法に抑えることができる。
【0138】
さらにまた、本発明では、偏光分離手段としてプリズムビームスプリッタを用いている。プリズムビームスプリッタは、偏光分離膜として熱的に安定な誘電体多層膜を備えているので、偏光分離部の偏光分離性能は熱的に安定である。このため、大きな光出力が要求される投写型表示装置においても常に安定した偏光分離性能を発揮できる。
【0139】
プリズムビームスプリッタを第1のレンズ板の入射面側に配置する構成を採用すると、P偏光光とS偏光光との分離特性が良好になる。なぜならば、プリズムビームスプリッタは光の入射角に対してその分離特性が左右される。そのため、リフレクターによって略平行化した光をプリズムビームスプリッタに入射させることにより光の分離特性が、より良好で安定したものとなるからである。
【0140】
また、プリズムビームスプリッタを第1のレンズ板の出射面側に配置する構成を採用すると、より装置を小型化することができる。なぜならば、第1のレンズ板と第2のレンズ板との隙間を狭くできるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図2】 図1の装置の偏光分離部の構成を示す説明図である。
【図3】 図1の装置のインテグレータ光学系における第2のレンズ板における2次光源像の形成位置を示す説明図である。
【図4】 本発明の実施例2に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図5】 本発明の実施例3に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図6】 本発明の実施例4に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図7】 本発明の実施例5に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図8】 本発明の実施例6に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図9】 本発明の実施例7に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図10】本発明の実施例8に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図11】 本発明の実施例9に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図12】 図11の装置の偏光分離部の構成を示す斜視図である。
【図13】 実施例9に係る偏光照明装置の変形例を示す光学系の概略構成図である。
【図14】 本発明の実施例10に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図15】実施例10の変形例に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図16】本発明の実施例11に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図17】 実施例11の変形例に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図18】 本発明の実施例12に係る偏光照明装置の光学系の概略構成図である。
【図19】 図11に示す偏光照明光学系を備えた投写型表示装置の例を示す光学系の概略構成図である。
【図20】 図1に示す偏光照明光学系を備えた投写型表示装置の例を示す光学系の概略構成図である。
【図21】 従来の偏光照明装置の光学系を示す図であり、(A)はその概略構成図、(B)はその第1のレンズ板の斜視図である。
【図22】 図21の装置における偏光分離器の概略構成図である。
【符号の説明】
400 偏光照明装置
401 光源部
402 偏光分離部
403 インテグレータ光学系
404 照明領域
411 光源ランプ
421 直角プリズム(三角柱プリズム)
422 四角柱プリズム
426 偏光分離膜
429 反射膜
441 第1のレンズ板
442 第2のレンズ板
446 λ/2位相差板
424 変角プリズム
Claims (19)
- 光源と、
複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、
前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、
前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、
を備えた偏光照明装置であって、
前記偏光分離手段は、平板状の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に斜面部が接合された三角柱プリズムとを有し、
前記四角柱プリズムと前記三角柱プリズムとの接合部分には、偏光分離膜が形成され、
前記四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 光源と、
複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、
前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、
前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、
を備えた偏光照明装置であって、
前記偏光分離手段は、平板状の第1の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に側面部が接合された平板状の第2の四角柱プリズムとを有し、
前記第1の四角柱プリズムと前記第2の四角柱プリズムの接合部分には、偏光分離膜が形成され、
前記第1の四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されている
ことを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1または2において、
前記三角柱プリズムの内部には液体が充填されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 光源と、
複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、
前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、
前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、
を備えた偏光照明装置であって、
前記偏光分離手段は、平板状の四角柱プリズムと、前記四角柱プリズムの対向する2つの側面部のうちの一方の側面部に斜面部が接合された複数の三角柱プリズムとを有し、
前記四角柱プリズムと前記三角柱プリズムの接合部分には、偏光分離膜が形成され、
前記四角柱プリズムの他方の側面部には、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が形成されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 光源と、
複数の矩形レンズによって構成された第1のレンズ板と複数の微小レンズによって構成された第2のレンズ板とを備え、前記光源からの出射光が前記第1のレンズ板を介して前記第2のレンズ板を構成している各レンズの入射面上にそれぞれ2次光源像として投写され、前記第2のレンズ板からの出射光を用いて照明対象物を照明するインテグレータ光学系と、
前記光源から出射された光を偏光方向が直交する2つの偏光光に分離する偏光分離手段と、
前記2つの偏光光の偏光方向を揃える偏光変換手段と、
を備えた偏光照明装置であって、
前記偏光分離手段は、斜面部に偏光分離膜が形成された第1の三角柱プリズムと、前記2つの偏光光のうち、前記偏光分離膜を透過した偏光光を所定の方向に反射するための反射膜が斜面部に形成された第2の三角柱プリズムとを有し、
該第2の三角柱プリズムと前記第1の三角柱プリズムとは、斜面部の間に液体を充填した状態で一体化されている
ことを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段は、前記光源と前記第1のレンズ板との間に配置されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項6において、前記偏光分離手段と前記インテグレータ光学系との間には、変角プリズムが配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
- 請求項6において、前記光源と前記偏光分離手段との間には、変角プリズムが配置されていることを特徴とする偏光照明装置。
- 請求項7または8において、前記変角プリズム、前記偏光分離手段、前記第1のレンズ板のうち、少なくとも2つは一体化されていることを特徴とする偏光照明装置。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段は、前記第1のレンズ板と前記第2のレンズ板との間に配置されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項10において、
前記光源と前記第1のレンズ板との間には、変角プリズムが配置されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項10において、
前記第1のレンズ板と前記偏光分離手段との間には、変角プリズムが配置されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項10において、
前記第1のレンズ板を構成している複数の前記矩形レンズは、偏心系のレンズであることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項11〜13のいずれかにおいて、
前記変角プリズムまたは前記偏心系のレンズ、前記第1のレンズ板、前記偏光分離手段のうち、少なくとも2つは一体化されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1〜14のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段による前記2つの偏光光の分離方向は、被照明領域の長手方向に一致していることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1〜15のいずれかにおいて、
前記第2のレンズ板を構成している前記微小レンズは、前記第1のレンズ板を構成している前記矩形レンズと相似形であることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1〜15のいずれかにおいて、
前記第2のレンズ板を構成している前記微小レンズのそれぞれは、前記第1のレンズ板を構成している前記矩形レンズのそれぞれを介して形成される各2次光源像の大きさに応じて、その形状および大きさが決定されていることを特徴とする偏光照明装置。 - 請求項1〜17の何れかに記載の偏光照明装置と、
前記偏光照明装置からの光束に含まれる偏光光を変調して画像情報を含ませる液晶ライトバルブを備えた変調手段と、
変調光束を投写表示する投写光学系と、
を有することを特徴とする投写型表示装置。 - 請求項18において、
更に、前記偏光照明装置からの光束を少なくとも2つの光束に分離する色光分離手段と、前記変調手段によって変調された後の変調光束を合成する色光合成手段と、を有し、
前記色光合成手段により得られた合成光束が前記投写光学系を介して投写表示されることを特徴とする投写型表示装置。
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