JP3757567B2 - 浸透性吸水防止材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,コンクリート等の多孔質無機建材表面に塗布した時に表面を染色しかつ表層部疎水層を形成し,しかる後疎水層を残したまま退色することを特徴とするコンクリート等の多孔質無機建材用浸透性吸水防止材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から,アルキルアルコキシシランがコンクリート等の多孔質無機建材の撥水剤や浸透性吸水防止材として有用であることは広く知られている。最近では,表面に撥水性を付与するだけの撥水剤より,表層部に含浸させて疎水層を形成し水分や塩分等の侵入を防止して多孔質無機建材を保護する浸透性吸水防止材の方が耐久性の面で評価が高い。このため,浸透性に優れ,化学反応により強固な疎水層を形成するアルキルアルコキシシランの需要が高まっている。一般的には,アルキルアルコキシシランを種々の有機溶剤で希釈したものが用いられてきた。しかしながら,有機溶剤が有する毒性,揮発性および引火性等の性質によりその使用範囲に制限があった。
【0003】
例えば,比較的毒性が少ないイソプロピルアルコールを溶剤にした場合でも,蒸発速度が急速であるため基材への浸透が制限される等の問題があった。また,基本的に有機溶剤溶液は,濡れたコンクリート面に塗布できないという問題もあった。さらに,環境問題から有機溶剤を使わないシラン系浸透性吸水防止材が求められていた。以上の問題点を解決するためには,
1)アルキルアルコキシシランをそのまま塗布する。
2)アルキルアルコキシシランを加水分解させ水溶液として塗布する。
3)アルキルアルコキシシランを水性分散体にして塗布する。
等が考えられ商品化されているが,それぞれ以下のような新たな問題が懸念されている。
【0004】
1)アルキルアルコキシシラン自体は引火性が高く危険性が少ないとはいえ,消防法上の危険物であり,それをそのまま輸送し使用することは根本的な環境改善とは言えない。また,湿潤面への塗布も難しい。
2)アルキルアルコキシシランは加水分解するとシラン同士の縮合が起こりやすい。このため,水溶化するとポットライフが非常に短くなる。従って,現場にアルキルアルコキシシランを持ち込んで水溶化し,水溶化したものは使い切る必要がある。これは,繁雑な作業を必要とすることになる。経済的でもない。
【0005】
3)アルキルアルコキシシランの水性分散体は,長期の吸水防止効果が認められ,コンクリート等の保護材として有用であるが,低分子量のアルキルアルコキシシランが基材内部に浸透するため,塗布直後の施工確認が困難である。この問題を解決するために,水性エマルジョン撥水剤を添加する方法が特開平06−172677号公報に開示されているが,水をかけた部分しか確認することができない。
従って,濡れ色にならずにコンクリート自体の表面状態を維持し最終的な美観を損なうことなく,一目で全体の施工確認を行うことができるアルキルアルコキシシランの水性分散体が望まれている。濡れ色とは、コンクリート表面が「ツヤ」「テカリ」を呈する状態をいい、コンクリート表面の素地の美観を損なうものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,コンクリート等の多孔質無機建材表面に塗布した時に,一目で全体の施工確認を行うことができるアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンからなる浸透性吸水防止材の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,アルキルアルコキシシランの水性エマルジョンに油溶性染料を含有させると,該水性エマルジョンをコンクリート等の多孔質無機建材表面に塗布した時に,表面を染色しかつ表層部疎水層を形成し,しかる後疎水層を残したまま退色することを見出し,本発明に至った。
【0008】
すなわち本発明は,アルキルアルコキシシラン,油溶性染料,水,及び乳化剤を含むアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンからなる浸透性吸水防止材を提供する。
また,本発明は,水性エマルジョン中の油溶性染料の濃度が0.01〜0.2重量%であることを特徴とする上記浸透性吸水防止材を提供する。
さらに,本発明は,水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの液滴の直径が0.5〜10μmであることを特徴とする上記浸透性吸水防止材を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するアルキルアルコキシシランは,炭素数が6から20の少なくとも一個のアルキル基と,メトキシ基,エトキシ基およびプロポキシ基から選ばれる少なくとも1個のアルコキシ基が珪素に直結したものである。アルコキシ基としては,エトキシ基が特に好ましい。また,モノアルキルトリアルコキシシランが特に好ましいものとして例示される。アルキルアルコキシシランの例としては,ヘキシルトリエトキシシラン,ヘプチルトリエトキシシラン,オクチルトリエトキシシラン,ノニルトリエトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ウンデシルトリエトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,トリデシルトリエトキシシラン,テトラデシルトリエトキシシラン,ペンタデシルトリエトキシシラン,ヘキサデシルトリエトキシシラン,ヘプタデシルトリエトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシラン,ノナデシルトリエトキシシラン,エイコシルトリエトキシシラン,またはこれらの混合物あげられる。しかし,必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0010】
珪素に直結した少なくとも1個のアルキル基の炭素数が6より小さい場合は,加水分解性および揮発性が非常に高いため,塗布直後に一部が基材表面に反応し,それ以上のエマルジョンの浸透を遅らせるだけでなく,その間に未反応のシラン成分が蒸発しやすいため,結果として基材表面のみに撥水性を与えるだけになる。逆に,珪素に直結した少なくとも1個のアルキル基の炭素数が20よりも大きい場合は,分子量が大きすぎるため浸透しにくくなる。
アルコキシ基がメトキシの場合は,アルカリ性条件下での安定性が悪いため基材内部に浸透する前に表面で結合あるいは架橋が起こりやすく,水性分散体中の安定性も悪い。一方,プロポキシ基以上の炭素鎖のアルコキシ基の場合は,逆に安定性が良いだけ内部に浸透しても基材との結合が遅くなり,効果発現に時間を要するという点で特に好ましいとは言えない。
【0011】
水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの濃度は,1〜70重量%が好ましい。1重量%未満では,一回の塗布でコンクリート等の多孔質無機建材に十分な吸水防止性能を付与することは難しい。さらに,塗布回数を増やすとそれだけ多孔質無機建材中への浸透性を低下させることになる。また,70重量%を越えると,水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの液滴を最適直径(0.5〜10μm)まで小さくすることは困難であり,乳化安定性も悪くなる。
【0012】
本発明に使用する油溶性染料としては,例えば,「C.I.ソルベントイエロー2,14,16,33,56,82,93」,「C.I.ソルベントレッド1,3,8,18,24,27,49,109,132,218」,「C.I.ソルベントブルー2,14,5,35,38,70,94」,「C.I.ベイシックブルー7」,「C.I.ソルベントグリーン3」,「C.I.ソルベントバイオレット8」,「ソルベントブラック3,7,27,29,34」,「C.I.ソルベントオレンジ45,62」,またはこれらの混合物が挙げられる。しかし,必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0013】
油溶性染料は,吸水防止材を塗布後に,基材表面を染色し,約1ヶ月は肉眼で確認できる程度に染色が保持され,3ヶ月以内には完全に退色するようなものが好ましい。耐候性を調製するため,耐候性が異なる2種類以上の油溶性染料を混合して使用することもできる。
一方,シランと一緒に基材に浸透してしまうような低分子量の油溶性染料,塗布後ほとんど退色しないような耐候性に優れた特殊な油溶性染料,あるいは塗布後1週間程度で完全に退色するような耐候性が悪い油溶性染料は好ましくない。
なお,水溶性染料は,その親水基が乳化剤やアルコキシシリル基に作用して乳化安定性に悪影響を及ぼしたり,塗布直後に降雨があると流れてしまうので本発明には使用できない。
【0014】
水性エマルジョン中の油溶性染料の濃度は,0.01〜0.2重量%が好ましい。0.01重量%より少ないと基材表面の染色が薄すぎて肉眼で確認することが難しい。一方,0.2重量%より多いと,基材表面に油溶性染料が粉の状態で残りむらになるだけでなく,エマルジョンの乳化安定性に悪影響を及ぼす。
【0015】
乳化剤としては特に制限はなく,アニオン性乳化剤,ノニオン乳化剤,カチオン性乳化剤,両性乳化剤等が使用できる。
乳化剤量は,シラン成分の0.1〜50重量%,さらには0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%より少ないと安定なエマルジョンが得られず,50重量%より多いと十分な吸水防止性能が得られない。
【0016】
アニオン性乳化剤としては,脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルフォン酸塩,アルキルナフタレンスルフォン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスルフォン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルフォン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられるが,必ずしもこれに限定されるものではない。
【0017】
ノニオン性乳化剤としては,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系ノニオン性乳化剤,シリコーン系ノニオン性乳化剤等が挙げられるが,必ずしもこれに限定されるものではない。
【0018】
カチオン性乳化剤としては,アルキルアミン塩,第四級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられるが,必ずしもこれに限定されるものではない。
両性乳化剤としては,アルキルベタイン,アルキルアミンオキサイド,ホスファジルコリン(レシチンとも言う)等が挙げられるが,必ずしもこれに限定されるものではない。
【0019】
これらの乳化剤は,単独であるいは任意に混合して使用することができるが,アニオン性乳化剤とノニオン性乳化剤を併用するのが最も好ましい。アニオン性乳化剤とノニオン性乳化剤を併用することにより極く少量の乳化剤でアルキルアルコキシシランを乳化することができるため,乳化剤による耐水性への悪影響がほとんどなくなる。アニオン性乳化剤とノニオン性乳化剤を併用する場合の全乳化剤中のアニオン性乳化剤の割合は,0.01〜20重量%が好ましい。それぞれの乳化剤を単独で用いたり,アニオン性乳化剤の割合が20重量%より多くなると,安定なエマルジョンの製造が難しく分離し易くなる。
【0020】
本発明のアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンには,分散性や浸透性吸水防止材としての性能に悪影響を与えない程度に,pH調整剤,防腐剤,防黴剤,抗菌剤,消泡剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
pH調整剤は,水性エマルジョンのpHを7〜9.5の弱アルカリ側に調整することにより,アルコキシ基の加水分解を抑えるために添加される。pH調整剤としては,各種アルカリ化合物,緩衝剤等が使用できる。
【0021】
本発明のアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンは,アルキルアルコキシシラン,油溶性染料,水,乳化剤,必要に応じてその他の添加剤を分散機で乳化することにより得られる。
乳化分散機としては,特殊機化工業社製の高速乳化分散機「T.K.ホモミクサー」,超微粒乳化分散装置「T.K.ミクロマイザー」,超高圧乳化分散システム「T.K.ナノマイザー」,IKA−MASCHINENBAU社製の高速分散微粒化機「ウルトラタラックス」,エム・テクニック社製「クレアミックス」,みずほ工業社製の油圧式超高圧ホモジナイザー「マイクロフルイダイザー」等の低粘度の乳化に適した乳化分散機が好適に用いられる。これらの乳化分散機で高速あるいは高圧で処理すると液温が上昇して乳化力が低下する場合があるので,容器を冷却する等して50℃以下に保持するのが好ましい。
【0022】
水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの液滴の直径は,0.5〜10μmに調整することが好ましく,2〜10μmに調整することがさらに好ましい。シランの液滴の直径は,乳化分散機の種類,撹拌速度あるいはノズルからの噴射圧力,処理時間等の乳化条件を変えることにより調整できる。なお,本発明において,水性エマルジョン中のシランの液滴の直径は,エマルジョンを泡が入らないようにプレパラートとカバーグラスで挟み,光学顕微鏡で写真を撮影し,スケールと比較して測定したものである。
水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの液滴の直径を0.5〜10μmにすることによって,液滴が安定に分散し,1年以上経過してもシラン濃縮エマルジョンの乳白色層/水の無色透明層に分離するだけであるため再乳化が容易である。また,シランが液滴を形成しており,大部分のシランすなわち液滴内部のシランは水と接触していないため,加水分解も起こりにくい。
【0023】
水性エマルジョン中に10μmより大きいシラン液滴が存在すると,液滴同士がぶつかりあって液滴が大きくなりやすく,シランそのものが分離するため再乳化が困難となる。
一方,シラン液滴の直径が小さければ小さいほどよいという訳ではなく,小さすぎると,アルコキシシリル基と水が接する確率が高いため加水分解し易くなり,加水分解によりエタノールが生じてエマルジョンが壊れ再乳化が困難になったり,コンクリート塗布面が濡れ色になったり,ゲル化したり,ポットライフが非常に短くなるため好ましくない。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
n−ヘキシルトリエトキシシラン500g,油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」(保土谷化学工業社製,C.I.ソルベントレッド18相当品とC.I.ソルベントブルー25の混合物)0.3g,ポリオキシエチレン(20モル)ステアリルエーテル2.0g,ラウリル硫酸ナトリウム0.02g,水酸化ナトリウム1%水溶液2.0g,防腐剤(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン)0.5g,防黴剤(2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン)2.0gおよび水500gを,ホモミクサーを用い回転数約5000rpmで60分間撹拌して緑白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0025】
〔実施例2〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」0.3gを1.0gにする以外は,実施例1と同様にして緑白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0026】
〔実施例3〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」を油溶性染料「愛染SOT染料Blue−1」(保土谷化学工業社製,C.I.ソルベントブルー25)にする以外は,実施例1と同様にして青白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0027】
〔実施例4〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」を油溶性染料「愛染SOT染料Red−3」(保土谷化学工業社製,C.I.ソルベントレッド18)にする以外は,実施例1と同様にして赤白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0028】
〔実施例5〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」0.3gを0.05gにする以外は,実施例1と同様にして薄緑白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0029】
〔実施例6〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」0.3gを5.00gにする以外は,実施例1と同様にして緑白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0030】
〔比較例1〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」0.3gを除いた以外は,実施例1と同様にして白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0031】
〔比較例2〕
油溶性染料「愛染SOT染料Green−3」を水溶性食用色素「青色1号」(アイゼン社製,ブリリアントブルーFCF)にする以外は,実施例1と同様にして青白色水性エマルジョンを得た。光学顕微鏡の観察から,このエマルジョンのシラン液滴の直径はおよそ5μmであり,少なくとも10μm以上の液滴はなかった。
【0032】
実施例1〜6および比較例1〜2で得られたアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンについて以下の試験を行った。結果を表1にまとめる。
【0033】
(塗布面の観察)
7cm×7cm×2cmのモルタル供試体(JIS R 5201)の底面にエマルジョンを300g/m2 塗布して室温で24時間乾燥させ,その塗布表面の色を観察する。
(塗布面の退色性)
塗布面を観察したモルタル供試体を,日光がよくあたる場所に塗布面を45゜に傾けた状態で南に向け屋外暴露し1週間,1ヶ月,3ヶ月後に観察する。
【0034】
(浸透深さ測定)
7cm×7cm×2cmのモルタル供試体(JIS R 5201)の底面にエマルジョンを300g/m2 塗布して室温で24時間乾燥後に割断し,断面に5%メチレンブルー水溶液を塗布し,着色しない疎水層の厚さを5ヶ所測定し平均値を求める。
(吸水試験)
7cm×7cm×2cmのモルタル供試体(JIS R 5201)の全面にエマルジョンを300g/m2 塗布し,室温で28日乾燥後,JIS A 1404に準じた吸水試験を行い,無塗布(ブランク)に対する24時間の吸水比を求める。
【0035】
(乳化安定性試験)
100ccのサンプル瓶にエマルジョンを50g入れて密栓し,2つの状態(60℃で1ヶ月,又は25℃で3カ月)で放置して乳化状態(分離状態:上層/下層)を目視で観察する。
(再乳化性試験)
乳化安定性試験後,サンプル瓶を30回振盪し室温で1時間静置して乳化状態を目視で観察する。(○:乳化する,×:乳化しない)
(濡れ色試験)
再乳化安定性試験後,再度サンプル瓶を30回振盪し,分離が始まる前にモルタル供試体底面に300g/m2 塗布し,室温で7日間乾燥後,塗布表面の濡れ色の有無を目視により観察する。
【0036】
【表1】
Figure 0003757567
【0037】
【発明の効果】
本発明のアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンからなる浸透性吸水防止材は,コンクリート等の多孔質無機建材表面に塗布した時に,表面を染色しかつ表層部疎水層を形成し,しかる後疎水層を残したまま退色するため,施工確認が容易であり,コンクリート等の多孔質無機建材用浸透性吸水防止材として有用である。

Claims (3)

  1. アルキルアルコキシシラン,油溶性染料,水,及び乳化剤を含むアルキルアルコキシシランの水性エマルジョンからなる浸透性吸水防止材。
  2. 水性エマルジョン中の油溶性染料の濃度が0.01〜0.2重量%であることを特徴とする請求項1記載の浸透性吸水防止材。
  3. 水性エマルジョン中のアルキルアルコキシシランの液滴の直径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1または2記載の浸透性吸水防止材。
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