JP3757240B2 - 小型モータ - Google Patents

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JP3757240B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のシートリフタ装置に用いられる小型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のシートリフタ装置の小型モータとしては、アーマチュアを収容したモータケースの開放側端部がギヤケースにねじ止められ、アーマチュアに備えたアーマチュアシャフトの端部がギヤケース内に突出し、アーマチュアシャフトがギヤケース内で出力ギヤに噛合しているものが知られている。このような小型モータでは、モータケース内に配置されたホルダベースがギヤケースにねじ止められ、このホルダベースに支持されたブラシがアーマチュアに備えたコンミュテータに対して電気的に接続可能に圧接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した小型モータでは、ホルダベースがギヤケースにねじ止められているため、ギヤケース側にねじ止め用のスペースを確保しなければならず、ギヤケース側にねじ止め用のスペースを確保でき難いものの場合、ホルダベースの固定が困難になりうるという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】
この発明に係わる小型モータは、ねじ止め等を用いずにホルダベースの固定が極めて簡単に行える小型モータを提供することを目的としている。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係わる小型モータでは、モータケースと、モータケースの端部に固定されるギヤケースと、モータケースの内側に配置されるマグネットと、負荷に結合されるアーマチュアシャフトをもち、通電によりマグネットの内周側で回転するアーマチュアと、アーマチュアに備えたコンミュテータの外周側に配置されるブラシと、ブラシが取付けられ、ブラシをコンミュテータに対して電気的に接続可能に支持するブラシホルダが固定されたホルダベースと、ギヤケースのモータケース側の端部に形成された挿入凹部と、ホルダベースに備えたホルダベース本体の側部に該ホルダベースと一体に形成されるとともに、ギヤケースの挿入凹部に嵌入され、モータケースの端部が圧接されることによって、ホルダベースをギヤケースとモータケースとの間に固定可能な一対のギヤケース固定部とを備え、一対のギヤケース固定部には、モータケースの端部に備えたフランジの端面が圧接されるモータケース当接部と、該モータケース当接部にフランジの端面が圧接されることにより、ギヤケースの挿入凹部の底壁に圧接して潰成可能な小突起が形成されている構成としたことを特徴としている。
【0007】
この発明の請求項に係わる小型モータでは、一対のギヤケース固定部には、ブラシの外側に該ブラシに衝突可能に配置され、ブラシホルダの拡がりを防止する拡がり防止用板部がそれぞれ形成されている構成としたことを特徴としている。
【0008】
この発明の請求項に係わる小型モータでは、一対のギヤケース固定部には、拡がり防止用板部の外縁部に、モータケ−スの内壁に摺接可能なモータケース支持部がそれぞれ形成されている構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】
この発明の請求項1に係わる小型モータにおいて、ホルダベースは、ホルダベースのホルダベース本体の側部に一体に形成された一対のギヤケース固定部がギヤケースの挿入凹部に嵌入されることによって、ギヤケースとモータケースとの間に固定される。それ故、ホルダベースの固定にねじ等を用いる必要がなくなるとともに、一対のギヤケース固定部はホルダベースの成形の際に同時に形成される。また、モータケース当接部にモータケースのフランジの端面が圧接されることにより、ギヤケースの挿入凹部の底壁に小突起が圧接して潰成される。それ故、ホルダベースは、浮きや傾斜が防止されてギヤケースとモータケースとの間に固定される。
【0010】
この発明の請求項に係わる小型モータにおいて、ホルダベースは、コンミュテータをブラシの間に配置するのにブラシホルダが拡げられる際、拡がり防止用板部にブラシが衝突することによってブラシホルダの拡がりが防止される。それ故、請求項の作用に加え、ブラシホルダが必要以上に拡げられないから、ブラシホルダが変形したりしない。
【0011】
この発明の請求項に係わる小型モータにおいて、モータケースがギヤケースに取付けられる際、ギヤケース固定部のモータケース支持部がモータケースの内壁に摺接する。それ故、請求項の作用に加え、モータケースはギヤケースに対して容易に位置決めされて取付けが行われる。
【0012】
【実施例】
図1ないし図5には、この発明に係わる小型モータの一実施例が示され、図6に示されるシートリフタ装置に用いられる。
【0013】
図示する小型モータ1は、主として、モータケース2、ギヤケース3、第1のマグネット4、第2のマグネット5、アーマチュア6、ホルダベース7、ホルダベース固定手段8、第1のブラシホルダ9、第2のブラシホルダ10、第1のブラシ11、第2のブラシ12から構成されている。
【0014】
モータケース2には、円筒形状をなすモータケース本体2aの一端部に閉塞状のケースエンド2bが形成されており、このケースエンド2bの内側に第1の軸受13が固定されている。
【0015】
モータケース2には、モータケース本体2aの他端部が開放されていてフランジ2cが形成されており、このフランジ2cがギヤケース3にビス14によってねじ止められている。フランジ2cの端面2c1は平面になっている。
【0016】
モータケース2は、モータケース本体2aの内側に、第1のマグネット4、第2のマグネット5が対向して取付けられている。第1、第2のマグネット4、5は内周側にそれぞれ相反する磁力を発生している。
【0017】
第1、第2のマグネット4、5の内側には、アーマチュア6が配置されている。アーマチュア6には、アーマチュアシャフト15、アーマチュアコア16、コンミュテータ17、アーマチュアコイル18が備えられている。
【0018】
アーマチュアシャフト15は、シャフト本体15aの一端側が第1の軸受13内に挿通され、シャフト本体15aの他端側が後述するギヤケース3に取付けた第2の軸受19に挿通されており、ギヤケース3内に突出した他端部にウオーム15bが形成されている。
【0019】
アーマチュアシャフト15には、シャフト本体15aのほぼ中央にアーマチュアコア16が固定されている。アーマチュアコア16には、スロット数に対応した数の巻回部16aが形成されている。
【0020】
アーマチュアコア16の近傍には、コンミュテータ17が固定されている。コンミュテータ17の外周部には、アーマチュアコア16の巻回部16aと同数のコンミュテータ片17aがそれぞれ設けられている。そして、アーマチュアコイル18は、コンミュテータ17のコンミュテータ片17aにそれぞれ電気的に接続されたうえで、アーマチュアコア16の巻回部16aにそれぞれ巻回されている。アーマチュア6のコンミュテータ16の外周にはホルダベース7が配置されている。
【0021】
ホルダベース7には、図3に示されるように、小判形に形成されたホルダベース本体7aの中央にコンミュテータ17の外径寸法よりも大きい内径寸法の丸孔7bが形成されており、この丸孔7b内にアーマチュアシャフト15が挿通される。ホルダベース本体7aの外形の大きさは、後述するギヤケース3の一端部に形成されたホルダベース収容部3aよりもわずかに小さい。
【0022】
ホルダベース7のホルダベース本体7aの上面7a1には、第1のターミナル20、第2のターミナル21、第3のターミナル22がそれぞれ取付けられている。ホルダベース7のホルダベース本体7aの下面7a2には、サーキットブレーカ23が取付けられている。
【0023】
第1のターミナル20は、板状をなすターミナル本体20aの一端部がホルダベース本体7aの図3中下方側に形成された第1の固定孔7a3に嵌入され、ターミナル本体20aの他端部がホルダベース本体7aの図3中上方側に形成された第2の固定孔7a4に嵌入されることによって、ホルダベース本体7aの上面7a1上に固定されている。また、第1のターミナル20には、ターミナル本体20aの他端側に、ターミナル本体20aに対し直交するように立上ったブラシホルダ結合部20bが形成されており、このブラシホルダ結合部20bに第1のブラシホルダ9の基部が加締めにより固定されている。第1のターミナル20の一端部は図示しないコネクタを介して外部の回路に電気的に接続される。
【0024】
第2のターミナル21は、板状をなすターミナル本体21aの一端部がホルダベース本体7aの図3中下方側においてホルダベース本体7aを貫通して上面7a1上に突出したサーキットブレーカ23の第1の端子23aに電気的に接続され、ターミナル本体21aの他端部がホルダベース本体7aの図3中上方側に形成された第3の固定孔7a5に嵌入されることによって、ホルダベース本体7aの上面7a1上に固定されている。また、第2のターミナル21には、ターミナル本体21aの他端側に、ターミナル本体21aに対し直交するように立上ったブラシホルダ結合部21bが形成されており、このブラシホルダ結合部21bに第2のブラシホルダ10の基部が加締めにより固定されている。
【0025】
第3のターミナル22は、板状をなすターミナル本体22aの一端部がホルダベース本体7aの図3中下方側においてホルダベース本体7aを貫通して上面7a1上に突出したサーキットブレーカ23の第2の端子23bに電気的に接続され、ターミナル本体22aの他端部がホルダベース本体7aの図3中下方側に形成された第4の固定孔7a6に嵌入されることによって、ホルダベース本体7aの上面7a1上に固定されている。第3のターミナル22の一端部は図示しないコネクタを介して外部の回路に電気的に接続される。
【0026】
第1のターミナル20のブラシホルダ結合部20bに基部が固定された第1のブラシホルダ9は、板状をなすブラシホルダ本体9aがホルダベース本体7aの丸孔7bの側部に配置されており、第1のブラシホルダ9のブラシホルダ本体9aの先端寄りに第1のブラシ11が取付けられている。ブラシホルダ本体9aは基部からホルダベース本体7aの丸孔7bの中心に向け付勢されているため、第1のブラシ11がコンミュテータ17のコンミュテータ片17aに電気的に接続可能に圧接する。
【0027】
第2のターミナル21のブラシホルダ結合部21bに基部が固定された第2のブラシホルダ10は、板状をなすブラシホルダ本体10aがホルダベース本体7aの丸孔7bの側部に配置されており、第2のブラシホルダ10のブラシホルダ本体10aの先端寄りに第2のブラシ12が取付けられている。ブラシホルダ本体10aは基部からホルダベース本体7aの丸孔7bの中心に向け付勢されているため、第2のブラシ12がコンミュテータ17のコンミュテータ片17aに電気的に接続可能に圧接する。
【0028】
ホルダベース7では、第1のターミナル20の一端部、第3のターミナルの他端部が外部の回路に接続され、第1のターミナル20に電源の電位が与えられ、第3のターミナル22が接地されると、電源の電流が第1のターミナル20、第1のブラシホルダ9、第1のブラシ11、第1のブラシ11に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、アーマチュアコイル18、第2のブラシ12に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、第2のブラシ12、第2のブラシホルダ10、第2のターミナル21、サーキットブレーカ23の第1の端子23a、サーキットブレーカ23の第2の端子23b、第3のターミナル22に流れることによって、アーマチュア6を正回転させるための磁力をアーマチュアコイル18に発生させる。これとは逆に、第3のターミナル22に電源の電位が与えられ、第1のターミナル20が接地されると、電源の電流が第3のターミナル22、サーキットブレーカ23の第2の端子23b、サーキットブレーカ23の第1の端子23a、第2のターミナル21、第2のブラシホルダ10、第2のブラシ12、第2のブラシ12に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、アーマチュアコイル18、第1のブラシ11に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、第1のブラシ11、第1のブラシホルダ9、第1のターミナル20に流れることによって、アーマチュア6を逆回転させるための磁力をアーマチュアコイル18に発生させる。
【0029】
ホルダベース固定手段8は、ホルダベース7に一体にして設けられている。ホルダベース固定手段8は、主として、第1のギヤケース固定部8a、第2のギヤケース固定部8bから構成されている。第1、第2のギヤケース固定部8a、8bはホルダベース本体7aの丸孔7bを中心にして一対に配置されている。
【0030】
第1のギヤケース固定部8aには、図5に示されるように、ホルダベース本体7aの一端面7a7から矩形に突出した第1の固定部本体8a1が形成されている。この第1の固定部本体8a1は、図2に示されるように、幅寸法L1が後述するギヤケース3に形成された第1の挿入凹部3bの幅寸法L2よりもわずかに小さくなっているため、ギヤケース3の第1の挿入凹部3b内に嵌入されることによってホルダベース本体7aがギヤケース3に対して位置決めされる。
【0031】
第1の固定部本体8a1の上面には、ホルダベース本体7aの上面7a1と平行なモータケース当接部8a2が形成されている。このモータケース当接部8a2は、モータケース2に形成されたフランジ2cの端面2c1に当接する。
【0032】
第1の固定部本体8a1の下面には、図5に示されるように、3個の小突起8a3、8a3、8a3が形成されている。このとき、図2に示されるように、第1の固定部本体8a1の高さ寸法L3がギヤケース3の第1の挿入凹部3bの高さ寸法L4よりも小さくなっているが、図4に示されるように、第1の固定部本体8a1に小突起8a3、8a3、8a3を加算した高さ寸法L5がギヤケース3の第1の挿入凹部3bの高さ寸法L4よりもわずかに大きくなっているため、第1の固定部本体8a1がギヤケース3の第1の挿入凹部3bに嵌入されてから、第1の固定部本体8a1のモータケース当接部8a2に、モータケース2に形成されたフランジ2cの端面2c1が当接した際に、小突起8a3、8a3、8a3が第1の挿入凹部3bの底壁3b1に圧接することによって潰れる。
【0033】
第1の固定部本体8a1の丸孔7b側には、第1の固定部本体8a1の上面から上方に向け板状に突出した拡がり防止用板部8a4が形成されている。拡がり防止用板部8a4は、図2に示されるように、第1のブラシ11の移動軌跡上に配置されており、図3に示されるように、第1、第2のブラシホルダ9、10を付勢力に抗して外側に拡げることによって第1、第2のブラシ11、12の間にコンミュテータ17を挿入する際に、第1のブラシ11が当接することにより、第1のブラシホルダ9が拡がり過ぎないようにする。
【0034】
第1の固定部本体8a1の拡がり防止用板部8a4の外縁部には、モータケース支持部8a5が形成されている。モータケース支持部8a5は、モータケース当接部8a2に当接するモータケース2の他端部の内壁2dが摺接することによって、モータケース2をホルダベース本体7aに対して位置決めする機能をもつ。
【0035】
第2のギヤケース固定部8bは、第1のギヤケース固定部8aと同一に形成されている。この第2のギヤケース固定部8bには、図3に示されるように、ホルダベース本体7aの他端面7a8から矩形に突出した第2の固定部本体8b1が形成されている。この第2の固定部本体8b1は、図2に示されるように、幅寸法L1がギヤケース3に形成された第2の挿入凹部3cの幅寸法L2よりもわずかに小さくなっているため、ギヤケース3の第2の挿入凹部3cに嵌入されることによってホルダベース本体7aがギヤケース3に対して位置決めされる。
【0036】
第2の固定部本体8b1の上面には、ホルダベース本体7aの上面7a1と平行なモータケース当接部8b2が形成されている。このモータケース当接部8b2は、モータケース2に形成されたフランジ2cの端面2c1に当接する。
【0037】
第2の固定部本体8b1の下面には、図3に示されるように、3個の小突起8b3、8b3、8b3が形成されている。このとき、図2に示されるように、第1の固定部本体8b1の高さ寸法L3がギヤケース3の第2の挿入凹部3cの高さ寸法L4よりも小さくなっているが、図4に示されるように、第2の固定部本体8b1に小突起8b3、8b3、8b3を加算した高さ寸法L5がギヤケース3の第2の挿入凹部3cの高さ寸法L4よりもわずかに大きくなっているため、第2の固定部本体8b1がギヤケース3の第2の挿入凹部3cに嵌入されてから、第2の固定部本体8b1のモータケース当接部8b2に、モータケース2に形成されたフランジ2cの端面2c1が当接した際に、小突起8b3、8b3、8b3が第2の挿入凹部3cの底壁3c1に圧接することによって潰れる。
【0038】
第2の固定部本体8b1の丸孔7b側には、第2の固定部本体8b1の上面から上方に向け板状に突出した拡がり防止用板部8b4が形成されている。拡がり防止用板部8b4は、図2に示されるように、第2のブラシ12の移動軌跡上に配置されており、図3に示されるように、第1、第2のブラシホルダ9、10を付勢力に抗して外側に拡げることによって第1、第2のブラシ11、12の間にコンミュテータ17を挿入する際に、第2のブラシ12が当接することにより、第2のブラシホルダ10が拡がり過ぎないようにする。
【0039】
第2の固定部本体8b1の拡がり防止用板部8b4の外縁部には、モータケース支持部8b5が形成されている。モータケース支持部8b5は、モータケース当接部8b2に当接するモータケース2の他端部の内壁2dが摺接することによって、モータケース2をホルダベース本体7aに対して位置決めする機能をもつ。
【0040】
一方、ギヤケース3は、一端側から他端側に向けて丸孔状にシャフト孔3dが形成されており、このシャフト孔3d内に第2の軸受19が取付けられている。第2の軸受19にアーマチュアシャフト15が挿通されている。
【0041】
ギヤケース3の他端側には、ギヤ収容部3eが形成されており、このギヤ収容部3e内にリードスクリュー24が回転可能に支持されている。また、このリードスクリュー24にはヘリカルギヤ25が結合されており、ヘリカルギヤ25がアーマチュアシャフト15のウオーム15bに噛合している。リードスクリュー24は、図6に示されるシートリフト装置50のシート後部リフト機構51に備えたナット体52が噛合され、このナット体52がシート後部リフト機構52のリンク53に結合されているため、アーマチュア6が正回転することによってリードスクリュー24が正回転すると、図示しないシートの後部を上昇駆動させ、これとは逆に、アーマチュア6が逆回転することによってリードスクリュー24が逆回転すると、シートの後部を下降駆動させる。シートリフト装置50には、シート前部リフト機構54も備えられており、シート後部リフト機構51用の小型モータ1とは別の小型モータ55によってシートの前部が上昇駆動される一方、シートの前部が下降駆動されるようになっている。
【0042】
ギヤケース3の一端側には、円環形のモータヨーク結合部3fが形成されており、このモータヨーク結合部3fの内側にホルダベース収容部3aが形成されている。そして、モータヨーク結合部3f上の対向位置に第1の挿入凹部3b、第2の挿入凹部3cが形成されている。
【0043】
第1、第2の挿入凹部3b、3cは、モータヨーク結合部3fの端面3f1からギヤケース3の他端側に向け、前述したように、幅寸法L2でもって、高さ寸法L4に矩形に切除されている。
【0044】
上述したホルダベース7、モータケース2、ギヤケース3は、以下のように組付けられる。
【0045】
ギヤケース3のホルダベース収容部3a内にホルダベース7のホルダベース本体7aが挿入され、第1のギヤケース固定部8aの第1の固定部本体8a1がギヤケース3の第1の挿入凹部3b内に、第2のギヤケース固定部8bの第2の固定部本体8b1がギヤケース3の第2の挿入凹部3c内にそれぞれ嵌入される。このとき、第1の固定部本体8a1の小突起8a3、8a3、8a3および第2の固定部本体8b1の小突起8b3、8b3、8b3は潰れず、第1の固定部本体8a1のモータケース当接部8a2および第2の固定部本体8b1のモータケース当接部8b2はギヤケース3のモータヨーク結合部3fの端面3f1からわずかに突出して、ホルダベース7がギヤケース3上で仮止めされる。
【0046】
この状態で、第1、第2のブラシホルダ9、10が外側に拡げられて第1、第2のブラシ11、12の間にアーマチュア6とともにコンミュテータ17が挿入され、アーマチュアシャフト15の他端側が第2の軸受19内に挿入される。
【0047】
次に、モータケース2に固定された第1の軸受13にアーマチュアシャフト15の一端部が挿入され、アーマチュア6の外側にモータケース2が被され、モータケース2に備えたフランジ2cの端面2c1が第1の固定部本体8a1のモータケース当接部8a2および第2の固定部本体8b1のモータケース当接部8b2に当接される。このとき、モータケース支持部8a5、8b5がモータケース2の他端部の内壁2dに摺接することによって、モータケース2がホルダベース本体7aに対して位置決めされる。
【0048】
そして、モータケース2がギヤケース3側に押圧され、モータケース2を介してビス14がギヤケース3にねじ止められる。すると、モータケース2に備えたフランジ2cの端面2c1を基準として第1の固定部本体8a1のモータケース当接部8a2および第2の固定部本体8b1のモータケース当接部8b2がアーマチュアシャフト15の軸方向に押圧されるから、第1の固定部本体8a1の小突起8a3、8a3、8a3が第1の挿入凹部3bの底壁3b1に、第2の固定部本体8b1の小突起8b3、8b3、8b3が第2の挿入凹部3cの底壁3c1にそれぞれ圧接することによって潰れる。このとき、ホルダベース7のホルダベース本体7aがモータケース2とギヤケース3との間で傾斜していたり、ギヤケース3に対して浮いていたりした場合、第1の固定部本体8a1の小突起8a3、8a3、8a3および第2の固定部本体8b1の小突起8b3、8b3、8b3が傾斜や浮きに応じて適宜潰れることによって、モータケース2に備えたフランジ2cの端面2c1を基準としてホルダベース本体7aの傾斜や浮きが解消され、ホルダベース本体7aがモータケース2とギヤケース3との間の所定位置に固定される。
【0049】
このような構造をなす小型モータ1は、図6に示されるシートリフト装置50に取付けられる。そして、図示しないコネクタを介してシートスライド用の回路が第1のターミナル20の一端および第3のターミナル22の他端に電気的に接続される。
【0050】
シートハイトスイッチが上昇側にオン切換えされることによって、第1のターミナル20に電源の電位が与えられ、第3のターミナル22が接地されると、電源の電流が第1のターミナル20、第1のブラシホルダ9、第1のブラシ11、第1のブラシ11に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、アーマチュアコイル18、第2のブラシ12に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、第2のブラシ12、第2のブラシホルダ10、第2のターミナル21、サーキットブレーカ23の第1の端子23a、サーキットブレーカ23の第2の端子23b、第3のターミナル22に流れることによって、アーマチュア6が正回転し、アーマチュア6が正回転することによってリードスクリュー24が正回転して、シートが上昇駆動される。
【0051】
シートハイトスイッチが下降側にオン切換えされることによって、第3のターミナル22に電源の電位が与えられ、第1のターミナル20が接地されると、電源の電流が第3のターミナル22、サーキットブレーカ23の第2の端子23b、サーキットブレーカ23の第1の端子23a、第2のターミナル21、第2のブラシホルダ10、第2のブラシ12、第2のブラシ12に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、アーマチュアコイル18、第1のブラシ11に電気的に接続されているコンミュテータ片17a、第1のブラシ11、第1のブラシホルダ9、第1のターミナル20に流れることによって、アーマチュア6が逆回転し、アーマチュア6が逆回転することによってリードスクリュー24が逆回転して、シートが下降駆動される。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の請求項1に係わる小型モータによれば、ホルダベースは、ホルダベースのホルダベース本体の側部に一体に形成された一対のギヤケース固定部がギヤケースの挿入凹部に嵌入されることによって、ギヤケースとモータケースとの間に固定される。それ故、ホルダベースの固定にねじ等を用いる必要がなくなるから、ホルダベースの固定が極めて簡単に行えるという優れた効果を奏する。また、一対のギヤケース固定部はホルダベースの成形の際に同時に形成されるから、工数の減少が図れるという優れた効果を奏する。更に、モータケース当接部にモータケースのフランジの端面が圧接されることにより、ギヤケースの挿入凹部の底壁に小突起が圧接して潰成される。それ故、ホルダベースは、浮きや傾斜が防止されてギヤケースとモータケースとの間に固定されるから、ホルダベースの固定作業を行う際の位置決め点検を行う必要がなくなるという優れた効果を奏する。
【0053】
この発明の請求項に係わる小型モータによれば、ホルダベースは、コンミュテータをブラシの間に配置するのにブラシホルダが拡げられる際、拡がり防止用板部にブラシが衝突することによってブラシホルダの拡がりが防止される。それ故、請求項の効果に加え、ブラシホルダが必要以上に拡げられないから、ブラシホルダの変形を防止することができるという優れた効果を奏する。
【0054】
この発明の請求項に係わる小型モータによれば、モータヨークがギヤケースに取付けられる際、ギヤケース固定部のモータケース支持部がモータヨークの内壁に摺接する。それ故、請求項の効果に加え、モータケースはギヤケースに対して容易に位置決めされて取付けが行われるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる小型モータの一実施例の縦断正面図である。
【図2】図1に示した小型モータの横断平面図である。
【図3】図1に示した小型モータに用いられるホルダベース単体の正面図である。
【図4】図3に示したホルダベースの平面図である。
【図5】図3に示したホルダベースとギヤケースとの組付け関係を示す外観斜視図である。
【図6】図1に示した小型モータを用いたシートリフト装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 小型モータ
2 モータケース
2c フランジ
2c1 端面
3 ギヤケース
3b (挿入凹部)第1の挿入凹部
3b1 底壁
3c (挿入凹部)第2の挿入凹部
3c1 底壁
4 (マグネット)第1のマグネット
5 (マグネット)第2のマグネット
6 アーマチュア
7 ホルダベース
8 ホルダベース固定手段
8a (ギヤケース固定部)第1のギヤケース固定部
8a2 モータケース当接部
8a3 小突起
8a4 拡がり防止用板部
8a5 モータケース支持部
8b (ギヤケース固定部)第2のギヤケース固定部
8b2 モータケース当接部
8b3 小突起
8b4 拡がり防止用板部
8b5 モータケース支持部
9 (ブラシホルダ)第1のブラシホルダ
10 (ブラシホルダ)第2のブラシホルダ
11 (ブラシ)第1のブラシ
12 (ブラシ)第2のブラシ
15 アーマチュアシャフト
17 コンミュテータ

Claims (3)

  1. モータケースと、上記モータケースの端部に固定されるギヤケースと、上記モータケースの内側に配置されるマグネットと、負荷に結合されるアーマチュアシャフトをもち、通電により上記マグネットの内周側で回転するアーマチュアと、上記アーマチュアに備えたコンミュテータの外周側に配置されるブラシと、上記ブラシが取付けられ、該ブラシを上記コンミュテータに対して電気的に接続可能に支持するブラシホルダが固定されたホルダベースと、上記ギヤケースのモータケース側の端部に形成された挿入凹部と、上記ホルダベースに備えたホルダベース本体の側部に該ホルダベースと一体に形成されるとともに、上記ギヤケースの挿入凹部に嵌入され、上記モータケースの端部が圧接されることによって、上記ホルダベースを上記ギヤケースと上記モータケースとの間に固定可能な一対のギヤケース固定部とを備え、上記一対のギヤケース固定部には、上記モータケースの端部に備えたフランジの端面が圧接されるモータケース当接部と、該モータケース当接部に上記フランジの端面が圧接されることにより、上記ギヤケースの挿入凹部の底壁に圧接して潰成可能な小突起が形成されていることを特徴とする小型モータ。
  2. 上記一対のギヤケース固定部には、上記ブラシの外側に該ブラシに衝突可能に配置され、上記ブラシホルダの拡がりを防止する拡がり防止用板部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の小型モータ。
  3. 上記一対のギヤケース固定部には、上記拡がり防止用板部の外縁部に、上記モータケースの内壁に摺接可能なモータケース支持部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項に記載の小型モータ。
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