JP3757077B2 - ウォータジェットピーニング方法及び装置 - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属部材に水中でキャビテーションを含むジェットを噴射して金属部材表面に存在する引張残留応力を低減し、圧縮残留応力に改善することにより金属部材の応力腐食割れを防止するウォータジェットピーニング(以下、WJP)方法と装置に係わり、特に、狭い間隔で林立している径の異なる円筒部品の溶接接合部の引張残留応力を低減するWJP方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
残留応力低減に好適な噴射距離は、特開平4−240073 号公報の開示によれば、施工対象面に垂直に向けた噴射で、ノズル口径の100以上とされている。狭い間隔で林立して建てられた円筒部品の溶接接合部の引張残留応力を低減するWJP方法と装置に関する技術は、特開平6−114735号公報及び特許第2859125号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−114735号公報及び特許第2859125号公報においては、円筒部品の軸方向に対してノズルを斜めに傾けることによって適正噴射距離を保つようにしている。ノズルの傾斜によって適正噴射距離は保てるが、ジェットが施工面に対して斜め衝突になるために、施工面に対して垂直に衝突した場合に比して、施工面上で見た場合の残留応力の低減される幅寸法が狭くなる。また、特開平6−114735号公報の装置は、本体の昇降と回転,ノズルアームの開閉,ノズルのスイングの4軸駆動方式により多様な動きができる反面、ノズルを移動させるためにレールによってノズルを走行させる機構が必要となり、また制御が複雑となるため装置が大型であった。
【0004】
本発明の目的は、狭い間隔で林立している制御棒駆動ハウジング(以下CRD・HSG)の間に設けられている炉心モニタハウジング(以下ICM・HSG)の溶接部に対して、噴射距離を適正噴射距離範囲に保ち、かつ、ICM・HSGの軸方向に垂直に噴射できる、単純駆動機構を備えたWJP装置と高効率WJP方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するために、WJPを施工しようとするICM・HSGの隣りの第一のCRD・HSGにWJP装置を搭載し、前記第一のCRD・HSGの中心と前記ICM・HSGの中心とを結ぶ直線上から離れた第一の位置にノズルの首振り中心を置き、ICM・HSGの軸方向に直角な水平面内でノズルに扇型に首振りをさせながら炉水中で加圧した炉水または炉水相当の水(以下、加圧水と言う)を、ICM・HSGに向けて噴射し、その後、前記ICM・HSGの隣りの第二のCRD・HSGにWJP装置を搭載し、前記第二のCRD・HSGの中心と前記ICM・HSGの中心とを結ぶ直線上から離れた第二の位置にノズルの首振り中心を置き、第一の位置からの場合と同様に加圧水をICM・HSGに向けて噴射する。
【0006】
これにより、ノズルを前記ICM・HSGの軸方向に垂直に向けた状態で適正噴射距離範囲での噴射が可能となる。また、首振り噴射によりノズルをレールなどによって走行させずに広範囲にわたるWJP施工が可能となる。さらに、第一の位置と第二の位置の2方向からの噴射のみによってICM・HSG全周のWJP施工が可能となるので施工効率が上る。
【0007】
上記に用いるWJP装置は、本体とベース板を分割構造とし、予め、CRD・HSG頂部に載せたベース板にWJP本体を挿入して組立てる。ベース板はWJP装置組み立て時には水平方向にして使用するが、炉心支持板の丸孔を通過させる時はこれを縦にして搬入する。搬入後に、ベース板とWJP本体を組み立てることによってWJP装置を構成する。これにより、炉心支持板の丸孔よりも大きいWJP装置を炉底部にセットできる。また、複数のベース板を前もってセットすることにより、WJP本体の組立て時間を短縮できる。ノズルを1軸駆動としたことで、機構と操作の簡単化,重量低減が可能となった。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の実施例1を以下に説明する。実施例1は、シュラウド取り替え時に WJPを実施する実施例である図1,図2は本実施例の施工対象部と施工状況を示し、図3は本実施例の施工手順を示す。シュラウド取り替え工事において圧力容器10の内部に新シュラウド7−1を据え付けると共に、ICM案内管も新ICM案内管6に取り替える。本発明の施工対象部は、新ICM案内管6と既設のICM・HSG1の溶接部21である。シュラウド取り替え時のWJP施工は図3の手順に従う。まず、
(1)シュラウド上部の構造物と燃料集合体,制御棒,制御棒案内管等を取り外して撤去してから、
(2)炉内の化学除染を行い、
(3)ノズル,シュラウド,ICM案内管等を切断・取り外して撤去後に、
(4)炉内シールドを取り付けて水抜きを行い、
(5)新ICM案内管6,新シュラウド7−1を溶接して組み立て、その後、
(6)新シュラウド7−1と圧力容器10の間のアニュラス部11に炉水12−1を満たし、さらに、新ICM案内管6とICM・HSG1の溶接部21の上方の少なくとも50cmまでを炉水12−2による水張りを行い、新シュラウド7−1内壁に防曝壁(図示省略)と炉心支持板8上に作業床9を設ける。次に、
(7)図4に示すように炉心支持板8を利用してWJP装置をセットし、
(8)図2のように作業床上から所望本数のICM・HSGのWJP施工を行い、
(9)WJP装置/作業床/防護壁を撤去し、
(10)上部格子板/制御棒案内管/制御棒/燃料を取り付け、
(11)シュラウドヘッドを取り付け炉内復旧後上蓋をしてWJP施工を伴うシュラウド取り替えを終了する。
【0009】
本例によれば、シュラウド取り替え時に防曝壁と作業床9の設置と撤去が上部格子板がない状態で行えるため作業が容易にできる。また、防曝壁,作業床9及びアニュラス部11に満たした炉水12−1と圧力容器10の底部に満たした炉水12−2により、作業床9上での放射線量を低減できる。そのため、作業床9上でWJP装置22の着脱,WJP施工を行う作業員60の被曝低減と効率向上が図れる。炉心支持板8上からWJP装置22を作業員60が直接に操作できるので、遠隔操作による施工に比べて、装置の単純化,低コスト化,施工の信頼性向上が図れる。本実施例は、新シュラウド7−1に取り替え後に適用する場合について説明したが、原子炉プラント建設時にも適用できる。
【0010】
上で述べた(7)から(9)のWJP施工作業をさらに詳しく、図5の手順に従い以下に説明する。WJP施工の全体システムは図2に示すようにWJP装置22とポンプ17,制御盤18−1及び18−2,タンク35,監視カメラ16から構成される。WJP装置22は図2のようにWJP本体3とベース板13からなる。WJP施工は図5の手順に従い、
(1)ポンプ17,制御盤18,ホース19,ケーブル20等を図2のようにセットする。
【0011】
(2)次に、CRD・HSG2−1及び2−2の頂部にベース板13をセットする。図6−1にベース板13の詳細を示す。ベース板13は、上面にWJP本体3着座用の2個の着座孔23−1,23−2と、WJP本体3がWJP施工中のジェットの反力によって回転することを防止する4本の回り止め25−1〜4を備える。また、下面には、CRD・HSGに挿入する先細で長さの異なる2本の中空ロッド24−1,24−2を備えている。ベース板13は、炉心支持板8の丸穴8aを通して降ろされ、図6−2のようにCRD・HSG2−1及び2−2の頂部にセットされる。その際、長い方の先細の中空ロッド24−1が先にCRD・HSG2−1に挿入され、次いで短い方の中空ロッド24−2がCRD・HSG2−2に挿入される。同時挿入でないために挿入性が良い。
【0012】
(3)その後、図4−1,図4−2に示すように、WJP本体3を炉心支持板8の丸穴8aを介して降ろし、前記ベース板13の着座孔23に前記WJP本体の着座ガイド28を挿入して係合してWJP装置22を組み立てる。(4)装置設定後、噴射時間,噴射距離,噴射流量,ノズル4の首振り角度等適正施工条件を設定する。
【0013】
(5)施工条件設定後、ノズル4に首振りさせながら、炉水または炉水相当の水を加圧したキャビテーションを内包するジェット5を噴射することによりWJP施工を行う。
【0014】
(6)着座孔23−1からWJP本体を引き上げ、着座孔23−1に差替える。(7)噴射時間,噴射距離,噴射流量,ノズル4の首振り角度等適正施工条件を設定して、(5)と別の方向から同様にWJP施工を行う。
【0015】
(8)(7)でセットしたノズルの首振り中心とWJPを行うICM・HGS1−1の中心を結ぶ直線と、(5)でセットしたノズルの首振り中心とICM・HGS1−1の中心を結ぶ直線とがなすノズル対向角βはβ=90°〜180°となるようにする。
【0016】
(9)噴射終了後、WJP本体3,ベース板13を引き上げ、(2)から(7)を繰り返し、所望の本数を施工して終了する。
【0017】
図8に施工の様子を上方からみた模式図を示す。WJP装置3を搭載したCRD・HSG2−1及び2−2の中心とICM・HSG1−1の中心とを結ぶ直線A−A及び直線B−B上から離れた位置にノズルの首振り中心を置いたノズルから、ICM・HSG1−1に向けてWJPを行うので、ICM・HSG表面とCRD・HSG表面の最短距離が短い場合でも、適正噴射距離範囲L=80mm〜200mmを確保できる。
【0018】
また、図4−1及び図4−2に示すようにICM・HSG1−1の軸方向に直角にジェット5を噴射することができる。この施工方法によれば、ICM・HSGとCRD・HSGが隣接する場合でも、ICM・HSGの軸方向に対する噴射角を90°に保ち、且つ、噴射距離を適正な噴射距離範囲内に保つことができるため、強いキャビテーションジェットをICM・HSGに当てることができる。ある原子力プラントにおいては、CRD・HSGの直径は200mm、ICM・HSGの直径は50mm、CRD・HSGは炉底に正方格子状に中心が400mmの間隔に配列されている。また、ICM・HSGは一部のCRD・HSGの正方格子の中心に配置されている。多くの原子力プラントにおいてもほぼこれらの値であり、正方格子状に配置されたCRD・HSGの中心距離は300mmから600mm、ICM・HSGはそれらのCRD・HSGの正方格子の中心に配置されている。故に、ICM・HSGとCRD・HSGの表面間の距離は200mm前後となる。本実施例によれば、このように隣接して配置されたICM・HSGとCRD・HSGにおいても、CRD・HSGに設置したWJP装置によって、適正な噴射距離を確保して、かつ、ICM・HSG軸方向に直角にジェットを噴射することができる。そのために残留応力低減効果が高くなり、大きな圧縮残留応力にまで反転できる。円柱面に衝突したジェットは円周に沿って回込み後方に壁面噴流 (回込みジェット)として流れるが、本例によれば強くかつ回り込み長さの長い回込みジェットを形成できるので回り込み部まで圧縮残留応力に低減される。また、首振り操作によって、2方向からの噴射のみでICM・HSGの全周にわたる広範囲にわたっての残留応力低減が可能となり、上述のようにノズル対向角βが90°でも回り込み作用のために全周にわたって残留応力を低減できる。従来は、A−A線上、及びB−B線上にノズルを置き、噴射距離を適正に保つためにノズルをICM・HSGの軸方向に対して下方に傾け、斜め噴射を行っていたため強い回り込みが得にくかった。WJP装置22は、図7−1,図7−2に示すように上面にアーム26及びアーム26と横方向に交叉して首振り可能に係合されたノズル4と下部首振り機構27を載せ、下面に着座ガイド28が設けられた下部プレート29を下部に備え、上面にノズル4の首振り駆動部30を載せ、下面に炉心支持板8の丸穴8aに嵌まる支持座31を設けた上部プレート32を上部に、ノズル駆動軸33と加圧水34を送給するホース19を備えている。このように、CRD・HSG頂部での組立てる方式としたことによって、炉心支持板8の丸孔8aよりも大きいWJP装置22を炉心支持板8の下部にセットできる。これにより、強力なジェットを噴射する装置を用いることができる。
【0019】
また、前もって、複数のベース板13をセットしておくことにより、WJP本体3の差替え時間を短縮でき、施工効率を向上できる。
【0020】
図9−1は、上述の方法と装置によってICMハウジング試験体に対向角度β=120°で2方向から噴射して外表面で測定した残留応力測定の結果、縦軸に残留応力,横軸に円周方向角度をとって示す。図9−2は対向角度β=180°でのWJP施工試験の結果である。対向角度β=180°は勿論、対向角度β=120°でも全周にわたり、圧縮残留応力に低減されていることが分かる。実機では、図8のICM・HSG1−1のように周りに4本のCRD・HSGが存在しないこともあり、対向角度β=180°で施工できない場合がある。しかし、其のような配置の場合でも対向角度はβ=120°〜180°の範囲に入るように設定できるので、本発明によって全てのICM・HSGに対してWJP施工ができることになる。また、本例では、ICM・HSGとICM案内管の溶接部への実施例について示したが、ICM・HSGの圧力容器貫通部の溶接部へも適用でき、さらに、CRD・HSGに対しても適用できる。
【0021】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、稼働プラントの予防保全対策として実施するものである。図10は実施例2の全体図である。実施例2の手順は図
11に従う、まず、
(1)予め、既設シュラウド7−2の上部の構造物及び、燃料集合体,制御棒,制御棒案内管(図示を省略)等を取り外して撤去する。
【0022】
(2)その後、上部格子板14炉心支持板8を通してCRD・HSG2−1,2−2の頂部に取り付けたベース板13にWJP本体3を取り付けWJP装置22を組立てる。この組立ては、燃料交換機の補助ホイスト15等により、監視カメラ16の映像を見ながら遠隔で行う。
【0023】
(3)WJP装置22を取り付けた後は、先に説明したシュラウド取り替え時の施工と同様な手順でWJP施工を行う。ノズル駆動部30は遠隔操作治具37で原子炉の上部から操作するが、ノズル駆動部30を自動駆動部としておき遠隔自動で操作してもよい。
【0024】
(4)WJP施工終了後は装置を撤去する。
【0025】
(5)制御棒案内管,制御棒,燃料をセットし、
(6)炉内復旧,シュラウドヘッド,上蓋を取り付けて終了する。
【0026】
本WJP装置22は、ベース板13とWJP本体3は分割されているので、上部格子板14の角穴を通過させて行う着脱と施工が遠隔でも確実にできる。本例によれば運転を開始した後の稼働プラントのICM・HSGの外面の残留応力が低コストで低減される。
【0027】
【発明の効果】
請求項1によれば、狭い間隔で林立しているCRD・HSGの間に設けられているICM・HSGの溶接部にICM・HSGの軸方向に垂直で、かつ、広角度でジェットを噴射できる。そのため、ICM・HSGの溶接部に強いジェットが当たり、かつ、ジェットが直接当たる周方向長さと回込みジェットの周方向長さが長くなる。一方向からの噴射で広範囲の残留応力を低減できる。
【0028】
請求項2によれば、2方向からの噴射のみでICM・HSG溶接部に対してより広範囲にわたる残留応力を低減できる。
【0029】
請求項3によれば、狭い間隔で林立しているCRD・HSGの間に設けられているICM・HSGの溶接部に対して最も強いジェットを噴射できるため、大きな圧縮残留応力にまで低減できる。また、回込み作用も最強となり、2方向からの噴射で全周にわたって残留応力を低減することができる。
【0030】
請求項4によれば、シュラウド取り替え時にICM・HSG溶接部の残留応力低減が図れ、炉心支持板上からの装置の着脱作業と操作が可能となり、施工の信頼性と効率を向上でき、装置を単純化できる。
【0031】
請求項5によれば、稼動開始プラントのICM・HSG溶接部の残留応力低減が図れる。
【0032】
請求項5によれば、上部格子板の角穴,炉心支持板の丸孔を通過できない形状の装置を上部格子板,炉心支持板を取り外さずに炉底部に着脱できる。
【0033】
本発明によれば、林立しているCRDハウジングの間に狭い間隔で設けられたICMハウジングの溶接部に対して、適正噴射角度と適正噴射距離を確保して噴射できるので、2方向からの首振り噴射のみで溶接部の引張り残留応力を圧縮にまで低減できる。そのために、ICMハウジングの溶接部の応力腐食割れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機器構成と対象部位を示す縦断面図。
【図2】本発明の一実施例によるシュラウド取り替え時のWJP施工のWJP装置の全体システムの構成を示す図。
【図3】本発明の一実施例の施工手順を示す図。
【図4(1)】本発明の一実施例によるCRDハウジングにセットしたWJP装置からのICMハウジングへのジェット噴射状況を横方向から見た図。
【図4(2)】本発明の一実施例によるCRDハウジングにセットしたWJP装置からのICMハウジングへのジェット噴射状況を横方向から見た図。
【図5】本発明の一実施例の詳細施工手順を示す図。
【図6】本発明の一実施例によるWJP装置のベース板の外観図とCRDハウジングに搭載したベース板を横から見た図。
【図7】本発明の一実施例によるWJP装置本体の全体図。
【図8】本発明の一実施例のICMハウジングに対するノズル配置とジェット噴射方向示すためにWJP施工時を上方から見た図。
【図9(1)】本発明の一実施例によるWJP装置で施工したICMハウジングの残留応力低減効果を示す図。
【図9(2)】本発明の一実施例によるWJP装置で施工したICMハウジングの残留応力低減効果を示す図。
【図10】本発明の一実施例の定期検査中のプラントのICMハウジングに対してWJP施工するWJP装置の全体システムを示す図。
【図11】本発明の一実施例の定期検査中のプラントのICMハウジングに対してWJP施工する手順を示す図。
【符号の説明】
1…ICMハウジング、2…CRDハウジング、3…WJP本体、4…ノズル、5…ジェット、6…新ICM案内管、7−1…新シュラウド、7−2…既設シュラウド、8…炉心支持板、8a…丸穴、9…作業床、10…圧力容器、11…アニュラス部、12…炉水、13…ベース板、14…上部格子板、15…補助ホイスト、16…監視カメラ、17…ポンプ、18…制御盤、19…ホース、20…ケーブル、21…溶接部、22…WJP装置、23…着座孔、24…中空ロッド、25…回り止め、26…アーム、27…下部首振り機構、28…着座ガイド、29…下部プレート、30…ノズル駆動部、31…支持座、32…上部プレート、33…ノズル駆動軸、34…加圧水、35…タンク、36…ハンドル、37…遠隔操作治具。

Claims (11)

  1. キャビテーションを含むジェットを水中で高速で噴射し、周囲水との干渉で生ずるキャビテーションをも包含するキャビテーションが部材表面及び表面近傍で崩壊するときに生ずる崩壊圧力のピーニング作用によって部材表面の引張残留応力を軽減するウォータジェットピーニングを用いた原子炉炉底部の炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法において、前記炉心モニタハウジングに隣接する制御棒駆動ハウジングにウォータジェットピーニング装置を搭載し、前記制御棒駆動ハウジングの中心と前記炉心モニタハウジングの中心とを結ぶ直線上から離れた第一の位置に首振りの中心を持つノズルから、前記炉心モニタハウジングの軸方向に直角な水平面内でノズルに首振りをさせながら炉水中で炉水または炉内用水を加圧して前記炉心モニタハウジングに噴射することを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  2. 請求項1によって、ウォータジェットピーニングを行った炉心モニタハウジングに、前記制御棒駆動ハウジングの中心と前記炉心モニタハウジングの中心とを結ぶ直線上から離れた位置で、第一の位置と前記炉心モニタハウジングの中心と第二の位置を結ぶ2本直線のなす角が90°以上、好ましくは120°以上となるような第二の位置に首振りの中心を持つノズルから前記炉心モニタハウジングの軸方向に直角な水平面内でノズルに首振りをさせながら前記炉心モニタハウジングに向けて炉水中で炉水または炉内用水を加圧して噴射することを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  3. 請求項1及び2において、第一の位置と第二の位置に首振りの中心を持つノズルをそれぞれ前記炉心モニタハウジングと正対させたときに、ノズルの前端面から前記炉心モニタハウジングまでの最短距離が80mmから200mmの範囲となる位置にノズルの首振り中心を設定した状態でウォータージェットピーニングを実施する炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  4. 予めシュラウドの上部の構造物及び、燃料集合体,制御棒,制御棒案内管等を取り外して撤去後に炉内除染を行い、シュラウド,炉心モニタ案内管等を切断して撤去した後に、新炉心モニタ案内管,新シュラウドに取り替えて溶接を行い、新シュラウド内壁に防曝壁と炉心支持板上に作業床を設け、新シュラウドと圧力容器の間のアニュラス部と新炉心モニタ案内管と炉心モニタハウジングの溶接部の上方の少なくとも50cmまでを炉水で満たし、しかる後に、炉心支持板を通して制御棒駆動ハウジング頂部に予め取り付けてあるベース板上に制御棒駆動ハウジングと同軸にWJP装置を取り付け、しかる後に請求項1乃至請求項3の何れかに示すウォータジェットピーニング方法を行うことを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  5. 予めシュラウドの上部の構造物及び、燃料集合体,制御棒,制御棒案内管を取り外し撤去し、しかる後に、上部格子板と炉心支持板を通して予め制御棒駆動ハウジング頂部に取り付けたベース板の上に制御棒駆動ハウジングと同軸にウォータジェットピーニング装置を取り付けて組立てた後に、請求項1乃至請求項3の何れかに示すウォータジェットピーニング方法を行うことを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  6. 炉心モニタハウジングに隣接する制御棒駆動ハウジングにウォータジェットピーニング装置を搭載し、前記制御棒駆動ハウジングの中心と前記炉心モニタハウジングの中心とを結ぶ直線上から離れた第一の位置に首振りの中心を持つノズルから、前記炉心モニタハウジングの軸方向に直角な水平面内でノズルに首振りをさせながら炉水中で炉水または炉内用水を加圧して前記炉心モニタハウジングに噴射することを特徴とするウォータジェットピーニング装置。
  7. 上面にウォータジェットピーニング本体着座孔を備え、下面に制御棒駆動ハウジングに嵌まる中空ロッドを備えたベース板を制御棒駆動ハウジングの頂部に載せ、その後、上面にアームと横方向に交叉して首振り可能にアームに係合されたノズルと下部首振り機構を載せ、下面に着座ガイドが設けられた下部プレートを下部に、上面にノズル駆動部を載せ、下面に炉心支持板の丸穴に嵌まる支持座を備えた上部プレートを上部に備えたウォータジェットピーニング本体を炉心支持板を通して降ろし、前記ベース板の着座孔に前記ウォータジェットピーニング本体の着座ガイドを挿入して組立てたことを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング装置。
  8. 請求項6のウォータジェットピーニング装置を用いて請求項1から5に記載の方法にしたがって施工したことを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  9. キャビテーションを含むジェットを水中で高速で噴射し、周囲水との干渉で生ずるキャビテーションをも包含するキャビテーションが部材表面及び表面近傍で崩壊するときに生ずる崩壊圧力のピーニング作用によって部材表面の引張残留応力を軽減するウォータジェットピーニングを用いた原子炉炉底部の炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法において、前記炉心モニタハウジングに隣接する制御棒駆動ハウジングにウォータジェットピーニング装置を搭載し、前記制御棒駆動ハウジングの中心と前記炉心モニタハウジングの中心とを結ぶ直線上でない第一の位置に首振りの中心を持つノズルから、前記炉心モニタハウジングの軸方向に直角な水平面内でノズルに首振りをさせながら炉水中で炉水または炉内用水を加圧して前記炉心モニタハウジングに噴射することを特徴とする炉心モニタハウジングのウォータジェットピーニング方法。
  10. 原子炉圧力容器の底部にある炉心モニタハウジングもしくは制御棒駆動ハウジングに対し、制御棒駆動ハウジングの中心以外の位置にノズルの首振り中心を持つウォータージェットピーニング装置を用いて、前記炉心モニタハウジングもしくは前記制御棒駆動ハウジングにウォータージェットを噴射することを特徴とするウォータジェットピーニング方法。
  11. 請求項9または10に記載のウォータジェットピーニング方法において、最も接近した制御棒駆動ハウジングの中心間距離が300mmから600mmであることを特徴とするウォータジェットピーニング方法。
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