JP3756950B2 - 組換え型シチメンチョウヘルペスウイルス、及びその使用 - Google Patents

組換え型シチメンチョウヘルペスウイルス、及びその使用 Download PDF

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Description

本願は、1994年8月9日に出願のU.S. シリアル番号08/288,065の一部継続出願である、1994年12月22日出願の継続出願であり、その内容を本願で参照することにより本願に組み込む。
本願全体を通じて、種々の文献は括弧中のアラビア数字で引用する。参考文献の詳しい内容は、請求項のすぐ後にアルファベット順で記載してある。これらの参考文献を、本願で参照することにより本願に組み込み、本願発明が属する技術分野での最新技術について詳細に記載する。
発明の背景
DNAを単離して、その単離されたDNAを細菌プラスミドへクローニングすることが可能であることから、ウイルスワクチン調製の手法が発展した。本願発明で使用した方法では、動物の種々のウイルス性病原体からクローン化したDNA配列を、挿入、欠失、1またはそれ以上の塩基の変異、により修飾し、それに続いて、この修飾済み配列をウイルスゲノムへ挿入することを行った。外来性配列を付加することの一つの有用性は、外来性配列が、動物のウイルス感染時に発現される外来性タンパク質をコードする時に成し遂げられる。得られる生ウイルスを次いでワクチンに使用して、宿主動物での免疫反応を惹起して、該動物を疾患より保護する。このような特徴を有するウイルスはウイルスベクタと呼ばれるが、それは外来性タンパク質を運び、宿主動物内で外来性タンパク質を発現するからである。実際、それは外来性タンパク質の運搬用の精巧な系となる。
より特異的には本発明は、疾患に対してトリをワクチン接種するためのウイルスベクタとしてのシチメンチョウヘルペスウイルスを使用することに関する。ヘルペスウイルス群は、以下の数多くの標的種に感染して疾病を引き起こす病原体からなる:ブタ、ウシ、ニワトリ、ウマ、イヌ、ネコ等。それぞれのヘルペスウイルスはそれぞれの宿主に特異的であるが、そのゲノム構造、複製様式に関してはすべて関連していて、宿主動物内での病原性、及びウイルス感染に対する宿主免疫反応の機序に関しては、ある程度関連している。
組み換えDNA技術を動物ウイルスへ適用することは、比較的歴史が浅い。改変されたウイルスの最初の例は、ゲノムが最も小さいウイルスであった。パポバウイルスの場合は、これらのウイルスが小さく、余分なDNAを保持できないために、遺伝子工学的に使用すると、複製に関して欠損していた。これらのウイルスを利用して、外来性遺伝子の発現を行うには、野生型のヘルパーウイルスが必要であり、細胞培養系に限定されている。アデノウイルスの場合は、外来性DNAで置換することが可能な、必須でないDNAの量は小さい。アデノウイルスで発現されたと思われる唯一の外来性DNAは、パポバウイルスのT抗原遺伝子群(Mansour et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1985;Thummel et al., Cell, 1983; Scolnick, et al., Cell, 1981; Thummel et al., Cell, 1981)、及び単純ヘルペスウイルス(HSV)のチミジンキナーゼ遺伝子(Haj-Amed and Graham, J. of Virology, 1986)がある。これらの文献では、外来性DNAが挿入されている可能性のある、HVTの非必須領域を同定しておらず、またHVT内で如何に外来性遺伝子を発現させるかについて、すなわちどのようなプロモータや終結配列を使用するかも教示していない。
改変された別のウイルス群はポックスウイルスである。この群の一つの構成員であるワクシニアは、外来性遺伝子発現に関しての多くの研究主題である。ポックスウイルスは、感染細胞の細胞質内で複製する、大型のDNA含有ウイルスである。このウイルスは、正二十面体やら旋の対称性に基づくカプシドを有さないという点において、ユニークな構造を有する。ポックスウイルスは、機能の喪失と縮退により、細菌様の微生物から進化した可能性が高い。一部、このユニークさのため、ポックスウイルスの遺伝子工学でなされた進歩は、他のウイルス系(ヘルペスウイルスやHVTを含む)へ直接適用することができない。ワクシニアウイルスの組換え体構築物は、数多くの研究室で作成されており、以下のような外来性の挿入遺伝子が発現されている:HSVチミジンキナーゼ(Mackett, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1982; Panicali and Paoletti, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1982)、B型肝炎表面抗原(Paoletti et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1984; Smith et al., Nature, 1983)、HSV糖タンパク質D遺伝子、インフルエンザ血球凝集素遺伝子(Panicali et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1983; Smith et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1983)、マラリア抗原遺伝子(Smith, et al., Science, 1984, and)、水疱性口内炎ウイルス糖タンパク質G遺伝子(Macket, et al., Scinece, 1986)。ワクシニアの組み換えDNA技術の全体の一般的特徴は、全てのウイルスで使用するものと同様であり、特に参考文献(Maniatis et al., Molecular Cloning, 1982)に関してはそうである。しかしながら詳細には、ワクシニアでの技術はヘルペスウイルスやHVTには適用できない。ワクチンベクタとしてのワクシニアの利用性には疑問がもたれているが、それはワクシニアがヒトの天然痘ウイルスに近縁であって、またヒトに対して病原性があることが知られているためである。故に、宿主特異的なヘルペスウイルスHVTを使用することは、家禽のワクチン接種に対する、よりよい解決策である。
霊長類のヘルペスウイルスの中では、ヒトのHSVのみが外来性DNA配列を含有するように改変されていて、また、限られてはいるが、リスザルヘルペスウイルスも外来性DNA配列を含有するように改変されている。組み換えDNAを使用してHSVを操作した最初の例は、HSVのL-SジャンクションのDNA断片を、HSVのDNAの長領域(long region)、特にチミジンキナーゼ遺伝子へクローニングしていたものである(Mocarski et al., Cell, 1980)。この挿入物は外来性DNA断片ではなくて、ゲノムの他の部位で増幅された、天然のヘルペスウイルスDNA断片である。このDNA断片は、タンパク質を発現するために特別に改変したものではなく、よってこの実験にはヘルペスウイルスでのタンパク質発現は行っていない。HSVの次の操作は、組み換えDNA技術とチミジンキナーゼ選択との組み合わせにより、ウイルスゲノム中の欠失を作りだすことである。この方法を使用して、HSVアルファ-22遺伝子が欠失されていて(Post, et al., Cell, 1981)、また15,000塩基対のDNA配列がHSVの内部繰り返しより欠失されている(Poffenberger, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1981)。
以下の場合では、タンパク質をコードする遺伝子の、ヘルペスウイルスへの、次のような挿入が行なわれている:HSVの糖タンパク質Cを、HSVのこの遺伝子に関して天然に起こる欠失変異体への挿入(Gibson and Spear, J. of Virology, 1983);2型HSVの糖タンパク質Dの、1型HSVへの挿入(Lee et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1982)(この遺伝子は外来性でないのでプロモータ配列の操作は必要ない);B型肝炎の表面抗原を、HSVのICP4プロモータ制御下におくHSVへの挿入(Shih et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1984);SV40プロモータを伴ったウシ成長ホルモンの、リスザルヘルペスウイルスへの挿入(このプロモータは、この系では機能しないが、内在性の上流プロモータがこの遺伝子の転写を行う)(Desrosiers et al., 1984)。二つの付加的外来遺伝子(ニワトリ・オバルブミン遺伝子と、エプスタイン・バールウイルスの核抗原)がHSVに挿入されていて(Arsenakis and Roizman, 1984)、また仮性狂犬病ウイルスの糖タンパク質Xも、HSVへ挿入されている(Post et al., 1985)。
遺伝子の欠損、または挿入をヘルペスウイルスへ導入した、以上の例は、組み換えDNA技術によりヘルペスウイルスを遺伝的に改変することが可能であることを証明している。遺伝子を挿入するのに用いたこの方法では、プラスミドにクローニングされたウイルスDNAと、同じ動物細胞へ形質移入された、精製済みウイルスDNAとの間で相同性組み換えを行わせる。しかしながら、欠損を行わせる位置と、外来性遺伝子の挿入を行わせる部位に関してどの程度一般化できるかは、先行技術からは分からない。
本発明の一つの目標は、マレック病に対するワクチンである。マレック病ウイルス(MDV)は、家禽の麻痺やニワトリの通常のリンパ球増殖性病が含まれるマレック病の病原体である。この疾患は生後2から5ケ月の若いニワトリで最も頻繁に起こる。顕著な臨床的症状は、一つ以上の四肢の進行性麻痺、脚の麻痺による不釣り合い、翼の関与による肢のしおれ、及び首の筋肉の関与により、頭の位置が低くなることがあげられる。急性の場合、重度の抑圧が起きる。腫瘍性がことに高い株の場合は、特徴的な、ブルサ及び胸腺の萎縮がおきる。更に、生殖腺、肺、肝臓、脾臓、腎臓、胸腺に影響するリンパ腫がある(Mohanty and Dutta, 1981)。多くのニワトリは、生涯MDVに対しての保護を与えるワクチン接種を、生後1日で受ける。本発明がなされるよりも前は、MDVに対するワクチン接種方法の原理は、シチメンチョウヘルペスウイルス(HVT)の天然株を使用するものであった。この、生後1日目のワクチンに、他の抗原を取り込ませることは有益であるが、通常のワクチンを組み合わせることの効果は、現在までのところ十分には証明されておらず、これは病原体間での競合と、免疫抑制によるためである。本発明で作成された、多価のHVTベースのワクチンは、数多くの病原体に対して、同時にワクチン接種する新規の方法となる。HVTのゲノムの非必須領域に挿入された外来性遺伝子を有する、組み換えHVTが始めて開示さている。
これらのヘルペスウイルスに対して行なわれた遺伝子工学のタイプには、細菌プラスミドへのウイルスDNAの一部のクローニング、クローン化した状態で前記ウイルスDNAを再構築して該DNAが、ある配列を欠損するようにすること、そして外来性DNA配列を、上記の欠損部分と置き換えるか、または欠損により取り除かれた部位へ加えること、がある。
HVTのゲノムに挿入する標的の外来性遺伝子は興味ある如何なる病原体から得てもよい。典型的には、興味ある遺伝子とは家禽で疾患を引き起こす病原体で、家禽産業に経済的インパクトのあるものである。この遺伝子はすでにワクチンが存在している生物体から得てもよく、誘導(vectoring)技術の新規の利点のため、HVT由来ワクチンはより優れているであろう。さらに、興味ある遺伝子は、現在ワクチンが存在していないが、その疾患を制御する必要性のある病原体から由来するものでもよい。典型的には、興味ある遺伝子は病原体の免疫原性ポリペプチドをコードしていて、表面タンパク質、分泌型タンパク質、及び構造タンパク質であってもよい。
HVTの誘導の標的である、トリの関連した病原体は、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)である。ILTVはヘルペスウイルス科の構成員であり、この病原体は、呼吸抑制、息切れ、及び血の滲出した痰で特徴付けられる、ニワトリの急性疾患を引き起こす。ウイルスの複製は、呼吸路の細胞に限られ、ここでは気管での感染が、組織の侵食と、出血を引き起こす。ニワトリでは病変の形成の程度を減少させるか、または臨床的症状を減少させる効果的な薬剤はない。細胞の継代、及び/または煩雑な投与方法で由来した、ILTの種々の修飾体でトリをワクチン接種すると、感受性のニワトリに、許容できる保護が生じる。現在のILTワクチンの中和の度合いのために、正しいレベルのウイルスを維持するための注意が必要である。すなわち保護与えるのには十分であるが、群れの中で疾患を引き起こすのには不十分な程度である。
HVT誘導方の付加的標的としては、ニューカッスル病ウイルスによって引き起こされる、感染性であって伝染性の高い、衰弱性のニューカッスル病がある。NDVは、パラミクソウイルス科の一本鎖RNAウイルスである。NDVの種々の病原型(ヴェロ原性株、亜病原性株、レント原性株)は、疾患の重症度、特異性、及び症状におうじて異なるが、多くの型は呼吸器系、及び神経系に感染するようである。NDVは主に、ニワトリ、シチメンチョウ、及びその他のトリの種に感染する。歴史的には、ワクチン接種が疾患予防のために使われてきたが、母性の抗体干渉、当該トリの寿命、及び投与経路のため、生産者は免疫プロトコールを適応させて特異的な要求にフィットさせる必要がある。
本発明のウイルスベクタで運ばれる治療薬は、ブタポックスウイルス複製の副産物である生物学的分子でなくてはならない。これは、第一分析の治療薬を、DNA、RNA、又はタンパク質の何れかに限定する。このようなクラスの化合物で、次のような形態の治療薬の例がある:アンチセンスDNA、アンチセンスRNA(S.Joshi, et al., J. of Virology, 1991)、リボザイム(M.Wachsman, et al., J. of General Virology, 1989)、サプレッサーtRNA(R.A.Bhat, et al., Nucleic Acids Research, 1989)、インターフェロン誘導性二本鎖RNA、及びインシュリンのようなホルモンから、インターフェロンやインターロイキンのようなリンホカイン、天然のアヘン剤までの種々のタンパク性治療薬の例。これら治療薬が発見され、またそれらの構造と機能が解明されたが、ウイルスベクタによるデリバリーシステムでそのような治療薬を使用する能力については明らかではない。
発明の要約
本発明は、サイトカインをコードする外来性DNA配列を具備し、該配列がシチメンチョウ・ヘルペスウイルスのゲノムのEcoRI#9断片中のXhoI部位を具備した挿入領域へ挿入された組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、サイトカインをコードした前記の外来性DNA配列が、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞内で発現されることが可能な、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
最後に、本発明は、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを産生させるための相同性ベクタ、宿主細胞、ワクチン、及び免疫方法を提供する。
図の簡単な説明
図1A−1C:HVT構築とマップデータの詳細。
図1Aは、HVTゲノムのBamHI消化断片のマップを示す図である。断片は、大きい順番に番号が付けられていて、文字は、比較上の大きさが決定されていない小断片を示す。
図1Bは、HVTゲノムの、BamHIの#16断片を示し、これはS-HVT-001中のベータガラクトシダーゼ遺伝子の挿入場所を示している。
図1Cは、HVTゲノムの、BamHIの#19断片を示し、これはベータガラクトシダーゼ遺伝子の挿入場所を示している。
凡例:B=BamHI、X=XhoI、H=HindIII、P=PstI、S=SalI、N=NdeI、R=EcoRI。
図2A−2D:プラスミド191-47中への挿入。
図2Aはプラスミド191-47中へ組み込まれたDNA断片の向きを示す図である。
図2A−2Dは、プラスミド191-47中のDNA断片の間のそれぞれの結合部に位置する配列を示す(配列認識番号:20、21、22、23、24、25、26、及び27)。
図3A−3B:S-HVT-003の構築の詳細。
図3Aは、HVT DNAの、BamHI#16断片の領域での制限酵素地図を示す。この断片は、HindIII大断片内に含まれる。図3Aは更に、リンカと標準的なクローニング手法によりEcoRI(R)部位へまず変換された、XhoI部位を示している。図3Aは更に、相同性組み換えのためにBamHI断片に組み込まれたベータgal遺伝子、及びIBVD遺伝子の構築の詳細を示している。両方の遺伝子はともに、PRV gX遺伝子プロモータ(gX)の制御下にある。
図3Bは、S-HVT-003ゲノムを示し、これには二つの挿入外来遺伝子、ベータgal及びIBVDの位置が含まれている。
図3において:H=HindIII、B=BamHI、X=XhoI、R=EcoRI、Xb=XbaI、Hp=HpaI、S=SmaI、UL=ユニークな長領域(unique long region)、IR=内部繰り返し領域、TR=末端繰り返し領域。
図4:
変性済みIBDVウイルス粒子に向けられた過免疫のラット抗血清を使って行った、ブロットのプロービングにより、S-HVT-003に感染した細胞(32kDが存在する)、及びS-HVT-001に感染した細胞(32kDが存在しない)の細胞抽出液中のIBVDの32kDaの抗原の差動的発現を示すウェスターンブロット。この血清は、主として免疫優勢な32kDの抗原(IBDV VP3)に反応する。ブロット中の各レーンは次のとおりである:1)タンパク分子量標準;2)非感染CEF細胞;3)S-HVT-001感染細胞;4、5、及び6)IBDVウイルス粒子のポリペプチド。
図5:
S-HVT-003に感染した細胞(42kDが存在する)、及びS-HVT-001に感染した細胞(42kDが存在しない)の細胞抽出液中のIBVDの42kDaの(VP2)抗原の差動的発現を示すウェスターンブロット。VP2特異的ウサギ抗ペプチド抗血清を使って、IBDV特異的ポリペプチドが同定された。各レーンは次のとおりである:1)タンパク分子量標準;2)野生型HVTに感染したCEF細胞;3)S-HVT-001に感染した細胞;4)S-HVT-003に感染したCEF細胞、5)S-HVT-003に感染したCEF細胞、6)IBDVウイルス粒子のポリペプチド。
図6A-6C:S-HVT-004構築物の詳細
図6AはBamHI#16領域に関しての、HVT DNAの制限酵素地図である。この断片は、HindIII大断片内に含まれている。また、XhoI部位(X)も示されているが、これは挿入が行なわれた部位である、挿入前に、リンカと標準的なクローニング方法により、XhoIをまずEcoRI(R)に変換した。
図6Bは相同組み換えで使用する、BamHI#16断片に挿入されたβ−gal遺伝子及びMDV gA遺伝子の構築の詳細を提供している。β−galは、PRV gX遺伝子プロモータ(gX)の制御下におかれ、一方MDV gA遺伝子は自身のプロモータの制御下におかれている。
図6Cは、S-HVT-004ゲノムを示し、二つの挿入外来遺伝子(β−gal、及びMDV gA)の位置を示している。
図6において:H:HindIII、B=BamHI、X=XhoI、R=EcoRI、Xb=XbaI、UL:ユニークな長領域、US:ユニークな短領域、IR:内部繰り返し領域、TR:末端繰り返し領域。
図7A-7B:相同性ベクタ467−22.A12内へのβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)標識遺伝子の挿入に関しての詳細な記載。図7Aは、標識遺伝子内に組み込まれたDNA断片の向きを示す図である。それぞれの断片の起源は、実験材料と実験方法の項に記載されている。図7Aと図7Bは、DNA断片と標識遺伝子(配列認識番号28,29,30,31,32,及び33)の末端との間の結合部分に位置するDNA配列を示す。図7A及び図7Bは更に、適切な結合部におけるそれぞれのDNA断片を創製するのに使用した制限酵素部認識部位、及びlacZ遺伝子のコード領域の位置を示す。括弧()内の番号は、アミノ酸を意味し、括弧[]内の制限部位は、構築過程で破壊された部位の残遺物を示す。以下の略語を使用した:仮性狂犬病ウイルス(PRV)、ラクトースオペロンZ遺伝子(lacZ)、大腸菌(E.coli)、ポリアデニル化シグナル(pA)、及び糖タンパク質X(gpX)。
図8:
HVTゲノムのBamHI、及びNotI制限酵素地図。ユニークな長領域(UL)、及びユニークな短領域(US)を示している。長及び短領域の繰り返しは四角でかこって示している。BamHI断片はサイズの大きい順に番号を付しているプローブP1-P4の位置を示してある。それぞれのプローブの起源は以下のとおりである:P1-BamHI#6、P2-BamHI#2、P3-BamHI#13、P4-HVTゲノムのXbaI断片#5(8.0kb)の、BglIIからStuIまでの4.0kbのサブ断片。
図9:プラスミドpSY229の構築手順を示す図。
図10A-10B:
相同性ベクタ456-18.18及び456-17.22内の、MDV遺伝子カセット挿入物の詳細な記載。図10A及び10Bは、カセット内に組み込まれたDNA断片の向き、並びにMDVgA、及びgB遺伝子の位置を示す概略図である。それぞれの断片の起源は、実験材料及び実験方法の項に記載されている。それぞれの断片の間の結合部、及び標識遺伝子の末端に位置する配列は、図10A及び10Bに示されていて、これにはジャンクションA(配列認識番号34)、ジャンクションB(配列認識番号35)、及びジャンクションC(配列認識番号36)が含まれる。それぞれの断片を創製するのに使用した制限酵素認識部位は、適切な結合部(ジャンクション)に示されている。括弧()内の番号は、アミノ酸を意味し、括弧[]内の制限酵素認識部位は、構築過程中に破壊された部位の残遺物を示す。
図11A-11B:
相同性ベクタ556.-41.5内のHindIII断片挿入物の詳細な記載。図11A及び11Bの該略図は、カセット内に組み込まれたDNA断片の向きを示す。それぞれの断片の起源は、実験材料と実験方法の項に記載されている。図11Aと11Bは更に、プラスミドのそれぞれのDNA断片の間の結合部、及び標識遺伝子の末端に位置するDNA配列を示していて、これらには、ジャンクションA(配列認識番号37)、ジャンクションB(配列認識番号38)、及びジャンクションC(配列認識番号39)が含まれる。それぞれの断片を創製するのに使用した制限酵素部位は、適切な結合部(ジャンクション)に記載されている。MDV gD及びgI遺伝子の一部の位置もまた、示されている。括弧()内の番号はアミノ酸を意味し、括弧[]内の制限酵素部位は、構築過程で破壊された部位の残遺物を示す。
図12A-12C:
相同性ベクタ255-18.B16内のSalI断片挿入物の詳細な記載。図12Aは、カセット内に組み込まれたDNA断片の向きを示す該略図を示す。それぞれの断片の起源は実験材料と実験方法の項に記載されている。図12Aから12Cまでは更に、それぞれの配列の間での結合部(ジャンクション)、及び標識遺伝子の末端に位置する配列を示していて、これらには、ジャンクションA(配列認識番号40)、ジャンクションB(配列認識番号41)、ジャンクションC(配列認識番号42)、ジャンクションD(配列認識番号43)、ジャンクションE(配列認識番号44)、ジャンクションF(配列認識番号45)、ジャンクションG(配列認識番号46)、及びジャンクションH(配列認識番号47)が含まれる。それぞれの断片を創製するのに使用した制限酵素部位は、適切なジャンクションに示されている。NDV F及びlacZ -NDV HNハイブリッド遺伝子の位置が示されている。括弧()内の番号は、アミノ酸を意味し、括弧[]内の制限酵素部位は、構築過程で破壊された残遺物を示す。
図13A-13B:
HVTゲノムのBamHI#10断片の、ユニークなXhoI部位が、XhoI部位(ヌクレオチド#1333-1338;配列認識番号48)への合成DNAの挿入によってどのようにPacI部位、及びNotI部位へ変換されたかを示している。図13Aは、プラスミド654-45.1(配列認識番号55)を創製するためにPacI部位へ変換されたXhoI部位を示し、また図13Bはプラスミド686-63.A1(配列認識番号56)を創製するためにNotIに変換されたXhoI部位を示す。
図14:
HVTの長いユニーク部分(配列認識番号48)内の挿入部位を取り囲む配列の制限酵素地図とタンパク質読み取り枠。この地図は、外来性遺伝子の挿入に使用された、XhoI制限部位(配列認識番号48;ヌクレオチド1333-1338)を示す。また、この配列内の4つのタンパク質読み取り枠も示されている。ORF Aは、XhoI部位へのDNAの挿入により分断されている。このORF Aのアミノ酸配列(配列認識番号50;ヌクレオチド1402-602;267アミノ酸)は、タンパク質データベースの既知の如何なるアミノ酸配列とも顕著な配列相同性を示さない。UL54(配列認識番号49;ヌクレオチド146-481;112アミノ酸)、及びUL55(配列認識番号51;ヌクレオチド1599-2135;179アミノ酸)は、それぞれ、単純ヘルペスウイルス1型のUL54及びUL55タンパク質に顕著な配列相同性を示している。ORF B(配列認識番号52;ヌクレオチド2634-2308;109アミノ酸)は、タンパク質データベースの既知の如何なるアミノ酸配列とも顕著な配列相同性を示さない。ブラスト・ソフトウェア(Blast software)を使用してNCBIデータベースのサーチを行った。
図15:
コスミド407-32.1C1、672-01.A40、672-07.C40、及び654-45.1の制限酵素地図。HVTゲノムDNA断片であるEcoRI#9とBamHI#10との重なり合う部分を示している。EcoRI#9とBamHI#10断片内のユニークなXhoI部位は、プラスミド654-45.1内ではPacI部位に変換され、またプラスミド686-63. A1内ではNotI部位に変換された。
発明の詳細な説明
本発明は、HVTゲノムの非必須部位へ挿入された外来性DNA配列を具備した、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。該外来性DNA配列は、組み換えHVTに感染した宿主細胞内で発現することが可能であり、その発現は、該外来性DNA配列の上流に位置するプロモータの制御下にある。
本願では、「HVTゲノムの非必須部位」とは、HVTウイルスゲノム中の領域であってウイルス感染、または複製に必要のないものを意味すると定義する。
本願では、「ウイルスゲノム」、または「ゲノムDNA」とは、天然のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスが含む、DNA全体を意味すると定義する。本願では、「外来性DNA配列」、または「遺伝子」とは、ゲノムDNAに対して外来性である如何なるDNA、または遺伝子を意味すると定義する。
本願では、「タンパク質読み取り枠」とは、DNAの分節であって、終止コドンを含まないアミノ酸配列に翻訳されるRNAに転写されるコドンを含むものを意味すると定義する。
本発明は更に、本発明の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを構築するのに有益な、HVTゲノム内の、複数の適切な挿入部位を提供する。挿入部位には、HVTゲノムのEcoRI#9断片とBamHI#10断片とが含まれ、この両方の断片中の好ましい挿入部位はXhoI制限エンドヌクレアーゼ部位である。
このような部位のもう一つは、HVTゲノムのBamHI#16断片である。このBamHI#16断片中の好ましい挿入部位は、UL43タンパク質をコードするタンパク質読み取り枠内にあり、このタンパク質読み取り枠内の好ましい挿入部位は、XhoI制限エンドヌクレアーゼ部位である。
更に別の挿入部位としては、HVT US2遺伝子があり、この中の好ましい挿入部位はStuI制限エンドヌクレアーゼ部位である。
本発明は、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、該シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に挿入された外来性DNA配列を含むシチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムを具備し、上記の外来性DNA配列が、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞内で発現することが可能な、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、上記の外来性DNA配列は、EcoRI#9断片のタンパク質読み取り枠(ORF)A内に挿入されている。外来性DNA配列をEcoRI#9断片のXhoI部位へ挿入してORF Aを分断することは、ORF A領域全体が、組換え体の複製にとって非必須であることを意味する。
本発明の目的に適した「組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス」は、当業者らによく知られている技術(例えばDNA TRANSFECTION FOR GENERATING RECOMBINANT HERPESVIRUSの実験材料と実験方法の項に記載されている方法)によって創製された、生のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、このウイルスは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの複製に必須の遺伝物質が欠失されていないものである。シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを精製すると、EcoRI#9断片、またはBamHI#10断片に外来性のDNA配列、または遺伝子が安定に挿入されたものが得られる。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、上記の外来性DNAが、該組み換え型ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性であるポリペプチドをコードする、上記のウイルスを提供する。
一つの態様において、該ポリペプチドは検出可能な標識である。本発明の目的に適した「検出可能な標識であるポリペプチド」は、該ポリペプチドの二量体、三量体、及び四量体である。大腸菌(E.coli)のβ−ガラクトシダーゼは4つのポリペプチド、または単量体サブユニットからなる4量体である。一つの態様において、前記のポリペプチドは大腸菌のβ−ガラクトシダーゼである。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-001、S-HVT-014、またはS-HVT-012と命名されている。
S-HVT-012は1992年10月15日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland20852U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2382の下に寄託された。
S-HVT-014は1993年12月7日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland20852U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2440の下に寄託された。
別の態様において、外来性DNA配列はサイトカインをコードする。別の態様においては、サイトカインはニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cIFN)である。好ましい態様において、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-144と、命名されている。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのウイルスゲノムが、マレック病ウイルス(MDV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、または伝染性粘液嚢病ウイルス(IBDV)由来の抗原性ポリペプチドをコードしている外来性DNAを有する、上記のヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、EcoRI#9断片に外来性DNA配列が挿入された、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、または伝染性粘液嚢病ウイルスからなる群から選択した抗原性のポリペプチドをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、マレック病ウイルス由来であって、マレック病ウイルスの糖タンパク質gA、gB、またはgDをコードしていている。別の態様において、マレック病ウイルスの糖タンパク質gA、gB、又はgDをコードした外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのUS2遺伝子のコード領域のユニークなStuI部位へ挿入されている。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのゲノムDNAが、マレック病ウイルスの抗原性ポリペプチドをコードしている外来性DNAを有する、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドはマレック病ウイルスの糖タンパク質gB、gA、またはgDである。
一つの態様において、外来性のDNA配列を有する組換え型のHVTは、IBDV VP2、MDV gA、及びMDV gBをコードする。好ましくは、このような組換え型ウイルスは、S-HVT-137、及びS-HVT−143と命名されているものである。
本発明は更に、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードする外来性DNAを有するものであり、更に検出可能な標識であるポリペプチドをコードする外来性DNAを具備する、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組み換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-004と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gBをコードする外来性DNAを有している、組換え型のはシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-045と命名されているものである。
MDVのgBをコードする外来性DNA配列を有する組換え型HVTの、一つの態様も提供され、また、この組換え型HVTは、S-HVT-045と命名されている。S-HVT-045は、1992年10月15日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville, Marryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2383の下に寄託された。
本発明は更に、MDV抗原をコードする一つより多い数の外来性DNA配列を含むように改変された組換え型のHVTを提供する。例えば、MDVのgA、及びgBをコードする外来性DNA配列はともにHVTゲノム内に運ばれることが可能である。更に組換え型のHVTは、MDVのgA、gB、及びgDをコードする外来性DNA配列を含むように構築することが可能である。
S-HVT-046、及びS-HVT-047と命名されている組換え型HVTは、MDVのgA及びgBをコードした外来性DNA配列を有する組換え型HVTの態様を提供し、S-HVT-048、及びS-HVT-062と命名されている組換え型HVTは、MDVのgA、gB、及びgDをコードした外来性DNA配列を有する組換え型HVTの態様を提供する。
S-HVT-062は、1993年2月23日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2401の下に寄託された。
本発明は、ニューカッスル病ウイルス(NDV)由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する組換え型のHVTを提供する。このような場合、抗原性ポリペプチドは、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)、またはニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)に融合させた大腸菌のβ−ガラクトシダーゼを具備した組換え型のタンパク質であることが好ましい。このようなウイルスの一つの例は、S-HVT-007と命名されているものである。
本発明は更に、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードする一つ以上の外来性DNA配列と同様に、NDV由来の抗原性ポリペプチドをコードする一つ以上の外来性DNA配列を含むように改変された組換え型HVTを提供する。好ましくは、MDVの抗原性ポリペプチドは、MDVのgB、gD、またはgAであり、またNDVでは、FまたはHNである。
本発明の一つの態様においては、組換え型のHVTは、MDVのgB、MDVのgA、及びNDVのFをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このHVTはS-HVT-048と命名されているものである。
本発明の一つの態様においては、組換え型のHVTは、MDVのgB、MDVのgA、及びNDVのHNをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このHVTはS-HVT-049と命名されているものである。
例えば、MDV gA及びgBをコードする外来性DNA配列はともに、HVTゲノム内へ運ばれる。更に、組換え型HVTは、MDV gA、gB、及びgDをコードする外来性DNA配列を有するように構築することができる。
更に、別の態様においては、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、ニューカッスル病ウイルス由来であって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、または血球凝集素・ノイラミニダーゼをコードするものである。別の態様においては、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、または血球凝集素・ノイラミニダーゼをコードする上記の外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのユニークな長領域のEcoRI#9のXhoI部位へ挿入される。好ましい態様においては、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-136と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードしている、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNAを更に具備したものを提供する。
本発明は更に、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gB由来の抗原性ポリペプチドをコードした外来性DNA配列を有する組換え型のHVTであって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)をコードした外来性DNAを更に具備した、上記の組換え型HVTを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-048と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードした外来性DNAを有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)をコードした外来性DNAを更に具備した、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-049と命名されているものである。
本発明は、ゲノムDNAが、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードした外来性DNAを有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)、及び血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)をコードした外来性DNAを更に具備した、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-050と命名されているものである。
S-HVT-050は、1993年2月23日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2400の下に寄託された。
本発明の更に別の態様においては、上記の組換え型HVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, NDV F, 及びNDV HNをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このような組換え型HVTは、S-HVT-106、またはS-HVT-128と命名されているものである。
本発明は更に、組換え型のヘルペスウイルスを提供する。更に、一つの態様においては、外来性DNA配列は、伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であって伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gBをコードするもの、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gIをコードするもの、または伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gDをコードする。
別の態様において、外来性DNA配列は、以下のものよりなる群より由来したか、または由来することが可能な抗原性ポリペプチドをコードする:MDV gA, MDV gB, MDV gD, NDV HN, NDV F, ILT gB, ILT gI, ILT gD, IBV, IBVD VP2, IBDV VP3, IBDV VP4,ニワトリ脳髄炎ウイルス、ニワトリレオウイルス、ニワトリパラミクソウイルス、ニワトリインフルエンザウイルス、ニワトリアデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、ニワトリコロナウイルス、ニワトリロタウイルス、ニワトリ貧血ウイルス(agent)、サルモネラ.spp、大腸菌(E.coli)、パステウレラ(Pasteurella).spp.、ボルデテラ(Bordetella)spp.、エイメリア(Eimeria).spp.、ヒストモナス(Histomonas)spp.、トリコモナス(Trochomoas)spp.、家禽線虫、条虫、吸虫類、家禽のダニ/シラミ、家禽の原虫。
本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスの抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドは、ILTVの糖タンパク質gB、及びILTV gD、またはILTV gIである。
ILTV抗原をコードする、一より多い外来性DNA配列を有するように改変された組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスもまた、提供される。例えば、ILTV gB、及びgDは、一緒にHVTゲノム内へ運ばれることが可能であり、ILTV gDとgI、並びにILTV gB、gD、及びgIも同様である。S-HVT-051、S-HVT-052、S-HVT-138と命名されている組換え型HVTは、このような組換え型のウイルスの態様である。
本発明はまた、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列と同様に、ILTV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列を有する、改変済み組換え型HVTを提供する。好ましくは、MDVの抗原性ポリペプチドはMDV gB, gD, またはgAであり、ILTVの抗原性ポリペプチドは、ILTV gB, gD, またはgIである。
本発明の一つの態様において、組換え型のHVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, ILTV gD, 及びILTV gBをコードする外来性DNA配列を有している。好ましくは、この組換え型HVTは、S-HVT-123と命名されているものである。
本発明の別の態様においては、組換え型HVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, ILTV gI,及びILTV gDをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、この組換え型HVTは、S-HVT-139、またはS-HVT-140と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB, マレック病ウイルス糖タンパク質gA、及びマレック病ウイルス糖タンパク質gDをコードする外来性DNA配列を有している組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD, 伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB, 及び大腸菌(E.coli)のβ−ガラクトシダーゼをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組み換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-104と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、伝染性気管支炎ウイルスのスパイクタンパク質、または伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質をコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は更に、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のHVTを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドは、IBVのスパイクタンパク質、またはIBVのマトリックスタンパク質である。
本発明はまた、IBV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列と同様に、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列を有する、組換え型HVTを提供する。好ましくは、IBV抗原性ポリペプチドは、IBVスパイクタンパク質、またはIBVマトリックスタンパク質であり、またMDV抗原性ポリペプチドは、MDV gB, gD, 又はgAである。このような組換え型のウイルスの一つの態様は、S-HVT-066と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、伝染性粘液嚢病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有している組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、検出可能な標識であるポリペプチドをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
更に、一つの態様において、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルス由来である。別の態様において、外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2遺伝子をコードする。別の態様においては外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP3遺伝子をコードする。別の態様においては外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP4遺伝子をコードする。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-003、またはS-HVT-096と命名されているものである。
S-HVT-003、及びS-HVT-096と命名されている組換え型HVTはそれぞれ、IBDV由来の抗原性ポリペプチド、及び検出可能な標識をコードした外来性DNA配列を具備した組換え型HVTの態様である。S-HVT-003は、1987年7月21日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2178の下に寄託された。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であり、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB、または伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gDをコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、外来性DNA配列は伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であって、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD、または喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gIをコードする。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列がニューカッスル病ウイルス由来であり、ニューカッスル病ウイルスのHN、またはニューカッスル病ウイルスのFをコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性粘液嚢病ウイルス由来であり、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2、VP3、またはVP4をコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性気管支炎ウイルス由来であり、伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質をコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
別の態様において、外来性DNA配列は以下のものよりなる群から由来したか、または由来することが可能な、抗原性ポリペプチドをコードしている:MDV gA, MDV gB, MDV gD, NDV HN, NDV F, ILT gB, ILT gI, ILT gD, IBV, IBDV VP2, IBDV VPD3, IBDV VP4, ニワトリ脳髄炎ウイルス、ニワトリレオウイルス、ニワトリパラミクソウイルス、ニワトリインフルエンザウイルス、ニワトリアデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、ニワトリコロナウイルス、ニワトリロタウイルス、ニワトリ貧血ウイルス(agent)、サルモネラ.spp、大腸菌(E.coli)、パステウレラ(Pasteurella).spp.、ボルデテラ(Bordetella)spp.、エイメリア(Eimeria).spp.、ヒストモナス(Histomonas)spp.、トリコモナス(Trochomoas)spp.、家禽線虫、条虫、吸虫類、家禽のダニ/シラミ、家禽の原虫。好ましい態様においては、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-136と命名されているものである。
このような抗原性ポリペプチドは、以下のものより由来するか、または由来することが可能であるものであってもよい:ネコの病原体、イヌの病原体、ウマの病原体、ウシの病原体、ニワトリの病原体、ブタの病原体、またはヒトの病原体。
別の態様においてヒトの病原体の抗原性ポリペプチドは、ヒトヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタイン・バールウイルス、水痘-帯状ヘルペスウイルスヒトヘルペスウイルス6型、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス由来である。更に、ヒト病原体の抗原性ポリペプチドは、以下のものからなる群から由来する、マラリア、または悪性腫瘍に関連していてもよい:プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)、ボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertusis)、及び悪性腫瘍。
本発明は更に、ゲノムDNAが、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)をコードする外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、大腸菌(E.coli)のβガラクトシダーゼがニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)に融合している、組み換え型のタンパク質を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのユニークな長いウイルスゲノム領域と、マレック病ウイルスのユニークな短い領域とを具備した、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスとマレック病ウイルスとの組換え体キメラを提供する。一つの態様において、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスとマレック病ウイルスとの組換え体キメラは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に挿入された外来性DNA配列を有し、この外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞内で発現されうる。
一つの態様において、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する。このポリペプチドは、組換え体ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性となりえる。
別の態様において、ポリペプチドは大腸菌(E.coli)のβガラクトシダーゼである。別の態様において、外来性DNA配列は、サイトカインをコードする。
別の態様において、サイトカインはニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cINF)である。
本発明は更に、前記外来性DNA配列が、組換え体ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性となるポリペプチドをコードする、組換え体シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
更に、組換え体シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、以下のものからなる群より選択した抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNAを更に具備している:マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、及び伝染性粘液嚢病ウイルス。
本発明は前記の外来性DNA配列が内在性の上流のヘルペスウイルスプロモータの制御下にあることを特徴とする組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。一つの態様において、外来性DNA配列は異種の上流プロモータの制御下にある。別の態様においては、がプロモータは以下のものより選択される:PRV gX, HSV-1アルファ4, HCMV極初期, MDV gA, MDV gB, MDV gD, ILT gB, BHV-1.1 VP8, 及びILT gD。
本発明は、以下のものを必須的に有する二本鎖DNA分子を具備したシチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノム内に、外来性DNAを挿入することにより、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを産生させる相同性ベクタを提供する:(a)シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノム内には通常存在しない、二本鎖の外来性DNA;(b)前記外来性DNAの一方の末端にある二本鎖のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスDNAであって、該DNAが、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのコード領域であるEcoRI#9部位の一方の末端側に位置するウイルスゲノムに対して相同的であるもの;(c)前記外来性DNAのもう一方の末端にある二本鎖のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスDNAであって、該DNAが、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのコード領域であるEcoRI#9部位のもう一方の末端側に位置するウイルスゲノムに対して相同的であるもの。この相同性ベクタの例は、751-87.A8、及び761-7.A1と命名されているものである。
一つの態様において、ポリペプチドとは、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性である。別の態様においては、抗原性ポリペプチドとは、サイトカイン、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、または伝染性気管支炎ウイルス由来の抗原性ポリペプチドである。好ましい態様においては、抗原性ポリペプチドとは、以下のものである:ニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cIFN)、伝染性粘液嚢病ウイルスポリタンパク質、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2タンパク質、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、マレック病ウイルスの糖タンパク質gD、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD、伝染性気管支炎ウイルスのスパイクタンパク質、または伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNA配列は、ウマの病原体由来の抗原性ポリペプチドをコードしている。ウマの病原体の抗原性ポリペプチドは、ウマインフルエンザウイルス、またはウマヘルペスウイルスから由来することが可能である。このような抗原性ポリペプチドは、このような抗原性ポリペプチドの例には、次のものがある:ウマインフルエンザウイルスA/アラスカ91ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/プラハ56ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/マイアミ63ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/ケンタッキー81ノイラミニダーゼ、ウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質B、及びウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質D。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNA配列は、ウシRSウイルス、またはウシパラインフルエンザウイルスから由来した抗原性ポリペプチドをコードする。ウシRSウイルス、またはウシパラインフルエンザウイルスから由来する抗原性ポリペプチドには次のようなものがある:ウシRSウイルス吸着タンパク質(BRSV G)、ウシRSウイルス融合タンパク質(BRSVF)、ウシRSウイルスヌクレオカプシドタンパク質(BRSV N)、ウシパラインフルエンザウイルス3型融合タンパク質、及びウシパラインフルエンザウイルス3型血球凝集素・ノイラミニダーゼ。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNAは、ヒトの免疫反応を刺激することが可能なサイトカインをコードする。例えば、サイトカインはインターロイキン-2、インターロイキン-6、インターロイキン-12、インターフェロン、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、及びインターロイキン受容体であることが可能であるが、これらには限定されない。
本発明の一つの態様においては、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNAは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのBamHI#16断片内に存在するDNA配列に対して相同性である。好ましくは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNAは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのUL43タンパク質をコードするタンパク質読み取り枠内に存在するDNA配列に相同性である。好ましくは、この相同性ベクタは172-29.31と命名されているものである。
本発明の目的に適した「相同性ベクタ」は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのゲノムの特異的部位へ外来性DNAを挿入するように構築されたプラスミドである。
本発明の一つの態様において、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に存在するDNA配列に相同発明の詳細な説明
本発明は、HVTゲノムの非必須部位へ挿入された外来性DNA配列を具備した、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。外来性DNA配列は、組み換えHVTに感染した宿主細胞内で発現することが可能であり、その発現は、該外来性DNA配列の上流に位置するプロモータの制御下にある。
本願では、「HVTゲノムの非必須部位」とは、HVTウイルスゲノム中の領域であってウイルス感染、または複製に必要のないものを意味すると定義する。
本願では、「ウイルスゲノム」、または「ゲノムDNA」とは、天然のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスが含む、DNA全体を意味すると定義する。本願では、「外来性DNA配列」、または「遺伝子」とは、ゲノムDNAに対して外来性である如何なるDNA、または遺伝子を意味すると定義する。
本願では、「タンパク質読み取り枠」とは、DNAの分節であって、終止コドンを含まないアミノ酸配列に翻訳されるRNAに転写されるコドンを含むものを意味すると定義する。
本発明は更に、本発明の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを構築するのに有益な、HVTゲノム内の、複数の適切な挿入部位を提供する。挿入部位には、HVTゲノムのEcoRI#9断片とBamHI#10断片とが含まれ、この両方の断片中の好ましい挿入部位はXhoI制限酵素部位である。
このような部位のもう一つは、HVTゲノムのBamHI#16断片である。このBamHI#16断片中の好ましい挿入部位は、UL43タンパク質をコードするタンパク質読み取り枠内にあり、このタンパク質読み取り枠内の好ましい挿入部位は、XhoI部位である。
更に別の挿入部位としては、HVT US2遺伝子があり、この中の好ましい挿入部位はStuIエンドヌクレアーゼ部位である。
本発明は、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、該シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に挿入された外来性DNA配列を含むシチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムを具備し、上記の外来性DNA配列が、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞内で発現することが可能な、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、上記の外来性DNA配列は、EcoRI#9断片のタンパク質読み取り枠(ORF)A内に挿入されている。外来性DNA配列をEcoRI#9断片のXhoI部位へ挿入してORF Aを分断することは、ORF A領域全体が、組換え体の複製にとって非必須であることを意味する。
本発明の目的に適した「組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス」は、当業者らによく知られている技術(例えばDNA TRANSFECTION FOR GENERATING RECOMBINANT HERPESVIRUSの実験材料と実験方法の項に記載されている方法)によって創製された、生のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、このウイルスは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの複製に必須の遺伝物質が欠失されていないものである。シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを精製すると、EcoRI#9断片、またはBamHI#10断片に外来性のDNA配列、または遺伝子が安定に挿入されたものが得られる。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、上記の外来性DNAが、該組み換え型ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性であるポリペプチドをコードする、上記のウイルスを提供する。
一つの態様において、該ポリペプチドは検出可能な標識である。本発明の目的に適した「検出可能な標識であるポリペプチド」は、該ポリペプチドの二量体、三量体、及び四量体である。大腸菌(E.coli)のβ−ガラクトシダーゼは4つのポリペプチド、または単量体サブユニットからなる4量体である。一つの態様において、前記のポリペプチドは大腸菌のβ−ガラクトシダーゼである。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-001、S-HVT-014、またはS-HVT-012と命名されている。
S-HVT-012は1992年10月15日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland20852U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2382の下に寄託された。
S-HVT-014は1993年12月7日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland20852U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2440の下に寄託された。
別の態様において、外来性DNA配列はサイトカインをコードする。別の態様においては、サイトカインはニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cIFN)である。好ましい態様において、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-144と、命名されている。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのウイルスゲノムが、マレック病ウイルス(MDV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、伝染性喉頭気管炎ウイルス(ILTV)、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、または伝染性粘液嚢病ウイルス(IBDV)由来の抗原性ポリペプチドをコードしている外来性DNAを有する、上記のヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、EcoRI#9断片に外来性DNA配列が挿入された、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、または伝染性粘液嚢病ウイルスからなる群から選択した抗原性のポリペプチドをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、マレック病ウイルス由来であって、マレック病ウイルスの糖タンパク質gA、gB、またはgDをコードしていている。別の態様において、マレック病ウイルスの糖タンパク質gA、gB、又はgDをコードした外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのUS2遺伝子のコード領域のユニークなStuI部位へ挿入されている。
本発明は更に、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのゲノムDNAが、マレック病ウイルスの抗原性ポリペプチドをコードしている外来性DNAを有する、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドはマレック病ウイルスの糖タンパク質gB、gA、またはgDである。
一つの態様において、外来性のDNA配列を有する組換え型のHVTは、IBDV VP2、MDV gA、及びMDV gBをコードする。好ましくは、このような組換え型ウイルスは、S-HVT-137、及びS-HVT−143と命名されている。
本発明は更に、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、そのゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードする外来性DNAを有するものであり、更に検出可能な標識であるポリペプチドをコードする外来性DNAを具備する、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組み換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-004と命名されている。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gBをコードする外来性DNAを有している、組換え型のはシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-045を命名されている。
MDVのgBをコードする外来性DNA配列を有する組換え型HVTの、一つの態様も提供され、また、この組換え型HVTは、S-HVT-045と命名されている。S-HVT-045は、1992年10月15日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2383の下に寄託された。
本発明は更に、MDV抗原をコードする一つよりお多い数の外来性DNA配列を含むように改変された組換え型のHVTを提供する。例えば、MDVのgA、及びgBをコードする外来性DNA配列はともにHVTゲノム内に運ばれることが可能である。更に組換え型のHVTは、MDVのgA、gB、及びgDをコードする外来性DNA配列を含むように構築することが可能である。
S-HVT-046、及びS-HVT-047と命名されている組換え型HVTは、MDVのgA及びgBをコードした外来性DNA配列を有する組換え型HVTの態様を提供し、S-HVT-048、及びS-HVT-062と命名されている組換え型HVTは、MDVのgA、gB、及びgDをコードした外来性DNA配列を有する組換え型HVTの態様を提供する。
S-HVT-062は、1993年2月23日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2401の下に寄託された。
本発明は、ニューカッスル病ウイルス(NDV)由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する組換え型のHVTを提供する。このような場合、抗原性ポリペプチドは、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)、またはニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)に融合させた大腸菌のβ−ガラクトシダーゼを具備した組換え型のタンパク質であることが好ましい。このようなウイルスの一つの例は、S-HVT-007と命名されているものである。
本発明は更に、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードする一つ以上の外来性DNA配列と同様に、NDV由来の抗原性ポリペプチドをコードする一つ以上の外来性DNA配列を含むように改変された組換え型HVTを提供する。好ましくは、MDVの抗原性ポリペプチドは、MDVのgB、gD、またはgAであり、またNDVでは、FまたはHNである。
本発明の一つの態様においては、組換え型のHVTは、MDVのgB、MDVのgA、及びNDVのFをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このHVTはS-HVT-048と命名されているものである。
本発明の一つの態様においては、組換え型のHVTは、MDVのgB、MDVのgA、及びNDVのHNをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このHVTはS-HVT-049と命名されているものである。
例えば、MDV gA及びgBをコードする外来性DNA配列はともに、HVTゲノム内へ運ばれる。更に、組換え型HVTは、MDV gA、gB、及びgDをコードする外来性DNA配列を有するように構築することができる。
更に、別の態様においては、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、ニューカッスル病ウイルス由来であって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、または血球凝集素・ノイラミニダーゼをコードするものである。別の態様においては、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、または血球凝集素・ノイラミニダーゼをコードする上記の外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのユニークな長領域のEcoRI#9のXhoI部位へ挿入される。好ましい態様においては、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-136と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードしている、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNAを更に具備したものを提供する。
本発明は更に、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gD由来の抗原性ポリペプチドをコードした外来性DNA配列を有する組換え型のHVTであって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)をコードした外来性DNA配列を更に具備した、上記の組換え型HVTを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスはS-HVT-048と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードした外来性DNAを有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)をコードした外来性DNAを更に具備した、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-049と命名されているものである。
本発明は、ゲノムDNAが、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、及びマレック病ウイルスの糖タンパク質gAをコードした外来性DNAを有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)、及び血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)をコードした外来性DNAを更に具備した、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-050と命名されているものである。
S-HVT-050は、1993年2月23日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville, Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2400の下に寄託された。
本発明の更に別の態様においては、上記の組換え型HVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, NDV F, 及びNDV HNをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、このような組換え型HVTは、S-HVT-106、またはS-HVT-128と命名されているものである。
本発明は更に、組換え型のヘルペスウイルスを提供する。更に、一つの態様においては、外来性DNA配列は、伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であって伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gBをコードするもの、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gIをコードするもの、または伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gDをコードする。
別の態様において、外来性DNA配列は、以下埜も尾よりなる群より由来したか、または由来することが可能な抗原性ポリペプチドをコードする:MDV gA, MDV gB, MDV gD, NDV HN, NDV F, ILT gB, ILT gI, ILT gD, IBV, IBVD VP2, IBDV VP3, IBDV VP4,ニワトリ脳髄炎ウイルス、ニワトリレオウイルス、ニワトリパラミクソウイルス、ニワトリインフルエンザウイルス、ニワトリアデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、ニワトリコロナウイルス、ニワトリロタウイルス、ニワトリ貧血ウイルス(agent)、サルモネラ.spp、大腸菌(E.coli)、パステウレラ(Pasteurella).spp.、ボルデテラ(Bordetella)spp.、エイメリア(Eimeria).spp.、ヒストモナス(Histomonas)spp.、トリコモナス(Trochomoas)spp.、家禽線虫、条虫、吸虫類、家禽のダニ/シラミ、家禽の原虫。
本発明は更に、伝染性喉頭気管炎ウイルスの抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドは、ILTVの糖タンパク質gB、及びILTV gD、またはILTV gIである。
ILTV抗原をコードする、一よりお追い外来性DNA配列を有するように改変された組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスもまた、提供される。例えば、ILTV gB、及びgDは、一緒にHVTゲノム内へ運ばれることが可能であり、ILTV gDとgI、並びにILTV gB、gD、及びgIも同様である。S-HVT-051、S-HVT-052、S-HVT-138と命名されている組換え型HVTは、このような組換え型のウイルスの態様である。
本発明はまた、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列と同様に、ILTV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列を有する、改変済み組換え型HVTを提供する。好ましくは、MDVの抗原性ポリペプチドはMDV gB, gD, またはgAであり、ILTVの抗原性ポリペプチドは、ILTV gB, gD, またはgIである。
本発明の一つの態様において、組換え型のHVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, ILTV gD, 及びILTV gBをコードする外来性DNA配列を有している。好ましくは、この組換え型HVTは、S-HVT-123と命名されているものである。
本発明の別の態様においては、組換え型HVTは、MDV gB, MDV gA, MDV gD, ILTV gI,及びILTV gDをコードする外来性DNA配列を有する。好ましくは、この組換え型HVTは、S-HVT-139、またはS-HVT-140と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB, マレック病ウイルス糖タンパク質gA、及びマレック病ウイルス糖タンパク質gDをコードする外来性DNA配列を有している組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD, 伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB, 及び大腸菌(E.coli)のβ−ガラクトシダーゼをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。好ましくは、この組み換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-104と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、伝染性気管支炎ウイルスのスパイクタンパク質、または伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質をコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は更に、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する、組換え型のHVTを提供する。好ましくは、抗原性ポリペプチドは、IBVのスパイクタンパク質、またはIBVのマトリックスタンパク質である。
本発明はまた、IBV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列と同様に、MDV由来の抗原性ポリペプチドをコードした一つより多い外来性DNA配列を有する、組換え型HVTを提供する。好ましくは、IBV抗原性ポリペプチドは、IBVスパイクタンパク質、またはIBVマトリックスタンパク質であり、またMDV抗原性ポリペプチドは、MDV gB, gD, 又はgAである。このような組換え型のウイルスの一つの態様は、S-HVT-066と命名されているものである。
本発明は更に、ゲノムDNAが、伝染性粘液嚢病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有すしている組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、検出可能な標識であるポリペプチドをコードする外来性DNA配列を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
更に、一つの態様において、抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルス由来である。別の態様において、外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2遺伝子をコードする。別の態様においては外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP3遺伝子をコードする。別の態様においては外来性DNA配列は、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP4遺伝子をコードする。好ましくは、この組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-003、またはS-HVT-096と命名されているものである。
S-HVT-003、及びS-HVT-096と命名されている組換え型HVTはそれぞれ、IBDV由来の抗原性ポリペプチド、及び検出可能な標識をコードした外来性DNA配列を具備した組換え型HVTの態様である。S-HVT-003は、1987年7月21日に、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約に準じて、American Tissue Cluture Collection(ATCC), 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland20852 U.S.A.に、ATCC受入れ番号、VR.2178の下に寄託された。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であり、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB、または伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gDをコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
一つの態様において、外来性DNA配列は伝染性喉頭気管炎ウイルス由来であって、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD、または喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gIをコードする。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列がニューカッスル病ウイルス由来であり、ニューカッスル病ウイルスのHN、またはニューカッスル病ウイルスのFをコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性粘液嚢病ウイルス由来であり、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2、VP3、またはVP4をコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片へ挿入された外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、前記の外来性DNA配列が伝染性気管支炎ウイルス由来であり、伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質をコードすることを特徴とする、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
別の態様において、外来性DNA配列は以下のものよりなる群から由来したか、または由来することが可能な、抗原性ポリペプチドをコードしている:MDV gA, MDV gB, MDV gD, NDV HN, NDV F, ILT gB, ILT gI, ILT gD, IBV, IBDV VP2, IBDV VPD3, IBDV VP4, ニワトリ脳髄炎ウイルス、ニワトリレオウイルス、ニワトリパラミクソウイルス、ニワトリインフルエンザウイルス、ニワトリアデノウイルス、ニワトリポックスウイルス、ニワトリコロナウイルス、ニワトリロタウイルス、ニワトリ貧血ウイルス(agent)、サルモネラ.spp、大腸菌(E.coli)、パステウレラ(Pasteurella).spp.、ボルデテラ(Bordetella)spp.、エイメリア(Eimeria).spp.、ヒストモナス(Histomonas)spp.、トリコモナス(Trochomoas)spp.、家禽線虫、条虫、吸虫類、家禽のダニ/シラミ、家禽の原虫。好ましい態様においては、組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、S-HVT-136と命名されているものである。
このような抗原性ポリペプチドは、以下のものより由来するか、または由来することが可能であるものであってもよい:ネコの病原体、イヌの病原体、ウマの病原体、ウシの病原体、ニワトリの病原体、ブタの病原体、またはヒトの病原体。
別の態様においてヒトの病原体の抗原性ポリペプチドは、ヒトヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタイン・バールウイルス、水痘-帯状ヘルペスウイルスヒトヘルペスウイルス6型、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス由来である。更に、ヒト病原体の抗原性ポリペプチドは、以下のものからなる群から由来する、マラリア、または悪性腫瘍に関連していてもよい:プラスモジウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)、ボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertusis)、及び悪性腫瘍。
本発明は更に、ゲノムDNAが、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質(F)をコードする外来性DNA配列を有する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスであって、大腸菌(E.coli)のβガラクトシダーゼがニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ(HN)に融合している、組み換え型のタンパク質を更に具備した、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのユニークな長いウイルスゲノム領域と、マレック病ウイルスのユニークな短い領域とを具備した、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスとマレック病ウイルスとの組換え体キメラを提供する。一つの態様において、上記のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスとマレック病ウイルスとの組換え体キメラは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に挿入された外来性DNA配列を有し、この外来性DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞内で発現されうる。
一つの態様において、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、ポリペプチドをコードする外来性DNA配列を有する。このポリペプチドは、組換え体ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性となりえる。
別の態様において、ポリペプチドは大腸菌(E.coli)のβガラクトシダーゼである。別の態様において、外来性DNA配列は、サイトカインをコードする。別の態様において、サイトカインはニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cINF)である。
本発明は更に、前記外来性DNA配列が、組換え体ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性となるポリペプチドをコードする、組換え体シチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。
更に、組換え体シチメンチョウ・ヘルペスウイルスは、以下のものからなる群より選択した抗原性ポリペプチドをコードする外来性DNAを更に具備している:マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、及び伝染性粘液嚢病ウイルス。
本発明は前記の外来性DNA配列が内在性の上流のヘルペスウイルスプロモータの制御下にあることを特徴とする組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する。一つの態様において、外来性DNA配列は異種の上流プロモータの制御下にある。別の態様においては、がプロモータは以下のものより選択される:PRV gX, HSV-1アルファ4, HCMV極初期, MDV gA, MDV gB, MDV gD, ILT gB, BHV-1.1 VP8, 及びILT gD。
本発明は、以下のものを必須的に有する二本鎖DNA分子を具備したシチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノム内に、外来性DNAを挿入することにより、組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを産生させる相同性ベクタを提供する:(a)シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのウイルスゲノム内には通常存在しない、二本鎖の外来性DNA;(b)前記外来性DNAの一方の末端にある二本鎖のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスDNAであって、該DNAが、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのコード領域であるEcoRI#9部位の一方の末端側に位置するウイルスゲノムに対して相同的であるもの;(c)前記外来性DNAのもう一方の末端にある二本鎖のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスDNAであって、該DNAが、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのコード領域であるEcoRI#9部位のもう一方の末端側に位置するウイルスゲノムに対して相同的であるもの。この相同性ベクタの例は、751-87.A8、及び761-7.A1と命名されているものである。
一つの態様において、ポリペプチドとは、上記の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルスが導入された動物内で抗原性である。別の態様においては、抗原性ポリペプチドとは、サイトカイン、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、または伝染性気管支炎ウイルス由来の抗原性ポリペプチドである。好ましい態様においては、抗原性ポリペプチドとは、以下のものである:ニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cIFN)、伝染性粘液嚢病ウイルスポリタンパク質、伝染性粘液嚢病ウイルスのVP2タンパク質、マレック病ウイルスの糖タンパク質gB、マレック病ウイルスの糖タンパク質gD、ニューカッスル病ウイルスの融合タンパク質、ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素・ノイラミニダーゼ、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gB、伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gD、伝染性気管支炎ウイルスのスパイクタンパク質、または伝染性気管支炎ウイルスのマトリックスタンパク質。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNA配列は、ウマの病原体由来の抗原性ポリペプチドをコードしている。ウマの病原体の抗原性ポリペプチドは、ウマインフルエンザウイルス、またはウマヘルペスウイルスから由来することが可能である。このような抗原性ポリペプチドは、このような抗原性ポリペプチドの例には、次のようなものがある:ウマインフルエンザウイルスA/アラスカ91ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/プラハ56ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/マイアミ63ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウイルスA/ケンタッキー81ノイラミニダーゼ、ウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質B、及びウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質D。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNA配列は、ウシRSウイルス、またはウシパラインフルエンザウイルスから由来した抗原性ポリペプチドをコードする。この抗原性ポリペプチド¥¥¥¥¥
ウシRSウイルス吸着タンパク質(BRSV G)、ウシRSウイルス融合タンパク質(BRSV F)、ウシRSウイルスヌクレオカプシドタンパク質(BRSV N)、ウシパラインフルエンザウイルス3型融合タンパク質、及びウシパラインフルエンザウイルス3型血球凝集素・ノイラミニダーゼ。
別の態様においては、上記の相同性ベクタ内の上記の二本鎖外来性DNAは、ヒトの免疫反応を刺激することが可能なサイトカインをコードする。例えば、サイトカインはインターロイキン-2、インターロイキン-6、インターロイキン-12、インターフェロン、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、及びインターロイキン受容体であることが可能であるが、これらには限定されない。
本発明の一つの態様においては、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNAは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのBamHI#16断片内に存在するDNA配列に対して相同性である。好ましくは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNAは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのUL43タンパク質をコードするタンパク質読み取り枠内に存在するDNA配列に相同性である。好ましくは、この相同性ベクタは172-29.31と命名されているものである。
本発明の目的に適した「相同性ベクタ」は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスのゲノムの特異的部位へ外来性DNAを挿入するように構築されたプラスミドである。
本発明の一つの態様において、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNA配列は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのEcoRI#9断片内に存在するDNA配列に相同性である。好ましくは、この相同性ベクタは172-63.1と命名されているものである。
本発明の一つの態様において、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスの二本鎖DNAは、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスゲノムのUS2遺伝子コード領域内に存在するDNA配列に相同性である。好ましくは、この相同性ベクタは、435-47.1と命名されているものである。
別の態様において、外来性DNA配列は、スクリーニング可能な標識をコードするDNA配列である。スクリーニング可能な標識の例には大腸菌(E.coli)のβガラクトシダーゼ、または大腸菌(E.coli)のβ−グルクロニダーゼが含まれるが、これらには限定されない。
本発明は更に、本発明の有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したワクチンを提供する。
本発明は、マレック病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益なワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、ニューカッスル病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益なワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、伝染性喉頭気管炎病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益なワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、伝染性気管支炎病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益なワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、伝染性粘液嚢病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益なワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、マレック病ウイルス、及びニューカッスル病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益な多価のワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、マレック病ウイルス、及び伝染性喉頭気管炎ウイルスに対してトリを免疫するのに有益な多価のワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、マレック病ウイルス、及び伝染性気管支炎ウイルスに対してトリを免疫するのに有益な多価のワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は、マレック病ウイルス、及び伝染性粘液嚢病ウイルスに対してトリを免疫するのに有益な多価のワクチンであって、有効な免疫量の組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及び適切な担体を具備したものを提供する。
本発明は更に、家禽を免疫する方法を提供する。本発明の目的に適したこの方法には、以下のものに対して家禽を免疫することが含まれる:伝染性粘液嚢病ウイルス、マレック病ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、または伝染性気管支炎ウイルス。この方法は、家禽に対して、本発明のワクチンを、免疫的に有効な量で投与することを具備している。このワクチンは、当業者によく知られる方法の如何なるものを使用して投与されてもよく、例としては、筋肉内、皮下、腹腔内、または静脈内接種がある。あるいは、ワクチンは、鼻腔内的、または経口的に投与することが可能である。
本発明は、シチメンチョウ・ヘルペスウイルスに感染した宿主細胞を提供する。一つの態様において、宿主細胞はトリの細胞である。
本発明の目的に適した「宿主細胞」は、ベクタとその挿入物を増殖させるのに使用される細胞である。細胞感染は当業者らによく知られたもので行なわれたが、例としては、実験材料と実験方法の項の「組み換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA形質移入」に記載されているものがある。組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを構築し、選択し、精製する方法は以下に詳しく記載されている。
本発明は、上記のワクチンを投与されたニワトリ、またはその他の家禽を、天然のマレック病ウイルスに感染したものより識別する方法であって、ニワトリ、またはその他の家禽から得た体液を分析して、天然のマレック病ウイルスに感染したニワトリ、若しくはその他の家禽で通常は発現している少なくとも一つの抗原と、糖タンパク質gGとの存在を調べることを具備した方法であり、感染したニワトリでは通常発現しているこのような抗原が存在するが糖タンパク質gGが存在しないことは上記のワクチン接種を受けたことを示し、天然おマレック病ウイルスに感染したのではないことを示す、上記の方法を提供する。
本発明は、以下のものを含むがこれらには限定されない、トリ、または哺乳類種においてワクチンとして有益な、外来性DNAを発現する組換え型のシチメンチョウ・ヘルペスウイルスを提供する:ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、及びヒトを含む霊長類。
本ワクチンは、不活化、または生の組換え型ウイルスの何れかであってもよい。
本発明の目的に適した、本発明の「免疫的に効果的な量」の組換え型ネコヘルペスウイルスは、103から109PFU/投与量の範囲にある。好ましい態様においては、免疫量は106PFU/投与量である。
本方法は、動物に対して本発明のワクチンを免疫的に有効な量で投与することを具備している。ワクチンは当業者によく知られた如何なる方法で投与されてもよく、例としては筋肉内、皮下、腹腔内、または静脈内注射がある。あるいは、ワクチンは鼻腔内的、または経口的に投与されてもよい。
組換え型ウイルスのための適切な担体は、当業者にはよく知られており、タンパク質、糖等が含まれるが、これらには限定されない。このような適切な担体の一つの例は、生理学的に均衡のとれた培養液であって、加水分解済タンパク質やラクトース等の一つ以上の安定化剤を有するものがある。好ましくは、生のワクチンは組織培養液を採取して、安定化性のある加水分解済タンパク質を加えることで作成される。好ましくは、不活化ワクチンはウイルスの不活化後すぐに組織培養液を使用する。
本発明は更に、以下に続く実験の詳細な記載部で例示されている。この部分は発明を理解する補助として書かれているが、その後に書かれている発明を、如何なるようにしても限定することを意図しているものではなく、またそのように解釈すべきものでもない。
実験の詳細
材料と方法
シチメンチョウのヘルペスウイルスストック試料の調製
2mMグルタミン、100単位/mlペニシリン、100単位/mlストレプトマイシンを含有するダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)(これらの成分は、Irvine Scientificまたは同等の会社から得られ、以後完全DME培地と呼ぶ)に1%ウシ胎児血清を加えた培地中、0.01PFU/細胞の感染多重度で組織培養細胞を感染させて、シチメンチョウのヘルペスウイルスストック試料を調製した。細胞変性作用が完了後、培地と細胞を採取し、細胞を臨床用遠心分離機中で3000rpmで5分遠心分離してペレットにした。感染した細胞を20%ウシ胎児血清、10%DMSOを含有する完全培地中に再懸濁し、−70℃で保存した。
シチメンチョウのヘルペスウイルスDNAの調製
シチメンチョウのヘルペスウイルス(HVT)のすべての操作は、FC−126株(ATCC#584−C)を用いて行なった。感染細胞の細胞質からのHVTウイルスDNAの調製のために、初代ニワトリ胚線維芽細胞を、細胞の増殖が始まる前に広範な細胞変性作用を引き起こすのに充分な感染多重度で感染させた。インキュベートはすべて、空気中に5%炭酸ガスを有する加湿インキュベーター中で行なった。最大に感染したが不完全な細胞溶解を示した単層(典型的には5−7日目)を採取することにより最大のDNA収率が得られた。細胞掻き取り器(Costarブランド)を用いて、培地中に感染した細胞を採取した。細胞懸濁液をGS−3ロータ(Sorvall Instruments)中で3000rpmで5℃で10分遠心分離した。得られたペレットを冷PBS(20ml/ローラービン(Roller Bottle))に再懸濁し、冷却してさらに3000rpmで10分遠心分離した。PBSをデカント後、細胞ペレットを4ml/ローラービンのRSB緩衝液(10mMトリス(pH7.5)、1mM EDTA、および1.5mM MgCl2)に再懸濁した。NP−40(ノニデットP−40(登録商標)、Sigma)を、0.5%になるように時々攪拌して試料に加えた。試料を3000rpmで10分冷却遠心分離して、核をペレットにし、細胞破片を除去した。上清液を注意深く、15mlのCorex遠心分離管に移した。EDTA(0.5M、pH8.0)とSDS(ドデシル硫酸ナトリウム、ストック20%)を、それぞれ最終濃度5mMと1%になるように試料へ加えた。試料4mlに対して100μlのプロテイナーゼ−K(10mg/ml、Boehringer-Mannheim)を加え、混合し、45℃で1〜2時間インキュベートした。インキュベート後、等量の水飽和フェノールを試料に加え、手で静かに混合した。臨床用遠心分離機で試料を3000rpmで5分遠心分離した。酢酸ナトリウムを最終濃度0.3M(ストック溶液3M、pH5.2)になるように水層に加え、2.5容量の冷無水エタノールを添加後−70℃で30分核酸を沈殿させた。HB−4ロータ中で5℃で8000rpmで20分遠心分離して試料中のDNAをペレットにした。上清を注意深く除去し、DNAペレットを25mlの80%エタノールで洗浄した。真空下で短時間(2〜3分)乾燥し、TE緩衝液(10mMトリス(pH7.5)、1mM EDTA)の50μl/ローラービンの感染細胞に再懸濁した。典型的にはウイルスDNAの収率は、5〜10μl/ローラービンの感染細胞の範囲であった。すべてのウイルスDNAを約10℃で保存した。
ポリメラーゼ埋めこみ(fill-in)反応
50mMトリス(pH7.4)、50mM KCl、5mM MgCl2、および4種類のデオキシヌクレオチドを各400μMを含有する緩衝液中にDNAを再懸濁した。10単位のクレノウDNAポリメラーゼ(BRL)を加え、室温で15分反応を進行させた。次にDNAをフェノールで抽出し、前述のようにエタノールで沈殿させた。
DNA配列決定
USBシーケナーゼキット(Sequenase Kit)と35S−dATP(NEN)を用いて、配列決定を行なった。dGTP混合物とdITP混合物の両方を用いて、圧縮のある領域を解明した。あるいは、圧縮のある領域をホルムアミドゲルで分離した。鋳型は2本鎖プラスミドサブクローンまたは1本鎖M13サブクローンであり、プライマーは、配列決定される挿入体のすぐ外でベクターに、またはあらかじめ得られた配列に作成した。得られた配列を集合させ、Dnastarソフトウェアを用いて比較した。得られた配列の操作と比較は、Coral SoftwareのSuperclone and Superseeプログラムを用いて行なった。
分子生物学的方法
制限エンドヌクレアーゼによる消化、ゲル電気泳動、ゲルからのDNAの抽出、連結、キナーゼによるリン酸化、ホスファターゼによる処理、細菌培養物の増殖、DNAによる細菌の形質転換、および他の分子生物学的方法を含む、細菌やDNAの操作方法は、マニアティス(Maniatis)ら(1982)およびサンブルック(Sambrook)ら(1989)により記載されている。種々のDNAの操作に便利な制限部位を導入するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行なった。使用した方法は、インニス(Innis)ら(1990)により記載されたものである。一般に増幅された断片のサイズは500塩基対未満であり、増幅断片の決定的に重要な領域は、DNA配列決定により確認された。特に明記していない限りこれらの方法に若干変更を加えて使用した。
DNAのサザンブロッティング
サザンブロッティングの一般的な方法は、マニアティス(Maniatis)ら(1982)の方法を使用した。DNAを20×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)中でニトロセルロースフィルター(S&S BA85)にブロットし、30%ホルムアミド、1×デンハルツ溶液(0.02%ポリビニルピロリドン(PVP)、0.02%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.02%フィコール)、6×SSC、50mM NaH2PO4、pH6.8、200μg/mlサケ精子DNAよりなるハイブリダイゼーション溶液中で、55℃で4〜24時間プレハイブリダイゼーションを行なった。Bethesda Research Laboratories(BRL)のキットと1つの32P−標識ヌクレオチドを用いてニックトランスレーションにより標識した標識プローブDNAを加えた。NACSカラム(BRL)またはセファデックスG50カラム(Pharmacia)により、取り込まれなかったDNAからプローブDNAを分離した。55℃で一晩ハイブリダイゼーション後、フィルターを室温で2×SSCで1回洗浄し、次に0.1×SSC、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で55℃で30分の洗浄を2回行なった。フィルターを乾燥しオートラジオグラフィーを行なった。
cDNAクローニング操作
cDNAクローニングとは、現状の技術を用いてRNA分子をDNA分子に変換するために使用する方法を意味する。本出願人の方法は、グブラーとホフマン(Gubler and Hoffman 1983)、に記載されている。Bethesda Research Laboratories(Gaithersburg、メリーランド州)は、本出願人の方法にきわめて類似したcDNAクローニングキットを考案し、これは我々と同じような結果を得るために使用できる試薬のセットと方法を含む。
ウイルスmRNAをクローニングするために、ウイルスによる感染に感受性のの=宿主細胞株を5〜10プラーク形成単位/細胞で感染させた。細胞変性作用が明らかになったが、完全に破壊される前に、培地を除去し、10mlの溶解緩衝液(4Mグアニジンチオシアネート、0.1%消泡剤A、25mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)、0.5%N−ラウリルサルコシン、0.1Mベータ−メルカプトエタノール)中で細胞を溶解させた。細胞溶解液を、滅菌したダウンスホモジナイザー中に注ぎ、溶液が均一になるまで氷の上で8〜10回ホモジネートした。RNA精製のために、8mlの細胞溶解液をBeckman SW41遠心分離管中の3.5mlのCsCl溶液(5.7M CsCl、25mMクエン酸ナトリウム(pH7.0))に静かに重層した。試料をBeckman SW41ロータ中で20℃で36000rpmで18時間遠心分離した。遠心分離管を氷の上に置き、遠心分離管の上清を注意深く除去してRNAペレットを乱さないように残した。ペレットを400μlのガラスで蒸留した水に再懸濁し、2.6mlのグアニジン溶液(7.5Mグアニジン−塩酸、25mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)、5mMジチオスレイトール)を加えた。0.37容量の1M酢酸を加え、次に0.75容量の冷エタノールを加え、試料を−20℃で18時間置いてRNAを沈殿させた。SS34ロータ中で4℃で10000rpmで10分間遠心分離して沈殿物を集めた。ペレットを1.0mlの蒸留水に溶解し、13000rpmで再度遠心分離し、上清を採取した。ペレットからさらに2回上述のように0.5mlの蒸留水でRNAを抽出し、上清をプールした。0.1容量の2M酢酸カリウム溶液を試料に加え、次に冷エタノールを2容量加えて、試料を−20℃に18時間置いた。沈殿したRNAを、SS34ロータ中で4℃で10000rpmで10分遠心分離して集めた。ペレットを1mlの蒸留水に溶解し、A260/280の吸光度から濃度を求めた。RNAを−70℃に保存した。
オリゴ−dTセルロース(Pharmacia #27 5543-0)を用いて、ポリアデニル酸テイル(ポリA)を含有するmRNAを選択した。3mgの全RNAをボイルし、冷却して、結合緩衝液(0.1Mトリス(pH7.5)、0.5M LiCl、5mM EDTA(pH8.0)、0.1%ドデシル硫酸リチウム)中で100mgのオリゴ−dTセルロースカラムにかけた。保持されたポリA RNAを、溶出緩衝液(5mMトリス(pH7.5)、1mM EDTA(pH8.0)、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)でカラムから溶出した。このmRNAを結合緩衝液中で再びオリゴ−dTセルロースカラムにのせ、溶出緩衝液で再度溶出した。試料を200mMの酢酸ナトリウムで沈殿させ、2容量の冷エタノールを加えて、−20℃で18時間置いた。RNAを50μlの蒸留水に再懸濁した。
10μgのポリA RNAを20mMの水酸化メチル水銀中で22℃で6分間変性させた。β−メルカプトエタノールを75mMになるように加え、試料を22℃で5分インキュベートした。第1の鎖のcDNA合成のための反応混合物は0.25ml中に、1μgオリゴ−dTプライマー(P-L Bio-chemiclas)または1μg合成プライマー、28単位の胎盤リボヌクレアーゼインヒビター(Bethesda Research Laboratories #5518SA)、100mMトリス(pH8.3)、140mM KCl、10mM MgCl2、0.8mM dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP(Pahrmacia)、100μCiの32P−標識dCTP(New England Nuclear #NEG-013H)、および180単位のAMV逆転写酵素(Molecular Genetics Resources #MG 101)を含有した。反応物を42℃で90分インキュベートし、次に20mM EDTA(pH8.0)で反応を停止させた。試料を等量のフェノール/クロロホルム(1:1)で抽出し、2mMの酢酸アンモニウムと2容量の冷エタノールで−20℃で3時間沈殿させた。沈殿と遠心分離後、ペレットを100μlの蒸留水に溶解した。試料を緩衝液(100mMトリス(pH7.5)、1mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl)中で15mlのG−100セファデックスカラム(Pahrmacia)にかけた。溶出するDNA画分の先端をプールし、容量が約100μlになるまでDNAを凍結乾燥して濃縮し、次に酢酸アンモニウムとエタノールで前記したように沈殿させた。
第1の鎖の全試料を第2の鎖の反応に使用した。第2の鎖の反応は、全量50μl中の50μg/ml dNTP、5.4単位のDNAポリメラーゼI(Boehringer-Mannheim #642-711)、および100単位/mlの大腸菌(E. coli)DNAリガーゼ(New England Biolabs #205)を用いた以外は、グブラーとホフマン(Gubler and Hoffman(1983))の方法に従った。第2の鎖の合成後、cDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し沈殿させた。このDNAを10μlの蒸留水に再懸濁し、1μgのRNアーゼAで22℃で10分処理し、40mMトリス−酢酸(pH6.85)中1%アガロースゲル(SigmaII型アガロース)で電気泳動した。ゲルを臭化エチジウムで染色し、予想される範囲のサイズのDNAをゲルから切り出し、8mMトリス−酢酸(pH6.85)で電気泳動した。電気泳動したDNAを凍結乾燥して約100μlにし、前記したように酢酸アンモニウムとエタノールで沈殿させた。DNAを20μlの水に再懸濁した。
クローニングを促進するためにDNAにオリゴ−dTを加えた。反応物は、50μl中にDNA、100mMカコジル酸カリウム(pH7.2)、0.2mMジチオスレイトール、2mM CaCl2、80μモルdCTP、および25単位のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(Molecular Genetics Resources #1001)を含有した。37℃で30分後、10mM EDTAで反応を停止させ、試料をフェノール/クロロホルムで抽出し、前記したように沈殿させた。
dCテイルのあるDNA試料を、200μlの0.01Mトリス(pH7.5)、0.1M NaCl、1mM EDTA(pH8.0)中の、オリゴ−dGテイル(Bethesda Research Laboratories #5355 SA/SB)を含有する200ngのプラスミドベクターpBR322に、65℃で2分、次に57℃で2時間アニーリングさせた。新鮮なコンピタント大腸菌(E. coli)DH−1細胞を調製し、ハナハン(Hanahan(1983))が記載したように、200μlの一定分割量の細胞20個中のアニーリングしたcDNA試料の半分を用いて形質転換した。形質転換した細胞を10μg/mlテトラサイクリン含有するL−ブロス寒天プレートに広げた。Ampscreen(Bethesda Research Laboratories #5537 UA)を用いて、アンピシリン遺伝子中の挿入体の存在についてコロニーをスクリーニングし、陽性のクローンを取り上げて解析した。
組換えヘルペスウイルス作製のためのDNA形質移入
本方法は、カワイとニシザワ(Kawai and Nishizawa(1984))のポリブレン−DMSO法に以下の変更を加えて行なった。組換えHVTウイルスの作製は、HVTウイルスDNAと、適当なヘルペスウイルスクローン化配列が隣接する目的の外来性DNAを含有するプラスミド相同性ベクターとの相同的組換えに依存する。形質移入は、6cmのプレート(Corning plastic)の50%コンフルエンスの初代ニワトリ胚線維芽(CEF)細胞中で行なった。細胞を前日に、4μg/mlのポリブレン(1×HBSS中ストック4mg/ml)を含有するCEF増殖培地(1×F10/199、5%ウシ胎児血清、2%グルタミン、1%非必須アミノ酸、および2%ペニシリン/ストレプトマイシン)中に広げた。CEF細胞への共形質移入(コ・トランスフェクション)のために、5μgの完全なHVT DNAを、30μg/mlポリブレン(1×HBSS中ストック4mg/ml)を含有するCEF培地1ml中に懸濁した。次にDNA−ポリブレン懸濁液(1ml)を6cmプレートのCEF細胞に加え、ここから培地を吸引し、39℃で30分インキュベートした。接種物を再分散させるために、この間プレートを定期的に揺らせた。この時間の後、4mlのCEF増殖培地を洗浄プレートに直接加え、39℃でさらに2.5時間インキュベートした。この時各プレートから培地を除去し、1×HBSS中の30%DMSO(ジメチルスルホキシド、J.T. Baker Chemical Co.)2mlで室温で4分間細胞にショックを与えた。30%DMSOを注意深く除去し、単層を室温で1×HBSSで1回洗浄した。次に5mlのCEF増殖培地を添加後、細胞を39℃でインキュベートした。翌日、残存するDMSOを除去し細胞増殖を刺激するために、培地を交換した。6日以内にウイルスの細胞変性作用が明らかになる。この日から通常1週間以内に、より高力価(80%−90%CPE)の作成が可能になる。感染細胞を、20%ウシ胎児血清、10%DMSOを含有するCEF増殖培地中に再懸濁してHVTストック試料を調製し、−70℃に保存した。
サブゲノムDNA断片からの組換えヘルペスウイルスの作製方法
クローン化した重複サブゲノムDNA断片の共形質移入(コ・トランスフェクション)によるヘルペスウイルスを作製する能力は、仮性狂犬病ウイルス(Zijlら、1988)について証明されている。欠失および/または挿入は、共形質移入(コ・トランスフェクション)の前に直接サブゲノム断片に行われるなら、この方法によりゲノム変更を含有する高頻度のウイルスが得られ、組換えウイルスの精製に必要なスクリーニングの量を大幅に低下させる。この方法は組換えHVTの作製に使用される。
重複するHVTサブゲノム断片を含有するサブクローンのライブラリーを、以下のように作製した。HVT DNAは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(FC−126(″Calnek″))から得た。これを剪断し、van Zijlら(1988)が記載したように、40〜50kbの断片を挿入体集団として選択して、グリセロール勾配によりサイズ選択した。プールした画分をTEで2倍希釈し、1/10容量の3M酢酸ナトリウムと2.5容量のエタノールを加え、DNAをBeckman SW41ロータ中で30000rpmで1時間沈殿させた。3’オーバーハングの除去を促進するために低濃度のDNTPを用いて、まずT4 DNAポリメラーゼにより剪断した断片を処理し、次にへこんだ3’末端をクレノウポリメラーゼで充填して平滑末端にした。次にこれらの挿入体断片を、BamHIで消化しウシ小腸ホスファターゼで処理しクレノウポリメラーゼで平滑末端としたpWE15(Stratagene)コスミドベクターに連結した。連結した混合物を次に、Gigapack XLパッケージ抽出物(Stratagene)を用いてパッケージングした。連結とパッケージングは、製造業者の薦めるように行なった。
酵素BamHI、HindIII、およびXhoIの公表された制限酵素地図のため、サブクローニングした断片を特異的プローブとして使用して、ゲノムをまたぐサブクローニングのコスミドライブラリーをスクリーニングすることができた。サブクローニングした制限断片からプローブを作製した。次に非放射性システム(Genius, Boehringer-Mannheim)を用いて、断片を標識した。コロニーを取り上げて培地に入れ次に一晩増殖させてスクリーニングを促進した。5個のフィルターとマスタープレートのセットを、マイクロタイタープレートからスタンプして、再び一晩増殖させた。グリセロールを15%になるようにウェルに入れ、プレートを−20℃で凍結して、各コロニーのストック培養物を得た。フィルターは、BioRad Colony Lift Membranesであり、製造業者の薦めるように処理しハイブリダイズさせ、0.1×SSC、0.1%SDS中で65℃で洗浄した。非放射性プローブとハイブリダイズしたコロニーを、Geniusキットの説明書に従って検出した。
2つまたはそれ以上の特異的プローブへのハイブリダイゼーションに基づき、さらに解析してコロニーを選択した。次にこれらをBamHIで消化し、HVTの公表されている地図(Buckmasterら、1988)と比較した。こうして3つのコスミド(407−32.2C3、407−32.IG7、407−32.5G6)を得た。各クローンの詳細な説明は後述する。これらのコロニーから妥当な収率のDNAを得るには、クロラムフェニコール増幅(Maniatisら、1982)が必要であることが見いだされた。さらに、1つのコスミドクローン(407−32.5G6)は不安定であり、満足できるDNA調製物を得るには、本来の凍結ストックから増殖する必要があった。
pWE15ベクターは、挿入体をNotIで切断することを可能にする。しかし、HVTゲノムには4つのNotI部位があり、これらの部位にまたがっている挿入体はNotIで切断できない。HVTのBamHI#2断片にはNotI部位の2つがあり、この断片は直接pSP64中でクローン化された。他の2つの部位は、BamHI#1断片内のユニークな短い領域中に存在した。この断片は直接pWE15ベクター中でクローン化された。3つの剪断したコスミドと2つのBamHI断片は、HVTゲノムの末端のすべてのしかし小さな部分をカバーする。これらの領域はゲノムの内部で繰り返されていらため、ゲノム情報のすべてが利用できる。
HVT US2遺伝子内のStuI部位は、「組換えヘルペスウイルスを作製するための相同的組換え法」(実施例6)を用いて、外来性DNA挿入のための有用な部位として確立されている。HVT US2遺伝子は、5つのStuI部位を含有するBamHI#1断片内に位置する。外来性DNAの挿入にこの部位の使用を促進するために、US2遺伝子内のStuI部位をユニークなHindIII部位に変換した。このために、BamHI#1サブクローンをStuI部位で部分的に消化し、次にHindIIIリンカーを用いてこの部位内にカノマイシン耐性(NeoR)を与える10kbの断片を挿入した。カノマイシン耐性遺伝子により、組換えクローンの陽性の選択が可能になった。このNeoR断片はHindIIIで消化して除去し、次に再連結してクローン430−84.215を作製した。
HVT挿入部分の外または隣接するサブクローンを切断する酵素で制限消化して、再作製実験のためにDNAを調製した。ある場合には、再作製中の1つのコスミドを消化しないで使用した。消化したDNAをフェノールで1回抽出し、エタノールで沈殿させた。DNAを0.5〜1μg/mlの濃度で再懸濁した。形質移入を仲介するためにウイルス再作製実験をリポフェクチン(BRL)を用いて行なった。各サブクローン2〜3μgを、1%非必須アミノ酸と2%ペニシリン/ストレプトマイシンを補足したMEM培地(アール塩溶液)(MEM+)0.5mlに加えた。対照は、DNAを含ないMEM+であり、数μgのHVT DNAを含むかまたは5つのサブクローンのうち4つを含むものである。別に、30μlのリポフェクチンを0.5mlのMEM+に加えた。これらの2つの混合物を次に一緒にし、室温で15分間インキュベートした。
ニワトリ胚線維芽(CEF)細胞を形質移入のために、以下のように作成した。CEF(Spafas)を6つの6ウェルプレート中で、1%非必須アミノ酸、2%ペニシリン/ストレプトマイシン、および5%ウシ胎児血清を含有するF10/M199(1:1)培地(CEF+)中で39℃で増殖させた。細胞を90〜95%のコンフルエンスで形質移入した。形質移入のために、ウェルを吸引し、MEM+で3回洗浄し、次に前記の1mlリポフェクチン/DNA混合物とともに39℃で4時間インキュベートした。次にさらに1mlのCEF+をウェルに加え、細胞を一晩インキュベートし、CEF+を与えた。次にプラークの出現について毎日プレートを試験した。
対照HVT DNAを有するリポフェクチンでは、5日以内にプラークが出現した。5クローンのうち4つのみを使用すると、プラークは得られなかった。HVTの5つの重複するゲノムの断片を使用してウイルスを再作製すると、最初のリポフェクション後5〜19日のどこかでプラークが出現した。遅く出現するプラークの場合は、感染した単層に最初プラークは見えず、単層を継代して大きな表面に再度広げるとプラークが現れた。継代後、一般に3日以内にプラークが現れた。組換えウイルスを約3回プラーク精製し、外来性DNAの挿入について解析した。
組換えヘルペスウイルスのBluogalスクリーニング
外来性DNAが酵素β−ガラクトシダーゼをコードする時、その遺伝子を含有するプラークはより容易に目で見えた。プラーク測定の間化学物質Bluogal(登録商標)(Bethesda Research Laboratories)は200〜300μg/mlのレベルでアガロース重層中に取り込まれ、活性なβ−ガラクトシダーゼを発現するプラークは青くなった。次に青いプラークを取り上げ、さらに青いプラークを単離して精製した。他の外来性DNAを、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を置換するように相同的組換えにより挿入した。この場合組換えウイルスの精製のために青くないプラークを取り上げた。
黒いプラーク測定法を用いる組換えHVTでの外来遺伝子発現のスクリーニング
組換えHVTウイルスにより発現される外来性抗原の発現を解析するために、CEF細胞の単層を組換えHVTで感染させて、栄養アガロース培地を重層し、39℃で4〜5日間インキュベートした。プラーク出現後、アガロース重層をプレートから除去し、単層をPBSで1回洗浄し、100%メタノールで室温で10分間固定し、細胞を空気乾燥した。PBSでプレートを再び水和した後、一次抗体をPBSで適当な希釈率で希釈し、室温で2時間から一晩細胞単層とともにインキュベートした。次に室温でPBSで3回洗浄して、結合しなかった抗体を細胞から除去した。アルカリ性ホスファターゼ結合2次抗体をPBSで希釈し、細胞とともに室温で2時間インキュベートした。次に室温で細胞をPBSで3回洗浄して、結合しなかった2次抗体を除去した。次に、発色緩衝液(100mMトリス(pH9.5)/100mM NaCl/5mM MgCl2)で単層を洗浄し、次に新たに調製した基質溶液(発色緩衝液中0.3mg/mlニトロブルーテトラゾリウム+0.15mg/ml 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート)で室温で10分〜一晩インキュベートした。最後に、基質溶液をTE(10mMトリス(pH7.5)/1mM EDTA)で置換して反応を停止させた。正しい抗原を発現するプラークは黒く染色される。
組換えHVTストックの純度を評価するためのプラークハイブリダイゼーション法
組換えHVTウイルス中の特定の抗原の存在を検出するための適当な免疫学的試薬が存在しない場合、ストックの純度を評価するためにプラークハイブリダイゼーション法が使用される。まずCEF細胞単層を種々の希釈率のウイルスストックで感染させて、約50〜100プラーク/10cmプレートを得て、栄養アガロース培地を重層し、39℃で4〜5日間インキュベートする。いったんプラークが出現したら、各プラークの位置をプレートの底にマークする。次にアガロース重層を除去し、プレートをPBSで洗浄し、残存するCEF単層をPBSであらかじめ浸潤させたNC膜またはBioRadナイロン膜に形質移入する(プレートに対して膜の位置を記録しておく)。次に膜を1.5mlの1.5M NaClおよび0.5M NaOHに5分間入れて、NC膜上の細胞を溶解する。膜を1.5mlの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)中に5分間入れて中和する。次に溶解した細胞からのDNAを80℃で1時間ベークしてNC膜に結合させる。この時間の後、膜を、6×SSC、3%スキムミルク、0.5%SDS、(±)サケ精子DNA(50μg/ml)を含有する溶液中で65℃で1時間プレハイブリダイゼーションする。次に、放射標識プローブDNA(アルファ32P−dCTP)を加え、膜を65℃で一晩(約12時間)インキュベートした。ハイブリダイゼーション後NC膜を65℃で2×SSCで2回洗浄(各30分)し、次に65℃で0.5×SSCでさらに2回洗浄する。次にNC膜を乾燥し、−70℃で12時間X線フィルム(Kodak XOOMT, AR)に露光させる。陽性のシグナルをプレート上のプラークの位置と合わせて、ストックの純度を、全体に対する陽性プラークのパーセントとして記録する。
HVTUS2遺伝子へのベータガラクトシダーゼ遺伝子の挿入のための相同ベクターの作製
ベータガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を、HVT EcoRI#7断片中のユニークなStuI部位に挿入した。マーカー遺伝子はUS2遺伝子と同じ配向である。マーカー遺伝子の詳細な説明は、図7Aと7Bに記載されている。これは標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)を用いて、以下の供給源からの制限断片を図7Aと7Bに記載の合成DNA配列と結合させて作製する。断片1は、PRV BamHI制限断片10(Lomnicziら、1984)の約413塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。断片2は、プラスミドpJF751(Ferrariら、1985)の約3010塩基対のBamHI〜PvuII制限断片である。断片3は、PRV BamHI制限断片#7(Lomnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。
コンカナバリンAで刺激したニワトリ脾臓細胞から単離されたRNA
SPAFAS,Incの3週令のヒヨコからニワトリ脾臓を切開し、洗浄し、そしてシリンジ/針で破壊し細胞を放出させた。間質と破片を沈降させた後、細胞をペレットにし、PBSで2回洗浄した。細胞ペレットを低張溶解緩衝液で処理して赤血球を溶解し、脾臓細胞を回収しPBSで2回洗浄した。脾臓細胞を、5%FBSおよび5μg/mlコンカナバリンAを含有するRPMI中に5×106細胞/mlで再懸濁し、39℃で48時間インキュベートした。グアニジンイソシアネート溶解試薬とPromegaRNA単離キット(Promega Corporation、マジソン、ウィスコンシン州)の試薬を用いて、細胞から全RNAを単離した。適当なアンチセンスプライマーとAMV逆転写酵素(Promega Corporation、マジソン、ウィスコンシン州)を含有する各第1の鎖反応物に、4μgの全RNAを使用した。cDNA合成は、逆転写酵素反応後の同じ試験管中で適当なセンスプライマーとVetnt(登録商標)DNAポリメラーゼ(Life Technologies, Inc.、ベセスダ、メリーランド州)を用いて行なった。
サブゲノムクローン172−07.BA2
組換えHVTを作成するためにプラスミド172−07.BA2を作製した。これはゲノムHVT DNAの約25,000塩基対領域を含有する。これは、組換えHVT作製のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2999塩基対のBamHI〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVT(Buckmasterら、1988)の約25,000塩基対のBamHI#2断片である。
相同ベクター172−29.31
外来性DNAをHVTに挿入するためにプラスミド172−29.31を作製した。これは、外来性DNAが挿入されるユニークなXhoI制限部位を含有する。「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」または「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、XhoI部位に外来性DNA挿入体を含有するプラスミドを使用すると、外来性DNAを含有するウイルスが得られる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2999塩基対のBamHI〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVT(Buckmasterら、1988)の約3300塩基対のBamHI#16断片である。BamHI#16の完全な配列は配列認識番号3に記載される。この断片は、UL43 ORFがpSP64β−ラクタマーゼ遺伝子とは反対の転写配向になるようにクローン化されたことに注意すべきである。
相同ベクター172−63.1
外来性DNAをHVTに挿入するためにプラスミド172−63.1を作製した。これは、外来性DNAが挿入されるユニークなXhoI制限部位を含有する。「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」または「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、XhoI部位に外来性DNA挿入体を含有するプラスミドを使用すると、外来性DNAを含有するウイルスが得られる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2999塩基対のEcoRI〜EcoRI制限断片である。第2の断片は、HVTの約5500塩基対のBamHI#9断片である。EcoRI断片は、ユニークなXhoI部位がpSP64ベクター中でユニークなHindIII部位に最も近くなるようにクローン化されたことに注意すべきである。
相同ベクター255−18.B16
HDV HNとF遺伝子をHVTに挿入するために255−18.B16を作製した。NDV HNとF遺伝子は、XhoI制限部位で相同ベクター172−29.31中にSal・断片として挿入した。NDV HNとF遺伝子は、親相同ベクター中に同じ転写配向のUL43 ORF中に挿入した。Sal・断片の詳細な説明は、図12A〜12Cに記載される。挿入されたSal・断片は、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を、図12A、12Bおよび12Cに記載の合成DNA配列と結合することにより作製することができる。断片1は、PRV BamHI制限断片10(Lomnicziら、1984)の約416塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。断片2は、プラスミドpJF751(Ferrariら、1985)の約3009塩基対のBamHI〜PvuII制限断片である。断片3は、全長NDV HN cDNAの約1200塩基対のAvaII〜EcoRI制限断片である。断片4は、プラスミドpSP64(Promega)の約179塩基対のEcoRI〜PvuII制限断片である。断片5は、HSV−1 BamHI制限断片Nの約357塩基対のSmaI〜BamHI制限サブ断片である。断片6は、全長NDV F cDNAの約1812塩基対のBamHI〜Pst・制限断片である。断片7は、プラスミドpBR322の約235塩基対のPst・〜ScaI制限断片である。
サブゲノムクローン378−50.BA1
組換えHVTを作成するためにコスミド378−50.BA1を作製した。これはゲノムHVT DNAの約29,500塩基対領域を含有する。これは、組換えヘルペスウイルス作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このコスミドは、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpWE15(Stratagene)の約8164塩基対のBamHI〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVT(Buckmasterら、1988)の約29,500塩基対のBamHI#1断片である。
サブゲノムクローン407−32.1C1
組換えHVTを作成するためにコスミド407−32.1C1を作製した。これはゲノムHVT DNAの約38,850塩基対領域を含有する(図8参照)。この領域は、BamHI断片11、7、8、21、6、18、断片13の約1250塩基対、および断片1の約6,700塩基対を含有する。これは、組換えHVT作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このコスミドは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、前記したように作製することができる。これは、プローブP1とP4(図8に記載)によりスクリーニングして、剪断したDNAライブラリーから単離した。このコスミドを含有する細菌株は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1993年3月3日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号75428で寄託されている。
サブゲノムクローン407−32.2C3
組換えHVTを作成するためにコスミド407−32.2C3を作製した。これはゲノムHVT DNAの約40,170塩基対領域を含有する(図8参照)。この領域は、BamHI断片10、14、19、17、5、および断片2の約2,100塩基対を含有する。これは、組換えHVT作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このコスミドは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、前記したように作製することができる。これは、プローブP1とP2(図8に記載)によりスクリーニングして、剪断したDNAライブラリーから単離した。このコスミドを含有する細菌株は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号75430で寄託されている。
サブゲノムクローン407−32.5G6
組換えHVTを作成するためにコスミド407−32.5G6を作製した。これはゲノムHVT DNAの約40,000塩基対領域を含有する(図8参照)。この領域は、BamHI断片9、3、20、12、16、13、断片2の約1,650塩基対、および断片11の約4,000塩基対を含有する。これは、組換えHVT作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このコスミドは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、前記したように作製することができる。これは、プローブP2とP3(図8に記載)によりスクリーニングして、剪断したDNAライブラリーから単離した。このコスミドを含有する細菌株は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1993年3月3日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号75427で寄託されている。
相同ベクター435−47.1
外来性DNAをHVTに挿入するためにプラスミド435−47.1を作製した。これは、外来性DNAが挿入されるユニークなHindIII制限酵素部位を含有する。「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」または「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、HindIII部位に外来性DNA挿入体を含有するプラスミドを使用すると、外来性DNAを含有するウイルスが得られる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2999塩基対のEcoRI〜EcoRI制限断片である。第2の断片は、HVTの約7300塩基対のEcoRI#7断片である。pSP64ベクターのHindIII部位は、サブクローンをHindIIIで消化し、次にクレノウ充填反応と再連結により除去したことに注意すべきである。次に、合成HindIIIリンカー(CAAGCTTG)を、EcoRI#7断片のユニークなStuI部位に挿入した。
サブゲノムクローン437−26.24
組換えHVTを作成するためにプラスミド437−26.24を作製した。これはゲノムHVT DNAの約13,600塩基対領域を含有する。これは、組換えHVT作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2970塩基対のHindIII〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVTのBamHI#2断片の約13,600塩基対のBamHI〜StuIサブ断片である(Buckmasterら、1988)。BamHI#2断片は5つのStuI部位を含有し、このサブクローニングに使用される部位は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に記載のようにHindIII部位に変換したことに注意すべきである。
サブゲノムクローン437−26.26
組換えHVTを作成するためにプラスミド437−26.26を作製した。これはゲノムHVT DNAの約15,300塩基対領域を含有する。これは、組換えHVT作成のための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約2970塩基対のHindIII〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVTのBamHI#2断片の約15,300塩基対のBamHI〜StuIサブ断片である(Buckmasterら、1988)。BamHI#2断片は5つのStuI部位を含有し、このサブクローニングに使用される部位は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に記載のようにHindIII部位に変換したことに注意すべきである。
相同ベクター456−18.18および456−17.22
HVTにMDV gAおよびgB遺伝子を挿入するためにプラスミド456−18.18および456−17.22を作製した。MDV遺伝子は、ユニークなHindIII部位で相同ベクター435−47.1にカセットとして挿入した。MDV遺伝子は、平滑末端HindIII部位に、平滑末端Pst・〜EcoRI断片として挿入した(図10Aと10Bを参照)。HindIIIとEcoRI部位は、クレノウ充填反応により平滑化した。Pst・部位は、T4 DNAポリメラーゼ反応により平滑化した。MDVカセットは両方の配向で挿入されたことに注意すべきである。プラスミド456−18.18は、親相同ベクター中のUS2遺伝子と反対の転写配向で挿入されたMDV遺伝子を含有する。プラスミド456−17.22は、親相同ベクター中のUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入されたMDV遺伝子を含有する。MDVカセットの詳細な説明は、図10Aと10Bに記載される。これは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を図10Aと10Bに記載の合成DNA配列と結合することにより作製することができる。断片1は、MDV EcoRIの6.9KBゲノム制限断片の約2178塩基対のPvuII〜EcoRV制限サブ断片である(Iharaら、1989)。断片2は、約3898塩基対のSal・〜EcoRIゲノムMDV断片である(Rossら、1989)。
相同ベクター528−03.37
HVTに伝染性咽頭気管炎(ILT)ウイルスgD遺伝子を挿入するためにプラスミド528−03.37を作製した。PRV gXポリアデニル化シグナルが後に続くgD遺伝子は、ユニークなHindIII部位で相同ベクター435−47.1にカセットとして挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、ILT KpnIゲノム制限断片#8の約2060塩基対のEcoRI〜BclI制限サブ断片である(10.6KB)。第2の断片は、PRV BamHI制限断片#7の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である(Lomnicziら、1984)。これらの断片はBclIとNdeIが隣接するように配置されていることに注意すべきである。
相同ベクター528−11.43
HVTに伝染性咽頭気管炎(ILT)ウイルスgB遺伝子(A.M. Grifin、1991)を挿入するためにプラスミド528−11.43を作製した。gB遺伝子は、ユニークなHindIII部位で相同ベクター435−47.1にEcoRI断片として挿入した。gB遺伝子は、平滑末端HindIII部位で平滑末端EcoRI断片として挿入した。HindIIIとEcoRI部位は、クレノウ充填反応により平滑化した。gB遺伝子は、親相同ベクター中にUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入された。EcoRI断片は、3.0KBのILTウイルスゲノム断片として得られる。
相同ベクター528−46.B3
外来性DNAをHVTに挿入するためにプラスミド528−46.B3を作製した。これは、外来性DNAが挿入されるユニークなHindIII制限酵素部位を含有する。「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」または「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、HindIII部位に外来性DNA挿入体を含有するプラスミドを使用すると、外来性DNAを含有するウイルスが得られる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの3つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片はpSP64(Promega)の約1649塩基対のPvuII〜Sal・制限断片である。第2の断片は、pSP65(Promega)の約1368塩基対のPvuII〜Sal・制限断片である。第3の断片は、プラスミド437−47.1の約3400塩基対のXhoI〜XhoI断片である。
相同ベクター535−70.3
HVTにMDV gBとgA遺伝子およびNDV F遺伝子を挿入するためにプラスミド535−70.3を作製した。F遺伝子は、MDV gBとgA遺伝子(Junction B、図10Aを参照)の間に位置するHindIII部位で相同ベクター456−17.22にカセットとして挿入した。F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターの制御下にあり、後ろにHSV−1 TKポリアデニル化シグナルが続く。F遺伝子は親相同ベクター中のUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、HCMVゲノムXba・E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第2の断片は、全長NDV F cDNAクローン(B1株)の約1812塩基対のBamHI〜Pst・制限断片である。最後の断片は、HSV−1BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
相同ベクター549−24.15
HVTにMDV gBとgA遺伝子およびNDV HNとF遺伝子を挿入するためにプラスミド549−24.15を作製した。HNとF遺伝子は、MDV gAとgB遺伝子(Junction B、図10Aを参照)の間に位置するHindIII部位で相同ベクター456−17.22にカセットとして挿入した。HNとF遺伝子は、それぞれPRV gpXおよびHCMV極初期プロモーターの制御下にある。HNとF遺伝子は、後ろにそれぞれPRV gXポリおよびHSV−1 TKアデニル化シグナルが続く。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、PRV BamHI断片#10(Lomnicziら、1984)の約413塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。第2の断片は、全長NDV HN cDNAクローン(B1株)の約1811塩基対のAvaII〜NaeI制限断片である。第3の断片は、PRV BamHI断片#7(Lomnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。第4の断片は、HCMVゲノムXba・E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第5の断片は、全長NDV F cDNAクローン(B1株)の約1812塩基対のBamHI〜Pst・制限断片である。最後の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
相同ベクター549−62.10
HVTにMDV gBとgA遺伝子およびNDV HNを挿入するためにプラスミド549−62.10を作製した。HN遺伝子は、MDV gAとgB遺伝子(Junction B、図10Aを参照)の間に位置するHindIII部位で相同ベクター456−17.22にカセットとして挿入した。HN遺伝子は、PRV gpXプロモーターの制御下にあり、後ろにPRV gXポリアデニル化シグナルが続く。HN遺伝子は親相同ベクター中のUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、PRV BamHI断片#10(Lomnicziら、1984)の約413塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。第2の断片は、全長NDV HN cDNAクローン(B1株)の約1811塩基対のAvaII〜NaeI制限断片である。最後の断片は、PRV BamHI断片#7(Lomnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。
サブゲノムクローン550−60.6
組換えHVTを作成するためにプラスミド550−60.6を作製した。これは、ゲノムHVT DNAの約12,300塩基対領域を含有する。これは、組換えHVTを作製するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用することができる。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの2つの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、pBR322の約4176塩基対のEcoRV〜BamHI制限断片である。第2の断片は、HVT(Buckmasterら、1988)の約12,300塩基対のBamHI#2断片である。この断片は、以下の方法で作成した。プラスミド437−26.26をHindIIIで線状化し、次にExoIII Mung Bean Deletion Kit(Stratagene)で切除した。3および4分反応の試料を一緒にし、BamHIで消化して目的の12,300塩基対サブ断片を含有する断片の集団を得た。この集団をpBR322断片にクローン化し、得られるクローンを適当なサイズと制限地図についてスクリーニングした。偶然にもクローン550−60.6を作成した切除されたサブ断片は、pBR322のEcoRV部位(ATCC)に連結する時第2のBamHIを生成するヌクレオチドGGで終わった。このプラスミドを含有する細菌株は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1993年3月3日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号75429で寄託されている。
相同ベクター566−41.5
HVTにMDV gA、gBおよびgD遺伝子を挿入するためにプラスミド566−41.5を作製した。MDV gD遺伝子は、MDV gAとgB(図10Aと10Bを参照)の間に位置するHindIII部位で相同ベクター456−17.22にHindIII断片として挿入した。MDV遺伝子は親相同ベクター中のgAおよびgBと同じ転写配向で挿入した。MDV gD遺伝子を含有するHindIII断片の詳細な説明は、図11Aおよび11Bに記載される。ヘルペスウイルスポリアデニル化シグナルは、gD遺伝子カセットに加えた。この挿入HindIII断片は、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を図11Aと11Bに記載の合成DNA配列に結合することにより作製することができる。第1の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1988)の約784塩基対のSma・〜SmaI制限サブ断片である。この断片は、ポリアデニル化配列(AATAAA)が結合部Bに最も近く位置するように配向していることに注意すべきである。断片2は、MDV BglII4.2KBのゲノム制限断片(Rossら、1991)の約2177塩基対のSal・〜NcoIサブ断片である。
相同ベクター567−72.1D
HVTにMDV gB、gAおよびgD遺伝子および伝染性気管支炎ウイルス(IBV)マトリックスおよびスパイク遺伝子を挿入するためにプラスミド567−72.1Dを作製した。IBV遺伝子は、MDV gD遺伝子(Junction C、図11Bを参照)の上流に位置するユニークなNotI部位で相同ベクター566−41.5にカセットとして挿入した。IBVスパイクおよびマトリックス遺伝子は、それぞれHCMV極初期プロモーターおよびPRV gpXプロモーターの制御下にある。IBVスパイクおよびマトリックス遺伝子の後ろに、それぞれHSV−1 TKおよびPVR gXポリアデニル化シグナルが続く。IBV遺伝子は親相同ベクター中のUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、PRV BamHI断片#10(Omnicziら、1984)の約413塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。第2の断片は、IBVマトリックス遺伝子のアミノ酸1〜223を含有する。コード領域は、IBVのArkansas株のcDNAクローンから得られた。第3の断片は、PRV BamHI制限断片#7(Omnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。第4の断片は、HCMVゲノムXba・断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第5の断片は、IBVスパイク遺伝子のアミノ酸4〜1162を含有する。コード領域は、IBVのArkansas株のcDNAクローンから得られた。最後の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
相同ベクター603−57.F1
HVTにIBDV VP32遺伝子を挿入するためにプラスミド603−57.F1を作製した。IBDV VP2遺伝子は、ユニークなHindIII部位で相同ベクター435−47.1にカセットとして挿入した。VP2遺伝子は、HCMV極初期プロモーターの制御システム下にあり、後ろにHSV−1 TKポリアデニル化シグナルが続く。VP2遺伝子は親相同ベクター中のUS2と同じ転写配向で挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、HCMVゲノムXbaI E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第2の断片は、全長IBDV cDNAクローン(配列認識番号1を参照)の約1081塩基対のBclI〜BamHI制限サブ断片である。BclI部位は、配列CGCAGCをTGATCAに変換することにより、VP2開始メチオニンのすぐ上流でcDNAクローンに導入されることに注意すべきである。第1と第2の断片は、AvaII部位とBclI部位が隣接するように配置される。第3の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
相同ベクター633−13.27
HVTにMDV gB、gAおよびgD遺伝子およびNDV HNとf遺伝子を挿入するためにプラスミド633−13.27を作製した。HN遺伝子とF遺伝子は、それぞれPRV gpXとHCMV極初期プロモーターの制御下にある。HN遺伝子とF遺伝子の後ろに、それぞれPRV gXポリおよびHSV−1 TKアデニル化シグナルが続く。5つのすべての遺伝子は親相同ベクター中のUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入した。遺伝子は、MDV gA、NDV HN、NDV F、MDV gDおよびMDV gBの順序で挿入した。
相同ベクター634−29.16
HVTにILTウイルスgBとgD遺伝子を挿入するためにプラスミド634−29.16を作製した。ILT gBとgD遺伝子が後に続くlacZマーカー遺伝子は、ユニークなXhoI部位で相同ベクター172−29.31にカセットとして挿入した。このカセットは、標準的組換えDNA法(Maniatisら、1982およびSambrookら、1989)により、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製することができる。第1の断片は、前記のおよび図7Aと7Bに記載のlacZマーカー遺伝子から得られる約4229塩基対のSal・〜Sal・制限断片である。第2の断片は、ILT KpnIゲノム制限断#8(10.6KB)の約2060塩基対のEcoRI〜BclI制限サブ断片である。第3の断片は、PRV BamHI制限断片#7(Lomnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。第2と第3の断片は、BclIとNdeI部位が隣接するように配置されることに注意すべきである。第4の断片は、gB遺伝子を含有する3.0KBのILTウイルスゲノムEcoRI断片である。3つのすべての遺伝子は、UL43遺伝子と同じ転写配向である。
サブゲノムクローン415−09.BA1
組換えHVTを作成するためにコスミド415−09.BA1を作製した。これは、ゲノムHVT DNAの約29,500塩基対のBamHI#1断片を含有する。これは、組換えHVTを作成するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用した。このコスミドは、以下の供給源からの2つの制限断片(Sambrookら、1989)を結合することにより作製した。このベクターは、pHC79(Bethesda Research Laboratories, Inc.)とpWE15(Stratagene)から得られるpSY1005の約4430塩基対のBamHI〜BamHI制限断片である。第1の断片は、HVTゲノム(Buckmasterら、1988)の約29,500塩基対のBamHI#1断片である。
サブゲノムクローン672−01.A40
組換えHVTを作成するためにコスミド672−01.A40を作製した。これは、コスミド407−32.1C1(図8と15を参照)のサブクローンとして単離した。コスミド672−01.A40は、コスミド407−32.1C1の約14,000塩基対のNotI〜AscIサブ断片と約1300塩基対のAscI〜BamHIサブ断片を含有する。このコスミドは、以下の供給源からの制限断片(Sambrookら、1989)を結合することにより作製した。このベクターは、SmaI部位に挿入されたNotIリンカーを含有するpNEB193(New England Biolabs, Inc.)から作製した約2700塩基対のNotI〜BamHI断片である。断片1は、ゲノムHVT DNAの約15,300塩基対領域である。この領域はBamHI断片11と7、および断片13の約1250塩基対を含有する。これは、組換えHVTを作成するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用した。
サブゲノムクローン654−45.1
組換えHVTを作成するためにプラスミド654−45.1を作製した。これは、コスミド407−32.1C1(図8と15を参照)のAscIサブクローンとして単離した。このコスミドは、以下の供給源からの制限断片(Sambrookら、1989)を結合することにより作製した。このベクターは、クレノウDNAポリメラーゼで平滑末端にしAscIリンカーを挿入したpNEB193(New England Biolabs, Inc.)の2000塩基対のAatII〜PvuII断片から作製した約2000塩基対のAscI断片である。断片1は、ゲノムHVT DNAの約8,600塩基対のAscI〜AscI断片である。この領域はBamHI断片10と21、および断片6の約1100塩基対、および断片7の約1300塩基対を含有する。XhoI部位(ヌクレオチド#1339−1344;配列認識番号48)は、合成DNAリンカーを用いてユニークなPacI部位に変換された。PacI部位は、HVT中のの外来性DNAの挿入と発現に使用した。(図13Aを参照)。これは、組換えHVTを作製するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用した。
サブゲノムクローン686−63.A1
組換えHVTを作成するためにプラスミド686−63.A1を作製した。これは、コスミド407−32.1C1(図8、15を参照)のAscIサブクローンとして単離した。このコスミドは、以下の供給源からの制限断片(Sambrookら、1989)を結合することにより作製した。このベクターは、クレノウDNAポリメラーゼで平滑末端にしAscIリンカーを挿入したpNEB193(New England Biolabs, Inc.)の2000塩基対のAatII〜PvuII断片から作製した約2000塩基対のAscI断片である。断片1は、ゲノムHVT DNAの約8,600塩基対のAscI〜AscI断片である。この領域はBamHI断片10と21、および断片6の約1100塩基対、および断片7の約1300塩基対を含有する。XhoI部位(ヌクレオチド#1339−1344;配列認識番号48)は、合成DNAリンカーを用いてユニークなNotI部位に変換された。NotI部位は、HVT中の外来性DNAの挿入と発現に使用した。(図13Bを参照)。これは、組換えHVTを作製するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用した。
サブゲノムクローン672−07.C40
組換えHVTを作成するためにコスミド672−07.C40を作製した。これは、コスミド407−32.1C1(図8と15を参照)のサブクローンとして単離した。コスミド672−07.C40は、は、コスミド407−32.1C1の約1100塩基対のBamHI〜AscIサブ断片および約13,000塩基対のAscI〜NotIサブ断片を含有する。このコスミドは、以下の供給源からの制限断片(Sambrookら、1989)を結合することにより作製した。このベクターは、SmaI部位に挿入されたNotIリンカー含有するpNEB193(New England Biolabs, Inc.)の約2700塩基対のNotI〜BamHI断片である。断片1は、ゲノムHVT DNAの約14,000塩基対領域である。この領域は、BamHI断片6と18、およびBamHI断片#1内の約2600塩基対のBamHI〜NotIを含有する。これは、組換えHVTを作製するための「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、他のサブゲノムクローンとともに使用した。
サブゲノムクローン706−57.A3
組換えHVTを作成するためにプラスミド706−57.A3を作製した。プラスミド706−57.A3は、プラスミド654−45.1のPacI部位に挿入されたIBDV VP2遺伝子を含有する。IBDV VP2遺伝子は、IBRV VP8プロモーターとILTV US3ポリアデニル化シグナルを使用する。このコスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)により作製した。第1の断片は、IBRV VP8プロモーター(Carpenterら、1991)をコードする208塩基対のHindIII〜BamHI断片である。第2の断片は、IBRV標準的感染(challenge)株(USDA)ゲノムRNA(Kibengeら、1990)の逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(Sambrookら、1989)により得られるIBRV VP2遺伝子をコードする約1626塩基対断片である。逆転写とPCRに使用したアンチセンスプライマーは、5’−CTGGTTCGGCCCATGATCAGATGACAAACCTGCAAGATC−3’(配列認識番号53)である。PCRに使用したセンスプライマーは、5’−CTGGTTCGGCCCATGATCAGATGACAAACCTGCAAGATC−3’(配列認識番号54)である。PCRにより作成したDNA断片を、PCR−Direct(登録商標)ベクター(Clontech Laboratories, Inc.、パロアルト(Palo Alto)、カリホルニア州)内にクローン化した。次にIBRV VP2断片を、PCRプライマーにより作成したBclI部位を用いて、VP8プロモーターにサブクローニングした。この結合部のDNA配列は、VP2活性開始メチオニンの前にアミノ酸メチオニン、アスパラギン酸およびグルタミン酸が添加されている。このDNA断片は、VP2タンパク質の全コード配列を含有するIBDVポリタンパク質(配列認識番号2)のアミノ酸1〜アミノ酸536のコード配列を含有する。第3の断片は、ILTV US3ポリアデニル化シグナルをコードする約494塩基対断片である。
サブゲノムクローン711−92.1A
組換えHVTを作成するためにプラスミド711−92.1Aを作製した。プラスミド711−92.1Aは、プラスミド654−45.1のPacI部位に挿入されたILTV gDおよびgI遺伝子を含有する。ILTV gDおよびgI遺伝子は、それぞれの内因性ILTVプロモーターと1つの共通の内因性ポリアデニル化シグナルを使用する。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)により作製した。第1の断片は、ILTV Asp718Iゲノム断片#8(10.6kb)の約3556塩基対のSal・〜HindIII制限断片である。
サブゲノムクローン717−38.12
組換えHVTを作成するためにプラスミド717−38.12を作製した。プラスミド717−38.12は、プラスミド654−45.1のPacI部位に挿入されたNDV HN遺伝子とF遺伝子を含有する。NDV HN遺伝子は、PRV gXプロモーターとPRV gXポリアデニル化シグナルを使用する。NDV F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターとHSV TKポリアデニル化シグナルを使用する。このプラスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて作製した。第1の断片は、PRV BamHI断片#10(Lomnicziら、1984)の約413塩基対のSal・〜BamHI制限サブ断片である。第2の断片は、全長NDV HN cDNAクローン(B1株)の約1811塩基対のAva II〜NaeI制限断片である。第3の断片は、PRV BamHI制限断片#7(Lomnicziら、1984)の約754塩基対のNdeI〜Sal・制限サブ断片である。第4の断片は、HCMVゲノムXba・E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第5の断片は、全長NDV F cDNAクローン(B1株:配列認識番号12)の約1812塩基対のBamHI〜Pst・制限断片である。第6の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
サブゲノムクローン721−38.1J
HVTのユニークなショートにMDV gA、gD、およびgB遺伝子を挿入するため、および組換えHVTを作成するために、コスミド721−38.1Jを作製した。コスミド721−38.1Jは、HVTのユニークな短い領域のBamHI#1断片内のユニークなHindIIIに変換したHVT US2遺伝子内のStuI部位に挿入したMDV gA、gDおよびgB遺伝子を含有する。MDV遺伝子を含有するHVT BamHI#1断片のこの領域は、S−HVT−062から得られた。コスミド721−38.1Jは、S−HVT−062 DNAのBamHIによる部分制限消化および約39,300塩基対断片の単離により作製した。このコスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製した。このベクターは、コスミドベクターpWE15からの約8200塩基対のBamHI断片である。第1の断片は、HVTゲノムの繰り返し領域からの約900塩基対のBamHI断片である。第2の断片は、HVTのBamHI#1の約15,500塩基対のBamHI〜StuIサブ断片である。第3の断片は、MDV gA、gDおよびgB遺伝子(図10と11を参照)を含有する約8400塩基対カセットである。第4の断片は、HVTのBamHI#1の約14,500塩基対のHindIII〜BamHIサブ断片である。
サブゲノムクローン722−60.E2
HVTのユニークな短い領域にMDV gA、gD、gB遺伝子ならびにNDV HN遺伝子およびF遺伝子を挿入するため、ならびに組換えHVTを作成するために、コスミド722−60.E2を作製した。コスミド722−60.E2は、HVTのユニークな短い領域のBamHI#1断片内のユニークなHindIIIに変換したHVT US2遺伝子内のStuI部位に挿入したMDV gA、gDおよびgB遺伝子およびNDV HN遺伝子およびF遺伝子を含有する。すべての5つの遺伝子を、HVT US2遺伝子と同じ転写配向で導入した。MDVとNDV遺伝子を含有するHVT BamHI#1断片のこの領域は、S−HVT−106から得られた。コスミド722−60.E2は、S−HVT−106のBamHIによる部分制限消化および約46,300塩基対断片の単離により作製した。このコスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製した。このベクターは、pHC79(Bethesda Research Laboratories, Inc.)およびpWE15(Stratagene, Inc.)から得られたコスミドベクターpSY1626からの約6100塩基対のBamHI断片である。第1の断片は、HVTゲノムの繰り返し領域からの約900塩基対のBamHI断片である。第2の断片は、HVTのBamHI#1の約15,500塩基対のBamHI〜StuIサブ断片である。第3の断片は、MDV gA遺伝子(図10A10b、配列認識番号8を参照)、PRV gXプロモーター(Lomnicziら、1984)、NDV HN遺伝子(配列認識番号10)、PRV gXポリアデニル化部位(Lomnicziら、1984)、HCMV極初期プロモーター(D.R. Thomsenら、1981)、NDV F遺伝子(配列認識番号12)、HCV TKポリアデニル化部位(McGeochら、1985)、MDV gD遺伝子(図11Aおよび11B)、約450塩基対のILTV US3ポリアデニル化部位、およびMDV gB遺伝子(図10Aと10B)を含有する約15,400塩基対カセットである。第4の断片は、HVTのBamHI#1の約14,500塩基対のStuI〜BamHIサブ断片である。
サブゲノムクローン729−37.1
組換えHVTを作成するために、プラスミド729−37.1を作製した。プラスミド729−37.1は、プラスミド686−63.AのNotI部位に挿入されたILTV gDおよびgA遺伝子を含有する。ILTV gDおよびgB遺伝子は、それぞれの内因性ILTVプロモーターを使用し、ILTV gDおよびgB遺伝子は、それぞれPRV gXポリアデニル化シグナルが後に続く。ILTV gDおよびgB遺伝子は、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて作製した。第1の断片は、ILTV Asp718Iゲノム断片#8(10.6kb)の約2052塩基対のSal・〜Xba・制限サブ断片である。第2の断片は、PRV BamHI制限断片#7(Lomnicziら、1984)の約572塩基対のXba・〜Asp718I制限サブ断片である。第3の断片は、ILTVゲノムDNAの約3059塩基対のEcoRI〜EcoRI制限断片である。第4の断片は、PRV BamHI制限断片#7(Lomnicziら、1984)の約222塩基対のEcoRI〜Sal・制限サブ断片である。
サブゲノムクローン739−27.16
ユニークな長い領域のHVT遺伝子とユニークな短い領域のMDV 1型遺伝子を含有する非キメラHVT/MDVウイルスを作製するために、コスミド739−27.16を作製した。コスミド739−27.16は、MDV 1型の完全なユニークな短い領域を含有する。この領域は、全SmaI B断片と2つのSmaI K断片を含有する。コスミド739−27.16は、MDV DNAのSmaIによる部分的制限消化と約29,000〜33,000塩基対断片の単離により作製した。このコスミドは、標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて、以下の供給源からの制限断片を結合することにより作製した。このベクターは、コスミドベクターpWE15からの約8200塩基対のBamHI断片(クレノウDNAポリメラーゼにより平滑末端にされた)である。第1の断片は、MDVゲノムの短い内部繰り返し領域からの約4050塩基対のSmaI K断片である。第2の断片は、MDVの約21,000塩基対断片SmaIである。第3の断片は、MDVゲノム(Fukuchiら、1984、1985)の短い末端繰り返し領域からの約3,650塩基対のSmaI K断片である。
サブゲノムクローン751−87.A8
組換えHVTを作成するために、プラスミド751−87.A8を作製した。プラスミド751−87.A8は、プラスミド654−45.1のPacI部位に挿入されたニワトリ骨髄単球性増殖因子(cGMF)遺伝子を含有する。cMGF遺伝子は、HCMV極初期プロモーターおよびHIV−1 TKポリアデニル化シグナルを使用する。このコスミドは標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて作製した。以下の断片を、HVTサブゲノムクローン654−45.1のPacI部位に挿入した。第1の断片は、HCMVゲノムXba・E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第2の断片は、「コンカナバリンAで刺激したニワトリ脾臓細胞から単離されたRNA」の逆転写とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Sambrookら、1989)により得られたcMGF遺伝子(58)をコードする、約640塩基対の断片である。逆転写とPCRに使用したアンチセンスプライマーは、5’−CGCAGGATCCGGGGCGTCAGAGGCGGGCGAGGTG−3’(配列認識番号57)である。PCRに使用したセンスプライマーは、5’−GAGCGGATCCTGCAGGAGGAGACACAGAGCTG−3’(配列認識番号58)である。cMGF断片は、PCRプライマーにより作成したBamHI部位を用いて、HCMV IEプロモーターの隣でサブクローニングした。このDNA断片は、成熟cMGFタンパク質のアミノ末端の23個のアミノ酸のリーダー配列と178アミノ酸を含有するcMGFタンパク質(58)の、アミノ酸1からアミノ酸201のコード配列を含有する。第3の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
サブゲノムクローン761−07.A1
組換えHVTを作成するために、プラスミド761−07.A1を作製した。プラスミド761−07.A1は、プラスミド654−45.1のPacI部位に挿入されたニワトリインターフェロン遺伝子を含有する。ニワトリインターフェロン遺伝子は、HCMV極初期プロモーターおよびHIV−1 TKポリアデニル化シグナルを使用する。このコスミドは標準的組換えDNA法(Sambrookら、1989)を用いて作製した。以下の断片を、HVTサブゲノムクローン654−45.1のPacI部位に挿入した。第1の断片は、HCMVゲノムXba・E断片(D.R. Thomsenら、1981)の約1191塩基対のPst・〜AvaII制限サブ断片である。第2の断片は、「コンカナバリンAで刺激したニワトリ脾臓細胞から単離されたRNA」の逆転写とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Sambrookら、1989)により得られたニワトリインターフェロン遺伝子(58)をコードする、約577塩基対の断片である。逆転写とPCRに使用したアンチセンスプライマーは、5’−TGTAGAGATCTGGCTAAGTGCGCGTGTTGCCTG−3’(配列認識番号59)である。PCRに使用したセンスプライマーは、5’−TGTACAGATCTCACCATGGCTGTGCCTGCAAGC−3’(配列認識番号60)である。ニワトリインターフェロン遺伝子断片は、PCRプライマーにより作成したBalII部位を用いて、HCMV IEプロモーターの隣でサブクローニングした。このDNA断片は、ニワトリインターフェロンをコードする成熟タンパク質のアミノ末端の31個のアミノ酸のシグナル配列と162アミノ酸を含有するニワトリインターフェロンタンパク質(59)の、アミノ酸1からアミノ酸193のコード配列を含有する。第3の断片は、HSV−1 BamHI制限断片Q(McGeochら、1985)の約784塩基対のSmaI〜SmaI制限サブ断片である。
実施例1
S−HVT−001
S−HVT−001は、HVTゲノムのユニークな長い領域内に挿入された大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含有するシチメンチョウのヘルペスウイルス(HVT)である。HVTの制限酵素地図は公表されている(T. Igarashiら、1985)。この情報は、HVTに外来性DNAを挿入するための出発点として使用した。HVTのBamHI制限酵素地図は、図1Aに示す。このデータから、外来遺伝子が挿入されるHVT DNAのいくつかの異なる領域がターゲティングされる。挿入のために選択された外来遺伝子は、PRVで使用した大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子である。プロモーターはPRV gpXプロモーターである。lacZ遺伝子をHVTのユニークな長い領域内、特にBamHI#16(3329塩基対)断片のXhoI部位内に挿入し、基質Bluogal(登録商標)(Bethesda Research Laboratories)を用いると青いプラークを形成してHVT組換え体中で発現されることが証明された。同様に、lacZ遺伝子は、BamHI#19(900塩基対)断片内に含有される繰り返し領域中のSal・部位に挿入された。
これらの実験は、ヘルペスウイルスでの外来遺伝子の挿入と発現のための本出願で記載した方法がHVTに応用できることを示している。特に、外来性DNAの挿入のための2つの部位が同定されている(図1Bと1C)。
実施例2
S−HVT−003
S−HVT−003は、HVTゲノムのユニークな長い領域内に挿入された大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子と伝染性粘液嚢病ウイルス(IBDV)S40747のRNAの大きい断片(cDNAコピーとして)(配列認識番号1)を含有するシチメンチョウのヘルペスウイルス(HVT)である。このIBDV DNAは、3つのタンパク質をコードする1つの読みとり枠(5’VP2−VP4−VP3 3’)(配列認識番号2)を含有する(このうち2つは、ニワトリのIBDV感染を防御する抗原である)。β−ガラクトシダーゼとIBDVポリタンパク質は、仮性狂犬病ウイルス(PRV)gpX遺伝子プロモーターに支配されている。S−HVT−003は相同的組換えにより作成した。S−HVT−003は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1987年7月21日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号2178で寄託されている。
IBDV遺伝子は、cDNA「クローン化法」によりクローン化した。IBDVのゲノムであるクローンは、真のIBDV RNAを含有するブロットに対して、「DNAのサザンブロッティング法」によりスクリーニングした。次に、陽性のクローンを群を同定するための制限マッピング法により性状解析した。このようなクローンの2つを同定し、この2つが一緒になってIBDVの大きな断片のRNA(3.3kbのds RNA)の全コード領域となることを見いだした。1つのcDNAクローン(2〜84)は、IBDV遺伝子の前半である約2500塩基対の断片を含有した。第2のクローン(2〜40)は、IBDV遺伝子の後半である約2000塩基対の断片を含有した。全IBDV遺伝子であるプラスミド2−84/2−40は、重複配列中に存在するユニークなPvuII部位でクローン2−84と2−40を結合させて作製した。IBDVゲノムは、約3400塩基対のSmaI〜HpaI断片としてプラスミド2−84/2−40から得ることができる。IBDV遺伝子によりコードされるタンパク質の性質は、クローン(2−84/2−40)を大腸菌(E. coli)中で発現し、精製したIBDVカプシドタンパク質に対して作成した抗血清を用いるウェスタンブロット上で検出して確認した。IBDV抗原をコードするRNAのIBDVの大きな断片のcDNAは、以後IBDV遺伝子と呼ぶ1つの読みとり枠を示す。オーストラリアンIBDV株の配列は、出願人の配列に密接な相同性を有するとして公表されている(Hudsonら、1986)。2つのウイルスのアミノ酸の差を比較して、1012アミノ酸コード領域内に29のアミノ酸の変化があることが明らかになった。VP4については3つのみのアミノ酸の差が、VP3については8つのみのアミノ酸の差があった。これに対して、VP2は18のアミノ酸の変化があり、そのうち14はアミノ酸139〜332の間にかたまっていた。
HVTのゲノムへの挿入のために、IBDV遺伝子のコード領域をPRV gpXプロモーターとHSV TKポリAシグナル配列の間でクローン化して、プラスミド191−23を作成した。IBDV遺伝子を含有する相同的組換えで作成したHVT組み換え体の同定を助けるため、プラスミド101−23からのgpXでプロモートしたIBDV断片を、gpXプロモーターにより制御されるlacZ遺伝子の後ろに(縦列で)挿入した。得られたプラスミド(191−47)は、各PRV gpXプロモーターの制御下で大腸菌(E. coli)lacZ遺伝子とIBDV遺伝子を含有する。プラスミド191−47の作製において、種々のDNA断片を、天然に存在する制限部位または合成リンカーDNAを用いて組換えDNA法により結合させた。プラスミド191−47中に含有されるこれらの遺伝子の作製の詳細は、図2A、2B、2Cおよび2Dに記載する。
DNAの第1のセグメント(セグメント1、図2A)は、gpX遺伝子の最初の7つのアミノ酸をコードする残基を含むgpXプロモーターを含有し、約800塩基対のSal・部位〜BamHI断片としてPRV BamHI#10のサブクローンから得られた。DNAの第2のセグメント(セグメント2、図2A)は、アミノ酸10〜アミノ酸1024の大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼコード領域を含有し、後に約40塩基対のAvaI〜SamI断片が続く、約3300塩基対のBamHI〜BalI断片として、プラスミドpJF751(Jim Hoch, Scripps Clinic and Research Foundationから得た)から得られた。DNAの第3のセグメント(セグメント3、図2A)は、gpXポリAシグナル配列を含有し、約700塩基対のNdeI〜StuI断片としてPRV BamHI#7断片のサブクローンから得られた。「ポリメラーゼ充填反応」に従って充填したNdeIをSmaI部位に連結して、セグメント3をセグメント2に結合させた。DNAの第4のセグメント(セグメント4、図2A)はgpXプロモーター(TATAボックスとcap部位)を含有し、約330塩基対のNaeI〜AluI断片としてPRV BamHI#10断片のサブクローンから得られた。さらに、セグメント4は、合成DNAリンカー(McKnight and Kingbury, 1982)を介してPst・部位がAluI部位に結合しているPst・〜BalII断片として、約36塩基対のHSV TK5’非翻訳リーダー配列を含有する。DNAセグメント4〜6は、gpXポリAシグナル配列の3’に存在するセグメント3のユニークなKpn・部位にユニットとして挿入した。DNAの第5セグメント(セグメント5、図2A)は、IBDVの大きな断片のRNAの全コード領域(cDNAクローン)を約3400塩基対のSmaI〜HpaI断片として含有する。セグメント5のSmaI部位は、「ポリメラーゼ充填反応」に従って充填したセグメント4のBalII部位に融合した。IBDV遺伝子(5’VP2−VP4−VP3 3’)は、gpXプロモーター(セグメント4)の制御下にあるが、その自然の開始コドンと停止コドンを利用する。DNAの第6のセグメント(セグメント6、図2A)は、HSV TKポリAシグナル配列を約800塩基対のSmaI断片(シカゴ大学のBernard Roizmenから得た)として含有する。セグメント5のHpaI部位は、合成DNAリンカーを使用してセグメント6のSmaI部に融合させた。
要約すると、S−HVT−003(プラスミド1919−47)を作製するために使用する構築物は、(5’から3’へ)PRVプロモーター、gpXTATAボックス、gpXキャップ部位、gpXの最初の7アミノ酸、大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子、PRVポリAシグナル配列、PRV gpXプロモーター、gpXTATAボックス、gpXキャップ部位、gpX非翻訳5’リーダー内のIBDV遺伝子への融合、IBDV開始コドン、IBDV非翻訳3’末端内のHSV TK非翻訳3’末端への融合、およびTKポリAシグナル配列を含有する。これらの遺伝子を含有するカセットは、2つのEcoRI制限エンドヌクレアーゼ部位に隣接されるように作成した。その結果、lacZ遺伝子とIBDV遺伝子の両方を含有する約9100塩基対断片が、EcoRIによる消化により得られる。以後、9161塩基対EcoRI断片を、IBDV/lacZカセットと呼ぶ。以下の方法を用いて、相同的組換えによりS−HVT−003を作成した。IBDV/lacZカセットを、HVT BamHI#16断片のサブクローン内に存在するユニークなXhoI部位に挿入した。これをおこなうために、まずEcoRIリンカーを用いてXhoI部位をEcoRI部位に変換した。この部位は、あらかじめlacZ(S−HVT−001)の挿入によりHVTには必須ではないことが証明されている。また、BamHI#16断片中の隣接する相同性領域は、相同的組換えに効率的であることが証明されている。図3Aと3Bには、HVTのユニークな長い領域内のBamHI#16断片地図のゲノムの位置を示す。BamHI#16断片の長さは、約3329塩基対である(配列認識番号3、4、5、6、および7)。HVT DNAは、「ヘルペスウイルスDNAの調製」法に従って調製した。HVT DNAとプラスミドDNAの初代ニワトリ胚線維芽(CEF)細胞への共形質移入(コ・トランスフェクション)は、「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA形質移入」に従って行なった。共形質移入(コ・トランスフェクション)ストックから生ずる組換えウイルスは、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて、3回連続してプラーク精製を行って精製した。100%のプラークが青くなった時、「DNAのサザンブロッティング」法によりIBDV遺伝子の存在についてDNAを解析した。EcoRI消化したS−HVT−003DNAをIBDVに特異的なニックトランスレーションしたプローブ(プラスミド2−84/2−40)とプローブ結合させるサザンブロットにより、9100塩基対のEcoRI断片の存在が確認された。この結果は、S−HVT−003がそのゲノム内にlacZ遺伝子とIBDV遺伝子を取り込んで含有していることを確認している。BamHI#16に特異的なプローブを用いる更なるサザンブロットにより、BamHI#16中の適当な位置で配列が起きること、および欠失は発生しないことが確認された。野生型ウイルス(S−HVT−000)に比較してS−HVT−003の増殖には、インビトロで差が観察されなかった。
S−HVT−003からのIBDV特異的タンパク質の発現は、「ウェスタンブロッティング法」を用いてインビトロで測定した。細胞溶解物は、「ヘルペスウイルス細胞溶解物の調製」に記載したように調製した。簡単に説明すると、S−HVT−003の細胞溶解物中に含有されるタンパク質を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、ニトロセルロースに移し、そして変性させた精製IBDVカプシドタンパク質に対して作成した抗血清、またはIBDV40kd(VP2)カプシドタンパク質の予測される免疫優性領域に対応する合成ペプチドに対して作成した抗血清のいずれかとプローブ結合させた。フィルターを洗浄し、[125I]プロテインAで処理して、結合抗体の位置を検出した。図4は、変性させた精製IBDVカプシドタンパク質に対して作成した抗血清を用いて得られた結果を示し、これは本出願人により主にVP3(32kdタンパク質)と反応することが証明されている。図から明らかなように、S−HVT−003は、完全なIBDVウイルス粒子の真正のVP3タンパク質とは免疫学的に区別できないタンパク質を産生する。さらに、ポリタンパク質は正しく処理されて、真正のVP3タンパク質と同時に移動するVP3種を産生するようである。オーストラリアンIBDV株を用いた最近の証拠は、成熟したVP2およびVP3タンパク質種への前駆体ポリタンパク質の処理にVP4が関与していることを示唆している(Jagadishら、1988)。図5は、IBDV VP2(40kd)カプシドタンパク質の14アミノ酸領域と相同である合成ペプチドに対して作成したウサギ抗血清を用いて得られた結果を示す。図から明らかなように、S−HVT−003は、真正のウイルスVP2タンパク質とは免疫学的に区別できないタンパク質を産生する。さらに、S−HVT−003から産生されるVP2タンパク質は、完全なIBDVウイルス粒子から単離されたVP2の40kd種と同時に移動する。この分子種は、感染性(完全)ウイルス粒子の主要な成分である。
要約すると、S−HVT−003からのIBDV特異的タンパク質の発現の解析は、ポリタンパク質はCEF細胞培養物中で処理され、ウェスタンブロット上のVP2またはVP3タンパク質のいずれかに特異的な免疫学的試薬と反応する適当なサイズのタンパク質を産生することを証明した。
以下のセットの実験は、血清転換(seroconversion)データ、血清中和結果、およびIBDV抗原刺激からの防御により測定した、S−HVT−003内に含有されるIBDV遺伝子のインビボの発現を解析するために、ニワトリ中で行なった。
第1の実験は、S−HVT−003でワクチン化するとニワトリのIBDVへの血清転換が起きることを証明するように計画した。HVTとIBDVに対して血清陰性の11羽の11週令のニワトリを、SPAFAS Inc.から得た。6羽のニワトリを、S−HVT−003(40,000PFU/ml)を含有するCEF細胞の細胞懸濁液0.5mlを腹部に皮下投与してワクチン化した。この実験ですべてのニワトリから、7日毎に8週間血清試料を採取した。28日目(第4週)に、これらのニワトリの3羽にS−HVT−003を追加免疫し、他の3羽には不活性化IBDVワクチン0.5mlを首の皮下に接種した。さらに3羽のニワトリには、28日目に不活性化ワクチンのみを投与した。2羽のニワトリは接触対照として、ワクチン接種をしなかった。56日目にすべてのニワトリを屠殺し培検を行なった。表1は、IBDVに対する血清中和測定法の結果を示す。S−HVT−003のみを投与したニワトリには、SN活性は検出されなかった。さらに、不活性化ワクチンのみを投与された3羽のニワトリのうちの1羽のみが、低いが検出可能なSN活性を示した。S−HVT−003を投与された後不活性化IBDVワクチンの追加免疫をされた3羽のニワトリのうちの1羽でも、SN力価が検出された。これらの力価は、不活性化IBDVワクチンのみの場合よりはるかに高レベルであった。これらの結果は、S−HVT−003は、IBDVに対する2次的応答についてニワトリをプライミングすることを示唆している。「ウェスタンブロッティング」による血清試料のインビトロ解析は、28日目に投与した追加免疫の前でも後でも、S−HVT−003によるワクチン接種によりIBDVに対してニワトリが血清転換されたことを確認している。
Figure 0003756950
第2の実験で、25羽の1週令のSPFヒヨコをS−HVT−003(20羽は0.2mlを皮下に、5羽は両目に点眼)でワクチン接種した。20羽のヒヨコを対照とした。感染後4日目と7日目に、5羽のワクチン接種ヒヨコと2羽の対照ヒヨコを出血させ、屠殺し、脾臓を取り出してウイルスを単離した。脾臓細胞懸濁液を標準的方法で作成し、3mlのニワトリ胚線維芽(CEF)細胞増殖培地中の約1×106細胞を、直接2次細胞に接種した。培養物を6〜7日間インキュベートし、次に細胞の形態を観察して測定して細胞変性作用(CPE)を採点した。培養物を再度継代し、CPEについて再度採点した。ワクチン接種していないすべての対照ヒヨコは、4日目と7日目の脾臓細胞単離物についてHVTは陰性であった。S−HVT−003をワクチン接種した5羽のヒヨコのうち4羽は、第1と第2の継代について4日目にHVTは陽性であった。1羽はウイルスを産生せず、これはワクチン化が成功しなかったせいかも知れない。5羽のヒヨコのうち5羽は継代1と2の両方でHVTは陽性であった。全体的に、ベクター回収実験はS−HVT−003がインビボで野生型HVTウイルスと同様に複製し、BamHI#16のXhoI部位へのIBDV/lacZカセットの挿入は、ウイルスの検出可能な弱毒化を引き起こさないことを示している。「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて回収されたウイルスを調べる以後の実験は、100%のウイルスでβ−ガラクトシダーゼ発現を証明することにより、S−HVT−003のインビボの安定性を確認した。
Figure 0003756950
感染後0、4、7、14、21、および27日目に、残りのニワトリから血液試料を得て、IBDVおよびHVT抗原に対する血清ELISA力価測定、およびIBDVに対するウイルス中和試験を行なった。さらに、感染後21日目に、5羽の対照と14羽のワクチン接種ヒヨコに両目の点眼により病原性IBDVで抗原刺激した(103−8EID50)。すべてのヒヨコを抗原投与6日後に屠殺し、体重に対する嚢の重量比を計算した。結果の要約をそれぞれ表3と4に示す。表3に示すように、ワクチン接種後21〜27日目より前では、ELISAによりHVT抗原に対する抗体は検出されなかった。ヒヨコでは、孵化後最初の2週間は免疫応答は未成熟で抑制されており、従ってこれらの結果は全く予想外ではない。これに対して、IBDVのELISAではワクチン接種後21日目まで陰性であり、27日目に抗原刺激後にわずかに検出されたのみであった。ワクチン接種後27日目に見られるELISAレベルは、IBDVに対する一次応答を示している。抗原刺激した対照とワクチン接種/抗原刺激した群についての嚢対体重比を比較する表4は、有意差を示していない。これらの条件下でのS−HVT−003のワクチン接種は、抗原刺激後4羽のワクチン接種したヒヨコが死亡したことから明らかなように、IBDV抗原刺激によるワクチン接種ヒヨコの感染を防止しなかった。
Figure 0003756950
Figure 0003756950
第3の実験は、免疫応答性ヒヨコ(3週令)を用いて、実験2を繰り返した。6羽の3週令のSPFレッグホーンニワトリに、0.2mlのS−HVT−003を腹腔内投与して種々のワクチン接種した(各目に1滴)。血清試料を7日毎に6週間得て、ワクチン接種後43日目にニワトリを病原性USDA標準的抗原刺激IBDVウイルスで刺激した。抗原刺激後6日目に、対照、ワクチン接種−抗原刺激、および抗原刺激群を屠殺し、嚢を取り出して抗−IBDVモノクローナル抗体(MAB)(Virginia-Maryland Regional College of Veterinary MedicineのDavid Snyder博士から提供された)でプローブ結合させた。嚢ホモジネートを1mlの0.5%NP40と混合して調製した。次に嚢を摩砕し、短時間超音波処理した。ホモジネートの上清を、プロテインA結合を介して96ウェルELISAプレートに結合したR63 MABと反応させた。インキュベート後、R63 MABのビオチン標識調製物を加えた。洗浄後、アビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体を加えてインキュベートした。試験体をトリス−マルケート(Tris-malcate)緩衝液(TMB)+H22基質で発色させた。試験結果を表5に示す。データは、ワクチン接種−抗原刺激群と抗原刺激群のすべての嚢で高レベルのIBDV抗原が存在することを示している。対照群にはIBDV抗原は検出されなかった。IBDV特異的抗原は、1/1000を越える希釈率でも検出され、ワクチン接種と非ワクチン接種抗原刺激群の間に差はないようである。ELISAで測定したHVT力価は、ワクチン接種した6羽のうち4羽で7日目に検出可能になった。14日目までに、ワクチン接種した6羽のうち6羽でHVT力価が証明された。6羽のニワトリはすべての、実験の間中HVT力価を示し続けた。抗原刺激の前にはIBDV SN力価は見られなかった。これに対して、これらの同じ血清試料のウェスタンブロットによる解析は、ウイルスの刺激の投与前にS−HVT−003によるIBDVへの血清転換を示した。しかし抗原刺激で追加免疫をしない場合は応答のレベルは小さい。ワクチン接種/抗原刺激群と刺激のみの群の比較では、ウェスタンブロットによる反応性のレベルは、ワクチン接種/抗原刺激群ではるかに高かった。これらの結果は、S−HVT−003はワクチン接種したニワトリをIBDVに血清転換しており、IBDV特異的発現のレベルは、ニワトリで中和応答を誘発するのに充分なほど高くはないことを示唆する。
S−HVT−003は、本出願人が発明したワクチン接種アプローチの利点を示す。HVTは、これらのタンパク質に対する免疫応答により宿主中で認識される外来性抗原(β−ガラクトシダーゼとIBDV抗原)を同時に発現するように作成された。
Figure 0003756950
実施例3
S−HVT−004
S−HVT−004は、ユニークな長い領域内に挿入されたマレック病ウイルス(MDV)糖タンパク質A(gA)遺伝子と、ユニークな長い領域内に挿入されたβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDV抗原は、HVTの同等抗原より正しい抗原応答を誘発し易い。
MDV gA(配列認識番号8と9)遺伝子は、標準的DNAクローニングgA法によりクローン化された。EcoRI制限断片は、MDV gA遺伝子(Isfortら、1984)を含有することは報告されており、この断片はDNAクローン中でサイズにより同定された。gA遺伝子を含有すると報告されたDNAの領域は本出願人により配列決定され、予想されるように糖タンパク質遺伝子を含有することが見いだされた。この遺伝子からのDNAを用いて、「DNAのサザンブロッティング」法によりHVT中で対応する遺伝子を見いだし、非常によく似た配列を含有するHVT中の遺伝子が同定された。この遺伝子は従来gAと呼ばれていたものと同じ遺伝子である(Isfortら、1984)。
MDV gA遺伝子はすでに良好なヘルペスウイルスシグナル配列を有するであろうから、HVTのゲノムへの挿入のために、MDV gA遺伝子をそのまま用いた。lacZ遺伝子をBamHI断片♯16中のXhoI部位断片内に挿入し、MDV gA遺伝子を、図6Aと6bに示すようにlacZの後ろに挿入した。BamHI♯16中の隣接領域を、相同的組換えのために使用した。HVT DNAとプラスミドDNAを、「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)中に共形質移入(コ・トランスフェクション)した。形質移入ストックからのウイルスを、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて連続的プラーク精製により精製した。この操作の最後に、100%のプラークが青くなった時、DNAをMDV gA遺伝子の存在について解析した。S−HVT−004は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子とMDV gA遺伝子の両方をゲノム内に取り込んだ組換えウイルスである。
図6Cは、S−HVT−004の構造を示す。
実施例4
ニューキャッスル病ウイルス
ニューキャッスル病ウイルス(NDV)は、全体の構造がPI−3に密接に関連している。PI−3の血漿凝集(HN)遺伝子と融合(F)遺伝子を、IBR(ref)中で発現するために作成した。同様に血漿凝集(HN)遺伝子と融合(F)遺伝子を、ヘルペスウイルスデリバリーシステム(シチメンチョウのヘルペスウイルス、HVT)で使用するためにNDVからクローン化した。
発現のためのヘルペスウイルス制御配列の作製に使用した方法をNDVに応用した。
伝染性気管支炎ウイルス
伝染性気管支炎ウイルス(IBV)は、全体の構造がTGEに密接に関連したニワトリのウイルスである。TGEの主要な中和抗原を、PRV(ref)中で発現するために作成した。同様に主要な中和抗原を、IBVの3つの株(Massachusetts(配列認識番号14と15)、Connecticut(配列認識番号18と19)、およびArkansas-99(配列認識番号16と17))から、ヘルペスウイルスデリバリーシステム(シチメンチョウのヘルペスウイルス、HVT)で使用するためにクローン化した。
発現のためのヘルペスウイルス制御配列の作製に使用した方法をIBVに応用した。
実施例5
S−HVT−045
S−HVT−045は、ユニークな短い領域内に挿入されたマレック病ウイルス(MDV)糖タンパク質B(gB)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)である。このMDV抗原は、HVTの同等の抗原より正しい抗原応答を誘発し易い。S−HVT−045は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1992年10月15日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号2383で寄託されている。
MDV gB遺伝子は、cDNAクローン化法によりクローン化した。MDV gB遺伝子は、既知のヘルペスウイルスgB遺伝子の間で保存されていることがわかっている領域中のHSV gB配列に基づいて、オリゴヌクレオチドプローブを用いて、3.9kbのEcoRI−Sal・断片に局在化された。制限地図3.9kb EcoRI−Sal・断片は、公表された地図に類似している(Rossら、1989)。
gB遺伝子はすでに良好なヘルペスウイルスシグナル配列を有するであろうから、HVTのゲノムへの挿入のために、MDV gB遺伝子をそのまま用いた。MDV gB遺伝子を、HVT BamHI♯1断片から得られたクローン化した17.15kbのBamHI−EcoRI断片内に挿入した。挿入に使用した部位は、S−HVT−012の作製にすでに使用したHVT US2内のStuI部位である。この部位は最初ユニークなHindIIIリンカーの挿入により改変し、標準的DNAクローニング法によりMDV gB遺伝子を挿入した。17.15kbのBamHI−EcoRI断片中の隣接領域を、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、残りのクローン化HVT断片とともに使用した。形質移入ストックから得られたウイルスをプラーク精製し、DNAをMDV gB遺伝子の存在について解析した。S−HVT−045は、HVT US2遺伝子のStuI部位でゲノム内に挿入されたMDV gB遺伝子を含有する組換えウイルスである。
組換えS−HVT−045の試験
病原性マレック病ウイルスによる抗原刺激に対するこれらの組換えHVT/MDVウイルスの有効性を証明するために、2つに実験を行なった。実験Aでは、1日令の特異的病原体を含まない(SPF)ヒヨコに、S−HVT−045またはS−HVT−046をワクチン接種した。ワクチン接種7日後、ワクチン接種したヒヨコ、および対照ヒヨコである非ワクチン接種ヒヨコを、マレック病ウイルスの病原性の強いMD−5株で抗原刺激した。刺激後6週間マレック病に典型的な臨床症状を観察してから、すべてのヒヨコを剖検し、マレック病の診断ができる病変を調べた。表6に示す結果は、いずれの組換えウイルスも、非ワクチン接種対照ヒヨコの90%でマレック病を引き起こした抗原刺激に対して完全な防御を与えたことを示している。
第2の実験で1日令のヒヨコを、S−HVT−045またはS−HVT−047のいずれかをワクチン接種した。第3の群のヒヨコを、HVTとSB−1よりなるUSDAで認可された従来のワクチンを接種した。ワクチン接種5日後に、ワクチン接種したヒヨコと対照の非ワクチン接種ヒヨコに病原性のマレック病ウイルスRB1B株で抗原刺激した。8週間マレック病に典型的な臨床症状を観察してから、剖検し、マレック病の病変を調べた。実験は、HVT−045とHVT−047の抗原刺激に対する完全な防御を与えたことを示した。市販のワクチンは96%の防御を与え、非ワクチン接種ヒヨコの79%はマレック病を発病した。
Figure 0003756950
実施例6
S−HVT−012
S−HVT−012は、ユニークな短い領域中に大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換え型ヘルペスウイルスである。lacZ遺伝子は、HVT[ATCC F−126(”Calnek”)]中のこの挿入部位の活性を試験するために使用した。S−HVT−012は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブタペスト条約に従って、1992年107月15日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号2382で寄託されている。
HVTのゲノムへの挿入のために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を、HVTのクローン化したEcoRI断片♯7(すなわち、HVTのUS2遺伝子内にStuI部位を含有する断片)のユニークなStuI部位に導入した(方法と材料中に記載されている)。EcoRI断片♯7の隣接領域を、相同的組換えのために使用した。HVT DNAとプラスミドDNAは、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)中に「組換えウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って共形質移入(コ・トランスフェクション)した。形質移入ストックから得られた青いウイルスを、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて、連続してプラーク精製を行って精製した。この操作の最後に、100%のプラークが青くなった時、lacZ遺伝子の有無についてDNAを解析した。S−HVT−012は、HVTのUS2遺伝子内にStuI部位でゲノムに導入されたlacZ遺伝子を含有する組換えウイルスである。
S−HVT−012は、S−HVT−045と同様にワクチンとして処方することができる。ヒヨコに投与すると、このようなワクチンはマレック病ウイルスに対して防御を与える。
実施例7
HVTへの外来性DNAの挿入部位
適当な挿入部位を規定するために、HVT BamHIとEcoRI制限断片のライブラリーを作成した。これらの制御断片のいくつか(BamHI断片♯16と♯13、EcoRI断片♯6、♯7、および♯9(図1を参照))に対して、制限マッピング解析を行なった。各断片で1つのユニークな制限部位を、挿入部位候補として同定した。これらの部位は、BamHI断片♯13と♯16とEcoRI断片♯9中のXhoI部位、およびEcoRI断片♯6中のSal・部位、およびEcoRI断片♯7中のStuI部位である。候補部位のそれぞれにβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子を挿入した。このような外来性DNA挿入体を含有するプラスミドを、外来性DNAを含有するHVTを「作製」するための「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」に従って使用した。この方法が成功するためには、挿入部位が、HVTの複製にとって必須ではなく、その部位は、ウイルスとプラスミドDNAの間の相同的組換えを仲介するのに適したHVT DNAが隣接していることが重要である。lacZマーカー遺伝子を含有するプラスミドを、「組換えヘルペスウイルスを作成するためのDNA共形質移入(コ・トランスフェクション)」に従って使用した。組換えウイルスの作成は、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」により測定した。5つの部位のうちの3つは、組換えウイルスを作成するのに使用して成功した。各場合で、得られたウイルスは容易に100%に精製でき、外来性DNAの挿入のために適当な部位であることを明らかに証明している。これらの部位を規定するために使用した3つの相同ベクターは、後述する。
実施例7A
相同ベクター172−29.31
相同ベクター172−29.31は、HVT BamHI♯16断片を含有し、HVTへの外来性DNAの挿入に有用である。プラスミド172−29.31は、ユニークなXhoI部位を含有し、ここに外来性DNAがクローン化される。相同ベクター172−29.31中のXhoI部位は、少なくとも3つの組換えHVT(実施例1〜3を参照)を作製して、HVTに外来性DNAを挿入するのに使用することができる。
相同ベクター172−29.31を、DNA配列解析によりさらに性状解析した。BamHI♯16断片の完全な配列を決定した。隣接BamHI♯13断片の約2092塩基対の配列も決定した(配列認識番号3を参照)。この配列は、HVT糖タンパク質A(gA)をコードする読みとり枠は、BamHI♯16〜BamHI♯13結合部にまたがることを示す。HVT gA遺伝子は、HSV−1糖タンパク質C(gC)に相同である。XhoI部位は、HVT gA遺伝子のすぐ上流にあるORFを妨害する。このORFは、PRV p43とVZV遺伝子15に対してアミノ酸配列の相同性を示す。PRVとVZV遺伝子は、HSV−1 UL43の同族体である。従って、このORFをHVT UL43と名付けた(配列認識番号5を参照)。HVT UL43はHVT gC同族体の上流に位置するが、HVT gAと同じDNA鎖上にコードされ、HVT−1 UL43はHSV−1 gCに対して反対の鎖の上にある。XhoI部位は大体アミノ酸6でUL43を妨害し、UL43遺伝子はHVT複製に必須ではないことを示唆している。
実施例7B
相同ベクター435−47.R17
相同ベクター435−47.R17は、HVT EcoRI♯7断片を含有し、HVTへの外来性DNAの挿入に有用である。プラスミド435−47.R17は、ユニークなHindIII制限部位を含有し、ここに外来性DNAがクローン化される。プラスミド中のHindIII部位は、EcoRI断片♯7の天然に存在するStuI部位にHindIIIリンカーを挿入することにより得られる。相同ベクター435−47.R17中のHindIII部位は、少なくとも25の組換えHVTの作製により、HVTに外来性DNAを挿入するために使用することができる。
StuIでのDNA配列解析は、この断片が、US10、US2、およびUS3をコードする読みとり枠を含有することを示した。StuI部位は大体アミノ酸124でUS2を妨害し、US2遺伝子はHVT複製に必須ではないことを示唆している。
実施例7C
相同ベクター172.63.1
相同ベクター172.63.1は、HVT EcoRI♯9断片を含有し、HVTへの外来性DNAの挿入に有用である。プラスミド172.63.1は、ユニークなXhoI制限部位を含有し、ここに外来性DNAがクローン化される。相同ベクター172.63.1中のXhoI部位は、S−HVT−014の作製により、HVTに外来性DNAを挿入するために使用することができる(実施例8を参照)。
実施例8
S−HVT−014
S−HVT−014は、ユニークな長い領域内に挿入された大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。lacZ遺伝子は、HVT[ATCC F−126(”Calnek”)]中のこの挿入部位の活性を試験するために使用した。
HVTのゲノムへの挿入のために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を、クローン化したEcoRI断片♯9のユニークなXhoI部位に導入した(方法と材料中に記載されている)。HVTゲノムのEcoRI断片♯9内のXhoI部位は、実施例16〜19に記載のシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスの作製のために使用したBamHI♯10断片内のXhoI部位と同じである。EcoRI断片♯9の隣接領域を相同的組換えのために使用した。HVT DNAとプラスミドDNAは、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)中に「組換えウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って共形質移入(コ・トランスフェクション)した。形質移入ストックから得られた青いウイルスを、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて、連続してプラーク精製を行って精製した。この操作の最後に、100%のプラークが青くなった。S−HVT−014は、HVTのEcoRI♯9断片内にXhoI部位でゲノムに導入されたlacZ遺伝子を含有する組換えウイルスである。
S−HVT−014は、S−HVT−045と同様にワクチンとして処方することができる。ニワトリに投与すると、このようなワクチンはマレック病ウイルスに対して防御を与える。
実施例9
S−HVT−005
S−HVT−005は、ユニークな長い領域内に挿入された大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。lacZ遺伝子は、HVT[ATCC F−126(”Calnek”)]中のこの挿入部位の活性を試験するために使用した。
HVTのゲノムへの挿入のために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を、HVTのXhoI♯9断片の約1300塩基対欠失内に導入した。ユニークなMluI部位とEcoRV部位の間に位置する欠失は、HVT gA遺伝子の完全なコード領域を除去している(配列認識番号3を参照)。XhoI断片♯9の隣接領域を相同的組換えのために使用した。HVT DNAとプラスミドDNAは、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)中に「組換えウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って共形質移入(コ・トランスフェクション)した。形質移入ストックから得られた青いウイルスを、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて、連続してプラーク精製を行って精製した。この操作の最後に、100%のプラークが青くなり、DNAをlacZ遺伝子の存在について解析した。S−HVT−005は、HVTの欠失したgA遺伝子の代わりにゲノムに導入されたlacZ遺伝子を含有する組換えウイルスである。
S−HVT−005は、S−HVT−045と同様にワクチンとして処方することができる。ニワトリに投与すると、このようなワクチンはマレック病ウイルスに対して防御を与える。
実施例10
マレック病ワクチン
マレック病ウイルスからの糖タンパク質を発現する組換えHVTは、マレック病のために優れたワクチンとなる。我々は、MDV糖タンパク質を発現するいくつかの組換えHVTを作製した:S−HVT−004(実施例3)、S−HVT−045(実施例5)、S−HVT−046(実施例10A)、S−HVT−047(実施例10B)、S−HVT−062(実施例10C)。
実施例10A S−HVT−046
S−HVT−046は、短いユニークな領域に挿入されたマレック病ウイルス(MDV)糖タンパク質B(gB)および糖タンパク質A(gA)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDV遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。MDV抗原は、HVTの同等の抗原より正しい抗原性応答を誘発し易い。
S−HVT−046は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない456−17.22。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例10B S−HVT−047
S−HVT−047は、短いユニークな領域に挿入されたMDV gBおよびgA遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDV遺伝子は、US2遺伝子と反対の転写配向で挿入される。MDV抗原は、HVTの同等の抗原より正しい抗原性応答を誘発し易い。
S−HVT−047は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA1とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII,437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない456−17.18。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例10C S−HVT−062
S−HVT−062は、短いユニークな領域に挿入されたMDV gB、糖タンパク質D(gD)およびgA遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDV遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。MDV抗原は、HVTの同等の抗原より正しい抗原性応答を誘発し易い。S−HVT−062は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1993年2月23日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号2401で寄託されている。
S−HVT−062は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、556−60.6とBamHIおよびHindIII、および切断しない456−17.22。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
MDV抗原を発現する組換えHVTの試験
病原性マレック病ウイルスによる抗原刺激に対する防御におけるこれらの組換えHVT/MDVウイルスの有効性を証明するために、2つに実験を行なった。実験1では、1日令の特異的病原体を含まない(SPF)ヒヨコに、S−HVT−045、S−HVT−046、またはS−HVT−047をワクチン接種した。ワクチン接種5日後、ワクチン接種したヒヨコ、および対照ヒヨコである非ワクチン接種ヒヨコを、MDVで抗原刺激した。刺激後6週間マレック病に典型的な臨床症状を観察してから、すべてのヒヨコを剖検し、マレック病の診断ができる病変を調べた。表7に示す結果は、いずれの組換えウイルスも、非ワクチン接種対照ヒヨコの84%でマレック病を引き起こした抗原刺激に対して完全な防御を与えたことを示している。
第2の実験で1日令のヒヨコを、S−HVT−062でワクチン接種した。さらに2群のヒヨコを、HVT、およびHVTとSB−1の組合せよりなるUSDAで認可された従来のワクチンを接種した。ワクチン接種5日後に、ワクチン接種したヒヨコと対照の非ワクチン接種ヒヨコに病原性のMDVを抗原刺激した。8週間マレック病に典型的な臨床症状を観察してから、剖検し、マレック病の病変を調べた。実験は、S−HVT−062の、抗原刺激に対する100%の防御を与える能力を示した(表7)。市販のワクチンはそれぞれ81%と95%の防御を与え、非ワクチン接種ヒヨコの100%はマレック病を発病した。
Figure 0003756950
実施例11
ニューキャッスル病とマレック病に対する2価ワクチン
NDVからタンパク質を発現する組換えHVTは、マレック病とニューキャッスル病の両方に対して防御する2価のワクチンとなる。NDVタンパク質を発現するいくつかの組換えHVTを作成した:S−HVT−007(実施例11A)、S−HVT−048(実施例11B)、S−HVT−049(実施例11C)、S−HVT−050(実施例11D)、およびS−HVT−106(実施例11E)。
実施例11A S−HVT−007
S−HVT−007は、ユニークな長い領域に挿入されたPRV gXプロモーターに制御される大腸菌(E. coli)lacZ NDV HNハイブリッドタンパク質遺伝子と、HSV−1 α4プロモーターに制御されるNDV F質遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。NDV遺伝子は、UL43遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−007を作製するために、HVT DNAとプラスミド255−18.B16を、「組換えウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)に共形質移入(コ・トランスフェクション)した。形質移入ストックから得られる青いウイルスを、「組換えヘルペスウイルスのBluegalスクリーニング」法を用いて、連続してプラーク精製を行って精製した。この操作の最後に、100%のプラークが青くなった。
実施例11B S−HVT−048
S−HVT−048は、ユニークな短い領域に挿入されたHCMV極初期プロモーターに制御されるMDV gBとgA、およびNDV F遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDVとNDV遺伝子は、UL43遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−048は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない535−70.3。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例11C S−HVT−049
S−HVT−049は、短いユニークな領域に挿入されたPRV gXプロモーターに制御されるMDV gBとgA、およびNDV HN遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDVとNDV遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−049は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない549−62.10。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例11D S−HVT−050
S−HVT−050は、MDV gBとgA遺伝子、ならびにNDV HN遺伝子(配列認識番号10と11)およびF(配列認識番号12と13)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。NDV遺伝子はそれぞれPRV gXとHCMV極初期プロモーターに制御される。すべての4つの遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向でユニークな短い領域に挿入される。
S−HVT−050は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない549−24.15。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。S−HVT−050は、特許手続き上の微生物の国際寄託に関するブダペスト条約に従って、1993年2月23日にアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301パークローン・ドライブ、ロックヴィル、メリーランド州20852、米国)の特許培養物保管局に、ATCC受託番号2400で寄託されている。
実施例11E S−HVT−106
S−HVT−106は、MDV gA、gB、gD遺伝子、およびNDV HNとF遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。NDV遺伝子はそれぞれPRV gXとHCMV極初期プロモーターに制御される。すべての5つの遺伝子は、ユニークな短い領域内にUS2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−106は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない633−1.27。
NDV抗原を発現する組換えHVTの試験
病原性ニューキャッスル病ウイルスおよびマレック病ウイルスによる抗原刺激に対するこれらの組換えHVT/MDV/NDVウイルスの有効性を証明するために、2つに実験を行なった。実験1では、1日令の特異的病原体を含まない(SPF)ヒヨコに、S−HVT−048、S−HVT−049、S−HVT−050またはNDV B1/B2ウイルスよりなるUSDAに認可された従来のワクチンをワクチン接種した。ワクチン接種後3週間、ワクチン接種したヒヨコ、および対照ヒヨコである非ワクチン接種ヒヨコを、NDVで抗原刺激した。次に疾患に典型的な臨床症状を観察した。表8に示す結果は、これらの組換えウイルス(S−HVT−048とS−HVT−050)は、非ワクチン接種対照ヒヨコの100%でニューキャッスル病を引き起こした抗原刺激に対して完全な防御を与えたことを示している。組換えウイルスS−HVT−049は、ニューキャッスル病に対して部分的な防御を与えた。
第2の実験で1日令のヒヨコを、1日令のヒヨコをS−HVT−050でワクチン接種した。さらに2群のヒヨコに、HVT、およびHVTとSB−1ウイルスの組合せよりなるUSDAで認可された従来のワクチンを接種した。ワクチン接種5日後に、ワクチン接種したヒヨコと対照の非ワクチン接種ヒヨコに病原性のMDVを抗原刺激した。8週間マレック病に典型的な臨床症状についてヒヨコを観察してから、剖検し、マレック病の病変を調べた。この実験は、市販のマレック病ワクチンより強い防御を与えるS−HVT−050の能力を示した。
Figure 0003756950
実施例12
伝染性咽頭気管炎およびマレック病に対する2価ワクチン
ILTウイルスから糖タンパク質を発現する組換えHVTは、マレック病と伝染性咽頭気管炎の両方に対して防御する2価のワクチンとなる。ILTウイルス糖タンパク質を発現するいくつかの組換えHVT、S−HVT−051(実施例12A)、S−HVT−052(実施例12B)、およびS−HVT−104(実施例11C)を作成した。
実施例12A S−HVT−051
S−HVT−051は、ユニークな短い領域に挿入されたILTウイルスgB遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。ILT遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−051は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない528−11.34。適切なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例12B S−HVT−052
S−HVT−052は、短いユニークな領域に挿入されたILTウイルスgD遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。ILT遺伝子は、US2遺伝子と反対の転写配向で挿入される。
S−HVT−052は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、437−26.26とBamHIおよびHindIII、および切断しない528−03.37。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
実施例12C S−HVT−104
S−HVT−104は、6つの外来遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。MDV gA、gB、およびgD遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向でユニークな短い領域に挿入される。大腸菌(E. coli)lacZマーカー遺伝子とILT gBおよびgD遺伝子は、UL43遺伝子と同じ転写配向でBamHI♯16領域に挿入される。
S−HVT−104を作製するために、S−HVT−062のDNAとプラスミド634−29.16を、「組換えウイルスを作成するためのDNA形質移入」法に従って、初代ニワトリ胚線維芽細胞(CEF)に共形質移入(コ・トランスフェクション)した。
ILT抗原を発現する組換えHVTの試験
病原性伝染性咽頭気管炎ウイルスによる抗原刺激に対する防御におけるこれらの組換えHVT/ILTウイルスの有効性を証明するために、以下の実験を行なった。1日令の特異的病原体を含まない(SPF)ヒヨコに、S−HVT−051、S−HVT−052、S−HVT−051とS−HVT−052の組合せ、またはILTウイルスよりなるUSDAに認可された従来のワクチンをワクチン接種した。ワクチン接種後2〜3週間、ワクチン接種したヒヨコ、および対照ヒヨコである非ワクチン接種ヒヨコを、ILTで抗原刺激した。次に疾患の臨床症状を観察した。表9に示す結果は、これらの組換えウイルス(S−HVT−051とS−HVT−052)は、ILTウイルスによる抗原刺激に対して、市販のILTワクチンに匹敵する防御を与えたことを示している。
ここに記載したワクチンでワクチン接種したヒヨコは、病原性のILTに感染したヒヨコから容易に区別できる。これは、gBまたはgD以外の任意のILT抗原に対する抗体について、疑わしいヒヨコを試験することにより行われる。そのような抗原の例は、ILT糖タンパク質C、E、およびGである。ワクチン接種した感染していないトリは、これらの抗原が陰性であり、感染したトリは陽性である。
Figure 0003756950
実施例13
伝染性粘液嚢病およびマレック病に対する2価ワクチン
IBDVからタンパク質を発現する組換えHVTは、マレック病と伝染性粘液嚢病の両方に対して防御する2価のワクチンとなる。IBDVタンパク質を発現するいくつかの組換えHVTを作製した。これらのウイルスは、S−HVT−003(実施例2)とS−HVT−096である。
S−HVT−096は、ユニークな短い領域に挿入された、HCMV極初期プロモーターに制御されるIBDV VP2遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。IBDV遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−096は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、556−60.6とBamHI、および切断しない602−57.F1。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
S−HVT−096を、黒プラークとウェスタンブロット解析によりVP2の発現について測定した。両方の測定法は、このウイルスが、IBDV中和性モノクローナル抗体と特異的に反応する高レベルのタンパク質を発現することを示した。このウイルスは、伝染性粘液嚢病に対するワクチンとして有用であろう。
実施例14
伝染性気管支炎およびマレック病に対する2価ワクチン
S−HVT−066は、MDV gB、gDおよびgA遺伝子、ならびにIBVスパイク遺伝子およびマトリックス遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。IBVスパイク遺伝子およびマトリックス遺伝子は、それぞれHCMV極初期プロモーターとPRV gXプロモーターに制御される。すべての5つの遺伝子は、短いユニークな領域に挿入された。MDV遺伝子とIBV遺伝子は、US2遺伝子と同じ転写配向で挿入される。
S−HVT−066は、「サブゲノムDNA断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407−32.1C1とNotI、437−26.24とBamHIおよびHindIII、556−60.6とBamHI、および切断しない567−72.1D。適当なDNAの挿入は、サザンブロット解析で確認した。
S−HVT−066を、黒プラークとウェスタンブロット解析によりIBVスパイクタンパク質の発現について測定した。両方の測定法は、このウイルスが、IBV中和性モノクローナル抗体と特異的に反応する高レベルのタンパク質を発現することを示した。このウイルスは、伝染性気管支炎に対するワクチンとして有用であろう。
実施例15
種々の病原体からの抗原を発現するためにHVTを利用するワクチン
以下の病原体からの抗原は、家禽のワクチンを開発するのに利用できるかも知れないと予想する:ヒヨコ貧血ウイルス(物質)、トリ脳脊髄炎ウイルス、トリレオウイルス、トリパラミクソウイルス、トリインフルエンザウイルス、トリアデノウイルス、鶏痘ウイルス、トリコロナウイルス、トリロタウイルス、サルモネラ種大腸菌(Salmonella spp E. coli)、パスツレラ(Pasterrella)種、ヘモフィルス(Haemophilus)種、クラミジア種、マイコプラズマ種、キャンピロバクター種、ボルデテラ種、家禽線虫、条虫、吸虫、家禽ダニ/シラミ、家禽原虫(エイメリア(Eimeria)種、ヒストモナス(Histomonas)種、トリコモナス(Trichomonas)種)。
実施例16
伝染性咽頭気管炎、マレック病およびニューカッスル病に対する3価のワクチン、および伝染性咽頭気管炎およびマレック病に対する2価のワクチンを記載する。伝染性咽頭気管炎に対する優れた防御は、S−HVT−123(ILTV gBとgDを発現する)をS−HVT−138、−139、または−140(ILTV gDとgIを発現する)と組合せたワクチンで得られる。
実施例16A S−HVT−123
S−HVT−123は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のNotI部位に変換したXhoI部位に挿入されたILTウイルスgBとgD遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Bと15;配列認識番号48)。S−HVT−123はさらに、HVT US2遺伝子のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入したMDV gA、gDとgB遺伝子を含有する。ILTV遺伝子とMDV遺伝子は、それぞれのプロモーターを使用する。S−HVT−123は、伝染性咽頭気管炎およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−123は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672.07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない721−38.1J、729−37.1とAscI。
実施例16B S−HVT−138
S−HVT−138は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたILTウイルスgDとgI遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Bと15;配列認識番号48)。ILTV gDとgI遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と反対の転写配向である(図14;配列認識番号48、50)。ILTV gDとgI遺伝子は、内在性ILTVプロモーターから重複する転写体として発現され、それら自身の内在性ポリアデニル化シグナルを共有する。
S−HVT−138は、伝染性咽頭気管炎およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−138は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない711−92.1A、415−09.BA1とBamHI。
S−HVT−138をワクチン接種したヒヨコの血清は、ウェスタンブロットでILTV gIタンパク質と反応し、S−HVT−138ワクチンはILTVタンパク質を発現し、トリで免疫応答を誘発しないことを示している。S−HVT−138をワクチン接種したヒヨコは、病原性の伝染性咽頭気管炎ウイルスによる抗原刺激から防御された。
実施例16C S−HVT−139
S−HVT−139は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたILTウイルスgDとgI遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。ILTV gDとgI遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と反対の転写配向である(図13Aと15;配列認識番号48、50)。S−HVT−139はさらに、HVT US2遺伝子内のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子を含有する。ILTV gDとgI遺伝子は、それら自身の内因性ILTVプロモーターから重複する転写体として発現され、MDV遺伝子もまた、それ自身の内因性プロモーターから発現される。S−HVT−139は、伝染性咽頭気管炎およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−139は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない711−92.1A、切断しない721−38.1J。
実施例16D S−HVT−140
S−HVT−140は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたILTウイルスgDとgI遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Aと15)。ILTV gDとgI遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と反対の転写配向である(図14;配列認識番号48、50)。S−HVT−140はさらに、HVT US2遺伝子内のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子ならびにNDV FおよびHN遺伝子を含有する。ILTV gDとgI遺伝子は、それら自身の内因性ILTVプロモーターから重複する転写体として発現され、MDV遺伝子もまた、それ自身の内因性プロモーターから発現される。NDV F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターから転写され、NDV HN遺伝子はPRV gXプロモーターから転写される。S−HVT−140は、伝染性咽頭気管炎、マレック病、およびニューキャッスル病に対する家禽のワクチンとして有用である。S−HVT−140は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない711−92.1A、切断しない722−60.E2。
実施例17
伝染性粘液嚢病、マレック病およびニューキャッスル病に対する3価のワクチン、ならびに伝染性粘液嚢病およびマレック病に対する2価のワクチンが記載される。
実施例17A HVT−126
S−HVT−126は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたIBDV VP2遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Aと15)。IBDV遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と同じ転写配向である(図14;配列認識番号48、50)。IBDV VP2遺伝子は、IBRV VP8プロモーターから発現される。S−HVT−126は、伝染性粘液嚢病およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−126は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない706−57.A3、415−09.BA1とBamHI。
実施例17B HVT−137
S−HVT−137は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたIBDV VP2遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Aと15)。IBDV遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と同じ転写配向である(図14;配列認識番号48、50)。S−HVT−137はさらに、HVT US2遺伝子内のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子を含有する。IBDV VP2遺伝子は、IBRV VP8プロモーターから発現される。MDV遺伝子は、それら自身の各内因性MDVプロモーターから発現される。S−HVT−137は、伝染性粘液嚢病およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−137は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない706−57.A3、切断しない721−38.1J。
実施例17C HVT−143
S−HVT−143は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたIBDV VP2遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Aと15)。IBDV遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片内の読みとり枠(ORF A)と同じ転写配向である(図14;配列認識番号48、50)。S−HVT−143はさらに、HVT US2遺伝子内のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子、ならびにNDV FおよびHN遺伝子を含有する。IBDV VP2遺伝子は、IBRV VP8プロモーターから発現される。MDV遺伝子は、それぞれの内因性MDVプロモーターから発現される。NDV F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターから転写され、NDV HN遺伝子はPRV gXプロモーターから転写される。S−HVT−143は、伝染性粘液嚢病、マレック病、およびニューキャッスル病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−143は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない706−57.A3、切断しない722−60.E2。
実施例18 HVT−128
S−HVT−128は、HVTゲノムのEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたNDV HNとF遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図13Aと15)。S−HVT−128はさらに、HVT US2遺伝子内のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子を含有する。NDV HN遺伝子は、PRV gXプロモーターから発現される、NDV F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターから転写される。MDV遺伝子は内因性MDVプロモーターから発現される。S−HVT−128は、ニューキャッスル病、およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−128は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない717−38.12。これらの6つのコスミドの混合物に、ユニークな短い領域に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子(HVT−062を参照)と、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のNotI部位に変換したXhoI部位内に挿入したPRV gXプロモーター−lacZ遺伝子を含有する、組換えHVTウイルスの限界希釈物を加えた。lacZ陰性である組換えウイルスS−HVT−128を選択した。
実施例18B HVT−136
S−HVT−136は、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたNDV HNとF遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである(図14;配列認識番号48と50)。NDV HN遺伝子は、PRV gXプロモーターから発現され、NDV F遺伝子は、HCMV極初期プロモーターから転写される。S−HVT−136は、ニューキャッスル病、およびマレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−136は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない717−38.12、および415−09.BA1とBamHI。
実施例19 S−HVT−145
HVT/MDV組換えウイルスワクチン
S−HVT−145は、マレック病に対して防御するMDVとHVTゲノム配列を含有する組換えウイルスワクチンであり、病原性の作成した血清型2の関連する防御性抗原をコードする遺伝子を含有するMDVゲノムDNAのコスミドと、HVTゲノムDNAのコスミドを、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って組合せて産生される。得られるウイルスは、病原性のMDV血清型2に対する防御性免疫応答およびHVTの弱毒化増殖特性も有するワクチンである。1つの態様において、ユニークな短い領域のMDV遺伝子とユニークな長い領域のHVT遺伝子を含有するキメラウイルスワクチンは、ニワトリのマレック病に対するワクチンとして有用である。ユニークな短い領域内のMDV防御性抗原(gD、gEおよびgI)はMDVに対する防御性免疫応答を誘発し、MDVのユニークな長い領域内に存在する病原性の成分(55、56、57)は、HVTの弱毒性のユニークな長い配列により置換される。その結果、マレック病に対して防御性の弱毒化ウイルスワクチンが得られる。マレック病、伝染性咽頭気管炎、伝染性粘液嚢病、ニューキャッスル病、または他の家禽病原体に対する多価防御性は、ILTV gB、gD、およびgI遺伝子、IBDV VP2遺伝子、NDV HNおよびF遺伝子、または家禽病原体からの抗原遺伝子を、HVT/MDV組換えウイルス(図13と15)のユニークな長い領域内のEcoRI♯9(BamHI♯10)断片中のPacI部位またはNotI部位に変換したXhoI部位に挿入することにより得られる。
全てのMDVのユニークな短い領域を含有するコスミドを作製した。MDVゲノムDNAは、ウイルスのユニークな長い領域、および内部と末端繰り返し部分にいくつかのSmaI部位を含有するが、ウイルスのユニークな短い領域にはSmaI部位はない。MDVの全てのユニークな短い領域は、MDVゲノムDNAをSmaIで部分的制限分解することにより単離された。約29,000〜33,000塩基対のDNA断片を単離し、コスミドベクターpWE15の平滑末端部位にクローン化した。HVY−145を作製するために、MDVのユニークな短い領域を含有するコスミドであるHTV/MDVキメラウイルスを、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って、HVTのユニークな長い領域を含有するコスミドと一緒にした。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、407.32.1C1とNotI、および739−27.16とNotI。
得られるウイルスは、マレック病に対する優れた防御性、またはマレック病、伝染性咽頭気管炎、伝染性粘液嚢病、ニューキャッスル病、または他の家禽病原体に対する多価防御性ワクチンとして優れた防御性を与える。HVT/MDVキメラワクチン中のMDV遺伝子の発現が安全であり、HVTとMDV1型(SB−1)またはHVTのみを含有する現在入手可能なワクチンよりマレック病に対する防御性が優れているため、このワクチンは優れている。第2に、診断と制御の両方の目的のために、相同性のHVT遺伝子の非存在下でMDV糖タンパク質遺伝子を発現することができる。MDV糖タンパク質に対する抗体は相同性のHVT糖タンパク質と交差反応するため、これは有用である。最後に、各糖タンパク質遺伝子の単一のコピーを含有する組換えHVT/MDVウイルスは、相同的組換えにより欠失するかも知れないHVTとMDVからの相同性糖タンパク質遺伝子の2つのコピーを含有する組換えウイルスより安定である。
別の態様において、ユニークな長い/内部繰り返し結合部とユニークな長い/末端繰り返し結合部のMDV病原性の遺伝子を有効に避けて、ユニークな長い領域(MDV gBおよびgC)からのMDV防御性抗原遺伝子を含有するコスミドと、ユニークな短い領域とユニークな長い領域からのHVT遺伝子配列を含有するコスミドを一緒にした(55、56、57)。
SB−1株は、病原性が弱毒化されたMDV血清型1である。HVTとSB−1の生きたウイルスの組合せでワクチン接種をすると、病原性のMDV抗原刺激に対して、いずれか単独でワクチン接種するよりも良好な防御性を与える。本発明の別の態様において、組換えウイルスワクチンは、非病原性のMDV血清型1と3の弱毒化遺伝子と組合せた病原性のMDV血清型2の防御性抗原を含む(例えば、SB−1とHVT)。ユニークな長い領域に対応するゲノムDNAは、SB−1血清型の寄与である。ユニークな短い領域に対応するゲノムDNAは、HVT血清型の寄与である。MDV血清型2からの3つの主要な糖タンパク質抗原(gB、gAおよびgD)が、ウイルスのユニークな短い領域に挿入される。
ユニークな短い領域を再作製するためにHVTのサブゲノムクローン672−01.A40、672−07.C40および721−38.1Jを用いて、組換えウイルスが作製される。サブゲノムクローン721−38.1Jは、MDV gB、gA、およびgD遺伝子の挿入を含有する。これらのクローンのモル大過剰量を、サブ感染性量のSb−1ゲノムDNAと共形質移入(コ・トランスフェクション)する。適当なサブ感染性用量を決定するために、SB−1の形質移入を、細胞培養物中でウイルスプラークが出なくなる用量まで力価測定をする。このような用量は、HVTのユニークな短いサブゲノムクローンと再結合するSB−1のユニークな長い領域をまたぐサブゲノム断片を含有する。従って、SB−1とHVTサブゲノム断片の重複する相同性領域の間の組換えにより得られるウイルスは非常に好ましい。あるいは、ユニークな長い領域からのSB−1ゲノム断片をコスミドベクターにサブクローニングする。MDV gB、gA、およびgD遺伝子とともにSb−1ユニークな長い領域とHVTユニークな短い領域を含有する組換えウイルスは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って産生した。この方法はまた、HVTサブゲノムクローンとともに使用して、伝染性咽頭気管炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルスおよび伝染性粘液嚢病ウイルスを含む(ただし、これらに限定されない)他の鳥類病原体からの抗原遺伝子を挿入した。
実施例20
ニワトリ骨髄単球性増殖因子(cMGF)またはニワトリインターフェロン(cIFN)を発現する組換えHVTは、マレック病ウイルスに対するワクチンとして、および家禽の他の疾患に対する免疫応答を増強するために有用である。ニワトリ骨髄単球性増殖因子(cMGF)は哺乳動物G−CSFやインターロイキン−6タンパク質(58)と関係があり、ニワトリインターフェロン(cIFN)は哺乳動物1型インターフェロン(59)と相同性がある。前記実施例で記載したワクチンと組合せて使用すると、S−HVT−144またはcIFNを発現するHVTは、鳥に疾患を引き起こすウイルス(例えば、マレック病ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、伝染性咽頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、伝染性粘液嚢病ウイルスがあるが、これらに限定されない)に対する粘液性、体液性または細胞性免疫を与えるのに有用である。cMGFまたはcIFNを発現する組換えHVTは、実施例15に記載の鳥類の疾患を引き起こす生物に対して増強された免疫を与えるのに有用である。
実施例20A S−HVT−144
S−HVT−144は、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したユニークなXhoI部位に挿入されたニワトリ骨髄単球性増殖因子(cMGF)遺伝子を含有するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルスである。cMGF遺伝子は、HVTゲノムのEcoRI♯9断片内の読みとり枠(ORF A)と反対の転写配向である(図14;配列認識番号48と50)。cMGF遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。S−HVT−144は、マレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
S−HVT−144は、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製した。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、751−87.A8とAscI、および415−09.BA1とBamHI。
実施例20B ニワトリインターフェロンを発現する組換えHVT
シチメンチョウの組換えHVTは、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたニワトリインターフェロン(cIFN)遺伝子を含有する。cIFN遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。cIFNを発現する組換えHVTは、マレック病に対する家禽のワクチンとして有用である。
cIFNを発現する組換えHVTは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製する。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用した:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、761−07.A1とAscI、および415−09.BA1とBamHI。
鳥類サイトカインを発現する組換えHVTは、免疫応答を増強するために鳥類の疾患抗原の遺伝子を発現するHVTと組合される。HVT中で発現され、免疫刺激作用を有する追加のサイトカインには、トランスフォーミング増殖因子ベータ、上皮増殖因子ファミリー、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、B−神経増殖因子、血小板由来増殖因子、血管内皮増殖因子、インターロイキン1、IL−1受容体アンタゴニスト、インターロイキン2、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン6、IL−6可溶性受容体、インターロイキン7、インターロイキン8、インターロイキン9、インターロイキン10、インターロイキン11、インターロイキン12、インターロイキン13、アンギオゲニン、ケモカイン、コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、インターフェロン、インターフェロンガンマ、白血病阻害因子、オンコスタチンM、プレイオトロフィン、分泌性白血球プロテアーゼインヒビター、幹細胞因子、腫瘍壊死因子、および可溶性TNF受容体があるが、これらに限定されない。これらのサイトカインは、トリの種またはヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌもしくはブタを含む他の動物由来である。
実施例20C マレック病ウイルス遺伝子およびニワトリインターフェロン遺伝子を発現する組換えHVT
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスは、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたニワトリインターフェロン(cIFN)遺伝子を含有し、さらにHVT US2遺伝子のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子を含有する。cIFN遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。MDV遺伝子は、内因性MDVプロモーターから発現される。cIFNおよびMDV gA、gB、およびgDを発現する組換えHVTは、マレック病に対する家禽の免疫応答が増強したワクチンとして有用である。
MDV遺伝子とcIFN遺伝子を発現する組換えHVTは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製する。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用する:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、761−07.A1とAscI、および切断しない717−38.1J。
実施例20D マレック病ウイルス遺伝子、ニューキャッスル病ウイルス遺伝子およびニワトリインターフェロン遺伝子を発現する組換えHVT
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスは、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたニワトリインターフェロン(cIFN)遺伝子を含有し、さらにHVT US2遺伝子のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子ならびにNDV HNおよびF遺伝子を含有する。cIFN遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。MDV遺伝子は、内因性MDVプロモーターから発現される。NDV HN遺伝子はPRV gXプロモーターに制御され、NDV F遺伝子はHCMV極初期プロモーターに制御される。cIFNおよびMDV gA、gB、およびgDを発現する組換えHVTは、マレック病およびニューキャッスル病に対するに対する家禽の免疫応答が増強したワクチンとして有用である。
MDV遺伝子、NDV遺伝子およびcIFNを発現する組換えHVTは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製する。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用する:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、761−07.A1とAscI、および切断しない722−60.E2。
実施例20E マレック病ウイルス遺伝子およびニワトリ骨髄単球性増殖因子遺伝子を発現する組換えHVT
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスは、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたニワトリ骨髄単球性増殖因子(cMGF)遺伝子を含有し、さらにHVT US2遺伝子のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子を含有する。cMGF遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。MDV遺伝子は、内因性MDVプロモーターから発現される。cMGFおよびMDV gA、gB、およびgDを発現する組換えHVTは、マレック病に対するに対する家禽の免疫応答が増強したワクチンとして有用である。
cMGF遺伝子およびMDV遺伝子を発現する組換えHVTは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製する。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用する:407−32.2c3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、751−87.A8とAscI、および切断しない721−38.1J。
実施例20F マレック病ウイルス遺伝子、ニューキャッスル病ウイルス遺伝子、およびニワトリ骨髄単球性増殖因子遺伝子を発現する組換えHVT
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスは、HVTのユニークな長い領域内のEcoRI♯9断片中のPacI部位に変換したXhoI部位に挿入されたニワトリ骨髄単球性増殖因子(cGMF)遺伝子を含有し、さらにHVT US2遺伝子のHindIII部位に変換したユニークなStuI部位に挿入されたMDV gA、gD、およびgB遺伝子ならびにNDV HNおよびF遺伝子を含有する。cGMF遺伝子は、ヒトサイトメガロウイルス極初期プロモーターから転写される。MDV遺伝子は、内因性MDVプロモーターから発現される。NDV HN遺伝子はPRV gXプロモーターに制御され、NDV F遺伝子はHCMV極初期プロモーターに制御される。cIFNおよびMDV gA、gB、およびgDを発現する組換えHVTは、マレック病およびニューキャッスル病に対するに対する家禽の免疫応答が増強したワクチンとして有用である。
MDV遺伝子、NDV遺伝子およびcGMF遺伝子を発現する組換えHVTは、「重複するサブゲノム断片から組換えヘルペスウイルスを作成するための方法」に従って作製する。サブゲノムクローンと酵素の以下の組合せを使用する:407−32.2C3とNotI、172−07.BA2とBamHI、407−32.5G6とNotI、672−07.C40とNotI、672−01.A40とNotI、切断しない751−87.A8、および切断しない722−60.E2。
実施例21 疾患を引き起こす微生物からの抗原を発現するシチメンチョウの組換えヘルペスウイルス
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)は、鳥類の種とともに動物からの疾患を引き起こす微生物の抗原を発現するのに有用である。組換えHVTは、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、およびネコを含む(しかし、これらに限定されない)動物のワクチンとして有用である。
組換えHVTは、疾患または疾患生物からの外来性抗原がHVTベクター中で発現される時、ウマの疾患に対するワクチンとして有用である。これらには、ウマインフルエンザウイルス、ウマヘルペスウイルス−1およびウマヘルペスウイルス−4があるが、これらに限定されない。組換えHVTは、以下の疾患または疾患生物からの外来性抗原がHVTベクター中で発現される時、ウシの疾患に対するワクチンとして有用である。これらには、ウシヘルペスウイルス−1、ウシウイルス性下痢ウイルス、ウシRSウイルス、ウシパラインフルエンザウイルスがあるが、これらに限定されない。組換えHVTは、以下の疾患または疾患生物からの外来性抗原がHVTベクター中で発現される時、ブタの疾患に対するワクチンとして有用である。これらには、仮性狂犬病ウイルス、ブタ生殖器および呼吸器症候群(PRRS/SIRS)、ブタコレラウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、ブタロタウイルスがあるが、これらに限定されない。組換えHVTは、以下の疾患または疾患生物からの外来性抗原がHVTベクター中で発現される時、ネコまたはイヌの疾患に対するワクチンとして有用である。これらには、ネコヘルペスウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全症ウイルス、および糸状虫(Dirofilaria imitis)(心糸状虫症)があるが、これらに限定されない。イヌの疾患を引き起こす微生物には、イヌヘルペスウイルス、イヌジステンパー、イヌアデノウイルス1型(肝炎)、アデノウイルス2型(呼吸系疾患)、パラインフルエンザウイルス、レプトスピラカニコーラ(Leptospira canicola)、黄疸性出血病、パルボウイルス、コロナウイルス、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、イヌヘルペスウイルス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、イヌ糸状虫(Dirofilaria imitis)(心糸状虫症)および狂犬病があるが、これらに限定されない。
実施例22 シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスをベクターとして用いるヒトワクチン
シチメンチョウの組換えヘルペスウイルス(HVT)は、ヒトの疾患に対するワクチンとして有用である。例えば、ヒトのインフルエンザウイルスは、中和性ウイルスエピトープが急速に変化する急速に進化するウイルスである。有用な組換えHVTワクチンはインフルエンザウイルス中和性エピトープがインフルエンザウイルスの新しい株に対して防御するように急速に変化するものである。ヒトのインフルエンザHAとNA遺伝子は、ポリメラーゼ連鎖反応を利用して組換えHVTにクローン化される。組換えHVTは、以下の疾患または疾患生物からの外来性抗原がHVTベクター中で発現される時、他のヒトの疾患に対するワクチンとして有用である。これらには、B型肝炎ウイルス表面抗原およびコア抗原、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス−6、ヒトヘルペスウイルス−7、ヒトインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ハンターンウイルス(hantaan virus)、肺炎ウイルス、ライノウイルス、ポリオウイルス、ヒト呼吸系発疹ウイルス、レトロウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、狂犬病ウイルス、おたふくかぜウイルス、マラリア(Plasmodium falciparum)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ジフテリア、リケッチア・プロワゼキイ(Richetsia prowazekii)、ボレリア・ベルグドルフェリ(Borrelia bergdorferi)、破傷風毒素、悪性腫瘍抗原があるが、これらに限定されない。
ヒトサイトカインを発現する組換えHVTは、免疫応答を増強するためにヒトの疾患抗原の遺伝子を発現するHVTと組合される。追加のサイトカイン(ヒトおよび他の動物のトランスフォーミング増殖因子ベータ、上皮増殖因子ファミリー、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、B−神経増殖因子、血小板由来増殖因子、血管内皮増殖因子、インターロイキン1、IL−1受容体アンタゴニスト、インターロイキン2、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン6、IL−6可溶性受容体、インターロイキン7、インターロイキン8、インターロイキン9、インターロイキン10、インターロイキン11、インターロイキン12、インターロイキン13、アンギオゲニン、ケモカイン、コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、インターフェロン、インターフェロンガンマ、白血病阻害因子、オンコスタチンM、プレイオトロフィン、分泌性白血球プロテアーゼインヒビター、幹細胞因子、腫瘍壊死因子、および可溶性腫瘍壊死因子受容体があるが、これらに限定されない)は、HVT中で発現され、免疫刺激作用を有する。
実施例23 シチメンチョウの組換えヘルペスウイルスワクチンの改良製造法
インターフェロンやインターロイキンのようなサイトカインは、培養細胞や動物のウイルスの複製を阻害する。細胞性インターフェロンまたはインターロイキンの産生の阻害は、細胞培養による組換えHVTの増殖を改良する。組換え豚痘ベクターから発現されるニワトリインターフェロン(cIFN)を、ニワトリ胚線維芽(CEF)細胞培養物に加え、β−ガラクトシダーゼを発現するS−HVT−012で感染させた。細胞培養培地に加えたcIFNは、β−ガラクトシダーゼの発現とS−HVT−012力価の両方を用量依存的に低下させた。この結果は、HVTの増殖は、ニワトリインターフェロンの外因性添加により制限されることを示す。CEF細胞中でニワトリインターフェロン活性を除去または不活性化することにより、CEF細胞中のHVTの増殖を改良するためにいくつかの方策が利用可能である。
1つの態様において、ニワトリインターフェロン中和性抗体は、ニワトリインターフェロン活性を阻害し、CEF細胞培養物中の組換えHVTの増殖を改良するために、培地に加えられる。抗−cIFN抗体は、ニワトリインターフェロンタンパク質を注射したマウスまたはウサギの血清から得られ、好ましくはcIFNは、ニワトリインターフェロンを発現する組換え豚痘ウイルス由来である。
ポックスウイルスは、免疫逃避方法としてサイトカイン阻害性タンパク質を分泌する。ある型のポックスウイルス免疫逃避機序では、サイトカインを不活性化しウイルスの複製を可能にするインターロイキン、インターフェロン、または腫瘍壊死因子のポックスウイルス可溶性受容体が関与する(60)。本発明の1つの態様において、鶏痘ウイルスは、ニワトリインターフェロン阻害性タンパク質および他の免疫逃避タンパク質の供給源として有用である。インターフェロン活性を阻害しHVT力価を増加させるために、FPV感染CEF細胞培養物からの調整培地をHVT感染CEF細胞に加える。さらなる態様において、組換えニワトリインターフェロン阻害性タンパク質または他のポックスウイルス免疫逃避タンパク質は、HVT力価を増加させるためにHVTワクチン組成物とともにベクター中で発現される。
外来遺伝子を発現するために、ニワトリ胚線維芽(CEF)細胞が作成された(61)。さらなる態様において、ニワトリインターフェロンのアンチセンスRNAをコードする遺伝子を発現するベクターをCEF細胞株に導入して、インターフェロン陰性CEF細胞株を作製する。インターフェロン陰性CEF細胞株中で増殖させた組換えHVTは、インターフェロン産生性CEF細胞株中で増殖させたHVTに比較して、改良されたウイルス力価を示す。さらなる態様において、ニワトリ骨髄単球性増殖因子(cMGF)遺伝子を発現するベクターをCEF細胞に導入して、cMGF陽性CEF細胞株を作製する。cMGF陽性CEF細胞株中で増殖させた組換えHVTは、cMGF陰性CEF細胞株中で増殖させたHVTに比較して、改良されたウイルス力価を示す。
前記実施例で概説したように、本発明の組換えHVTは、マレック病および他の疾患に対するワクチンとして有用である。CEF細胞での組換えHVTの増殖効率が上昇すれば、ワクチンの生産に有用である。
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配 列 表
(1)一般的情報
(i)出願人:Syntro Corporation
(ii)発明の名称:組換え型シチメンチョウ・ヘルペスウイルス、及びその使用
(iii)配列の数:60
(iv)通信宛先:
(A)名宛人:クーパー & ダンハム
(B)通り:1185 アベニュー オブ アメリカズ
(C)市:ニューヨーク
(D)州:ニューヨーク
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:10036
(v)コンピュータ読取り可能な形態:
(A)媒体タイプ:フロッピーディスク
(B)コンピュータ:IBM PC コンパチブル
(C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウエア:PatentIn リリース♯1.0 バージョン♯1.25
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:1995年8月9日
(C)分類:
(viii)アトニー/エージェント情報
(A)氏名:White,John P.
(B)登録番号:28,678
(ix)電信情報:
(A)電話:(212)278-0400
(B)テレファックス:(212)391-0526
(C)テレックス:422523
(2)配列認識番号1のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:3350塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:129..2822
(xi)配列:配列認識番号1:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号2のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:797アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号2:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号3のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:5426塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:73..1182
(D)他の情報:/”プロダクト”=”HVT UL42”
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1306..2574
(D)他の情報:/”プロダクト”=”HVT UL43”
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:2790..4259
(D)他の情報:/”プロダクト”=”HVT gA”
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:4701..5339
(D)他の情報:/”プロダクト”=”HVT UL45”
(xi)配列:配列認識番号3:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号4のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:369アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号4:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号5のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:422アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号5:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号6のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:489アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号6:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号7のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:212アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号7:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号8のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1506塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..1506
(xi)配列:配列認識番号8:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号9のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:501アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:
(xi)配列:配列認識番号9:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号10のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1734塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..1734
(xi)配列:配列認識番号10:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号11のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:577アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号11:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号12のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1662塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..1662
(xi)配列:配列認識番号12:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号13のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:553アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号13:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号14のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:3489塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..3489
(xi)配列:配列認識番号14:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号15のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1162アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号15:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号16のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:1846塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..1846
(xi)配列:配列認識番号16:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号17のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:615アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号17:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号18のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:2116塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号18:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号19のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:705アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号19:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号20のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:36塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号20:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号21のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:57塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:13..57
(xi)配列:配列認識番号21:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号22のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:15アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号22:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号23のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:57塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号23:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号24のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:99塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号24:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号25のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:57塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号25:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号26のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:35塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号26:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号27のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:103塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号27:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号28のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:66塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号28:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号29のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:66塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:16..66
(xi)配列:配列認識番号29:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号30のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:17アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号30:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号31のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:132塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1..93
(xi)配列:配列認識番号31:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号32のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:31アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:タンパク質
(xi)配列:配列認識番号32:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号33のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:66塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号33:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号34のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:65塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号34:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号35のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:65塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号35:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号36のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:65塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号36:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号37のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:65塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号:37
Figure 0003756950
(2)配列認識番号38のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:65塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号38:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号39のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:130塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号39:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号40のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号40:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号41のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号41:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号42のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:120塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号42:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号43のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号43:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号44のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号44:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号45のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号45:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号46のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号46:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号47のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:60塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号47:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号48のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:2681塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:146..481
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:相補鎖(602..1402)
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:1599..2135
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:相補鎖(2308..2634)
(xi)配列:配列認識番号48:
Figure 0003756950
Figure 0003756950
(2)配列認識番号49のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:111アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号49:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号50のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:266アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号50:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号51のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:178アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号51:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号52のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:108アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号52:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号53のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:37塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:オリゴヌクレオチドプライマDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:YES
(xi)配列:配列認識番号53:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号54のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:39塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:オリゴヌクレオチドプライマDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号54:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号55のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:57塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号55:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号56のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:63塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号56:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号57のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:34塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号57:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号58のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:32塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号58:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号59のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:33塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号59:
Figure 0003756950
(2)配列認識番号60のための情報:
(i)配列特性:
(A)長さ:33塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖:二本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ゲノムDNA
(iii)ハイポセティカル:NO
(iv)アンチセンス:NO
(xi)配列:配列認識番号60
Figure 0003756950

Claims (12)

  1. シチメンチヨウ・ヘルペスウイルスに天然に存在するユニークな長いウイルスゲノム領域及びマレック病ウイルスに天然に存在するユニークな短いゲノム領域を具備する組換えキメラウイルス。
  2. 外来性DNAが、前記キメラウイルスの非必須領域に挿入されることを特徴とする、請求項1に記載の組換えキメラウイルス。
  3. 前記外来性DNAが、抗原性ポリペプチドをコードすることを特徴とする、請求項2に記載の組換えキメラウイルス。
  4. 前記外来性DNAが、サイトカインをコードすることを特徴とする、請求項2に記載の組換えキメラウイルス。
  5. 前記サイトカインが、ニワトリ骨髄単球性成長因子(cMGF)、またはニワトリインターフェロン(cINF)である、請求項4に記載の組換えキメラウイルス。
  6. 前記外来性DNAが、大腸菌(E.coli)のβ−ガラクトシダーゼをコードすることを特徴とする、請求項2に記載の組換えキメラウイルス。
  7. 前記抗原性ポリペプチドが、ニューカッスル病ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、伝染性粘液嚢病ウイルス、又はマレック病ウイルス由来の抗原性ポリペプチドである、請求項3に記載の組換えキメラウイルス。
  8. 請求項7に記載の組換えキメラウイルスであって、前記抗原ポリペプチドが、
    (a)マレック病ウイルスの糖タンパク質A又は糖タンパク質B
    (b)ニューカッスル病ウイルス融合タンパク質又は血球凝集素ノイラミニダーゼ;
    (c)伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質B、糖タンパク質I、又は糖タンパク質D;
    (d)伝染性気管支炎ウイルススパイクタンパク質またはマトリックスタンパク質;または
    (e)伝染性粘液嚢病ウイルスVP2、VP3、またはVP4
    である、組換えキメラウイルス。
  9. 前記外来性DNAが、ヘルペスウイルスプロモーターの制御下にあることを特徴とする、請求項2〜8の何れか一項に記載の組換えキメラウイルス。
  10. 前記外来性DNAが、異種のプロモーターの制御下にあることを特徴とする、請求項2〜8の何れか一項に記載の組換えキメラウイルス。
  11. 前記プロモーターが、PRV gX、HSV-1アルファ4、HCMV極初期、MDV gA、MDV gB、ILT gB、BHV-1.1、VP8、又はILT gDプロモーターである、請求項10に記載の組換えキメラウイルス。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載のウイルスの免疫化に有効な量および適切な単体を含むワクチン。
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