JP3756566B2 - 自動車用塗膜の補修方法、及び自動車用塗膜の補修用塗料 - Google Patents
自動車用塗膜の補修方法、及び自動車用塗膜の補修用塗料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用塗膜の補修方法及び自動車用塗膜の補修用ベースコートに関し、更に詳細には、静電塗装された自動車用2コート1ベーク上塗塗膜の色相、および光輝剤の配向性を同一にさせることのできる自動車用塗膜の補修方法及び自動車用塗膜の補修用ベースコートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車メーカーでの自動車車体の塗装方法としては、塗着効率の高い静電塗装が一般的である。この自動車塗膜に欠陥がある場合には、その補修方法としては、塗膜欠陥部を研磨した後、欠陥部周辺を手吹きエアースプレーで塗装する方法が用いられていた。
【0003】
光輝剤を含有させたベースコートを塗装させる工程において、塗装方法の違いにより塗膜の色相、および光輝剤の配向性が異なる。手吹きエアースプレーの場合には、光輝剤が比較的均一に平行に配列するが、静電塗装の場合には、手吹きエアースプレーに比べて光輝剤の配列が均一でない傾向がある。
【0004】
従来の自動車塗膜の部分補修方法としては、(1)手吹き塗装による部分補修工程において、静電塗装用ベースコートをそのまま用いて口径の小さなエアースプレーガンで塗り重ねる、いわゆるしぶき塗りの方法、または(2)静電塗装で形成された塗膜の色相および光輝剤の配向性に、手吹き塗装で再現するように調整された補修用の専用塗料を用いる方法が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)の方法では、補修塗装方法が手吹きエアースプレーのため静電塗装で形成された塗膜と光輝剤の配向が異なり、補修部の色相が車体色と一致しないという問題があり、また(2)の方法では、車体用塗料とは別に補修用専用の塗料を用意しなければならないという問題があった。
【0006】
従って本発明の目的は、車体用塗料とは別の補修用専用の塗料を用いることなく、静電塗装された塗膜と光輝剤の配向が同一となり、補修部の色相が車体色と一致する自動車塗膜の補修方法及び自動車用塗膜の補修用ベースコートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、手吹きエアースプレーによる補修部の光輝剤の配列について鋭意研究を重ねた結果、静電塗装用ベースコート中に微粉シリカを特定量添加した場合には、ベースコートに適度の構造粘性を有するためエアースプレーでも光輝剤の配列が静電塗装での配列と同一になることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
本発明の上記の目的は、光輝剤を含有させたベースコートとクリヤーとを静電塗装で塗り重ね、一度に焼付乾燥された自動車用2コート1ベーク上塗塗膜を手吹きエアースプレー塗装により補修する方法において、静電塗装用ベースコート中に微粉シリカを0.01〜0.1重量%の範囲で添加したベースコートを用いることを特徴とする自動車塗膜の補修方法及び補修用ベースコートにより達成された。
【0009】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に使用される微粉シリカとしては、公知の微粉シリカの中から適宜選択して使用することができるが、特にシリカ組成SiO2 99.8%より大きく、粒径が20〜39mmの範囲になるようなものが挙げられる。
【0010】
微粉シリカの添加量は、ベースコート中に0.01〜0.1重量%の範囲である。微粉シリカの添加量が0.01重量%よりも少ないと、ベースコートの構造粘性の付与が十分でなく光輝剤の配列が一致せず、逆に、添加量が0.1重量%よりも多いと、ベースコートの構造粘性が大きすぎるため光輝剤の配列が不均一になりすぎ、却って色相が一致しなくなる。
【0011】
本発明の補修方法は、静電塗装用のベースコート中に微粉シリカを特定量添加した補修用ベースコートを手吹きエアースプレーし、必要に応じてその上にクリヤーを塗装した後焼付乾燥して行う。
【0012】
微粉シリカの添加方法としては、静電塗装用ベースコートから光輝剤や顔料を除いたクリヤー塗料に微粉シリカを、予め一定量分散や混合させた補修用クリヤーベースを作成し、補修塗装時に静電塗装用ベースコートに対して本補修用クリヤーベースを混合する。この方法によると微粉シリカを容易に均一に混合することができ、更に色の異なるベースコートに対しても適用することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断らない限り、以下に記載する部および%は、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0014】
光輝剤を含有させた静電塗装用ベースコート
アルミペースト5%を含有した静電塗装用アクリル/メラミン樹脂系ブルーメタリックベースコート(ベルコートNo.6000ブルーメタリック塗料、日本油脂株式会社製)を用いた。
【0015】
補修用クリヤーベースの調製
アクリル/メラミン樹脂系ベースコート(ベルコートNo.6000、日本油脂株式会社製)より光輝剤および顔料を除去したベースコートクリヤーに微粉シリカを2%添加して攪拌し混合して補修用クリヤーベースを得た。
【0016】
実施例1
補修用ベースコートの調製
ベルコートNo.6000ブルーメタリック塗料100部に対し、補修用クリヤーベース5部を混合し、補修用ベースコートを得た。
【0017】
補修用試験板の作成
0.8mmの鋼板にリン酸亜鉛処理をした後、カチオン電着塗料(アクアNo.4200ED:日本油脂株式会社製の商品名)を乾燥膜厚20μmになるように塗装し、170℃で30分焼き付けを行った。この塗膜上に中塗塗料(ハイエピコNo.100シーラー:日本油脂株式会社製の商品名)を乾燥膜厚20μmになるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分焼き付けを行った。
【0018】
次に、この塗膜上にアクリル/メラミン樹脂系ブルーメタリックベースコート(ベルコートNo.6000ブルーメタリック塗料:日本油脂株式会社製の商品名)を乾燥膜厚15μmになるように静電塗装し、3分後にアクリル系クリヤー塗料(ベルコートNo.6000クリヤー:日本油脂株式会社製の商品名)を乾燥膜厚が30μmになるように静電塗装し、10分間セッティングした後140℃で30分焼き付けを行った。
【0019】
この塗膜の表面を部分的にサンドペーパーで研磨し、その周辺に上記補修用ベースコートをエアスプレーで乾燥膜厚が10μmになるように塗装し、3分後に上記アクリル系クリヤー塗料を乾燥膜厚が20μmになるようにエアスプレーで塗装し、10分間セッティングした後140℃で30分焼き付けを行った。
【0020】
補修性の判定方法と判定基準
(1)色差;補修していない塗膜表面を基準とし、補修した塗膜表面の色差をCR−231(ミノルタ株式会社製の商品番号)で測定した。
ΔE≦1.0、合格
ΔE>1.0、不合格
【0021】
(2)目視;補修していない塗膜と補修した塗膜の色相、および光輝剤の配向性を目視にて判定した。
○、 違和感無し。 合格
○△、僅かに差あり。 合格
△、 かなり差あり。 不合格
×、 明らかに差あり。不合格
【0022】
実施例2〜3
表1に示すような混合組成を用いた他は、実施例1と全く同様にして試験板を作成し、補修性の評価を行った。
【0023】
比較例1〜2
表1に示すような混合組成を用いた他は、実施例1と全く同様にして試験板を作成し、補修性の評価を行った。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の結果から明らかなように、光輝剤を含有させた自動車用2コート1ベーク塗塗膜を手吹きエアースプレー塗装により補修する工程において、静電塗装用ベースコート中に微粉シリカを0.01〜0.1重量%添加することによりベースコートに適度の構造粘性を有するためエアースプレーでも光輝剤の配列が静電塗装での配列と同一になり、補修部位とその周辺との色相は容易に一致させることが可能となった。
【0026】
これに対して、比較例1は、微粉シリカ量が0.1重量%を超えると、構造粘性が強くなり、光輝剤の配向が不均一になり色差が大きく目視判定でNGとなったことを示す。比較例2は、微粉シリカ量が0.01重量%未満になると、構造粘性が弱くなり、光輝剤の配向が均一になり過ぎ色差が大きく目視判定でNGとなったことを示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明の自動車塗膜の補修方法によれば、その構成を光輝剤を含有させたベースコート及び必要に応じてクリヤーを静電塗装で塗り重ね、一度に焼付乾燥された自動車用2コート1ベーク上塗塗膜を手吹きエアースプレー塗装により補修する方法において、静電塗装用ベースコート中に微粉シリカを0.01〜0.1重量%の範囲で添加したベースコートを用いることとすることにより、車体用塗料とは別の補修用専用の塗料を用いることなく、静電塗装された塗膜と光輝剤の配向を同一とさせることができると共に、補修部の色相と車体色とを一致させることができる。
Claims (2)
- 光輝剤を含有させたベースコートおよび必要に応じてクリヤーを静電塗装で塗り重ね、一度に焼付乾燥された自動車用2コート1ベーク上塗塗膜を手吹きエアースプレー塗装により補修する方法において、静電塗装用ベースコートと同じ塗料中に微粉シリカを0.01〜0.1重量%の範囲で添加した補修用ベースコートを用いることを特徴とする自動車用塗膜の補修方法。
- 光輝剤を含有させたベースコートおよび必要に応じてクリヤーを静電塗装で塗り重ね、一度に焼付乾燥された自動車用2コート1ベーク上塗塗膜を手吹きエアースプレー塗装により補修するための塗料であって、静電塗装用ベースコートと同じ塗料中に微粉シリカを0.01〜0.1重量%の範囲で添加してなることを特徴とする自動車用塗膜の補修用ベースコート。
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1996
- 1996-02-28 JP JP04117596A patent/JP3756566B2/ja not_active Expired - Fee Related
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