JP2001149862A - メタリック塗膜の部分補修方法 - Google Patents

メタリック塗膜の部分補修方法

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JP2001149862A
JP2001149862A JP34048099A JP34048099A JP2001149862A JP 2001149862 A JP2001149862 A JP 2001149862A JP 34048099 A JP34048099 A JP 34048099A JP 34048099 A JP34048099 A JP 34048099A JP 2001149862 A JP2001149862 A JP 2001149862A
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coating
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Norikuni Tabii
規邦 足袋井
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補修周辺部の薄膜補修部の色相及び外観が、被
補修塗膜と同等となるような、簡易に補修できる部分補
修方法及びその方法により補修された物を提供すること
にある。 【解決手段】鱗片状アルミニウム顔料を含有するメタリ
ック塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程と、研ぎ出し部
に補修塗料を塗装し、補修塗膜を形成する工程と、得ら
れた補修塗膜を硬化させる工程とを備えるメタリック塗
膜の部分補修方法において、上記補修塗料に含まれる鱗
片状アルミニウム顔料の平均粒径(D50)が、被補修メ
タリック塗膜に含まれる鱗片状アルミニウム顔料の平均
粒径未満であることを特徴とするメタリック塗膜の部分
補修方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車体や部
品類等に塗装されたメタリック塗膜の欠陥部位を部分補
修するための方法であって被補修塗膜と補修塗膜との色
相差を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の塗膜に、ゴミ、ブツ、へこみ
等の塗膜異常が発生し、補修が必要となった場合は、そ
の要補修部分をサンドペーパー等で研磨し、補修用塗料
を塗装することにより補修が行われている。
【0003】一般に、自動車の車体において、深みや光
輝感のあるメタリック塗膜を形成するために、アルミニ
ウム顔料やマイカ顔料等が多用されている。また、この
ためメタリック塗膜は、静電塗装機により塗装されるこ
とが多い。しかしながら補修工程では、手吹きエアース
プレー等のスプレー塗装が行われることが多く、当然の
ことながら、補修された塗膜は、補修部分以外の塗膜と
同一の色相を呈することが難しい。
【0004】また、自動車車体の補修には、パーツ毎の
区切り、あるいは境界部で見切りを付けるブロック補修
と言われる補修方法と、本発明の補修方法である部分補
修とが行われている。尚、部分補修は、通称、スポット
補修ともいわれる補修方法である。
【0005】一方、メタリック塗膜の補修は、補修部位
をサンディング処理した後、塗色毎に専用の補修用メタ
リックベース塗料を用いて、手吹きエアースプレーガン
により複数回塗布した後、クリヤー塗料を塗布する方法
がとられてきた。
【0006】従来の補修専用塗料では、ベース塗膜の膜
厚が13〜15μm以上で色相が再現するように調製さ
れている為、薄膜部では、光輝材が基材面に対し、平行
配列し、ハイライト位から見た場合に白く見え、シェー
ド位から見た場合には黒く見えてしまうことが多かっ
た。
【0007】これに対し、特開平10−202186号
公報では、酸化チタンあるいはホワイトマイカ等の顔料
を別添加した補修用塗料を用いて補修することが提案さ
れているが、薄膜補修部が主となる部分補修には十分で
なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、補修
周辺部の薄膜補修部の色相及び外観が、被補修塗膜と同
等となるような、簡易に補修できる部分補修方法及びそ
の方法により補修された物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の補修方法は、鱗
片状アルミニウム顔料を含有するメタリック塗膜の補修
対象部分を研ぎ出す工程と、研ぎ出し部に補修塗料を塗
装し、補修塗膜を形成する工程と、得られた補修塗膜を
硬化させる工程とを備えるメタリック塗膜の部分補修方
法において、上記補修塗料に含まれる鱗片状アルミニウ
ム顔料の平均粒径(D50)が、被補修メタリック塗膜に
含まれる鱗片状アルミニウム顔料の平均粒径未満である
ことを特徴としている。
【0010】更に、本発明の補修方法では、上記補修塗
料に含まれる鱗片状アルミニウム顔料が、平均粒径(D
50)4〜13μmであり、且つ被補修メタリック塗膜に
含まれる鱗片状アルミニウム顔料より白いことを特徴と
している。
【0011】また更に、本発明では上述の方法により補
修されたメタリック塗膜を有する自動車あるいは自動車
用部品を提供する。以下、本発明についてさらに詳細に
説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】被補修塗膜 本発明の部分補修方法の被補修塗膜は、メタリックベー
ス塗膜及びクリヤー塗膜等により形成されたメタリック
塗膜である。一般に、この塗膜を形成する為にメタリッ
クベース塗料及びクリヤー塗料等が用いられる。
【0013】上記メタリックベース塗料は、鱗片状アル
ミニウム顔料、着色顔料、塗膜形成樹脂及び架橋剤等を
含有するが、特に限定されるものではなく、基本的に上
記鱗片状アルミニウム顔料を含むものであれば、塗膜形
成樹脂成分及びそれ以外の光輝材の種類や濃度が変動し
ても差し支えない。
【0014】上記クリヤー塗料は、メタリックベース塗
膜を保護し、塗膜内の光輝性顔料に起因する凹凸を吸収
し、外観に光沢を与えるものであれば、特に限定される
ものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を含有し、
これらはアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネ
ート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられるものであ
る。透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アク
リル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を
有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等
を用いることが好ましい。
【0015】補修により形成される塗膜 本発明の部分補修方法により形成される補修塗膜は、補
修用メタリックベース塗料、及び被補修部を形成したも
のと同一のクリヤー塗料あるいは専用の補修用クリヤー
塗料(以下、これらを補修用クリヤー塗料と称す)等と
により形成される。この補修用メタリックベース塗料
は、被補修塗膜に含まれる鱗片状アルミニウム顔料の平
均粒径未満の鱗片状アルミニウム顔料、着色顔料、塗膜
形成樹脂及び架橋剤等を含有する。
【0016】上記の補修用メタリックベース塗料中に含
有される鱗片状アルミニウム顔料は、平均粒径(D50
が被補修塗膜に含まれる鱗片状アルミニウム顔料の平均
粒径未満であり、更に好ましくは平均粒径が、補修用塗
料中に含有される鱗片状アルミニウム顔料の平均粒径
(D50)の0.8倍以下である。但し、上記鱗片状アル
ミニウム顔料の平均粒径(D50)は4μm以上である。
添加される鱗片状アルミニウム顔料の平均粒径が大きす
ぎても、小さすぎても補修周辺部の薄膜補修部での塗膜
の色相が被補修塗膜の色相からずれる傾向にある。
【0017】また、被補修塗膜に鱗片状アルミニウム顔
料が2種以上併用されている場合は、それぞれの平均粒
径と含有量との比より算出した数値を、上記併用系の平
均粒径とすることができ、この数値未満であることが必
要である。
【0018】上記補修用メタリックベース塗料に含まれ
る鱗片状アルミニウム顔料の平均粒径(D50)は、4〜
13μmであり、更に好ましくは、平均粒径5〜12μ
mである。特に、被補修塗膜含まれる鱗片状アルミニウ
ム顔料より、白い鱗片状アルミニウム顔料であることが
更に好ましい。尚、鱗片状アルミニウム顔料の平均粒径
とは、平均粒径(D50)のことであり、レーザー回折式
粒度分布測定法等により求められる。
【0019】また、鱗片状アルミニウム顔料の白さと
は、鱗片状アルミニウム顔料のみで顔料濃度(PWC)
を14%に調製した塗料を、塗膜化したときに奏する塗
膜のL値をもって白さという。この塗膜のL値は、例え
ば「ミノルタCR354」(ミノルタ社製変角色差計)
により、45度の入射光の正反射に対し、測定角度が4
5°での塗膜のL値として測定することができ、被補修
メタリック塗膜に含まれる鱗片状アルミニウム顔料より
白いことが更に好ましい。特にL値が低いと補修塗膜が
黒っぽくなり、被補修塗膜と色相が違ってしまう。
【0020】上記着色顔料としては、例えば有機系のア
ゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系
顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリド
ン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が
挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カ
ーボンブラック、二酸化チタンなどがあげられる。ま
た、体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、タルク等が用いられる。
【0021】また、その他に光輝性顔料を含有させても
よく、これらの例として、ブロンズ箔、錫箔、銀箔、チ
タン金属箔、ステンレス鋼箔、ニッケル−銅箔などの金
属微細片、パールマイカ、ホワイトマイカ、干渉マイ
カ、着色マイカなどのマイカ片等が挙げられる。
【0022】上記補修用メタリックベース塗料の光輝性
顔料の顔料濃度(PWC)は、一般的に20.0%以下
である。上限を越えると塗膜外観が低下する。好ましく
は、0.01%〜18.0%であり、より好ましくは、
0.01%〜16.0%である。
【0023】本発明の部分補修方法において、補修用メ
タリックベース塗料に添加される鱗片状アルミニウム顔
料は、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、特に小粒径の白い鱗片状アルミニウム顔料を
含有させると、より優れた補修性能を持たせることがで
きる。2種以上の鱗片状アルミニウム顔料を使用する場
合、添加する光輝性顔料の合計量が上記の範囲内である
ことが好ましい。
【0024】上記光輝性顔料およびその他の全ての顔料
を含めた補修用メタリックベース塗料中の全顔料濃度
(PWC)としては、0.1〜50%であり、好ましく
は、0.5%〜40%であり、より好ましくは、1.0
%〜30%である。上記範囲外では、塗膜外観が低下す
る。
【0025】上記塗膜形成樹脂の例としては、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹
脂、セルロースアセトブチレート樹脂等が挙げられ、そ
れと組み合わせる架橋剤としては、例えば、アミノ樹脂
および/またはブロックポリイソシアネート化合物等が
挙げられる。
【0026】上記の補修用メタリックベース塗料におい
て、一般に、塗膜形成樹脂の含有量は、塗料組成中の固
形分に対して40〜80重量%の範囲が好ましく、塗膜
形成樹脂と組み合わせる架橋剤の含有量は、塗料組成中
の固形分に対して15〜65重量%の範囲が好ましい。
【0027】上記補修用メタリックベース塗料は溶液型
のものが好ましく用いられる。特に、溶液型であれば有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルション)、
非水分散型のいずれでもよい。塗料中の固形分含有量
は、製造時には、30〜70重量%、塗布時には、10
〜50重量%の範囲で有り、粘度は、製造時には、58
ku〜62ku(ストーマー粘度計による測定)、塗布
時には、12〜14秒(No.4FC/20℃)にそれ
ぞれ調製するのが好ましい。
【0028】上記補修用塗料には、目的に応じて自動車
の車体用塗料において公知の助剤および/または添加
剤、すなわち硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の
従来公知の添加剤、および各種表面調整剤等を含有して
もよい。
【0029】一方、補修用クリヤー塗料としては、被補
修部を形成したものと同一のクリヤー塗料あるいは専用
の補修用クリヤー塗料が挙げられる。下地となる補修メ
タリックベース塗膜の意匠性を妨げないものであれば、
特に限定されない。
【0030】一般的に補修用クリヤー塗料としては、塗
膜形成性樹脂および硬化剤等を含有する。上記塗膜形成
性樹脂としては、特に限定されるものではなく、補修用
メタリックベース塗料の記載で挙げたものが同様に用い
ることができる。
【0031】具体的には、透明性あるいは耐酸エッチン
グ性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエス
テル樹脂と、アミノ樹脂あるいはイソシアネート樹脂と
を組合わせたもの、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化
系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹
脂等からなるもの等が挙げられる。
【0032】基材及び下塗り塗膜 本発明の補修対象であるメタリック塗膜は、種々の基材
上に形成されたものであってよく、例えば金属、ガラ
ス、プラスチック、発泡体および鋳造物の上に形成され
たものでよい。金属としては例えば、鉄、銅、アルミニ
ウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙
げられ、具体的なのもとしては、乗用車、トラック、オ
ートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられ
る。金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理され
ており、その上に電着塗料および必要により中塗り塗料
によって下塗り塗膜を形成される。
【0033】上記電着塗料としては、カチオン型及びア
ニオン型を使用できるが、カチオン型電着塗料組成物が
防食性において優れた複合塗膜を与える。上記中塗り塗
料としては、カーボンブラックと二酸化チタンを主要顔
料としたグレー系中塗り塗料が多用されるが、各種着色
顔料を組み合わせた、いわゆるカラー中塗り塗料を用い
ることもできる。
【0034】補修方法 本発明の実施態様として、以下に、自動車車体外板部の
塗膜に対して行われる部分補修の方法について述べる。
補修対象となるメタリック塗膜は、基材であるリン酸処
理などの化成処理を施した鋼板の上に、電着塗装及び中
塗り塗装を施した後、メタリックベース塗料およびクリ
ヤー塗料が塗装されたものである。
【0035】本発明の補修方法では、図1の断面図に示
すように、まず上述のように形成されたメタリック塗膜
の補修対象部分を研磨する。この研磨は、#600〜2
000番程度のサンドペーパー等の研磨材を用いる、い
わゆる水研ぎにより行われ、補修対象部分の欠陥が無く
なる程度に、緩やかに勾配をつけて行うことが好まし
い。
【0036】次いで、この研磨した補修対象部分の研ぎ
出し部に沿うように、補修用メタリックベース塗料を塗
装し、補修メタリックベース塗膜を形成する。一般に部
分補修に適用される補修用メタリックベース塗膜の膜厚
は、厚くても8〜10μm前後で塗膜形成されることが
多く、薄膜部では5〜6μm程度あるいはそれ以下の塗
膜が形成されることもある。
【0037】次に、補修用クリヤー塗料をスプレー塗装
し、補修クリヤー塗膜を形成する。このようにして得ら
れた補修塗膜を所定の条件で加熱することによって硬化
する。尚、上記補修用メタリックベース塗料の塗布は、
塗料ダストを馴染ませ、平滑化するため、補修用クリヤ
ー塗料とウエットオンウエット塗装法で行うことが好ま
しい。
【0038】上記硬化条件は、それぞれの補修塗料に用
いられている樹脂種により異なるが、例えば、80〜1
60℃で10〜30分加熱することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、部及び%は、特に断らない限り、重量部
及び重量%を意味する。
【0040】実施例1 被補修塗膜の作成 先ず、被補修塗膜として静電塗装によりライトグレーメ
タリック色の塗板を作製した。すなわち、日本ペイント
社製カチオン電着塗料「V−20」を乾燥膜厚20μm
となるように電着塗装したダル鋼板(寸法:20×30
cm)に、中塗り塗料として「OTOH870グレー」
(日本ペイント社製)を塗装した。その後、下記製造例
のライトグレー色のメタリックベース塗料Aを、「メタ
ベル」(ランズバーグ社製エアー静電塗装機)により、
塗料の塗出量290(1st.)/260(2st.)
cc/分、エアーモーター回転数25000rpm、シ
ェービングエアー圧500NI、印可電圧−60kV、
インターバルタイム1.5分間の2ステージ塗装で静電
塗装し、7分間のセッティングの後、その上にクリヤー
塗料「OTO563クリヤー」(日本ペイント社製、ア
クリル・メラミン樹脂系クリヤー塗料)を、乾燥膜厚が
30μmとなるように手吹き塗装して被補修塗板を作製
した。
【0041】メタリックベース塗料の製造 下記に示す配合(PWC=16%)でライトグレー系の
メタリックベース塗料Aを調製した。尚、下記メタリッ
クベース塗料Aに用いた「アルペースト97−051
0」(東洋アルミニウム社製)の白さは、以下のように
測定した。アルペーストMH9901(東洋アルミニウ
ム社製、平均粒径(D50)20μm、固形分65%)
5.5部、熱硬化性アクリル樹脂A(日本ペイント社
製、水酸基価45、酸価15、数平均分子量1800
0、固形分50%)47.3部、ユーバン20N60
(三井サイテック社製、ブチル化メラミン樹脂、固形分
60%)16.9部、キシロール6.0部を配合し、白
さ測定用の塗料を製造した。
【0042】乾燥膜厚が15μmとなるように、手吹き
スプレーにより塗膜化し、140℃で20分間焼き付
け、硬化させた。次に、「ミノルタCR354」(ミノ
ルタ社製変角色差計)により、45度の入射光の正反射
に対し、測定角度が∠45°での塗膜のL値を、測定す
ると、61.17であった。
【0043】 成 分 重量% アルペーストMH9901(東洋アルミニウム社製、平均粒径 5.5 (D50)20μm、固形分65%) シンカシャマゼンタRT343D(チバガイギー社製) 0.2 シャニンブルー5206(大日精華社製) 0.2 モナーク1400(キャボット社製) 0.2 熱硬化性アクリル樹脂A(日本ペイント社製、水酸基価45、 46.0 酸価15、数平均分子量18000、固形分50%) ユーバン20N60(三井サイテック社製、ブチル化メラミン 16.5 樹脂、固形分60%) 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製粘性制御剤、固形分20%) 15.0 表面調整剤 0.2 n−ブタノール 2.0 キシロール 6.0トルエン 8.2 合 計 100.0
【0044】補修工程 上記補修用塗板を、図1に示す程度に、#1000のサ
ンドペーパーを用いて塗板の表面を、片側から2/3程
度水研ぎした。次に、ワイピングにより研ぎかすを除去
し、予め下記の顔料配合により、メタリックベース塗料
Aと同様に製造された下記メタリックベース塗料Bを、
図2に示したように、上記水研ぎした補修用塗板に、手
吹きガン「明治F−75」を用いて、口径1.5、吐出
量2回転、パターン幅1回転、エアー圧0.25回転、
ガン距離25cm、ベース塗装/クリヤー塗装インター
バル5分の塗装条件で、厚膜部が15μmとなるよう
に、0〜15μmの膜厚勾配を設け塗装した。
【0045】尚、下記メタリックベース塗料Bに用いた
「アルペースト97−0510」(東洋アルミニウム社
製、平均粒径9μm、固形分65%)の白さを、メタリ
ックベース塗料Aに用いた鱗片状アルミニウム顔料と同
様に測定すると、塗膜のL値は、69.52であった。
【0046】 メタリックベース塗料Bの顔料配合 成 分 重量% アルペースト97−0510(東洋アルミニウム社製、平均粒径 5.5 9μm、固形分65%) シンカシャマゼンタRT343D(チバガイギー社製) 0.2 シャニンブルー5206(大日精化社製) 0.2 モナーク1400(キャボット社製) 0.2
【0047】更に、図2に示したように、補修用クリヤ
ー塗料として、「OTO563クリヤー」(日本ペイン
ト社製、被補修クリヤー塗膜を形成したアクリル・メラ
ミン樹脂系クリヤー塗料)をメタリックベース塗料Bが
形成した補修メタリックベース塗膜を覆うようにスプレ
ー塗装し、10分間セッティングした。その後140℃
で20分間焼き付けて補修塗膜を完成した。
【0048】補修部と未補修部を有する上記補修塗板に
ついて、補修塗板の薄膜補修部(補修部厚:5〜6μm
部分)、中厚膜補修部(補修部厚:8〜9μm部分)及
び厚膜補修部(補修部厚:13〜14μm部分)におけ
るハイライト部およびシェード部から目視評価と、上記
変角色差計により測定角度が、∠15°、∠45°、∠
110°での色差測定(△E)を行った。結果を表1に
まとめる。目視評価の判断基準は以下の通りである。
【0049】補修塗膜の評価 以上のように作製した補修部分と補修していない部分を
有する塗膜について、外観と塗膜の色相とを目視で比較
し、以下の基準で評価した。 ◎:補修部の外観が良好で、補修部および非補修部の色
相に差異が認められない ○:補修部の外観が良好で、補修部および非補修部の色
相がほぼ等しい △:補修部の外観は良好であるが、補修部および非補修
部の色相が若干異なる ×:補修部の外観が悪く、補修部および非補修部の色相
がかなり異なる
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 下記顔料配合の補修用メタリックベース塗料Cを、上記
メタリックベース塗料Aと同様に製造し、使用した以外
は実施例1と同様にして補修塗膜を形成し、評価した。
尚、下記メタリックベース塗料Cに用いた「アルペース
ト7580NS」(東洋アルミニウム社製、平均粒径1
2μm、固形分65%)の白さを、実施例1と同様に測
定した。測定角度が∠45°での塗膜のL値は、66.
92であった。
【0052】 メタリックベース塗料Cの顔料配合 成 分 重量% アルペースト7580NS(東洋アルミニウム社製、平均粒径 5.5 12μm、固形分65%) シンカシャマゼンタRT343D(チバガイギー社製) 0.2 シャニンブルー5206(大日精華社製) 0.2 モナーク1400(キャボット社製) 0.2
【0053】実施例3 下記顔料配合のメタリックベース塗料Dを、上記メタリ
ックベース塗料Aと同様に製造し、使用した以外は実施
例1と同様にして、補修塗膜を形成し、同様に評価し
た。尚、下記メタリックベース塗料Dに用いた「アルペ
ースト92−0592」(東洋アルミニウム社製、平均
粒径9.5μm、固形分65%)の白さを、実施例1と
同様に測定した。測定角度が∠45°での塗膜のL値
は、67.80であった。
【0054】 メタリックベース塗料D 成 分 重量% アルペースト92−0592(東洋アルミニウム社製、平均粒径 5.5 9.5μm、固形分65%) シンカシャマゼンタRT343D(チバガイギー社製) 0.2 シャニンブルー5206(大日精華社製) 0.2 モナーク1400(キャボット社製) 0.2
【0055】比較例1 補修用塗料を、上記メタリックベース塗料Aに変更した
以外は実施例1と同様にして、補修塗膜を形成し、同様
に評価した。上記実施例および比較例の評価結果を表1
に示す。
【0056】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜3の補修塗膜は、補修していない部分、補修部及び補
修周辺部の色相及び塗膜外観が、厚膜部から薄膜部及び
未補修部にわたって連続して一致していた。
【0057】手吹きエアースプレーにより形成された補
修塗膜は、色相が黒っぽくなる傾向が強い為、被補修塗
膜と同じ光輝材を用いて補修塗料を作成するよりも、白
い細かい鱗片状アルミニウム顔料を使用した補修塗料に
より補修することがより好ましいことが明らかとなっ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明の補修方法によれば、仕上がりに
ばらつきのない補修作業を行うことができ、補修作業の
熟練者でなくとも補修作業が可能となる。特に、メタリ
ック塗膜表面に付着したゴミ、傷等の不具合を部分的に
補修する場合に、従来、ハイライト位から見た場合に白
く見え、シェード位から見た場合には黒く見える欠点を
抑えることができた。
【0059】これにより薄く部分的に塗膜補修するだけ
で、容易に補修を完成することができ、厚膜補修の必要
がないため、また、量産効率上からも本発明の補修方法
が望ましいことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における積層塗膜を水研ぎした
時の断面図。
【図2】本発明の実施例における積層塗膜を示す断面
図。
【符号の説明】
1・・・補修クリヤー塗膜 2・・・補修メタリックベース塗膜 3・・・メタリックベース塗膜 4・・・中塗り塗膜 5・・・基材 6・・・クリヤー塗膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鱗片状アルミニウム顔料を含有するメタリ
    ック塗膜の補修対象部分を研ぎ出す工程と、研ぎ出し部
    に補修塗料を塗装し、補修塗膜を形成する工程と、得ら
    れた補修塗膜を硬化させる工程とを備えるメタリック塗
    膜の部分補修方法において、 前記補修塗料に含まれる鱗片状アルミニウム顔料の平均
    粒径(D50)が、被補修メタリック塗膜に含まれる鱗片
    状アルミニウム顔料の平均粒径未満であることを特徴と
    するメタリック塗膜の部分補修方法。
  2. 【請求項2】前記補修塗料に含まれる鱗片状アルミニウ
    ム顔料が、平均粒径(D 50)4〜13μmであり、且つ
    被補修メタリック塗膜に含まれる鱗片状アルミニウム顔
    料より白いことを特徴とする請求項1記載のメタリック
    塗膜の部分補修方法。
  3. 【請求項3】前記請求項1あるいは2記載の方法により
    補修されたメタリック塗膜を有する自動車あるいは自動
    車用部品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505202A (ja) * 2003-05-07 2007-03-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 色合わせされた塗料の製造方法およびそれに使用される装置
JP2010059431A (ja) * 2001-11-29 2010-03-18 Honda Canada Inc パール光沢塗装
JP2014079674A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Kansai Paint Co Ltd 旧メタリック塗膜の補修塗装方法

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