JP3756326B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタなどのスイッチング素子を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ネマティック型の液晶表示素子を用いた液晶表示装置は、時計や電卓など数値セグメント型の液晶表示装置に広く用いられている。最近においても、液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を活かし、ワードプロセッサ、コンピュータ、およびナビゲーションシステムをはじめとするディスプレイとして用いられ、その市場を広く拡大している。
【0003】
上記の液晶表示装置のうち、TFT(Thin Film Transistor)などの能動素子をスイッチング素子として用い、画素をマトリクス状に配した、アクティブマトリクス型の液晶表示装置が、その表示品位の高さにより、昨今広く用いられている。
【0004】
このような液晶表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)と比較して、厚さ(奥行き)を格段に薄くできること、消費電力が小さいこと、フルカラー化が容易なことなどの利点を有するため、ノート型コンピュータ、ゲーム用モニター、携帯テレビ、デジタルカメラなどの幅広い分野でその需要が広がっている。しかし、従来の液晶表示装置は、CRTに比較して、視野角、輝度、色再現性、長期信頼性などの面で劣っており、また、製造コストも、CRTの3倍から15倍程度にもなっているため、その改善のために、多くの企業や大学の研究機関から液晶表示装置に関する種々の方式が提案されている。
【0005】
従来の透過型アクティブマトリクス型の液晶表示装置は、透光性のアクティブマトリクス基板を有しており、該アクティブマトリクス基板には、図16に示すように、液晶層に電圧を印加するための複数の画素電極51…がマトリクス状に形成されている。この画素電極51…を選択駆動するためのスイッチング手段である能動素子として、薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)52…が上記アクティブマトリクス基板に形成され、画素電極51…に接続されている。さらにカラー表示を行う場合では、図示しないが、上記の構成に加えて、基板上に赤色、緑色、青色などのカラーフィルタ層が、上記アクティブマトリクス基板あるいは対向基板の上に設けられている。
【0006】
上記TFT52…におけるゲート電極には走査線53…が、また、ソース電極には信号線54…がそれぞれ接続されている。上記走査線53…と信号線54…とは、マトリクス状に配列された画素電極51…の周囲を通り、互いに直交するように配設されている。上記走査線53…を介してゲート信号が入力されることによりTFT52…が駆動制御される。また、上記信号線54…を介して、TFT52…の駆動時に、TFT52…を介してデータ信号(表示信号)が画素電極51…に入力される。
【0007】
さらに、TFT52…のドレイン電極には、画素電極51…および付加容量55…が接続されている。この付加容量55…に対して絶縁層を介して対向する対向電極はそれぞれ共通配線56…に接続されている。付加容量55…は液晶層に印加される電圧を保持するためのものである。
【0008】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置では、上記アクティブマトリクス基板と、これに対向する対向基板との間に液晶層が挟持されている。この液晶層の厚みは、平均で4.5〜5.3μm程度に設定されている。すなわち、液晶層は、アクティブマトリクス基板上に形成された画素電極51…と、対向基板上に形成されている対向電極との間に挟持されて、液晶容量を形成していることになる。上記付加容量55…は、上記液晶容量と並列となるように接続されている。
【0009】
前記TFT52をより詳しく説明すると、図17に示すように、透明な絶縁性基板61上に、ゲート電極62が形成され、これを覆うようにゲート絶縁膜63が形成されている。ゲート電極62の上部に、ゲート絶縁膜63を介して半導体薄膜64が形成されている。この半導体薄膜64の中央上部にチャネル保護層65が形成されている。このチャネル保護層65と半導体薄膜64とのソース部側に微結晶n+ −シリコン層からなるソース電極(コンタクト層)66aが形成され、ドレイン部側に同じく微結晶n+ −シリコン層からなるドレイン電極(コンタクト層)66bが形成されている。
【0010】
上記ソース電極66aに対してソース配線となる金属層67aが接続されており、ドレイン電極66bに対してドレイン配線となる金属層67bが接続されている。このTFT52の表面は、層間絶縁膜68によって覆われており、さらに、その上に画素電極51となる透明導電膜が形成されている。画素電極51は、コンタクトホール69を介して、TFT52のドレイン配線となる金属層67bと接続されている。また、図示しないが、画素電極51上には、液晶を配向させるための配向膜が表示領域全面にほぼ一様に形成されている。
【0011】
上記層間絶縁膜68としては、従来、SiNなどの無機薄膜が用いられている。上記SiN膜は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition) 法を用いることによって膜厚300nm程度以上に形成することができる。
【0012】
また、昨今では、上記層間絶縁膜68として、平坦化が可能な有機膜を用いる構成が、例えば特開昭62−223727号公報、特開平9−152625号公報などに開示されており、実用化されつつある。
【0013】
また、上記のような従来の液晶表示装置とは異なる構成の液晶表示装置として、信号線を対向基板側に形成した構成の液晶表示装置が提案されている(特開平5−27264号公報、特開平7−128687号公報など)。この液晶表示装置は、図18に示すように、画素基板85と対向基板84との間隙に液晶層83が形成されており、画素基板85上に、TFT87…、走査線81…、画素電極86…、基準線88…が形成され、対向基板84上に、信号線82…が形成されている。このように、走査線81…と信号線82…とはそれぞれ別の基板上に形成された構成となっているので、走査線81…と信号線82…との間で短絡欠陥が生じる可能性が皆無となる。したがって、歩留りを向上することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図16および図17に示した構成の液晶表示装置では、層間絶縁膜68として、透明絶縁膜であるSiNX 、SiO2 、TaOX などをCVD法またはスパッタ法により成膜した場合に、下地となる金属層67a・67bやチャネル保護層65などの表面上の凹凸が、層間絶縁膜68上に反映されることになる。
【0015】
また、走査線53…と信号線54…とは、同一の基板である透明基板61上において、マトリクス状に配列された画素電極51…の周囲を通り、それぞれ多数の線が互いに交差するように配置されている。すなわち、走査線53…と信号線54…との各交差部では、走査線53…上に、その段差形状を反映して信号線54…が積層されていることになる。
【0016】
このため、以下の(1)(6)に示すような問題点が生じている。
【0017】
(1)上記のような各交差部では、ゲート絶縁膜63あるいは層間絶縁膜68にクラックが入りやすく、上層の信号線54…が製造中に断線しやすくなっている。あるいは、ゲート絶縁膜63あるいは層間絶縁膜68におけるピンホールにより、上層の信号線54…と下層の走査線53…などが短絡し、歩留りを下げている。
【0018】
(2)上記の各交差部において、成膜残留応力などの影響によって、経時的に新たなクラックが生じたり、成膜時に生じたクラックが広がったりすることがあり、これにより商品化の後に欠陥が発生し、信頼性が低下する。
【0019】
(3)上記の各交差部では、特に大きな段差が形成されるため、配向膜の配向処理(ラビング処理)が乱れたり、信号線54…からの電界が、近傍の液晶に強く働いたりすることにより、光の漏洩が生じやすい。
【0020】
(4)同一基板上に走査線53…と信号線54…とが形成されているので、この基板を製造する際の歩留りは、走査線53…を形成する工程の歩留りと、信号線54…を形成する工程の歩留りとを掛け合わせたものにおおよそ等しくなり、さらなる歩留りの低下を招くことになる。この点に関しては、他の工程との関連もあり単純には論ずることができないが、ある程度の目安として考えると、例えば、走査線53…を形成する工程の歩留りを90%、信号線54…を形成する工程の歩留りを80%とすると、走査線53…と信号線54…とが形成された基板を製造する際の歩留りは72%となり、走査線53…あるいは信号線54…を形成する際の歩留りよりも低下することになる。
【0021】
(5)同一基板上に、走査線53…および信号線54…を形成しているので、各工程を順番に通す必要があり、製造時間の増大を招いている。
【0022】
(6)液晶表示装置の大型化あるいは高精細化に伴い、走査線53…および信号線54…の長さを長くする必要や、その幅を狭くする必要が生じる。これによって、走査線53…および信号線54…における負荷容量が増大し、信号の遅延が生じる。
【0023】
また、層間絶縁膜68として、平坦化が可能な有機膜を用いる構成においても、上記の(3)項を除いた(1)項から(6)項の問題点は解決されない。また、(3)項に記載したように、走査線53…と信号線54…との各交差部では、大きな段差が形成されているので、このような段差を平坦化するためには、層間絶縁膜68の厚みを大きくとる必要がある。これによって、材料費の増大や、光の透過率の低下などの問題や、層間絶縁膜68自身が弾性変形することによって、液晶層の厚みが不安定になるなどの問題が生じていた。
【0024】
この光の透過率の低下の問題を解決するために、光透過率が90%から95%以上の高い透過率を有する樹脂を用いて、層間絶縁膜を形成する方法も提案されている。しかしながら、このような高い透過率を有する樹脂からなる層間絶縁膜は、実用開発化が十分に進んでいないので、信頼性が低いという問題、通常用いられている樹脂よりも高価であるという問題、透過率を上げるための脱色処理などの特別な工程が必要となり、設備費や工数が増大するという問題などが生じることになる。
【0025】
また、上記の特開平5−27264号公報、特開平7−128687号公報などに提案されている構成は、上記の(1)項の課題に対しては有効であるが、(2)から(6)項の課題については認識されていない。また、画素電極86…と走査線81…とが平面的に重畳しないように配置されていることや、画素基板85と対向基板84との貼り合わせ誤差を考慮して、対向基板84側に、若干広めに遮光層を形成していることなどによって、開口率、および、コントラスト比や光透過率の低下が生じていた。
【0026】
この開口率の低下を補うために、光源の本数を増やしたり、光源の出力を大きくするなどの方法をとる場合には、装置の重量や寸法の増大や、消費電力の増大を招くことになる。
【0027】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、走査線および信号線などの各配線の短絡や断線欠陥を低減し、製造歩留りを向上させるとともに、光の透過率および開口率が高く、表示品位の優れた液晶表示装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、画素基板と、上記画素基板との間に間隙をおいて対向して配置される対向基板と、上記画素基板と上記対向基板との間隙に挟持される液晶層と、上記画素基板上にマトリクス状に複数設けられた画素電極と、上記画素電極に対応して上記対向基板上に設けられた対向電極と、上記画素基板上において、上記画素電極同士の境界領域に、それぞれが互いに平行となるように一方向に配置された、複数の走査線および複数の基準信号線と、上記対向基板上において、上記対向電極に接続された信号線と、上記画素基板上において、上記走査線、上記基準信号線、および上記画素電極が各端子に接続された3端子型のスイッチング素子と、上記走査線および上記基準信号線の上面および上記画素基板上を覆い、該画素基板の表面の平坦化を行う層間絶縁膜とを備え、上記画素電極は、上記層間絶縁膜の上層に形成され、上記の各画素電極は、その側端部が、隣合う2本の走査線、あるいは隣合う2本の基準信号線に重畳するように形成されており、上記対向基板上に、1方向に連続して形成された複数の遮光層が設けられており、上記画素基板上あるいは上記対向基板上に少なくとも設けられた、複数色のフィルタを複数備えたカラーフィルタ層と、バックライト光源とをさらに備え、上記層間絶縁膜は、上記カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の透過率が約85%以上、かつ、上記画素基板に垂直な方向の厚みが1〜2μmとなっていることを特徴としている。
【0029】
従来の構成では、信号線と走査線とが同一基板上に積層されて形成されており、これにより、信号線と走査線との短絡欠陥や、基板上での配線が多層にわたって形成されることによって段差が大きくなり、これによる断線欠陥などの発生の問題が生じていた。しかしながら、上記の構成によれば、信号線は対向基板上に形成され、走査線は画素基板上に形成されているので、上記のような問題は解消され、歩留りを向上することができる。
【0030】
また、成膜残留応力などの影響で、各配線を絶縁する層間絶縁膜にクラックが生じることによって発生する欠陥もなくすことができるので、信頼性を高めることができる。また、大きな段差のない構成となるので、配向処理不良などによる光漏れの発生をも抑制することができる。
【0031】
また、走査線と信号線とは、それぞれ別の基板上に形成されるので、互いの基板の良品を組み合わせて製造することができ、これにより、走査線と信号線とを同一基板上に形成するよりも歩留りを向上させることができる。単純に考えると、例えば、走査線の形成工程の歩留りを90%、信号線の形成工程の歩留りを80%とした場合、これらを組み合わせて製造する際の画素基板側の歩留りは90%となる。一方、走査線と信号線とを同一基板上に形成した場合には、製造歩留りは72%となる。すなわち、良品率を1割強以上アップさせることができる。なお、対向基板側において信号線を形成しても走査線とのような交差部で段差部を形成しないので、対向基板上に信号線を形成することによって生じる歩留り低下は0〜3%でほとんどない。
【0032】
また、走査線と信号線とは、それぞれ別の基板上に形成されるので、各工程を別々に平行処理することができ、製造時間の短縮を図ることができる。これにともなって、納期の短縮、および無駄な作り貯め(在庫)の低減を図ることができる。
【0033】
また、走査線と信号線とが近接していないので、各配線に付加される負荷容量を小さくすることができ、これにより、信号遅延を低減することができる。
【0034】
さらに、上記のように、画素基板上において、走査線および基準信号線の上面を覆い、該画素基板の表面の平坦化を行う層間絶縁膜を備えており、画素電極が、層間絶縁膜の上層に形成されている構成となっている。これにより、画素電極の周辺部を、走査線あるいは基準信号線などの遮光性のある配線と平面的に重畳させることによって、液晶配向が乱れがちな画素電極の周辺部を、精度良く遮光することができる。したがって、表示品位を向上させるとともに、各画素の開口率を向上させることができる。
【0035】
また、この層間絶縁膜によって、画素基板の表面の平坦性が向上するので、液晶層における液晶の配向の状態をより均一にすることができる。
【0036】
また、画素基板上の走査線や基準信号線などによる段差は、従来の、走査線と信号線とが同一基板に形成された構成における段差と比較して、その高さや面積が小さくなっている。よって、画素基板上の表面を平坦化するために必要な層間絶縁膜の厚みを薄くすることができる。したがって、画素基板上の表面の平坦性を維持するために必要な、層間絶縁膜を構成する材料の初期粘度や硬化後の硬度などの範囲を広くすることができるので、層間絶縁膜の材料の選択の範囲を広くすることができる。また、スペーサーなどのめり込み量が低減され、液晶層の厚みが安定して表示品位が向上する。
【0037】
また、層間絶縁膜の厚みを薄くすることができることによって、材料の低減および透過率の向上を図ることができる。特に、透過率の向上は、開口率が向上することとの相乗効果で、液晶表示装置の輝度の向上または消費電力の低減を実現することができる。
【0038】
なお、遮光層を形成する方法としては、感光性ドライフィルムを用い、光照射を行ってパターン形成する方式があり、この方式は、他の形成方法よりも容易で、かつ安価にパターン形成を行うことができる。この感光性ドライフィルムを用いる方式において、感光性ドライフィルムを貼り付ける際には、フィルムの長手方向に張力をかけながら貼付けを行うので、長手方向に他の配線材料やカラーフィルタ層などによる段差が少なかったり、パターンが長手方向に連続した形状であれば、貼付け時の気泡の巻き込みが少なかったり、気泡発生部を表示領域外に排出することができる。この点において、上記の構成によれば、遮光層は、1方向に連続して設けられているので、感光性ドライフィルムを貼り付ける際の気泡の巻き込みを低減することができ、また、気泡が発生しても外部への排出が容易であるので、品質および歩留りの向上を図ることができる。
【0039】
また、上記のように、遮光層は1方向に連続して設けられているので、画素基板と対向基板とを貼り合わせる際に、遮光層が連続している方向に対しては、貼り合わせ誤差の許容範囲を広くとることができ、組み立てを容易にすることができる。
【0040】
本発明に係る液晶表示装置は、上記のように、上記画素基板上あるいは上記対向基板上に少なくとも設けられた、複数色のフィルタを複数備えたカラーフィルタ層と、バックライト光源とをさらに備え、上記層間絶縁膜は、上記カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の透過率が約85%以上となっていることを特徴としている。
【0041】
本発明に係る液晶表示装置は、上記のように、開口率および光の透過率が高いので、カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の、層間絶縁膜における透過率が約85%程度であっても、十分に明るい表示を行うことが可能である。これに対して、例えば従来の構成においては、このような層間絶縁膜は、90〜95%以上の光の透過率が必要であった。したがって、上記の構成によれば、層間絶縁膜の材料の選定範囲が広がり、材料コストおよび製造コストの低減化を図ることが可能となり、かつ、高い信頼性を有する液晶表示装置を提供することができる。
【0042】
また、例えば、90%以上の光の透過率を有する層間絶縁膜を使用した場合には、バックライト光源の本数あるいは光量(出力)を減らしても十分な輝度を維持できるので、液晶表示装置の更なる軽量化、小型化、低消費電力化を図ることができる。
【0043】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記画素電極は、上記スイッチング素子に対して、直接、あるいは、上記画素電極を構成する材料と同一の材料からなる配線を介して接続されていることを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、画素電極は、スイッチング素子に対して、直接、あるいは、画素電極を構成する材料と同一の材料からなる配線を介して接続されているので、例えば他の材料からなる配線を介して接続する場合と比較して、画素基板上に積層される材料を減らすことができ、また、製造工程も減らすことができる。
【0045】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記画素基板および上記対向基板において、上記液晶層に面する面に配向膜が形成され、上記の各画素電極上の配向膜は、該画素電極の内部領域の下層を通過している基準信号線あるいは走査線を境にして2つの配向領域に分割されており、それぞれの配向領域は、互いに異なる配向処理が施されていることを特徴としている。
【0046】
上記の構成によれば、各画素電極上の配向膜は、互いに異なる配向処理が施された2つの配向領域に分割されているので、視野角が改善された液晶表示装置を提供することができる。また、この2つの配向領域の境界部分は、画素電極の内部領域の下層を通過している基準信号線あるいは走査線によって遮光されるので、液晶の配向が乱れがちな配向領域の境界部分を、高精度で遮光することができる。よって、開口率を低下させることなく、配向領域の分割を行うことができる。
【0047】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記の2つの配向領域のうち、一方の配向領域は、上下どちらか一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、もう一方の配向領域は、上下のもう一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、この両者の配向領域の面積比が6:4から19:1の範囲となるように設定されていることを特徴としている。
【0048】
一般に、上記の2つの配向領域の面積比を変化させると、正視角方向の階調反転およびコントラストにおいて、一方が良くなれば他方が悪化するという、互いに相反した特性変化を示す。この点において、上記の構成によれば、階調反転抑制およびコントラスト向上の、それぞれの視角特性のバランスが良好となるので、表示品位の優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0049】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記画素基板上において、上記各画素電極の全ての周辺部に重畳するように、遮光性を有する材料からなる配線が形成されていることを特徴としている。
【0050】
上記の構成によれば、各画素電極の全ての周辺部は、遮光性を有する材料からなる配線によって遮光されるので、対向基板側に遮光層を設ける領域を小さくしたり不要にすることができる。よって、材料コストおよび工数の削減、および歩留りの向上を図ることができる。
【0051】
また、対向基板側に遮光層を設ける場合には、画素基板と対向基板との貼り合わせ誤差などを考慮して、遮光層を若干広めに形成する必要があったが、上記の構成のように、画素基板上の配線によって画素電極の周辺部を遮光する場合には、必要最小限の遮光領域で遮光を行うことができる。よって、開口率の良好な液晶表示装置を提供することができる。また、貼り合わせ時間を短縮できる。
【0052】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記画素基板上に形成された上記スイッチング素子のさらに上層に、画素基板の表面を平坦化するための遮光性の絶縁層が設けられていることを特徴としている。
【0053】
上記の構成によれば、画素基板上に形成されたスイッチング素子のさらに上層に、遮光性の絶縁層が設けられているので、画素基板の表面の平坦性をより向上することができる。よって、液晶の配向制御を安定化することができる。
【0054】
また、スイッチング素子を機械的に保護するとともに、スイッチング素子へまわり込んだ光による誤動作や半導体特性の光劣化を低減することができるので、品質や信頼性に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0055】
本発明に係るの液晶表示装置は、上記の構成において、上記対向電極は、各画素に対応した透明導電性材料から構成されており、上記信号線は、上記対向電極よりも幅の細い低抵抗の遮光性金属材料から構成されていることを特徴としている。
【0056】
上記の構成によれば、各対向電極は、抵抗の低い金属材料からなる信号線によって接続されているので、信号遅延などの影響を低減することができる。また、対向電極の周囲には、遮光性の金属材料からなる信号線が配置されていることになるので、精度良く対向電極の周囲を遮光することができる。よって、余分な遮光層の形成を省略することができるので、材料コストや工数の削減、および歩留りの向上を図ることができる。また、開口率を向上させることもできる。
【0057】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の構成において、上記画素基板上に形成された上記走査線および上記基準信号線の周囲にのみ、無機材料からなる絶縁膜が設けられ、その他の領域においては、上記層間絶縁膜は、画素基板上に直接積層されていることを特徴としている。
【0058】
上記の構成によれば、走査線および基準信号線の周囲は、無機材料からなる絶縁膜によって保護されているので、製造工程中における各配線の傷の発生や配線間の短絡発生を抑制することができるとともに、製品化後の耐湿性などの信頼性を高くすることができる。
【0059】
また、例えば、光が透過する領域においても、画素基板と層間絶縁膜との間に無機材料からなる絶縁膜が形成されている構成では、無機膜と有機膜との界面で屈折率の違いから生じる光反射が発生していたが、上記の構成によれば、光が透過する領域では、画素基板上に直接層間絶縁膜が積層されているので、このような光反射を低減することができる。よって、光の透過率を向上させることができ、輝度の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0061】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置1の概略構成を示す斜視図である。この液晶表示装置1は、互いに対向して配置された画素基板2と対向基板3とを備え、この画素基板2と対向基板3との間隙に、図示しない液晶層が挟持されている。
【0062】
対向基板3上には、信号線の機能をも備えた、透明導電膜からなる複数の対向電極4…が、それぞれ同一幅となるように、ストライプ状に形成されている。また、画素基板2上には、複数の走査線5…と基準信号線6…とが、互いに平行となるようにストライプ状に形成されている。各基準信号線6は、共通配線7によって互いに接続されている。この走査線5…および基準信号線6…は、通常、タンタル合金、アルミニウム、銅などの、抵抗が低く、遮光性を有する金属材料から構成されており、単層あるいは多層で形成されている。
【0063】
また、同じく画素基板2上には、薄膜トランジスタなどからなる3端子型のスイッチング素子8…が、マトリクス状に配置されている。この各スイッチング素子8のゲート電極には走査線5がそれぞれ接続されており、ソース電極には基準信号線6がそれぞれ接続されている。また、各スイッチング素子8のドレイン電極には、画素電極9がそれぞれ接続されている。なお、ソース電極とドレイン電極とは互いに入れ換えても構わない。
【0064】
上記の画素電極9は、表示画面における各画素に対応しており、上記対向電極との間で、液晶層に対して電圧を印加することによって表示が行われる。
【0065】
図2は、画素基板2およびその上面に形成された走査線5、基準信号線6、および画素電極9などを示した断面図である。図2に示すように、画素基板2の上面には、走査線5および基準信号線6が形成されており、これらの上面に、窒化シリコンなどの無機絶縁材料からなるゲート絶縁膜11が形成されている。そしてさらに、表面を平坦化する目的で、有機材料からなる層間絶縁膜10が積層され、その上層に、画素電極9が形成されている。
【0066】
本実施形態では、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に並んでいる画素電極9…同士の境界部分の下層に走査線5…が配置され、各画素電極9のほぼ中央部分の下層に基準信号線6がそれぞれ配置されている。このように、画素電極9…同士の境界部分は、走査線5…によって遮光されるので、この領域を遮光する遮光膜などの構成が不要となる。よって、材料コストおよび製造コストの低減が図れるとともに、各画素の開口率が向上する。
【0067】
上記層間絶縁膜10は、透明性に優れ、比較的誘電率が低く、高い信頼性を有する材料、例えば、アクリル系感光性樹脂、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)、無色透明のポリイミドなどの材料から構成されている。この層間絶縁膜10を構成する材料としては、感光性を有する材料の方が、所望のパターンで形成することが容易となるので好ましく、また、誘電率が低い材料の方が、寄生容量が少なくなり、適正な電圧を液晶層に印加することできるので好ましい。
【0068】
また、層間絶縁膜10の厚みの下限としては、画素基板2上の走査線5…や基準信号線6などによる、200nmから数百nmからなる段差を平坦化することと、層間絶縁膜10による寄生容量を小さくすることとを考慮して、およそ1μm以上とすることが好ましい。また、層間絶縁膜10の厚みの上限としては、層間絶縁膜10の透過率を十分に小さくすることと、層間絶縁膜10が弾性変形することによる液晶層の厚みのばらつきを抑制することと、材料コストを最小限にすることなどを考慮して、およそ2μm以下とすることが好ましい。このような条件を満たす材料を選択した場合、その比誘電率はおよそ2〜4の間の値となる。
【0069】
以上のように、画素基板2上の走査線5…や基準信号線6…などによる段差は、従来の、走査線と信号線とが同一基板に形成された構成における段差と比較して、その高さや面積が小さくなっている。よって、画素基板2上の表面を平坦化するために必要な層間絶縁膜10の厚みを薄くすることができる。したがって、画素基板2上の表面の平坦性を維持するために必要な、層間絶縁膜10を構成する材料の弾性の範囲を広くすることができるので、層間絶縁膜10の材料の選択の範囲を広くすることができる。
【0070】
また、層間絶縁膜10の厚みを薄くすることができることによって、材料の低減および透過率の向上を図ることができる。特に、透過率の向上は、開口率が向上することとの相乗効果で、液晶表示装置1の輝度の向上または消費電力の低減を実現することができる。
【0071】
なお、本実施形態における液晶表示装置1は、透過型の液晶表示装置であったが、これに限定されるものではなく、反射型の液晶表示装置にも適用することができる。また、液晶表示装置1としては、配向膜を有するものでも有さないものでも構わない。
【0072】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図3ないし図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0073】
図3は、本実施形態に係る液晶表示装置1における画素基板2上の配線の一部を示す平面図であり、図4は、図3のA−A線における断面を示す断面図である。
【0074】
図3に示すように、画素基板2上には、走査線5…および基準信号線6…がほぼ平行に同一材料で形成されている。近接している走査線5と基準信号線6との間隔d1 は、短絡欠陥などの発生を抑制するために、約15μm以上に設定してある。また、上記の間隔d1 の上限は、約30μm程度に設定される。
【0075】
また、図4に示すように、走査線5…および基準信号線6…上には、他の配線との接続部などの一部を除いて、該走査線5…および基準信号線6…を保護するために、窒化シリコンなどの無機絶縁材料からなるゲート絶縁膜11が形成されている。
【0076】
スイッチング素子8…は、走査線5…の上層において、各画素に対応して形成される。各スイッチング素子8は、走査線5の上部に、ゲート絶縁膜11を介して形成される半導体薄膜12と、半導体薄膜12の上部に、互いに接触しないように間隙をおいて形成されるソース電極(コンタクト層)13aおよびドレイン電極(コンタクト層)13bとから構成されている。なお、上記半導体薄膜12は、アモルファスシリコンなどから構成されており、上記ソース電極13aおよびドレイン電極13bは、微結晶シリコンなどから構成されている。
【0077】
ソース電極13aと基準信号線6とは、透明導電膜などからなるソース配線14を介して電気的に接続される。
【0078】
そして、走査線5…および基準信号線6…やゲート絶縁膜11などが形成された画素基板2上に、スイッチング素子8…およびソース配線14などが形成された領域を除いて、表面を平坦化するための、有機絶縁膜などからなる層間絶縁膜10が形成されている。ここで、このスイッチング素子8…およびソース配線14などが形成されている領域、すなわち、層間絶縁膜10が形成されない領域を、開口領域15と呼ぶことにする。
【0079】
そして、この層間絶縁膜10の上層には、各画素領域に対応するように、画素電極9…が形成されている。各画素電極9は、開口領域15において、スイッチング素子8のドレイン電極13bに電気的に接続されている。
【0080】
本実施形態では、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に並んでいる画素電極9…同士の境界部分の下層に走査線5…が配置され、各画素電極9の端部近傍の下層に基準信号線6がそれぞれ配置されている。このように、画素電極9…同士の境界部分は、走査線5…によって遮光されるので、この領域を遮光する遮光膜などの構成が不要となる。よって、材料コストおよび製造コストの低減が図れるとともに、各画素の開口率が向上する。
【0081】
また、走査線5をほぼ直線状に形成し、その一部を、スイッチング素子8のゲート電極に割り当てているので、走査線とゲート電極とを別個に設ける場合よりも開口率を高くすることができる。
【0082】
また、上記のように、近接している走査線5および基準信号線6の間隔d1 は、およそ15〜30μmの間に設定されているので、例えば実施の形態1における構成と比較して、スイッチング素子8のソース電極13aと基準信号線6とを結ぶソース配線14の長さを短くすることができる。よって、ソース配線14の配線抵抗を低く抑えることができるので、画素電極9に対して、より適正な電圧を印加することが可能となり、良好な表示を行うことが可能となる。
【0083】
次に、対向基板3側に形成される第1遮光層16について説明する。上記のように、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に並んでいる画素電極9…同士の境界部分は、走査線5によって遮光されているので、上記の第1遮光層16は、走査線5および基準信号線6に平行な方向に並んでいる画素電極9…同士の境界部分を遮光するように形成される。図5は、画素基板2上での各種配線と、第1遮光層16の形状との位置関係を示す説明図であり、斜線部が第1遮光層16を示している。
【0084】
このように、第1遮光層16は、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に、連続して形成されているので、対向基板3と画素基板2との貼り合わせにおいて、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に対する、多少の貼り合わせ誤差は、許容される構造となっている。具体的には、走査線5および基準信号線6に平行な方向に対する貼り合わせ誤差の範囲は、5μm以下程度にする必要があるが、走査線5および基準信号線6に垂直な方向に対する貼り合わせ誤差の範囲は、5〜20μm程度となる。したがって、対向基板3と画素基板2との貼り合わせが容易になり、貼り合わせに用いる装置に対して、高い位置合わせ精度の性能が要求されることもなくなり、また、貼り合わせに要する時間も削減することができる。
【0085】
また、第1遮光層16同士の間に設けられるカラーフィルタ層(図示せず)も、平坦性の良い面上に形成できるので、大型基板に対しても安定して製造できる。このことに関して、以下により詳しく説明する。
【0086】
第1遮光層16およびカラーフィルタ層を形成する方法としては、感光性ドライフィルムを用い、光照射を行ってパターン形成する方式があり、この方式は、他の形成方法よりも容易で、かつ安価にパターン形成を行うことができる。この感光性ドライフィルムを用いる方式において、感光性ドライフィルムを貼り付ける際には、フィルムの長手方向に張力をかけながら貼付けを行うので、長手方向に他の配線材料などによる段差が少なかったり、パターンが長手方向に連続した形状であれば、貼付け時の気泡の巻き込みが少なかったり、気泡発生部を表示領域外に排出することができる。この点において、上記の構成によれば、第1遮光層16およびカラーフィルタ層は、1方向に連続して設けられているので、感光性ドライフィルムを貼り付ける際の気泡の巻き込みを低減することができ、また、気泡が発生しても外部への排出が容易であるので、品質および歩留りの向上を図ることができる。
【0087】
〔実施の形態3〕
本発明の実施のさらに他の形態について図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0088】
本実施形態に係る液晶表示装置1は、図6に示すように、画素基板2上において、実施の形態2の構成における開口領域15…となる領域、言い換えれば、スイッチング素子8…の上、およびスイッチング素子8…近傍における基準信号線6…の上に、第2遮光層17…が形成された構成となっている。その他の構成については、実施の形態2の構成とほぼ同様となっている。
【0089】
上記の第2遮光層17は、遮光性を有する樹脂から構成されており、層間絶縁膜10とほぼ同様の厚みとなるように形成される。これにより、各スイッチング素子8が、第2遮光層17によって保護されることになるので、スイッチング素子8の信頼性が向上し、また、光誤動作や光劣化も低減される。
【0090】
また、層間絶縁膜10の上層に形成された画素電極9…と第2遮光層17…との表面高さが、ほぼ同じ程度となるので、これらの上層に形成される配向膜(図示せず)の表面の平滑性が向上する。よって、配向膜に対する配向処理も均一に行われることになるので、液晶の配向状態も均一になり、表示品位を向上させることができる。
【0091】
〔実施の形態4〕
本発明の実施のさらに他の形態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0092】
本実施形態に係る液晶表示装置1は、実施の形態3における構成とほぼ同様の構成となっており、構成の相違点としては、ゲート絶縁膜11の形状が異なっている点である。
【0093】
本実施形態におけるゲート絶縁膜11…は、図7に示すように、走査線5…および基準信号線6…の上面に、他の配線との接続部分などを除いて、該走査線5…および基準信号線6…を覆うように形成されている。また、前記の実施の形態3では、ゲート絶縁膜11は、画素電極9…が形成されている光透過領域にも形成されていたが、本実施形態では、この光透過領域には、ゲート絶縁膜11を形成しない構成としている。すなわち、光透過領域では、画素基板2の上に、直接層間絶縁膜10が積層されていることになる。
【0094】
このような構成によれば、金属材料からなる走査線5…および基準信号線6…がゲート絶縁膜11によって覆われているので、短絡や腐食などの不良発生や信頼性を抑えることができる。そしてさらに、上記の光透過領域において、画素基板2と層間絶縁膜10との間には、ゲート絶縁膜11が形成されていないので、層間絶縁膜10とゲート絶縁膜11とのそれぞれを構成する材料の屈折率の違いに起因する界面の光反射がなくなる。よって、光透過率が向上し、より明るく表示品位の優れた液晶表示装置1を実現することができる。
【0095】
また、上記の構成において、図8に平面図を示すように、走査線5…を、その近接する基準信号線6…の方向へ屈曲させた形状で形成し、対向基板3上に、走査線5…と基準信号線6…との間隙d2 に対応して遮光層(図示せず)を形成する構成とすることもできる。このような構成とすれば、液晶の配向が乱れがちな画素電極9…の周辺部を、画素電極9…と同一基板上に形成される走査線5…および基準信号線6…によって精度良く遮光し、走査線5…と基準信号線6…との間を、各配線の線幅のマージンをもって、対向基板3上の遮光層によって遮光することができる。したがって、液晶表示装置1における画素の開口率を高くすることができる。
【0096】
〔実施の形態5〕
本発明の実施のさらに他の形態について図9ないし図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0097】
図9は、本実施形態に係る液晶表示装置1が備える画素基板2上の各配線の様子を示す平面図であり、図10は、図9の断面B−Bにおける液晶表示装置1の概略構成を示す断面図である。
【0098】
本実施形態では、走査線5…は、画素電極9…(図9において破線で示す)の中央よりに配置される。また、各スイッチング素子8におけるドレイン電極13bにはドレイン配線18が接続されており、このドレイン配線18と画素電極9とは、層間絶縁膜10に形成されたコンタクトホール19において、導電性埋め込み平坦化材料を介して電気的に接続される。また、ソース電極13aと基準信号線6とは、ソース配線14を介して電気的に接続される。
【0099】
上記のドレイン配線18は、隣の画素における基準信号線6の近傍まで延長されており、その端部は、隣の画素における基準信号線6の上部に、ゲート絶縁膜11を介して、平面的に重畳している。ここで、ドレイン配線18が延長されている部分を延長部18a、ドレイン配線18が、ゲート絶縁膜11を介して基準信号線6の上部に重畳されている部分を重畳部18bと呼ぶことにする。
【0100】
上記の基準信号線6…、ソース配線14…、ドレイン配線18…は、遮光性のある金属材料から構成されており、これらの配線によって形成される矩形領域は、画素電極9…の周辺部に重畳するように配置される。すなわち、液晶の配向が乱れがちな画素電極9…の周辺部は、上記の基準信号線6…、ソース配線14…、ドレイン配線18…によって遮光されるので、設計によっては、対向基板3側の遮光層が不要となる構成とすることも可能である。よって、材料コストおよび製造コストを低減するとともに、液晶表示装置1における画素の開口率を高くすることができる。
【0101】
また、ソース配線14…およびドレイン配線18…は、金属材料から構成されており、例えば透明導電材料などに比較して、その抵抗値が低くなるので、信号遅延などの影響を抑えることができる。
【0102】
また、上記のように、ドレイン配線18は、重畳部18bにおいて、隣の画素における基準信号線6の上層に、ゲート絶縁膜11を介して重畳されている。この重畳部18bと基準信号線6とをレーザなどで短絡させることによって、欠陥画素が目立たないように修正することも可能である。
【0103】
また、走査線5…は、それぞれほぼ直線状に形成されており、スイッチング素子8…が形成される部分において、その線幅が狭くなるように形成されている。このように、走査線5…は、スイッチング素子8…が形成される部分において、その線幅を狭くすることによって、スイッチング素子8…の占有面積を小さくして画素の開口率を高くするとともに、それ以外の部分において、ある程度の線幅を有する形状とすることによって、走査線5…自身の抵抗を低くしている。
【0104】
さらに、本実施形態においては、各画素電極9における開口部(光透過部)が、該開口部を通過している走査線5を境にして、面積比がほぼ17:3となるように2つの領域に分割されている。この領域の分割は、ソース配線14側が短くなるように設定されている。これは、ソース配線14の抵抗を低くするためである。
【0105】
そして、各画素電極9の上層に形成された配向膜も、上記の分割領域に対応して、第1配向膜領域20a、第2配向膜領域20bの2つの領域に分割されている。なお、ドレイン配線18側の領域を第1配向膜領域20aとし、ソース配線14側の領域を第2配向膜領域20bとする。
【0106】
また、図10に示すように、対向基板3上には、対向基板3側から順に、カラーフィルタ層21、平坦化保護膜22、対向電極4、および対向基板側配向膜23が形成されている。さらに、図示はしないが、画素基板2の外側に、バックライト光源が配置されている。
【0107】
なお、本実施形態に係る液晶表示装置1は、開口率および光の透過率が高いので、カラーフィルタ層21の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の、層間絶縁膜10における透過率が約85%程度であっても、十分に明るい表示を行うことが可能である。これに対して、例えば従来の構成においては、このような層間絶縁膜は、90〜95%以上の光の透過率が必要であった。したがって、このような構成によれば、層間絶縁膜10の材料の選定範囲が広がり、材料コストおよび製造コストの低減化を図ることが可能となる。
【0108】
また、例えば、90%以上の光の透過率を有する層間絶縁膜10を使用した場合には、バックライト光源の本数または光量(出力)を減らしても十分な輝度を維持できるので、液晶表示装置1の更なる軽量化、小型化、低消費電力化を図ることができる。
【0109】
上記の第1配向膜領域20a、第2配向膜領域20b、および対向基板側配向膜23に対して、それぞれの表面近傍の液晶分子24a・24b・24cのプレチルト角が順に大、中、小となるように、それぞれ異なる配向処理が施されている。本実施形態においては、上記の液晶分子24a・24b・24cのプレチルト角が、それぞれ5°、2°、3°となるように、配向処理が施されている。これにより、第1配向膜領域20aおよび第2配向膜領域20bのそれぞれの上方の、液晶層の中央付近の液晶分子25a・25bが、互いに逆の方向のチルト角を持つことになり、液晶表示装置1の上下方向の視野角を改善することができる。
【0110】
なお、本実施形態では、画素基板2側に形成される配向膜にのみ、異なる配向処理を行う2つの領域を設定し、対向基板3側に形成される配向膜には、全面にわたって均一な配向処理を施しているが、これに限定されるものではない。すなわち、対向基板3側に形成される配向膜にも、画素基板2側に形成される配向膜に対応させて、異なる配向処理を行う2つの領域を設定してもよい。しかしながら、このように、対向基板3側に形成される配向膜にも異なる配向処理を行う2つの領域を設定する場合、工数が増えることにより、歩留りが低下する恐れがある。また、本実施形態のように、画素基板2側に形成される配向膜にのみ、異なる配向処理を行う2つの領域を設定するだけでも、十分にその効果を発揮することができるので、対向基板3側に形成される配向膜には、全面にわたって均一な配向処理を施す方式の方が好ましい。
【0111】
画素基板2側に形成される配向膜に対して、上記のように、第1配向膜領域20aおよび第2配向膜領域20bを形成する方法としては、一方の領域をレジストなどで遮蔽して、もう一方の領域をラビング処理する方法や、光照射による配向処理を用いて、光照射条件を各領域毎に変化させて配向処理する方法などがある。本実施形態では、まず画素基板2側に形成される配向膜に対して全体的に、ラビングによる配向処理を行い、その後、第1配向膜領域20aおよび第2配向膜領域20bのどちらか一方をパターンマスクで覆い、光照射を行うことによって微妙な配向状態の調整を行っている。この方式により、品質の良好な液晶表示装置1を生産性良く製造することができる。
【0112】
図11ないし図14は、配向膜形成処理工程の流れを示す説明図である。図11ないし図14に示すように、配向膜形成処理工程では、配向膜塗布工程、焼成工程、ラビング工程、および洗浄工程とが、この順で行われる。そして、さらに上記の光照射を行う工程(光照射工程)が、配向膜塗布工程の後(図11の場合)、焼成工程の後(図12の場合)、ラビング工程の後(図13の場合)、あるいは洗浄工程の後(図14の場合)のいずれかにおいて行われる。
【0113】
なお、本実施形態においては、第1配向膜領域20aおよび第2配向膜領域20bの面積比は、17:3に設定されているが、この面積比の範囲は、6:4から19:1の範囲で設定されていることが好ましい。このような範囲で設定されている場合、階調反転の抑制とコントラストの向上とのバランスが良好となり、視野角の広い液晶表示装置1を実現することができる。
【0114】
〔実施の形態6〕
本発明の実施のさらに他の形態について図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0115】
本実施形態に係る液晶表示装置1は、前記した各実施の形態における構成において、対向基板3上の配線構造が異なっているものである。本実施形態における対向基板3上の配線構造は、図15に示すように、各画素に対応して、マトリクス状に配置された、透明導電膜からなる対向電極26…を、それより細い遮光性の金属からなる信号線27…で接続する構成となっている。
【0116】
このように、各対向電極26は、抵抗の低い金属材料からなる信号線27によって接続されるので、液晶表示装置1が大型となる場合や、画素数の多い高精細表示を行う場合においても、信号遅延などが抑えられた良好な表示を行うことができる。
【0117】
また、対向電極26…の外周部に、遮光性を有する信号線27…が配置されることになるので、該信号線27…によって不要光の遮光を行うことができる。よって、余分な遮光材料を形成する必要がなくなる。また、信号線27…は、対向電極26の形状に対して精度良く形成することができるので、各画素の開口率を下げることなく、遮光を行うことができる。
【0118】
本発明に係る液晶表示装置は、上記構成に加え、各画素電極は、その側端部が、隣合う2本の走査線、あるいは隣合う2本の基準信号線に重畳するように形成されており、近接する走査線と基準信号線との間隔が、両者が短絡しない程度の所定の値以上に設定されていてもよい。
【0119】
上記の構成によれば、近接する走査線と基準信号線との間隔が、両者が短絡しない程度の所定の値以上に設定されているので、近接する走査線と基準信号線との間で生じる短絡欠陥の発生を低減することができる。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、発明に係る液晶表示装置は、画素基板と、上記画素基板との間に間隙をおいて対向して配置される対向基板と、上記画素基板と上記対向基板との間隙に挟持される液晶層と、上記画素基板上にマトリクス状に複数設けられた画素電極と、上記画素電極に対応して上記対向基板上に設けられた対向電極と、上記画素基板上において、上記画素電極同士の境界領域に、それぞれが互いに平行となるように一方向に配置された、複数の走査線および複数の基準信号線と、上記対向基板上において、上記対向電極に接続された信号線と、上記画素基板上において、上記走査線、上記基準信号線、および上記画素電極が各端子に接続された3端子型のスイッチング素子と、上記走査線および上記基準信号線の上面および上記画素基板上を覆い、該画素基板の表面の平坦化を行う層間絶縁膜とを備え、上記画素電極は、上記層間絶縁膜の上層に形成され、上記の各画素電極は、その側端部が、隣合う2本の走査線、あるいは隣合う2本の基準信号線に重畳するように形成されており、上記対向基板上に、1方向に連続して形成された複数の遮光層が設けられており、上記画素基板上あるいは上記対向基板上に少なくとも設けられた、複数色のフィルタを複数備えたカラーフィルタ層と、バックライト光源とをさらに備え、上記層間絶縁膜は、上記カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の透過率が約85%以上、かつ、上記画素基板に垂直な方向の厚みが1〜2μmとなっている構成である。
【0121】
これにより、信号線と走査線との短絡欠陥や、基板上での配線が多層にわたって形成されることによって段差が大きくなり、これによる断線欠陥などの発生の問題は解消され、歩留りを向上することができるという効果を奏する。
【0122】
また、成膜残留応力などの影響で、各配線を絶縁する層間絶縁膜にクラックが生じることによって発生する欠陥もなくすことができるので、信頼性を高めることができるという効果を奏する。また、大きな段差のない構成となるので、配向処理不良などによる光漏れの発生をも抑制することができるという効果を奏する。
【0123】
また、走査線と信号線とは、それぞれ別の基板上に形成されるので、互いの基板の良品を組み合わせて製造することができ、これにより、走査線と信号線とを同一基板上に形成するよりも歩留りを向上させることができるという効果を奏する。
【0124】
また、走査線と信号線とは、それぞれ別の基板上に形成されるので、各工程を別々に平行処理することができ、製造時間の短縮を図ることができ、納期の短縮、および無駄な作り貯め(在庫)の低減を図ることができるという効果を奏する。
【0125】
また、走査線と信号線とが近接していないので、各配線に付加される負荷容量を小さくすることができ、信号遅延を低減することができるという効果を奏する。
【0126】
さらに、画素電極の周辺部を、走査線あるいは基準信号線などの遮光性のある配線と平面的に重畳させることによって、液晶配向が乱れがちな画素電極の周辺部を、精度良く遮光することができ、表示品位を向上させるとともに、各画素の開口率を向上させることができるという効果を奏する。
【0127】
また、この層間絶縁膜によって、画素基板の表面の平坦性が向上するので、液晶層における液晶の配向の状態をより均一にすることができるという効果を奏する。
【0128】
また、画素基板上の表面を平坦化するために必要な層間絶縁膜の厚みを薄くすることができるので、画素基板上の表面の平坦性を維持するために必要な、層間絶縁膜を構成する材料の弾性の範囲を広くすることができ、層間絶縁膜の材料の選択の範囲を広くすることができるという効果を奏する。
【0129】
また、層間絶縁膜の厚みを薄くすることができることによって、材料の低減および透過率の向上を図ることができる。特に、透過率の向上は、開口率が向上することとの相乗効果で、液晶表示装置の輝度の向上または消費電力の低減を実現することができるという効果を奏する。
【0130】
さらに、遮光層は対向基板上に1方向に連続して設けられるため、感光性ドライフィルムを貼り付ける際の気泡の巻き込みを低減することができ、また、気泡が発生しても外部への排出が容易であるので、品質および歩留りの向上を図ることができるという効果を奏する。
【0131】
また、画素基板と対向基板とを貼り合わせる際に、遮光層が連続している方向に対しては、貼り合わせ誤差の許容範囲を広くとることができ、組み立てを容易にすることができるという効果を奏する。
【0132】
発明に係る液晶表示装置は、上記のように、上記画素基板上あるいは上記対向基板上に少なくとも設けられた、複数色のフィルタを複数備えたカラーフィルタ層と、バックライト光源とをさらに備え、上記層間絶縁膜は、上記カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の透過率が約85%以上となっている構成である。
【0133】
これにより、上記の構成による効果に加えて、層間絶縁膜の材料の選定範囲が広がり、材料コストおよび製造コストの低減化を図ることが可能となり、かつ、高い信頼性を有する液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0134】
また、例えば、90%以上の光の透過率を有する層間絶縁膜を使用した場合には、バックライト光源の出力を減らしても十分な輝度を維持できるので、液晶表示装置の軽量化、小型化、低消費電力化を図ることができるという効果を奏する。
【0135】
発明に係る液晶表示装置は、上記画素電極は、上記スイッチング素子に対して、直接、あるいは、上記画素電極を構成する材料と同一の材料からなる配線を介して接続されている構成である。
【0136】
これにより、上記の構成による効果に加えて、例えば他の材料からなる配線を介して接続する場合と比較して、画素基板上に積層される材料を減らすことができ、また、製造工程も減らすことができるという効果を奏する。
【0137】
発明に係る液晶表示装置は、上記画素基板および上記対向基板において、上記液晶層に面する面に配向膜が形成され、上記の各画素電極上の配向膜は、該画素電極の内部領域の下層を通過している基準信号線あるいは走査線を境にして2つの配向領域に分割されており、それぞれの配向領域は、互いに異なる配向処理が施されている構成である。
【0138】
これにより、上記の構成による効果に加えて、各画素電極上の配向膜は、互いに異なる配向処理が施された2つの配向領域に分割されているので、視野角が改善された液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。また、この2つの配向領域の境界部分は、画素電極の内部領域の下層を通過している基準信号線あるいは走査線によって遮光されるので、液晶の配向が乱れがちな配向領域の境界部分を、高精度で遮光することができ、開口率を低下させることなく、配向領域の分割を行うことができるという効果を奏する。
【0139】
発明に係る液晶表示装置は、上記の2つの配向領域のうち、一方の配向領域は、上下どちらか一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、もう一方の配向領域は、上下のもう一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、この両者の配向領域の面積比が6:4から19:1の範囲となるように設定されている構成である。
【0140】
これにより、上記の構成による効果に加えて、階調反転抑制およびコントラスト向上の、それぞれの視角特性のバランスが良好となるので、表示品位の優れた液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0141】
発明に係る液晶表示装置は、上記画素基板上において、上記各画素電極の全ての周辺部に重畳するように、遮光性を有する材料からなる配線が形成されている構成である。
【0142】
これにより、上記の構成による効果に加えて、対向基板側に遮光層を設ける必要がなくなり、材料コストおよび工数の削減、および歩留りの向上を図ることができるという効果を奏する。
【0143】
また、必要最小限の遮光領域で遮光を行うことができるので、開口率の良好な液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0144】
発明に係る液晶表示装置は、上記画素基板上に形成された上記スイッチング素子のさらに上層に、画素基板の表面を平坦化するための遮光性の絶縁層が設けられている構成である。
【0145】
これにより、上記の構成による効果に加えて、画素基板上に形成されたスイッチング素子のさらに上層に、遮光性の絶縁層が設けられているので、画素基板の表面の平坦性をより向上することができ、液晶の配向制御を安定化することができるという効果を奏する。
【0146】
また、スイッチング素子を機械的に保護するとともに、スイッチング素子へまわり込んだ光による誤動作や半導体特性の光劣化を低減することができるので、品質や信頼性に優れた液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0147】
発明に係る液晶表示装置は、上記対向電極は、各画素に対応した透明導電性材料から構成されており、上記信号線は、上記対向電極よりも幅の細い低抵抗の遮光性金属材料から構成されている構成である。
【0148】
これにより、上記の構成による効果に加えて、各対向電極は、抵抗の低い金属材料からなる信号線によって接続されているので、信号遅延などの影響を低減することができるという効果を奏する。また、精度良く対向電極の周囲を遮光することができるので、余分な遮光層の形成を省略することができ、材料コストや工数の削減、および歩留りの向上を図ることができるとともに、開口率を向上させることができるという効果を奏する。
【0149】
発明に係る液晶表示装置は、上記画素基板上に形成された上記走査線および上記基準信号線の周囲にのみ、無機材料からなる絶縁膜が設けられ、その他の領域においては、上記層間絶縁膜は、画素基板上に直接積層されている構成である。
【0150】
これにより、上記の構成による効果に加えて、製造工程中における各配線の傷の発生や配線間の短絡発生を抑制することができるとともに、製品化後の耐湿性などの信頼性を高くすることができるという効果を奏する。
【0151】
また、無機膜と有機膜との界面で屈折率の違いから生じる光反射を低減することができるので、光の透過率を向上させることができ、輝度の高い液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 上記液晶表示装置における画素基板およびその上面の構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置における画素基板上の配線の様子を示す平面図である。
【図4】 上記画素基板およびその上面の構成を示す断面図である。
【図5】 上記液晶表示装置における、対向基板に形成される遮光層と、画素基板上の配線との位置関係を示す説明図である。
【図6】 本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示装置における画素基板およびその上面の構成を示す断面図である。
【図7】 本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示装置における画素基板およびその上面の構成を示す断面図である。
【図8】 上記画素基板上の配線の様子を示す平面図である。
【図9】 本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示装置における画素基板上の配線の様子を示す平面図である。
【図10】 上記液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図11】 上記画素基板上における配向膜形成処理工程の流れを示す説明図である。
【図12】 上記画素基板上における配向膜形成処理工程の他の流れを示す説明図である。
【図13】 上記画素基板上における配向膜形成処理工程のさらに他の流れを示す説明図である。
【図14】 上記画素基板上における配向膜形成処理工程のさらに他の流れを示す説明図である。
【図15】 本発明のさらに他の実施形態に係る液晶表示装置における対向基板上の配線の様子を示す平面図である。
【図16】 従来の液晶表示装置の概略構成を示す回路図である。
【図17】 従来の液晶表示装置におけるアクティブマトリクス基板のTFTの概略構成を示す断面図である。
【図18】 従来の他の液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
2 画素基板
3 対向基板
4 対向電極
5 走査線
6 基準信号線
8 スイッチング素子
9 画素電極
10 層間絶縁膜
11 ゲート絶縁膜
14 ソース配線

Claims (8)

  1. 画素基板と、
    上記画素基板との間に間隙をおいて対向して配置される対向基板と、
    上記画素基板と上記対向基板との間隙に挟持される液晶層と、
    上記画素基板上にマトリクス状に複数設けられた画素電極と、
    上記画素電極に対応して上記対向基板上に設けられた対向電極と、
    上記画素基板上において、上記画素電極同士の境界領域に、それぞれが互いに平行となるように一方向に配置された、複数の走査線および複数の基準信号線と、
    上記対向基板上において、上記対向電極に接続された信号線と、
    上記画素基板上において、上記走査線、上記基準信号線、および上記画素電極が各端子に接続された3端子型のスイッチング素子と、
    上記走査線および上記基準信号線の上面および上記画素基板上を覆い、該画素基板の表面の平坦化を行う層間絶縁膜とを備え、
    上記画素電極は、上記層間絶縁膜の上層に形成され、
    上記の各画素電極は、その側端部が、隣合う2本の走査線、あるいは隣合う2本の基準信号線に重畳するように形成されており、
    上記対向基板上に、1方向に連続して形成された複数の遮光層が設けられており、
    上記画素基板上あるいは上記対向基板上に少なくとも設けられた、複数色のフィルタを複数備えたカラーフィルタ層と、バックライト光源とをさらに備え、
    上記層間絶縁膜は、上記カラーフィルタ層の各色のフィルタの透過光波長領域における上記バックライト光源のピーク波長近傍の光の透過率が約85%以上、かつ、上記画素基板に垂直な方向の厚みが1〜2μmとなっていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 上記画素電極は、上記スイッチング素子に対して、直接、あるいは、上記画素電極を構成する材料と同一の材料からなる配線を介して接続されていることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置。
  3. 上記画素基板および上記対向基板において、上記液晶層に面する面に配向膜が形成され、
    上記の各画素電極上の配向膜は、該画素電極の内部領域の下層を通過している基準信号線あるいは走査線を境にして2つの配向領域に分割されており、それぞれの配向領域は、互いに異なる配向処理が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
  4. 上記の2つの配向領域のうち、一方の配向領域は、上下どちらか一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、もう一方の配向領域は、上下のもう一方の視角に対して表示が良好となるような配向処理が施されており、この両者の配向領域の面積比が6:4から19:1の範囲となるように設定されていることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置。
  5. 上記画素基板上において、上記各画素電極の全ての周辺部に重畳するように、遮光性を有する材料からなる配線が形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 上記画素基板上に形成された上記スイッチング素子のさらに上層に、画素基板の表面を平坦化するための遮光性の絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 上記対向電極は、各画素に対応した透明導電性材料から構成されており、上記信号線は、上記対向電極よりも幅の細い低抵抗の遮光性金属材料から構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 上記画素基板上に形成された上記走査線および上記基準信号線の周囲にのみ、無機材料からなる絶縁膜が設けられ、その他の領域においては、上記層間絶縁膜は、画素基板上に直接積層されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の液晶表示装置。
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