JP3756094B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に大豆を収穫する場合に使用されるコンバインで、詳しくは、脱穀装置の横側に、脱穀回収された穀粒を貯留する穀粒タンクを配備し、この穀粒タンクに貯留した穀粒をタンク底部の底スクリューによってタンク一端から送出した後、バケットコンベヤによって揚送し、揚送した穀粒を、横軸芯周りに起伏自在および縦軸芯周りに旋回自在な横送りコンベヤによって搬送して、その先端部の吐出口から排出するように構成したコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のコンバインでは、穀粒タンクと脱穀装置との間や脱穀装置に対するメンテナンスなどを行うために、穀粒タンクを縦軸芯周りで左右外方に回動させる構成が採られることがある。
【0003】
そのような場合、従来では、バケットコンベヤを穀粒タンクに連結して、穀粒タンクと一体に回動させるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記従来の技術によるときは、相当な重量のあるバケットコンベヤの重量も回動抵抗として作用するから、穀粒タンクに対する回動操作力として大きなものが必要となり、回動操作性が悪いものであった。
【0005】
本発明の目的は、穀粒タンクの回動操作性を向上する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明によるコンバインの特徴・作用・効果は次の通りである。
【0007】
〔特徴〕
脱穀装置の横側に、脱穀回収された穀粒を貯留する穀粒タンクを配備し、この穀粒タンクに貯留した穀粒をタンク底部の底スクリューによってタンク一端から送出した後、バケットコンベヤによって揚送し、揚送した穀粒を、横軸芯周りに起伏自在および縦軸芯周りに旋回自在な横送りコンベヤによって搬送して、その先端部の吐出口から排出するように構成したコンバインにおいて、
前記底スクリューの送出し終端部を前記穀粒タンクの壁面よりも外方に突出させ、この突出させた底スクリューの送出し終端部を出口ケースに収容するとともにこの出口ケースを穀粒タンクに固定連結する一方、前記出口ケースと前記バケットコンベヤにおける揚送ケースの下端部とを着脱自在に接続し、出口ケースと前記揚送ケースの下端部を接続した状態では出口ケースからバケットコンベヤにおける揚送ケースの下端部に穀粒を受渡すべく連通接続し、バケットコンベヤで揚送された穀粒を前記横送りコンベヤの受入れ口へ受渡すバケットコンベヤの穀粒落下筒を前記横送りコンベヤの旋回縦軸芯上に配設し、前記出口ケースを縦軸芯周りに回動自在に機体フレームに支持し、前記バケットコンベヤおよび前記横送りコンベヤを残したままで、前記出口ケースと前記バケットコンベヤとの接続部を離脱するとともに穀粒タンクを前記出口ケースと一体に該出口ケースの前記縦軸芯周りに回動可能に構成してある点にある。
【0008】
〔作用〕
バケットコンベヤおよび横送りコンベヤを残したまま穀粒タンクを底スクリューの送出し終端部を収容する出口ケースの縦軸芯周りに回動させるようにしてあるから、回動操作抵抗として作用する重量が穀粒タンクの重量のみとなり、穀粒タンクを回動させるために必要な回動操作力が軽減される。
【0009】
〔効果〕
従って、穀粒タンクの回動操作性を優れたものにできるようになった。
【0010】
【発明の実施の形態】
コンバインの一例である大豆コンバインは、図1、図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1を備えた機体フレームFの前部に、植立穀稈を掻き込んで刈り取った後集合させて後方に搬送する刈取部2を昇降自在に連結し、前記機体フレームFに、前記刈取部2から搬送されてくる刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置3とキャビン付きの搭乗運転部4と穀粒(大豆)回収装置とを搭載して構成されている。
【0011】
前記穀粒回収装置は、図3、図4にも示すように、前記脱穀装置3の右横側に配備して脱穀装置3から送られてくる脱穀回収大豆を貯溜する穀粒タンク5と、タンク底部の底スクリュー5aにより穀粒タンク5から後方に送出されてくる大豆を受け取って揚送するバケットコンベヤ6と、このバケットコンベヤ6で揚送されてきた大豆を受け取って搬送することでその先端部の吐出口7aから排出する横送りコンベヤ7とを備えている。
【0012】
前記穀粒タンク5は、図5にも示すように、底スクリュー5aにおける終端側に位置する縦軸芯P周りで定位置から左右外方に開放回動自在に支持されている。その支持手段は、穀粒タンク5に固定連結した底スクリュー5aの出口ケース8を縦軸芯P周りに回動自在に機体フレームFに支持させ、この出口ケース8に前記縦軸芯P上に位置する支柱9を支持させ、機体フレームFに立設されるとともに脱穀装置3に連結する起立フレーム10に上下二つのブラケット11を介して支柱9を倒れ止め保持させ、前記支柱9に穀粒タンク5をタンクブラケット12を介して倒れ止め保持させる手段である。5bは底スクリュー5aの入力プーリであり、13は、機体フレームFに形成の孔に挿入することにより前記穀粒タンク5を定位置に固定するピンであって、バネで挿入方向に移動付勢されている。
【0013】
前記バケットコンベヤ6は、図7、図9〜図13にも示すように、揚送ケース15に、チェーン16を介して一連の状態で回動駆動される複数のバケット17を内装して構成されている。18は前記底スクリュー5aを駆動源としてチェーン16、つまり、バケットコンベヤ6を駆動する駆動ベルトである。
【0014】
横送りコンベヤ7は、図8にも示すように、搬送始端部にバケットコンベヤ6から落下供給される大豆を受け入れる受入れ口19を形成するとともに搬送終端部に前記下方への吐出口7aを形成した搬送用の筒ケース20を設け、この筒ケース20内に、油圧モータ21により回動駆動される搬送ベルト22を巻回張設して構成されている。つまり、油圧モータ21で駆動される駆動ローラ22aとテンションローラ22bとにわたって搬送ベルト22を巻回して構成されたベルトコンベヤを筒ケース20に内装した構造に形成されている。
【0015】
前記筒ケース20には、図14にも示すように、前記搬送ベルト22のうち搬送径路部分を摺動自在に支持する支持体23が搬送径路のほぼ全長にわたる状態で内装されている。
【0016】
前記搬送ベルト22には、搬送大豆の搬送方向での移動を規制する複数の移動規制板24が搬送方向に設定間隔を隔てて付設されている。
【0017】
そして、横送りコンベヤ7は、横軸芯X周りに起伏揺動自在に前記支柱9の上端に装着され、油圧シリンダ34を介して起伏駆動されるようになっている。
【0018】
かつ、前記横送りコンベヤ7は、図2〜図4、図6に示すように、前記縦軸芯Pの延長線上に配置する縦軸芯Y周りに旋回自在に構成されている。
横送りコンベヤ7を旋回自在に支持する手段は、前記ブラケット11、タンクブラケット12、出口ケース8に対して前記支柱9を縦軸芯Y周りに揺動自在にする手段である。つまり、支柱9を横送りコンベヤ7の旋回用の支軸としてある。
横送りコンベヤ7を旋回駆動する手段は、図3に示すように、前記起立フレーム10に、前記支柱9に装着した大径ギヤ25に噛み合い連動する小径駆動ギヤ26と、この小径駆動ギヤ26を回転駆動する電動モータ27とを設けて構成されている。
【0019】
そして、前記バケットコンベヤ6は、図2〜図6に示すように、前記縦軸芯Yよりも脱穀装置3側に設置されており、かつ、底スクリュー5aの終端部とバケットコンベヤ6の下端部との距離L1よりも、バケットコンベヤ6の上端部と前記横送りコンベヤ7の始端部との距離L2が大きくなるように、バケットコンベヤ6の上部が下部よりも脱穀装置3側に近づく傾斜姿勢でバケットコンベヤ6が機体フレームFに立設されている。
従って、この構成によれば、バケットコンベヤ6が縦軸芯Y、つまり、横送りコンベヤ7の始端部よりも脱穀装置3側に設置されているから、図6に示すように、バケットコンベヤ6で邪魔されることなく横送りコンベヤ7を右側において自由に旋回させることができる。しかも、底スクリュー5aの終端部とバケットコンベヤ6の下端部との距離L1を小さくして底スクリュー5aの終端部からバケットコンベヤ6の下端部への穀粒受渡し通路Aを短いものにしてあるから、穀粒受渡しの確実性を増して詰まりなど少なく穀粒を底スクリュー5aの終端部からバケットコンベヤ6の下端部への穀粒受渡しを円滑・良好に行うことができる。その上、バケットコンベヤ6の上端部と横送りコンベヤ7の始端部との距離L2を大きくしてあるから、例えば、距離L2を小さく設定する場合に比較して、左旋回及び右旋回において横送りコンベヤ7がバケットコンベヤ6に干渉するまでの旋回量を大きくすることができ、その結果、横送りコンベヤ7の旋回範囲θを大きくすることができる。
そして、タンクブラケット12に対して支柱9が縦軸芯Y(P)周りに揺動自在であるから、図5に示すように、バケットコンベヤ6及び横送りコンベヤ7を残したままで穀粒タンク5のみを単独に縦軸芯P周りに回動させることができるようになっている。
バケットコンベヤ6の受入れ口19への穀粒落下筒6aは、横送りコンベヤ7の起伏揺動にかかわらず受入れ口19への挿入状態を保持するように構成されている。図7中二点鎖線で示すように、穀粒落下筒6a内に布やウレタンなどからなる緩衝体Sを設置して実施しても良い。
【0020】
前記底スクリュー5aの出口ケース8とバケットコンベヤ7における揚送ケース15の下端部28との接続部は、図9〜図12に示すように、穀粒タンク5が定位置に位置する状態では前記穀粒受渡し通路Aを形成するように連通接続し、穀粒タンク5が横外方に開放回動した状態では分離するものであって、具体的には、前記出口ケース8に、穀粒タンク5の開放回動を許容する状態で穀粒タンク5の定位置への回動に伴い前記下端部28に回動方向で対向する状態で形成した一対の側壁部28aに回動方向から接当重合する一対の側壁部8aを形成してある。なお、出口ケース8の側壁部8aの接当重合面にはシート部材29が付設されている。また、前記穀粒受渡し通路Aの底面は山形に形成されており、この山形底面の頂部に、前記出口ケース8と下端部28との接合位置が設定されている。つまり、底面のうち出口ケース8から形成される出口ケース底面部分30は、頂部から底スクリュー5a終端側への下り傾斜面に構成され、下端部28から形成される下端部底面部分31は、頂部からバケットコンベヤ7下端への下り傾斜面に構成されている。5cは、底スクリュー5aの終端部に付設した穀粒受渡し通路A側への穀粒放出羽根である。
【0021】
そして、穀粒回収装置は、漏れ出し大豆回収手段を備えている。
【0022】
前記漏れ出し大豆回収手段は、図3、図8、図11、図12に示すように、前記支柱9を中空構造に形成してその上端を横送りコンベヤ7の搬送始端部に連通させる一方、下端を前記出口ケース8に連通させることで、支柱9の内部を、バケットコンベヤ6から横送りコンベヤ7の搬送始端部に落下供給された大豆のうち搬送ベルト22上に載らなかった大豆を底スクリュー5aの終端部、つまり、出口ケース8内に落下回収させる穀粒回収通路Bに構成する手段である。前記横送りコンベヤ7の筒ケース20には、図8に示すように、横送りコンベヤ7の起伏揺動にかかわらず穀粒回収通路Bの上端開口への挿入状態を維持する排出ホッパー部20aが形成されている。かつ、漏れ出し大豆回収手段は、掻き出し機構を備えている。
【0023】
前記掻き出し機構は、図8、図13、図14に示すように、前記支持体23の終端よりも搬送下手側で搬送ベルト22と筒ケース20の側面との間を通して搬送部から搬送ベルト22の巻回ループ内に侵入して戻り径路側の搬送ベルト部分の内面に載置される状態で搬送始端側に移動する大豆を、戻り径路側の搬送ベルト部分と筒ケース20の底面との間の空間に導く機構であって、筒ケース20のうち搬送始端近くの箇所に、巻回ループ内と前記空間とを連通させる左右一対の落下通路32を膨出形成し、移動してきた大豆を前記落下通路32に案内するスクレーパ33を筒ケース20に取り付けて構成されている。そして、落下通路32から筒ケース20の底面に落下した大豆は、前記移動規制板24により押圧されて排出ホッパー部20aまで移送され穀粒回収通路Bに回収されるのである。
【0024】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、穀粒タンク5回動用の縦軸芯Pと横送りコンベヤ7旋回用の縦軸芯Yとを合致させたが、合致させずに実施しても良い。
【0025】
上記実施の形態では、大豆コンバインを示したが、本発明は、稲、麦、蕎麦など各種穀粒を収穫するコンバインに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図
【図2】 コンバインの平面図
【図3】 穀粒回収装置の側面図
【図4】 穀粒回収装置の背面図
【図5】 穀粒タンク回動状態の平面図
【図6】 横送りコンベヤ旋回状態の平面図
【図7】 バケットコンベヤ上部の縦断面図
【図8】 横送りコンベヤの縦断側面図
【図9】 接続部の連通接続状態の横断平面図
【図10】 接続部の分離状態の横断平面図
【図11】 接続部の連通接続状態の縦断背面図
【図12】 接続部の分離状態の縦断背面図
【図13】 掻き出し機構の横断平面図
【図14】 掻き出し機構の縦断正面図
【符号の説明】
3 脱穀装置
5 穀粒タンク
5a 底スクリュー
6 バケットコンベヤ
Y 縦軸芯
7 横送りコンベヤ
7a 吐出口
P 縦軸芯

Claims (1)

  1. 脱穀装置(3)の横側に、脱穀回収された穀粒を貯留する穀粒タンク(5)を配備し、この穀粒タンク(5)に貯留した穀粒をタンク底部の底スクリュー(5a)によってタンク一端から送出した後、バケットコンベヤ(6)によって揚送し、揚送した穀粒を、横軸芯(X)周りに起伏自在および縦軸芯(Y)周りに旋回自在な横送りコンベヤ(7)によって搬送して、その先端部の吐出口(7a)から排出するように構成したコンバインにおいて、
    前記底スクリュー(5a)の送出し終端部を前記穀粒タンク(5)の壁面よりも外方に突出させ、この突出させた底スクリュー(5a)の送出し終端部を出口ケース(8)に収容するとともにこの出口ケース(8)を穀粒タンク(5)に固定連結する一方、前記出口ケース(8)と前記バケットコンベヤ(6)における揚送ケース(15)の下端部(28)とを着脱自在に接続し、出口ケース(8)と前記揚送ケース(15)の下端部(28)を接続した状態では出口ケース(8)からバケットコンベヤ(6)における揚送ケース(15)の下端部(28)に穀粒を受渡すべく連通接続し、バケットコンベヤ(6)で揚送された穀粒を前記横送りコンベヤ(7)の受入れ口(19)へ受渡すバケットコンベヤ(6)の穀粒落下筒(6a)を前記横送りコンベヤ(7)の旋回縦軸芯(Y)上に配設し、前記出口ケース(8)を縦軸芯(P)周りに回動自在に機体フレーム(F)に支持し、前記バケットコンベヤ(6)および前記横送りコンベヤ(7)を残したままで、前記出口ケース(8)と前記バケットコンベヤ(6)との接続部を離脱するとともに穀粒タンク(5)を前記出口ケース(8)と一体に該出口ケース(8)の前記縦軸芯(P)周りに回動可能に構成してあるコンバイン。
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