JP3755433B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子金具を抜止めするためのリテーナを備えたコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
端子金具を抜止めするためのリテーナを備えたコネクタとしては、従来、実開昭61−90174号公報に開示されているものがある。これは、端子金具が挿入されるハウジング内に、弾性撓み可能なランスを端子金具の挿入空間に臨むように形成するとともに、ランスの撓み空間を形成したものであり、端子金具の挿入途中ではランスが撓み空間内へ弾性撓みすることで端子金具の挿入経路外へ退避し、端子金具が正規挿入されると、弾性復帰したランスが端子金具に係止することでその端子金具を抜止め状態にする。
【0003】
端子金具を挿入した後、ハウジングにはリテーナが組み付けられ、組付けに伴ってリテーナの撓み規制部が撓み空間内に差し込まれる。これにより、ランスの撓み空間側への弾性撓み即ち端子金具から解離する方向への弾性撓みが規制され、もって、端子金具が二重係止状態とされるようになっている。
また、端子金具が半挿入状態のときには、ランスが撓み空間内に進出した状態のままであるため、リテーナをハウジングに組み付けようとしても、撓み規制部がランスと干渉するために撓み空間内へ進入することができず、リテーナのハウジングへの組付けも規制される。即ち、ハウジングに対するリテーナの組付けが可能か否かに基づいて端子金具の挿入状態を検知することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のコネクタは、端子金具をランスの直接係止による抜止め手段とは別に二重係止状態で抜止めするとともに、端子金具の挿入状態を検知するための手段として、ランスの撓み空間に進入する撓み規制部を用いていただけであった。そのため、コネクタの小型化を図る目的で撓み規制部を薄肉化した場合には、撓み空間の高さ及びランスの撓み代、即ちランスと端子金具との係止代が小さくなり、抜止め機能の信頼性が低下する虞がある。また、薄肉化した撓み規制部は強度が低下するため、破損し易くなり、その結果、端子金具の半挿入検知機能が損なわれる虞がある。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、リテーナによる端子金具の抜止め機能及び半挿入検知機能の信頼性向上を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内部に、キャビティと、ランスと、前記キャビティの上方に配されて一部が前記ランスの撓み空間となっているリテーナ収容空間とが形成されているハウジングと、前記キャビティに挿入される前後方向に細長い端子金具と、前記ハウジングに組み付けられ、前記リテーナ収容空間に収容される板状のリテーナ本体部を有するリテーナとを備えて構成され、前記端子金具の挿入途中では、前記ランスが前記撓み空間内へ弾性撓みすることで前記端子金具の挿入経路外へ退避し、前記端子金具が正規挿入位置に達すると、弾性復帰した前記ランスが前記端子金具に係止することでその端子金具が抜止め状態とされるようにしたコネクタにおいて、前記リテーナ本体部には、前記撓み空間内に進入して前記ランスの弾性撓みを規制することで前記端子金具を抜止状態にする第1抜止め部と、前記端子金具に対して直接的に係止することでその端子金具を抜止めする第2抜止め部とが形成されている構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、複数の前記端子金具が並列して挿入されるようになっており、各端子金具とその端子金具に係止される前記ランスとそのランスが弾性撓みする前記撓み空間との並び方向が、前記複数の端子金具の並び方向と直交する方向とされている構成とした。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ハウジングに対する前記リテーナの組付け方向が、複数の前記端子金具の並列方向と平行な向きとされている構成とした。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記ハウジングに組み付けられた前記リテーナは、前記第1抜止め部を前記撓み空間外へ退避させるとともに前記第2抜止め部を前記端子金具の挿入経路外へ退避させることで、前記ハウジングに対する前記端子金具の挿入動作を許容する仮係止位置と、前記撓み空間に前記第1抜止め部を進入させるとともに前記第2抜止部を挿入済の前記端子金具に係止させることで、前記端子金具を抜止め状態に保持する本係止位置との間での移動を可能とされている構成とした。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明において、前記リテーナには、前記端子金具に対し前記第2抜止部とは反対側から係止することでその端子金具を前止まり状態とする前止まり部が、前記第2抜止部と一体的に形成されている構成とした。
【0010】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
端子金具が正規挿入されたときには、第1抜止め部が撓み空間内に進入してランスの端子金具から解離する方向への弾性撓みを規制するとともに、第2抜止め部が端子金具に直接的に係止するので、端子金具は第1抜止め部と第2抜止め部との2つ抜止め部によって確実に抜止めされる。
【0011】
また、端子金具が半挿入のときには、第1抜止め部が撓み空間内へ進出しているランスと干渉するとともに、第2抜止め部が端子金具と干渉するので、ハウジングに対するリテーナの組付け動作が規制され、これによって、端子金具が半挿入状態であることが判る。
リテーナには、第1抜止め部と第2抜止め部との2つの抜止め部が設けられているので、たとえコネクタの小型化などのためにいずれか一方の抜止め部を狭小化した場合でも、もう一方の抜止め部によって端子金具を確実に抜止めすることができるとともに、確実に半挿入検知を行うことができる。
【0012】
[請求項2の発明]
各端子金具とその端子金具に係止されるランスとそのランスの撓み空間とが、複数の端子金具の並び方向と直交する方向に並んでいるので、並列する端子金具のピッチを狭めても撓み空間が狭められることはなく、この撓み空間に進入される第1抜止め部を薄肉化する必要もない。したがって、端子金具の並列ピッチを小さくすることに起因して第1抜止め部による抜止め機能と半挿入検知機能が低下する虞はない。
【0013】
[請求項3の発明]
ハウジングに対するリテーナの組付け方向が、複数の端子金具の並列方向と平行な向きとされているので、その並列する複数の端子金具を1つの段とする多段構造とすることが可能となる。
[請求項4の発明]
端子金具の挿入現場へハウジングとリテーナを入荷する際には、ハウジングに対してリテーナを仮係止位置に組み付けておくことができるので、入荷の際の部品管理を簡素化することが可能となる。
【0014】
[請求項5の発明]
端子金具に対し挟むように係止する第2係止部と前止まり部とを一体的に形成しているので、たとえリテーナがハウジングに対してガタ付きを生じたとしても、前止まり部と抜止め部との間隔は変動しない。したがって、端子金具がリテーナに対して挿抜方向へ遊動することが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図22を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のハウジング10と、端子金具30と、合成樹脂製のリテーナ40とを備えて構成されている。尚、以下の説明において、前後方向については図4〜図8における左側を前側とし、左右方向については図4及び図5における下側を左側とし(図1〜図3の正面図においては左右逆となる)、上下方向については図1〜図3、図6及び図7を基準とする。
【0016】
ハウジング10内には、隔壁11によって仕切られた複数のキャビティ12が左右に並んで形成され、各キャビティ12には、夫々、ランス13が形成されている。ランス13は、キャビティ12の底面から立ち上がる隔壁11の上端間の橋梁部14から前方へ片持ち状に延出する形態であって、上下方向への弾性撓みが可能となっている。かかるランス13の上面における左側縁には、リテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向(左右方向)と、ランス13の弾性撓み方向(上下方向)の両方向に対して斜め方向とされたガイド斜面15が形成されている(図19〜図22を参照)。
【0017】
ハウジング10内におけるキャビティ12及びランス13の上方には、キャビティ12に連通するとともに、ハウジング10の左側面及びハウジング10の前面に開口するリテーナ収容空間16が形成されている。このリテーナ収容空間16のうち、各ランス13の真上の領域は、端子金具30の挿入途中においてランス13が端子金具30の挿入経路外(上方)へ退避するように弾性撓みすることを許容するための撓み空間17とされている。また、リテーナ収容空間16の天井面の後端部位置には、左右方向に延びるガイドリブ18が形成され、天井面の前端部位置には、係止段部19と係止突起20が形成されている。
【0018】
端子金具30は、前後方向に細長く、その略前半部分が角筒部31とされているとともに、後端部が電線接続部32とされている。角筒部31は前方に開放され、その内部には、相手側コネクタ(図示せず)の雄端子金具のタブ(図示せず)との接続を行うための弾性接触片(図示せず)が設けられている。この角筒部31の上面壁には、ランス13と係止する一次係止部33が、その上面壁の一部を前方から見て略半円状をなすように叩き出すことによって形成されている。また、角筒部31の上面壁の後端縁は、リテーナ40と係止する二次係止部34となっており、この二次係止部34の左端部(図4,図5,図19〜図22における下端部)には、ハウジング10に対する端子金具30の挿入・脱抜方向(前後方向)とハウジング10に対するリテーナ40の組付け方向(左右方向)の両方向に対して斜めをなす誘導斜面35が形成されている。尚、電線接続部32には電線36が圧着により接続されている。
【0019】
リテーナ40は、リテーナ収容空間16及び撓み空間17内に嵌入される板状のリテーナ本体部41と、このリテーナ本体部41の前端縁から下方へ延出する略方形の前面壁42(本発明の構成要件である前止まり部)と、リテーナ本体部41の左側端縁から下方へ延出する左面壁43とから構成される。
かかるリテーナ40は、ハウジング10の左側方からリテーナ収容空間16内に嵌入され、仮係止位置(図2、図4,図13,図14,図19、図20を参照)と本係止位置(図3,図5,図15,図22を参照)との間で左右方向に変位可能となっている。リテーナ40が移動する際には、リテーナ本体部41の上面後端部のガイド溝44とハウジング10のガイドリブ18との嵌合により、リテーナ40が前後方向への遊動を規制された状態でガイドされるとともに、前面壁42がハウジング10の前端面の開口縁に摺接することにより、リテーナ40が上下方向への遊動を規制される。
【0020】
リテーナ40が仮係止位置にある状態では、リテーナ本体部41の上面前端部の第1係止突起45と第2係止突起46が、夫々、ハウジング10の係止突起20の左面と係止段部19とに係止することで、リテーナ40はハウジング10に対して左右方向への遊動(ハウジング10から左方へ抜ける方向の遊動及び本係止位置へ向かう右方への遊動)を規制されている。また、リテーナ40が本係止位置に変位した状態では、第1係止突起45が係止突起20の右面に係止するとともに、前面壁42の右側縁がハウジング10の遊動規制部21の左面に係止することにより、リテーナ40は左右方向への遊動を規制される。
【0021】
リテーナ本体部41には、リテーナ40が仮係止位置にあるときに撓み空間17と重なるように位置することでランス13の上方(端子金具30の一次係止部33から解離して撓み空間17内に進出する方向)への弾性撓みを許容する逃がし空間47が、リテーナ本体部41の上下両面間を貫通する孔状をなすように、且つ左右方向(リテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間での移動方向)に並んで複数形成されている。そして、リテーナ本体部41のうち、隣り合う逃がし空間47の間の梁状の部分は、前後方向に細長く且つ前後両端部がリテーナ本体部41に支持(連結)された形態の第1抜止め部48とされている。この第1抜止め部48は、リテーナ40が仮係止位置にある状態では、撓み空間17から左方へ外れることでランス13の撓み空間17への弾性撓みを許容するとともに、リテーナ40が本係止位置にあるときには撓み空間17内に進出してランス13に対して上から当接し、もってランス13の撓み空間17側への弾性撓みを規制するようになっている。また、この第1抜止め部48の下端には、その右側縁(リテーナ40が仮係止位置にあるときに、ランス13の上面左側縁のガイド斜面15と対応する縁部)をテーパ状に切欠した形態のガイド斜面49が形成されている(図13〜図18を参照)。このリテーナ40のガイド斜面の傾斜方向は、ランス13のガイド斜面15と同じく、リテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向(左右方向)と、ランス13の弾性撓み方向(上下方向)の両方向に対して斜めとなる方向である。
【0022】
さらに、リテーナ本体部41の下面には、リテーナ40が仮係止位置にあるときには端子金具30の挿入経路(キャビティ12)から左方へ外れるとともに、リテーナ40が本係止位置にあるときには端子金具30の挿入経路内に進出してその端子金具30の二次係止部34に対して後方から直接的に係止する段差状の第2抜止め部50が形成されている。また、この第2抜止め部50の前面における右側縁(リテーナ40が仮係止位置にある状態で端子金具30の誘導斜面35と対応する縁部)には、リテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向(左右方向)と、端子金具30の挿抜方向(前後方向)の両方向に対して斜め方向の誘導斜面51が形成されている(図19〜図22を参照)。
【0023】
前面壁42は、端子金具30の前端面に対し第2抜止め部50とは正反対である前方から係止するようにしたものであって、換言すると、端子金具30を後方から突き当てさせるようにしたものであって、端子金具30は正規挿入位置に達したところで前面壁42に突き当たり、これによって端子金具30はそれ以上の挿入を規制された前止まり状態とされる。この前面壁42の後端面(端子金具30が突き当たる面)と第2抜止め部50における端子金具30の二次係止部34への係止面(前端面)との間の前後方向の寸法は、端子金具30の前端面からその二次係止部34におけるリテーナ40との係止面(後端面)までの寸法と同じか、それよりも僅かに大きい寸法に設定されている。また、前面壁42は、リテーナ40が仮係止位置から本係止位置に至る移動領域内のいずれの位置にあっても、端子金具30の挿入経路の前端に位置しており、端子金具30が必ず突き当たるようになっている。さらに、前面壁42の後面はリテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向と平行な平坦面とされている。
【0024】
尚、前面壁42には、リテーナ40が仮係止位置にあるときにはハウジング10内の端子金具30に対して左方へ外れ、リテーナ40が本係止位置にあるときにはハウジング10内の端子金具30と対応する方形のタブ孔52が形成されている。同じく前面壁42には、リテーナ40が仮係止位置にあるときには左右方向においてランス13と対応するように位置し、リテーナ40が片係止位置にあるときにはランス13に対して右方へ外れる方形の治具差込孔53が形成されている。
【0025】
本実施形態のコネクタの組付けに際しては、まず、ハウジング10に対してリテーナ40を仮係止位置に組み付けておく。この状態では、リテーナ40の第2抜止め部50が端子金具30の挿入経路から左方へ外れた位置にあるので、キャビティ12に対する端子金具30の挿入が許容される。また、リテーナ40の第1抜止め部48がランス13に対して左方へ外れた位置にあるとともに逃がし空間47が撓み空間17と重なってランス13の真上に位置するため、ランス13の上方(端子金具30の挿入経路から外れて撓み空間17へ進出する方向)への弾性撓みが許容される。
【0026】
この状態から各キャビティ12に端子金具30を挿入すると、挿入の途中では、ランス13が角筒部31の上面壁の一次係止部33と干渉することによって上方へ弾性撓みさせられ、撓み空間17及び逃がし空間47内に進出する。そして、端子金具30がその前端面をリテーナ40の前面壁42に突き当てる正規挿入位置に達すると、弾性復帰したランス13が一次係止部33に対して後方から係止する状態となり、もって、ランス13が端子金具30を抜止めする。
【0027】
次に、リテーナ40を仮係止位置から本係止位置へ押し込むと、リテーナ40の第2抜止め部50が端子金具30の二次係止部34に対して後方から係止する状態となり、リテーナ40による端子金具30の抜止めが行われる。また、リテーナ40が本係止位置に移動するのに伴い、リテーナ40の第1抜止め部48が撓み空間17内に進入してランス13に対して上から係止し、リテーナ40がランス13の上方への弾性変位を規制する。これにより、リテーナ40がランス13を介して端子金具30を抜止めする状態となる。以上により、端子金具30が三重の係止状態となって確実に抜止めされる。
【0028】
リテーナ40を本係止位置に移動した状態では、前面壁42のタブ孔52とハウジング10内の端子金具30とが対応し、本実施形態のコネクタを相手側コネクタ(図示せず)と嵌合させると、相手側端子のタブ(図示せず)がタブ孔52を貫通して角筒部31内に進入し、端子金具30と接続する。
また、ハウジング10から端子金具30を抜き取る際には、まず、リテーナ40を本係止位置から仮係止位置へ移動させ、ランス13に逃がし空間47を対応させてそのランス13の弾性撓みを許容する状態とし、第2抜止め部50を端子金具30の移動経路の外へ退避させ、治具差込孔53をランス13と対応させる。そして、この治具差込孔53に差し込んだ細長い治具(図示せず)により、ランス13を、持ち上げるように変位させて端子金具30の一次係止部33から外し、その状態を保ったままで、電線36を摘んで端子金具30を後方へ引き抜けばよい。
【0029】
本実施形態は次のような作用、効果を奏する。
本実施形態のコネクタにおいては、端子金具30が正規挿入されたときには、第1抜止め部48が撓み空間17内に進入してランス13の端子金具30から解離する方向への弾性撓みを規制するとともに、第2抜止め部50が端子金具30に直接的に係止するので、端子金具30は第1抜止め部48と第2抜止め部50との2つ抜止め部によって確実に抜止めされる。また、端子金具30が半挿入状態(端子金具30の誘導斜面35がリテーナ40の誘導斜面51よりも後方へずれいてる状態)のときには、一次係止部33との干渉によって撓み空間17内へ弾性撓みしているランス13に対し、リテーナ40の第1抜止め部48が側方から干渉するとともに、第2抜止め部50が端子金具30の角筒部31に対して側方から干渉するので、ハウジング10に対するリテーナ40の組付け動作が規制され、これによって、端子金具30が半挿入状態であることが判る。このように、リテーナ40には、第1抜止め部48と第2抜止め部50との2つの抜止め部が設けられているので、たとえコネクタの小型化などのためにいずれか一方の抜止め部を狭小化した場合でも、もう一方の抜止め部によって端子金具30を確実に抜止めすることができるとともに、確実に半挿入検知を行うことができるようになっている。
【0030】
また、各端子金具30とその端子金具30に係止されるランス13とそのランス13が弾性撓みする撓み空間17との並び方向(上下方向)が、複数の端子金具30の並び方向である左右方向に対して直交する方向とされているので、並列する端子金具30のピッチを狭めても撓み空間17が狭められることはなく、この撓み空間17に進入されるリテーナ40の第1抜止め部48を薄肉化する必要もない。したがって、端子金具30の並列ピッチを小さくすることに起因して第1抜止め部48による抜止め機能と半挿入検知機能が低下する虞はない。
【0031】
また、ハウジング10に対するリテーナ40の組付け方向が、複数の前記端子金具30の並列方向(左右方向)と平行な向きとされているので、その並列する複数の端子金具30を1つの段とする多段構造(本実施形態では単段構造である)とすることが可能となっている。
また、ハウジング10に組み付けられたリテーナ40は、端子金具30の挿入を許容する仮係止位置と、端子金具30を抜止めする本係止位置との間での移動を可能とされているので、端子金具30の挿入現場へハウジング10とリテーナ40を入荷する際には、ハウジング10に対してリテーナ40を仮係止位置に組み付けておくことができる。したがって、入荷の際の部品管理を簡素化することが可能となっている。
【0032】
本実施形態のコネクタにおいては、リテーナ40に、端子金具30に対して後方から係止することでその端子金具30を抜止め状態とする第2抜止め部50と、端子金具30を後方から当接させることでその端子金具30を前止まり状態とする前面壁42とを一体的に形成しているので、たとえリテーナ40がハウジング10に対してガタ付きを生じたとしても、前面壁42と第2抜止め部50との前後方向の間隔は変動しない。したがって、端子金具30がリテーナ40に対して挿抜方向へ遊動することが防止される。
【0033】
また、前面壁42は、リテーナ40が仮係止位置から本係止位置に至るいずれの位置にあっても、端子金具30が当接し得る形態とされ、その前面壁42の後面(端子金具30が突き当たる面)は、リテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向と平行な平坦面とされている。したがって、リテーナ40を仮係止位置から本係止位置へ移動させる際には、前面壁42と既に前面壁42に当接されている端子金具30とが摺接するようになり、リテーナ40の移動に伴って前面壁42と端子金具30とが引っ掛かりを生じることがない。
【0034】
また、リテーナ40の第2抜止め部50と端子金具30の二次係止部34の双方には、リテーナ40の仮係止位置から本係止位置へ移動方向に対して斜め方向の誘導斜面35,51が形成されている。したがって、リテーナ40を仮係止位置から本係止位置へ移動させる際に、端子金具30が前面壁42への突き当たり位置(正規挿入位置)よりも後方へ位置ずれしていても(図20を参照)、互いに当接した誘導斜面35,51同士の傾斜により(図21を参照)、リテーナ40の移動に伴って端子金具30が前方へ押されて前面壁42に当接する所定の前止まり位置に至る(図22を参照)。つまり、リテーナ40の本係止位置への押し込み操作に際して、リテーナ40と端子金具30との間で引っ掛かり生じることない。
【0035】
本実施形態のコネクタにおいては、ランス13と第1抜止め部48の双方に、ランス13の弾性撓み方向(上下方向)とリテーナ40の仮係止位置と本係止位置との間の移動方向(前後方向)の両方向に対して斜めをなすガイド斜面15,49を形成している。したがって、リテーナ40が仮係止位置から本係止位置側へ位置ずれした状態では第1抜止め部48の一部が撓み空間17内に進入してランス13の上方に位置した場合(図16に実線で示す)には、ランス13が端子金具30との干渉によって上方へ弾性撓みする過程で、図17に示すように、ランス13のガイド斜面15が第1抜止め部48のガイド斜面49に当接し、その後は、両ガイド斜面15,49の傾斜により、ランス13の上動に伴って第1抜止め部48(リテーナ40)がランス13の上方にラップする位置(図18に鎖線で示す)からランス13の側方へ外れる正規の仮係止位置(図18に実線で示す)へ押動され。。つまり、ランス13は、ガイド斜面15,49を介して第1抜止め部48と摺接しつつ撓み空間17へ弾性撓みすることができるのであって、これにより、端子金具30を支障なく挿入させることができる。
【0036】
また、リテーナ40のリテーナ本体部41には、リテーナ40が仮係止位置にあるときに撓み空間17と重なるように位置することでランス13の弾性撓みを許容する複数の逃がし空間47が形成されているが、この逃がし空間47はリテーナ本体部41を貫通する孔状に開口して形成されているので、逃がし空間47を凹部状とした場合に比べると、リテーナ本体部41の板厚を薄くすることが実現されている。
【0037】
また、逃がし空間47を貫通孔状としたことによって、隣り合う逃がし空間47の間の第1抜止め部48は梁状となるのであるが、その梁の形態は両端をリテーナ本体部41に支持された両端支持形態なので、第1抜止め部48の強度が確保されている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0038】
(1)上記実施形態では端子金具とその端子金具に係止されるランスとが、端子金具の並列方向と直交する方向に並ぶようにしたが、本発明は、端子金具とその端子金具に係止されるランスとが、端子金具の並列方向と平行に並ぶように、換言すると隣り合う端子金具の間にランスと撓み空間とが配置される場合にも適用することができる。
(2)上記実施形態ではハウジングに対するリテーナの組付け形態を端子金具の挿入方向に対して直交する方向へ直線的に移動させるようにしたが、本発明によれば、ハウジングに対してリテーナを前方から(端子金具の挿入方向と平行な方向に)組み付けて仮係止位置とし、仮係止位置と本係止位置との間ではリテーナを側方(端子金具の挿入方向と直交する方向)へ移動させるようにしてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態ではハウジングに対するリテーナの組付け方向を端子金具の並列方向と平行としたが、本発明によれば、リテーナの組付け方向を、端子金具の並列方向及び端子金具の挿入方向との両方向に対して直交する方向としてもよい。
(4)上記実施形態ではハウジングに組み付けたリテーナが端子金具の挿入を許容する仮係止位置と端子金具を抜け止めする本係止位置との間で移動するようにしたが、本発明によれば、リテーナが仮係止位置と本係止位置との間で移動せず、ハウジングに対するリテーナの組付け位置は、端子金具を抜止めする本係止位置のみとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1においてリテーナをハウジングから外した状態の正面図
【図2】ハウジングに対しリテーナを仮係止位置に組み付けた状態の正面図
【図3】ハウジングに対しリテーナを本係止位置に組み付けた状態の正面図
【図4】ハウジングに対しリテーナを仮係止位置に組み付けた状態の水平断面図
【図5】ハウジングに対しリテーナを本係止位置に組み付けた状態の水平断面図
【図6】ハウジングに端子金具を正規挿入した状態の縦断面図
【図7】端子金具の挿入途中の状態の縦断面図
【図8】ハウジングの側面図
【図9】リテーナの斜視図
【図10】リテーナの平面図
【図11】リテーナの底面図
【図12】図10のX−X線断面図
【図13】端子金具の挿入途中におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図14】正規挿入された端子金具にランスが係止している状態におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図15】第1抜止め部がランスの弾性撓みを規制した状態におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図16】リテーナが仮係止位置から本係止位置側へ位置ずれした状態におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図17】リテーナが仮係止位置から本係止位置側へ位置ずれし、ランスの弾性撓みの途中でガイド斜面同士が当接している状態におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図18】リテーナが仮係止位置から本係止位置側へ位置ずれし、ランスの弾性撓みの途中でガイド斜面の傾斜によりランスが第1抜止め部を仮係止位置側へ押動した状態におけるランスと第1抜止め部の位置関係をあらわす横断面図
【図19】端子金具が正規挿入されているとともにリテーナが仮係止位置にある状態をあらわす部分拡大水平断面図
【図20】端子金具が半挿入の状態をあらわす部分拡大水平断面図
【図21】半挿入の端子金具の誘導斜面に対し、リテーナが仮係止位置から本係止位置へ移動する途中でその誘導斜面を当接させた状態をあらわす部分拡大水平断面図
【図22】誘導斜面の傾斜により、リテーナが半挿入の端子金具を正規挿入位置へ押動するとともに本係止位置へ移動した状態をあらわす部分拡大水平断面図
【符号の説明】
10…ハウジング
13…ランス
17…撓み空間
30…端子金具
40…リテーナ
42…前面壁(前止まり部)
48…第1抜止部
50…第2抜止部

Claims (5)

  1. 内部に、キャビティと、ランスと、前記キャビティの上方に配されて一部が前記ランスの撓み空間となっているリテーナ収容空間とが形成されているハウジングと、
    前記キャビティに挿入される前後方向に細長い端子金具と、
    前記ハウジングに組み付けられ、前記リテーナ収容空間に収容される板状のリテーナ本体部を有するリテーナとを備えて構成され、
    前記端子金具の挿入途中では、前記ランスが前記撓み空間内へ弾性撓みすることで前記端子金具の挿入経路外へ退避し、
    前記端子金具が正規挿入位置に達すると、弾性復帰した前記ランスが前記端子金具に係止することでその端子金具が抜止め状態とされるようにしたコネクタにおいて、
    前記リテーナ本体部には、前記撓み空間内に進入して前記ランスの弾性撓みを規制することで前記端子金具を抜止状態にする第1抜止め部と、前記端子金具に対して直接的に係止することでその端子金具を抜止めする第2抜止め部とが形成されていることを特徴とするコネクタ。
  2. 複数の前記端子金具が並列して挿入されるようになっており、各端子金具とその端子金具に係止される前記ランスとそのランスが弾性撓みする前記撓み空間との並び方向が、前記複数の端子金具の並び方向と直交する方向とされていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記ハウジングに対する前記リテーナの組付け方向が、複数の前記端子金具の並列方向と平行な向きとされていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングに組み付けられた前記リテーナは、
    前記第1抜止め部を前記撓み空間外へ退避させるとともに前記第2抜止め部を前記端子金具の挿入経路外へ退避させることで、前記ハウジングに対する前記端子金具の挿入動作を許容する仮係止位置と、
    前記撓み空間に前記第1抜止め部を進入させるとともに前記第2抜止部を挿入済の前記端子金具に係止させることで、前記端子金具を抜止め状態に保持する本係止位置との間での移動を可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記リテーナには、前記端子金具に対し前記第2抜止部とは反対側から係止することでその端子金具を前止まり状態とする前止まり部が、前記第2抜止部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコネクタ。
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