JP3755328B2 - ダイアフラムおよびそれを用いたアキュムレータ - Google Patents

ダイアフラムおよびそれを用いたアキュムレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車,産業車両等の油圧装置等に利用されるダイアフラムおよびそれを用いたアキュムレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アキュムレータは蓄圧機能を持つものであり、一般的に、金属製のシェルと、このシェル内に配設されシェルの内部空間を2室(ガス室および油室)に区画するダイアフラムとで構成されている。このアキュムレータは、窒素ガス等のガスがガス室に封入され、油室が流通孔を介して油圧装置の油圧回路に接続されて使用に供される。そして、流通孔から油室に流入する作動油により油室の圧力がガス室の圧力よりも大きくなると、ダイアフラムが湾曲して弾性変形し、これによりガス室が圧縮され体積が小さくなる。一方、油室は拡大され作動油が蓄圧される。このアキュムレータに用いられるダイアフラムは、一般に、ガス遮蔽用の樹脂層と、この樹脂層を介してガス室側に形成されるガス室側ゴム層と、上記樹脂層を介して油室側に形成される油室側ゴム層とから構成されている。そして、上記ガス室側ゴム層および油室側ゴム層の形成材料としては、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等のハロゲン化ブチルゴムならびにレギュラーブチルゴムが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ハロゲン化ブチルゴムを用いた場合は、油室へのハロゲンイオンの溶出があり、フルード(ブレーキフルード)等の他の部品を腐食するおそれがある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、油室へのハロゲンイオンの溶出を抑制することができ、シール性が確保されたダイアフラムおよびそれを用いたアキュムレータの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、ガス遮蔽用の樹脂層を介してガス室側ゴム層と油室側ゴム層を備えたダイアフラムであって、上記ガス室側ゴム層が、ハロゲン化ブチルゴムとエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体との混合物により形成されており、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分全体の60重量%以上に設定されたゴム組成物を用いて形成され、上記油室側ゴム層がレギュラーブチルゴムのみをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成され、かつ、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が、2.3<(A)/(B)<3.3の関係を満たしているダイアフラムを第1の要旨とする。
【0006】
また、本発明は、上記ダイアフラムを用いて、シェルの内部空間がガス室および油室に区画されているアキュムレータを第2の要旨とする。
【0007】
すなわち、この発明者は、油室へのハロゲンイオンの溶出を抑制することができるダイアフラムを得るべく、研究を重ねた。そして、油室側ゴム層の形成材料としてブチルゴム(レギュラーブチルゴム)を用いることを想起した。上記ブチルゴム(レギュラーブチルゴム)を用いた場合は、油室へのハロゲンイオンの溶出を抑制することができるが、その反面、レギュラーブチルゴムの圧縮永久歪み特性が悪いため、ダイアフラムをシェルに固定してシールする際に、ガス室からのガス透過量が多く、シール性能に劣ることを突き止めた。そこで、ダイアフラムのシール部の厚みに着目し実験を重ねた結果、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と、上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が、2.3<(A)/(B)<3.3の関係を満たす場合に、優れたシール性能が得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち、上記ガス室側ゴム層が、ハロゲン化ブチルゴムとエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体との混合物により形成されており、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分全体の60重量%以上に設定されたゴム組成物を用いて形成され、上記油室側ゴム層がレギュラーブチルゴムのみをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成され、かつ、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が、特定の関係を満たしたダイアフラムは、油室へのハロゲンイオンの溶出を抑制することができ、フルード(ブレーキフルード)等の他の部品の腐食を防止することができるとともに、シェルに固定する際に優れたシール性能を得ることができる。
【0008】
なお、本発明において、「レギュラーブチルゴム」とは、ハロゲン化されていないブチルゴムを意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0010】
本発明のダイアフラムを用いたアキュムレータは、例えば、図1に示すように、略半球殻状の上分割シェル1と下分割シェル2とによって形成された内部空間が、ダイアフラム20によってガス室3および油室4に区画された構造である。そして、上記下分割シェル2に固定されたダイアフラム20のシール部20aによって、ガス室3および油室4がシールされている。図において、5はリング状保持材、6はポペット、7は油ボート8を持つプラグ、9はガスプラグ、10は電子ビーム溶接部であり、一点鎖線はダイアフラム20が弾性変形した状態を示している。
【0011】
上記上分割シェル1および下分割シェル2は、金属製のものであれば特に限定はなく、例えば鉄製、アルミニウム系合金製等のものが好適に用いられる。
【0012】
上記ダイアフラム20は、例えば、図2に示すように、ガス遮蔽用の樹脂層21を介して、ガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23が形成された構造である。図において、20aはダイアフラムのシール部、22aはガス室側ゴム層のシール部、23aは油室側ゴム層のシール部、Aはガス室側ゴム層のシール部22aの厚み、Bは油室側ゴム層のシール部23aの厚みを示す。
【0013】
上記ガス室側ゴム層22は、ハロゲン化ブチルゴムとエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体との混合物により形成されており、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分全体の60重量%以上に設定されたゴム組成物を用いて形成されている。上記ハロゲン化ブチルゴムとしては、例えば、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、圧縮永久歪み特性に優れる点で、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)が好適に用いられる。
【0014】
上記ゴム組成物中のゴム成分としては、ハロゲン化ブチルゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体(以下「EPDM」と略す)とともに、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム等の他のゴム成分を併用することも可能である
【0015】
上記EPDMにおけるエチレン含有量は50〜70重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは50〜60重量%の範囲である。すなわち、エチレン含有量が50重量%未満であると、生ゴムの引張り強度が低くなり、70重量%を超えると、低温作動性が悪化するからである。上記EPDMにおける第三成分(ジエン成分)としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等があげられる。上記EPDMにおける第三成分(ジエン成分)の含有量は5重量%程度に設定することが好ましい。上記EPDMにおけるヨウ素価は、10〜24の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは12〜17の範囲である。すなわち、上記ヨウ素価が10未満であると加硫速度が遅くなり、24を超えると耐熱性が低下するからである。
【0016】
上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量は、ゴム成分全体の60重量%以上に設定する必要があり、特に好ましくは70〜85重量%である。すなわち、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量が60重量%未満であると、ガス室からのガス透過量が多くなり、シール性能とゴム/樹脂の接着性が劣るからである。
【0017】
上記ガス室側ゴム層22の形成材料であるゴム組成物には、上記ハロゲン化ブチルゴム等のゴム成分の他に、カーボンブラック、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0018】
上記油室側ゴム層23は、レギュラーブチルゴムのみをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成されている。なお、本発明において、「レギュラーブチルゴム」とは、前述のようにハロゲン化されていないブチルゴムを意味する。
【0019】
上記油室側ゴム層23の形成材料であるゴム組成物には、上記レギュラーブチルゴム(IIR)の他に、カーボンブラック、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0020】
上記ガス遮蔽用の樹脂層21は、ガス室に封入されたガスの透過を抑制できるものであれば特に限定はない。上記樹脂層21の形成材料としては、ガス透過性の低い材料であれば特に限定はなく、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、上記樹脂層21の構造としては、単層構造であっても、多層構造であっても差し支えない。
【0021】
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)としては、特に限定はないが、エチレン含有量が20〜65重量%のものが好ましく、特に好ましくはエチレン含有量が32重量%程度である。
【0022】
上記ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−10、ナイロン6−12等や、これらナイロンとポリオレフィン樹脂との混合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】
そして、本発明のダイアフラム20は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、前記EVOH、ポリアミド樹脂等のガス透過性の低い樹脂膜を、単独であるいは2種以上重ね合わせてガス遮蔽用の樹脂層21を作製する。ついで、上記樹脂層21の上下両面に従来公知の接着剤を塗布し、上記ガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23の形成材料であるゴム組成物をプレス機によってプレス成形し加硫接着する。このようにして、図2に示すような、ガス遮蔽用の樹脂層21を介して、ガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23が形成された構造のダイアフラム20を製造することができる。
【0024】
このようにして得られた本発明のダイアフラム20は、上記樹脂層21の厚みは、通常、10〜210μmである。また、上記ガス室側ゴム層22の厚みは、通常、1〜4mmであり、好ましくは1〜2mmである。そして、上記油室側ゴム層23の厚みは、通常、1〜4mmであり、好ましくは1〜2mmである。そして、上記ダイアフラム20全体の厚みは、通常、3〜5mmであり、好ましくは4mm前後である。
【0025】
本発明のダイアフラム20は、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と、上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が、2.3<(A)/(B)<3.3の関係を満たしていることが必要であり、好ましくは2.5<(A)/(B)<3.3である。すなわち、(A)/(B)が2.3以下であると、ガス室側ゴム層22のシール部の厚みが薄肉となって、ガス室からのガス透過量が多くなりすぎ、シール性能に劣り、逆に(A)/(B)が3.3以上であると、ガス室側ゴム層22のシール部の厚みが厚肉となって、シェルへの固定が困難となり、作業性が悪くなるからである。なかでも、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)は、2.5〜3.3mmの範囲に設定することが好ましく、上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)は、1〜1.5mmの範囲に設定することが好ましい。
【0026】
そして、本発明のアキュムレータは、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、図1に示すような、略半球殻状の上分割シェル1および下分割シェル2を準備する。ついで、上記ダイアフラム20を、上記下分割シェル2の開口部の内周縁にその周縁部を位置決めし、リング状保持材5の外周と下分割シェル2の開口部内周縁とで挟持固定して、下分割シェル2に取り付ける。ついで、上記下分割シェル2の開口に上記上分割シェル1の開口を突き合わし、電子ビーム溶接等を行う。このようにして、図1に示すような構造のアキュムレータを製造することができる。
【0027】
なお、本発明のアキュムレータにおけるシェルの形状としては、図1に示したような略半球殻状の上分割シェル1と下分割シェル2を突き合わせて略球殻状に仕上げたものに限定されるものではなく、例えば筒状、箱状等各種の形状のものを用いることが可能である。
【0028】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0029】
【実施例1】
〔ガス室側ゴム組成物〕
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)(日本合成ゴム社製、Chlorobutyl 1066)〔Clの含有量1.2重量%〕80部と、EPDM(住友化学社製、エスプレン532)20部と、カーボンブラック(SRF系)110部と、ステアリン酸1部と、オイル(ジオクチルセバケート)10部と、酸化亜鉛5部と、加硫促進剤(スルフェンアミド系)1部と、老化防止剤〔ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)〕(TMDQ)1部とを配合し、前記の方法に従い、ガス室側ゴム組成物を調製した。
【0030】
〔油室側ゴム組成物〕
ブチルゴム(IIR)(日本合成ゴム社製、Butyl 268 )100部と、カーボンブラック(SRF系)110部と、ステアリン酸1部と、オイル(ジオクチルセバケート)10部と、酸化亜鉛5部と、加硫促進剤(スルフェンアミド系)1部と、老化防止剤(TMDQ)1部とを配合し、前記の方法に従い、油室側ゴム組成物を調製した。
【0031】
〔ダイアフラムの作製〕
まず、EVOH(クラレ社製、F−101)〔エチレン含有量32重量%〕およびポリアミド樹脂(デュポン社製、スーパータフナイロンST811HS)を準備し、これらを押出成形機を用いて共押出し、図3に示すような3層構造の樹脂層21を作製した。図において、21aはEVOH層(厚み50μm)、21bはポリアミド樹脂層(厚み80μm)である。つぎに、上記樹脂層21の上下両面に従来公知の接着剤を塗布した後、上記ガス室側ゴム組成物および油室側ゴム組成物を用い、これらをプレス機でプレス成形したのち加硫接着した。このようにして、目的とするダイアフラムを製造した(図2参照)。なお、ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)を2.5mm、油室側ゴム層のシール部の厚み(B)を1mmとした。
【0032】
【実施例2】
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)(日本合成ゴム社製、Chlorobutyl 1066)60部と、EPDM(住友化学社製、エスプレン532)40部と、カーボンブラック(SRF系)110部と、ステアリン酸1部と、オイル(ジオクチルセバケート)10部と、酸化亜鉛5部と、加硫促進剤(スルフェンアミド系)1部と、老化防止剤(TMDQ)1部とを配合し、実施例1と同様にしてガス室側ゴム組成物を調製した。そして、このガス室側ゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてダイアフラムを作製した。
【0033】
【比較例1】
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)(日本合成ゴム社製、Butyl 268 )100部と、カーボンブラック(SRF系)110部と、ステアリン酸1部と、オイル(ジオクチルセバケート)10部と、酸化亜鉛5部と、加硫促進剤(スルフェンアミド系)1部と、老化防止剤(TMDQ)1部とを配合し、実施例1と同様にして、油室側ゴム組成物を調製した。そして、この油室側ゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてダイアフラムを作製した。
【0034】
【比較例2】
ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)を2.0mmにする以外は、実施例1と同様にしてダイアフラムを作製した。
【0035】
【比較例3】
ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)を3.5mmにする以外は、実施例1と同様にしてダイアフラムを作製した。
【0036】
【比較例4】
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)(日本合成ゴム社製、Chlorobutyl 1066)50部と、EPDM(住友化学社製、エスプレン532)50部と、カーボンブラック(SRF系)110部と、ステアリン酸1部と、オイル(ジオクチルセバケート)10部と、酸化亜鉛5部と、加硫促進剤(スルフェンアミド系)1部と、老化防止剤(TMDQ)1部とを配合し、実施例1と同様にしてガス室側ゴム組成物を調製した。そして、このガス室側ゴム組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてダイアフラムを作製した。
【0037】
このようにして得られた実施例品および比較例品のダイアフラムを用いて、図4に示すような装置(アキュムレータ)を作製した。図において、40はダイアフラム、43はガス室、44は油室である。そして、下記の基準に従い、油室への塩素イオンの溶出量および窒素ガス透過量を測定した。これらの結果を後記の表1および表2に併せて示した。
【0038】
〔油室への塩素イオンの溶出量〕
上記油室44にオイルを充填し、100℃の条件下、油室44の内圧が100kgf/cm2 になった状態で250時間放置した。その後、油室44からオイルを抜き取り、イオンクロマトグラフ(島津製作所製、HIC−6A)を用いて、油室44への塩素イオンの溶出量を測定した。なお、ダイアフラム20の面積は90cm2 であった。
【0039】
〔窒素ガス透過量〕
封入圧38kgf/cm2 (20℃)でガス室43に窒素ガスを封入するとともに、油室44にオイルを充填し、70℃の条件下、油室44の内圧が100kgf/cm2 になった状態で24時間放置した。その後、油室44からオイルを抜き取り、ガス室43からの窒素ガス透過量をメスシリンダーを用いて測定した。
【0040】
【表1】
Figure 0003755328
【0041】
【表2】
Figure 0003755328
【0042】
上記表1および表2の結果から、実施例品のダイアフラムを用いた場合は、油室への塩素イオンの溶出量が小さく、また窒素ガス透過量が少なく、優れたシール性能を備えていることがわかる。
【0043】
これに対して、比較例1品のダイアフラムは、油室側ゴム層がCl−IIRを用いて形成されているため、油室への塩素イオンの溶出量が非常に大きいことがわかる。比較例2品のダイアフラムは、ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)/油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が所定値以下であるため、ガス室からの窒素ガス透過量が多く、シール性能に劣ることがわかる。比較例3品のダイアフラムは、(A)/(B)が所定値を超えるため、ダイアフラムをシェルに固定することが困難であった。比較例4品のダイアフラムは、ガス室側ゴム層が、Cl−IIRの含有量が所定値以下のゴム組成物を用いて形成されているため、ゴム層と樹脂層の接着性が低下した。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明のダイアフラムは、上記ガス室側ゴム層が、ハロゲン化ブチルゴムとエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体との混合物により形成されており、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分全体の60重量%以上に設定されたゴム組成物を用いて形成され、上記油室側ゴム層がレギュラーブチルゴムのみをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成され、かつ、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が特定の関係を満たしている。そのため、油室へのハロゲンイオンの溶出を抑制することができ、フルード(ブレーキフルード)等の他の部品の腐食を防止することができるとともに、シェルへの固定が容易で、シール性能に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイアフラムを用いたアキュムレータの一例を示す断面図である。
【図2】 本発明のダイアフラムの一例を示す要部拡大断面図である。
【図3】 ダイアフラムの樹脂層の構成を示す要部拡大断面図である。
【図4】 ダイアフラムを用いた装置(アキュムレータ)を示す模式図である。
【符号の説明】
20 ダイアフラム
20a ダイアフラムのシール部
21 樹脂層
22 ガス室側ゴム層
22a ガス室側ゴム層のシール部
23 油室側ゴム層
23a 油室側ゴム層のシール部
A ガス室側ゴム層のシール部の厚み
B 油室側ゴム層のシール部の厚み

Claims (2)

  1. ガス遮蔽用の樹脂層を介してガス室側ゴム層と油室側ゴム層を備えたダイアフラムであって、上記ガス室側ゴム層が、ハロゲン化ブチルゴムとエチレン−プロピレン−ジエン系共重合体との混合物により形成されており、上記ハロゲン化ブチルゴムの含有量がゴム成分全体の60重量%以上に設定されたゴム組成物を用いて形成され、上記油室側ゴム層がレギュラーブチルゴムのみをゴム成分とするゴム組成物を用いて形成され、かつ、上記ガス室側ゴム層のシール部の厚み(A)と上記油室側ゴム層のシール部の厚み(B)の比が、2.3<(A)/(B)<3.3の関係を満たしていることを特徴とするダイアフラム。
  2. 請求項1記載のダイアフラムを用いて、シェルの内部空間がガス室および油室に区画されていることを特徴とするアキュムレータ。
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