JP4937071B2 - ダイヤフラムおよびそれを用いたアキュムレータ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、産業車両等の油圧装置(油圧サスペンション,油圧自動クラッチ,パワーステアリング等)等に利用されるダイヤフラムおよびそれを用いたアキュムレータに関するものである。
自動車等の油圧装置(例えば、油圧サスペンション,油圧自動クラッチ,パワーステアリング等)には、ガスの負荷圧力により体積が膨張,圧縮する特性を利用した、油圧のアキュムレータが使用されている。このアキュムレータは蓄圧機能を持つものであり、一般的に、金属製のシェルと、このシェル内に配設されシェルの内部空間を2室(ガス室および油室)に区画するダイヤフラムとで構成されており、窒素ガス等のガスがガス室に封入され、油室が流通孔を介して油圧装置の油圧回路に接続されて使用に供される。そして、上記アキュムレータは、流通孔から油室に流入する作動油により油室の圧力がガス室の圧力よりも大きくなると、上記ダイヤフラムが湾曲して弾性変形し、これによりガス室が圧縮され体積が小さくなるとともに、油室は拡大され作動油が蓄圧される。
上記アキュムレータに用いられるダイヤフラムとしては、体積効率,重量およびコストの点から、ゴム製ダイヤフラムが使用されてきた。また、近年、上記ゴム製ダイヤフラムを通じてガスの浸透および漏洩を防止するため、ガス遮蔽用の、例えば、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等からなる樹脂層と、この樹脂層を介してガス室側に形成されるガス室側ゴム層と、上記樹脂層を介して油室側に形成される油室側ゴム層とから構成された、樹脂とゴムとの複合材料からなるダイヤフラムが量産化されている。そして、上記両ゴム層を形成するゴム材料は、その油圧回路に使用される油の種類により選定され、例えば、鉱物油の場合は、その鉱物油に対する耐油性という観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)や水添NBR(H−NBR)、エピクロロヒドリンゴム等のゴム材料が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−254701号公報
しかしながら、従来のダイヤフラムは、ガス室側ゴム層の低温圧縮永久歪み特性が充分ではなく、ガス室側ゴム層のゴムがへたることにより、かしめ(加締め)部からガスが漏れるため、耐ガスシール性に劣るという難点がある。また、従来のダイヤフラムは、油室側ゴム層の耐オイル性(耐オイル透過性や膨潤性)が悪く、上記鉱物油等の作動油により可塑剤等が抽出され、油室側ゴム層のゴム物性が低下しやすく、さらに、上記油室側ゴム層の耐オイル性が悪いと、作動油が樹脂層に浸透しやすく、耐ガス透過性能が低下するという難点もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐ガスシール性、耐オイル性および耐ガス透過性に優れた、ダイヤフラムおよびそれを用いたアキュムレータの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、ガス遮蔽用の樹脂層と、この樹脂層の両面に形成されるガス室側ゴム層および油室側ゴム層とを備えてなるダイヤフラムであって、上記ガス室側ゴム層が下記の(A)成分を含有するゴム組成物により形成され、上記油室側ゴム層が下記の(B)成分を含有するゴム組成物により形成されているダイヤフラムを第1の要旨とする。
(A)結合アクリロニトリル量が20%未満の水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
(B)結合アクリロニトリル量が20〜28%の範囲に設定された水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
また、本発明は、シェルと、このシェルの内部空間をガス室および油室に区画する上記ダイヤフラムとを備えたアキュムレータを第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、ガス室側ゴム層および油室側ゴム層を、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム(H−NBR)を主体とするゴム組成物により形成することを想起し、ガス室側ゴム層および油室側ゴム層に用いるH−NBRの結合アクリロニトリル量(AN量)について実験を重ねた。ガス室側ゴム層は、かしめられるため、低温でのへたりを防止しなければならない。そのため、ガス室側ゴム層を形成するH−NBRのAN量を低く設定する必要がある。一方、油室側ゴム層を形成するH−NBRのAN量を低くすると、油室側ゴムが膨潤し、ゴム中の可塑剤がオイル中に溶け出してしまい、油室側ゴム層が劣化し、ゴムの物性が低下し、さらに作動オイルの透過により樹脂層が劣化し、ガス透過性能が低下する。そのため、油室側ゴム層を形成するH−NBRのAN量を高く設定することにより、可塑剤のオイル中への溶け出しを防止し、樹脂層へのオイル浸透によるガス透過性能の低下を抑制する必要がある。しかし、油室側ゴム層を形成するH−NBRのAN量が高くなりすぎると、油室側ゴム層がへたりやすくなるため、可塑剤のオイル中への溶け出し防止と、樹脂層へのオイル浸透によるガス透過性能の低下の抑制と、へたり防止とのバランスを考慮する必要がある。本発明者らは、このような事情を基礎に、さらに研究を重ねた結果、ガス室側ゴム層を、AN量が20%未満のH−NBRを含有するゴム組成物により形成し、かつ、油室側ゴム層を、AN量が20〜28%の範囲のH−NBRを含有するゴム組成物により形成すると、製品の封入圧力低下抑制、ガス透過性能の低下抑制および製品耐久性に優れたダイヤフラムが得られることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明のダイヤフラムは、ガス室側ゴム層が、AN量が20%未満のH−NBRを含有するゴム組成物により形成され、かつ、油室側ゴム層が、AN量が20〜28%の範囲のH−NBRを含有するゴム組成物により形成されている。すなわち、本発明は、従来よりもAN量が小さい、20%未満のH−NBRを含有するゴム組成物を用いて、ガス室側ゴム層を形成しているため、その低温圧縮永久歪み特性が向上し、ガス室側ゴム層のかしめ部からのガス漏れの発生を抑制することができ、耐ガスシール性が向上する。また、従来よりもAN量が高い、20〜28%の範囲のH−NBRを含有するゴム組成物を用いて、油室側ゴム層を形成しているため、耐オイル透過性が向上し、樹脂層劣化が抑制され、そのことによりガス透過性能の低下抑制が可能となる。
そして、上記ガス室側ゴム層のゴム組成物に用いるH−NBRのAN量が、17〜19%の範囲に設定されていると、耐ガスシール性がさらに向上する。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明のダイヤフラムを用いたアキュムレータの一例を図1に示す。このアキュムレータは、シェル1,2と、シェル1,2の内部空間をガス室3および油室4に区画するダイヤフラム20とを用いて構成されている。図1において、5はリング状保持材、6はポペット、7は油ポート8を持つプラグ、9はガスプラグ、10は電子ビーム溶接部である。また、図1において、破線はダイヤフラム20が変形した状態を示している。
上記シェル1,2としては、例えば、鉄製、アルミニウム系合金製等のものが好適に用いられる。
上記ダイヤフラム20は、例えば、図2に示すように、ガス遮蔽用の樹脂層21と、この樹脂層21の両面に一体的に形成されたガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23の3層から構成されている。
ここで、本発明においては、上記ガス室側ゴム層22が、下記の(A)成分を含有するゴム組成物により形成され、かつ上記油室側ゴム層23、が下記の(B)成分を含有するゴム組成物により形成されているのであって、これが本発明の最大の特徴である。
(A)結合アクリロニトリル量が20%未満の水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
(B)結合アクリロニトリル量が20〜28%の範囲に設定された水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
上記ガス室側ゴム層22は、特定のH−NBR(A成分)を含有するゴム組成物により形成されている。上記特定のH−NBR(A成分)は、AN量が20%未満であり、好ましくはAN量が17〜19%の範囲である。すなわち、AN量が20%以上であると、低温圧縮永久歪み特性が不充分で、ガス室側ゴム層22のゴムがへたることにより、かしめ部からガス漏れが発生し、耐ガスシール性が劣るからである。
また、上記ガス室側ゴム層22を形成するゴム組成物中の、特定のH−NBR(A成分)の含有量は、ゴム組成物(固形分)全体の50重量%以下が好ましく、特に好ましくは45重量%以下である。
なお、上記ガス室側ゴム層22を形成するゴム組成物には、上記特定のH−NBR(A成分)に加えて、カーボンブラック、加硫剤、老化防止剤、可塑剤、共架橋剤、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸等を適宜に配合しても差し支えない。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
つぎに、上記油室側ゴム層23は、特定のH−NBR(B成分)を含有するゴム組成物により形成されている。上記特定のH−NBR(B成分)は、AN量が20〜28%の範囲であり、好ましくはAN量が22〜26%の範囲である。すなわち、AN量が20%未満であると、油室側ゴム層23の耐オイル性が悪く、作動オイルによりゴムの可塑剤等が抽出され、油室側ゴム層23のゴム物性が低下し、さらに樹脂層に作動オイルが浸透し、耐ガス透過性が悪化し、逆にAN量が28%を超えると、油室側ゴム層23がへたりやすくなるからである。
また、上記油室側ゴム層23を形成するゴム組成物中の、特定のH−NBR(B成分)の含有量は、ゴム組成物(固形分)全体の50重量%以下が好ましく、特に好ましくは45重量%以下である。
なお、上記油室側ゴム層23を形成するゴム組成物には、上記特定のH−NBR(B成分)に加えて、カーボンブラック、加硫剤、老化防止剤、可塑剤、共架橋剤、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸等を適宜に配合しても差し支えない。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記樹脂層21は、前記ガス室3に封入されたガスが透過するのを防止するものであり、その形成材料としては、ガス透過性の低い材料であれば特に限定はなく、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。そして、上記樹脂層21は、上記形成材料を用いてなる単層構造であってもよく、2層以上の多層構造であってもよい。
上記EVOHとしては、特に限定するものではないが、エチレン含有量が20〜65重量%で、残りがビニルアルコールからなるものを用いることが好ましい。なかでもエチレン含有量が32重量%のものが好適である。
上記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−10、ナイロン6−12等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。このようなポリアミド樹脂は、上記ナイロン6もしくはナイロン66がベースに入っていれば、EVOHの融点と近似することから、ナイロン6と他のナイロン樹脂等との各種の混合物を使用することが可能である。特に、上記ポリアミド樹脂と、ポリオレフィン樹脂とをブレンドして用いることが好ましい。このようにすると、ポリオレフィン樹脂が、吸水性に乏しいことから、EVOHに対する吸水を防止するようになる。すなわち、EVOHは吸水すると、耐ガスバリアー性が低下するからであり、ポリオレフィン樹脂はこれを防止する。
本発明のダイヤフラム20は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、前記EVOH、ポリアミド樹脂等のガス透過性の低い樹脂膜を、単独であるいは二種以上重ね合わせてガス遮蔽用の樹脂層(樹脂フィルム)21を作製する。ついで、上記樹脂層(樹脂フィルム)21の上下両面に、エラストマー系接着剤(例えば、塩素化ポリブタジエンゴム系接着剤)等の接着剤を塗布し、上記ガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23の両層形成材料をプレス機によってプレス成形し加硫接着する。このようにして、図2に示すような3層構造のダイヤフラム20を製造することができる。
このようにして得られた本発明のダイヤフラム20は、上記樹脂層(樹脂フィルム)21の厚みは、通常50〜210μmである。また、上記ガス室側ゴム層22および油室側ゴム層23のそれぞれの厚みは、通常、各々1〜4mmであり、好ましくは各々1〜1.5mmである。
本発明のアキュムレータは、上記構成からなるダイヤフラム20を用い、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記のようにして製造したダイヤフラム20を、図1に示すように、略半球殻状の2個の分割シェル1,2のうち下側の分割シェル2の開口部の内周縁にその周縁部を位置決めし、その周縁部をリング状保持材5の外周と下側の分割シェル2の開口部内周縁とで挟持固定して、下側の分割シェル2に取り付ける。つぎに、この下側の分割シェル2の開口に上側の分割シェル1の開口を突き合わし、電子ビーム溶接等を行う。このようにして、図1に示すようなアキュムレータを製造することができる。
また、本発明のアキュムレータにおけるシェルの形状としては、図1に示したような略半球殻状の2個の分割シェル1,2を突き合わせて略球殻に仕上げたものに限定されるものではなく、例えば、略殻状、筒状、箱状等各種形状のものを用いることが可能である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、ゴム組成物を調製した。
〔ゴム組成物1〜6の調製〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをロールで混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0004937071
なお、上記表1に示した材料は、下記のとおりである。
〔H−NBR(1) 〕
日本ゼオン社製、ゼットポール2020(AN量:36%)
〔H−NBR(2) 〕
日本ゼオン社製、ゼットポール3120(AN量:25%)
〔H−NBR(3) 〕
日本ゼオン社製、ゼットポール4320(AN量:19%)
〔H−NBR(4) 〕
日本ゼオン社製、ゼットポール4300(AN量:19%)
〔H−NBR(5) 〕
日本ゼオン社製、ゼットポール4110(AN量:17%)
〔老化防止剤(1) 〕
住友化学社製、スミライザーMB
〔老化防止剤(2) 〕
大内新興化学社製、ノクラックCD
〔カーボンブラック〕
旭カーボン社製、旭♯35
〔可塑剤〕
チッソ社製、ジオクチルフタレート
〔加硫剤(1) (パーオキサイド系)〕
化薬アクゾ社製、パーカドックス14−40
〔加硫剤(2) 〕
川口薬品社製、アクターQ
〔共架橋剤〕
精工化学社製、ハイクロスM
このようにして得られた各ゴム組成物について、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。その結果を、上記表1に併せて示した。
〔初期物性〕
JIS K 6250に記載の方法に準じて、破断点強度(TS)、破断点伸び(EB)および硬度(Hs:JIS A)を測定した。
〔耐鉱物油・耐熱性〕
上記各ゴム組成物を用い、その試験片(大きさ:25mm×20mm、厚み:2mm)を鉱物油系オイル(ペントシンCHF−11S)に、100℃×70時間、120℃×70時間、150℃×70時間の条件で浸漬した。これについて、JIS K 6258に記載の方法に準じて、破断点強度変化率(ΔTS)、破断点伸び変化率(ΔEB)、体積変化率(ΔV)および重量変化率(ΔW)をそれぞれ測定した。
〔低温圧縮永久歪み〕
各ゴム組成物の試験片(直径29.0mmの円柱、高さ12.7mm)を用いて、−30℃×22時間での弾性保持率(%)を、JIS K 6261の記載に準じて測定・算出した。
上記表1の結果から、H−NBRは、AN量が高くなると、耐鉱物油・耐熱性が向上したが、逆に低温圧縮永久歪みは悪化した。
つぎに、上記ゴム組成物を用いて、以下のようにしてダイヤフラムを製造した。
〔実施例1〜6、比較例1〜6〕
まず、EVOH(エチレン含有量32%)およびポリアミド樹脂(PA)(ナイロン6)を準備し、これらを共押出して、PA/EVOH/PA/EVOH/PAからなる5層構造の総厚み0.2mmの樹脂層(樹脂シート)を作製した。つぎに、上記樹脂層の上下両面に、塩素化ポリブタジエンゴム系接着剤(ロームアンドハース社製、P6EF)を塗布した後(乾燥後の接着層の厚み10μm)、ガス室側ゴム層および油室側ゴム層の形成材料として、下記の表2および表3に示す各ゴム組成物を用い、これらをプレス機でプレス成形したのち加硫接着した。このようにして、ガス室側ゴム層の厚みが1.3mmであり、油室側ゴム層の厚みが1.3mmのダイヤフラムを作製した。
Figure 0004937071
Figure 0004937071
このようにして得られた実施例品および比較例品を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。その結果を、上記表2および表3に併せて示した。
〔封入圧力低下量(耐ガスシール性)〕
各ダイアフラムを用いて、図3に示すような装置(アキュムレータ)を作製した。図において、40はダイアフラム、43はガス室、44は油室である。そして、ガス室43に封入圧約2.5MPa(20℃)で窒素ガスを封入するとともに、油室44に鉱物油系オイル(ペントシンCHF−11S)を充填し、140℃の条件下、油室44の内圧が6.0MPaになった状態で168時間放置した。その後、−40℃の雰囲気下で作動圧力4.0―6.0MPa の作動耐久試験を1万回実施し、1万回終了後、アキュムレータのガス封入圧力(20℃)を測定した。評価は、ガス封入圧力の低下量が−0.36MPa迄のものを○、−0.36MPaを超えて−0.40MPa迄のものを△、−0.40MPaを超えるものを×とした。
〔窒素ガス透過量(耐オイル性)〕
各ダイアフラムを用いて、図3に示すような装置(アキュムレータ)を作製した。そして、ガス室43に封入圧約2.5MPa(20℃)で窒素ガスを封入するとともに、油室44に鉱物油系オイル(ペントシンCHF−11S)を充填し、70℃の条件下、油室44の内圧が6.0MPaになった状態で24時間放置した。その後、油室44からオイルを抜き取り、ガス室43からの窒素ガス透過量をメスシリンダーを用いて測定した。評価は、窒素ガス透過量が5cc迄のものを○、5ccを超えて6cc迄のものを△、6ccを超えるものを×とした。
上記結果から、全実施例品は、ガス室ゴム層側に用いるH−NBRのAN量が20%未満であるため、低温圧縮永久歪み特性、耐ガスシール性が向上し、製品の封入圧低下量を抑制することかできた。また、全実施例品は、油室側ゴム層に用いるH−NBRのAN量が20〜28%の範囲であるため、油室側の耐オイル性(膨潤性、オイル透過性)も向上し、製品の窒素ガス透過量を抑制することができた。
これに対して、比較例1品は、ガス室ゴム層側に用いるH−NBRのAN量が低いため、耐ガスシール性は良好であるが、油室側ゴム層に用いるH−NBRのAN量が小さすぎるため、油室側の耐オイル性が劣り、耐ガス透過性が低下した。比較例2品は、油室側ゴム層に用いるH−NBRのAN量が小さいため、油室側の耐オイル性が劣り、耐ガス透過性が低下した。比較例3,6品は、油室側ゴム層に用いるAN量が高すぎるため、耐ガスシール性が劣っていた。比較例4品は、ガス室側ゴム層の耐ガスシール性、油室側ゴム層の耐オイル性がともに劣るため、製品機能を満足できなった。比較例5品は、ガス室側ゴム層のAN量が高いため、耐ガスシール性が劣っていた。
本発明のダイヤフラムおよびアキュムレータは、自動車、産業車両等の油圧装置(油圧サスペンション,油圧自動クラッチ,パワーステアリング等)等に利用することができる。
本発明のアキュムレータの一例を示す図(一部断面)である。 本発明のダイヤフラムの一例を示す要部拡大断面図である。 本発明のダイヤフラムを用いた装置(アキュムレータ)を示す模式図である。
符号の説明
20 ダイヤフラム
21 樹脂層
22 ガス室側ゴム層
23 油室側ゴム層

Claims (3)

  1. ガス遮蔽用の樹脂層と、この樹脂層の両面に形成されるガス室側ゴム層および油室側ゴム層とを備えてなるダイヤフラムであって、上記ガス室側ゴム層が下記の(A)成分を含有するゴム組成物により形成され、上記油室側ゴム層が下記の(B)成分を含有するゴム組成物により形成されていることを特徴とするダイヤフラム。
    (A)結合アクリロニトリル量が20%未満の水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
    (B)結合アクリロニトリル量が20〜28%の範囲に設定された水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム。
  2. 上記(A)の水素添加アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムの結合アクリロニトリル量が、17〜19%の範囲に設定されている請求項1記載のダイヤフラム。
  3. シェルと、このシェルの内部空間をガス室および油室に区画するダイヤフラムとを備えたアキュムレータであって、上記ダイヤフラムが、請求項1または2記載のダイヤフラムからなることを特徴とするアキュムレータ。
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