JP3755262B2 - エレベータ信号伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号を含む光あるいは電波を送信、受信して画像、音声あるいは文字等のマルチメディア情報を伝達する情報通信装置に係わり、特に、エレベータシャフト内においてミリ波帯の電波を情報通信手段に用いたエレベータ信号伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベータのカゴと機械室との信号伝送方式は、エレベータの乗りカゴの下部に取り付けられたケーブル(以下テールケーブルと呼ぶ)によって機械室と有線接続され映像信号、音声信号あるいは制御データ等のデータ信号を伝送している。テールケーブルは電力線も含まれており、200mの高層エレベータともなるとテールケーブルの自重はエレベータの定員の3〜5人の重量に匹敵し、加えて屈曲性の耐久度が要求される高価なケーブルになる。その上、乗員及びエレベータの乗りカゴを加えるとかなりの重量となる。従って、この高層エレベータをより高速化するには如何にしてエレベータの乗りカゴに付随する重量を低減するかが開発課題となっている。
【0003】
エレベータのカゴの軽量化手法として構造的重量軽減が一般的であり、細径のテールケーブルにするため無線化が試行されている。図7は、例えば特開平6−227766号公報に開示されたエレベータ信号伝送方式であり、図に示すように、平衡ケーブルとループアンテナによる密結合無線方式によりエレベータ乗りカゴと機械室を無線接続し、映像信号及び音声信号などを送信してテールケーブルの重量軽減を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベータ信号伝送装置は、以上のように、信号の伝送距離が近距離で常に一定である密結合無線方式であり、信号の伝送距離が変動しても送受信が可能な粗結合無線方式の実現はできない。また、将来のマルチメディア化に対応するために、多量のデータを高速に伝送する配慮も特に考えられていなかった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、信号の伝送距離が変動しても送受信が可能な粗結合無線方式によるエレベータ信号伝送装置を得ることを目的とする。また、将来のマルチメディア化に対応するため多量のデータを高速に伝送することが可能なエレベータ信号伝送装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータ信号伝送装置は、第1のデジタルデータ信号、第1の映像信号及び第1の音声信号を合成して第1のマイクロ波に変換するマイクロ波送信部と、このマイクロ波送信部から受信した上記第1のマイクロ波を第1のミリ波に変換してアンテナから送信すると共に、上記アンテナで受信した第2のミリ波を第2のマイクロ波に変換するミリ波送受信部と、このミリ波送受信部から受信した上記第2のマイクロ波を第2のデジタルデータ信号、第2の映像信号及び第2の音声信号にそれぞれ復調するマイクロ波受信部とからなり、エレベータのカゴの上部及び下部に設置すると共に、エレベータシャフトの最上部及び最下部のそれぞれに設置して、カゴの上部及び下部の二重の信号伝送系で送信周波数と受信周波数とがそれぞれ異なるミリ波搬送波を用いて少なくとも1つ以上の信号を双方向に無線で信号伝送するものである。
【0009】
また、マイクロ波受信部は、ミリ波送受信部から受信する第2のマイクロ波の周波数の変動に追従して受信するものである。
【0010】
また、第1のデジタルデータ信号をVHFの周波数に変換して、第1の映像信号及び第1の音声信号と合成するものである。
【0011】
また、第1の映像信号及び第1の音声信号はNTSC信号であり、VHFのTVチャンネルの周波数に変換してから第1のデジタルデータ信号と合成するものである。
【0014】
また、マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信電力を測定して、この受信電力からカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたものである。
【0015】
また、マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信周波数のドップラー周波数を測定して、このドップラー周波数からカゴの昇降速度及びカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたものである。
【0016】
また、ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去する低域通過フィルターを備えたものである。
【0017】
また、演算部は、ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ信号伝送装置を示す構成図である。図において、1は本発明による信号伝送装置である。11はデジタルデータ信号とアナログ信号(音声信号、映像信号など)を合成してミリ波送受信部に伝送するマイクロ波送信部、12はマイクロ波送信部11からのマイクロ波をミリ波に変換して送信、及び受信したミリ波をマイクロ波に変換してマイクロ波受信部に送信するミリ波送受信部、13はミリ波送受信部12からのマイクロ波をデジタルデータ信号とアナログ信号に分離しそれぞれ復調するマイクロ波受信部、14はデジタルデータ信号をVHF帯にまたはVHF帯の信号をデジタルデータ信号に周波数変換するための基準となる基準発振器であり、これらで信号伝送装置1を構成している。
【0019】
また、111はデータエンコーダ、112は位相変調部、113はTVモジュレータ、114は信号合成器、115はマイクロ波発振器、116はアップコンバータであり、これらでマイクロ波送信部11を構成している。また、121はアップコンバータ、122はミリ波発振器、123はサーキュレータ、124はアンテナ、125はダウンコンバータであり、これらでミリ波送受信部12を構成している。また、131は信号分配部、132、135はダウンコンバータ、133は搬送波再生部、134はマイクロ波発振器、136はTVチューナ、137はデータデコーダであり、これらでマイクロ波受信部13を構成している。
【0020】
また図2は、上記図1における信号伝送装置1を搭載したエレベータを示す構成図である。図において、1aは機械室側信号伝送装置、1bはカゴ側信号伝送装置であり、上記図1における信号伝送装置と同等のものである。2aは機械室側信号伝送装置1aを制御する機械室側制御盤であり、さらに上位の制御室と接続されている。2bはカゴ側信号伝送装置を制御するカゴ側制御盤、3はモータ、4は制御盤2a、モータ3などで構成された機械室、5はエレベータのカゴである。
【0021】
ここで、アンテナ124は、ホーンアンテナまたは平面アンテナなどの指向性アンテナであり、単一偏波特性を有するものを用いる。放射指向性はエレベータシャフト内でのマルチパスフェージングを防止するために狭角としている。但し、ミリ波送受信部12でマルチパスフェージングを防止する機能を有していれば、放射指向性は広角であっても良い。
【0022】
また、アップコンバータ121及びダウンコンバータ125は、送信及び受信のためのミリ波帯の周波数変換器であり、現状では送受信周波数のアイソレーションをとるためのバンドパスフィルタの特性と、図3に示すミリ波帯ミキサの特性を考慮して、中間周波数帯であるマイクロ波送信部2及びマイクロ波受信部3の動作周波数を2GHz帯に設定している。
【0023】
また、ミリ波発振器122は、低コスト化を達成するためGUNNダイオード等による直接発振を用いているが、現状では発振周波数の温度特性が良好ではなく周波数ドリフトを発生する。従って、発振器自体の温度特性を改善するためにサーミスタ等の温度検出素子を用いて発振器の周囲温度を検出し、GUNNダイオードへの供給電圧を温度により変化するようにして周波数ドリフトを抑制するようにしている。
【0024】
次に、上記図1及び図2に基づいて動作について説明する。まず、機械室側制御盤2aからのデジタルデータ信号は、TTLなどのインタフェースで機械室側信号伝送装置1aのマイクロ波送信部11のデータエンコーダ111に入力され、位相変調部112で基準発振器14の周波数を基準に位相変調される。このとき、マルチパスフェージング対策として確実に位相変調するために「0」と「1」を位相変化点で伝送するための差動符号化をデータエンコーダ111により行う。一方、映像信号及び音声信号はアナログ伝送とし、NTSC信号を基準としたビデオ信号によりTVモジュレータ113に入力される。TVモジュレータ113でTVチャンネルの1〜2chに相当する90MHz帯のVHF信号に変換し、上述の位相変調されたデータ信号と合成器114により電力合成する。2GHz帯のマイクロ波発振器115とアップコンバータ116で2GHz帯の中間周波数に周波数変換する。この中間周波数をミリ波送受信部12に伝送する。
【0025】
マイクロ波送信部11から伝送された中間周波数は、アップコンバータ121及びミリ波発振器122によりミリ波帯の周波数に変換され、サーキュレータ123を介して、アンテナ124から、対向するカゴ側信号伝送装置1bのアンテナ124へ送信する。機械室側信号伝送装置1aから送信されたミリ波帯の電波を、アンテナ124で受信すると、ダウンコンバータ125で再び2GHz帯の中間周波数に周波数変換され、マイクロ波受信部13に伝送する。
【0026】
ミリ波送受信部12より受信した2GHz帯の中間周波数を、マイクロ波受信部13の分配器131によって電力分配し、デジタルデータ信号復調とアナログ信号復調と分割して行う。ダウンコンバータ132、搬送波再生部133、及びマイクロ波発振器134で基準発振器14の周波数を基準に送信された中間周波数を再生する。上述したミリ波発振器122の周波数変動は受信部で得られた中間周波数に反映されるので、送信周波数の変動に自動追従するように周波数変動分が電圧として搬送波再生部133にフィードバックされる。
【0027】
ダウンコンバータ135は、搬送波再生部133からの再生搬送波を用いて受信した2GHz帯の中間周波数からVHF帯のビデオ信号に周波数変換する。これは相手側のミリ波発振器122が周波数ドリフトを発生するため、周波数変換されたVHF信号も周波数シフトしてしまい、ビデオ信号が再生できなくなるためである。TVチューナ136は、VHF信号からビデオ信号として映像信号及び音声信号を取り出す。また、データデコーダ137は差動複合化を行いデジタルデータ信号を取り出す。
【0028】
ここでTVチャンネルに相当するVHFの周波数は、同一装置内での混信を防止するために送信と受信が異なる1chと2chを割り当てている。さらに離れた組み合わせとしてもよく、またTVチューナの性能によっては同一のチャンネルを割り当てても良い。
【0029】
以上に説明した動作は、機械室側信号伝送装置1aからカゴ側信号伝送装置1bへの伝送であるが、これと同時に、カゴ側信号伝送装置1bから機械室側信号伝送装置1aへの信号伝送も行われる。
【0030】
本装置は、上記図2に示したように2機1組で利用するが、図4に示すように、カゴ5の下部とエレベータシャフトの最下部にさらに1組の信号伝送装置1c、1dを設置して、信号伝送系を二重化しても良い。このとき、上部の信号伝送装置1a、1bと下部の信号伝送装置1c、1dは相互の混変調を防止するために異なる周波数のミリ波搬送波を用いる。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、ミリ波搬送波を用いて信号を双方向で伝送するので、信号の伝送距離が変動しても送受信ができる効果が得られる。また、将来のマルチメディア化に対応して多量のデータを高速に伝送する効果が得られる。
【0032】
実施の形態2.
本実施の形態では、上記実施の形態1のような信号伝送装置で、マイクロ波受信部13においてドップラー周波数を検出して、この検出したドップラー周波数からカゴの昇降速度及び昇降距離を算出する方法、さらにドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去する方法について説明する。
【0033】
この発明による信号伝送装置において用いたミリ波伝送では、エレベータのカゴが高速で上下運動することで、ミリ波搬送波が下記の式で表せるドップラーシフトを受ける。ドップラー周波数fdは、エレベータの昇降速度をv、搬送波周波数をfc、真空中の光速をc0(3×108m/sec)としたとき、式(1)のように表される。
fd=(v・fc)/c0 (1)
【0034】
本発明で想定しているエレベータの最大昇降速度vは670m/minであるから、ドップラー周波数fdは、ミリ波の搬送波周波数fcが60GHz帯では最大約22.2kHz、76GHz帯では最大約2.8kHzとなる。このように、エレベータの昇降速度を算出する場合、ドップラー周波数fdを検出して、これを考慮することになる。しかし、上述のとおり、ミリ波発振器は周波数ドリフトが発生する。
【0035】
上記式(1)より、カゴの昇降速度は式(2)のように表される。
v=(c0・fd)/fc (2)
しかし、上述のようにドリフトによる誤差が存在するため、昇降速度は図6(a)に示すような関係にある。図6(a)から、昇降速度vは式(3)のように表される。
v=α・fd+β (3)
【0036】
搬送波周波数fcが一定であれば、αは定数とみなせ、昇降速度はドップラー周波数の1次関数となり、ドリフトによる誤差成分βが印加された検出値となる。このように、正確な昇降速度を算出するためには、ドリフトによる誤差成分βを除去して、正確なドップラー周波数を検出する必要がある。
【0037】
図5は、この発明の実施の形態2による信号伝送装置で用いるドップラー周波数を検出する手段及び演算部を示す構成図である。図において、1321は帯域通過フィルタ(BPF)、1322は可変利得(AGC)アンプ、1323は分配器、1324は周波数変換器であり、これらで上記図1におけるダウンコンバータ132を構成している。また、1331は90゜移相器、1332は分配器、1333はループフィルタ、1334は積算器であり、これらで上記図1における搬送波再生部133を構成している。また、15は検出したドップラー周波数の短期ドリフトを除去する低域通過フィルタ、16は低域通過フィルタ15で除去できない短期ドリフト及び長期ドリフトを除去すると共に、ドップラー周波数からカゴの昇降速度及び昇降距離を演算する演算部であり、A/Dコンバータ161、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)162、マイクロコンピュータ(μ−COM)163、D/Aコンバータ164で構成されている。
【0038】
次に動作について説明する。上記図1におけるマイクロ波受信部13内の分配器131を通過した信号は、上記図5における帯域通過フィルタ(BPF)1321、可変利得(AGC)アンプ1322を通過して、以下のcostasループにより搬送波を再生して分配器1332により二分配して、上記図1におけるダウンコンバータ135に入力され、VHF帯の信号を復調する。
【0039】
costasループは、信号を分配器1323により二分配し、マイクロ波発振器134から発振される信号を、分配器1332、90゜移相器1331を用いて周波数変換器1324、1325により低域の周波数に変換する。周波数変換された二信号は、乗算器1334により乗算することで、受信搬送波とマイクロ波発振器134の信号との位相差を検出して、ループフィルタ1333によりマイクロ波発振器134の制御電圧に変換する。このフィードバック系において受信搬送波を再生する。ここで、周波数変換器1324、1325と乗算器1334との間に低域通過フィルタ(LPF)を挿入しても良いが、本発明ではこのLPFを省略して、受信搬送波に対する追従範囲を広帯域化している。
【0040】
ここで、周波数変換器1324、1325の出力から得られたドップラー周波数は、図6(b)に示すような特性を持っている。図に示すように、ドップラー周波数の真値の他にドリフトによる誤差成分があり、ドリフトによる誤差成分には、長期ドリフトと短期ドリフトとがある。長期ドリフトは、温度変動等によるゆっくりとした周波数変化であり、短期ドリフトは、振動などによる瞬時的な周波数変化である。そこで、正確な昇降速度を算出するためには、検出したドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去する作業が必要となる。
【0041】
まず、短期ドリフトの除去には、低域通過フィルタ(LPF)を用いる。ここでは、後述するA/Dコンバータ161のサンプリング周波数の折り返しを防止するために、アンチエイリアシング用LPF15を用いる。しかし、アンチエイリアシング用LPF15の通過帯域以内の周波数である短期ドリフト、及び長期ドリフトは除去が不可能となるため、以降の処理に委ねることになる。
【0042】
アンチエイリアシング用LPF15の通過帯域以上の周波数の短期ドリフトを除去した信号は、演算部16のA/Dコンバータ161に入力され、サンプリングを行う。サンプリング周期は最大ドップラー周波数の2倍以上とするが、必要に応じて変更しても良い。サンプリングした信号はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)162を用いて周波数解析(FFT)を行い、サンプリング信号中の周波数成分とその振幅を算出する。このとき、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)162を省略し、マイクロコンピュータ(μ−COM)163で高速演算しても良い。算出した周波数成分をもとにマイクロコンピュータ(μ−COM)163で、上記式(2)に基づいて昇降速度を求め、また、昇降速度を積分して昇降距離(カゴの位置)を求める。これら算出結果は、エレベータの制御盤もしくは制御室に送られ、エレベータのカゴの制御に用いられる。
【0043】
ここで、マイクロコンピュータ(μ−COM)163は、平滑化処理などの演算処理により、アンチエイリアシング用LPF15で除去できなかった短期ドリフトを除去する。また、長期ドリフトの除去は、例えば、あらかじめ、温度A℃のとき周波数はa(Hz)、温度B℃のとき周波数はb(Hz)というような温度と周波数との関係を示すマップを作成して、このマップから演算処理によって補正する。
【0044】
さらに、算出した振幅値が一定となるように、D/Aコンバータ164を用いて、可変利得アンプ1322の利得を制御すれば、マイクロ波(ミリ波)の受信電力を一定とすることができる。これは、マルチパスフェージング防止に効果がある。
【0045】
以上のように、この実施の形態2によれば、ドップラー周波数のドリフト成分を除去することによって、カゴの昇降速度及び昇降距離(カゴの位置)を正確に算出することができる。
【0046】
なお、さらにドップラー周波数の検出精度を向上させるためには、高安定なミリ波発振器を用いると良い。
【0047】
また、カゴ側信号伝送装置と機械室側信号伝送装置とでそれぞれ独立にドップラー周波数を検出し、算出した昇降速度及び昇降距離データを集合し、制御室で統合的に演算処理しても良い。
【0048】
また、上記実施の形態2では、ドップラー周波数からカゴの昇降速度を求め、昇降速度を積分して昇降距離を算出したが、マイクロ波の受信電力からカゴの位置を求めても良い。上述したように、ドップラー周波数の振幅を一定とするために、可変利得アンプ1322の利得を制御するが、このフィードバック量は、カゴまたは機械室で受信するミリ波(さらにミリ波から変換されたマイクロ波)の受信電波の受信電力に相当する。従って、例えば、あらかじめ、カゴの昇降距離A(m)の位置のとき受信電力はa(V)、昇降距離B(m)の位置のとき受信電力はb(V)というようなカゴの昇降距離と受信電力との関係を示すマップを作成して、このマップからカゴの位置を推定することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、第1のデジタルデータ信号、第1の映像信号及び第1の音声信号を合成して第1のマイクロ波に変換するマイクロ波送信部と、このマイクロ波送信部から受信した上記第1のマイクロ波を第1のミリ波に変換してアンテナから送信すると共に、上記アンテナで受信した第2のミリ波を第2のマイクロ波に変換するミリ波送受信部と、このミリ波送受信部から受信した上記第2のマイクロ波を第2のデジタルデータ信号、第2の映像信号及び第2の音声信号にそれぞれ復調するマイクロ波受信部とからなり、エレベータのカゴの上部及び下部に設置すると共に、エレベータシャフトの最上部及び最下部のそれぞれに設置して、カゴの上部及び下部の二重の信号伝送系で送信周波数と受信周波数とがそれぞれ異なるミリ波搬送波を用いて少なくとも1つ以上の信号を双方向に無線で信号伝送するので、信号の伝送距離が変動しても送受信ができる効果が得られる。また、将来のマルチメディア化に対応して多量のデータを高速に伝送できる効果が得られる。
【0052】
また、請求項記載の発明によれば、マイクロ波受信部は、ミリ波送受信部から受信する第2のマイクロ波の周波数の変動に追従して受信するので、信号の伝送距離が変動しても送受信ができる効果が得られる。また、将来のマルチメディア化に対応して多量のデータを高速に伝送できる効果が得られる。
【0053】
また、請求項記載の発明によれば、第1のデジタルデータ信号をVHFの周波数に変換して、第1の映像信号及び第1の音声信号と合成するので、信号の伝送距離が変動しても送受信ができる効果が得られる。また、将来のマルチメディア化に対応して多量のデータを高速に伝送できる効果が得られる。
【0054】
また、請求項記載の発明によれば、第1の映像信号及び第1の音声信号はNTSC信号であり、VHFのTVチャンネルの周波数に変換してから第1のデジタルデータ信号と合成するので、信号の伝送距離が変動しても送受信ができる効果が得られる。また、将来のマルチメディア化に対応して多量のデータを高速に伝送できる効果が得られる。
【0057】
また、請求項記載の発明によれば、マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信電力を測定して、この受信電力からカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたので、カゴの昇降距離を正確に算出できる効果が得られる。
【0058】
また、請求項記載の発明によれば、マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信周波数のドップラー周波数を測定して、このドップラー周波数からカゴの昇降速度及びカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたので、カゴの昇降速度及び昇降距離を正確に算出できる効果が得られる。
【0059】
また、請求項記載の発明によれば、ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去する低域通過フィルターを備えたので、カゴの昇降速度及び昇降距離を正確に算出できる効果が得られる。
【0060】
また、請求項記載の発明によれば、演算部は、ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去するので、カゴの昇降速度及び昇降距離を正確に算出できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータ信号伝送装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるエレベータ信号伝送装置を搭載したエレベータを示す構成図である。
【図3】 ミリ波帯ミキサの特性例を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による別のエレベータ信号伝送装置を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による信号伝送装置で用いるドップラー周波数を検出する手段及び演算部を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態2によるエレベータ信号伝送装置で検出したドップラー周波数の特性を示す図である。
【図7】 従来のエレベータ信号伝送方式を示す構成図である。
【符号の説明】
1a、1b 信号伝送装置、11 マイクロ波送信部、12 ミリ波送受信部、13 マイクロ波受信部、14 基準発振器、15 低域通過フィルター、16演算部、2a、2b 制御盤、3 モータ、4 機械室、5 カゴ

Claims (8)

  1. 第1のデジタルデータ信号、第1の映像信号及び第1の音声信号を合成して第1のマイクロ波に変換するマイクロ波送信部と、このマイクロ波送信部から受信した上記第1のマイクロ波を第1のミリ波に変換してアンテナから送信すると共に、上記アンテナで受信した第2のミリ波を第2のマイクロ波に変換するミリ波送受信部と、このミリ波送受信部から受信した上記第2のマイクロ波を第2のデジタルデータ信号、第2の映像信号及び第2の音声信号にそれぞれ復調するマイクロ波受信部とからなり、エレベータのカゴの上部及び下部に設置されると共に、エレベータシャフトの最上部及び最下部のそれぞれに設置されて、カゴの上部及び下部の二重の信号伝送系で送信周波数と受信周波数とがそれぞれ異なるミリ波搬送波を用いて少なくとも1つ以上の信号を双方向に無線で信号伝送することを特徴とするエレベータ信号伝送装置。
  2. マイクロ波受信部は、ミリ波送受信部から受信する第2のマイクロ波の周波数の変動に追従して受信することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ信号伝送装置。
  3. 第1のデジタルデータ信号をVHFの周波数に変換して、第1の映像信号及び第1の音声信号と合成することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ信号伝送装置。
  4. 第1の映像信号及び第1の音声信号はNTSC信号であり、VHFのTVチャンネルの周波数に変換してから第1のデジタルデータ信号と合成することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ信号伝送装置。
  5. マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信電力を測定して、この受信電力からカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のエレベータ信号伝送装置。
  6. マイクロ波受信部で受信した第2のマイクロ波の受信周波数のドップラー周波数を測定して、このドップラー周波数からカゴの昇降速度及びカゴの昇降距離を算出する演算部を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のエレベータ信号伝送装置。
  7. ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去する低域通過フィルターを備えたことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ信号伝送装置。
  8. 演算部は、ドップラー周波数のドリフトによる誤差成分を除去することを特徴とする請求項6又は7に記載のエレベータ信号伝送装置。
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