JP3755092B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置にかかり、詳しくは駆動装置内に配設された摩擦係合装置に作用する油圧を制御する油圧回路を備えた駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンとモータとを併用した駆動装置を有するハイブリッド型車両が提供されている。
この種のハイブリッド型車両は各種提供されており、例えば、エンジンを駆動することによって発生させられた回転を発電機に伝達して発電機を駆動し、該発電機によって得られた電力を直流電流に変換してバッテリに送って充電し、さらに該バッテリの電力を交流電流に交換して駆動モータを駆動するようにしたシリーズ(直列)式のハイブリッド車両や、エンジンと駆動モータの駆動力を同時に、または選択的に出力軸に伝達して車両を走行させ、主として駆動モータの出力を制御して増減速を行うパラレル(並列)式のハイブリッド車両などがある。
【0003】
パラレル式ハイブリッド車両には、エンジンとモータの間にクラッチを設け、クラッチを係合して、エンジンとモータの双方の出力を駆動輪に伝達し、クラッチを開放することによって、モータの出力のみを駆動輪に伝達する方式と、エンジンの出力を差動歯車装置を介して出力し、差動歯車装置を構成する歯車要素をブレーキで固定することによって、エンジンからの出力を調節する方式のものなどが提案されている。
上記にようなハイブリッド車両には、変速装置やデファレンシャル装置を潤滑する潤滑油を供給する潤滑油路、発電機やモータを冷却する冷却油を供給する冷却油路、上記クラッチやブレーキに作動圧油を供給する油路などを有する油圧回路が搭載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の油圧装置においては、装置の小型化や軽量化を図るために、単一の油圧ポンプで各油路へ油圧を供給している。そして油圧ポンプの吐出圧は、十分な量の潤滑油や冷却油が各部に供給され、かつ、クラッチやブレーキに対しては、これらを確実に作動させるためのライン圧が得られるように、十分高い値に設定されている。しかし、従来、上記クラッチなどのような摩擦係合装置に対して加えられるライン圧は、調圧バルブによって調整され、摩擦係合装置の状態、即ち、摩擦係合装置が係合状態であるか、解放状態であるかにかかわらず、常時一定に維持されている。
【0005】
ところが、実際にライン圧によって摩擦係合装置が動作するのは、係合状態と解放状態の内の一方の場合(例えば、係合状態)であって、ライン圧によって作動していない時(例えば、解放状態)には必要なライン圧値を維持する必要はない。つまり、従来では、上記のように例えば解放状態の時には、実際には必要のないライン圧値を維持するために油圧ポンプを駆動させなければならず、油圧ポンプの動力損失が生じていた。
本発明の目的は、摩擦係合装置がライン圧によって作動していない場合には、圧油源から供給される圧油を他の油路へ供給し、油圧ポンプの動力損失を低減することのできる油圧回路を備えた駆動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明により達成される。
【0007】
(1) 摩擦係合装置を備えた駆動装置において、
オイルポンプと、
前記摩擦係合装置への圧油を供給する第1の油路と、
前記第1の油路に接続され、前記摩擦係合装置に調圧された圧油を供給する調圧バルブと、
前記第1の油路よりも低圧の圧油を供給する第 3 の油路に、前記調圧バルブを介することなく、圧油を供給する第2の油路と、
切換信号に応じて、前記オイルポンプの吐出油路に対して第1の油路または第2の油路を選択的に連通する切換バルブとを有し、
前記摩擦係合装置の係合時は、前記切換バルブが前記オイルポンプの吐出油路と前記第1の油路とを連通すると共に、前記調圧バルブが前記第1の油路から供給された圧油の一部を前記第3の油路に供給し、
前記摩擦係合装置の解放時は、前記切換バルブが前記オイルポンプの吐出油路と前記第2の油路とを連通すると共に、前記調圧バルブへの圧油の供給を遮断することを特徴とする駆動装置。
【0008】
(2) 発電機と、
出力軸と連結された電気モータと、
エンジンと、
前記発電機と連結された第1の歯車要素と、前記電気モータと連結された第2の歯車要素と、前記エンジンと連結された第3の歯車要素とを備えた差動歯車装置とを有し、
前記摩擦係合装置は、前記第1の歯車要素の回転軸をケースに係止する上記(1)に記載の駆動装置。
【0009】
(3) 電気モータと、
該電気モータのモータ出力軸に連結された第1の歯車要素と、出力ギヤに連結された第2の歯車要素と、第3の歯車要素とを備えた差動歯車要素とを有し、
前記摩擦係合要素は、前記差動歯車装置の少なくとも一方の歯車要素を他方の歯車要素に連結し、またはケースに係止する上記(1)に記載の駆動装置。
【0010】
(4) 前記摩擦係合装置は、前記第3の歯車要素の回転軸をケースに係止するブレーキと、前記第3の歯車要素と第2の歯車要素間に設けられたクラッチの少なくとも1つを有する上記(3)に記載の駆動装置。
【0011】
【作用】
摩擦係合装置がクラッチである場合には、駆動装置内に配置されている摩擦係合装置が係合状態である時には、動力が伝達され、解放状態にある時には動力の伝達は切られる。また、ブレーキである場合には、係合状態であるときには、駆動装置内の回転要素が制動(固定)され、解放状態である場合には、制動(固定)が解除される。
【0012】
摩擦係合装置は、油圧回路に接続され、油圧回路において加えられるライン圧によって作動する。
第1の状態では、圧油源から供給される圧油は、切換バルブを介して第1の油路へ導かれ、第1の油路における調圧バルブによって、必要な値のライン圧に調整され、摩擦係合装置へ供給される。圧油の供給によって、摩擦係合装置が作動し、係合状態または解放状態となる。
【0013】
切換バルブを切り換えて、第2の状態とすると、第1の油路への圧油の供給は遮断され、第1の油路へ供給されていた圧油は、第2の油路へ供給される。この時、圧油源から供給される圧油は、第2の油路を経て潤滑油または冷却油として駆動装置の各部へ送られることとなり、調圧バルブを経由しない。
つまり、摩擦係合装置が、圧油の供給により作動している状態では、必要なライン圧に維持され、摩擦係合装置へ圧油を供給していない状態では、ライン圧を発生させる必要がなくなるため、圧油源に対する抵抗が減り、第2の油路は第1の油路よりも低圧の圧油の供給路となり、圧油源の動力損失を低減することができる。
【0014】
上記駆動装置の動力源を、例えばエンジンと電気モータで構成した場合には、エンジンの発生するエンジントルクと、電気モータの発生するモータトルクとが、駆動出力系へ伝達される。
摩擦係合装置がクラッチの場合で、該クラッチをエンジンの出力軸と、電気モータの出力軸の間に介設した構成とした時には、摩擦係合装置が、係合状態にあると、エンジントルクとモータトルクとが同時に駆動出力系へ伝達され、解放状態にあると、モータトルクが駆動出力系へ出力される。ここで、ライン圧によってクラッチが係合状態となる場合には、切換バルブは第1の状態となっており、解放状態となる場合には、切換バルブは第2の状態となっている。この第2の状態では、クラッチにはライン圧は加わらず、クラッチに供給されていた圧油は、潤滑油または冷却油として駆動装置内に供給される。
【0015】
エンジンを動力源とし、駆動出力系が、差動歯車装置を介してエンジン出力の一部を発電機へ、残りを出力軸へ伝達する構成を有する場合において、摩擦係合装置を発電機の回転を制動するブレーキとすると、ブレーキが係合状態にあるとき、発電機の回転が止められ、解放状態にあるとき発電機は回転可能となる。例えば、ライン圧によってブレーキが係合状態となる場合には、切換バルブは第1の状態に切換られており、発電機の回転は止められる。切換バルブが第2の状態にある時には、ブレーキにはライン圧は加わらず、ブレーキは解放状態となり、発電機は回転可能となる。
【0016】
電気モータを動力源とし、駆動装置が、差動歯車装置を有する場合において、差動歯車装置は、第3の歯車要素を固定し、あるいは第2の歯車要素と第3の歯車要素とを一体回転させることによって、電気モータの回転数を変速して出力ギヤへ伝達する。
摩擦係合装置は、第3の歯車要素を固定するブレーキと、第3の歯車要素と第2の歯車要素を一体とするクラッチである。ブレーキが係合状態となるとき、第3の歯車要素の回転は停止し、ブレーキが解放状態となると、第3の歯車要素は回転可能な状態となる。また、クラッチが係合状態となると、第2の歯車要素と第3の歯車要素とが接続され、一体回転し、解放状態となると、第2の歯車要素と第3の歯車要素はそれぞれ独立して回転する。ブレーキの状態とクラッチの状態を変更することによって、第1の歯車要素に入力された電気モータの回転数が異なる変速比で、第2の歯車要素に接続されている出力ギヤに出力される。摩擦係合装置であるブレーキとクラッチを作動させる油圧回路は、上記説明したものと同様に作用する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態のハイブリッド車両の駆動装置を示す概念図である。図において、第1軸線上には、動力源であるエンジン11と、エンジン11を駆動させることによって発生する回転を出力するエンジン出力軸12と、該エンジン出力軸12を介して入力された回転に対して変速を行う差動歯車装置であるプラネタリギヤユニット13と、該プラネタリギヤユニット13における変速後の回転が出力されるユニット出力軸14と、該ユニット出力軸14に固定された第1カウンタドライブギヤ15と、通常走行状態では主として発電機として作用する発電機16と、該発電機16とプラネタリギヤユニット13とを連結する伝達軸17とが配置されている。ユニット出力軸14は、スリーブ形状を有し、エンジン出力軸12を包囲して配設されている。また、第1カウンタドライブギヤ15は、プラネタリギヤユニット13よりエンジン11側に配設されている。
【0018】
プラネタリギヤユニット13は、第1の歯車要素であるサンギヤSと、サンギヤSと噛合するピニオンPと、該ピニオンPと噛合する第2の歯車要素であるリングギヤRと、ピニオンPを回転自在に支持する第3の歯車要素であるキャリヤCRとを備えている。
サンギヤSは、伝達軸17を介して発電機16と連結され、リングギヤRは、ユニット出力軸14を介して第1カウンタドライブギヤ15と連結され、キャリヤCRは、エンジン出力軸12を介してエンジン11と連結されている。
【0019】
さらに、発電機16は伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21と、該ロータ21の周囲に配設されたステータ22と、該ステータ22に巻装されたコイル23とを備えている。発電機16は、伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。前記コイル23は図示しないバッテリに接続され、該バッテリに電力を供給して充電する。
【0020】
発電機16には、伝達軸17の他端側に、摩擦係合装置であるブレーキ28が接続されており、このブレーキ28をON状態とすることで、発電機16の回転およびサンギヤSの回転が固定されるようになっている。
第1軸線と平行な第2軸線上には、動力源である電気モータ25と、電気モータ25の回転が出力されるモータ出力軸26と、モータ出力軸26に固定された第2カウンタドライブギヤ27とが配置されている。
電気モータ25は、モータ出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ37と、該ロータ37の周囲に配設されたステータ38と、該ステータ38に巻装されたコイル39とを備えている。電気モータ25は、コイル39に供給される電流によってトルクを発生させる。そのために、コイル39は図示しないバッテリに接続され、該バッテリから電流が供給されるように構成されている。
【0021】
本発明のハイブリッド車両が減速状態において、電気モータ25は、図示しない駆動輪から回転を受けて回生電力を発生させ、該回生電力をバッテリに供給して充電する。
そして、前記エンジン11の回転と同じ方向に図示しない駆動輪を回転させるために、第1軸線及び第2軸線と平行な第3軸線上には、駆動出力軸としてカウンタシャフト31が配設されている。該カウンタシャフト31にはカウンタドリブンギヤ32が固定されている。
また、該カウンタドリブンギヤ32と第1カウンタドライブギヤ15とが、及びカウンタドリブンギヤ32と第2カウンタドライブギヤ27とが噛合させられ、第1カウンタドライブギヤ15の回転及び第2カウンタドライブギヤ27の回転が反転されてカウンタドリブンギヤ32に伝達されるようになっている。
さらに、カウンタシャフト31には、カウンタドリブンギヤ32より歯数が小さなデフピニオンギヤ33が固定される。
【0022】
そして、第1軸線、第2軸線及び第3軸線に平行な第4軸線上にデフリングギヤ35が配設され、該デフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ33とが噛合させられる。また、前記デフリングギヤ35にディファレンシャル装置36が固定され、デフリングギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル装置36によって差動させられ、駆動輪に伝達される。上記構成において、駆動出力系は、プラネタリギヤユニット13と、発電機16と、第1カウンタドライブギヤ15と、カウンタドリブンギヤ32と、第2カウンタドライブギヤ27と、カウンタシャフト31と、デフピニオンギヤ33と、デフリングギヤ35と、ディファレンシャル装置36とによって構成されている。
【0023】
このように、エンジン11によって発生させられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるだけでなく、電気モータ25によって発生させられた回転をカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるので、エンジン11だけを駆動するエンジン駆動モード、電気モータ25だけを駆動するモータ駆動モード、並びにエンジン11及び電気モータ25を駆動するエンジン・モータ駆動モードでハイブリッド型車両を走行させることができる。また、発電機16において発生させられる電力を制御することによって、前記伝達軸17の回転数を制御することができる。さらに、発電機16によってエンジン11を始動させることもできる。また、発電機の回転を停止させる場合には、ブレーキ28を係合せさて発電機16のロータ21を固定することができる。
【0024】
図2は、ハイブリッド車両の制御系を示すブロック図である。図示されているように、ハイブリッド車両は、本発明の駆動装置を含む駆動系40と、各部の状態を検出するセンサ系41と、駆動系40の各部の制御を行う制御系42を備えている。
駆動系40は、既述のエンジン11と、発電機16と、ブレーキ28と、電気モータ25と、バッテリ43とを有している。バッテリ43は、モータ制御装置423における制御により、電気モータ25に電力を供給するとともに、電気モータ25からの回生電力および発電機16の電力で充電されるようになっている。
センサ系41は、運転者の車両駆動力への要求度を示すアクセル開度αを検出するアクセルセンサ411、車速Vを検出する車速センサ412を備えている。
【0025】
制御系42は、エンジン11を制御するエンジン制御装置421と、発電機16を制御する発電機制御装置422と、電気モータ25を制御するモータ制御装置423と、ブレーキ28を制御する電磁バルブ54とを備えている。
また、制御系42は、エンジン制御装置421と、発電機制御装置422と、モータ制御装置423と、電磁バルブ54とに対して制御指示や制御値を供給することで、車両全体を制御する車両制御装置424を備えている。この車両制御装置424は、例えばCPU(中央処理装置)、各種のプログラムやデータが格納されたROM(リード・オンリ・メモリ)、ワーキングエリアとして使用されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等を備えたマイクロコンピュータによって構成することができる。
【0026】
車両制御装置424は、エンジン制御装置421に対して、図示しないイグニッションキーのON/OFFに応じたエンジンのON/OFF信号を供給するようになっている。
また、車両制御装置424は、モータ制御装置423に対して、アクセルセンサ411からのアクセル開度αと車速センサ412からの車速Vとに応じたトルクTM*を供給する。また、エンジン11や発電機16の駆動に伴うトルク変動を電気モータ25で吸収するために必要な補正トルクΔTMをモータ制御装置423に供給する。
車両制御装置424は、発電機制御装置422に対して、発電機16の目標回転数NG*を供給する。さらに、車両制御装置424は、電磁バルブ54に対して発電機16の回転を固定する場合にON信号、発電機16を回転する場合にOFF信号を出力するようになっている。
【0027】
そして、エンジン制御装置421は、車両制御装置422から供給されるON信号と、エンジン11から入力されるエンジン回転数NEに応じて、スロットル開度θを制御することで、エンジン11の出力を制御するようになっている。
【0028】
発電機制御装置422は、目標回転数NG*となるように電流(トルク)IGを制御する。モータ制御装置423は、車両制御装置424から補正トルクΔTMが供給される場合には、TM=TM*−ΔTMとなるように、また、供給されない場合には、TM=TM*となるように、電気モータ25の電流(トルク)IMを制御する。また、電磁バルブ54は、後述するように、車両制御装置424から供給されるON/OFF信号に従ってブレーキ28の係合と開放を行う。
【0029】
図3は、本実施形態におけるプラネタリギヤユニット13の概念図、図4は、エンジン11を非駆動状態とした場合の速度線図である。図3に示されているように、プラネタリギヤユニット13のリングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数の2倍となっている。従って、リングギヤRに接続されているユニット出力軸14の回転数(以下「出力回転数」という)をNOUTとし、キャリヤCRに接続されるエンジン11の回転数(以下「エンジン回転数」という)をNEとし、サンギヤSに接続される伝達軸17の回転数(以下「発電機回転数」という)をNGとしたとき、
【0030】
NG=3・NE−2・NOUT
となる。そして、ハイブリッド車両の通常走行時においては、リングギヤR、キャリヤCR、およびサンギヤSは、いずれも正方向へ回転させられ、出力回転数NOUT、エンジン回転数NE、発電機回転数NGは、いずれも正の値を採る。ここで、制動時にエンジン11を停止させ、ブレーキ28を係合状態とすると、図4に示されているように、発電機16のロータ21の回転は停止され(NG=0)、出力回転数NOUTおよびエンジン回転数NEは正となる。この時、プラネタリギヤユニット13に対しては、エンジンブレーキトルクが作用する。つまり、ブレーキ28を係合状態とすることによって、エンジンブレーキトルクを十分に作用させることができる。
【0031】
以上説明した駆動装置に設けられている本発明の油圧回路5について、図5に基づいて詳細に説明する。油圧回路5は、エンジン出力軸12から回転力を得て駆動する圧油源としてのオイルポンプ51と、切換バルブ52と、調圧バルブ53と、電磁バルブ54と、リリーフバルブ55と、ブレーキ28と切換バルブ52のポートdとに接続されている第1の油路Aと、切換バルブ52のポートgと第3の油路Cとに接続されている第2の油路Bと、一端がオイルポンプ51の吐出口に接続され、圧油を切換バルブへ案内する第4の油路Dと、電磁バルブ54のポートbと切換バルブ52のポートeとに接続されている第5の油路Eと、第1の油路Aと調圧バルブ53のポートkとポートjとに接続されている第6の油路Fと、第3の油路Cから供給される油を潤滑油として駆動系の各部へ送る潤滑系油路Gと、第3の油路Cから供給される油を冷却油として発電機16や電気モータ25へ送る冷却系油路Hとを有している。潤滑系油路Gはカウンタシャフト31やディファレンシャル装置36等の動力伝達要素へ潤滑油を供給する。
【0032】
第4の油路Dには、さらにオリフィスo1 を介して第3の油路Cが接続され、また、電磁バルブ54と、リリーフバルブ55が接続されている。第3の油路Cの一端は、調圧バルブ53のポートlに接続されており、他端には既述の潤滑系油路Gと冷却系油路Hの他、第7の油路Iの一端が接続されている。第7の油路Iにはバイパスバルブ56が設けられており、第7の油路Iの他端は、第3の油路Cと冷却系油路Hの間に直列に設けられている2つのオリフィスo2 、o3 の間に接続されている。一方、第1の油路Aには、オリフィスo4 が設けられ、このオリフィスo4 に対して、第8の油路Jによって逆止弁59が並列に設けられている。逆止弁59は、ブレーキ28にライン圧が加わっている状態では、閉じられ、ブレーキ28が解放状態となって作動油を抜く際に開かれるように接続されている。
【0033】
切換バルブ52は、上述のポートc、ポートd、ポートe、ポートgの他に、ポートfを有している。切換バルブ52は、本体521内を往復動する弁体522を有し、ポートeに供給されたパイロット圧によって、往復動操作される。切換バルブ52は、弁体522の移動によって、ポートcとポートdが連通した第1の状態と、ポートcとポートgが連通し、さらにポートdとポートfが連通した第2の状態とに切り換わるように構成されている。
【0034】
電磁バルブ54は、ソレノイドの作動によって、ポートaとポートbが連通した連通状態と、閉鎖状態とに切り換わり、連通状態では第4の油路Dから切換バルブ52のポートeへパイロット圧が供給される。
調圧バルブ53は、ポートj、ポートk、ポートlの他に、ポートmを有している。調圧バルブ53は、本体531内を往復動する弁体532を有し、ポートjに供給されたパイロット圧によって、往復動操作される。調圧バルブ53は、弁体532の位置によって、ポートl、ポートk、ポートmがそれぞれ閉鎖された閉鎖状態と、ポートkとポートlが、ポートkとポートmがそれぞれ連通した連通状態とに切り換わるように構成されている。そして、連通状態では、パイロット圧の変化によって弁体532の位置が変動し、一次圧(ライン圧)が一定の値となるように調整される。リリーフバルブ55は、ライン圧油路Aの油圧が一定の値以上となると、ポートhとポートiが連通して、ライン圧を上記一定の値まで低下させる。
【0035】
以上のような油圧回路5の構成において、その動作について図5および図6に基づいて説明する。
オイルポンプ51は、オイルサンプ57からフィルタ58を介して油を吸入し、第4の油路Dに油圧を供給する。第4の油路Dの油圧は、一部はオリフィスo1 を介して、第3の油路Cへ供給され、他は切換バルブ52のポートcへ供給される。そして、図5に示されているように、電磁バルブ54のソレノイドをオン状態とすると、電磁バルブ54のポートaとポートbが連通し、第5の油路Eを介して、切換バルブ52のポートeへパイロット圧が供給される。パイロット圧の供給によって、弁体522が移動し、切換バルブ52は、ポートcとポートdが連通する第1の状態となる。
【0036】
これにより、第4の油路Dの油圧は、第1の油路Aを介してブレーキ28へ供給され、ブレーキ28が作動して、発電機16とサンギヤSの回転が規制(固定)される。第1の油路Aからは、第6の油路Fを介して調圧バルブ53へ圧油が導かれる。調圧バルブ53へ導かれた圧油の一部は、オリフィスo5 を介してポートjへパイロット圧として導かれ、このパイロット圧によって、調圧バルブ53は、ポートkとポートlとが連通し、かつポートkとポートmが連通した状態となる。調圧バルブ53へ導かれた圧油の残りは、調圧バルブ53のポートkに導かれ、一部はポートmを通って、オイルサンプ57へ戻され、残りはポートlから第3の油路Cへ導かれる。このような調圧バルブ53の作用によって、ブレーキ28へ加えられるライン圧は一定なものに維持される。
【0037】
ブレーキ28による規制を解除する場合には、電磁バルブ54のソレノイドの通電をオフにする。これにより、電磁バルブ54のポートaとポートbとの間が遮断され、第5の油路Eを介して、切換バルブ52のポートeへの圧油の供給が断たれる。
図6に示されているように、切換バルブ52の弁体522は復帰スプリングによって移動し、ポートdとポートfが連通し、かつポートcとポートgが連通した第2の状態となる。ポートfからは、ブレーキ28を作動させた油がポートdを介して排出される。また、ブレーキ28の作動時にブレーキ28へ供給される圧油は、ブレーキ解放時においては、ポートcからポートgを経て、第2の油路Bへ導かれ、さらに第3の油路Cへ案内される。第3の油路Cでは、第4の油路Dから供給される圧油と、第2の油路Bから供給される圧油が合流して、これらの圧油は、潤滑系油路Gと冷却系油路Hとに供給される。
【0038】
従って、ブレーキ28が作動していない場合には、作動時に供給される圧油が、調圧バルブ53を経ずして潤滑系油路Gと冷却系油路Hへ流されるので、ブレーキ28を作動させている場合に比較してオイルポンプ51に加わる抵抗に小さくなり、オイルポンプの動力損失が抑制される。
第3の油路Cの油圧がバイパスバルブ56の設定油圧以上となると、ポートoとポートnが連通してオリフィスo2 をバイパスして油路Iを通って油路Hへ油が流れ込み潤滑油圧は一定に保たれる。つまり、潤滑油量は確保され、オイルポンプ51の回転が上昇し吐出量が増えてきたら、余分な油は冷却へ回される。
【0039】
次に、本発明の駆動装置の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、エンジンを搭載せず、電気モータのみを動力源とした電気自動車に搭載された駆動装置である。図7は、第2実施形態の駆動装置を示す概略図である。
電気自動車のボンネットの部分には、トランクアクスルケース61およびモータケース62が一体となって固定されており、トランクアクスルケース61の開放部は、エンドプレート63で閉塞されいてる。該ケース61、62内には、2速自動変速装置64と、動力源である電気モータ65とが配置され、さらにその下方には、ディファレンシャル装置66が配置されている。また、ケース61、62内には、モータ出力軸である回転軸67が回転自在に軸支されており、該回転軸67には、スリーブ状の出力軸68が、回転自在に被嵌し、該出力軸68の一端部には、出力ギヤであるカウンタドライブギヤ69が固定されている。
【0040】
2速自動変速装置64は、変速ギヤユニットを構成するシングルプラネタリギヤユニット70を有するアンダードライブ機構部を備え、その第1の歯車要素であるリングギヤRが回転軸67に連結し、その第2の歯車要素であるキャリヤCRが出力軸68に連結している。さらに、キャリヤCRと第3の歯車要素であるサンギヤSとの間には、摩擦係合装置であるダイレクトクラッチC2が介在しており、かつサンギヤSとケース3との間には、同じく摩擦係合装置である低速および後進用のブレーキB2、ワンウェイクラッチF2が介在している。これらの、ダイレクトクラッチC2およびブレーキB2は、ライン圧が加わっている状態で係合状態となり、ライン圧が加わらない時には解除状態となる。
【0041】
一方、電気モータ65は、ブラシレスDCモータ、誘導モータ、直流分巻モータ等のホローモータからなり、前記モータケース62内に配置されている。該電気モータ65は、偏平状のステータ71と、偏平状のロータ72を有しており、ステータ71は、モータケース62の内側に固定され、かつコイル73が巻装されており、また、ロータ72は、ロータリハブ74を介して前記回転軸67に連結・固定され、かつプラネタリギヤユニット70のリングギヤRに連結されいてる。
【0042】
トランクアクスルケース61の下方にはカウンタ軸75およびディファレンシャル装置66が配置されており、該カウンタ軸75には上記ドライブギヤ69に噛合するカウンタドリブンギヤ76およびピニオン77が固定されている。ディファレンシャル装置66は、該ピニオン77に噛合するリングギヤ78を有しており、該ギヤ78からのトルクがそれぞれ負荷トルクに応じて左右の前車輪79a、79bに伝達される。
【0043】
次に、上記ダイレクトクラッチC2およびブレーキB2を作動させるライン圧を加える油圧回路について説明する。図8は、本第2実施形態における油圧回路図である。この油圧回路においては、第1実施形態における油圧回路と構成が同一の部分については説明を省略し、主に相違する構成の部分について詳説する。この油圧回路においては、第1実施形態と同様に配置された第1の切換バルブ52aと第1の電磁バルブ54aを有し、電磁バルブ54aの開閉によって、第1実施形態の場合と同様に、第1の切換バルブ52aが第1の状態と第2の状態とに切り換わる。
【0044】
一方、第1の油路Aには、第2の切換バルブ52bのポートpが接続されている。第2の切換バルブ52bのポートqには、一端がブレーキB2に接続されている第9の油路Kが接続されており、第1実施形態と同様に第8の油路Jによって逆止弁59aがオリフィスo4 に対して並列に設けられている。
【0045】
第2の切換バルブ52bのポートrには、一端がクラッチC2に接続されている第10の油路Lが接続されており、該第10の油路Lに設けられているオリフィスo5 に対して、逆止弁59bが第11の油路Nによって並列に設けられている。一方、第1の油路Aには、第2の電磁バルブ54bのポートtが接続されており、第2の電磁バルブ54bのポートuは、第12の油路Mを介して、第2の切換バルブ52bのポートvが接続されている。
【0046】
第2の切換バルブ52bは、第1の切換バルブ52aと同様の構成となっており、本体521内を往復動する弁体522を有し、ポートvに供給されたパイロット圧によって、往復動操作される。
第1の油路Aにライン圧が加わっている状態(第1の切換バルブ52aが第1の状態にある時)で、第2の電磁バルブ54bを開くと、パイロット圧が第2の切換バルブ52bに作用し、弁体522が移動してポートpとポートrが連通した状態(クラッチ動作状態)となり、ライン圧が第2の切換バルブ52bを介してクラッチC2に加えられる。
【0047】
第1の油路Aにライン圧が加わっている状態で、パイロット圧がポートvに加わっていない時には、バネにより弁体522は元の位置に復帰し、ポートpとポートqが連通した状態(ブレーキ動作状態)となり、ライン圧が第2の切換バルブ52bを介してブレーキB2に加えられる。
第2の切換バルブ52bには、上記ポートの他に、ポートs、ポートwを有している。ポートsは、クラッチC2の作動油を排出するドレンポートであり、ポートwは、ブレーキB2の作動油を排出するドレンポートである。ポートpとポートrが連通した状態(クラッチ動作状態)では、ポートqとポートwが連通し、ブレーキB2の作動油が排出される。ポートpとポートqが連通した状態(ブレーキ動作状態)では、ポートrとポートsが連通し、クラッチC2の作動油が排出される。
【0048】
以上のような構成の油圧回路を備えた駆動装置の動作について、表1に基づき説明する。
【0049】
【表1】
Figure 0003755092
【0050】
前進駆動時において、1速走行の場合には、第1の電磁バルブ54aは閉じ状態となっており、第1の切換バルブ52aは、第2の状態となっている。即ち、ライン圧は発生しておらず、クラッチC2およびブレーキB2は共に解除状態となっている。この時、オイルポンプ51から送られる圧油は、調圧バルブ53を通さずに第2の油路Bによって、直接潤滑系油路Gと冷却系油路Hへ送られるので、オイルポンプ51に加わる負荷が少なくなり、動力損失が抑制される。
【0051】
回生時には、第1の電磁バルブ54aを開き、第1の切換バルブ52aを第1の状態に変更して、ライン圧を発生させる。第2の電磁バルブ54bを閉じた状態とし、ブレーキ動作状態とする。これにより、1速走行の回生時には、ブレーキB2が係合状態となり、サンギヤSの回転が止まる。
2速走行の場合には、第1の切換バルブ52aを第1の状態としてライン圧を発生させ、第2の電磁バルブ54bを開いて、第2の切換バルブ52bをクラッチ動作状態に切り換える。クラッチC2が係合状態となると、サンギヤSとキャリヤCRが一体回転し、2速走行となる。2速走行状態においては、同じ状態で回生が行われる。
【0052】
後進時には、第1の切換バルブ52aを第1の状態としてライン圧を発生させ、第2の電磁バルブ54bを閉じた状態とし、ブレーキ動作状態とする。
上記第1の切換バルブ52aと第2の切換バルブ52bの制御は、第1の電磁バルブ54aと第2の電磁バルブ54bを介して車両制御装置によって行われる。即ち、1速走行時には、第1の電磁バルブ54aと第2の電磁バルブ54bのソレノイドをオフ状態(非通電状態)とし、2速走行時には、第1の電磁バルブ54aと第2の電磁バルブ54bの各ソレノイドをそれぞれオン状態(通電状態)とし、1速走行における回生時と、後進走行時には、第1の電磁バルブ54aのソレノイドをオン状態、第2の電磁バルブ54bのソレノイドをオフ状態とする。
【0053】
以上のように、差動歯車装置に設けられたクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置について、本発明の駆動装置を用いる場合には、最も使用頻度の多いモードを(例えば通常走行状態)ライン圧を必要としない状態とすれば、オイルポンプの動力損失をさらに少なくすることが可能となる。
これらの切換は、例えば運転車が各変速モードを選択した際、または制動ブレーキを踏んだ際、あるいは後進走行モードを選択した際に自動的に行われるように制御することができる。
【0054】
以上説明した実施形態の他、パラレル式ハイブリッド車両において、エンジンの出力と電気モータの出力を、エンジンの出力軸と電気モータの出力軸の間に設けられたクラッチによって接続し、クラッチの入り切りによって、モータ駆動モード(クラッチ切り)とエンジン・モータ駆動モードとに切換える方式の車両についても、該クラッチを作動させる油圧回路として上記油圧回路を用いた駆動装置を用いることができる。
なお、上記説明したオイルポンプには、例えば歯車ポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプなどを用いることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の駆動装置によれば、摩擦係合装置にライン圧を作用させる必要がない場合には、供給される圧油をライン圧を発生させる回路以外の回路へ供給するため、圧油源の動力損失を低減することができる。
例えば、差動歯車装置を用いてエンジンの出力の一部を発電機に伝達し、残りを出力軸に伝達する構成の駆動装置の場合にも、発電機の制動動作をしない状態で圧油源の動力損失を抑制できる。
さらに、差動歯車装置を変速装置として用い、差動歯車装置の各構成要素間に摩擦係合装置を配置した構成の駆動装置の場合であっても、各摩擦係合装置にライン圧を作用させる必要がない状態において、圧油源の動力損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるハイブリッド車両の駆動系の構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるハイブリッド車両の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるプラネタリギヤユニットの概念図である。
【図4】本発明の第1実施形態における通常走行時の速度線図である。
【図5】本発明の第1実施形態において、ブレーキが係合状態にある場合の、各ポートの連通状態を示す油圧回路図である。
【図6】本発明の第1実施形態において、ブレーキが開放状態にある場合の、各ポートの連通状態を示す油圧回路図である。
【図7】第2実施形態の駆動装置を示す概略図である。
【図8】第2実施形態の油圧回路図である。
【符号の説明】
11 エンジン
12 エンジン出力軸
13 プラネタリギヤユニット(差動歯車装置)
16 発電機
25 電気モータ
28 ブレーキ(摩擦係合装置)
36 デファレンシャル装置
40 駆動系
42 制御系
51 オイルポンプ
52 切換バルブ
53 調圧バルブ
54 電磁バルブ
64 2速自動変速装置(差動歯車装置)
65 電気モータ
66 ディファレンシャル装置
A 第1の油路
B 第2の油路
B2 ブレーキ(摩擦係合装置)
C2 クラッチ(摩擦係合装置)

Claims (4)

  1. 摩擦係合装置を備えた駆動装置において、
    オイルポンプと、
    前記摩擦係合装置への圧油を供給する第1の油路と、
    前記第1の油路に接続され、前記摩擦係合装置に調圧された圧油を供給する調圧バルブと、
    前記第1の油路よりも低圧の圧油を供給する第 3 の油路に、前記調圧バルブを介することなく、圧油を供給する第2の油路と、
    切換信号に応じて、前記オイルポンプの吐出油路に対して第1の油路または第2の油路を選択的に連通する切換バルブとを有し、
    前記摩擦係合装置の係合時は、前記切換バルブが前記オイルポンプの吐出油路と前記第1の油路とを連通すると共に、前記調圧バルブが前記第1の油路から供給された圧油の一部を前記第3の油路に供給し、
    前記摩擦係合装置の解放時は、前記切換バルブが前記オイルポンプの吐出油路と前記第2の油路とを連通すると共に、前記調圧バルブへの圧油の供給を遮断することを特徴とする駆動装置。
  2. 発電機と、出力軸と連結された電気モータと、エンジンと、前記発電機と連結された第1の歯車要素と、前記電気モータと連結された第2の歯車要素と、前記エンジンと連結された第3の歯車要素とを備えた差動歯車装置とを有し、前記摩擦係合装置は、前記第1の歯車要素の回転軸をケースに係止する請求項1に記載の駆動装置。
  3. 電気モータと、該電気モータのモータ出力軸に連結された第1の歯車要素と、出力ギヤに連結された第2の歯車要素と、第3の歯車要素とを備えた差動歯車要素とを有し、前記摩擦係合要素は、前記差動歯車装置の少なくとも一方の歯車要素を他方の歯車要素に連結し、またはケースに係止する請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記摩擦係合装置は、前記第3の歯車要素の回転軸をケースに係止するブレーキと、前記第3の歯車要素と第2の歯車要素間に設けられたクラッチの少なくとも1つを有する請求項3に記載の駆動装置。
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