JP3754935B2 - レンズ加工管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ加工管理システムに関し、特に、複数種類のレンズ加工機を有するレンズ製造ラインの加工機及びライン内の情報を一元的に管理し、制御するレンズ加工管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な加工機を一元的に管理し、制御する、いわゆる群管理システムが提案されている。例えば、プラスチック成型に使用される射出成形機を群管理するシステムが考案され、特許2543793号公報等にて開示されている。
【0003】
一方、レンズ加工の分野においては、特開平06−315849号公報等にて開示されているように、一部の限られた分野で、LAN(ローカルエリアネットワーク)で加工システムと測定システムを接続し、測定システムでの測定値に応じて、数値制御研磨機の動作プログラムを、自動的に計算し加工機側に転送するシステムが使用されている。
【0004】
また、特開2000−176811号公報では、レンズ素材の供給から研磨加工、あるいは心取り加工までのレンズ自動加工“ライン”について開示されている。しかしながら、レンズ加工の分野において、プラスチック成型の分野で行われているような、多数の加工機および、多数の“ライン”の情報を一元的に管理し、制御する群管理システムについては知られていない。
【0005】
この理由として、(1)1つのレンズの形状を製品として仕上げるまでに複数種類の工程があること、(2)各工程内での管理項目が多いこと、(3)加工機および管理すべき工具の種類が多いこと、等があげられる。すなわち、レンズ加工は、材料が投入されてから、荒摺り、精研削、研磨と呼ぶ工程により各面(表裏)の球面部を仕上げ、更に心取り、反射防止膜の蒸着といった工程を経て、1個の単品レンズが完成する。
【0006】
レンズの材料投入から、レンズとして完成するまでの流れは、特開2000−176811号公報にも詳しく開示されている。この球面部を仕上げる工程(荒摺り〜研磨)では、球面部の曲率、球面精度(アス、クセ)、外観品質(表面粗さ、キズ有無等)、肉厚等が、研磨工程を終了した時点で目標とする品質レベルを達成するために、各工程(荒摺り、精研削、研磨)内での品質チェックと、各加工機の設定条件変更といった、品質管理業務が非常に重要な要素となっている。このため、従来レンズの自動“ライン”として、材料の供給、搬送、各加工機へのレンズ材料の着脱、といった部分を自動化しても、各工程の品質管理の部分を人手に頼らざるを得ず、なかなか人員削減をすることができなかった。
【0007】
図15は、レンズ製造の各工程で管理される品質項目を示した表である。
【0008】
図15に示すように、工程により管理する品質項目が異なり、また1つの工程で数多くの項目を管理しなければない。レンズ製造ラインを管理する作業者は、これらの品質項目が、それぞれの規格値を満足するように、定期的に計測を行い、更に測定値に応じて加工機の設定条件調整や、工具の修正を行っている。作業者が行う品質計測は、マイクロメーターレベルの計測が必要であり、測定機の調整や使い方に細心の注意を払う必要があり、また、熟練した技能を必要とする。また、各工程で使用される加工機は、加工するレンズの形状(曲率、開角、凹凸、直径等)に応じて、様々な種類の加工機が使い分けられており、それぞれの加工機での調整方法も多様であるため、このような作業には、熟練した技能と数多くの知識、経験が必要である。
【0009】
また、各工程で使用される工具は殆どがレンズ形状に対し専用のもので、精研削や研磨工程では、皿合せと呼ばれる熟練者による工具形状の事前修正作業が、レンズの品質を大きく左右する。
【0010】
更に、管理している品質項目ごとに、定期的なチェック(計測)を行うが、項目ごとに、品質チェックを行うタイミングが異なるという難しさもある。
【0011】
以上のように、レンズ加工の分野では、工程内での管理項目の多さと、熟練度が必要な計測、調整作業の存在により、プラスチック成型の分野で開示されているような群管理の技術の応用ができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、レンズ加工の分野では、永年の熟練者に頼った生産体制から抜けきれず、近年の人件費の高騰により、次第にコスト競争力を失いつつある。この状況を脱却するためには、作業者一人あたりのレンズの生産数をできるだけ多くし、人件費コストを下げる必要がある。そのためには、熟練者に頼らずにレンズを加工できる生産体制を構築すること、段取り・調整、無駄な歩行といった、生産のロスタイムをできるだけ少なくすることが求められる。
【0013】
本発明は、上記の課題を克服するために、レンズ製造ラインにおける最適な管理システムを提供し、熟練者不要の作業とするレンズ加工管理システムを構築することを目的とする。
【0014】
また、各工程での品質を安定させ、品質管理の信頼性を向上させるレンズ加工管理システムを構築することを目的とする。
【0015】
さらに、作業の無駄な時間を排除し、作業者一人あたりの生産数を最大にするレンズ加工管理システムを構築することを目的とする。
【0016】
さらに、ライン全体を一括管理して効率的な生産計画を進め、工程内在庫を最小にするレンズ加工管理システムを構築することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のレンズ加工管理システムは、複数種類の加工機を含み、前記複数種類の加工機による所定の形状のレンズを製造する一連の加工工程を1つの系列として、前記系列を1以上有するレンズ加工管理システムであって、前記一連の加工工程の各加工工程で加工された加工対象の品質状況を測定するための測定手段と、前記測定手段で測定された品質状況が所定の基準を満足するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で満足しないと判断された場合、該満足しないと判定された加工工程の後の工程で、該加工対象の品質を補償する補償手段と、前記品質状況を用いて前記複数種類の加工機の最適加工機設定を算出する最適加工機設定算出手段と、
前記最適加工機設定算出手段で算出された前記最適加工機設定に基づいてレンズ加工をするレンズ加工手段と、前記1つの系列における各工程での加工状況を表示する表示手段を有し、前記表示手段は、各工程のチェックを行う基準時間の表示と、上限を示す上限値時間の表示を行うことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
はじめに、本実施の形態におけるレンズ加工工程の概要について説明する。
【0021】
図14は、本実施の形態におけるレンズ加工の製造工程を示したフローチャートである。
【0022】
第1の工程の荒摺り工程は、カーブジェネレータと呼ばれる研削加工機を使用して、レンズの球面となる面を、材料から概略の球面形状に創成する工程である。カーブジェネレータは、工具軸にカップ型の砥石を取付けて高速回転し、レンズ材料を低速回転しながら、一定速度で砥石に切り込んでいく加工機である。この工程で加工される球面の曲率半径は、図示φD(砥石径)とθ(工具軸の傾斜角)により、幾何学的に決定される。
【0023】
第2の工程は、精研削工程と呼ばれ、表面が球面形状の「球面総型砥石」や、多数の「ペレット」と呼ばれる小径の円柱体の砥石を鋳鉄等の台皿に貼り付けた「ペレット皿」工具を使用して、レンズの球面部を工具と摺り合わせ、カーブジェネレータで創成した概略の球面形状を目標とする曲率に近づけると共に、表面粗度を上げてゆく(滑らかな面にしてゆく)工程である。加工機は、研磨機と同様に様々なタイプの機械があるが、図14の例では、下軸に球面総型砥石を取付けて回転し、上軸のカンザシでレンズ材料を保持しながら揺動する。なお、第2の工程の精研削工程は、金属系結合材のメタルボンド砥石を使用する工程と、主に樹脂系の結合材のレジンボンド砥石を使用する工程の2段階により、徐々に表面形状と表面粗度を目標に近づけてゆくことが多い。
【0024】
第3の工程は研磨工程で、研磨剤スラリーを供給しながら、鋳鉄等の台皿の表面に弾性体の研磨シートを貼り付けた「球面研磨皿」工具とレンズの表面を摺り合わせ、球面部の曲率と表面粗度等の品質を完成させる工程である。加工機は、基本的には、精研削と同様の機械を使用することができる。研磨工程は、一般的に前の荒摺り、精研削工程に比べて加工時間が長いことが多いため、例えば荒摺り、精研削1軸に対し、研磨では2軸〜4軸を使用して、生産量のバランスをとることもある。
【0025】
精研削工程と研磨工程では、使用される工具(球面総型砥石や球面研磨皿)の表面の曲率が、加工されるレンズの曲率にほぼ転写される。このため、これらの工具の球面精度および曲率を、いかに目標に近づけるかが、加工されたレンズの品質を左右する。
【0026】
工具を加工機に取付ける前に、工具の球面精度を高め、目標とする曲率に合わせる作業を「皿合せ」と呼ぶ。皿合せは、工具と凹凸が反転した「合せ皿」を用いて、工具と摺り合わせることにより、工具および合せ皿の形状を調整してゆく作業であり、高度な熟練度を要する。
【0027】
第3の工程までが完了して、片面の球面部が仕上がったことになるが、同様に反対面を、荒摺り、精研削、研磨工程により仕上げ、更に次工程の心取り、反射防止膜蒸着などの工程へと進んでゆく。これらの一連の工程を経て、1個の単品レンズが完成する。
【0028】
なお、図14では、片面ずつを順番に仕上げていく、「片面仕上げ方式」の系列のフローチャートを例示したが、両面の荒摺り〜研磨までを交互に繰り返す方式、すなわち、A面の荒摺り、B面の荒摺り、A面の精研削、B面の精研削、A面の研磨、B面の研磨の順に仕上げていく、「両面同時進行方式」の系列も考えられ、レンズの形状等により使い分けられている。
【0029】
以下、(実施の形態1)乃至(実施の形態7)として、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0030】
(実施の形態1)
次に、本発明の実施の形態について、図1、図2を参照して具体的に説明する。
【0031】
図1は、操作端末A101と複数種類の加工機で構成されるブロック102を図示したものである。
【0032】
図1では、レンズの片面ずつを順番に仕上げていく「片面仕上げ方式」のブロックを示し、1つの系列は荒摺り機(CG機)1台、精研削機(2軸機)1台、研磨機(2軸機または4軸機)1台で構成されている。なお、系列は後述するサーバーコンピュータのデータベース内に管理されているが、各操作端末A101が管理していてもよい。
【0033】
1つの系列では、レンズの片面のみの加工が行われるので、1つのレンズは、2つの系列を通った後、次工程に進むことになる。
【0034】
ブロック102内の各加工機は、LAN(ローカルエリアネットワーク)に接続可能な制御装置を有し、制御装置により各軸位置の自動調整や、加工時間、回転数、圧力等の設定条件の書換えが可能である。
【0035】
本実施の形態では、各加工機の制御装置は、図1に示すように、LANケーブルで操作端末A101に接続されており、例えば、ある加工機で加工するレンズの品種を交換する時は、品種交換に必要な加工機の設定変更条件を操作端末A101から転送し、制御装置のデータ書換えと、各軸の位置調整を自動的に行うことができる。
【0036】
また、操作端末A101の近辺に、図15に列挙されている測定機(図1においては、測定機1、測定機2、測定機3)を配置し、品質のチェックを各測定機で行った後、すぐに操作端末A101に品質データを入力できるようになっている。このように、品質チェックに必要な測定機を、ブロック102内の操作端末近辺に配置することで、作業者の無駄な歩行を無くすことができる。
【0037】
また、レンズの生産量によっては、同一品種のレンズを、2系列以上で生産することもあるが、その場合には、測定機は同じ品種で共通になるため、このような観点からも、測定機類を集中配置しておくことが望ましい。
【0038】
図2は、複数の操作端末に接続されているサーバーコンピュータ(管理装置)を示した図である。
【0039】
各操作端末とサーバーコンピュータは、LANケーブル等のネットワークを介して接続されている。これにより、サーバーコンピュータに記載された、加工機の設定条件、レンズ情報等のデータベース、および、各ブロック、系列の稼働状況、各加工工程での品質状況等のデータを、操作端末から操作を行ってサーバーコンピュータから呼び出す、及び操作端末または加工機側からデータを送信して、サーバーコンピュータ内の各種データを書き換えることが可能である。
【0040】
図16は、サーバーコンピュータ内のブロック図である。
【0041】
1601はCPUであり、サーバーコンピュータ内の各ブロックの制御を行う他、本実施の形態に示されている処理を実現するための処理を行う。
【0042】
1602は入力部であり、サーバーコンピュータの作業者(操作者)からの情報の入力を可能にさせる。入力部1602には、例えば、キーボード、マウス、デジタイザ等がある。
【0043】
1603は出力部であり、サーバーコンピュータの作業者に情報を表示する。出力部1603には、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等がある。
【0044】
1604は外部記憶装置であり、サーバーコンピュータとは別個のメディアについて情報の読書きを行う。外部記憶装置1604には、例えば、FDドライブ、MOドライブ、CD−Rドライブ等がある。
【0045】
1605はROM(Read Only Memory)であり、読出し専用メモリである。ROM1605は、使用者が電気的にプログラムを書き込むことができるPROM(Programmable Rom)と製造するときに内容を書き込むマスクROMとがあるが、本実施の形態においては何れのROMであってもよい。
【0046】
1606はRAM(Random Access Memory)であり、自由書き込み・自由読出しができるメモリーである。RAM1606は、本実施の形態の処理を行う際に一時的にデータを蓄える等の機能を有する。RAM1606上に本願発明の処理に適した命令を順番付けられた列からなるプログラムが展開され、そのプログラムに基いてCPU1601が本願発明の各種処理を実現する。
【0047】
1607はネットワークインターフェースであり、インターネットやLAN等のネットワークを介して操作端末等への接続を可能にする。ネットワークインターフェース1607には、例えば、モデムやネットワークカード等がある。また、通信はTCP/IP等のネットワークプロトコルにより実現される。
【0048】
1608は内部記憶装置であり、情報をサーバーコンピュータ内で記憶するための装置である。内部記憶装置の例としては、ハードディスク等がある。
【0049】
1609はバスであり、情報処理端末内の各ブロック間の各種データのやりとり及び電力の供給をするものである。バス1609は、アドレス線、データ線、制御線、電源・グラウンド線等からなる。
【0050】
なお、外部記憶装置1604や内部記憶装置1608は、CPU1601の処理に基いて各種データを検索することが可能なデータベースとして機能する。
【0051】
図17は、操作端末内のブロック図である。
【0052】
操作端末は、サーバーコンピュータと、ほぼ同一の構成を有している。
【0053】
1701はCPUであり、操作端末内の各ブロックの制御を行う他、本実施の形態に示されている処理を実現するための処理を行う。
【0054】
1702は入力部であり、操作端末の作業者(操作者)からの情報の入力を可能にさせる。入力部1702には、例えば、キーボード、マウス、デジタイザ等がある。
【0055】
1703は出力部であり、操作端末の作業者に情報を表示する。出力部1703には、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等がある。
【0056】
1704は外部記憶装置であり、操作端末とは別個のメディアについて情報の読書きを行う。外部記憶装置1704には、例えば、FDドライブ、MOドライブ、CD−Rドライブ等がある。
【0057】
1705はROM(Read Only Memory)であり、読出し専用メモリである。ROM1705は、使用者が電気的にプログラムを書き込むことができるPROM(Programmable Rom)と製造するときに内容を書き込むマスクROMとがあるが、本実施の形態においては何れのROMであってもよい。
【0058】
1706はRAM(Random Access Memory)であり、自由書き込み・自由読出しができるメモリーである。RAM1706は、本実施の形態の処理を行う際に一時的にデータを蓄える等の機能を有する。RAM1706上に本願発明の処理に適した命令を順番付けられた列からなるプログラムが展開され、そのプログラムに基いてCPU1701が本願発明の各種処理を実現する。
【0059】
1707はネットワークインターフェースであり、インターネットやLAN等のネットワークを介してサーバーコンピュータや加工機等への接続を可能にする。ネットワークインターフェース1707には、例えば、モデムやネットワークカード等がある。また、通信はTCP/IP等のネットワークプロトコルにより実現される。
【0060】
1708は内部記憶装置であり、情報を操作端末内で記憶するための装置である。内部記憶装置の例としては、ハードディスク等がある。
【0061】
1709はバスであり、情報処理端末内の各ブロック間の各種データのやりとり及び電力の供給をするものである。バス1709は、アドレス線、データ線、制御線、電源・グラウンド線等からなる。
【0062】
なお、外部記憶装置1704や内部記憶装置1708は、CPU1701の処理に基いて各種データを検索することが可能なデータベースとして機能する。
【0063】
加工機の稼動状況や加工機の各種設定のデータ(以下、「加工機データ」という)は、作業者の操作時、或いは任意のインターバルで加工機のネットワークインターフェース(不図示)を介して操作端末に送信される。
【0064】
操作端末はネットワークインターフェース1707を介して加工機データを受信し、必要であれば、受信した加工機データに何らかの処理を施した上で、ネットワークインターフェース1707を介してサーバーコンピュータに送信する(転送する)。
【0065】
サーバーコンピュータは、操作端末から送信された加工機データをネットワークインターフェース1607を介して受信する。そして、受信した加工機データをデータベースに登録する(記憶する)。
【0066】
また、入力部1702により操作端末に品質データが入力されると、CPU1701は、入力された品質データをネットワークインターフェース1707を介してサーバーコンピュータに送信する。
【0067】
サーバーコンピュータは、操作端末から送信された品質データをネットワークインターフェース1607を介して受信する。そして、受信した品質データをデータベースに登録する。なお、ここでいう品質データとは、図15で列挙されているヘソやニュートン等の品質項目に関するデータである。
【0068】
作業者の操作時に、又は任意のインターバル毎に、又は品質データが入力された時に、操作端末は、以下の処理を行う。
1.最適な設定を算出する旨をネットワークインターフェース1707を介してサーバーコンピュータに送信する。
2.サーバーコンピュータから送信される、最適な加工機の設定を算出するために必要な規格値や品質(又は品質履歴)のデータ等をネットワークインターフェース1707を介して受信する。
3.CPU1701は、サーバーコンピュータから受信したデータ(又は/及び、その時点での加工機データ)に基いて、その時点での当該加工機の最適な設定(以下、「最適加工機設定」という)を系列単位で算出する。なお、「設定」とは、加工機の各軸位置、加工時間、回転数、圧力等である。
4.系列単位で算出された最適加工機設定は、加工機の制御装置に送信される。最適加工機設定を受信した加工機の制御装置は、加工機の設定を書き換え、各軸位置等の設定の調整を行い、加工機は次に投入されるレンズの加工に備える。
【0069】
以下に最適加工機設定がどのようにして算出されるか精研削工程を例を挙げて説明する。
【0070】
最適加工機設定を算出する際に、サーバーコンピュータのデータベースから受信するパラメータは以下のようなものがある。
・レンズ形状に関する基礎データ(基本曲率半径、ブランク外形、ブランク厚簡易球面計用のリング径等)
・調整のための基礎データ(品質チェックのインターバル、基準調整量等)
・品質規格に関するデータ(本工程の曲率規格中心、曲率コントロール中心、曲率誤差リミット等)
・加工機に関するデータ(工具傾斜角度、揺動幅、揺動速度、加工圧、加工時間等)
・実績データ(加工個数、品質履歴等)
さらに、作業者が入力する品質データとしては以下のようなものがある。
・肉厚、本工程で加工時の除去量(肉厚測定機にて測定)
・片肉(片肉測定機にて測定)
・キズ等の表面品質(顕微鏡、集光灯等にて判定)
・曲率、ヘソ、ツリガネ(簡易球面計にて測定)
これらデータベースから受信したデータ及び作業者が入力した品質データから、以下のような最適加工機設定が計算される。
・ワークと工具の相対位置の調整量(例えば、カンザシアームの位置調整量)
・加工時間の補正量
レンズの曲率ΔHを例に挙げて上記計算について説明する。ΔHの履歴から設定されているインターバル後のΔHを予測し、予測されたΔHと目標とするΔHとの誤差を計算する。当該誤差が、規定値以内であれば、そのままの設定で加工を続行し、規定値以上であれば、誤差量に応じた(例えば、誤差に所定の係数を乗じた量の)カンザシアームの位置調整を行う。
【0071】
最適加工機設定を算出する過程において、加工機の稼動範囲を超えていたり、レンズ加工において不適切な値が計算された場合は、操作端末にエラーメッセージを表示し、操作端末又は加工機が自力で解決できると判断した場合は、適切な処理をした後、加工を続行し、操作端末又は加工機が自力で解決できないと判断した場合は、作業者による処置があるまで、加工を中止する。
【0072】
また、工程間の仕掛品の数を最小にするように最適加工機設定を算出するようにしてもよい。なお、上にあげたデータ項目は、あくまでも一例であり、本願発明における精研削工程を含め、各工程での最適加工機設定の算出がこれらのデータによってのみ達成されるのではないことは、言うまでもない。
【0073】
また、複数の工程(荒摺り〜精研削〜研磨)の全体での品質調整をすることが可能となる。例えば、荒摺り工程において肉厚が厚いと測定された場合に、精研削工程の加工時間を延ばすことにより、肉厚を製品規格内にすることが可能となる。このようにレンズ加工においては、ある系列において前工程で達成できなかった品質規格を後工程で補償することができる。
【0074】
図18は、上述の「補償」の機能を示すフローチャートである。
【0075】
まず、A工程(前工程)でレンズ加工がされ(S1801),加工されたレンズは測定機により品質データが測定される(S1802)。測定された品質データは、操作端末やサーバーコンピュータに送信され、そこで測定された品質データがA工程での品質規格を満足するか否か判定される(S1803)。
【0076】
S1803で品質規格を満足すると判定された場合は、そのまま加工が続行され、得られた品質データに基づいて最適加工機設定を算出する。
【0077】
一方、S1803で品質規格を満足しないと判定された場合は、測定されたレンズを加工ラインに残しておくことは好ましくない。得られた品質データに基づいて「その後の」レンズ加工の最適加工機設定はできても、測定対象のレンズは、ラインに残ったままである。そこで、測定対象となったレンズ(規格を満足しなかったレンズ)の品質を後工程(B工程)で補償するようにB工程の加工機を調整する。その後、通常の最適加工機設定を算出する(S1805)。
【0078】
このように系列単位で最適加工機設定を算出することに加え、上述の補償手段(補償方法)を有することは、レンズ加工の特質に着目した非常に有効な手法となる。
【0079】
本実施の形態においては、操作端末が最適加工機設定を算出するとしたが、サーバーコンピュータが計算してもよい。すなわち、作業者の操作時、又は、任意のインターバル、又は品質データが入力された時に、サーバーコンピュータは、最適加工機設定を算出するために必要な規格値や品質履歴のデータ等をサーバーコンピュータ内のデータベースから読出し、サーバーコンピュータ内の計算装置にてその時点での該当加工機の最適加工機設定を算出する。
【0080】
そして、サーバーコンピュータは、算出された最適加工機設定を該当する操作端末に送信する。最適加工機設定を受信した操作端末は、該当する加工機にその最適加工機設定を送信する。
【0081】
このように、最適加工機設定を算出する手段としては、操作端末内の計算装置による場合とサーバーコンピュータ内の計算装置による場合の2種類がある。
【0082】
図3は、両面同時進行方式のブロックの一例を示した図である。
【0083】
両面同時進行方式は、両面の荒摺り〜研磨までを交互に繰り返す方式、すなわち、A面の荒摺り、B面の荒摺り、A面の精研削、B面の精研削、A面の研磨、B面の研磨の順に仕上げていく方式である。
【0084】
図3のブロックでは、1つの系列は荒摺り機(CG機)2台、精研削機(2軸機)2台、研磨機(2軸機または4軸機)2台で構成されている。「両面同時進行方式」は、1つの系列を流れるとレンズの両面が仕上がるため、在庫管理などの面で「片面仕上げ方式」に比べて有利であるが、系列内の工程が長い分、1箇所で停滞すると後工程も止まってしまうという難点がある。
【0085】
「両面同時進行方式」が良いのか、あるいは「片面仕上げ方式」が良いのかは、レンズの形状などに起因する加工の容易性、レンズ材料の化学的安定性や、生産量がどのくらいの規模か、といった点を総合して決定される。
【0086】
図4は、レンズを加工する系列の形態を分類したリストを表した図である。
【0087】
図中、K−1〜K−5・・・は、「片面仕上げ方式」の分類で、R−1〜R−3・・・は「両面同時進行方式」の分類である。それぞれ、各工程の回数、同じ工程に使用される軸数により、更に細分化され、例えば「片面仕上げ方式」では、K−1タイプが精研削2工程×1軸、研磨1工程×2軸、K−2タイプは精研削1工程×1軸、研磨2工程×2軸としている。
【0088】
図1の例では、系列1〜系列3はK−1タイプ、系列4〜系列6はK−2またはK−3タイプの系列として使用できる。
【0089】
図5は、系列の形態および加工機の種類と加工機Noを登録した系列情報データベースの一例を示した図である。
【0090】
このようなデータベースを、サーバーコンピュータ内に登録しておき、系列を管理するための基礎データとする。例えば、ブロックAの系列1の荒摺り工程の加工機には、TypeG1に分類されるNo01の加工機を使用している。このような情報により、ブロックAの系列1の荒摺り工程の品質データを入力した時に、この系列情報データベースとは別のデータベースに記載されている、TypeG1のNo01という加工機の情報が読込まれ、最適加工条件(最適加工機設定)の計算に使用する。
【0091】
図6は、サーバーコンピュータ内に登録されている、各種データベースを示した図である。
【0092】
系列情報DB(データベース)は、図5に示したように、ブロック内の各系列の形態および加工機種類とNo等の情報を登録しておく。
【0093】
加工機情報DBは、調整に必要な加工機のパラメータ、例えば荒摺り機のワーク軸と工具軸の位置関係を示す数値などを、加工機Noごとに登録しておく。これにより、ある系列で操作端末から品質データが入力されると、系列情報DBに登録された加工機Noに該当する加工機のパラメータが、加工機情報DBから読込まれ、加工機の最適条件の計算に使用される。
【0094】
工具情報DB、およびレンズ情報DBも同様に、最適加工条件の計算、あるいは操作端末画面上への各種グラフの表示等に使用する、工具依存あるいはレンズ品種依存のデータが登録されており、操作端末からの指示が出た場合に、指定された工具Noや、レンズ品種No(部番)に該当するデータが、それぞれのDBから読込まれ、調整あるいはグラフ表示等に使用される。
【0095】
このように、系列情報、加工機情報、工具情報、レンズ情報データベースに分割してデータを登録することにより、各系列での品種切替え、加工機の故障による入替え、工具破損による交換などの時に、短時間かつ容易に段取り替え作業を行うことができる。
【0096】
作業者DBは、作業に従事する人の氏名とパスワードが登録されており、決められた作業者以外の人が操作端末をいじらないように、パスワードで保護する時などに使用する。
【0097】
品質履歴DBや稼働状況DBは、主に加工機あるいは操作端末側からの情報がサーバーコンピュータに送られ、履歴として蓄積される。例えば、各ブロックの操作端末に、各工程の品質データを入力すると、加工機の自動調整が行われると同時に、サーバーコンピュータ内の品質履歴DBに転送され、品質データや、各加工機の変更した設定条件、軸位置等の情報が記憶される。
【0098】
また、例えば加工機が何らかのトラブルで停止した場合などには、トラブル内容と停止時間等が稼働状況DBに転送され、トラブル履歴として記憶される。
【0099】
生産管理DBは、工場全体の生産予定から、各ブロック、各系列で、いつ、どのような品種をどのくらいの数生産するかといった情報や、各ブロックでの生産数、良品数の統計といった情報が登録されており、各ブロックの操作端末からの呼び出しが可能になっている。
【0100】
以上説明したように、本実施の形態のレンズ加工管理システムは、荒摺り・精研削・研磨という3種類の基本的な工程を1つの系列とし、系列単位で複数工程の加工機をまとめて管理することにより、レンズ生産ライン全体の管理が単純化され、従来困難であった、レンズ加工機を系列単位で管理する、いわゆる群管理システムを実現することができる。
【0101】
このように系列単位で最適加工機設定を算出する等して管理することにより、従来熟練した技術と数多くの知識、経験が必要であった作業を自動化することが可能となる。また同時に、系列単位で最適加工機設定を算出することにより、人為的ミスを排除し、品質管理の信頼性を向上させることができる。
【0102】
(実施の形態2)
実施の形態1のレンズ加工管理システムでは、サーバーコンピュータが複数の操作端末に接続され、品質履歴や系列情報のデータ等をサーバーコンピュータ内のデータベースに一元管理しているとしたが、個々の操作端末に同様のデータベースを持たせることも可能である。
【0103】
すなわち、各操作端末(各ブロック)毎に、品質履歴や系列情報等のデータベースを持つ。そして、各操作端末は、それぞれのデータベース内のデータを参照することにより最適加工機設定を系列単位で算出する。つまり、実施の形態1と異なり、最適加工機設定を算出する際に、サーバーコンピュータへのアクセスはする必要がない。
【0104】
この構成では、各操作端末(各ブロック)毎にデータベースを持っているので、サーバーコンピュータは、最適加工機設定を算出する際には必要がない。ただし、複数の操作端末のデータベースを一元管理するには、実施の形態1と同様に、図2で示すように、LAN等で構成されるネットワークを持たなければならない。
【0105】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、レンズ加工管理システム全体の構成と役割について説明を行ったが、実施の形態3では更にこのシステムで特徴的な機能について説明する。実施の形態2の系列の分類は、図4のK−1タイプで、荒摺り1軸、精研削2工程×1軸、研磨1工程×2軸で、片面を仕上げる系列である。
【0106】
図7は、端末画面上に表示した、該当ブロック中の1系列の荒摺り、精研削、研磨加工機での加工個数の状況を示す棒グラフである。
【0107】
本グラフ中、「チェック後」および「工具交換後」で示すデータは、操作端末から各加工機の現在の加工個数カウント値を呼び出し、サーバーコンピュータからは、各工程で前回品質チェックを行った時と、前回工具交換を行った時の、加工機の加工個数カウント値履歴データを呼び出し、その差を示している。
【0108】
また、「チェック基準」(太い線)、「チェックリミット」(細い線)で示すラインは、サーバーコンピュータのレンズ情報DBから呼び出した、レンズ品種ごとに決められた基準インターバルの数値であり、作業者はこのインターバルごとに品質チェックを行うように決められている。
【0109】
なお、「チェック基準」は、各工程の品質チェックを行うインターバルの標準値、「チェックリミット」は、同インターバルの上限値としている。
【0110】
作業者一人が多数の系列の管理を行う場合、インターバルの標準値である「チェック基準」ごとに必ず品質チェックを行うということが難しい。なぜなら、多数の系列、工程が並行して進んでいるため、必ず「基準インターバル」ごとに品質チェックを行おうとすると、どこかの系列あるいは工程で加工がストップしてしまい、生産ロスとなってしまうからである。それゆえ本実施の形態では、標準のインターバルを「チェック基準」とするが、遅くとも「チェックリミット」に達するまでには、品質評価を行う、という取決めにし、品質チェックのタイミングが、多少前後することは認めており、これにより品質チェックタイミングの重なりによる生産ロスを最小限にすることができる。
【0111】
作業者は、図7に示した操作端末画面上のグラフから、各加工機での現在の加工の進み具合を、決められた基準インターバルと比較して、次にどの工程で、どのような作業を行えば良いかを、容易に確認することができる。
【0112】
また、「工具交換周期」(短い線)で示すラインは、主に精研削と研磨工程で決められた、「球面総型砥石」または、「球面研磨皿」を定期的に交換する必要がある場合に決められたインターバル値である。すなわち連続して多数のレンズを加工すると、工具の目詰まり等により、加工の安定性が損なわれる場合があり、このような時は、予備の工具を準備しておき、定期的に工具を交換する。
【0113】
作業者は、ある工程でレンズ加工数が「工具交換周期」に達したら、連続加工を中断し、工具交換作業を行う。もしくは、加工機の制御装置内のプログラムからの指令で「工具交換周期」に達した場合に自動的に連続加工を停止させる。
【0114】
図8は、操作端末からサーバーコンピュータの品質履歴DBにアクセスしてデータを呼び出し、端末画面上に表示した、該当ブロック中の1系列の品質履歴データである。
【0115】
このグラフから、各工程のある期間の品質チェック履歴データが、時系列的にグラフ表示され、例えば当日加工分、あるいは1週間分の品質状況の推移が、短時間で容易に確認できる。作業者は、この品質の推移を見ながら、例えば品質レベルが規格値ぎりぎりの工程や、品質にばらつきが多い工程を確認し、どの工程に注意していれば良いかを判断することができる。
【0116】
また、同様にサーバー内のデータベースに記憶された、各加工機の設定条件、レンズ形状等の情報も、系列単位で任意に参照することができる。
【0117】
なお、実施の形態2の操作端末画面では、タッチパネルを使用しており、画面に触れることにより、各種の操作、データ入力が可能である。
【0118】
(実施の形態4)
実施の形態4では、特にレンズ材料の搬送、着脱までを自動化した加工機のラインで、作業者の歩行距離を短縮し、また連続加工をできるだけ止めずに、時間ロスを最小にする方法について述べる。
【0119】
図9は、操作端末に荒摺り工程の品質データ等を入力し、データの記録と荒摺り機の自動調整を行うための画面の一例を示した図である。
【0120】
本実施の形態でも、操作端末画面には、タッチパネルを使用し、画面に触れることで、データを入力あるいは各種操作を行うことができる。
【0121】
図9の画面では、「CG機コントロール」の下の3種類のボタンに触れることにより、荒摺り機の稼働停止、稼働再開(連続)、稼働再開(1サイクル)を要求し、荒摺り機の自動連続運転の停止、再開を制御することができる。同様に、他の荒摺り機、精研削機、研磨機も、操作端末画面から、各加工機の稼働停止、稼働再開(連続)、稼働再開(1サイクル)を要求し、制御することができる。
【0122】
次に、なぜ操作端末からの稼働停止、再開要求指令ボタンの設置が、作業者の歩行による時間ロスを最小限にすると共に、連続加工をできるだけ止めずに、連続して加工を進めることができるかについて、図10の一比較例との比較にて説明する。
【0123】
図10は、ブロックAの6系列を一人の作業者が管理する場合の作業の進行を示した図である。
【0124】
図10の比較例では、このブロックで、系列1の荒摺り機で加工しているレンズの品質チェックを行った後、系列6の精研削機で加工しているレンズの品質チェックを行い、その後再度系列1の荒摺り機で加工しているレンズの品質チェックを行う場合の、作業者の動きを、▲1▼〜▲9▼で示している。
【0125】
ある加工機で加工しているレンズの品質チェックを行う場合、▲1▼作業者はまず加工機の場所へ行き、一旦連続稼働を停止させ、その工程の加工が終了したレンズ材料を抜き取る必要がある。次に▲2▼測定機エリアの測定機で品質チェック(測定)を行い、操作画面に品質データを入力する。次に▲3▼再度加工機の場所へ行き、稼働再開処理を行うと共に、チェック用のレンズ材料を次の工程用の搬送装置に戻す。
【0126】
荒摺り加工では、前述のように、加工される球面の曲率半径は、図示φD(砥石径)とθ(工具軸の傾斜角)により、幾何学的に決定される。よって、操作端末からの指令で、荒摺り機の軸位置調整が発生した場合、調整前のレンズと調整後のレンズでは曲率半径が異なるため、調整後すぐに荒摺り機で加工したレンズの品質チェックを行うことが望ましい。従って、▲3▼で稼働再開処理を行った後、▲4▼荒摺り機でレンズが1個加工されるのを待って再度稼働停止、品質評価用レンズ材料の抜き取り、▲5▼品質チェックとデータ入力、▲6▼荒摺り機での稼働再開処理を行い、連続加工を再開することができる。なお、荒摺り機での品質が良品規格値内に入っていれば、▲4▼〜▲6▼の作業は1回で終了するが、調整しても良品範囲に入らなかった場合には、再度▲4▼〜▲6▼の作業を行う必要がある。
【0127】
その後、次に品質チェックをする工程である、系列6の精研削機の場所へ移動し、▲7▼精研削機の稼働停止処理と、精研削機からのレンズ抜き取り、▲8▼品質チェックとデータ入力、▲9▼精研削機の連続稼働再開処理と続く。
【0128】
比較例においては、加工機で稼働停止処理を行ってから、実際に加工が終了するまでの待ち時間、レンズを抜き取ってから、品質チェック(測定)、データ入力、更に加工機の場所に戻って、稼働再開処理を行うまでの生産停止時間、荒摺り機では、調整完了後稼働再開処理をして1個目のレンズ加工が終了するまでの待ち時間、他系列の加工機の場所への移動時間など、作業者の待ち時間、歩行時間と、加工の停止時間などの時間的ロスが発生し、生産性を低下させてしまう。
【0129】
一方、本実施の形態では、操作端末Aから、各加工機の稼働停止、稼働再開(連続)、稼働再開(1サイクル)を要求し、制御することができる。
【0130】
よって、図10の実施の形態の説明に示すように、系列1の荒摺り機で、▲1▼荒摺り機の稼働停止処理とレンズ材料抜き取り、▲2▼測定機エリアでの品質チェック(測定)とデータ入力を行った後、同じ場所ですぐに操作端末から加工機の稼働再開指令を行うことができる。
【0131】
荒摺り機の場合には、先に説明したように、軸位置調整後1個目に加工したレンズの品質チェックを再度行う必要があるが、図9に示したように、本実施の形態では、稼働再開処理ボタンとして、「連続」と「1サイクル」の2種類を設けてある。このため、荒摺り機で軸位置調整が発生した場合には、「1サイクル」のボタンを使用すれば、稼働再開後1個目のレンズ加工が終了した時点で、荒摺り機は自動的に停止する。
【0132】
よって、本実施の形態では、荒摺り機が軸位置調整後、1個目のレンズの加工を行っている待ち時間を利用して、次に品質チェックを行う系列6の精研削機の▲3▼稼働停止処理とレンズ材料抜き取り、▲4▼品質チェックとデータ入力、精研削機の稼働再開処理を行うこともできる。
【0133】
その後、荒摺り機の、軸位置調整後の品質チェックのために、▲5▼軸位置調整後に加工したレンズ材料の抜き取り、▲6▼品質チェックとデータ入力、荒摺り機の連続稼働再開処理を行えば良く、作業者の歩行距離を短縮し、待ち時間等の時間的ロスを最小限にすることができる。
【0134】
本実施の形態においては、稼動再開処理ボタンとして、「連続」と「1サイクル」の2種類を設けるとしたが、「1サイクル」でなくとも、作業者の待ち時間が最も抑えられるように「2サイクル」「5サイクル」等の所定のサイクル数であってもよい。
【0135】
このように、作業者の歩行距離の短縮、待ち時間等の時間的ロスを最小限にすることにより、従来に比べて作業者一人あたりの生産数を大幅に増やすことができる。
【0136】
(実施の形態5)
次に、各加工機で加工するレンズ品種を交換する作業、いわゆる「段取り」の作業を効率化するための実施の形態について説明する。
【0137】
図11は、加工するレンズの品種交換をする際に、系列内のすべての加工機を一度に段取り換えするための、操作端末画面表示の例を示した図である。本実施の形態でも、操作端末画面には、タッチパネルを使用し、画面に触れることで、データを入力あるいは各種操作を行うことができる。
【0138】
画面では、系列の番号、加工する品種、系列の分類、各加工機の番号、各工程の工具の番号が一覧表示され、「段取り実行」ボタンを押すことにより、同一系列内の荒摺り、精研削、研磨加工機の3台、5軸の設定条件が1回の操作で変更される。
【0139】
変更する設定条件は、操作端末画面からの指令で、サーバーコンピューター内の、加工機情報DB、工具情報DB、レンズ情報DB等から必要なデータを自動的に読込んだ上、各加工機に送信する。
【0140】
このように、多数の加工機の段取り処理を、1回の操作で実行できる機能を盛り込むことで、段取り時間の短縮を図ることができる。
【0141】
(実施の形態6)
レンズを加工する加工機の中には、外部から指令による調整ができない加工機(手動調整型加工機)と外部から指令による調整ができる加工機(自動調整型加工機)がある。
【0142】
図12は、手動調整型加工機と自動調整型加工機が混在する系列を示した図である。
【0143】
手動調整型加工機の場合には、LANによる指令で自動的には設定条件(各軸位置、加工時間、回転数、圧力等の設定条件)を変更できないため、作業者が加工機の設定条件を変更する場合には、各加工機の場所へ行って、手動にて調整を行う。
【0144】
この場合、図12に示すように、LANに接続した表示装置を、各加工機、あるいは何台かの加工機に1台の割合で系列内に設置する。
【0145】
表示装置には、加工機の調整が必要な場合に、調整すべき条件とその数値が表示され、作業者はこの表示装置の数値を見ながら、各加工機の調整をすることができる。
【0146】
図12では、系列1、2がすべての加工機が手動調整型加工機の場合、系列3、4が、研磨機のみ手動調整型加工機の場合、系列5、6が、精研削機と研磨機が手動調整型加工機の場合を示し、このように手動調整型加工機と自動調整型加工機が混在する形の系列でも、本発明のレンズ加工管理システムを使用することができる。
【0147】
当然、手動調整型加工機のみにより構成される系列にも、本発明のレンズ加工管理システムは使用することができる。
【0148】
また、自動調整型の加工機の場合でも、設定項目によっては、外部からの指令で自動調整ができず、作業者が加工機の場所へ行って、手動で調整しなければならない加工機もある。
【0149】
このような場合にも、表示端末を系列内に設置する、あるいは操作端末上に、自動調整できない設定条件とその数値を表示し、調整時の設定ミスをより少なくし、調整のための時間を短縮することができる。
【0150】
(実施の形態7)
図13は、荒摺りから研磨の系列に、心取りおよび洗浄工程を採り入れた形の系列でのレンズ加工管理システムの例を示した図である。
【0151】
図13の「レンズ材料の流れ」に示したように、ブロックDの系列1では、両面の荒摺り、精研削、研磨加工を行った後、心取り加工、洗浄を行い、次の工程に進む。
【0152】
系列2では、両面の荒摺り、精研削加工を行った後、心取り加工を行い、その後両面の研磨加工、洗浄を行い、次の工程に進む。
【0153】
このように心取りや洗浄工程を、系列内に採り入れることにより、系列内の管理が複雑化するものの、系列内の工程をすべて終了したレンズ材料は、より完成品に近づくため、工程内在庫製品(仕掛り在庫)を更に減らすことができる。
【0154】
【発明の効果】
本発明のレンズ加工管理システムは、レンズ加工での基本的な工程を1つの系列とし、系列単位で複数工程の加工機をまとめて管理することにより、レンズ生産ライン全体の管理が単純化され、従来困難であった、レンズ加工機の群管理システムを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作端末から、複数種類の加工機で構成されるブロックを図示したものである。
【図2】複数の操作端末に接続されているサーバーコンピュータを示した図である。
【図3】両面同時進行方式のブロックの一例を示した図である。
【図4】レンズを加工する系列の形態を分類したリストを表した図である。
【図5】系列の形態および加工機の種類と加工機Noを登録した系列情報データベースの一例を示した図である。
【図6】サーバーコンピュータ内に登録されている、各種データベースを示した図である。
【図7】端末画面上に表示した、該当ブロック中の1系列の荒摺り、精研削、研磨加工機での加工個数の状況を示す棒グラフを示した図である。
【図8】操作端末からサーバーコンピュータの品質履歴DBにアクセスしてデータを呼び出し、端末画面上に表示した、該当ブロック中の1系列の品質履歴データを示した図である。
【図9】操作端末に荒摺り工程の品質データ等を入力し、データの記録と荒摺り機の自動調整を行うための画面の一例を示した図である。
【図10】ブロックAの6系列を一人の作業者が管理する場合の作業の進行を示した図である。
【図11】加工するレンズの品種交換をする際に、系列内のすべての加工機を一度に段取り換えするための、操作端末画面表示の例を示した図である。
【図12】手動調整型加工機と自動調整型加工機が混在する系列を示した図である。
【図13】荒摺りから研磨の系列に、心取りおよび洗浄工程を採り入れた形の系列でのレンズ加工管理システムの例を示した図である。
【図14】レンズ加工の製造工程を示したフローチャートである。
【図15】レンズ製造の各工程で管理される品質項目を示した表である。
【図16】サーバーコンピュータ内のブロック図である。
【図17】操作端末内のブロック図である。
【図18】補償の機能を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 操作端末A
102 ブロック

Claims (1)

  1. 複数種類の加工機を含み、前記複数種類の加工機による所定の形状のレンズを製造する一連の加工工程を1つの系列として、前記系列を1以上有するレンズ加工管理システムであって
    前記一連の加工工程の各加工工程で加工された加工対象の品質状況を測定するための測定手段と、
    前記測定手段で測定された品質状況が所定の基準を満足するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段で満足しないと判断された場合、該満足しないと判定された加工工程の後の工程で、該加工対象の品質を補償する補償手段と、
    前記品質状況を用いて前記複数種類の加工機の最適加工機設定を算出する最適加工機設定算出手段と、
    前記最適加工機設定算出手段で算出された前記最適加工機設定に基づいてレンズ加工をするレンズ加工手段と、
    前記1つの系列における各工程での加工状況を表示する表示手段
    を有し、
    前記表示手段は、各工程のチェックを行う基準時間の表示と、上限を示す上限値時間の表示を行う
    ことを特徴とするレンズ加工管理システム。
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