JP3754741B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、選択した曲のカラオケ演奏を伴奏とし、またその曲の歌詞テロップを見ながら歌唱することのできるカラオケ装置であり、特にその歌詞テロップにルビを施すか否かを歌唱音声に応じて自動的に決定する機能を備えた装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のカラオケ曲の中から所望の曲を選択すると、その選択された曲に対応した楽音情報が再生され楽音が出力されることによってそれを伴奏として歌唱でき、またその選択された曲に対応した歌詞テロップが表示されることによってその歌詞テロップを見ながら歌唱できるカラオケ装置が知られている。
【0003】
このような従来のカラオケ装置における歌詞テロップには、例えば漢字にルビとして振り仮名を施したり、あるいは外国語の歌に対するルビとして日本語読みに直した振り仮名を施したものがある。あるいは、通常はルビがなく利用者の操作によって特別にルビを施すようにすることも考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のルビの施し方は、その1曲全部についてルビを施すか施さないかの二者択一であったため、次のような場合に、不都合がある。例えば外国語を習って外国語の歌をオリジナルの発音で挑戦してみたい(歌ってみたい)日本人にとっては、予め日本語での振り仮名(日本語ルビ)が施してあると、ついそのルビを見てしまうのでよくない。一方、最初からルビがないと自分の挑戦がうまく行ったかどうか(うまく発音できていたかどうか)が判らず、結果として主観的な判断に委ねられてしまう。
【0005】
同様に、日本語を習っている外国人にとっては日本語が外国語であるため、特に漢字の含まれている日本語の歌詞テロップをどのくらい読めているかを挑戦する場合に、その結果が判らない。また、漢字に対しては外国人だけでなく、日本人であっても、漢字を学んでいる最中である学童年齢の子供達にとっては、同じように漢字の含まれている歌詞テロップをどのくらい読めるかを挑戦することになるがこの場合もその結果が判らない。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、利用者の発音の一致度合によってルビを施した歌詞テロップにしたりルビ無しの歌詞テロップにしたりして、外国語や漢字等をどの程度読めるかといった挑戦ができるようにして、カラオケ装置の新しい楽しみ方を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
この目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、複数のカラオケ曲の中から所望の曲を選択するための選択手段と、その選択された曲に対応した楽音情報を再生して楽音を出力する楽音出力手段と、その選択された曲に対応した歌詞テロップを表示する表示手段と、前記表示手段に歌詞テロップを表示させる際、メインの文字部分にルビを施した状態とルビを施さない状態とを任意に切り替えて表示させることのできる制御手段と、 利用者の歌唱音声を入力するための音声入力手段と、該音声入力手段を介して入力された歌唱音声情報と前記選択された曲に対応した採点用発音情報とに基づき、利用者の発音一致度合を判定する判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記判定手段によって判定された発音一致度合に基づき、発音一致度合が所定の合格ライン以下であればルビを施した状態で歌詞テロップを表示させ、発音一致度合が所定の合格ラインを超えていればルビを施さない状態で歌詞テロップ表示をさせることを特徴とするカラオケ装置である。
【0008】
なお、前記判定手段による発音一致度合の判定は、例えば曲の最初の所定時間だけ行い、その結果に応じて曲の残りの部分の歌詞テロップをルビを施して表示したり、あるいはルビを表示しないで表示したりすることもできるが、請求項2に示すように、1曲を複数の判定範囲に分割したその分割判定範囲毎に利用者の発音一致度合を判定し、その分割判定範囲毎の発音一致度合に基づき、次の分割判定範囲に該当する歌詞テロップをルビを施した状態で表示させるか、あるいはルビを施さない状態で表示させるようにしてもよい。
【0009】
また、前記歌詞テロップのメインの文字部分は漢字の含まれている日本語または外国語であり、前記ルビはその漢字または外国語を発音するための表音文字であることが考えられる。そして、その場合の表音文字であるルビは、片仮名、平仮名あるいはローマ字のいずれかによる表記とすることが考えられる。もちろん、表音文字なので、ハングル文字表記やアラビア文字表記等、その他にも種々考えられる。
【0010】
本発明のカラオケ装置によれば、選択手段によって複数のカラオケ曲の中から所望の曲を選択すると、楽音出力手段がその選択された曲に対応した楽音情報を再生して楽音を出力し、表示手段がその選択された曲に対応した歌詞テロップを表示する。従って、利用者はその出力された楽音を伴奏とし、また表示された歌詞テロップを見ながら歌唱することができる。
【0011】
このような基本的なカラオケ装置としての機能を備えているのであるが、さらに次のような特徴的な機能を発揮する。まず、制御手段によれば、表示手段に歌詞テロップを表示させる際、メインの文字部分にルビを施した状態とルビを施さない状態とを任意に切り替えて表示させることができる。そして、判定手段は、音声入力手段を介して入力された歌唱音声情報と所定の採点用発音情報とに基づき、利用者の発音一致度合を判定し、制御手段は、その判定された発音一致度合に基づき、表示制御手段によってルビを施した状態で歌詞テロップを表示させ、発音一致度合が所定の合格ラインを超えていたらルビは施さないで歌詞テロップを表示させるのである。
【0012】
このように、利用者の発音一致度合に基づいて歌詞テロップへルビを施すか否かを決定することによって、次のような楽しみ方ができる。例えば外国語を習って外国語の歌をオリジナル発音で挑戦してみたい日本人にとっては、予め日本語での振り仮名(日本語ルビ)が施してあると、ついそのルビを見てしまうのでよくない。一方、最初からルビがないと自分の挑戦がうまく行ったかどうかが判らず、結果として主観的な判断に委ねられてしまう。
【0013】
同様に、日本語を習っている外国人にとっては日本語が外国語であるが、特に漢字の含まれている日本語の歌詞テロップをどのくらい読めているかを挑戦する場合に、その結果が判らない。また、漢字に対しては外国人だけでなく、日本人であっても、漢字を学んでいる最中である学童年齢の子供達にとっては、同じように漢字の含まれている歌詞テロップをどのくらい読めるかを挑戦することになるがこの場合もその結果が判らない。
【0014】
したがって、例えば歌詞テロップをうまく読めている場合、つまり発音一致度合が高い場合にはルビが無くし、あまりうまく読めていない場合、つまり発音一致度合が低い場合にはルビを施すようにすれば、最初ルビがついていても途中でなくなり、そのまま最後まで歌い切れば、うまく読めたことが判る。逆に、一度ルビが無くなっても、再度ルビが復活して最後まで表示されていれば、あまりうまく読めなかったことが判る。このようなゲーム的な要素と相まってカラオケをより楽しむことができ、特に複数人で楽しむ場合には、自分がルビ無しでもうまく歌えることを他人にアピールしたい場合に有効である。
【0015】
なお、1曲を複数の判定範囲に分割したその分割判定範囲毎に利用者の発音一致度合を判定する場合、その分割判定範囲は例えば4小節程度が好ましい。それは、例えば分割判定範囲を4小節にすれば、最初の4小節は成績がよくなくても次の4小節で成績がよくなればルビが施されなくなるといったように、随時判定結果がルビの有無で判る。しかし、この分割判定範囲があまりに長いと、自分の発音がうまくいっているのかいないかが後にならないと判らないので適当な範囲で区切る必要がある。その点を鑑みると4小節程度が好ましいといえる。もちろん、曲によってはテンポの速いものもあるので8小節でもよい。あるいは、歌詞テロップを表示させる場合のその1画面単位でもよいし、あるいは1画面に歌詞テロップを2段に表示するのであれば、その1段単位でもよい。この分割判定範囲は種々考えられる。
【0016】
また、請求項5に記載したように、自動ルビモードの設定・解除を切り替えるためのモード切替手段を備え、前記制御手段は、前記モード切替手段によって自動ルビモードに設定されている場合に限って、前記判定された発音一致度合に基づく歌詞テロップの表示制御を実行するよう構成してもよい。
【0017】
自動ルビモードにするとルビが施されたり消えたりして普通に使用したい場合に邪魔となることも考えられるので、不要な場合には自動ルビモードを解除できるようにしておくと好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態のカラオケ装置1は、通信回線20を介してホストコンピュータと接続されている。カラオケ装置1は、装置全体の制御を行う制御手段であり、本発明における「制御手段」にも相当するCPU4の指令によって動作し、CPU4には、ホストコンピュータと通信を行うための通信手段としてのモデム2と、ホストコンピュータから受信したカラオケデータを保存するためのカラオケデータ記憶手段としてのハードディスク6と、利用者が選曲等でカラオケ装置を操作する際に用いる「選択手段」としての操作パネル3と、楽音情報を音声信号に変換してアンプ13に出力する再生装置5と、利用者が歌う際に参照する背景画および歌詞などを合成して映像信号を出力するビデオミキサ8と、「判定手段」としての採点装置9とが接続されている。
【0019】
また、利用者の歌唱音声を入力するための「音声入力手段」としてのマイク15をカラオケ装置1に接続することにより、入力された音声信号が前記再生装置5の出力する音声信号と合成されて前記アンプ13へ出力されるような仕組みとなっている。このアンプ13は前記合成音声信号を増幅して接続されたスピーカ14に出力する。
【0020】
なお、マイク15から入力された音声信号は採点装置9にも入力されており、この採点装置9において音声認識されて採点が実行される。具体的には、カラオケ演奏時に、その演奏曲に対応する後述のボーカル情報(これが「採点用発音情報」に相当する。)がCPU4から転送され、このボーカル情報とマイク15から入力された音声信号とに基づいて採点する。
【0021】
この採点装置9における採点は、通常のカラオケのおける歌唱力の採点のように音程の変化・リズム等を主な採点要素として行なうのではなく、「発音」を主な採点要素として歌唱音声をボーカル情報と比較し、歌唱音声がどの程度ボーカル情報の発音に近いかによって採点する。歌唱力の採点の場合には、音程やリズム等も含めて総合的にどれだけボーカル情報と同じように歌えたかを採点することとなるが、本実施形態ではどれだけうまく発音できているかどうかを判定するため、極端に言えば音程やリズムが相当外れていても構わない。
【0022】
採点は、1曲を複数の判定範囲に分割したその分割判定範囲毎に歌唱音声とボーカル情報との発音の一致具合い(あるいは不一致の具合い)を点数化して行ない、その分割判定範囲毎の点数をCPU4に転送する。例えば、一致度合をパーセンテージ化したものをそのまま点数として転送してもよいし、あるいは不一致の度合に応じた減点点数を転送してもよい。また、分割判定範囲とは例えば所定数の小節単位で設定され、例えば、4小節を1つの分割判定範囲としたならば、1曲を4小節単位で採点していく。
【0023】
このように、所定の分割判定範囲毎に採点されてCPU4に転送された歌唱得点は、CPU4の内部メモリ(図示せず)に更新されながら記憶される。また、曲演奏時にCPU4は、カラオケデータに含まれる歌詞テロップ情報を演奏に同期して、動画再生プレーヤ10から出力される背景画とともにビデオミキサ8を介してディスプレイ11に表示する。
【0024】
なお、再生装置5、アンプ13及びスピーカ14が「楽音出力手段」に相当し、ビデオミキサ8及びディスプレイ11が「表示手段」に相当する。続いて、操作パネル3に設けられている操作キー等について説明する。図2に示すように、操作パネル3には、電源キー31、曲番号等を入力するための「0〜9」までの数字キー34、選曲モードにするための選曲キー35、演奏を開始させるための演奏開始キー37、自動ルビモードの設定・解除を行なうための自動ルビキー38等を備えている。なお、入力した曲番号等を表示するための7セグメントLED40も備えている。この7セグメントLED40は、選曲中の番号を表示するためのもので、本実施形態の場合には、4桁分のLEDを備えている。また、本実施形態では、選曲された番号は所定曲数(例えば10曲)までCPU4の内部メモリ(図示せず)の予約情報記憶エリアに記憶させることができ、その予約順番に従って、カラオケ曲が演奏されることとなる。
【0025】
前記自動ルビキー38は、1回操作する毎に自動ルビモードに設定したり解除したりすることができるようにされている。自動ルビモードは、通常はルビが施された状態で表示される歌詞テロップをルビを施さない状態で表示させ、その後は採点された結果が良くなければ、すなわち発音がうまくできていない場合にはルビを自動的に復活させ、さらにその後の採点結果で発音がうまくできていれば再度ルビを自動的に消去させるモードである。
【0026】
なお、前記歌詞テロップのメインの文字部分は漢字の含まれている日本語または外国語であり、前記ルビはその漢字または外国語を発音するための表音文字である。そして、その場合の表音文字であるルビは、片仮名、平仮名あるいはローマ字のいずれかによる表記とすることが考えられる。もちろん、表音文字なので、ハングル文字表記やアラビア文字表記等、その他にも種々考えられ、利用対象としてどのような人を想定するかで適宜設定変更すればよい。
【0027】
次に、上記構成を有するカラオケ装置1において使用されるカラオケデータの構成について、図3を参照して説明する。カラオケデータKDは、識別情報としての曲番号D1と、曲情報D2と、カラオケ演奏を行うための楽音情報D3と、歌詞テロップ情報D4とを含んでいる。
【0028】
前記曲情報D2は、これから演奏する曲のタイトルをディスプレイ11に表示させるためのものであり、曲名・歌手名・作曲者名・作詞者名からなる。これに加えてその曲がヒットした年の情報等も含めてもよい。また、楽音情報D3は、選択されたカラオケ曲の音声信号をMIDIコード等に変換記憶されたものであり、再生装置5によって音声信号に変換されアンプ13に出力されるものである。この楽音情報D3は、伴奏部分の楽音情報(以下「伴奏情報」と呼ぶ。)D31と、ボーカル部分の楽音情報(以下「ボーカル情報」と呼ぶ。)D32とに分かれており、アナログの演奏信号に変換された後、アンプ13へ送られて電気的に増幅されるとともに、マイク15を介して入力される利用者の歌唱音声と適度な割合でミキシングされる。ミキシングされた音声信号は、スピーカ14により演奏音として外部へ出力される。
【0029】
なお、本実施形態ではボーカル情報D32は採点装置9へも送られる。これが採点用発音情報となり、上述したように、採点装置9においてはこのボーカル情報D32とマイク15から入力された音声信号とに基づいて発音の一致度合が採点される。
【0030】
一方、歌詞テロップ情報D4は、歌詞の文字コード、歌詞テロップのディスプレイ11の画面への表示位置及びその出力タイミングや色替タイミング、そしてルビ情報等を含んでおり、CPU4がこれらの情報を参照し、カラオケ演奏に同期して歌詞テロップが最適なタイミングでディスプレイ11に表示されるように制御する。
【0031】
次に、図4のフローチャートを中心にして、本カラオケ装置1による動作について説明する。電源が投入されると本ルーチンが実行され、まず最初のステップS10においては初期化を行なう。例えば、CPU4の内部メモリの予約情報記憶エリアをクリアする等である。
【0032】
続くS20においては、カラオケ演奏を行うために上記予約情報記憶エリアから曲番号を取り出す。上述したように所定曲数まで予約情報記憶エリアに記憶させることができるため、その予約順番に従って曲番号を取り出す。なお、予約情報記憶エリアに曲番号が記憶されていない場合には、利用者が操作パネル3を操作して選曲するのを待つこととなる。
【0033】
S30では、上記S20にて取り出した曲番号に基づき、ハードディスク6からカラオケデータKD(図3参照)を読み出して、そのカラオケデータKDより曲情報D2及び歌詞テロップ情報D4はビデオミキサ8側へ出力し、楽音情報D3は再生装置5側に出力して曲演奏を開始させる。
【0034】
そして、続くS40では自動ルビモードに設定されているかどうかを判断する。上述したように自動ルビキー38を操作すれば自動ルビモードの設定・解除ができるようにされているので、この操作状態に基づいて自動ルビモードが設定されているかどうかを判断するのである。
【0035】
もし、自動ルビモードに設定されていなければ(S40:NO)、S190へ移行して通常の演奏を行う。この通常演奏の場合の歌詞テロップは常にルビが施されたものである。そして、S200では演奏が終了したかどうかをチェックしており、演奏終了していない場合には(S200:NO)、S40へ戻る。したがって、曲演奏の開始時には自動ルビモードに設定されていなくても、途中で設定すれば自動ルビモードに移行することとなる。なお、演奏終了した場合には(S200:YES)、S20へ戻る。
【0036】
続いて自動ルビモードに設定されている場合について説明する。自動ルビモードに設定されていれば(S40:YES)、S50へ移行し、採点準備と開始指示を行なう。CPU4はハードディスク6から取り出して再生装置5側に出力した楽音情報D3の内のボーカル情報D32を採点装置9にも転送して採点準備をさせ、採点の開始を採点装置9に指示するのである。
【0037】
採点装置9では、転送されたボーカル情報D32とマイク15から入力された歌唱者による音声信号とに基づいて歌唱力を採点する。上述したように、採点は、1曲を複数の判定範囲に分割したその分割判定範囲毎に歌唱音声とボーカル情報との発音の一致具合い(あるいは不一致の具合い)を点数化して行ない、その分割判定範囲毎の点数をCPU4に転送する。例えば、一致度合をパーセンテージ化したものをそのまま点数として転送してもよいし、あるいは減点形式で最初を100点とし、不一致の度合に応じて順次減点していき、1つの分割判定範囲が終了した時点での点数を転送してもよい。
【0038】
S50で採点準備・開始指示を行った後は、S60にて、ルビ無しでの歌詞テロップ表示を行なう。通常はこの歌詞テロップが表示されるタイミングに対応して歌唱者が実際に歌うこととなるので、この歌唱者による音声信号がマイク15から入力されて採点装置9にて採点されることとなる。
【0039】
S70では採点装置9から採点結果である点数が転送されてきたかどうかを判断する。上述したように分割判定範囲毎の点数が採点装置9からCPU4に順次転送されてくるのであるが、最初はS60にてルビ無しでの歌詞テロップ表示を行なっている最中に点数が転送されることとなる。転送されてきた場合には(S70:YES)、S80に移行して、合格点かどうかを判断する。例えば、採点装置9から、一致度合をパーセンテージ化したものがそのまま点数として転送されてきた場合には、その点数に基づき、所定の合格点以上かどうかで判断する。あるいは減点点数が転送されてきた場合には、その減点点数が所定点数未満であるかどうかで合格点かどうかを判断する。
【0040】
そして、合格点であれば(S80:YES)、S90へ移行して、次回の歌詞テロップにルビを施すか否かを決定するためのフラグを「ルビ無」に設定し、合格点でなければ(S80:NO)、S100へ移行して、次回の歌詞テロップにルビを施すか否かを決定するためのフラグを「ルビ有」に設定する。
【0041】
S90あるいはS100の処理後はS110へ移行して、フラグをチェックする。そして、S120ではそのフラグがルビ有に設定されているかどうかを判断し、「ルビ有」に設定されていれば(S120:YES)、S130へ移行して、ルビを施した歌詞テロップでの表示を行なう。一方、「ルビ無」に設定されていれば(S120:NO)、S140へ移行して、ルビを消去した歌詞テロップでの表示を行なう。
【0042】
S130あるいはS140での処理後はS150へ移行し、演奏終了したかどうかを判断する。演奏終了した場合は(S150:YES)、S20へ戻るが、演奏終了していない場合は(S150:NO)、S70へ戻る。以上説明したように、本実施形態のカラオケ装置1によれば、歌唱者による発音がその曲の歌詞の本来の発音と一致しているかどうかを採点装置9によって採点し、その点数、すなわち発音一致度合に基づいてルビを施した歌詞テロップとするかルビを施さない歌詞テロップとするか否かを決定している。それによって次のような楽しみ方ができる。
【0043】
例えば外国語を習って外国語の歌をオリジナル発音で挑戦してみたい日本人にとっては、予め日本語での振り仮名(日本語ルビ)が施してあると、ついそのルビを見てしまうのでよくない。一方、最初からルビがないと自分の挑戦がうまく行ったかどうかが判らず、結果として主観的な判断に委ねられてしまう。同様に、日本語を習っている外国人にとっては日本語が外国語であるが、特に漢字の含まれている日本語の歌詞テロップをどのくらい読めているかを挑戦する場合に、その結果が判らない。また、漢字に対しては外国人だけでなく、日本人であっても、漢字を学んでいる最中である学童年齢の子供達にとっては、同じように漢字の含まれている歌詞テロップをどのくらい読めるかを挑戦することになるがこの場合もその結果が判らない。
【0044】
それに対して、本カラオケ装置1では、歌詞テロップをうまく読めている場合、つまり発音一致度合が高い場合にはルビを施さず、あまりうまく読めていない場合、つまり発音一致度合が低い場合にはルビを施すようにしているため、最後までルビ無しで歌い切ればうまく読めたことが判る。逆に、一度ルビが無くなっても、再度ルビが復活して最後まで表示されていれば、あまりうまく読めなかったことが判る。このようなゲーム的な要素と相まってカラオケをより楽しむことができ、特に複数人で楽しむ場合には、自分がルビ無しでもうまく歌えることを他人にアピールしたい場合に有効である。
【0045】
なお、本実施形態においては例えば4小節を1つの分割判定範囲とするようにしているが、これは、分割判定範囲があまりに長いと、自分の発音がうまくいっているのがいないかが後にならないと判らないので適当な範囲で区切る必要があることを考慮したものである。そこから4小節を一例として挙げたのであるが、もちろん曲によってはテンポの速いものもあるので8小節程度でもよい。あるいは、歌詞テロップを表示させる場合のその1画面単位でもよいし、あるいは1画面に歌詞テロップを2段に表示するのであれば、その1段単位でもよい。逆に、あまり短い分割判定範囲にすると、発音の一致度合を判定するという意味から不都合な点が出てくる。それは、分割判定範囲は、基本的に小節数のような演奏タイミングや歌詞テロップの表示タイミングに基づいて決定されるので、例えば音符毎に採点するといったことを考えると、その演奏タイミングからはずれているが発音自体は正しいという場合も正しくない発音と判定してしまう。発音のみを採点要素とした場合には、本来歌うべきタイミングからはずれていても正しく発音されていればよい。したがって、上述したように例えば4小節というようなある程度の長さの分割判定範囲を設定することにより、その間に発音に関して一致していればよいという採点の方が好ましいといえる。
【0046】
また、自動ルビキー38によって自動ルビモードの設定・解除を切り替えることができる。自動ルビモードにするとルビが施されたり消えたりして普通に使用したい場合に邪魔となることも考えられるので、不要な場合には自動ルビモードを解除できるので好ましい。
【0047】
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した構成になんら限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様での実施が可能である。例えば上記実施形態では、分割判定範囲毎に採点がされ、曲の最後までルビ無しの歌詞テロップとなれば非常にうまく歌えたことが判る。逆に、すぐにルビが施されて最後まで表示されていればあまりうまく読めなかったことが判る。しかし、途中でルビが付いたり消えたりすることが繰り返された場合には、全体としてどの程度の評価であったかが主観的なものとなる。したがって、ルビが施された歌詞テロップの表示となった回数をカウントしておき、曲が終了した時点でのカウント回数に応じて曲全体として見た場合の点数を表示するようにしてもよい。その場合に、点数を表示すると共に、「非常によく発音できています」とか「もう少し正確な発音となるよう勉強して下さい」とか「基礎から発音を勉強しましょう」といった評価文章を併せて表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のカラオケ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 実施形態の操作パネルの概略構成を示す説明図である。
【図3】 カラオケデータのデータ構成図である。
【図4】 実施形態のカラオケ装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…カラオケ装置 3…操作パネル4…CPU 5…再生装置6…ハードディスク 8…ビデオミキサ9…採点装置 10…動画再生プレーヤ11…ディスプレイ 13…アンプ14…スピーカ 15…マイク31…電源キー 34…数字キー35…選曲キー 37…演奏開始キー38…自動ルビキー 40…7セグメントLED40KD…カラオケデータ D1…曲番号D2…曲情報 D3…楽音情報D31…伴奏情報 D32…ボーカル情報D4…歌詞テロップ情報
Claims (5)
- 複数のカラオケ曲の中から所望の曲を選択するための選択手段と、
その選択された曲に対応した楽音情報を再生して楽音を出力する楽音出力手段と、
その選択された曲に対応した歌詞テロップを表示する表示手段と、
前記表示手段に歌詞テロップを表示させる際、メインの文字部分にルビを施した状態とルビを施さない状態とを任意に切り替えて表示させることのできる制御手段と、
利用者の歌唱音声を入力するための音声入力手段と、
該音声入力手段を介して入力された歌唱音声情報と前記選択された曲に対応した採点用発音情報とに基づき、利用者の発音一致度合を判定する判定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記判定手段によって判定された発音一致度合に基づき、発音一致度合が所定の合格ライン以下であればルビを施した状態で歌詞テロップを表示させ、発音一致度合が所定の合格ラインを超えていればルビを施さない状態で歌詞テロップ表示をさせることを特徴とするカラオケ装置。 - 前記判定手段は、1曲を複数の判定範囲に分割したその分割判定範囲毎に利用者の発音一致度合を判定し、
前記制御手段は、その分割判定範囲毎の発音一致度合に基づき、次の分割判定範囲に該当する歌詞テロップをルビを施した状態で表示させるか、あるいはルビを施さない状態で表示させることを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。 - 前記歌詞テロップのメインの文字部分は漢字の含まれている日本語または外国語であり、前記ルビはその漢字または外国語を発音するための表音文字であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケ装置。
- 前記表音文字であるルビは、片仮名、平仮名あるいはローマ字のいずれかによる表記であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケ装置。
- 自動ルビモードの設定・解除を切り替えるためのモード切替手段を備え、
前記制御手段は、前記モード切替手段によって自動ルビモードに設定されている場合に限って、前記判定された発音一致度合に基づく歌詞テロップの表示制御を実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のカラオケ装置。
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