JP3754724B2 - 平型温度ヒュ−ズ - Google Patents
平型温度ヒュ−ズ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3754724B2 JP3754724B2 JP18843395A JP18843395A JP3754724B2 JP 3754724 B2 JP3754724 B2 JP 3754724B2 JP 18843395 A JP18843395 A JP 18843395A JP 18843395 A JP18843395 A JP 18843395A JP 3754724 B2 JP3754724 B2 JP 3754724B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- melting point
- point metal
- metal body
- low melting
- temperature fuse
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Fuses (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は合金型の平型温度ヒュ−ズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器・電子機器等を過電流に基づく異常発熱から事前に保護する温度ヒュ−ズとして、合金型温度ヒュ−ズが周知されている。
周知の通り、合金型温度ヒュ−ズにおいては、所望融点の低融点金属体をフラックスとの共存状態でヒュ−ズエレメントとして使用し、被保護機器の過電流に基づく発生熱で低融点金属体を溶融させ、既溶融フラックスの活性力で低融点金属体の酸化皮膜を除去すると共に溶融フラックスとの共存下での表面張力で低融点金属体の溶融金属の球状化を促し、この球状化の進行で溶融金属を分断させ、この分断に伴い発生するア−クをその後の球状化進行による分断間距離の増加で消滅させることにより機器への通電を遮断している。
【0003】
合金型温度ヒュ−ズには、各種の形式が使用されているが、絶縁基板に設けた両電極間に低融点金属体を接続し、該絶縁基板に上記電極及び低融点金属体を覆って絶縁外包体を被覆する形式は、平型化に有利であり、平型温度ヒュ−ズとして多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
合金型温度ヒュ−ズにおいては、上記したように、フラックスが温度ヒュ−ズの作動に重大に関与する。而るに、温度ヒュ−ズが実際に作動するまでの期間、つまり機器が正常に動作を続ける期間は、通常、年単位の長期であり、この間、温度ヒュ−ズは機器の負荷電流に基づくヒ−トサイクルに曝され、熱応力の繰返し変動を受けるので、フラックスや低融点金属体の材質如何によっては、フラックスの活性力や低融点金属体の表面酸化の度合の変化が招来される。
【0005】
従来、合金型温度ヒュ−ズを上記したフラックス共存下での溶融低融点金属の表面張力による球状化分断で作動させることに代え、低融点金属体に引張り力または剪断力を作用させておき、低融点金属体が溶融されると、その引張り力または剪断力で低融点金属体を強制的に破断することが公知である。
この強制的作動構造の代表例としては、所定のギャップで離隔した弾性片を強制的に接触させてギャップを零にし、その接触点を低融点金属体で固着し、低融点金属体が溶融すると、弾性片の弾性反発力で低融点金属体を破断させて弾性片を離隔させる構造、スプリングの一端をスプリングの引張り反力に抗して低融点金属体で固着し、低融点金属体が溶融すると、スプリングの引張り反力で低融点金属体を破断させて、スプリングを固着点から離隔させる構造等が周知されている。
しかしながら、これらの強制的作動構造では、弾性片やスプリングを収容する空間を必要とし、かかる空間が無い平型温度ヒュ−ズには適用し難い。
【0006】
平型の強制的作動構造として、合成樹脂シ−トに切り込みを設け、この合成樹脂シ−トに低融点金属フィラメントを切り込みを縫って組み込んだものをヒュ−ズエレメントに使用し、作動温度のもとでの合成樹脂シ−トの熱膨張で低融点金属フィラメントに剪断力を作用させ、溶融した低融点金属フィラメントをその剪断力で破断させるものが公知であり(実公昭49−26417号公報)、この強制的作動構を平型温度ヒュ−ズに適用することは可能である。
しかしながら、破断箇所の破断後での拡開を迅速・スム−ズに行わせ難く、破断箇所でア−クが持続し易く、迅速な遮断作動を保証し難い。
【0007】
本発明の目的は、正確かつ迅速な作動を保証できる合金型の平型温度ヒュ−ズを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る一の平型温度ヒュ−ズは、絶縁基板に設けた両電極間に低融点金属体を接続し、該絶縁基板に上記電極及び低融点金属体を覆って絶縁外包体を被覆した温度ヒュ−ズにおいて、上記両電極の少なくとも一方と低融点金属体との接合部上と上記外包体内面間のみに弾性体を圧縮状態で介在させたことを特徴とする構成である。
【0009】
【作用】
(1)電極に接合された低融点金属体部分には、低融点金属体を押えつける弾性体の押圧力が作用しているから、温度ヒュ−ズの作動時、低融点金属体の表面に酸化皮膜(硬い皮殻)があっても、温度ヒュ−ズ作動温度に達すると、すなわち低融点金属体温度がその融点温度に達すると、その圧縮低融点金属体部分が潰されて低融点金属体の破断が促される。また、酸化皮膜が破壊され、その皮膜内部の溶融金属とフラックスとの接触が促される。従って、酸化皮膜内の溶融低融点金属においては、フラックスとの接触により電極に対する濡れ性が高められ、表面張力作用により電極側に引張られて分断隔離が迅速に行われ、それに伴い分断間のア−クが早く消滅される。従って、迅速な遮断作動が達成される。
両電極間において低融点金属体部分が弾性体で押圧されている場合は、両電極間の中間で低融点金属体部分が弾性体で押えられて残存し、ア−クが持続し易く、迅速な遮断作動は期待できないが、本発明の場合、電極上における低融点金属体部分が弾性体で押圧されており、弾性体で押えられて残存する低融点金属体部分が電極上に在るから、ア−ク距離には何ら関与しない。従って、ア−クの持続を防止して、迅速な遮断作動を促し得る。
(2)特に、弾性体を一方の電極と低融点金属体との接続部上に設ける場合は、他方の電極を核として溶融低融点合金がその他方の電極側に引張られて分断隔離が迅速に行われ、分断間のア−クがより早く消滅される。
また、弾性体が電極端部にかかる場合は、電極端部において溶融低融点金属体がせんだん変形され、低融点金属体がこの箇所で確実に分断され、弾性体が電極間に残った溶融低融点金属と電極端部との間に入り込み、高い沿面絶縁強度のために通電がより一層確実に遮断される。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。
図1の(イ)は本発明に係る平型温度ヒュ−ズの一実施例を一部を切開して示す平面図、図1の(ロ)及び図1の(ハ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図及びハ−ハ断面図である。
図1の(イ)乃至図1の(ハ)において、1は絶縁基板であり、熱可塑性の硬質プラスチックシ−ト(例えば、熱融着可能なポリイミドシ−ト、ポリエステルシ−ト等)が使用される。2,2は絶縁基板1に固設した一対の電極であり、先端部2を方形の輪郭で絞り出し加工した帯状導体20のその先端部2を絶縁基板1の裏面側から熱溶着し、方形絞り出し部2を絶縁基板1の表面側に表出させてある。3は低融点金属体であり、両端部31,31を各電極2,2に溶接等により接合してある。4は低融点金属体3を覆って塗布したフラックスである。5は絶縁基板1に上記電極2,2及び低融点金属体3を覆って被覆した絶縁外包体であり、例えば、熱可塑性プラスチックフィルム(例えば、熱融着可能なポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等)の熱融着被覆を使用できる(低融点金属体を溶融させることのないように、周囲部のみが熱融着される)。
6は上記両電極2,2の一方2と低融点金属体3との接合部上と上記外包体5の内面間に圧縮状態で介在させた弾性体であり、例えば、シリコ−ンゴム発泡体を使用することができる。
【0011】
上記平型温度ヒュ−ズを製作するには、絶縁外包体の被覆、例えば熱可塑性プラスチックフィルムの熱融着前に一方の電極との低融点金属体端部の接合部上に弾性体を載置し、この弾性体を圧縮しつつ熱可塑性プラスチックフィルムを熱融着することもできる。また、一方の電極に接合した低融点金属体端部上に低融点金属体の融点よりも発泡温度が低い発泡性樹脂組成物を熱可塑性プラスチックフィルムの熱融着前に塗布(発泡性樹脂組成物が液状の場合)または載置し(発泡性樹脂組成物がフィルム状の場合)、次いで、熱可塑性プラスチックフィルムを熱融着被覆すると共に発泡性樹脂組成物を発泡させて圧縮状態の発泡性層を設けることもできる。
【0012】
図2の(イ)は本発明に係る平型温度ヒュ−ズの別実施例を一部を切開して示す平面図、図2の(ロ)は図2の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
図2の(イ)及び図2の(ロ)において、1は熱伝導性に優れた絶縁基板、例えば、セラミックス板である。2,2は絶縁基板1に固設した一対の電極であり、導電ペ−スト例えば、銀ペ−ストの印刷・焼き付けにより形成することができる。20,20は各電極2,2に溶接等により接続したリ−ド線である。3は低融点金属体であり、両端部31,31を各電極2,2に溶接等により接合してある。4は低融点金属体3を覆って塗布したフラックスである。5は絶縁基板1に上記電極2,2及び低融点金属体3を覆って被覆した絶縁外包体であり、エポキシ樹脂を滴下塗布し、常温で硬化するか、エポキシ樹脂を浸漬塗布し、常温で硬化して形成することができる。
【0013】
6は上記両電極2,2の一方2と低融点金属体3との接合部上と上記外包体5の内面間に押圧状態で介在させた弾性発泡性層であり、この形成には、一方の電極に接合した低融点金属体端部上に低融点金属体の融点よりも発泡温度が低い発泡性樹脂組成物を上記フラックス及びエポキシ樹脂外包体の被覆前に塗布し、次いで、上記フラックス及びエポキシ樹脂外包体を被覆し、更に、低融点金属体の融点よりも低温の加熱で発泡性樹脂組成物を発泡させる方法を使用することできる。
上記において、絶縁基板1の平面寸法は、通常(4mm〜7mm)×(4mm〜7mm)とされ、厚みは0.3mm〜1.0mmとされ、低融点金属体3の線径(直径)は0.4mm〜1.0mmとされる。
なお、上記実施例では、弾性体または発泡性層を一方の接続部上にのみ設けているが、両方の接続部上に設けることも可能である。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係る平型温度ヒュ−ズにおいては、低融点金属体上と外包体内面間に介在させた弾性体または発泡性層のために作動時に低融点金属体が押圧されるから、低融点金属体に酸化皮膜が在っても、酸化皮膜内の低融点金属が溶融するとその酸化皮膜を押圧力で破壊して、正確に低融点金属体の融点で作動させ得、作動温度のずれを排除できる。
また、上記酸化皮膜の押圧破壊を一方の電極上の低融点金属体端部で行っているから、押圧直下に溶融低融点金属が残存しても、その残存金属が溶融低融点金属の分断間絶縁を低下させるようなことがなく、低融点金属体の溶融分断後の通電遮断を分断間ア−クの消滅を促して迅速に行わせることができる。
従って、本発明によれば、正確かつ迅速な作動を保証できる合金型の平型温度ヒュ−ズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)は本発明に係る平型温度ヒュ−ズの一実施例を一部を切開して示す平面図、図1の(ロ)及び図1の(ハ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面図及びハ−ハ断面図である。
【図2】図2の(イ)は本発明に係る平型温度ヒュ−ズの別実施例を一部を切開して示す平面図、図2の(ロ)は図2の(イ)におけるロ−ロ断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 電極
3 低融点金属体
4 フラックス
5 絶縁外包体
6 弾性体または発泡性層
Claims (1)
- 絶縁基板に設けた両電極間に低融点金属体を接続し、該絶縁基板に上記電極及び低融点金属体を覆って絶縁外包体を被覆した温度ヒュ−ズにおいて、上記両電極の少なくとも一方と低融点金属体との接合部上と上記外包体内面間のみに弾性体を圧縮状態で介在させたことを特徴とする平型温度ヒュ−ズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18843395A JP3754724B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 平型温度ヒュ−ズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18843395A JP3754724B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 平型温度ヒュ−ズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0917302A JPH0917302A (ja) | 1997-01-17 |
JP3754724B2 true JP3754724B2 (ja) | 2006-03-15 |
Family
ID=16223595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18843395A Expired - Fee Related JP3754724B2 (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 平型温度ヒュ−ズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3754724B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3478785B2 (ja) | 2000-07-21 | 2003-12-15 | 松下電器産業株式会社 | 温度ヒューズ及びパック電池 |
JP4207686B2 (ja) | 2003-07-01 | 2009-01-14 | パナソニック株式会社 | ヒューズ、それを用いたパック電池およびヒューズ製造方法 |
JP4717655B2 (ja) * | 2006-02-16 | 2011-07-06 | 内橋エステック株式会社 | 合金型温度ヒューズの使用方法 |
KR101255171B1 (ko) * | 2009-09-28 | 2013-04-22 | 주식회사 엘지화학 | 이차 전지 및 그 제조 방법 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP18843395A patent/JP3754724B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0917302A (ja) | 1997-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3754724B2 (ja) | 平型温度ヒュ−ズ | |
EP1465224B1 (en) | Thermal fuse having a function of a current fuse | |
JP4269264B2 (ja) | 薄型温度ヒューズ | |
JP3754725B2 (ja) | 平型温度ヒュ−ズ | |
JP4112297B2 (ja) | サーモプロテクター及びサーモプロテクターの製造方法 | |
JP3358677B2 (ja) | 薄型ヒュ−ズ | |
JPH1154007A (ja) | 電流遮断装置及びこれを用いた電池 | |
JPH07201263A (ja) | 薄型ヒュ−ズ | |
JP4145732B2 (ja) | 感熱エレメント及びサーモプロテクタ並びに感熱スイッチ | |
JP3252025B2 (ja) | 基板型温度ヒュ−ズ | |
JPH088033B2 (ja) | 温度ヒューズ並びにその製造方法 | |
JPH07201265A (ja) | 薄型ヒュ−ズ | |
JP3878729B2 (ja) | 温度ヒュ−ズの動作方法 | |
JP3260694B2 (ja) | 薄型ヒュ−ズ用リ−ド導体及び薄型ヒュ−ズ | |
JPH11144589A (ja) | 箔状接続導体の製造方法及び合金型温度ヒュ−ズの製造方法 | |
JP3068571B2 (ja) | 感熱型電気回路遮断部品 | |
JPH113642A (ja) | 温度ヒューズ | |
JP2001052582A (ja) | 温度ヒューズ | |
JP2001135213A (ja) | 保護素子 | |
JP2001118480A (ja) | 薄型温度ヒュ−ズ | |
JP2003086070A (ja) | 温度ヒューズおよびそれを用いた電池 | |
JPH10188759A (ja) | 温度ヒューズ | |
JPH11144581A (ja) | 薄型温度ヒュ−ズ | |
JPS6016090B2 (ja) | プラスチックフィルムコンデンサ−のリ−ド線引出方法 | |
JP2003045305A (ja) | 薄型ヒューズ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051004 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051024 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |