JP3754319B2 - 電気車の制御方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電動機により電気車を駆動する電気車の制御に係り、特にバッテリを用いた交流電動機駆動による電気車、例えばフォークリフトなどの制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特開平6−14404号公報(以下第1の先行技術という)がある。この公報の記載は、制御回路の外部に切り換え選択スイッチを設け、車両を駆動する電動機の制御方法を電動機の発生トルクを制御するいわゆるトルク制御モードと、電動機の回転速度を制御する速度制御モードのいずれかに選択可能とし、必要に応じていずれかの動作モードを運転者が切り換え選択し電気車の稼働状況に合わせて制御を行う方法が開示されている。切り換えスイッチは手動で「T」あるいは「N」に切り換えることの説明がなされている。
【0003】
また、特開平7−336808号公報(以下第2の先行技術という)がある。この記載は、永久磁石型同期電動機を駆動用電動機として用いている。走行用モータの負荷がある程度安定していればコギングトルク等は速度変動として現れるので、速度フィードバック制御によってトルク変動によるドライブフィーリングの悪化を防止している。そして、同期電動機のコギングトルクによる車両微速域のフィーリング悪化を抑制するために、微低速域では電動機を速度制御、微低速域でない場合にはトルク制御を行うように制御を切り換える方法について開示されている。
【0004】
また、特開平11−89015号公報(以下第3の先行技術という)がある。この記載は、産業用車両の走行駆動装置としてアクセル操作により車両の目標速度を決定、すなわち電動機の回転速度を決定して電動機の速度制御を行い、産業用車両特有の進行方向切り換え選択指示による制動、いわゆるスイッチバック制動を行った際に目標速度を固定して急制動を行い産業用車両としての急速な車両切り返し動作を行うという方法について開示されている。
【0005】
また、特開平8−9508号公報(以下第4の先行技術という)がある。この記載は、判別された運転モードに応じて電力変換器を制御するものである。その際、切り換え前後の運転モードの組み合わせよって、走行モータの出力トルクが急激に変化しないように電力変換器を制御することについて述べている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の先行技術では、力行状態における電動機の速度制御またはトルク制御を、外部の選択手段により選択することによって切り換える構成となっており、電気車の稼働状況に応じて電気車の運転者が頻繁に制御モードを選択切り換えする必要がある。また、回生制動時における電動機の制御方法については配慮されていない。また、前記第2の先行技術では、いわゆる公道を走行する自動車に適したものではあるが、産業用車両、例えばフォークリフトトラックのようにアクセル開度に対して一定速度で走行できることが望ましい車両については適切ではないと考えられる。
【0007】
また前記第3の先行技術では、フォークリフトトラック等の制御において、アクセル指示により、電動機速度制御を行うものの、産業用車両特有の進行方向切り換え選択指示による制動、いわゆるスイッチバック制動を行った際にはある規定の減速力特性にて車両を減速し、制動後はまた通常の速度制御に復帰する動作を行うが、この制動中における運転者のアクセル指示による制動力の調節については配慮されていない。また、前記第4の先行技術では、運転モード切り換え時におけるトルク出力変動の抑制をおこなうことにあり、運転モードに応じて駆動回路を制御する記載であります。
【0008】
しかしながら、前記いずれの先行技術においても、車両が坂道等で退行(ずり下がり動作)をした場合の電動機制御の方法については、考慮されていない。
【0009】
本発明の目的は、車両の走行条件及び運転者の操作に応じて走行状態を自動的に判別し、走行状態に応じて適切な電動機駆動制御方法を選択実行できるようにし、運転者がフィーリングや使い勝手がよい電気車の制御装置および制御方法を選択制御できることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は以下の手段によって解決することができる。
【0011】
直流電源と、電気車を駆動する交流駆動電動機と、前記直流電源により前記駆動電動機を駆動するための電力変換器と、前記電気車のアクセル開度検出手段と、ブレーキ検出手段、前後進選択手段と、前記駆動電動機の回転検出手段とを備えた電気車の制御において、前記アクセル開度検出信号と前記ブレーキ検出信号と前記前後進選択信号および前記回転検出手段からの信号などの走行状態信号に基づいてあらかじめ複数の制御モードを定め、前記電気車の走行時にその走行状態を判定し、前記あらかじめ定められた複数の制御モードの中から該当する制御モードを選択し、選択された制御モードにおける所定回転速度制御の目標速度および所定トルク制御の目標トルクを演算し、前記運転状態に応じて選択された制御モードにおいて前記目標値のうちの一つを選択し、前記駆動電動機の制御をおこなうこと、により解決することができる。
【0012】
また、前記電気車の走行状態が前後進回生制動状態あるときは、前記駆動電動機に対し前記目標値によるトルク制御が選択されること、また、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき、前記駆動電動機に対し前記所定の目標値により所定回転速度制御が選択されること、また、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについてトルク制御が選択されること、前記モードにあっては前記目標速度と前記駆動電動機の回転速度との偏差により制動力を制限制御すること、前記モードにあっては回転速度に基づく出力トルクパターンについてアクセル開度により演算されるトルク制限値により前記トルクを制限すること、前記走行状態が坂道退行と判別したときは前記速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについてトルク制御あるいは速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについて速度制御が選択されること、により解決することができる。
【0013】
また、直流電源と、電気車を駆動する交流駆動電動機と、前記直流電源により前記駆動電動機を駆動するための電力変換器と、前記電気車のアクセル開度検出手段と、ブレーキ検出手段、前後進選択手段と、前記駆動電動機の回転検出手段とを備えた電気車の制御装置において、前記アクセル開度検出信号と前記ブレーキ検出信号と前記前後進選択信号および前記回転検出手段からの信号に基づいて前記駆動電動機の目標速度を演算する目標速度演算装置と、前記駆動電動機の目標トルクを演算する目標トルク演算装置と、前記電気車の複数の走行状態を判別する走行状態判別手段と、前記交流駆動電動機の正逆回転、カ行、回生および停止の車両状態を含む前記電気車の走行状態に対応し、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされるモードであって、いずれかに選択されて定められたモード、および速度制御およびトルク制御のいずれかにするか予め定められたモードからなる複数のモードを予め設定するモード設定手段と、前記走行状態判別手段により判別された走行状態に対応した制御モードにおいて目標速度演算装置からの目標値あるいは前記目標トルク演算装置からの目標値のいずれかを選択する選択切換手段、とを備え前記駆動電動機の制御を行う制御装置により解決することができる。
【0014】
また、前記駆動電動機の制御として目標速度演算装置からの目標値による所定回転速度制御が選択されたとき、駆動電動機の速度帰還による速度制御演算手段を介して伝達される指令信号により制御をおこなう駆動電動機制御手段、を備えたこと、また、前記選択切換手段は、目標速度演算装置からの目標値を速度制御演算手段への目標値とするかどうかの切換手段と、速度制御演算手段の出力側において前記速度制御演算手段の出力信号を電動機制御手段への指令信号とするか目標トルク演算手段の出力信号を電動機制御手段への指令信号とするかの切換選択手段、とを備えた制御装置により解決することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電気車の制御装置及び制御方法の実施例を、図を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の、電気車の制御装置及び制御方法の基本構成を示す図である。電気車の制御装置には運転者の操作意志を電気的な信号に変換するアクセル検出手段1,ブレーキ検出手段2、前後進選択手段3が備えられ、それらの信号は制御手段4に入力される。制御手段4には駆動電動機に対する指令を演算する指令演算手段5,電動機制御手段6、電動機回転演算手段7が内包されている。駆動電動機8には回転検出手段9が備えられており、駆動電動機8の回転数を電気的な信号の回転数信号26に変換して制御手段4内の電動機回転演算手段7に伝達する。
【0017】
次に、制御手段4とこれを含む制御駆動全体について簡単に説明する。電動機回転演算手段7では、伝達された回転信号26に基づき電動機回転速度11を演算し、指令演算手段5、電動機制御手段6に伝達される。制御手段4の内部の指令演算手段5では、アクセル検出手段1,ブレーキ検出手段2,前後進選択手段3、電動機回転速度11の信号に基づき、駆動電動機8が発生すべき目標駆動力としての駆動トルクτoutを演算し、電動機制御手段6に駆動指令信号12として伝達する。
【0018】
電動機制御手段6では、駆動指令12の信号をもとに、電力変換手段10を駆動するための駆動信号13を生成する。電力変換手段10では、駆動信号13の信号をもとに駆動手段14を用いて半導体素子15を駆動し、バッテリ電源17の電力を交流電力に変換して駆動電動機8に伝達し、駆動電動機8が車両を駆動する駆動力を発生する。駆動電動機8に供給される電流は電流検出手段16により検出され、電動機制御手段6に帰還する構成である。
【0019】
このような構成にすることにより、駆動電動機8の回転速度及び回転方向、運転者の運転操作の状況を検出して、制御手段4により運転操作や車両の走行状態を判断し、その結果に応じた駆動電動機8の駆動制御を実行することが可能となる。また、前後進選択手段3は前進または後進を選択するものであるが、いわゆるシフトポジションのパーキングやニュートラルの選択が含まれているものを用いても良い。
【0020】
図2は本発明に関する電気車の制御装置及び制御方法のうち、指令演算手段5の全体構成を示す図である。
指令演算手段5は制御手段4に内包されており、指令演算手段5にはアクセル検出手段1、ブレーキ検出手段2、前後進選択手段3の信号が入力され、回転信号26の信号より電動機回転演算手段7にて演算される電動機回転速度11の信号も指令演算手段5に入力されている。
【0021】
指令演算手段5には、アクセル開度演算手段18にて運転者のアクセル操作に応じたアクセルの開度を演算し、アクセル開度信号27(ACO)を出力する。ブレーキ開度演算手段19では、運転者の操作によるブレーキ踏み込み量に応じたブレーキ開度信号28(BRS)を演算する。演算したアクセル開度信号27及びブレーキ開度信号28は、前後進選択信号29と電動機回転速度11とともに目標速度演算手段20,目標トルク演算手段21,走行状態判別手段22、のそれぞれに入力される。
【0022】
目標速度演算手段20では、運転者の操作によるアクセル開度信号27に基づいて車両の走行速度、すなわち駆動電動機8が到達すべき目標回転速度信号30(Nref)を演算する。目標トルク演算手段21では、運転者の操作によるアクセル開度信号27に基づき駆動電動機8が発生すべきトルク、すなわち、目標トルク31(τref)を演算する。目標速度演算手段20及び目標トルク演算手段21のいずれの演算処理においても、ブレーキ開度信号28を参照して演算するので、信号30として表した目標速度信号Nref、または信号31として表した目標トルクτrefは、その補正がおこなわれた目標値である。
【0023】
ブレーキ開度信号28(BRS)と目標速度との関係は、BRSが大きいときはNrefあるいはτrefとも小さくなるように補正される。またBRSが比較的小さいような場合は、前記Nref、あるいはτrefは大きくなるように補正される。そのときの補正の量や補正の仕方については、予め定めておいて、それにしたがって、補正を行うようにすればよい。
【0024】
走行状態判別手段22では、先に述べた検出信号、すなわち、アクセル開度信号27、ブレーキ開度信号28、前後進選択信号29および電動機回転速度信号11に基づいて、車両がどのように走行すべきか、あるいはどのような状態で走行しているかどうかなどの判断をおこなう。そして、その判断結果に基づいて駆動電動機8の制御モード信号、すなわち、図示したモードシグナル信号32(mdf)が出力される。
【0025】
モードシグナル信号32(mdf)は、先に説明した目標速度演算手段20と目標トルク演算手段21にもそれぞれ入力する。
【0026】
目標速度演算手段20および目標トルク演算手段21では、モードシグナル信号32(mdf)が示す走行モードに応じた適切な目標速度指令30または目標トルク31を、目標速度演算手段20または目標トルク演算手段21のそれぞれの内部で選択切り換えをするように動作する。これは一律に目標速度指令30といっても走行モードに応じ、通常の力行時とその他のモードでは目標速度が異なること、また目標トルク31においては目標トルクが力行、回生のモードで異なること、アクセル、ブレーキ等、異なる信号から生成されること、などに対応できるようにするためである。
【0027】
先に演算された目標速度信号30(Nref)および目標トルク信号31(τref)は、まず23の切換手段1(SL1)にそれぞれ入力する。切換手段1のSL1では、同時に入力されるモードシグナル32のmdfの信号に基づき切換手段1の内部の伝達経路を、図中の切換経路A側にするか、切換経路B側にするかの選択切換処理を行う。モードシグナル32のmdfが切換Aを選択するように指示されていた場合、すなわち、速度制御が選択されている場合は、切換手段1では伝達経路の切換経路Aを投入し、切換経路B側を開放とする。
【0028】
この場合の動作では、目標速度30のNrefと、目標トルク31のτref、の複数の入力のうち、目標速度Nrefの経路側が選択されることとなり、目標速度Nref30が切換手段1の出力として採用されるから、Nrefが切換手段1の出力となる。モードシグナル32のmdfが切換経路Bを選択するように指示されていた場合、切換手段1(SL1)では伝達経路の切換経路Aを開放し、切換経路B側を投入する。この場合の動作では、目標速度Nrefと目標トルクτrefの入力信号のうち、目標トルクτrefが選択されることになる。したがって、目標トルクτrefが切換手段1の出力となる。
【0029】
目標速度Nref30が切換手段A23の出力となった場合、目標速度Nref30は速度制御演算手段24に伝達される。速度制御演算手段24には駆動電動機8の実回転速度11も入力され、速度制御演算手段24内部でいわゆる速度帰還制御を行い、駆動電動機8を所望の回転速度に制御し、速度帰還制御における演算結果を25の切換手段2(SL2)に伝達する。この速度制御演算手段24には、いわゆる通常の比例、積分、微分補償制御を組み合わせた方式を用いても良いし、他の制御方法を用いても良い。目標トルクτrefが切換手段1の出力となった場合、目標トルク信号31τrefはそのまま切換手段2に伝達される。
【0030】
切換手段2(SL2)では、目標トルクτref31および速度制御演算手段24の、複数の出力を入力し、同時に入力するモードシグナル32(mdf)の信号に基づいて、切換手段1と同様に伝達経路について切換経路Aまたは切換経路Bの何れの経路を接続するかの切換を行う。モードシグナルmdfが切換経路Aを選択するように指示していた場合は、速度制御演算手段24での演算結果が選択出力され、駆動指令τout12として採用される。モードシグナルmdf32が切換Bを選択するように指示していた場合は、目標トルクτref31が選択され、駆動指令τout12として採用される。
【0031】
このような構成とすることにより、アクセル検出手段1、ブレーキ検出手段2,前後進検出手段3、電動機回転速度11のそれぞれの信号に基づいて車両がどのように走行しているか、あるいはどのように走行すべきか、力行なのか、回生なのかを走行状態判別手段22によって判別が可能であり、その判定結果を用いて駆動電動機8を速度制御とするか、トルク制御とするかの選択切換を行えるようにできる。またこの選択切換は走行状態に応じて予め定められた制御を選択することと、選択された制御モードによっては運転者の好みにより設定切換が可能である。
【0032】
図3は本発明の電気車の制御において、電気車の走行状態に応じてあらかじめ定められた制御モードおよび前記切換手段の選択経路を決める走行状態判別手段22の判定内容を示す図である。
【0033】
走行状態判別手段22には、先に述べたようにアクセル検出手段1、ブレーキ検出手段2、前後進選択手段3,電動機回転速度11が入力されている。これらの信号状態の組み合わせにより、図3に示すような車両状態の区分けと駆動電動機8の制御モードを予め定めておく。そして、それぞれのモードに応じた制御を行うようにする。
【0034】
例えばモード2では、アクセル検出手段2がON、つまり踏み込まれている状態で、ブレーキはOFFなので踏まれていない状態である。そして前後進選択手段3が前進に選択されている場合であって、モータ回転方向が正転、つまり電動機回転速度11が正の値を示している。すなわち、このときは普通に前進している状態であると判断できる。したがって、車両の走行状態は、前進力行運転と判断でき、駆動電動機8の制御モードは速度制御、あるいはトルク制御のいずれかを選択して動作するようにする。図3では原則として速度制御が選択される。括弧内は、場合によって選択されることを表わしている。
【0035】
この場合、速度制御またはトルク制御のいずれかの制御方法を選択できるのは、速度制御を用いた場合はアクセル検出手段1の運転者の操作に応じ一定の定速度で車両を走行させることができるため、例えばフォークリフトトラックなど積載負荷や走行状況によらず一定速度で走行したい場合には好適であるためである。また、トルク制御を用いた場合には、例えばバッテリ式のフォークリフトトラックななどの場合でもエンジン式フォークリフトトラックと同様の運転操作フィーリングが得られるため、エンジン式フォークリフトトラックからの乗り換え時等にも運転者に対して違和感を与えることはない。
【0036】
このように運転者の好みや使用状況に応じた駆動電動機8の制御方法をあらかじめ用意しておいて、駆動電動機8に対して該当する制御モードになった場合には、駆動電動機8を適切な制御で動作させることが可能となる。図3では速度制御を主にしたのでトルク制御は括弧で示している。すなわち、切換手段1および2は切換経路Aが選択されることになる。
【0037】
次にモード5の場合について述べる。アクセル検出手段1と前後進選択手段3の選択指示およびブレーキOFFであって、踏まれていない状態であることは、モード2と同じである。しかし、駆動電動機8が逆転、すなわち電動機回転速度11が負の値であることを示している。しかし、この場合は運転者の意志によって車両の進行方向に対し前後進選択手段3が逆方向に選択されていて、車両に回生制動をかける操作がなされた状態であると判断できる。このため、この時の車両状態は後進回生で、駆動電動機8の制御モードはトルク制御となるように制御を実行する。切換手段1と2は、切換経路Bが選択される。
【0038】
次にモード6ではアクセル検出手段1がオフ状態、すなわち踏み込まれていない状態である。そして、駆動電動機8はいずれかの方向に回転している状態でブレーキ検出手段2がオン、つまりブレーキが踏み込まれている状況である。車両状態としてはブレーキ回生となり、駆動電動機8の制御モードはトルク制御となるように動作する。ここで回生制動時にトルク制御を行うのは、制動力は駆動電動機8の回転速度を制御するのではなく、駆動電動機8によって制動力を得るための発生トルクを制御することが車両の制動力制御になるため、トルク制御を行うのが適切である。このときも、切換手段1と2は経路Bが選択される。
【0039】
次にモード9ではアクセル検出手段1がオフ、ブレーキ検出手段2がオフ、前後進選択手段3が前進に選択されている状態である。そして、駆動電動機8の回転方向が逆転という条件となっている。この場合には車両が何らかの外力、例えば坂道上で運転者の意志で進もうとする方向(この場合は前後進選択手段3の前進方向選択)に対して、車両が逆方向に動いている状態なので、電気車は坂道をずり下がっている状態であると判断できる。この場合には坂道のずり下がりを抑制すべく、車両状態は後進アンチロール回生、駆動電動機8の制御モードは速度制御あるいはトルク制御のいずれかを選択して制御を行い、車両のずり下がりを抑制するように制御を行う。
【0040】
ここで制御モードが速度制御かトルク制御のいずれかであるのは、車両を一定速度で坂道を降坂させたい場合には速度制御のほうが車両ずり下がり時の車速を一定にすることが容易である。したがって、このような要求の場合には速度制御を用いるのが望ましい。また、トルク制御を採用した場合には坂道の傾斜によらず制動力が一定となるため、運転者には機械ブレーキを掛けているようになるから、フィーリングが自然である。しかし、これらは運転者の好みや車両の稼働条件などに応じて選択指示するのが望ましいために、いずれかを選択できるようにしている。このように、走行状態判別手段22の内部の判断によって、車両の走行状況に応じた適切な制御方法を用いて、運転者の好みを考慮して、駆動電動機8を駆動制御することが可能となる。図3の例では、予め11の制御モードに分けた場合の例であって、これよりも多い場合もあり、少ない場合もある。
【0041】
図4は前記本発明による電気車の、走行状態判別手段22の内容を説明するためのフローチャートを示している。
まず処理4aにてアクセル検出手段1が踏み込み状態であるかどうかを判別し踏み込み状態である場合には処理4bに進む。処理4bで前後進選択手段3の選択方向を確認し、前進方向に選択されている場合には処理4c、前進が選択されていない場合には処理4dに進む。処理4cでは駆動電動機8の回転方向を判定し、正転である場合には処理4fに進んで車両状態が前進力行であると判断する。処理4cにおいて駆動電動機8が逆転である場合には前後進選択手段3での選択方向と車両の進行方向が逆であるため、この場合には処理4eにて後進回生であると判断する。
【0042】
処理4bにて進行方向選択が前進でなかった場合には後進SWがONかどうかを、処理4dで再び前後進選択手段がどちらに選択されているかを判定し、後進に選択されている場合には処理4g、そうでない場合には処理4jに進む。処理4jに進んだ場合には前後進選択手段3が前進、後進いずれにも選択されていないということなので、この場合には駆動電動機8に駆動力を発生させず、車両状態は惰行となる。ここで惰行運転とは、惰行運転に入る前の制御モードを継続することである。
【0043】
処理4dで後進に選択されていた場合、処理4gで電動機8の回転方向を判別する。駆動電動機8の回転方向が逆転である場合には前後進選択手段3の選択方向と電動機8の回転方向が一致しているので、処理4hに進み車両状態を後進力行と判定する。また、処理4gにおいて駆動電動機8の回転方向が逆転でなかった場合には前後進選択手段3の選択方向と電動機8の回転方向が逆であるため、この場合には処理4iで前進回生であると判定する。
【0044】
処理4aにおいてアクセル検出手段1が踏み込まれていないと判断される場合には、処理4kに進む。処理4kではブレーキ検出手段2が踏み込まれているかどうかを判別し、踏み込まれている(ON)と判断した場合は処理4l、踏み込まれていないと判断した場合には処理4nにそれぞれ分岐する。処理4lでは駆動電動機8の回転方向を判定し、駆動電動機8が正転である場合には走行中でブレーキ検出手段2が踏み込まれているということなので、処理4mにて車両状態を前進ブレーキ回生であると判断する。
【0045】
処理4lで駆動電動機8の回転方向が正転でない場合には処理4oに進む。処理4oでは駆動電動機8が回転しているか停止しているかを判断し、停止している場合には、車両がブレーキを踏み込まれた状態で停止している状況なので、処理4rに進み車両状態を停止とする。処理4oで電動機8が停止していなければ、駆動電動機8は逆転している状態なので、車両としては後進中であって、かつブレーキが掛けられている状態とみなし、処理4sに進み車両状態を後進ブレーキ回生状態と判断する。
【0046】
処理4kにおいてブレーキ検出手段2が踏み込み状態でない場合にはアクセル検出手段1もブレーキ検出手段2も操作されていない状態である。この時は処理4nに進み、駆動電動機8が停止しているかどうかを判定する。処理4nで電動機8が静止していない場合には、運転者は運転操作をしていないが車両は前進か後進どちらかに動いている状態であると考えられるため、処理4gに進んでアンチロール判定、いわゆる坂道退行判定を行う(処理4gについては図5により後で述べる)。
【0047】
処理4nで電動機8が静止していると判断された場合は、運転者が車両を操作する意志がなく、車両も静止している状態であると判断でき、処理4pに進んで車両状態を停止と判断する。このような処理によってアクセル検出手段1,ブレーキ検出手段2,前後進選択手段3,電動機8の電動機回転速度11の条件をそれぞれ判定することにより車両の状態を適切に判断することができる。
【0048】
図5は本発明における電気車の走行状態判別手段22のアンチロール判定内容を示すフローチャートで、図4の処理4gについての詳細処理フローを示している。図4の処理、4gのアンチロール判定の処理は、アクセル検出手段1がオフ状態でブレーキ検出手段2もオフ状態、さらに駆動電動機8が停止状態でない場合に実行される判定処理である。
【0049】
まず処理5aにおいて駆動電動機8の回転方向を判定する。回転方向が正転である場合には処理5bに進む。そうでない場合、つまり逆転の場合には処理5dに進む。処理5bに進んだ場合、処理5bでは前後進選択手段3の選択指示方向を検出し、前進に選択されている場合には車両が前進方向に進行していて前後進選択手段3の選択指示方向も前進である。このため、この場合の処理は処理5cにて車両状態を、前進アクセルオフ回生状態と判断する。
【0050】
一方、処理5bで前後進選択手段3の選択指示が後進だった場合には処理5jに進む。処理5jではさらに前後進選択手段3の選択指示方向を確認し、前後進選択手段3の指示方向が後進である場合には、車両が前進していて駆動電動機8の回転方向が正転なので、この場合は処理5kに進み車両状態を前進アンチロール回生と判定する。これは車両が坂道から降坂している状況である。前後進選択手段3の指示方向が後進でなかった場合には前後進選択手段3が前進にも後進にも選択されていないということになるので前後進選択手段3は中立、すなわちニュートラルであると判断でき、この場合には処理5lに進んで車両状態は惰行運転状態であると判断する。
【0051】
処理5aにて電動機8が逆転していた場合、処理5dに進む。処理5dで前後進選択手段3の選択指示方向を確認し、後進が選択されている場合には処理5fに進んで後進アクセルオフ回生状態と判断する。一方、処理5dにて前進が選択されている場合には処理5gに進む。処理5gで再度前後進選択手段3の選択指示方向を再度確認し、前進方向に選択されていれば、処理5hに進んで車両状態を後進アンチロール回生、処理5gにおいて、前進に選択されていなかった場合には、前後進選択手段3は中立なので処理5iに進み、車両状態を惰行と判断する。
【0052】
このように駆動電動機8の回転方向と前後進選択手段3の選択指示方向との比較判定により、車両の走行状態を判断し、駆動電動機8の適切な制御モードに切り換えをし、運転を行うことができる。
【0053】
図6は本発明の電気車の、制御装置及び制御方法における切換手段の選択方法を示すフローチャートを示している。前記図4及び図5にて説明した車両状態の判別結果をもとに、まず処理6aで車両状態が前進力行かどうかを判別する。車両状態が前進力行であれば処理6bに進み電動機8の制御を速度制御(またはトルク制御)にすべく切換手段A23と切換手段B25を、切換経路A(または切換経路B)に切り換える。この場合切換経路Aに切り換えると速度制御となり、切換経路Bに切り換えるとトルク制御となるように動作する。切換経路Aまたは切換経路Bのいずれにするかは、運転者の好みや車両の稼働状況に応じてあらかじめ走行状態検出手段22の処理で出力するモードシグナルmdf32の出力で決定しておけばよい。
【0054】
処理6aにて車両状態が前進力行でない場合、処理6cに進み後進力行かどうかを判別する。後進力行である場合には処理6dに進み駆動電動機8の制御を速度制御(またはトルク制御いずれか)にすべく切換手段1の23と切換手段2の25を切換経路A(または、切換経路B)に切り換える。これは前進力行の処理6bと同様の処理である。車両状態が後進力行でない場合には処理6eに進む。処理6eで車両状態が前進回生かどうか判別する。前進回生の場合は処理6fにて駆動電動機8の制御をトルク制御にすべく切換手段1の23と切換手段2の25を切換経路B側に切り換える。これにより車両及び電動機8は目標トルク31に従って制御されるようになる。
【0055】
処理6eで車両状態が前進回生でないと判断された場合には処理6gに進む。処理6gにて車両状態が後進回生である場合にも駆動電動機8の制御をトルク制御にすべく切換手段1の23と切換手段2の25を切換経路Bに切り換える。処理6gにおいて車両状態が後進回生でないと判断された場合には処理6iに進む。処理6iにおいて車両状態がブレーキ回生か、またはアクセルオフ回生かどうかを判別し、車両状態がブレーキ回生またはアクセルオフ回生に該当した場合、処理6jに進みこの場合にも駆動電動機8の制御をトルク制御にすべく切換手段1の23と切換手段2の25を切換経路Bに切り換える。処理6iにて走行状態がブレーキ回生またはアクセル回生いずれにも該当しない場合には処理6kに進み車両状態が惰行か停止かを判別する。
【0056】
処理6kにて車両状態が惰行か停止いずれかに該当する場合には、駆動電動機8自体が動作していないので駆動電動機8の制御状態は速度制御、トルク制御いずれであっても駆動電動機8の駆動には何ら影響がない。よって特に切換手段1の23と切換手段2の25を切り換える必要がない。この場合には切換手段1の23と切換手段2の25は車両状態が惰行または停止となった場合の、前の車両状態での選択状態に保持したままとするようにする。処理6kにて車両状態が惰行でも停止でもない場合には処理6mに進む。処理6mにて車両状態がアンチロール回生かどうかを判別し、車両状態がアンチロール回生である場合には処理6nに進む。アンチロール回生でない場合には処理6oに進む。
【0057】
処理6nに進んだ場合には、車両状態がアンチロール回生なので駆動電動機8の制御を速度制御またはトルク制御にすべく切換手段1の23と切換手段2の25を切換経路Bに切り換える。処理6oに進んだ場合には車両状態がいずれの条件にも合致しない通常あり得ないモードであるため、この場合は切換手段A23及び切換手段B25をやはり保持状態とする。このような処理により、車両の走行状態に応じて電動機8の制御方法を適切に切り換えることができるようになり、電気車にとってより良い電動機8の制御を実行することが可能となる。
【0058】
図7は本発明の電気車の制御における、動作を示すタイムチャートである。
電気車が走行するために前後進選択手段3が前進に選択され(図7(b))、アクセル検出手段1が踏み込まれた場合(図7の(a))、この時は駆動電動機8の回転速度(d)が停止の状態からスタートするので、車両状態は前進力行と判断される。切換手段1の23と切換手段2の25は切換経路Aの方に切り換えられる。この動作により目標速度演算手段20の出力の目標速度30(図7の(c))が駆動電動機8の制御に選択されて、駆動電動機8は速度制御が行われる。このとき目標速度(a)と実回転速度(d)の偏差は(e)で表わされる。
【0059】
そしてこの場合は速度制御モードであるから、目標トルク信号はゼロであり、速度制御における電力変換器への駆動指令信号12(τout)は同図(g)に示す信号となる。モードシグナルmdf32は、したがって切換経路Aを選択することになる。このため、アクセル検出手段1の踏み込み量(a)がそのまま目標速度30の値(c)となり、図7の(c)、+Nrの値となる。この速度制御により駆動電動機8の電動機回転速度11との速度偏差補償が電動機8の発生出力となって電動機8は目標速度30の指示する回転速度+Nrに到達するように加速する。
【0060】
この時に目標トルク31は選択されなかったので、目標トルク31は無出力状態である。加速後運転者がアクセル検出手段1を踏み込んだまま、図7の中の(P)点に示す点で、前後進選択手段3を後進に選択切り換えた場合、電気車特有である駆動電動機8の回生制動力を利用した電気制動であるスイッチバック制動を行う走行状態となる。この時は走行状態の判定により車両状態を前進回生と判断するので、切換手段1の23と切換手段2の25は切換経路Bに切り換えられる。このことにより、駆動指令τoutは目標トルク31が選択され、駆動電動機8はトルク制御によって制御されて回生制動力を発生し、電気車の制動を行う。この時に速度偏差補償は無出力状態となる。車両が制動されると、やがて電動機8の回転速度はゼロ近傍まで達する。
【0061】
この状態になった場合には、次に、車両は後進方向に進むことになるので、図7中の(Q)点において車両状態を後進力行と判断する。この時点で切換手段1の23と切換手段2のB25は切換経路Aに切り換えられる。この動作により駆動電動機8は再び速度制御に切り替わり、今度は目標速度30が−Nr(図7の(c))に向かって駆動電動機8の回転速度が速度制御されるようになる。このような動作により力行または回生それぞれの車両状態に応じ、速度制御またはトルク制御を時々刻々と切り換えることができるので、車両の走行状態に応じ適切な駆動電動機8の制御を行うことができる特徴がある。
【0062】
図8は、本発明の電気車における速度制御時の、駆動電動機8の駆動特性を示す図である。駆動電動機8を目標速度30の指令に従って速度制御している場合には、アクセル検出手段1の踏み込み量に応じて駆動電動機8の回転速度がN1,N2からNnまで無段階に制御される。速度制御中、例えば回転速度N1で回転している場合には車両の走行抵抗や負荷が変動した場合でも駆動電動機8の最大トルクの範囲で自動的に発生トルクが変化し、駆動電動機8の回転速度はN1に維持されるように動作して、車両は一定速度で走行することが可能となる。また、車両の走行抵抗Rsは図中で示すように電動機8の回転速度に対してほぼ一定の傾斜で、比例的推移を示す特性である。
【0063】
この走行抵抗Rsは走行勾配によって変化するものであり、図8中の走行抵抗Rsは平坦路走行相当の抵抗を表した概念図である。この走行抵抗Rsの特性曲線は目標速度30の特性(図8中のN1、N2・・・Nnで示す垂直の直線特性)に対して走行抵抗曲線Rsが交差する特性であるため、走行抵抗Rsによらず目標速度30を決めて駆動電動機8を速度制御すれば、車両の走行速度は安定に一定走行で走行することができることとなる。すなわち、目標速度30がNnであった場合、走行抵抗Rsの曲線との交点は平衡点Sとなり、その時の必要駆動力が自動的に調整されて車両は速度Nnで走行できるように動作するのである。
【0064】
図9は本発明の電気車の制御におけるトルク制御時の駆動電動機8の駆動特性を示す図である。
【0065】
駆動電動機8をトルク制御した場合には、アクセル検出手段1の踏み込み量に応じて駆動電動機8の発生トルクが図中のT1、T2からTnまで無段階に変化する。このため回生制動などの、アクセル検出手段1の踏み込み量に応じて車両の制動力を変化させたい場合には、トルク制御を用いることにより制動力である駆動電動機8の発生トルクが変化するので、制動力の調節が容易となる。この場合には車両の走行抵抗Rsの特性曲線に対しトルク特性が並行に近い特性となり、アクセル検出手段1が微少開度、例えば図9中の特性Tnのような小さいトルク特性であってもトルク特性と走行抵抗Rsが平衡点Pで交差してしまい、一定速度での走行が難しくなる。このために車両をアクセル検出手段1の指示によって一定速度で走行させたい場合には図8で述べた速度制御を用いることが望ましい。
【0066】
このように駆動電動機8を速度制御またはトルク制御のいずれかの、車両状態に応じた制御を用いることによって電気車を運転者が運転しやすいように動作させることができる。
【0067】
図10は本発明の電気車の制御装置及び制御方法における目標トルク演算手段21(図2の21)の実施例を示す図である。駆動電動機回転速度11とアクセル開度27の信号をもとに、電動機回転速度11の値からブロック10aにて基本となるトルクパターンを発生する。このパターンは駆動電動機8が電動機回転速度11に対して発生可能な最大のトルクをあらかじめ設定しておいて、電動機回転速度11に応じて演算抽出するものである。決まったパターンのテーブルやマップを準備しても良いし、関数式による演算で求めても良い。
【0068】
アクセル開度27からはブロック10cにてアクセル開度27に応じたリミッタ値を計算する。トルクパターンとリミッタ値はブロック10bに伝達され、ブロック10bにてトルクパターンの値をリミッタ値でリミットする処理を行う。ブロック10cで生成するリミッタ値は、電動機回転速度11によっても補正するようにする。これは電動機の回転数によって電動機が出力できるトルクが変化するため(一般的に電動機の回転数が上昇するほど出力トルクは低下する)、ある任意の電動機回転数の時の最大のトルクが、アクセル開度100%に対応するようなリミッタ値とすることが望ましいためである。
【0069】
この処理により駆動電動機8の電動機回転速度11に応じた最大の発生可能トルクをアクセル開度27に応じたリミッタ値で制限する動作となり、アクセル開度27に応じた目標トルク31を得ることができる。その後、切換手段1の23と切換手段2の25のそれぞれの切換手段について、切換経路Bの経路を通じて駆動指令τout12が生成される。このようにして駆動電動機8の発生トルクをアクセル開度27及び電動機回転速度11に従って制御することができる。
【0070】
また、この目標トルク31の発生方法は図10で述べた方法を用いても良いし、電動機回転速度11に応じた最大トルクのパターン値をアクセル開度27の開度100%に対する比率で補償演算する方法で求めても良い。
【0071】
図11は本発明の電気車の制御における目標速度演算手段20(図2の20)の実施例を示している。目標速度演算手段20にはブロック11a、ブロック11b、ブロック11cの処理を内包しており、アクセル開度27の信号をもとにブロック11aにてアクセル開度27に応じた目標速度Nref30を演算する。この目標速度Nref30はアクセル開度27の値が100%、すなわちアクセル全開時に車両が最高速度で走行するべき値に設定することが妥当である。アクセル開度27からは同時にアクセル開度27に応じたリミッタ値も計算する。
【0072】
なお、ブロック11cで生成するリミッタ値は、電動機回転速度11によっても補正するようにする。これは電動機の回転数によって電動機が出力できるトルクが変化するため(一般的に電動機の回転数が上昇するほど出力トルクは低下する)、ある任意の電動機回転数時の最大のトルクがアクセル開度100%に対応するようなリミッタ値とすることが望ましいためである。
【0073】
目標速度Nref30は、切換手段1の23の、切換経路Aの経路を通じて速度制御演算手段24に伝達され、電動機回転速度11との偏差を元に速度偏差補償を演算しブロック11cへ伝達する。この速度制御演算はいわゆる通常の比例、積分、微分制御を組み合わせたものでも良い。ブロック11cにはリミッタ値も入力し、ブロック11cにおいて速度補償の値をリミッタ値で制限する処理を行う。制限した結果を、切換手段2の25の切換経路Bを通じて出力し、駆動指令τout12を生成する。
【0074】
このような構成にすることにより、通常の速度帰還方式によって速度制御演算を行っているときに、回生制動を行う場合には、前後進選択手段3の選択指示方向を電動機8の回転方向と逆に選択するために、目標速度31は前後進選択手段3の切換前の目標速度31に対し符号が逆となる状態となり、目標速度31と電動機回転速度11の正負の符号が逆となって速度制御演算手段の速度偏差補償の値が極大となり、アクセル開度27で制動力を調節できなくなるが、図11に示す構成でによれば電動機8の発生トルクをアクセル開度27に応じて調節することが可能となり、回生制動等の動作において速度制御を用いている場合でも、アクセル開度27に応じた制動力の調節を行うことが可能となる。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば交流電動機による駆動方式であっても従来の直流電動機駆動電気車と同じようなフィーリングで電気車を運転することができるとともに、運転者による速度制御あるいはトルク制御モードの選択制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の、基本構成を示す図である。
【図2】 図1における本発明の、指令演算手段についての詳細を示す図である。
【図3】 図2における本発明の、走行状態判別手段による制御モードの判断例を説明するための図である。
【図4】 図3の走行状態判別手段における処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図5】 図4のアンチロール処理の詳細処理を説明する為のフローチャート図である。
【図6】 本発明の電気車の、走行状態判別手段による切換手段の選択方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】 本発明の電気車の動作例を示すタイムチャートである。
【図8】 本発明の電気車における速度制御時の駆動電動機の駆動特性例を示す図である。
【図9】 本発明の電気車におけるトルク制御時の駆動電動機の駆動特性例を示す図である。
【図10】 本発明の電気車における目標トルク演算手段(図2の21)の実施例を示す図である。
【図11】 本発明の電気車における目標速度演算手段20(図2の20)の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…アクセル検出手段、2…ブレーキ検出手段、3…前後進選択手段、4…制御手段手段、5…指令演算手段、6…電動機制御手段、7…電動機回転演算手段、8…電動機、9…回転検出手段、10…電力変換器(手段)、11…電動機回転速度、12(τout)…駆動指令、17…電源、18…アクセル開度演算手段、19…ブレーキ開度演算手段、20…目標速度演算手段、21…目標トルク演算手段、22…走行状態判別手段、23…切換手段A、24…速度制御演算手段、25…切換手段B、27…アクセル開度、28…ブレーキ開度、30(Nref)…目標速度、31(τref)…目標トルク、32(mdf)…モードシグナル

Claims (11)

  1. 直流電力を交流電力に変換して電気車の駆動用交流駆動電動機に供給制御する電気車の制御方法において、前記電気車のアクセル開度とブレーキ踏み込み量と前記電気車の前後進および前記駆動用交流電動機の正逆回転、行、回生および停止の車両状態を含む前記電気車の走行状態に対応し、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされるモードであって、いずれかに選択されて定められたモード、および速度制御およびトルク制御のいずれにするかが予め定められたモードからなる複数の制御モードを予め設定し、前記電気車の走行時の走行状態を判定し、判定された走行状態に対応する制御モードを前記複数の制御モードの中から選択し、前記選択された制御モードにおける回転速度制御の速度の目標値およびトルク制御のトルクの目標値を演算し、前記選択された制御モードにおいて前記目標値のいずれか一方を選択し、前記選択された目標値に基づいて前記駆動用電動機を制御することを特徴とする電気車の制御方法。
  2. 前記請求項1記載において、前記電気車の走行状態が前後進回生制動状態にあるときは、前記駆動電動機に対し前記目標値によるトルク制御が選択されることを特徴とする電気車の制御方法。
  3. 前記請求項1の記載において、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについて速度制御が選択されることを特徴とする電気車の制御方法。
  4. 前記請求項1の記載において、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについてトルク制御が選択されることを特徴とする電気車の制御方法。
  5. 前記請求項3の記載において、前記モードにあっては、前記目標速度と前記駆動電動機の回転速度との偏差により制動力を制限制御することを特徴とする電気車の制御方法。
  6. 前記請求項4の記載において、前記モードにあっては、回転速度に基づく出力トルクパターンについてアクセル開度により演算されるトルク制限値により前記トルクを制限することを特徴とする電気車の制御方法。
  7. 直流電源と、電気車を駆動する交流駆動電動機と、前記直流電源により前記駆動電動機を駆動するための電力変換器と、前記電気車のアクセル開度検出手段と、ブレーキ検出手段、前後進選択手段と、前記駆動電動機の回転検出手段とを備えた電気車の制御装置において、アクセル開度検出信号とブレーキ検出信号と前後進選択信号および前記回転検出手段からの信号に基づいて前記駆動電動機の目標速度を演算する目標速度演算装置と、前記駆動電動機の目標トルクを演算する目標トルク演算装置と、前記電気車の複数の走行状態を判別する走行状態判別手段と、前記交流駆動電動機の正逆回転、行、回生および停止の車両状態を含む前記電気車の走行状態に対応し、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされるモードであって、いずれかに選択されて定められたモード、および速度制御およびトルク制御のいずれかにするか予め定められたモードからなる複数のモードを予め設定するモード設定手段と、前記走行状態判別手段により判別された走行状態に対応した制御モードにおいて目標速度演算装置からの目標値あるいは前記目標トルク演算装置からの目標値のいずれかを選択する選択切換手段、とを備え前記駆動電動機の制御をおこなうことを特徴とする電気車の制御装置。
  8. 前記請求項7記載において、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき、速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについてトルク制御が選択されることを特徴とする電気車の制御装置。
  9. 前記請求項7記載において、前記電気車の走行状態が前後進力行状態あるいは前後進アンチロール回生制動状態にあるとき前記速度制御およびトルク制御のいずれかが選択可能とされる前記モードについて速度制御が選択されることを特徴とする電気車の制御装置。
  10. 前記請求項9記載において、前記駆動電動機の制御として目標速度演算装置からの目標値による回転速度制御が選択されたとき、駆動電動機の速度帰還による速度制御演算手段を介して伝達される指令信号により制御をおこなう駆動電動機制御手段、を備えたことを特徴とする電気車の制御装置。
  11. 前記請求項9記載において前記選択切換手段は、目標速度演算装置からの目標値を速度制御演算手段への目標値とするかどうかの切換手段と、速度制御演算手段の出力側において前記速度制御演算手段の出力信号を電動機制御手段への指令信号とするか目標トルク演算手段の出力信号を電動機制御手段への指令信号とするかの切換選択手段、とを備えたことを特徴とする電気車の制御装置。
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