JP3754220B2 - 筒型二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車の電源や電力ロードレベリング用の電源等として用いられる二次電池に関し、特に、筒型の電池缶の内部に充放電可能な巻き取り電極体を収容してなる筒型二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の筒型二次電池として、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が注目されている。
例えば図12に示す円筒型リチウム二次電池は、筒体(11)の両開口部にそれぞれ蓋体(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)の内部に、図13に示す如き巻き取り電極体(7)を収容して構成されている。各蓋体(12)には、電極端子機構(3)が取り付けられており、巻き取り電極体(7)と各電極端子機構(3)が複数本の集電タブ(8)により互いに接続されて、巻き取り電極体(7)が発生する電力を一対の電極端子機構(3)(3)から外部に取り出すことが可能となっている。又、各蓋体(12)には圧力逃がし弁(13)が取り付けられている。
【0003】
巻き取り電極体(7)は、図14に示す如く、リチウム複合酸化物を含む正極(71)と炭素材料を含む負極(74)との間に、非水電解液が含浸されたセパレータ(73)を介在させて、これらを渦巻状に巻回して構成されている。
巻き取り電極体(7)の正極(71)及び負極(74)からは夫々複数本の集電タブ(8)が引き出され、図13の如く、極性が同じ複数本の集電タブ(8)の先端部(81)が共通の電極端子機構(3)に接続されている。尚、図13においては、便宜上、一部の集電タブの先端部が電極端子機構(3)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブについては、電極端子機構(3)に接続された先端部分の図示を省略している。
【0004】
電極端子機構(3)は、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたねじ部材(31)を具え、該ねじ部材(31)の基端部にはフランジ部(32)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には絶縁パッキン(33)が装着され、蓋体(12)とねじ部材(31)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。ねじ部材(31)には、筒体(11)の外側からワッシャ(35)が嵌められると共に、ナット(36)が螺合している。このナット(36)を締め付けて、ねじ部材(31)のフランジ部(32)とワッシャ(35)によって絶縁パッキン(33)を挟圧することにより、シール性を高めている。
前記複数本の集電タブ(8)の先端部(81)は、ねじ部材(31)のフランジ部(32)に、スポット溶接或いは超音波溶接によって固定されている(特開平6-267528号参照)。
【0005】
ところで、図14に示す巻き取り電極体(7)においては、正極(71)及び負極(74)の夫々に、電極材料(活物質)の塗布されていない非塗工部(72)(75)が形成され、該非塗工部(72)(75)に複数本の集電タブ(8)の基端部がレーザ溶接や超音波溶接等によって固定されているが、電池の高出力密度化を図るために、図15に示す如き巻き取り電極体(9)を具えた円筒型二次電池が提案されている(特開平9-92335号)。
該巻き取り電極体(9)においては、正極(91)及び負極(94)のそれぞれに、電極材料の塗布されていない非塗工部(92)(95)を形成すると共に、該非塗工部(92)(95)を複数本の短冊状リード(80)に成形して、該短冊状リード(80)を前記電極端子機構(3)に連結する。
【0006】
又、正極集電体及び負極集電体をそれぞれセパレータから突出させて、延長部を形成し、この延長部にリード線を接続して、該リード線を介して電力を取り出す構造(特開平8-115744号)などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示す如く集電タブ(8)の先端部を電極端子機構(3)に溶接固定する構造(特開平6-267528号)では、電池が大型化した場合、これに伴って集電タブ(8)の本数が増加するので、電極端子機構(3)への溶接固定が困難となり、溶接部における内部抵抗の増大やばらつきの原因となる。
又、図15に示す如く正極(91)及び負極(94)の非塗工部(92)(95)に形成した短冊状リード(80)を電極端子機構(3)に溶接固定する構造(特開平9-92335号)においても、電池が大型化した場合に同様の問題を生じる。
更に又、正極集電体及び負極集電体の延長部にリード線を接続した構造(特開平8-115744号)においては、正極集電体及び負極集電体の延長部によって、巻き取り電極への電極液の侵入経路が塞がれるため、電極に電解液を均一に浸透させることが出来ない問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、内部抵抗が小さくてバラツキが少なく、然も、巻き取り電極体への電解液の侵入に支障を来たすことのない筒型二次電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る筒型二次電池においては、巻き取り電極体(2)を構成する正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも一方の電極から伸びる複数本の集電タブの先端部には、これら先端部を互いに連結する導電性連結帯(62)が接続され、該連結帯(62)は、渦巻き状に巻き取られて巻き取り連結体(61)を構成しており、該巻き取り連結体(61)と電極端子機構(4)とが互いに電気的に接続されている。
【0010】
上記本発明の筒型二次電池においては、複数本の集電タブの先端部が互いに間隔をおいて連結帯(62)に連結されているので、電池が大型化して集電タブの本数が増えたとしても、互いに重なることはなく、例えば該連結を抵抗溶接によって行なう場合、展開された状態の連結帯(62)に対して集電タブの先端部を個別に溶接することが出来る。従って、溶接作業は容易であり、溶接部の抵抗は小さく且つ安定したものとなる。又、巻き取り連結体(61)を電極端子機構(4)に電気的に接続する構造としても、例えば抵抗溶接を採用することが出来、これによって、溶接部の抵抗は小さく且つ安定したものとなる。
更に、電池缶(1)内において、複数本の集電タブは互いに離間しており、その間を通過して、巻き取り電極体(2)へ電解液が侵入することが可能である。
【0011】
具体的構成においては、正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも何れか一方の電極には、その巻軸方向の端縁に沿って、電極活物質の塗布されていない帯状の非塗工部(26)が形成され、該非塗工部(26)に、複数本の集電タブが互いに間隔をおいて連結されている。
これによって、複数本の集電タブによる集電性能が向上する。
【0012】
他の具体的構成においては、正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも何れか一方の電極には、その巻き取り方向に互いに間隔をおいて、電極活物質の塗布されていない非塗工部(56)が繰り返し形成され、各非塗工部(56)にそれぞれ集電タブが連結されている。
これによって、複数本の集電タブによる集電性能が向上すると共に、各集電タブと電極の非塗工部(56)の間の電気抵抗が低減して、電池の内部抵抗が小さくなる。
【0013】
尚、連結帯(62)の厚さは、電極を構成している集電体の厚さよりも大きく形成することが好ましい。これによって、隙間のない巻き取り連結体(61)が形成される。
又、電解液中で安定且つ低抵抗な材料として、正極タブにはアルミニウム、負極タブには銅若しくはニッケルを用いることが好ましい。
【0014】
更に具体的構成において、電池缶(1)の外側に露出する電極端子機構(4)の先端部には、外部回路と接続されるべき端子片(100)が接合されて、該端子片(100)は、熱によって溶融若しくは軟化する材料によって固定されると共に、電極端子機構(4)から離脱する方向へ一定の力で牽引されている。
【0015】
上記具体的構成によれば、巻き取り電極体(2)の温度(電池内部温度)が一定値を越えて上昇した場合、巻き取り電極体(2)の熱が、電極端子機構(4)を経て、端子片(100)を固定している材料に伝わり、該材料を溶融若しくは軟化させる。又、電池缶(1)の外側の温度(環境温度)が上昇した場合にも、周囲の熱が端子片(100)を固定している材料に伝わって、該材料を溶融若しくは軟化させる。このとき、端子片(100)は電極端子機構(4)から離脱する方向に牽引されているので、前記材料による固定が外れて、電極端子機構(4)から離脱することになる。
この結果、電極端子機構(4)と外部回路との電気的接続が切り離されて、電池の高温での充放電が阻止され、電池寿命の低下が防止される。
【0016】
尚、端子片(100)を電極端子機構(4)の先端部に固定する材料としては、80℃以上、200℃以下の温度範囲で軟化若しくは溶融するものが好ましい。
80℃以上とするのは、通常の使用状況で電池温度が70℃程度まで上昇することがあるためであり、200℃以下とするのは、200℃を超える温度では、樹脂製構成部材溶融の問題が発生するためである。
【0017】
この様な材料としては、高分子材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト等を採用することが出来る
又、端子片(100)に牽引力を作用させる手段としては、コイルバネやゴムを用いることが出来る。
【0018】
【発明の効果】
本発明に係る筒型二次電池においては、内部抵抗が小さく且つ安定しており、然も、巻き取り電極体への電解液の侵入に支障を来たすことない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を円筒型リチウム二次電池に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係る円筒型二次電池は、図1に示す如く、筒体(11)の各開口部に蓋体(12)を溶接固定してなるアルミニウム製の電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(2)を収容しており、各蓋体(12)には、電極端子機構(4)が取り付けられている。又、蓋体(12)には圧力逃がし弁(13)が取り付けられている。
【0020】
電極端子機構(4)は、蓋体(12)を貫通して取り付けられたねじ部材(41)を具え、該ねじ部材(41)の基端部にはフランジ部(32)が形成され、該フランジ部(32)には、丸軸状のボス部(43)が下向きに突設されている。
蓋体(12)の貫通孔には、第1絶縁パッキン(45)及び第2絶縁パッキン(46)からなる絶縁シール装置(44)が装着され、蓋体(12)とねじ部材(41)の間の電気的絶縁性とシール性を保っている。
蓋体(12)から突出するねじ部材(41)には、ワッシャ(47)が嵌められると共に、ナット(48)(49)が螺合しており、下側のナット(47)を締め付けて、ねじ部材(41)のフランジ部(42)とワッシャ(47)によって絶縁シール装置(44)を挟圧して、シール性を高めている。
【0021】
巻き取り電極体(2)は、図2に示す如く、セパレータ(23)、負極(22)、セパレータ(23)、及び正極(21)を重ね合わせて、これらを渦巻状に巻回したものである。正極(21)には、複数本の集電タブ(83)の基端部が抵抗溶接されている。又、これらの集電タブ(83)の先端部には、これら先端部を互いに連結する導電性連結帯(62)が抵抗溶接され、該連結帯(62)は、渦巻き状に巻き取られて巻き取り連結体(6)を構成している。又、負極(22)には、複数本の集電タブ(84)が連結され、これらの集電タブ(84)の先端部には、これら先端部を互いに連結する導電性連結帯(62)が接続され、該連結帯(62)は、渦巻き状に巻き取られて巻き取り連結体(61)を構成している。
各巻き取り連結体(6)(61)は中央孔(63)を有して、該中央孔(63)に対して、前記電極端子機構(4)を構成するねじ部材(41)のボス部(43)が嵌入し、各巻き取り連結体(6)(61)とボス部(43)とが互いに抵抗溶接されている。
【0022】
正極(21)は、図3に示す如く、アルミニウム箔からなる帯状の集電体(24)の表面に正極活物質(25)を塗布して形成され、集電体(24)の巻軸方向の一方の端部には、正極活物質(25)の塗布されていない非塗工部(26)が形成されている。
巻き取り電極体(2)の製造工程においては、図4に示す如く、正極(21)の非塗工部(26)に複数本の集電タブ(83)の基端部を抵抗溶接した後、これらの集電タブ(83)の先端部に連結帯(62)を抵抗溶接する。
【0023】
一方、負極(22)は、銅箔からなる帯状の集電体の表面に負極活物質を塗布して形成され、正極と同様に、集電体には非塗工部が形成されて、該非塗工部に、複数本の集電タブを介して、連結帯が抵抗溶接される。
【0024】
そして、上述の如く、正極(21)と負極(22)の間にセパレータ(23)を挟み、これらを渦巻き状に巻き取って、巻き取り電極体(2)を形成すると同時に、正極(21)及び負極(22)に連結された連結帯(62)(62)をそれぞれ渦巻き状に巻き取って、巻き取り連結体(6)(61)を形成するのである。
その後、各巻き取り連結体(6)(61)の中央孔(63)に、ねじ部材(41)のボス部(43)を嵌入せしめ、各巻き取り連結体(6)(61)をボス部(43)に抵抗溶接する。この際、各巻き取り連結体(6)(61)は円筒体であるので、円周線に沿って溶接を行なうことが出来、溶接作業の自動化が可能である。
最後に、巻き取り電極体(2)を筒体(11)内に収容すると共に、蓋体(12)に電極端子機構(4)を取り付けた後、該蓋体(12)を筒体(11)に溶接固定する。
この結果、図1及び図2に示す円筒型二次電池が完成する。
【0025】
図5は、他の構成を具えた巻き取り電極体(5)を表わしている。
該巻き取り電極体(5)は、上記構成と同様に、セパレータ(53)、負極(52)、セパレータ(53)、及び正極(51)を重ね合わせて、これらを渦巻状に巻回したものであって、正極(51)及び負極(52)にはそれぞれ、複数本の集電タブ(85)(84)を介して、導電性連結帯(62)が抵抗溶接され、該連結帯(62)は、渦巻き状に巻き取られて巻き取り連結体(6)(61)を構成している。
【0026】
該巻き取り電極体(5)において、正極(51)は、図6に示す如く、アルミニウム箔からなる帯状の集電体(54)の表面に、その巻き取り方向に間隔をおいて正極活物質(55)が繰り返し塗布されており、正極活物質(55)の塗工部の間に、正極活物質(55)の塗布されていない非塗工部(56)が形成されている。
巻き取り電極体(5)の製造工程においては、図7に示す如く、正極(51)の各非塗工部(56)に集電タブ(85)の基端部を抵抗溶接した後、これらの集電タブ(85)の先端部に連結帯(62)を抵抗溶接する。
一方、負極(52)は、図2に示す負極(22)と同一構成であって、集電体の非塗工部に、複数本の集電タブを介して、連結帯が抵抗溶接される。
【0027】
そして、図5に示す如く、正極(51)と負極(52)の間にセパレータ(53)を挟み、これらを渦巻き状に巻き取って、巻き取り電極体(5)を形成すると同時に、正極(51)及び負極(52)に連結された連結帯(62)(62)をそれぞれ渦巻き状に巻き取って、巻き取り連結体(6)(61)を形成するのである。
その後、各巻き取り連結体(6)(61)の中央孔(63)に、ねじ部材(41)のボス部(43)を嵌入せしめ、各巻き取り連結体(6)(61)をボス部(43)に抵抗溶接する。
最後に、巻き取り電極体(5)を筒体(11)内に収容すると共に、蓋体(12)に電極端子機構(4)を取り付けた後、該蓋体(12)を筒体(11)に溶接固定する。
この結果、図1及び図5に示す円筒型二次電池が完成する。
【0028】
図2の巻き取り電極体(2)若しくは図5に示す巻き取り電極体(5)を具えた円筒型二次電池においては、複数本の集電タブ(83)(84)(85)の先端部が互いに間隔をおいて連結帯(62)に連結されているので、電池が大型化して集電タブの本数が増えたとしても、互いに重なることはなく、図4及び図7に示す様に、展開された状態の連結帯(62)に対して集電タブの先端部を個別に溶接することが出来る。従って、溶接作業は容易であり、溶接部の抵抗は小さく且つ安定したものとなる。又、巻き取り連結体(6)(61)を電極端子機構(4)のボス部(43)に溶接する際も、溶接作業は容易であり、溶接部の抵抗は小さく且つ安定したものとなる。更に、電池缶(1)内において、複数本の集電タブは互いに離間しており、その間を通過して、巻き取り電極体(2)へ電解液が侵入することが可能である。
【0029】
本発明に係る円筒型二次電池の性能を確認するべく、図1及び図2に示す本発明電池A〜Eと、図1及び図5に示す本発明電池F〜Jと、図15に示す比較例電池K〜O(特開平9-92335号)と、図13に示す比較例電池P〜T(特開平6-267528号)と、正極集電体及び負極集電体の延長部にリード線を接続した比較例電池U〜Y(特開平8-115744号)とを試作した。
【0030】
尚、本発明電池A〜Jにおいて、正極には、アルミニウムからなる厚さ0.02mmの集電体を用い、負極には、銅からなる厚さ0.02mmの集電体を用いた。セパレータとしては、多孔性のポリエチレンシートを用いた。正極タブは、幅10mm、厚さ0.1mmのアルミニウム箔から形成し、負極タブは、幅10mm、厚さ0.1mmの銅箔から形成した。正極側の連結帯は、幅8mm、厚さ0.3mmのアルミニウム箔から形成し、負極側の連結帯は、幅8mm、厚さ0.3mmの銅箔から形成した。
又、比較例電池K〜O(比較例1)、P〜T(比較例2)、及びU〜Y(比較例3)はそれぞれ、上述した構造の違いを有すること以外は本発明電池と同様に作製した。
【0031】
この結果、比較例電池U〜Y(比較例3)においては、電極に電解液が均一に浸透したものは得られなかった。
又、各電池A〜Tの周波数1kHzでのインピーダンスを測定したところ、表1の結果が得られた。この表から明らかな様に、比較例電池K〜T(比較例1)及びU〜T(比較例2)においては、内部抵抗のバラツキがそれぞれ0.6mΩ及び0.9mΩと大きくなっているのに対して、本発明電池A〜E(実施例1)及びF〜J(実施例2)においては、内部抵抗のバラツキが何れも0.1mΩと小さく、比較例電池よりも大幅に減少している。
【0032】
【表1】
【0033】
これは、本発明電池においては、集電タブと連結帯の間の溶接が均一に行なわれて、両者間に良好な電気的結合が形成されているためである。又、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が内部抵抗が小さくなっている。この結果から、図7に示す如く正極(51)に一定ピッチで形成された非塗工部(56)に集電タブ(85)を連結する構造が優れていることがわかる。
【0034】
ところで、二次電池は、環境温度や内部温度が高い状態で長時間使用すると、電池の性能劣化を招き、電池寿命が低下するため、従来、種々の対策が講じられている。例えば、二次電池が接続されるべき外部回路中に温度ヒューズとしての半田を介在させるもの(特開平9-22644号)、電池の巻芯内部に温度ヒューズを配置するもの(特開平6-203827号)などが知られている。
【0035】
しかしながら、電池が大型化した場合、電池自体の発熱に起因する電池内部温度と、電流ケーブルの発熱等に起因する環境温度との間に、大きな温度差が生ずる可能性がある。この様な場合、従来の外部回路中に半田を介在させる方法では、環境温度の上昇又は半田自体の発熱によって通電は遮断されるが、電池内部の温度のみが上昇したとき、電流を遮断することが出来なかった。又、半田などの電導性の合金は融点が高いため、低温での電流遮断が困難であった。一方、電池内部に温度ヒューズを配置する方法では、環境温度のみが上昇したときに電流を遮断することが出来なかった。
【0036】
そこで、図8に示す円筒型二次電池においては、上述の本発明に係る円筒型二次電池に対して、電池の内部温度及び環境温度の両方に感応する電流遮断機構を組み込んでいる。
即ち、図8に示す如く、電池缶(1)の外側に露出する電極端子機構(4)のナット(48)の上面に、L字状の端子片(100)が設置されて、該端子片(100)は、ポリエチレンからなる固定剤(101)によって、ナット(48)上に固定されている。尚、固定剤(101)としては、ポリエチレンに限らず、80℃〜200℃の温度範囲で軟化若しくは溶融する他の材料、例えば、ポリプロピレンやポリカーボネイト等の高分子材料を用いることが出来る。
【0037】
端子片(100)は、引張りバネ(102)を介して、電池缶(1)を収容する電池ケース(104)に連結されており、端子片(100)には、引張りバネ(102)の張力によって、ナット(48)から離脱する方向の牽引力F(例えば50g程度)が常時作用している。
又、端子片(100)には、電池の発生電力を供給すべき外部回路(図示省略)と接続するためのリード線(103)が連結されている。
【0038】
端子片(100)は、例えば図9に示す如くU字状の水平板部(106)と帯板状の垂直板部(107)とから構成され、水平板部(106)には図示の如くねじ部材(41)の先端部が係合する。又、垂直板部(107)の上端部に、引張りバネ(102)の下端部が連結される。
【0039】
図8に示す円筒型二次電池においては、電池の内部温度が一定値を越えて上昇した場合、電池内部の熱が、電極端子機構(4)を経て固定剤(101)に伝わり、該固定剤(101)を溶融若しくは軟化させる。又、電池の環境温度が上昇した場合にも、周囲の熱が、固定剤(101)に直接に伝わって、該固定剤(101)を溶融若しくは軟化させる。このとき、端子片(100)は引張りバネ(102)によってナット(48)からから離脱する方向に牽引されているので、固定剤(101)よる固定が開放されて、ナット(48)から離脱することになる。
この結果、電極端子機構(4)と外部回路の間の電気的接続が切り離されて、電池の高温での充放電が阻止され、電池寿命の低下が防止されるのである。
【0040】
上記円筒型二次電池の性能を確認するべく、図8に示す本発明電池1と、電池内部に温度ヒューズを配置した比較例電池4(特開平6−203827)を作製した。尚、これらの電池は何れも内部抵抗が5.5mΩとなる様に集電タブと電極の間の接合面積を調整した。
そして、本発明電池1及び比較例電池4を用いて、0.2C(2A)にて電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行なった後、2C(20A)での定電流放電における電流値を測定したところ、図10に示す結果が得られた。尚、環境温度は、充電の期間は25℃、放電の期間は120℃とした。
【0041】
図10から明らかな様に、比較例電池4では、通電開始から10分が経過しても、通電が継続されているのに対し、本発明電池1では、通電開始から約30秒後に、通電が完全に遮断された。
これは、比較例電池4では、環境温度の上昇にも拘わらず、電池内部の温度ヒューズが機能しなかったのに対し、本発明電池1では、環境温度の上昇に伴って、固定剤が溶融若しくは軟化して、端子片(100)が電極端子機構(4)から離脱したためである。
【0042】
又、上記本発明電池1(内部抵抗5.5mΩ)に対し、集電タブと電極との接合面積を調整して、内部抵抗を50mΩに設定した本発明電池2を作製すると共に、外部回路中に半田を温度ヒューズとして介在させると共に内部抵抗を50mΩに設定した比較例電池5(特開平9−22644号)を作製した。
そして、本発明電池2及び比較例電池5を用いて、環境温度25℃中、0.2C(2A)にて電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行なった後、10C(100A)での定電流放電における電流値を測定したところ、図11に示す結果が得られた。
【0043】
図11から明らかな様に、比較例電池5では、通電開始から10分が経過しても通電が継続されているに対して、本発明電池2では、約60秒後に通電が完全に遮断された。
これは、比較例電池5では、電池内部温度の上昇にも拘わらず、外部回路の温度ヒューズが機能しなかったのに対し、本発明電池2では、電池内部温度の上昇に伴って、固定剤が溶融若しくは軟化して、端子片(100)が電極端子機構(4)から離脱したためである。
【0044】
図8に示す本発明の円筒型二次電池によれば、電池内部温度、環境温度のいずれの上昇に対しても、通電が遮断されて、更なる温度上昇を阻止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒型二次電池の要部を表わす断面図である。
【図2】本発明の巻き取り電極体を一部展開して表わす斜視図である。
【図3】該巻き取り電極体に用いる正極の展開図である。
【図4】該巻き取り電極体に用いる集電タブ及び連結帯の接合工程を説明する図である。
【図5】本発明の他の巻き取り電極体を一部展開して表わす斜視図である。
【図6】該巻き取り電極体に用いる正極の展開図である。
【図7】該巻き取り電極体に用いる集電タブ及び連結帯の接合工程を説明する図である。
【図8】本発明に係る円筒型二次電池の他の構成を表わす断面図である。
【図9】該二次電池に用いる端子片の斜視図である。
【図10】電流遮断特性を表わすグラフである。
【図11】電流遮断特性を表わす他のグラフである。
【図12】円筒型二次電池の外観を表わす斜視図である。
【図13】従来の円筒型二次電池の要部を表わす断面図である。
【図14】従来の巻き取り電極体の一部展開斜視図である。
【図15】従来の他の巻き取り電極体の一部展開斜視図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(2) 巻き取り電極体
(21) 正極
(22) 負極
(23) セパレータ
(83) 集電タブ
(84) 集電タブ
(62) 連結帯
(6) 巻き取り連結体
(61) 巻き取り連結体
(4) 電極端子機構
(43) ボス部
Claims (8)
- 電池缶(1)の内部に充放電が可能な巻き取り電極体(2)が収容され、巻き取り電極体(2)は、それぞれ帯状の正極と負極を両極間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回して構成され、巻き取り電極体(2)の正極及び負極から伸びる複数本の集電タブが、電池缶(1)の両端部に取り付けた正負一対の電極端子機構(4)(4)に対して電気的に接続されて、巻き取り電極体(2)が発生する電力を一対の電極端子機構(4)(4)から外部に取り出すことが可能な筒型二次電池において、正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも一方の電極から伸びる複数本の集電タブの先端部には、これら先端部を互いに連結する導電性連結帯(62)が接続され、該連結帯(62)は、渦巻き状に巻き取られて巻き取り連結体(61)を構成しており、該巻き取り連結体(61)と電極端子機構(4)とが互いに電気的に接続されていることを特徴とする筒型二次電池。
- 正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも何れか一方の電極には、その巻軸方向の端縁に沿って、電極活物質の塗布されていない帯状の非塗工部(26)が形成され、該非塗工部(26)に、複数本の集電タブが互いに間隔をおいて連結されている請求項1に記載の筒型二次電池。
- 正極(21)及び負極(22)の内、少なくとも何れか一方の電極には、その巻き取り方向に互いに間隔をおいて、電極活物質の塗布されていない非塗工部(56)が繰り返し形成され、各非塗工部(56)にそれぞれ集電タブが連結されている請求項1に記載の筒型二次電池。
- 前記複数本の集電タブの先端部はそれぞれ、抵抗溶接によって、連結帯(62)に連結されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の筒型二次電池。
- 連結帯(62)の厚さは、電極を構成している集電体の厚さよりも大きい請求項1乃至請求項4の何れかに記載の二次電池。
- 電池缶(1)の外側に露出する電極端子機構(4)の先端部には、外部回路と接続されるべき端子片(100)が接合されて、該端子片(100)は、熱によって溶融若しくは軟化する材料によって固定されると共に、電極端子機構(4)から離脱する方向へ一定の力で牽引されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の筒型二次電池。
- 端子片(100)を電極端子機構(4)の先端部に固定している材料は、80℃以上、200℃以下の温度範囲で軟化若しくは溶融する請求項6に記載の筒型二次電池。
- 端子片(100)を電極端子機構(4)の先端部に固定している材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネイトから選ばれる一種の高分子材料である請求項6又は請求項7に記載の筒型二次電池。
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