JP3754204B2 - 空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法、及び空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法、及びその実施に使用される空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置は、室外熱交換器及び容量制御可能な圧縮機を備えた室外機と、室内熱交換器を備えた室内機とを有し、圧縮機の運転能力を制御する制御装置と、を有して構成される。
【0003】
上記制御装置は、図6(A)に示すように、冷房運転時には、室内熱交換器を流れる冷媒温度(蒸発温度)が、下温度設定値(2℃)以下となったときに圧縮機の運転能力を下降させて、室内熱交換器の凍結を防止させ、上温度設定値(6℃)以上となったときに圧縮機の運転能力を上昇させるように制御している。
【0004】
また、制御装置は、図6(B)に示すように、暖房運転時には、室内熱交換器を流れる冷媒温度(凝縮温度)が、上温度設定値(56℃)以上となったときに圧縮機の運転能力を下降させて、高圧カットの発生により圧縮機へ高負荷が作用することを防止し、下温度設定値(52℃)以下となったときに圧縮機の運転能力を上昇させるよう制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のような圧縮機の運転能力制御方法では、冷房運転時の上、下温度設定値(6℃、2℃)と、暖房運転時の上、下温度設定値(56℃、52℃)とは、制御の簡略化が優先されることから、圧縮機の運転能力の高低に拘わらず、一定の値に設定されている。従って、冷房運転時においては下温度設定値(2℃)が低すぎて、また、暖房運転時においては上温度設定値(56℃)が高すぎて、圧縮機が能力を過大にだしてしまう場合がある。この結果、冷房運転時には、冷風不快感や室内熱交換器での結露が発生したり、暖房運転時には、吹出温度の上昇によって室内の上部空間が過剰に暖房されるなどの不都合が発生してしまう。
【0006】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、吹出空気温度を適切にすることができると共に、圧縮機の過大な能力運転を抑制して省エネルギーを実現できる空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法及び空気調和装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、室外熱交換器及び容量制御可能な圧縮機を備えた室外機と、室内熱交換器を備えた室内機とを有し、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御する空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法において、上記圧縮機を所定能力以上で運転している場合に、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には、上記下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、上記上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御するものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記圧縮機を所定能力以下で運転している場合、冷房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる上パラメータ設定値が変更下パラメータ設定値よりも高く設定され、暖房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる下パラメータ設定値が、変更上パラメータ設定値よりも低く設定されたものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、室外熱交換器及び容量制御可能な圧縮機を備えた室外機と、室内熱交換器を備えた室内機とを有し、上記圧縮機の運転能力を制御する制御装置は、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御する空気調和装置において、上記制御装置は、上記圧縮機を所定能力以上で運転している場合に、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には、上記下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、上記上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御するものである。
【0010】
請求項1又は請求項3に記載の発明には、次の作用がある。
【0011】
圧縮機の運転能力を低下させることに余裕のある所定能力以上で、圧縮機を運転している時に、室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータ(温度、圧力)が、冷房運転時には、下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、それぞれ圧縮機の運転能力を低下させることから、圧縮機の過大な能力運転の結果生じる冷風不快感や室内熱交換器での結露(冷房運転時)、又は吹出空気温度の上昇による室内上部空間の過剰暖房(暖房運転時)等の吹出空気温度の不適切さ等を防止できると共に、圧縮機の運転能力を抑制させることにより省エネルギーを実現できる。
【0012】
請求項2に記載の発明には、次の作用がある。
【0013】
圧縮機を所定能力以下で運転している場合、冷房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる上パラメータ設定値が変更下パラメータ設定値よりも高く設定され、暖房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる下パラメータ設定値が、変更上パラメータ設定値よりも低く設定されたことから、冷房運転と暖房運転とのそれぞれの場合に、圧縮機を所定能力以上で運転させる場合の制御と、所定能力以下で運転させる場合の制御とにおいて、圧縮機の運転能力の制御にハンチングの発生を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法の一実施の形態が実施される空気調和装置の冷媒回路を示す回路図である。
【0016】
図1に示すように、空気調和装置10は、室外機11、室内機12及び制御装置13を有してなり、室外機11の室外冷媒配管14と室内機12の室内冷媒配管15とが、連結配管24、25を介して連結されている。
【0017】
室外機11は室外に設置され、室外冷媒配管14に容量可変型の圧縮機16が配設され、この圧縮機16の吸込側にアキュムレータ17が、吐出側に四方弁18が室外冷媒配管14を介してそれぞれ接続され、この四方弁18に室外熱交換器19が室外冷媒配管14を介して接続されて構成される。室外熱交換器19には、この室外熱交換器19へ向かって送風する室外ファン20が隣接して配置されている。
【0018】
一方、室内機12は室内に設置され、室内冷媒配管15に室内熱交換器21が配設されると共に、室内冷媒配管15において室内熱交換器21近傍に電動膨張弁22が配設されて構成される。上記室内熱交換器21には、この室内熱交換器21へ送風する室内ファン23が隣接して配置されている。
【0019】
また、上記制御装置13は、室外機11及び室内機12の運転を制御し、具体的には、室外機11における圧縮機16、四方弁18及び室外ファン20、並びに室内機12における電動膨張弁22、及び室内ファン23をそれぞれ制御する。
【0020】
制御装置13により四方弁18が切り換えられることにより、空気調和装置10が冷房運転又は暖房運転に設定される。つまり、制御装置13が四方弁18を冷房側に切り換えたときには、冷媒が実線矢印の如く流れ、室外熱交換器19が凝縮器に、室内熱交換器21が蒸発器になって冷房運転状態となり、室内機12の室内熱交換器21が室内を冷房する。また、制御装置13が四方弁18を暖房側に切り換えたときには、冷媒が破線矢印の如く流れ、室内熱交換器21が凝縮器に、室外熱交換器19が蒸発器になって暖房運転状態となり、室内機12の室内熱交換器21が室内を暖房する。
【0021】
また、制御装置13は、室内機12の空調負荷に応じて、室内機12における電動膨張弁22の開度を制御し、室内機12における室内ファン23のファン駆動系を制御する。
【0022】
前記圧縮機16は、容量(能力)可変型であり、本実施の形態では、圧縮機16の電動モータへ供給される電流の周波数をインバータにより調整することによって、運転能力が変更されるものである。制御装置13は、インバータを制御して、圧縮機16へ供給される電流の周波数を増大させることにより、圧縮機16の運転能力を上昇させ、また、上記電流の周波数を減少させることにより、圧縮機16の運転能力を下降させる。
【0023】
制御装置13は、圧縮機16の運転能力を、冷房運転時と暖房運転時とにおいて、圧縮機16の現時点での運転能力に応じてそれぞれ図2、図3の如く制御する。このとき、室内熱交換器21には、図1に示すように、この室内熱交換器21内を流れる冷媒のパラメータとしての温度を検出する温度センサ26が設置されている。この温度センサ26は、空気調和装置10の冷房運転時には冷媒の蒸発温度を検出し、暖房運転時には冷媒の凝縮温度を検出する。この温度センサ26にて検出された冷媒温度は、制御装置13へ送信される。
【0024】
制御装置13は、冷房運転時において、図2に示すように、現時点で圧縮機16へ供給される電流の周波数が25Hz以上30Hz未満(圧縮機16の所定能力以下での能力運転)の場合に、温度センサ26にて検出された冷媒の蒸発温度が、下パラメータ設定値としての第一下温度設定値(2℃)以下となったときに圧縮機16の運転能力を下降させて、室内熱交換器21の凍結を防止させ、また、上パラメータ設定値としての第一上温度設定値(9℃)以上となったときに、圧縮機16の運転能力を上昇させ、さらに、上記第一下温度設定値と上記第一上温度設定値との間にあるときに圧縮機16の運転能力の上昇を禁止させる。
【0025】
制御装置13は、同じく冷房運転時において、現時点で圧縮機16へ供給される電流の周波数が30Hz以上(圧縮機16の所定能力以上での能力運転)の場合に、温度センサ26にて検出された冷媒の蒸発温度が、変更下パラメータ設定値としての第二下温度設定値(6℃)以下となったときに、圧縮機16の運転能力を下降させ、また、第二上温度設定値(8℃)以上となったときに、圧縮機16の運転能力を上昇させ、さらに、上記第二下温度設定値と上記第二上温度設定値との間にあるときに、圧縮機16の運転能力の上昇を禁止させる。
【0026】
上記第二下温度設定値(6℃)は、上記第一下温度設定値(2℃)よりも温度差T1だけ高く設定されて、室内熱交換器21の凍結防止はもとより、室内機12からの吹出空気温度が低すぎることによる冷風不快感や、室内熱交換器21での結露の発生を防止し、併せて、圧縮機16の運転能力を抑制させて省エネルギーの実現を図る。
【0027】
圧縮機16の運転能力が所定能力以下である場合に、温度センサ26にて検出された冷媒温度(蒸発温度)が第一下温度設定値(2℃)以下となったときに、圧縮機16の運転能力を低下させるのは、上記冷風不快感や室内熱交換器21での結露の発生の防止よりも、圧縮機16を連続運転させることを優先させ、さらに、サーモサイクルによる湿気戻りによって生ずる不快感の防止を優先させたものである。
【0028】
また、第一上温度設定値(9℃)は、第二下温度設定値(6℃)よりも温度差T2だけ高く設定されて、圧縮機16の所定能力以下の運転能力の制御と、所定能力以上の運転能力の制御とにおいて、圧縮機16の運転能力の制御にハンチングがおきないよう考慮されている。
【0029】
つまり、例えば第一上温度設定値(9℃)が第二下温度設定値(6℃)以下の例えば5℃に設定されたとすると、温度センサ26にて検出された冷媒温度がこの5℃よりも低くて、圧縮機16の所定能力以下での運転(圧縮機16への供給電流の周波数が25Hz以上30Hz)において、圧縮機16の能力を上昇させる制御としたにも拘わらず、その結果、圧縮機16の能力が所定能力以上(圧縮機16への供給電流の周波数が30Hz以上)に高まったときには、この所定能力以上での圧縮機16の運転において、温度センサ26にて検出された冷媒温度が第二下温度設定値(6℃)以下であるとして圧縮機16の能力を下降させる制御となり、制御にハンチングが発生する。このハンチングを防止するために、第一上温度設定値(9℃)は、第二下温度設定値(6℃)よりも高く設定されるのである。
【0030】
一方、制御装置13は、暖房運転時において、図3に示すように、現時点で圧縮機16へ供給される電流の周波数が25Hz以上30Hz未満(圧縮機16の所定能力以下での能力運転)の場合に、温度センサ26にて検出された冷媒の凝縮温度が、上パラメータ設定値としての第一上温度設定値(56℃)以上となったときに、圧縮機16の運転能力を下降させて、高圧カットの発生により圧縮機16へ高負荷が作用することを防止し、また、下パラメータ設定値としての第一下温度設定値(48℃)以下となったときに、圧縮機16の運転能力を上昇させ、さらに、上記第一上温度設定値と上記第一下温度設定値との間にあるときに圧縮機16の運転能力の上昇を禁止させる。
【0031】
制御装置13は、同じく暖房運転時において、現時点で圧縮機16へ供給される電流の周波数が30Hz以上(圧縮機16の所定能力以上での能力運転)の場合に、温度センサ26にて検出された冷媒の凝縮温度が変更上パラメータ設定値としての第二上温度設定値(52℃)以上となったときに、圧縮機16の運転能力を下降させ、また、第二下温度設定値(50℃)以下となったときに、圧縮機16の運転能力を上昇させ、さらに、上記第二上温度設定値と上記第二下温度設定値との間にあるときに圧縮機16の運転能力の上昇を禁止させる。
【0032】
上記第二上温度設定値(52℃)は、上記第一上温度設定値(56℃)よりも温度差T3だけ低く設定されて、高圧カットによる圧縮機16への高負荷作用の防止はもとより、室内機12からの吹出空気温度の上昇による室内上部空間の過剰暖房を防止し、併せて、圧縮機16の運転能力を抑制させて省エネルギーの実現を図る。
【0033】
圧縮機16の運転能力が所定能力以下である場合に、温度センサ26にて検出された冷媒温度(凝縮温度)が第一上温度設定値(56℃)以上となったときに、圧縮機16の運転能力を低下させるのは、上記吹出温度の上昇による室内上部空間の過剰暖房の防止よりも、圧縮機16を連続運転させることを優先させたものである。
【0034】
また、上記第一下温度設定値(48℃)は、第二上温度設定値(52℃)よりも温度差T4だけ低く設定されて、圧縮機16の所定能力以下での運転能力の制御と、所定能力以上での運転能力での制御において、冷房運転の場合と同様に、圧縮機16の運転能力の制御にハンチングがおきないように考慮される。
【0035】
次に、図4、図5を用いて、制御装置13による圧縮機16の運転能力制御を更に説明する。
【0036】
[A]冷房運転(図4)
冷房運転時には、図4に示すように、制御装置13は、まず圧縮機16の運転能力が所定能力以上であるか否か、つまり圧縮機16へ供給されている電流の周波数が例えば30Hz以上であるか否かを判定する(S1)。
【0037】
圧縮機16が上記所定能力以上で運転されている場合には、制御装置13は、上温度設定値を第二上温度設定値(8℃)に、下温度設定値を第二下温度設定値(6℃)にそれぞれ設定する(S2)。
【0038】
また、圧縮機16が上記所定能力以下で運転されている場合には、制御装置13は、上温度設定値を第一上温度設定値(9℃)に、下温度設定値を第一下温度設定値(2℃)にそれぞれ設定する(S3)。
【0039】
次に、制御装置13は、温度センサ26にて検出された冷媒温度(蒸発温度)が下温度設定値(第一下温度設定値、第二下温度設定値)以下であるか否かを判定し(S4)、以下である場合には圧縮機16の運転能力を下降させる(S5)。
【0040】
温度センサ26にて検出された冷媒の蒸発温度が下温度設定値(第一下温度設定値、第二下温度設定値)以上であるときに、この蒸発温度が上温度設定値(第一上温度設定値、第二上温度設定値)以上であるか否かを判定し(S6)、以上である場合には圧縮機16の運転能力を上昇させ(S7)、以下である場合には圧縮機16の運転能力の上昇を禁止する。
【0041】
[B]暖房運転(図5)
暖房運転時には、図5に示すように、制御装置13は、まず圧縮機16の運転能力が所定能力以上であるか否か、つまり圧縮機16へ供給されている電流の周波数が30Hz以上であるか否かを判定する(S11)。
【0042】
圧縮機16が上記所定能力以上で運転されている場合には、制御装置13は、上温度設定値を第二上温度設定値(52℃)に、下温度設定値を第二下温度設定値(50℃)にそれぞれ設定する(S12)。
【0043】
また、圧縮機16が上記所定能力以下で運転されている場合には、制御装置13は、上温度設定値を第一上温度設定値(56℃)に、下温度設定値を第一下温度設定値(48℃)にそれぞれ設定する(S13)。
【0044】
次に、制御装置13は、温度センサ26にて検出された冷媒温度(凝縮温度)が上温度設定値(第一上温度設定値、第二上温度設定値)以上であるか否かを判定し(S14)、以上である場合には圧縮機16の運転能力を下降させる(S15)。
【0045】
温度センサ26にて検出された冷媒の凝縮温度が上温度設定値(第一上温度設定値、第二上設定値)以下であるときに、この凝縮温度が下温度設定値(第一下温度設定値、第二下温度設定値)以下であるか否かを判定し(S16)、以下である場合には圧縮機16の運転能力を上昇させ(S17)、以上である場合には圧縮機16の運転能力の上昇を禁止する。
【0046】
以上のように構成したことから、本実施の形態によれば次の効果▲1▼及び▲2▼を奏する。
【0047】
▲1▼圧縮機16の運転能力を低下させることに余裕のある所定能力(圧縮機16へ供給させる電流の周波数が30Hz)以上で圧縮機16を運転しているときに、室内熱交換器21を流れる冷媒の温度が、冷房運転時には、第一下温度設定値(2℃)よりも高い第二下温度設定値(6℃)以下となったときに、暖房運転時には、第一上温度設定値(56℃)よりも低い第二上温度設定値(52℃)以上となったときに、それぞれ圧縮機16の運転能力を低下させることから、圧縮機16の過大な運転能力の結果生ずる冷風不快感や室内熱交換器21での結露(冷房運転時)、または吹出空気温度の上昇による室内上部空間の過剰暖房(暖房運転時)等の吹出空気温度の不適切さなどを防止できると共に、圧縮機16の運転能力を抑制させることにより省エネルギーを実現できる。
【0048】
▲2▼圧縮機16の運転能力が所定能力(圧縮機16へ供給させる電流の周波数が30Hz)以下である場合、冷房運転時には、圧縮機16の運転能力を上昇させる第一上温度設定値(9℃)が第二下温度設定値(6℃)よりも高く設定され、暖房運転時には、圧縮機16の運転能力を上昇させる第一下温度設定値(48℃)が第二上温度設定値(52℃)よりも低く設定されたことから、冷房運転と暖房運転とのそれぞれの場合に、圧縮機16を所定能力以上で運転させる場合の制御と、所定能力以下で運転させる場合の制御とにおいて、圧縮機16の運転能力の制御にハンチングの発生を防止できる。
【0049】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、圧縮機16の所定能力は、この圧縮機16へ供給される電流の周波数が30Hzの場合に限らず他の値の周波数であってもよい。
【0050】
また、温度センサ26の代わりに、室内熱交換器21に、この室内熱交換器21内を流れる冷媒のパラメータとしての圧力を検出する圧力センサを設置し、冷媒圧力が前述の冷媒温度と比例関係にあることから、制御装置13は、冷房運転時には、上記圧力センサにて検出された蒸発圧力に基づき、また、暖房運転時には、上記圧力センサにて検出された凝縮圧力に基づき、前述と同様にして圧縮機16の運転能力を制御してもよい。
【0051】
また、圧縮機16は、供給電流の周波数がインバータにより調整されて能力が変更させるものを述べたが、インバータを用いず、ステップ的に容量(能力)を変更できる圧縮機16(圧縮機ユニット)であってもよい。たとえば、2台の圧縮機を用い、1台の圧縮機が、2つのシリンダ間を、バルブを配設したバイパス通路で連結して、100%能力運転と50%能力運転とを実現できるものであり、他の圧縮機が容量を制御できない定速圧縮機であり、これらの両圧縮機と外部のバルブを組み合わせて、1馬力単位でステップ的に容量(能力)を変更できる圧縮機ユニットを用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、圧縮機を所定能力以上で運転している場合に、室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には、圧縮機が上記所定能力以下で運転される場合に設定された下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、圧縮機が上記所定能力以下で運転させる場合に設定された上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、圧縮機の運転を下降させるように制御することから、吹出空気の温度を適切にすることができると共に、圧縮機の過大な能力運転を抑制して省エネルギーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法の一実施の形態が実施される空気調和装置の冷媒回路を示す回路図である。
【図2】図1の空気調和装置において制御装置が実施する冷房運転時の圧縮機の能力制御を示す概念図である。
【図3】図1の空気調和装置において制御装置が実施する暖房運転時の圧縮機の能力制御を示す概念図である。
【図4】図1の制御装置が実施する冷房運転時の圧縮機の能力制御を示すフローチャートである。
【図5】図1の制御装置が実施する暖房運転時の圧縮機の能力制御を示すフローチャートである。
【図6】従来の空気調和装置における制御装置が実施する冷房運転時(A)、暖房運転時(B)の圧縮機の能力制御を示す概念図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置
11 室外機
21 室内機
13 制御装置
16 圧縮機
21 室内熱交換器
26 温度センサ
Claims (3)
- 室外熱交換器及び容量制御可能な圧縮機を備えた室外機と、室内熱交換器を備えた室内機とを有し、
上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御する空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法において、
上記圧縮機を所定能力以上で運転している場合に、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には、上記下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、上記上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御することを特徴とする空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法。 - 上記圧縮機を所定能力以下で運転している場合、冷房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる上パラメータ設定値が変更下パラメータ設定値よりも高く設定され、暖房運転時には、上記圧縮機の運転能力を上昇させる下パラメータ設定値が、変更上パラメータ設定値よりも低く設定されたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の圧縮機運転能力制御方法。
- 室外熱交換器及び容量制御可能な圧縮機を備えた室外機と、室内熱交換器を備えた室内機とを有し、
上記圧縮機の運転能力を制御する制御装置は、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御する空気調和装置において、
上記制御装置は、上記圧縮機を所定能力以上で運転している場合に、上記室内熱交換器を流れる冷媒のパラメータが、冷房運転時には、上記下パラメータ設定値よりも高い変更下パラメータ設定値以下となったときに、暖房運転時には、上記上パラメータ設定値よりも低い変更上パラメータ設定値以上となったときに、上記圧縮機の運転能力を下降させるよう制御することことを特徴とする空気調和装置。
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