JP3753256B2 - 直動転がり案内ユニット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,ケーシング,エンドキャップ等から成るスライダを転動体を介して軌道レール上で摺動可能に構成した直動転がり案内ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,直動転がり案内ユニットは,ケーシング,エンドキャップ等から成るスライダを転動体を介して軌道レール上で摺動可能に構成したものであって,具体的には,長手方向両側壁面に軌道溝を形成した軌道レール,該軌道レールに対して相対摺動可能であり且つ前記各軌道溝に対向して軌道溝を形成したケーシング,該ケーシングの長手方向両端に取り付けた一対のエンドキャップ,対向する前記軌道溝間を転走する転動体,前記各エンドキャップの外側端面に設けた側面シール,前記ケーシングの両側下面に設けられた下面シール及び前記軌道レールの上面に対向する前記ケーシングの下面に設けられた上面シールから構成されている。
【0003】
直動転がり案内ユニットについては,軌道レールの軌道溝やスライダの軌道溝にゴミ,塵,埃,切粉等の異物が付着すると,スライダが軌道レール上を摺動する際に転動体の円滑な転動を妨げる原因となるだけでなく,軌道溝に異物が噛み込んで軌道溝を傷付け,製品寿命の低下を招く原因にもなることから,異物のスライダ内への侵入を防止するため,スライダと軌道レールとの間に密封装置,即ち上記の側面シール,下面シール及び上面シールが設けられている。
【0004】
上記密封装置のうち,軌道レールの上面に付着した異物の排除は側面シールが効果的であるが,軌道レールに形成されたボルト挿通孔に異物が溜まると,その異物については側面シールで完全に払拭することは困難であり,側面シールを潜り抜けた異物はスライダの内部で飛散して,転動体が転走する軌道溝に侵入する可能性がある。そこで,従来の直動転がり案内ユニットでは,側面シールを潜り抜けてきた異物が軌道溝へ侵入しないようにするために上面シールが設けられている。
【0005】
また,直動転がり案内ユニットにおいては,軌道レールの軌道溝及びスライダの軌道溝にグリースが供給される構造になっているが,該グリースが軌道レールの上面に付着すると,異物が軌道レールの上面に粘着してしまい,側面シールだけでは該異物を排除することが困難になる。そこで,従来の直動転がり案内ユニットでは,軌道溝側のグリースが軌道レールの上面側へ漏れるのを防ぐために上面シールが設けられている。上面シールとしては,従来,種々のものが知られているが,異物が軌道溝へ侵入するのを防止する機能とグリースが軌道レールの上面側へ漏れるのを防止する機能の両方の機能を有している。
【0006】
例えば,上面シールの第1従来例として,平板状の細長いプレートと,該プレートの側縁に固着され且つ長手方向に長く延びるゴム製の単一リップとから構成されており,該リップがケーシングの軌道溝側へ向かって外向きに傾斜するように形成され,該リップの先端が自身の弾性力で軌道レールの上面に対して押し付けられている上面シールが知られている(例えば,実公昭62−35945号公報参照)。
【0007】
また,上面シールの第2従来例として,軌道レールの長手方向に長く延びるシール板であり,横断面形状が略長方形であり,該上面シールの下面が軌道レールの上面と接触せずに,微小な隙間を残すように,軌道レールの上面と対向するスライダの下面に直接固着することによって取り付けた上面シールが知られている。該上面シールは,その材質は金属,プラスチック,合成ゴム等何れでもよいとし,特に限定していない(例えば,実開平1−82330号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の上面シールはそれぞれ以下のような点で問題を有している。上記第1従来例における上面シールは,外向きに傾斜したリップを有しているので,グリースが軌道レールの上面へ漏れるのを防ぐことができるし,異物が軌道溝へ侵入するのを防止することができるが,リップが単一リップであるから,シール性能が十分とは言いがたい面がある。特に大きな異物がリップに衝突すると,該異物はリップを押し広げて軌道溝側へ侵入してしまう場合もあり得る。また,リップは弾性材料で製作されており先端が薄肉であるから,異物によって損傷する可能性もある。
【0009】
そこで,上記第1従来例の上面シールにおいて,単純にリップの数を増やすことによってシール部分を増やし,以て異物がリップを通過し難くすることが考えられるが,その場合には摺動抵抗の増加を招き,スライダが速い摺動に追従できなくなるという問題がある。
【0010】
一方,上記第2従来例における上面シール即ちシール板は,軌道レールに非接触であるから摺動抵抗はゼロであるという利点があるものの,特にグリースの漏れ防止に対するシール性能が十分とは言いがたい面がある。また,シール板の下面と軌道レールの上面との間に微小の隙間があるので,微小の異物は該隙間を通過して軌道溝側へ侵入してしまうという問題がある。更に,該シール板の材質を金属とした場合には,上記隙間に異物が噛み込んで,スライダの摺動抵抗が異常に大きくなってしまうという問題がある。
【0011】
この発明の目的は,上記問題を解決することであり,異物の軌道溝への侵入防止とグリースの漏れ防止の両方の機能を同時に達成する上面シールであり,複数のシール部分を有するにもかかわらず摺動抵抗が小さくて,異物の大きさに無関係にシール性能を発揮することが可能であり,異物によって損傷し難い上面シールを備えた直動転がり案内ユニットを提供することである。
【0012】
【課題を解決するため手段】
この発明は,長手方向両側壁面に軌道溝が形成された軌道レール,該軌道レールに対して相対摺動可能であり且つ前記軌道溝に対向して軌道溝がそれぞれ形成されたケーシング,該ケーシングの長手方向両端に取り付けられたエンドキャップ,対向する前記軌道溝間を転走する転動体,前記エンドキャップの外側端面に設けられた側面シール,前記ケーシングの両側下面に設けられた下面シール及び前記軌道レールの上面に対向する前記ケーシングの下面に取り付けられた上面シールを有する直動転がり案内ユニットにおいて,前記ケーシングの前記下面には長手方向に沿って凹溝が形成され,前記上面シールは前記凹溝内に嵌合し且つ固着具で固定され且つ前記ケーシングの前記下面と前記エンドキャップの下面との長手方向全長にわたって延びて端面が前記側面シールに当接する平板でなるプレートと該プレートの前記長手方向全長にわたる両側縁にそれぞれ固着され且つ前記軌道レールの前記上面の両側部領域にそれぞれ対向する弾性材料から成るシール部材とから構成され,前記各シール部材は,前記プレートから前記ケーシングの前記軌道溝側に向けて傾斜して延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に先端が接触する弾性変形が容易な形状でなるリップシール部,及び該リップシール部よりも中央領域側に隣接配置され断面形状が矩形の厚肉で前記プレートから延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に非常に微小な隙間を有した非接触でなり且つ前記軌道レールの前記上面に平行な平面状に形成されたラビリンスシール部から成り,前記シール部材のうち前記リップシール部は前記軌道溝側から前記軌道レールの前記上面の方へ向けてグリースが漏れるのを阻止し,前記ラビリンスシール部は前記軌道レールの前記上面から前記軌道溝側への異物の侵入を阻止することを特徴とする直動転がり案内ユニットに関する。
【0013】
この直動転がり案内ユニットは,上記のように構成されているので,異物の侵入はラビリンスシール部によって阻止され,グリースの漏れはリップシール部によって阻止される。特に,供給されたグリースで前記軌道溝側が高圧状態になると,前記リップシール部は前記軌道レールの上面に対してより一層強く押し付けられることになり,前記軌道溝側から前記軌道レールの上面の方へ向けてグリースが漏れるのを強力に阻止することができる。また,前記ラビリンスシール部の下面と前記軌道レールの上面との隙間は非常に小さく設定されているので,異物の前記軌道溝側への侵入を確実に阻止することができる。また,たとえ前記ラビリンスシール部から異物が侵入したとしても,該異物は非常に微小なものであるから,前記リップシール部の働きで該異物が前記軌道溝側へ侵入することはない。従って,前記上面シールは,異物の侵入防止機能とグリースの漏れ防止機能を同時に達成することができる。
【0014】
また,前記シール部材は,前記リップシール部と前記ラビリンスシール部の2つのシール部分を有しているが,前記軌道レールの上面に摺接するのは前記リップシール部だけであり,前記ラビリンスシール部は前記軌道レールの上面に非接触であるから,摺動抵抗は小さくて済む。また,前記シール部材は弾性材料で製作されているので,もし異物が前記ラビリンスシール部の下面と前記軌道レールの上面との隙間に噛み込んだとしても,前記ラビリンスシール部が弾性変形するから,スライダの摺動抵抗が異常に大きくなることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照しながら,この発明による直動転がり案内ユニットの実施例について説明する。図1はこの発明による直動転がり案内ユニットの一実施例を示す一部破断の横断面図である。また,図1に示した実施例では,転動体4としてローラを使用したタイプを示しているが,ローラに限らず,ボールを使用したタイプにも適用できるものである。
【0016】
この直動転がり案内ユニットは,ベース1A上に固定され且つ長手方向両側壁面11にそれぞれ2条ずつ軌道溝9を形成した軌道レール1と,軌道レール1上を跨架して摺動可能に装着されたスライダ7から構成されている。軌道レール1の上面14には,ベース1Aへの取り付けの際に取付ボルトを挿通するためのボルト挿通孔29が開口している。スライダ7は,軌道レール1に対して相対摺動可能であり且つ各軌道溝9に対向する位置に軌道溝8を形成したケーシング2,対向する軌道溝8,9間で相対移動可能に転走する多数のローラからなる転動体4,ケーシング2の摺動方向即ち長手方向両端にそれぞれ取り付けたエンドキャップ(図示せず),及びスライダ7と軌道レール1との間をシールするための密封装置を有している。
【0017】
スライダ7は,軌道レール1に跨架した状態に載置され,軌道レール1の軌道溝9に沿って循環する複数のローラからなる転動体4の介在で自在に摺動するものである。即ち,軌道レール1の軌道溝9を走行する負荷域の転動体4は,エンドキャップ内に形成された方向転換路(図示せず)に導かれ,更にケーシング2の軌道溝8と平行に形成されたリターン通路孔10に移動し,多数の転動体4は無限循環路内を無限循環するものである。このように,スライダ7に形成された軌道溝8と軌道レール1の軌道溝9との間に位置する負荷された転動体4の転動により,軌道レール1とスライダ7とが摺動自在に相対運動できる。転動体4は保持部材17によってケーシング2に保持されている。ケーシング2の両内側面24にはそれぞれ2条の軌道溝8が形成されており,ケーシング2から転動体4が脱落するのを防止するため,略三角形の断面形状を持つ保持部材17が2条の転動体4を挟むようにケーシング2に取り付けられている。
【0018】
密封装置は,エンドキャップの端面に取り付けられる側面シール6,ケーシング2とエンドキャップとの両側下面に配置される下面シール3,及びスライダ7のケーシング2の下面13と軌道レール1の上面14との間に設けられる上面シール19からなる。
【0019】
側面シール6はエンドキャップの端面に重ね合わせてエンドキャップと一緒にケーシング2に対してねじ26で取り付けられる。側面シール6の端面にはグリースニップル18が取り付けられており,該グリースニップル18から供給されたグリースは,ケーシング2内の保留室25に供給・保留され,対向する軌道溝8,9を潤滑する。側面シール6は,軌道レール1の側壁面11に摺接し,軌道溝9に摺接するシール部(図示せず)を有している。また,側面シール6は軌道レール1の上面に摺接し,且つ外向きに傾斜したシール突起(図示せず)を有している。
【0020】
下面シール3は,軌道レール1,ケーシング2及びエンドキャップに対して上下方向にシールを行うものである。下面シール3は平板状の鋼板の一側縁にシール突起3Aが焼き付け等によって固着されたもので,スライダ7の両側下面にそれぞれ取り付けられる。下面シール3をスライダ7の下面に取り付けた状態においては,シール突起3Aは下向きに傾斜しており,軌道レール1の側壁面11に摺接する。
【0021】
上面シール19は,スライダ7のケーシング2の下面13と軌道レール1の上面14との間に設けられている。スライダ7を構成するケーシング2の下面13,即ち,ケーシング2の内部側の空所12部分の下面13には,軌道レール1の上面14と対向する凹溝15が形成されている。また,ケーシング2の下面13には中心線上に複数個の取付穴16が形成されている。上面シール19は,ケーシング2の下面13に取り付けられ且つケーシング2の下面13の両側縁に沿って長手方向に延びるプレート20と,プレート20の両側縁にそれぞれ焼き付け等によって固着された一対のシール部材21,22とから構成されている。プレート20は,平板状の芯金で構成されている。また,プレート20はスライダ7のケーシング2の下面13とエンドキャップの下面の長手方向全長にわたって延びており,プレート20の端面は側面シール6に密封状態に当接している。また,シール部材21,22は,軌道レール1の上面14の両側部領域にそれぞれ対向する弾性材料から構成されている。
【0022】
上面シール19は,スライダ7の下面13に取り付けられるものであり,上面シール19を構成するプレート20をケーシング2の凹溝15に嵌合し,プレート20の孔とケーシング2の取付穴16を一致させて,ボルト23で締め付けることによって取り付けられる。その取付はスライダ7の組立後に行うことができる。また,ケーシング2の下面13に凹溝15を形成したので,プレート20と軌道レール1の上面14との距離Hを確保しつつ,直動転がり案内ユニットの薄型化を図ることができる。
【0023】
上面シール19の各シール部材21,22はゴム,プラスチック等の弾性材料で製作される。なお,エンジニアリングプラスチックで製作する場合には,シール部材21,22とプレート20とをエンジニアリングプラスチックで一体成形してもよい。各シール部材21,22は軌道レール1の上面の両側部領域Sにそれぞれ対向するように配置され,軌道レール1の長手方向に沿って延びるものである。各シール部材21,22は,図1に示すように,プレート20への取付基部30からケーシング2の軌道溝8側に向けて延びて外向きに傾斜し且つ先端が軌道レール1の上面14の側部領域Sに接触するリップシール部28と,リップシール部28と一体構造に形成され且つ軌道レール1の上面14の中央領域C側に配置されたラビリンスシール部27とから形成されている。
【0024】
また,ラビリンスシール部28は,断面形状が矩形に形成され,軌道レール1の上面14の側部領域Sに非接触で平行な平面状に延びている。ラビリンスシール部27は,断面形状が矩形の厚肉のものであるから,変形に対して高強度であり,たとえ鋭利な異物が衝突したとしても損傷し難いものである。ラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面14との隙間は非常に微小なものである。また,ラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面との隙間に微小な異物が噛み込んだとしても,ラビリンスシール部27は弾性材料で製作されているから,スライダ7の摺動抵抗が異常に大きくなることはない。
【0025】
リップシール部28は弾性材料で形成すると共に,長さを長くして容易に変形する形状としたので,リップシール部28のリップ先端が軌道レール1の上面14を押し付ける押圧力は比較的小さなものである。従って,スライダ7は従来よりも小さな摺動抵抗で動作でき,速い摺動にも十分追従することができるものとなっている。
【0026】
次に,この直動転がり案内ユニットにおける密封装置のシール機能について説明する。この直動転がり案内ユニットは,側面シール6がエンドキャップの外側両端面にそれぞれ設けられているので,軌道レール1に付着した異物は側面シール6によって,軌道レール1の上面14とスライダ7の下面13との間への侵入,及び軌道レール1の両側壁面11,11とスライダ7の内側面24との間への侵入が阻止される。異物が軌道レール1の上面14からスライダ7の内部に侵入してしまった場合には,異物は側面シール6から外部へ排出される。即ち,側面シール6のシール突起は外向きに傾斜しているので,侵入した異物はスライダ7の移動時に側面シール6から外部へ排出される。
【0027】
また,ベース1A側から軌道溝側へ侵入しようとする異物の侵入は下面シール3によって阻止される。また,もし異物が下面シール3からスライダ7内部に侵入してしまった場合には,侵入した異物は下面シール3から外部へ排出されることになる。即ち,下面シール3はシール突起3Aが下向きに傾斜しており,しかも保留室25内にはグリース,空気等が供給されているので,保留室25内が高圧状態になると,異物はグリースと一緒に外部へ排出される。なお,下面シール3からグリースが排出されることに関しては特に問題は生じない。
【0028】
また,たとえ軌道レール1の上面14とスライダ7の下面13との間へ異物が侵入したとしても,上面シール19のラビリンスシール部27によって軌道溝8,9側への異物の侵入は阻止される。もしラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面14との隙間を異物が通過したとしても,該異物は非常に微小なものであるから,リップシール部28によって軌道溝8,9側への侵入は完全に防止することができる。
【0029】
また,グリースニップル18から供給されたグリース等で軌道溝8,9側が高圧状態になると,リップシール部28は軌道レール1の上面14に対してより一層強く押し付けられることになり,軌道溝8,9側から軌道レール1の上面14の方へ向けてグリースが漏れるのを防止する効果が増すことになる。従って,グリースが軌道レール1の上面14に漏れ出てこないから,軌道レール1の上面14に付着した異物は側面シール6のシール突起によって簡単に払拭することができる。
【0030】
また,供給されたグリース等の圧力によってリップシール部28は軌道レール1の上面14に強く押し付けられ,リップシール部28のシール性能が強化されるので,たとえラビリンスシール部27から異物が侵入したとしても,その異物の軌道溝8,9側への侵入はリップシール部28によって強力に阻止される。この上面シール19は,以上のように作用するので,異物の侵入防止機能とグリースの漏れ防止機能を同時に達成することができる。
【0031】
上記実施例においては,側面シール6を各エンドキャップの外側端面に一枚ずつ取り付ける場合について説明したが,スライダ7の端面からのグリースの漏れを徹底的に避けるという意味で,各エンドキャップの外側端面にそれぞれ複数枚の側面シール6を取り付けるようにしてもよい。その場合,半分の側面シール6については,シール突起の向きが反対向きになるように取り付けることが望ましい。なお,その場合,異物の排出は下面シール3から行われることになる。
【0032】
【発明の効果】
この直動転がり案内ユニットは,上記のように構成されているので,側面シールを潜り抜けてスライダの内部に侵入してきた異物は,ラビリンスシール部の働きで,軌道溝への侵入を阻止され,また,リップシール部の働きによって軌道溝側のグリースが前記軌道レールの上面へ漏れ出すことはない。また,供給されたグリースによって前記軌道溝側の圧力が高くなると,該圧力によって外側の前記リップシール部は前記軌道レールの上面に一層強く押し付けられ,シール性能が一層強化されるので,グリースが前記軌道レールの上面に漏れ出てくることはない。また,前記ラビリンスシール部は,前記リップシール部に比べて肉厚であるから,変形に対して高強度であり,たとえ鋭利な異物が衝突したとしても,前記ラビリンスシール部は損傷し難く,異物に対するシール性能を損なうということはない。また,前記ラビリンスシール部は異物の侵入を阻止する働きがあるが,もし異物が前記軌道溝側へ侵入したとすれば,該異物は非常に微小なものであり,前記軌道溝側への該異物の侵入は前記リップシール部によって完全に阻止される。
【0033】
また,前記上面シールの前記シール部材は,前記ケーシングの下面に取り付ける平板状のプレートの両側縁にそれぞれ固着されたものであり,前記プレートを折曲加工していないので,直動転がり案内ユニットの薄型化を図ることができる。更に,前記上面シールの前記プレートは,平板から形成され,該平板が前記ケーシングの下面にボルト等の固着具で固定されるように構成されているから,前記上面シールのスライダへの組付作業はスライダの組立後に行うことができるので,該組付作業は簡単なものになる。また,前記リップシール部はそれ自体の弾性力でリップ部先端が前記軌道レールの上面に押し付けられるものであるから,前記上面シールのシール性能は前記プレートの製作精度にあまり左右されず,製品間でシール性能にバラツキが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直動転がり案内ユニットの一実施例を示す一部破断の横断面図である。
【符号の説明】
1 軌道レール
2 ケーシング
3 下面シール
4 転動体
6 側面シール
8,9 軌道溝
11 側壁面
13 ケーシングの下面
14 軌道レールの上面
19 上面シール
20 プレート
21,22 シール部材
23 ボルト(固着具)
27 ラビリンスシール部
28 リップシール部
C 中央領域
S 側部領域
【発明の属する技術分野】
この発明は,ケーシング,エンドキャップ等から成るスライダを転動体を介して軌道レール上で摺動可能に構成した直動転がり案内ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に,直動転がり案内ユニットは,ケーシング,エンドキャップ等から成るスライダを転動体を介して軌道レール上で摺動可能に構成したものであって,具体的には,長手方向両側壁面に軌道溝を形成した軌道レール,該軌道レールに対して相対摺動可能であり且つ前記各軌道溝に対向して軌道溝を形成したケーシング,該ケーシングの長手方向両端に取り付けた一対のエンドキャップ,対向する前記軌道溝間を転走する転動体,前記各エンドキャップの外側端面に設けた側面シール,前記ケーシングの両側下面に設けられた下面シール及び前記軌道レールの上面に対向する前記ケーシングの下面に設けられた上面シールから構成されている。
【0003】
直動転がり案内ユニットについては,軌道レールの軌道溝やスライダの軌道溝にゴミ,塵,埃,切粉等の異物が付着すると,スライダが軌道レール上を摺動する際に転動体の円滑な転動を妨げる原因となるだけでなく,軌道溝に異物が噛み込んで軌道溝を傷付け,製品寿命の低下を招く原因にもなることから,異物のスライダ内への侵入を防止するため,スライダと軌道レールとの間に密封装置,即ち上記の側面シール,下面シール及び上面シールが設けられている。
【0004】
上記密封装置のうち,軌道レールの上面に付着した異物の排除は側面シールが効果的であるが,軌道レールに形成されたボルト挿通孔に異物が溜まると,その異物については側面シールで完全に払拭することは困難であり,側面シールを潜り抜けた異物はスライダの内部で飛散して,転動体が転走する軌道溝に侵入する可能性がある。そこで,従来の直動転がり案内ユニットでは,側面シールを潜り抜けてきた異物が軌道溝へ侵入しないようにするために上面シールが設けられている。
【0005】
また,直動転がり案内ユニットにおいては,軌道レールの軌道溝及びスライダの軌道溝にグリースが供給される構造になっているが,該グリースが軌道レールの上面に付着すると,異物が軌道レールの上面に粘着してしまい,側面シールだけでは該異物を排除することが困難になる。そこで,従来の直動転がり案内ユニットでは,軌道溝側のグリースが軌道レールの上面側へ漏れるのを防ぐために上面シールが設けられている。上面シールとしては,従来,種々のものが知られているが,異物が軌道溝へ侵入するのを防止する機能とグリースが軌道レールの上面側へ漏れるのを防止する機能の両方の機能を有している。
【0006】
例えば,上面シールの第1従来例として,平板状の細長いプレートと,該プレートの側縁に固着され且つ長手方向に長く延びるゴム製の単一リップとから構成されており,該リップがケーシングの軌道溝側へ向かって外向きに傾斜するように形成され,該リップの先端が自身の弾性力で軌道レールの上面に対して押し付けられている上面シールが知られている(例えば,実公昭62−35945号公報参照)。
【0007】
また,上面シールの第2従来例として,軌道レールの長手方向に長く延びるシール板であり,横断面形状が略長方形であり,該上面シールの下面が軌道レールの上面と接触せずに,微小な隙間を残すように,軌道レールの上面と対向するスライダの下面に直接固着することによって取り付けた上面シールが知られている。該上面シールは,その材質は金属,プラスチック,合成ゴム等何れでもよいとし,特に限定していない(例えば,実開平1−82330号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の上面シールはそれぞれ以下のような点で問題を有している。上記第1従来例における上面シールは,外向きに傾斜したリップを有しているので,グリースが軌道レールの上面へ漏れるのを防ぐことができるし,異物が軌道溝へ侵入するのを防止することができるが,リップが単一リップであるから,シール性能が十分とは言いがたい面がある。特に大きな異物がリップに衝突すると,該異物はリップを押し広げて軌道溝側へ侵入してしまう場合もあり得る。また,リップは弾性材料で製作されており先端が薄肉であるから,異物によって損傷する可能性もある。
【0009】
そこで,上記第1従来例の上面シールにおいて,単純にリップの数を増やすことによってシール部分を増やし,以て異物がリップを通過し難くすることが考えられるが,その場合には摺動抵抗の増加を招き,スライダが速い摺動に追従できなくなるという問題がある。
【0010】
一方,上記第2従来例における上面シール即ちシール板は,軌道レールに非接触であるから摺動抵抗はゼロであるという利点があるものの,特にグリースの漏れ防止に対するシール性能が十分とは言いがたい面がある。また,シール板の下面と軌道レールの上面との間に微小の隙間があるので,微小の異物は該隙間を通過して軌道溝側へ侵入してしまうという問題がある。更に,該シール板の材質を金属とした場合には,上記隙間に異物が噛み込んで,スライダの摺動抵抗が異常に大きくなってしまうという問題がある。
【0011】
この発明の目的は,上記問題を解決することであり,異物の軌道溝への侵入防止とグリースの漏れ防止の両方の機能を同時に達成する上面シールであり,複数のシール部分を有するにもかかわらず摺動抵抗が小さくて,異物の大きさに無関係にシール性能を発揮することが可能であり,異物によって損傷し難い上面シールを備えた直動転がり案内ユニットを提供することである。
【0012】
【課題を解決するため手段】
この発明は,長手方向両側壁面に軌道溝が形成された軌道レール,該軌道レールに対して相対摺動可能であり且つ前記軌道溝に対向して軌道溝がそれぞれ形成されたケーシング,該ケーシングの長手方向両端に取り付けられたエンドキャップ,対向する前記軌道溝間を転走する転動体,前記エンドキャップの外側端面に設けられた側面シール,前記ケーシングの両側下面に設けられた下面シール及び前記軌道レールの上面に対向する前記ケーシングの下面に取り付けられた上面シールを有する直動転がり案内ユニットにおいて,前記ケーシングの前記下面には長手方向に沿って凹溝が形成され,前記上面シールは前記凹溝内に嵌合し且つ固着具で固定され且つ前記ケーシングの前記下面と前記エンドキャップの下面との長手方向全長にわたって延びて端面が前記側面シールに当接する平板でなるプレートと該プレートの前記長手方向全長にわたる両側縁にそれぞれ固着され且つ前記軌道レールの前記上面の両側部領域にそれぞれ対向する弾性材料から成るシール部材とから構成され,前記各シール部材は,前記プレートから前記ケーシングの前記軌道溝側に向けて傾斜して延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に先端が接触する弾性変形が容易な形状でなるリップシール部,及び該リップシール部よりも中央領域側に隣接配置され断面形状が矩形の厚肉で前記プレートから延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に非常に微小な隙間を有した非接触でなり且つ前記軌道レールの前記上面に平行な平面状に形成されたラビリンスシール部から成り,前記シール部材のうち前記リップシール部は前記軌道溝側から前記軌道レールの前記上面の方へ向けてグリースが漏れるのを阻止し,前記ラビリンスシール部は前記軌道レールの前記上面から前記軌道溝側への異物の侵入を阻止することを特徴とする直動転がり案内ユニットに関する。
【0013】
この直動転がり案内ユニットは,上記のように構成されているので,異物の侵入はラビリンスシール部によって阻止され,グリースの漏れはリップシール部によって阻止される。特に,供給されたグリースで前記軌道溝側が高圧状態になると,前記リップシール部は前記軌道レールの上面に対してより一層強く押し付けられることになり,前記軌道溝側から前記軌道レールの上面の方へ向けてグリースが漏れるのを強力に阻止することができる。また,前記ラビリンスシール部の下面と前記軌道レールの上面との隙間は非常に小さく設定されているので,異物の前記軌道溝側への侵入を確実に阻止することができる。また,たとえ前記ラビリンスシール部から異物が侵入したとしても,該異物は非常に微小なものであるから,前記リップシール部の働きで該異物が前記軌道溝側へ侵入することはない。従って,前記上面シールは,異物の侵入防止機能とグリースの漏れ防止機能を同時に達成することができる。
【0014】
また,前記シール部材は,前記リップシール部と前記ラビリンスシール部の2つのシール部分を有しているが,前記軌道レールの上面に摺接するのは前記リップシール部だけであり,前記ラビリンスシール部は前記軌道レールの上面に非接触であるから,摺動抵抗は小さくて済む。また,前記シール部材は弾性材料で製作されているので,もし異物が前記ラビリンスシール部の下面と前記軌道レールの上面との隙間に噛み込んだとしても,前記ラビリンスシール部が弾性変形するから,スライダの摺動抵抗が異常に大きくなることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照しながら,この発明による直動転がり案内ユニットの実施例について説明する。図1はこの発明による直動転がり案内ユニットの一実施例を示す一部破断の横断面図である。また,図1に示した実施例では,転動体4としてローラを使用したタイプを示しているが,ローラに限らず,ボールを使用したタイプにも適用できるものである。
【0016】
この直動転がり案内ユニットは,ベース1A上に固定され且つ長手方向両側壁面11にそれぞれ2条ずつ軌道溝9を形成した軌道レール1と,軌道レール1上を跨架して摺動可能に装着されたスライダ7から構成されている。軌道レール1の上面14には,ベース1Aへの取り付けの際に取付ボルトを挿通するためのボルト挿通孔29が開口している。スライダ7は,軌道レール1に対して相対摺動可能であり且つ各軌道溝9に対向する位置に軌道溝8を形成したケーシング2,対向する軌道溝8,9間で相対移動可能に転走する多数のローラからなる転動体4,ケーシング2の摺動方向即ち長手方向両端にそれぞれ取り付けたエンドキャップ(図示せず),及びスライダ7と軌道レール1との間をシールするための密封装置を有している。
【0017】
スライダ7は,軌道レール1に跨架した状態に載置され,軌道レール1の軌道溝9に沿って循環する複数のローラからなる転動体4の介在で自在に摺動するものである。即ち,軌道レール1の軌道溝9を走行する負荷域の転動体4は,エンドキャップ内に形成された方向転換路(図示せず)に導かれ,更にケーシング2の軌道溝8と平行に形成されたリターン通路孔10に移動し,多数の転動体4は無限循環路内を無限循環するものである。このように,スライダ7に形成された軌道溝8と軌道レール1の軌道溝9との間に位置する負荷された転動体4の転動により,軌道レール1とスライダ7とが摺動自在に相対運動できる。転動体4は保持部材17によってケーシング2に保持されている。ケーシング2の両内側面24にはそれぞれ2条の軌道溝8が形成されており,ケーシング2から転動体4が脱落するのを防止するため,略三角形の断面形状を持つ保持部材17が2条の転動体4を挟むようにケーシング2に取り付けられている。
【0018】
密封装置は,エンドキャップの端面に取り付けられる側面シール6,ケーシング2とエンドキャップとの両側下面に配置される下面シール3,及びスライダ7のケーシング2の下面13と軌道レール1の上面14との間に設けられる上面シール19からなる。
【0019】
側面シール6はエンドキャップの端面に重ね合わせてエンドキャップと一緒にケーシング2に対してねじ26で取り付けられる。側面シール6の端面にはグリースニップル18が取り付けられており,該グリースニップル18から供給されたグリースは,ケーシング2内の保留室25に供給・保留され,対向する軌道溝8,9を潤滑する。側面シール6は,軌道レール1の側壁面11に摺接し,軌道溝9に摺接するシール部(図示せず)を有している。また,側面シール6は軌道レール1の上面に摺接し,且つ外向きに傾斜したシール突起(図示せず)を有している。
【0020】
下面シール3は,軌道レール1,ケーシング2及びエンドキャップに対して上下方向にシールを行うものである。下面シール3は平板状の鋼板の一側縁にシール突起3Aが焼き付け等によって固着されたもので,スライダ7の両側下面にそれぞれ取り付けられる。下面シール3をスライダ7の下面に取り付けた状態においては,シール突起3Aは下向きに傾斜しており,軌道レール1の側壁面11に摺接する。
【0021】
上面シール19は,スライダ7のケーシング2の下面13と軌道レール1の上面14との間に設けられている。スライダ7を構成するケーシング2の下面13,即ち,ケーシング2の内部側の空所12部分の下面13には,軌道レール1の上面14と対向する凹溝15が形成されている。また,ケーシング2の下面13には中心線上に複数個の取付穴16が形成されている。上面シール19は,ケーシング2の下面13に取り付けられ且つケーシング2の下面13の両側縁に沿って長手方向に延びるプレート20と,プレート20の両側縁にそれぞれ焼き付け等によって固着された一対のシール部材21,22とから構成されている。プレート20は,平板状の芯金で構成されている。また,プレート20はスライダ7のケーシング2の下面13とエンドキャップの下面の長手方向全長にわたって延びており,プレート20の端面は側面シール6に密封状態に当接している。また,シール部材21,22は,軌道レール1の上面14の両側部領域にそれぞれ対向する弾性材料から構成されている。
【0022】
上面シール19は,スライダ7の下面13に取り付けられるものであり,上面シール19を構成するプレート20をケーシング2の凹溝15に嵌合し,プレート20の孔とケーシング2の取付穴16を一致させて,ボルト23で締め付けることによって取り付けられる。その取付はスライダ7の組立後に行うことができる。また,ケーシング2の下面13に凹溝15を形成したので,プレート20と軌道レール1の上面14との距離Hを確保しつつ,直動転がり案内ユニットの薄型化を図ることができる。
【0023】
上面シール19の各シール部材21,22はゴム,プラスチック等の弾性材料で製作される。なお,エンジニアリングプラスチックで製作する場合には,シール部材21,22とプレート20とをエンジニアリングプラスチックで一体成形してもよい。各シール部材21,22は軌道レール1の上面の両側部領域Sにそれぞれ対向するように配置され,軌道レール1の長手方向に沿って延びるものである。各シール部材21,22は,図1に示すように,プレート20への取付基部30からケーシング2の軌道溝8側に向けて延びて外向きに傾斜し且つ先端が軌道レール1の上面14の側部領域Sに接触するリップシール部28と,リップシール部28と一体構造に形成され且つ軌道レール1の上面14の中央領域C側に配置されたラビリンスシール部27とから形成されている。
【0024】
また,ラビリンスシール部28は,断面形状が矩形に形成され,軌道レール1の上面14の側部領域Sに非接触で平行な平面状に延びている。ラビリンスシール部27は,断面形状が矩形の厚肉のものであるから,変形に対して高強度であり,たとえ鋭利な異物が衝突したとしても損傷し難いものである。ラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面14との隙間は非常に微小なものである。また,ラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面との隙間に微小な異物が噛み込んだとしても,ラビリンスシール部27は弾性材料で製作されているから,スライダ7の摺動抵抗が異常に大きくなることはない。
【0025】
リップシール部28は弾性材料で形成すると共に,長さを長くして容易に変形する形状としたので,リップシール部28のリップ先端が軌道レール1の上面14を押し付ける押圧力は比較的小さなものである。従って,スライダ7は従来よりも小さな摺動抵抗で動作でき,速い摺動にも十分追従することができるものとなっている。
【0026】
次に,この直動転がり案内ユニットにおける密封装置のシール機能について説明する。この直動転がり案内ユニットは,側面シール6がエンドキャップの外側両端面にそれぞれ設けられているので,軌道レール1に付着した異物は側面シール6によって,軌道レール1の上面14とスライダ7の下面13との間への侵入,及び軌道レール1の両側壁面11,11とスライダ7の内側面24との間への侵入が阻止される。異物が軌道レール1の上面14からスライダ7の内部に侵入してしまった場合には,異物は側面シール6から外部へ排出される。即ち,側面シール6のシール突起は外向きに傾斜しているので,侵入した異物はスライダ7の移動時に側面シール6から外部へ排出される。
【0027】
また,ベース1A側から軌道溝側へ侵入しようとする異物の侵入は下面シール3によって阻止される。また,もし異物が下面シール3からスライダ7内部に侵入してしまった場合には,侵入した異物は下面シール3から外部へ排出されることになる。即ち,下面シール3はシール突起3Aが下向きに傾斜しており,しかも保留室25内にはグリース,空気等が供給されているので,保留室25内が高圧状態になると,異物はグリースと一緒に外部へ排出される。なお,下面シール3からグリースが排出されることに関しては特に問題は生じない。
【0028】
また,たとえ軌道レール1の上面14とスライダ7の下面13との間へ異物が侵入したとしても,上面シール19のラビリンスシール部27によって軌道溝8,9側への異物の侵入は阻止される。もしラビリンスシール部27の下面と軌道レール1の上面14との隙間を異物が通過したとしても,該異物は非常に微小なものであるから,リップシール部28によって軌道溝8,9側への侵入は完全に防止することができる。
【0029】
また,グリースニップル18から供給されたグリース等で軌道溝8,9側が高圧状態になると,リップシール部28は軌道レール1の上面14に対してより一層強く押し付けられることになり,軌道溝8,9側から軌道レール1の上面14の方へ向けてグリースが漏れるのを防止する効果が増すことになる。従って,グリースが軌道レール1の上面14に漏れ出てこないから,軌道レール1の上面14に付着した異物は側面シール6のシール突起によって簡単に払拭することができる。
【0030】
また,供給されたグリース等の圧力によってリップシール部28は軌道レール1の上面14に強く押し付けられ,リップシール部28のシール性能が強化されるので,たとえラビリンスシール部27から異物が侵入したとしても,その異物の軌道溝8,9側への侵入はリップシール部28によって強力に阻止される。この上面シール19は,以上のように作用するので,異物の侵入防止機能とグリースの漏れ防止機能を同時に達成することができる。
【0031】
上記実施例においては,側面シール6を各エンドキャップの外側端面に一枚ずつ取り付ける場合について説明したが,スライダ7の端面からのグリースの漏れを徹底的に避けるという意味で,各エンドキャップの外側端面にそれぞれ複数枚の側面シール6を取り付けるようにしてもよい。その場合,半分の側面シール6については,シール突起の向きが反対向きになるように取り付けることが望ましい。なお,その場合,異物の排出は下面シール3から行われることになる。
【0032】
【発明の効果】
この直動転がり案内ユニットは,上記のように構成されているので,側面シールを潜り抜けてスライダの内部に侵入してきた異物は,ラビリンスシール部の働きで,軌道溝への侵入を阻止され,また,リップシール部の働きによって軌道溝側のグリースが前記軌道レールの上面へ漏れ出すことはない。また,供給されたグリースによって前記軌道溝側の圧力が高くなると,該圧力によって外側の前記リップシール部は前記軌道レールの上面に一層強く押し付けられ,シール性能が一層強化されるので,グリースが前記軌道レールの上面に漏れ出てくることはない。また,前記ラビリンスシール部は,前記リップシール部に比べて肉厚であるから,変形に対して高強度であり,たとえ鋭利な異物が衝突したとしても,前記ラビリンスシール部は損傷し難く,異物に対するシール性能を損なうということはない。また,前記ラビリンスシール部は異物の侵入を阻止する働きがあるが,もし異物が前記軌道溝側へ侵入したとすれば,該異物は非常に微小なものであり,前記軌道溝側への該異物の侵入は前記リップシール部によって完全に阻止される。
【0033】
また,前記上面シールの前記シール部材は,前記ケーシングの下面に取り付ける平板状のプレートの両側縁にそれぞれ固着されたものであり,前記プレートを折曲加工していないので,直動転がり案内ユニットの薄型化を図ることができる。更に,前記上面シールの前記プレートは,平板から形成され,該平板が前記ケーシングの下面にボルト等の固着具で固定されるように構成されているから,前記上面シールのスライダへの組付作業はスライダの組立後に行うことができるので,該組付作業は簡単なものになる。また,前記リップシール部はそれ自体の弾性力でリップ部先端が前記軌道レールの上面に押し付けられるものであるから,前記上面シールのシール性能は前記プレートの製作精度にあまり左右されず,製品間でシール性能にバラツキが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直動転がり案内ユニットの一実施例を示す一部破断の横断面図である。
【符号の説明】
1 軌道レール
2 ケーシング
3 下面シール
4 転動体
6 側面シール
8,9 軌道溝
11 側壁面
13 ケーシングの下面
14 軌道レールの上面
19 上面シール
20 プレート
21,22 シール部材
23 ボルト(固着具)
27 ラビリンスシール部
28 リップシール部
C 中央領域
S 側部領域
Claims (1)
- 長手方向両側壁面に軌道溝が形成された軌道レール,該軌道レールに対して相対摺動可能であり且つ前記軌道溝に対向して軌道溝がそれぞれ形成されたケーシング,該ケーシングの長手方向両端に取り付けられたエンドキャップ,対向する前記軌道溝間を転走する転動体,前記エンドキャップの外側端面に設けられた側面シール,前記ケーシングの両側下面に設けられた下面シール及び前記軌道レールの上面に対向する前記ケーシングの下面に取り付けられた上面シールを有する直動転がり案内ユニットにおいて,
前記ケーシングの前記下面には長手方向に沿って凹溝が形成され,前記上面シールは前記凹溝内に嵌合し且つ固着具で固定され且つ前記ケーシングの前記下面と前記エンドキャップの下面との長手方向全長にわたって延びて端面が前記側面シールに当接する平板でなるプレートと該プレートの前記長手方向全長にわたる両側縁にそれぞれ固着され且つ前記軌道レールの前記上面の両側部領域にそれぞれ対向する弾性材料から成るシール部材とから構成され,
前記各シール部材は,前記プレートから前記ケーシングの前記軌道溝側に向けて傾斜して延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に先端が接触する弾性変形が容易な形状でなるリップシール部,及び該リップシール部よりも中央領域側に隣接配置され断面形状が矩形の厚肉で前記プレートから延びて前記軌道レールの前記上面の前記側部領域に非常に微小な隙間を有した非接触でなり且つ前記軌道レールの前記上面に平行な平面状に形成されたラビリンスシール部から成り,前記シール部材のうち前記リップシール部は前記軌道溝側から前記軌道レールの前記上面の方へ向けてグリースが漏れるのを阻止し,前記ラビリンスシール部は前記軌道レールの前記上面から前記軌道溝側への異物の侵入を阻止することを特徴とする直動転がり案内ユニット。
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