JP3752715B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、競技場などの屋外で投光器として使用される照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7には従来から投光器として用いられている照明器具を示してある。照明器具本体1は、前面が透光面11として形成されると共に後面の略全面を開口部12として開口させて形成される前部本体2と、前部本体2の開口部12を閉塞する後部本体3とで構成されている。前部本体2の内周面は光を反射する反射面として形成されると共に後部本体3の前面には前側に凹曲する反射板34が取り付けられている。またランプ5は反射板34の前側に配置されている。
【0003】
ランプ5は、両端部に端子を有するダブルエンド型で放電型のランプで形成されており、ガラス製の筒体で形成されるランプ本体5aの両端開口にプラスチック製の封止部材5bを挿着することによって、ランプ本体5aを封止部材5bで封止して形成されている。図8(a)にはランプ5の取付構造の一例の概略図が示してある。このものではランプ5の両端部を反射板34よりも外側に突出させてランプ5を前部本体2の開口部12に取り付けるように形成されている。
【0004】
しかし図8(a)に示す従来例では、反射板34よりも外側に突出させてランプ5を前部本体2に取り付けるようにしてあるので、照明器具本体1の外部にランプ5の端部が突出しないように前部本体2を大きく形成しなければならず、小型化を図ることができないという問題があった。
そこで図8(b)に示すように、後部本体3の内部に固定板21を設けると共に固定板21の前面にアルミニウム板製の一対のランプ取付台45を対向させて固定し、各ランプ取付台45の先端を反射板34に貫通させて反射板34の前側に突出させ、ランプ取付台45の先端の間にランプ5を配置すると共にランプ5の各封止部材5bを両方のランプ取付台45にそれぞれ貫通させて固定することによって、ランプ取付台45にランプ5を取り付けるようにしてある。この照明器具では、ランプ5を反射板34の前側に収めることができ、小型化することができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし図8(b)に示す従来例では、反射板34で反射された光がランプ本体5aと封止部材5bの接合部分である封止部20にあたって封止部20の許容温度を超えてしまう恐れがあり、ランプ5が短寿命となったりランプ5が点灯しない(不点)などの破損を引き起こすという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ランプの短寿命化や破損を防止することができる照明器具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の照明器具Aは、照明器具本体1にランプ5と反射板34を内蔵させて形成される照明器具において、ランプ5全体を反射板34の前側に配置し、アルミニウム製の封止部カバー10を反射板34の後方に設けた固定板75に固定することによって封止部カバー10を照明器具本体1に取り付け、封止部カバー10に形成したカバー部10bを反射板34の前側に配置すると共にカバー部10bをランプ5の封止部20と反射板34との間に介在させ、封止部カバー10の反射板34側の表面を光を吸収し易い光吸収面として形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、上記アルミニウム製の封止部カバー10としてアルミニウムダイカストを用いて成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、ランプ5の端子55と照明器具本体1の内部配線25とを接続するためのソケット27を封止部カバー10に取り付けて成ることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の照明器具Aは図9に示す従来例とほぼ同等の外観を有するものであり、図2(a)(b)に示すように照明器具本体1は前部本体2と後部本体3で構成されている。前部本体2は成形材料であるアルミニウムダイカストを用いて作成されており、その表面には腐食防止のための塗装が施されている。また前部本体2は前側ほど径の大きな筒体であって、その前面と後面は開口されていると共にその内面は光を反射する反射面として形成されている。
【0010】
前部本体2の前面の開口2aには透明のガラス板30が取り付けられており、前部本体2の前面の開口縁部にネジ31で取り付けられる円形の取り付け枠35と前部本体2の前面の開口縁部とでガラス板30の周端部が挟持されて固定されている。また前部本体2の内部にはランプ5で発生する光を配光制御するための補助反射板32が設けられている。さらに前部本体2の上面の両側には前部本体2の後面の開口の縁部を上方に屈曲させて係止片が形成されていると共に、前部本体2の下面には連結片が後方に突出させて設けられている。
【0011】
後部本体3は成形材料であるアルミニウムダイカストを用いて作成されており、その表面には腐食防止のための塗装が施されている。後部本体3の前面には反射板34が取り付けられている。この反射板34は後部本体3の前後方向の中心線を軸として軸に対して左右対称に後方に凸曲させて構成されている。また後部本体3の上面の両側には突出部が設けられていると共に突出部の前面には断面略倒L型の結合金具38の後端が枢着してあり、突出部に対して結合金具38が上下に回動自在に取り付けられている。この結合金具38の前端には後方に突出する係合片が形成されている。また突出部の後方において後部本体3の上面には取手部40が設けられていると共に後部本体3の下面には接続ボックス41が配設されている。
【0012】
この後部本体3の内部には封止部カバー10が設けられている。封止部カバー10はアルミダイカストを成形して得られるものであり、黒色に塗装してある。図6(a)に示すように前面と両側面が開口するコ字型に形成されるカバー部10aと、カバー部10aの外側端部の下面に連設される保持片10bと、保持片10bの下端に連設される断面コ字型の取付台10cで形成されている。カバー部10aの内部には、前側に開口する半円状の嵌め込み凹部70を設けた位置決め片71が形成されている。また取付台10cの前面にはソケット27が設けられていると共にソケット27の前面には上記カバー部10aの外側の側面の開口にまで到達する取付片15が形成されている。そして取付台10cを反射板34の後方に設けたアルミニウム板で形成される固定板75にネジ76で固定すると共に反射板34に設けたカバー突出口77からカバー部10aを反射板34の前側に突出させることによって、一対の封止カバー10を照明器具本体1内の両側に取り付けてある。
【0013】
図5(a)にはこの実施の形態で使用されるランプ5の一例が示してある。ランプ5は、両端に端子55を有するダブルエンド型で放電型のランプであって、横方向に長い中空の放電部50と放電部50の両側に連設される板部51とで構成されるガラス製のランプ本体5aと、プラスチック製の封止部材5bとで形成されており、各板部51に設けた凹部52に封止部材5bを嵌着してランプ本体5aを封止部材5bで封止したものである。そして板部51と封止部材5bの接合部分にランプ5の封止部20(直接目では見えない)が形成されている。また放電部50の内部には一対の電極53が対向させて設けてあると共に各電極53にはリード線54がそれぞれ接続されており、このリード線54は板部51と封止部材5bを貫通させてランプ5の外部に引き出されていると共に引き出した各リード線54の端部にはコ字型の端子55が取り付けてある。そして端子55及びリード線54を介して各電極53に高い電圧をかけて放電させることによってランプ5を発光させることができる。
【0014】
このランプ5は、ランプ5の両端を結ぶランプ5の軸と上記反射板34の軸とが垂直に交わるように反射板34の前側に配置し、ランプ5の封止部材5bを封止部カバー10のカバー部10aの前側の開口からカバー部10aの内部に嵌め込むと共に封止部材5bを位置決め片71の嵌め込み凹部70に嵌合し、ランプ5の封止部材5bの端部をソケット27に設けた取付片15に固定することによって、ランプ5の両端部をソケット27で支持して照明器具本体1の後部本体3の内部に取り付けることができる。尚、この時反射板34の焦点にランプ5の電極53の放電(アーク)の中心が位置するようにランプ5は照明器具本体1に取り付けられる。
【0015】
またランプ5のリード線54に設けた端子55はソケット27において照明器具本体1の内部配線25と接続されている。内部配線25は、ランプ5のリード線54とともにソケット27に一端が取り付けられてリード線54と接続される内部電線80と、内部電線80の他端が接続されるボルトナット45と、ボルトナット45の端部に設けた圧着端子44と接続される中継電線43とで構成されており、中継電線43は照明器具本体1内から接続ボックス41に導入され、接続ボックス41内で安定器を介して電源と接続される外部配線と接続される。
【0016】
上記照明器具Aでは、ランプ5全体を反射板34の前側に配設したので、ランプ5が反射板34よりも大きくならないようにすることができ、小型化を図ることができる。またランプ5の端部をカバー部10a内に収めてランプ5の封止部20と反射板34との間に封止部カバー10を介在させたので、封止部カバー10のカバー部10aで反射板34からの反射光を遮断して封止部20に当たらないようにすることができ、封止部20の温度上昇を抑えることができる。また封止部カバー10は黒色に塗装されていて表面を光を吸収し易い光吸収面として形成してあるので、封止部カバー10による反射板34からの反射光を吸収効率を高めることができ、封止部20の温度上昇を抑えることができる。
【0017】
さらに封止部カバー10は、アルミニウム製の固定板75を介して照明器具本体1に取り付けられているので、光を吸収することによって生じる熱を固定板75を通じて照明器具本体1に伝導させて照明器具本体1から熱を放熱させることができ、封止部カバー10自身の温度も高くならないようにして封止部20の温度上昇を抑えることができる。また封止部カバー10にソケット27を取り付けることによって、ランプ5の温度上昇を抑える封止部カバー10を利用してソケット27を取り付けることができ、封止部カバー10とソケット取付台とを兼用して部品の点数を少なくすることができる。さらに封止部カバー10はアルミダイカストで形成されているので、アルミニウム板を折り曲げ加工して作成される従来のランプ取付台よりも寸法精度を高くすることができ、ランプ5の取付位置の精度を向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の発明は、ランプ全体を反射板の前側に配置し、アルミニウム製の封止部カバーを反射板の後方に設けた固定板に固定することによって封止部カバーを照明器具本体に取り付け、封止部カバーに形成したカバー部を反射板の前側に配置すると共にカバー部をランプの封止部と反射板との間に介在させ、カバー部の反射板側の表面を光を吸収し易い光吸収面として形成したので、封止部カバーのカバー部で反射板からの反射光を遮断して封止部に当たらないようにすることができ、封止部の許容温度以上に封止部が温度上昇するのを抑えてランプの短寿命化や破損を防止することができるものである。また封止部カバーを反射板の後方に設けた固定板に固定して照明器具本体に取り付けることによって、光の吸収によって発生した熱を、封止部カバーから固定板を通じて照明器具本体へと伝導させて照明器具本体から熱を放熱させることができ、封止部カバーの温度上昇を抑えて封止部の許容温度以上に封止部が温度上昇するのを防止することができるものである。さらに封止部カバーの反射板側を光吸収面とすることによって、封止部カバーの光の吸収効率を高めることができ、封止部への光の影響を少なくすることができるものである。
【0019】
また本発明の請求項2に記載の発明は、上記アルミニウム製の封止部カバーとしてアルミニウムダイカストを用いたので、アルミニウムを折り曲げ成形して封止部カバーを形成するよりも寸法精度を高めることができ、ランプの取付位置の精度を向上させることができるものである。
また本発明の請求項3に記載の発明は、ランプの端子と照明器具本体の内部配線とを接続するためのソケットを封止部カバーに取り付けたので、ランプの温度上昇を抑える封止部カバーを利用してソケットを取り付けることができ、封止部カバーとソケット取付台とを兼用して部品の点数を少なくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す一部の断面図である。
【図2】(a)は同上の前方から見た斜視図、(b)は同上の後方から見た斜視図である。
【図3】同上の平面断面図である。
【図4】同上の一部の正面図である。
【図5】(a)は同上のランプの斜視図、(b)は同上のランプの端部を示す一部の平面図である。
【図6】(a)は同上の封止部カバーの先端を示す側面図、(b)は断面図である。
【図7】従来例の斜視図である。
【図8】(a)は従来例を示す概略図、(b)は他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 照明器具本体
5 ランプ
10 封止部カバー
10b カバー部
20 封止部
25 内部配線
27 ソケット
34 反射板
75 固定板
Claims (3)
- 照明器具本体にランプと反射板を内蔵させて形成される照明器具において、ランプ全体を反射板の前側に配置し、アルミニウム製の封止部カバーを反射板の後方に設けた固定板に固定することによって封止部カバーを照明器具本体に取り付け、封止部カバーに形成したカバー部を反射板の前側に配置すると共にカバー部をランプの封止部と反射板との間に介在させ、封止部カバーの反射板側の表面を光を吸収し易い光吸収面として形成して成ることを特徴とする照明器具。
- 上記アルミニウム製の封止部カバーとしてアルミニウムダイカストを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
- ランプの端子と照明器具本体の内部配線とを接続するためのソケットを封止部カバーに取り付けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
Priority Applications (1)
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JP33724895A JP3752715B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 照明器具 |
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Family Applications (1)
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JP33724895A Expired - Fee Related JP3752715B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 照明器具 |
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1995
- 1995-12-25 JP JP33724895A patent/JP3752715B2/ja not_active Expired - Fee Related
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